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本本本本本本本本本本 本本本本 本本 、「 24本本本本本本本本本本本本本本本 本 本 本 本 本本 本 本 本 本 本 」、 本本本本本本本本本本本本本本 本本本本本本本本本本本本本本本本本本 本本本 本本本本本本本本本本本本本本本 本本本本本本本本本本本本本本本本本本 、。 本本本本 本本本本本本本本本本本本本本本本 、、 本本本本本本本本 本本本本本本 、・・ 本本 本本本本本本本本本本本本 本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本 本本本本本本本本本本本本本 本本本本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本本 本 本 本 本 本 本 本本 本本 本 本 本 本 本 、、、 本本本本本本本本本本本本本 本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本 本 本 本 本 本 本 本本 本 本 本 本 本 本 本 ・、 本本本本本本本本 本本本本本本本本本本本 、一。 本本本本本本本本 本 本 本 本 本 本 本 本 本本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本本 本 本 本 本 本 本 、、、 本本本 本本本 本本本本本 本本本本本 03-3581-1101 本 本 本 () 2165

第5時限 研究活動と知的財産(3)          ◇特定技術分野と知財          ◇知的財産の利用と活用          ◇その他の知的財産制度(1)

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第5時限 研究活動と知的財産(3)          ◇特定技術分野と知財          ◇知的財産の利用と活用          ◇その他の知的財産制度(1). 第5時限 目次. 5-1 特定技術分野と知財 5-1-1 ライフサイエンス関連分野 5-1-2 ソフトウェア関連発明 5-2 知財の利用と活用 5-2-1 知的財産の利用、知的財産活動の意義 5-2-2 標準化知的財産 5-2-3 知財の活用、特許の活用 5-3 その他の知的財産制度(1) 5-3-1 他の知的財産制度 5-3-2 実用新案制度 5-3-3 意匠制度 5-3-4 商標制度. - PowerPoint PPT Presentation

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本資料の利用について

本資料は、「平成24年度特許庁大学知財研究推進事業」において、特許庁の委託を受けた国立大学法人大阪大学 知的財産センターが開発したものであり、著作者人格権は国立大学法人大阪大学に、著作財産権は特許庁に帰属しています。

本資料は、著作権法上認められる利用のほか、非営利目的に限り、改変・引用・複製・頒布を行うことができますが、これらの行為及びその内容に関する責任は利用者自身が負うものとします。

本資料は、正確を期して開発したものですが、不正確な情報や、古くなった情報を含んでいる可能性があります。

本資料を利用したことから生じるあらゆる損害・損失について、国立大学法人大阪大学及び特許庁は、一切の責任を負いません。

営利目的での利用、翻訳の希望その他、不明な点がありましたら、以下へご連絡ください。

特許庁 企画調査課 活用企画班 03-3581-1101 (内線)2165

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第5時限 研究活動と知的財産(3)         ◇特定技術分野と知財         ◇知的財産の利用と活用         ◇その他の知的財産制度(1)

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第5時限 目次

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5-1 特定技術分野と知財5-1-1 ライフサイエンス関連分野5-1-2 ソフトウェア関連発明

5-2 知財の利用と活用5-2-1 知的財産の利用、知的財産活動の意義5-2-2 標準化知的財産5-2-3 知財の活用、特許の活用

5-3 その他の知的財産制度(1)5-3-1 他の知的財産制度5-3-2 実用新案制度5-3-3 意匠制度5-3-4 商標制度

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近年、革新的な科学技術の進歩により様々な発明がみられるようになった。

ライフサイエンス関連分野

 

医薬発明遺伝子発明用途発明

化学物質や微生物を用いた発明は、

昔から行われてきた。

5-1-1

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 人間を手術、治療又は診断する方法に関する発明

5-1-1

審査基準 ( 第 II 部第 1 章 産業上利用することができる発明 )

