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浮上磁場に伴う フィラメント形成と放出過程 の 3 次元シミュレーション. 研究会 SOLAR-B 時代の太陽シミュレーション. 能登谷 瞬(東大・横山研). フィラメント放出. 数時間のタイムスケールで ねじれた管の形を保ち ながら軸と垂直方向に噴出. 数百キロの速さ (コロナアルフベン速度の 数十パーセント). 足元に アーケード状 の構造. フィラメント放出に関する観測 Feynman & Martin (1995)の研究. フィラメントが存在する領域に太陽の光球面下から. 観測された 22 例のうち、 17 例が放出される. 浮上磁場が. - PowerPoint PPT Presentation
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浮上磁場に伴うフィラメント形成と放出過程の 3 次元シミュレーション
能登谷 瞬(東大・横山研)
研究会 SOLAR-B 時代の太陽シミュレーション
フィラメント放出数時間のタイムスケールでねじれた管の形を保ちながら軸と垂直方向に噴出
数百キロの速さ(コロナアルフベン速度の数十パーセント)足元にアーケード状の構造
フィラメント放出に関する観測Feynman & Martin (1995)の
研究
浮上磁場の出現に伴いフィラメントの放出がおこりやすい。
フィラメントが存在する領域に太陽の光球面下から
この観測より浮上磁場がコロナ磁場周辺に現れた場合、放出されやすい傾向。
観測された22例のうち、17例が放出される観測されない31例のうち5例しか放出されない
浮上磁場が
本研究のモチベーション
Feynman & Martin などの観測解析からフィラメント放出現象は浮上磁場がコロナ磁場との相互作用によって起きていることが推測される。
ではフィラメント放出現象に浮上磁場はどのように 関わってくるのか
浮上磁場によるフィラメントの放出
本研究では3次元 MHD シミュレーションによって対流層からコロナ中まで浮上磁場が上昇する様子を再現し、コロナ磁場に与える影響を調べ、どのようなプロセスによってフィラメントが放出されるのかを見ていく。
シミュレーションの先行研究
Chen & Shibata 2000
2 次元フィラメントの浮上磁場に伴う放出過程を再現
ただし、 2 次元ではフィラメントの足元はなく放出されやすい。
線:磁力線色:温度
シミュレーションのモデル
1001
対流層 ~ 遷移層
コロナ
6 万キロ
アーケード構造のコロナ磁場(フィラメント放出に伴いよく観測される)対流層に強くひねられた磁束管(対流の運動によるひねり)
断面図は温度
単純なケースとしてアーケード磁場と磁束管が隣接した場合
矢印は磁力線の向き
アーケード磁場:磁気中性線に対して平行に近い(太陽のフィラメント構造から推測)
磁束管:右回りで軸方向に約 12H0(3000km) 進むと 1 巻き の部分に擾乱を与えることで磁束間の浮上を励起
1 100
10 万キロ
方程式と境界条件
抵抗は異常抵抗モデルを使用(電流の強い所で抵抗値があがる)
抵抗、重力が入った MHD 方程式(粘性、熱伝導はなし)
スキームはModified Lax-Wendroff
境界条件はX 、 Y 平面に関しては自由境界条件
Z 平面下側境界は対称境界条件
Z 平面上側境界は自由境界条件
ただし、 Z 平面下側以外は damping 領域を含む (遠くにとる)
シミュレーションの結果
1: 浮上磁場の上昇と膨張過程
中心部分に擾乱を受けた磁束管はパーカー不安定(磁気浮力)によって上昇。コロナに達すると大きく膨張する。
黄:浮上磁場の磁力線
上昇
下降流
2,3: 磁気浮上からフィラメント
放出まで
緑:リコネクションしない磁力線(下向きの力)オレンジ:リコネクションをして長い磁力線に変化(上向きの力)
青:対流層から浮上した磁力線
2: アーケード磁場の変化
黄:電流シート