特許保護の対象 特許保護の対象外

医薬

ベクター

医療材料

医療材料の製造方法

細胞の分化誘導・分析方法

医療機器

医薬の製造方法

ベクターの製造方法

医療材料をマウスに移植する方法

物理手段と生化学手段の組み合わせ物

医療目的ではないパワーアシスト方法

医療機器の作動方法

人体から各種の資料を収集するための方法

医薬をヒトに投与する方法

ベクターを用いて遺伝子をヒトに導入する方法

医療材料をヒトに移植する方法

組合せ物を用いてヒトを治療する方法

医療目的(リハビリ用等)のパワーアシスト方法

医療機器を使用してヒトに手術、治療又は診断する方法

医療目的で人間の病状等を判断する工程を含む方法

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 医薬発明5-1-1

特許保護されうる範囲(物の発明)

特許保護されない範囲(人間を手術、治療又は診断する方法 )

医薬の投与方法等

注射剤

経口剤

単剤 新たな医薬用途

特定の疾病への適用 喘息治療剤 血圧降下剤 抗アレルギー剤等

用法又は用量が 特定された 特定の疾病への適

用 -用法又は用量-

投与時間 / 投与手順 / 投与量 / 投与部位等

(審査基準第 Ⅶ部第3章「医薬発明」参照。)

組み合わせ剤

改訂部分

医薬発明は、ある 物の未知の属性の発見 に基づき、当該物の 新たな医薬用途 を提供しようとする「 物の発明 」である。

新薬開発には・・・研究開発期間 : 約 9-17 年研究開発費  :約 200 -500億円開発成功率  :約 1/20000

他の領域より時間と費用がかかる!

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 微生物に関する発明

(審査基準第Ⅶ部第2章「生物関連発明」2.参照)

微生物とは、酵母、カビ、キノコ、細菌、放線菌、単細胞藻類、ウイルス、原生動物などを意味し、さらには、動物又は植物の分化していない細胞及び組織培養物も含まれる。

微生物に関する発明とは、微生物自体の発明、微生物の利用に関する発明などであ

る。(微生物の利用に関する発明には、公知微生物の利用方法を発見したことに基づく発明も含ま

れる。)

5-1-1

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微生物の発明

微生物の寄託 寄託番号の開示 微生物の特性

次の微生物は、産業上利用することができる発明に該当しない ①天然にある微生物を単に発見したもの   (天然物から人為的に単離した微生物は創作性あり) ②微生物自体の発明、有用性が記載されていない、有用性が類推できない

8

【請求項1】ラクトバチルス・ロイテリ菌株CF2-7F(ATCC PTA-4965)の生物学的に純粋な培養物。(P4486957)

【微生物の受託番号】 FERM P-14038【請求項1】 醤油用麹菌株として用いられる醤油用 Aspergillus sojae 株又は醤油用 Aspergillus oryzae 株の変異株であって、胞子が白色である白色変異株であり、且つ前記白色変異株が味噌麹用菌株として蒸米上で生育し得る菌株であることを特徴とする味噌麹用菌株。 (P3101140)

5-1-1

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 動植物に関する発明

動物とは、生物を、微生物、植物及び動物の三つに分類した場合の動物 ( 人を除く。 ) を意味する。

• 動物に関する発明とは、自体の発明、動物の部分に関する発明、動物の作出方法の発明、動物の利用に関する発明など。

植物とは、生物を微生物、植物及び動物の三つに分類した場合の植物を意味する。

• 植物に関する発明とは、植物自体の発明、植物の部分 (例:果実 ) に関する発明、植物の作出方法の発明、植物の利用に関する発明など。

※(審査基準第Ⅶ部第2章「生物関連発明」2.参照)

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動植物発明

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5-1-1

10

 回虫駆除薬サントニン高含有率ペンタヨモギ (「ヨモギ属に属する新植物」 公告 S58-3646   PAT1281544 )  子宮角短縮豚 (「子宮角短縮豚及び非外科的豚受精卵の採取方法」 公告 S63-

27013 )  白内障ラット (「遺伝性白内障ラット」 公告 H02-62201   PAT1635260 )

 反復可能性が争われた事例: 「黄桃事件」 最高裁平成 10 年(行ツ)第 19号

 植物品種 育成が反復して行うことができ、親植物と特性等で相違している創作   種苗法の制定( 1978 年)    

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遺伝子工学関連発明には、 ・遺伝子 ・ベクター ・形質転換体 ・融合細胞 ・組換えタンパク質等に関する発明が包含される。

 遺伝子工学に関する発明5-1-1

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権利行使における問題(厚生労働省の認可等)

1件の特許の重み

薬用資源問題(途上国との関係)

 ライフサイエンス関連特許の特殊性

医薬、バイオ

遺伝子、関連特

許の特殊性 倫理問題(クロー

ン、再生医療、遺伝子組み換え作物など)

後発品問題

5-1-1

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ソフトウェア関連発明の歴史

ソフトウェアの歴史と保護の背景

197

0

年代

199

0

年代

198

0

年代

•  ビデオゲームプログラムコピー訴訟

• 1980 年 日米科学技術協定締結• 1982 年  IBM 産業スパイ事件• 1983 年 プログラム権法の検討• 1986 年 著作権法改定(著作権による

ソフトウェア保護)

• 1990 年 日米知的所有権協議• 1997 年 ソフトウェア関連発明に

関する運用指針の改訂(ソフトウェア単体での特許認可)

5-1-2

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 ソフトウェア関連発明の歴史5-1-2

かつての技術開発、製品開発のメインはハードウェア

ハードウェアの性能が向上することにより、専用の LSI による処理からソフトウェアによる処理へ移行した

ハードウェアのコストは低減する一方、ソフトウェア開発に莫大な資本、労力がかかるように

ソフトウェアが独自の価値を持つ財産となり、保護の要請が強まる

電卓:ハードそのもの

ワープロ本体:ハードかな漢字変換プログラム:ソフト

かな漢字変換プログラム媒体(フロッピー):ハードプログラム:ソフト

ASPプログラムネットワーク上のプログラム:ソフトそのもの

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 ソフトウェア関連発明の特許性5-1-2

応用分野がビジネスであっても同様!

ある課題を解決するためのアイデアを思いつく!

コンピュータを使えば 実現できるかもしれない!でもどうやって?

ハードウエア資源を用いて具体的に実現すれば ...

→発明!

「ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されている場合」 ⇒「発明」(「自然法則を利用した技術的思想の創作」)

特許法は、抽象的な「アイデア」そのものではなく、アイデアを具現化する「技術」を保護する法律

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 ソフトウェア関連発明の課題5-1-2

  特許は国内でのみ有効(属地主義)

原則

 特許(国内)の侵害行為が国境を越えて行われ、国内で被害が発生した場合どのようにして権利行使するか

例:プログラムのダウンロードが海外のサーバ(日本の特許権の及ばない国のサーバ)から行われる場合など

課題

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第5時限 目次

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5-1 特定技術分野と知財5-1-1 ライフサイエンス関連分野5-1-2 ソフトウェア関連発明