アーケード構造の足元の磁力線は浮上磁場の膨張に伴い半平行成分が近づくことで電流シートを形成(リコネクションの開始)
緑:リコネクションしない磁力線(下向きの力)オレンジ:リコネクションをして長い磁力線に変化(上向きの力)
青:対流層から浮上した磁力線
3-1: フィラメント形成過程
形成された電流シートおいてリコネクションが起き、ひねられた磁力線の形成される。(フィラメント構造)
3-2: フィラメント放出過程
リコネクションした磁力線は周囲の磁力線を引き伸ばして上昇していく。
リコネクションに伴って電流シートが散逸される。
リコネクション過程
電波で見たフィラメント放出(異なる時間の重ね合わせ)
コロナの下にあった冷たい物質がフィラメント放出に伴い持ち上げられる
観測との類似性
プラズモイド領域は放出過程において高さ9万キロでコロナアルフベン速度の~30%にまで加速
緑:浮上磁場の膨張による エネルギー蓄積青:アーケード磁場の放出に 伴いエネルギー解放
磁場エネルギー(左軸)運動エネルギー(右軸)
アーケードの
磁場のエネルギーが放出されるフィラメントの運動エネルギーに変換
(5200秒)(2080秒)
(9万キロ)
高さ(左軸)速度(右軸)
(5200秒)(3120秒)
3次元MHDシミュレーションによって浮上磁場に伴うフィラメントの形成と放出過程をはじめて再現された。
浮上磁場の膨張過程においてアーケード磁場の形状がおおきく歪められることで磁場のエネルギーが蓄えられ、リコネクションの進行と共にそのエネルギーが解放され、フィラメントの放出エネルギーになることがわかった。
これらの結果は浮上磁場がコロナ磁場のエネルギー源となりフィラメントの形成や放出過程にリコネクションプロセスを通して重要な役割を果たすと言える。
これまでの研究の結果
今後の課題1.他のパラメータの効果の検証フィラメント形成や放出過程がどのような場所や条件で起こるのか?(例えば、浮上磁場とアーケード磁場の位置関係など)
4.実データによるシミュレーション実データによるコロナ磁場でもフィラメントの形成、放出過程は起こるのか?
2.リコネクション過程の検証リコネクション領域にグリッドを細かく配置した場合、グローバルな現象が変化しないか?3.放出後の現象の追跡空間、及び時間範囲を広くとることで、フィラメントの放出後の現象を長く追いかける。フィラメントはどこまでも放出するのか?
現在シミュレーション1ケースに付き120 node 時間(宇宙研 SX6 : 4node*10hour*3times )
2.リコネクション過程の検証リコネクション領域にグリッドを細かく配置した場合、グローバルな現象が変化しないか?グリット間隔 dy ~ 2 dy ~ 0.5 (50<y<100)グリット数 jx = 261 jx = 411 必要ノード時間 ~190 node 時間
リコネクション過程が速く進むことで放出速度などに影響が出るかもしれない。
3.放出後の現象の追跡空間、及び時間範囲を広くとることで、フィラメントの放出後の現象を長く追いかける。フィラメントはどこまでも放出するのか?高さ(z) Zmax=440 (10^5km) Zmax=880 (2*10^5km)グリット数 kx = 388 kx = 438 ステップ数 nstep = 55994 (tend=194) nstep ~ 150000 (tend ~ 226)必要ノード数 ~360 node 時間
(9万キロ)
高さ(左軸)速度(右軸)
(5200秒)(3120秒)
コロナ質量放出
フィラメントの放出に伴ってしばしば太陽の遠方で観測され、因果関係強い
惑星間空間へ太陽のプラズマ物質が突発的に放出される現象
シミュレーション結果の流れ
1.浮上磁場の上昇及び膨張過程 対流層で擾乱を受けた磁束管が磁気不安定性 によって上昇、光球面を通り、コロナに達すると膨張。
2.浮上磁場の膨張に伴うコロナアーケード磁場の変化 コロナ中に存在するアーケード磁場が浮上磁場の 膨張によって歪められその内部に電流シートを形成。
3.フィラメント構造の形成と放出過程 電流シート内でアーケード自身のリコネクションが起こり、 フィラメント構造が形成される。 さらにリコネクションが進むと放出過程に至る。