5-2 知財の利用と活用5-2-1 知的財産の利用、知的財産活動の意義5-2-2 標準化知的財産5-2-3 知財の活用、特許の活用

5-3 その他の知的財産制度(1)5-3-1 他の知的財産制度5-3-2 実用新案制度5-3-3 意匠制度5-3-4 商標制度

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知的財産に対し、適切な利用方法を把握する必要がある。

知的財産の利用

・A君は自分の実験に、 B社の特許発明である装置を使いたい。

・ E君は論文執筆、学会発表において、 F先生の先行論文を引用 したい。

具体例

・ C君は D君の発明を取り込んだ新たな発明を行い、自ら使った。

研究・開発活動

新たな成果既存の成果・特許・研究論文・学会発表

18

5-2-1

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◆知的財産権制度が目指す社会

新しい技術、デザイン、プログラムなどが知的創作物として生み出されることによって達成

産業や文化が発展する社会

研究開発等を促進する必要

研究開発等を促進する必要

研究開発は社会を発展させ

他人の権利を尊重するとは、創作者に敬意を払うこと

創作者、研究開発に敬意を払わない社会

しかし、他人の権利を尊重しないと・・・

研究開発にインセンティブを与えて研究が行われる社会を作る

創作者に報いる社会風土の醸成が必要

知的財産権の尊重5-2-1

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発明の利用

特許権者であっても、他人の権利を利用している場合は、実施できない。

①他人の特許発明を利用し、又は特許権が他人の権利と抵触関係にある場合( 72条)

②専用実施権が設定されている場合( 68条)

→自分で権利を持っていたとしても、実施できない場合がある!

第三者が使って良い場合

①特許権の効力が及ばない場合( 69条)

ⅰ)試験又は研究のためにする実施

ⅱ)単に日本国内を通過するに過ぎない船舶、飛行機等

ⅲ)特許出願時から日本国内にある物

ⅳ)医師、歯科医師の処方箋により調剤する行為又は調剤する医薬

②実施権が有する場合(以下参照)

実施権

許諾実施権

法定実施権

裁定実施権

権利者の許諾に基づいて発生する

権利者の意思とは無関係に、法律の規定によって発生する

行政庁の裁定に基づいて発生する

5-2-1

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 (再掲)企業の知的財産活動の意義5-2-1

知的財産活動

事業等の優位性の確保

競争力を高める

事業等の安全性の確保

知財リスクの低減 他者特許対策

事業等の市場形成

市場(マーケット)への影響力市場参入障壁の構築、対応

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企業の市場における考え方

市場を独占する

市場を活性化させる

市場を伸長させる

市場を創出する

単独で実施する

単独で実施する

一番乗り

他者と一緒に実施する

他者と一緒に実施する

条件設定(販売地域、数量、範囲の限定)

業界挙げて(標準化の検討)

限界

限界

5-2-1

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標準化と知的財産

製品の規格や仕様などがそれぞれの会社の製品で異なると、互換性がなく、利用者は不便。例:コンセント、電池のサイズなど

標準化の意義

製品の互換性・インターフェースの整合性を確保することで、利便性が確保される。また、標準を用いる製品の普及が促進され

る。

近年は、技術標準に包含される特許の取り扱いが問題。

例えば、標準化の技術の複雑・高度化に伴い、標準化技術には、多数の特許が含まれるようになってきている。(JPEG,G3携帯電話技術等)

5-2-2

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標準化における知的財産の取扱い

標準化技術に含まれる必須特許は、無償もしくは非差別的合理的条件(RAND)で、技術標準の普及の観点から非メンバーにも許諾する。(特許の利用許諾が得られない場合には、標準化を行わない。)

標準化技術に含まれる特許のライセンスの効率化、ロイヤルティの適正化のためには、パテントプールが活用される。

標準化における知的財産の取り扱い

 標準となる技術の内容によっては、商品開発に技術上の有利不利が生じたり、製品そのものの売上を左右したりするなどの影響が生じることから、技術標準の策定には、戦略を持って関与することが大事。

5-2-2

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標準化対象の知的財産に係る対応

標準化技術に自社特許が含まれる場合

• 当該特許によりライセンス料が得られるなどの有利な面があるが、その反面、だれにでも妥当な対価で利用させることが義務となるため、当該技術により他者の製品と差別化ができなくなる。

標準化技術に他社の重要な特許が含まれる場合

• その特許を妥当な対価で利用することが可能となるが、ライセンス料の支払いが発生する。

標準を利用する場合に必須となる技術(特許)が標準の範囲外にある場合

• 標準を利用するためには、当該特許の利用を余儀なくされるが、その利用料は必ずしも妥当な対価の範囲であるとは限らない。高額利用料が発生するとその標準の普及を阻害。反面、自社の特許が、そのようなものとなれば、ライセンス料収入等が期待できる。