1は一時間、2 , 3は数十分のタイムスケールで起こる
2: アーケード磁場の変化
黄:電流シート
アーケード構造の足元の磁力線は浮上磁場の膨張に伴い半平行成分が近づくことで電流シートを形成(リコネクションの開始)
緑:リコネクションしない磁力線(下向きの力)オレンジ:リコネクションをして長い磁力線に変化(上向きの力)
青:対流層から浮上した磁力線
フィラメント
数万~数十万キロ100万度のコロナに比べて数万度程度で冷たく密度大きい。磁場によって安定に支えられている。
プラズモイド領域 に注目
左図:磁束管の中心付近の断面図
3 次元のフィラメントは2 次元断面図において閉じた磁力線として描かれる
磁気張力のz成分
磁気圧勾配のz成分
プラズモイドに働く力
プラズモイド領域の上昇は磁気張力によって抑えられ磁気圧勾配によって駆動される
破線は初期値
浮上磁場が弱い他ケースとの比較B=30
B=24
B=18
残りのエネルギーはコロナ磁場のエネルギーなどに蓄えられる
ポインティングフラックスによってコロナに入るエネルギー
(5200秒)(2600秒)
浮上磁場そのものが持つエネルギー
(5200秒)(2600秒)
B=30
B=24
浮上磁場の強さを弱くすると放出速度も減る。
放出過程までに至る二つのケースの比較
速度の比較
(5200秒)(3640秒)
高さの比較
(5200秒)
(9万キロ)
(3640秒)
B=24
B=18
B=30
浮上磁場が弱くなるとアーケード磁場の変化が小さくなり、リコネクション過程が進みにくい。
B=30
B=24
B=18
浮上磁場が弱くなるとアーケードに蓄えられる磁場のエネルギーが減り、放出過程が弱くなる。
アーケードの磁場エネルギーの比較
(5200秒)(2600秒)
アーケードの運動エネルギーの比較
(5200秒)(2600秒)
Temperature
Density
Gas pressure
Magnetic pressure
大気構造 コロナ対流層 光球Log スケール
光球付近からコロナへ温度が急激に変化(100倍)
コロナでは磁気圧がガス圧よりも優勢で磁場が支配
光球面でのそれぞれの物理量を基準としている
(高さ)
アーケードの幅Lが広い他ケースとの比較
B=30, L=80
L=100
L=120
残りのエネルギーはコロナ磁場のエネルギーなどに蓄えられる
浮上磁場そのものが持つエネルギー
(2600秒) (5200秒)
ポインティングフラックスによってコロナに入るエネルギー
(2600秒) (5200秒)
B=30,L=80
アーケード構造の幅が広くなると電流シートの形成が難しくなりリコネクション過程に至るのに時間がかかる
リコネクションが起こらないケースでも膨張によって蓄えられたエネルギーは解放される。
L=100
L=120
L=80
L=100
L=120
放出過程に入るとエネルギー解放率に違いが出て、運動エネルギーにも違いが出る。
磁場エネルギーの比較
(5200秒)(2600秒)
運動エネルギーの比較
(2600秒) (5200秒)
L=80
L=100
放出過程までに至る二つのケースの比較
アーケードの幅が広い場合放出されるアーケードが大きいため同じ運動エネルギーでも速度が落ちる
速度の比較
(5200秒)(3640秒)
高さの比較
(3640秒) (5200秒)
(9万キロ)
横の境界による影響
Ymax=197
Ymax=166
境界を近くにしても放出過程にほとんど差がみられない。
(5200秒)(3640秒)
速度の比較
(9万キロ)
高さの比較
(3640秒) (5200秒)
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Temperature
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Pressure
Magnetic Field
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