5-2-2

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製品の特許保護のイメージが違うと、知財の活用も異なる

5-2-3 知財の活用知財の活用

26

1つの特許の影響力

1製品あたり、基本特許は原則1つ (主に医薬品分野) 

研究開発費が膨大のため、市場を独占して開発費用を回収

【一製品少数特許型】

1製品あたり、数百から数千の特許

一つの製品について、1社で権利を独占することは実質的に不可能であったり、 

他者の特許をすべて回避して自社の製品を製造することも非常に困難という背景

→→他者の保有する特許を利用するために実施許諾を得る必要がある。ある範囲内

 の特許をお互いに使いあうクロスライセンス契約を締結することもある。

その他、ある製品の製造に必要な特許を持ち寄って一括許諾管理を行うために

パテントプールを活用する場合もある。

【一製品多数特許型】

主な活用形態

共同でより強力な事業基盤開発を目指す

市場を独占

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企業における知的財産の活用事例

  RAW現像ソフトでワールドワイドのビジネスを展開するソフトウエアハウス A

• 特許出願の方針として、外から見て分かる部分だけ出願する。• ソースコードは公開しない。すべて詳細に規定した秘密保持契約を締結する。

 サプリメントと創薬を事業の柱とするバイオベンチャー B

• 創薬シーズは物質特許で、サプリメントは用途特許及び製剤特許で押さえることが重要。• 大手メーカーに特許をライセンスすることにより、安定的な収入を確保。• サプリメントのライセンス収入で事業資金を確保し、創薬事業の開発費に充てる。

 世界中の人々の健康な生活に貢献する総合医療メーカー C

• 独創的な技術で製品を生み出し、その成果を知的財産権で確実に保護。• 新しい価値を提供することに挑戦し続けること。• 国内外百大学等と共同研究し、基礎研究や臨床試験等を通じて得られたデータにより、商品の科学的根拠を明確にする。

 詳しくは特許庁ホームページ(頑張ろう日本!知的財産権活用企業事例集 2011~知恵と知財でがんばる中小企業 50 の物語~ 《第 1弾》)

5-2-3

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5-2-3

 自己実施

  許 諾(ライセンス)

   移 転(譲渡・担保)

権利者自らが、独占的に実施

対価を得て他人にライセンスを許諾

財産権として権利自体を移転(譲渡・担保化)

活用の形態

  防 衛(権利行使) 侵害排除、模倣品排除

特許の活用特許の活用

侵害の罪

刑事上の罰則民事上の救済措置

信用回復措置請求

不当利得返還請求

差止請求

損害賠償請求

侵害に対する権利行使

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独占実施○最も基本的な機能で、市場を独占でき価格も維持△侵害した他社商品がでないよう監視体制が必要△一社独占のため、その技術が普及しないこともある△重要特許であるほど、他社に無効審判等による攻撃を受けるおそれ

通常実施権の許諾

○事業リスクを分散することが可能○数多くの事業者に利用させることにより販路拡大が期待△一般的にライセンス料は少額(交渉によって差)

部分ライセンス

○自社で実施しながら、商品・地域等を限定してライセンスする ことにより、利益を最大に得ようとする戦略が可能△契約内容が複雑化

クロスライセンス

○自社特許と他社特許の相互利用が可能(共倒れの防止)△ライバルと締結しなければならない場合あり

パテントプール

○協議会設立による特許権の開放(安価なライセンス料金)○複数の同業者が特許を持ち寄り一括管理(1人よりは多数)△独禁法の不当な取引制限に注意

専用実施権の設定

○通常実施権よりも高額なライセンス料が期待できる△特許権者であっても実施できない

特許の活用特許の活用5-2-3

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第5時限 目次

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5-1 特定技術分野と知財5-1-1 ライフサイエンス関連分野5-1-2 ソフトウェア関連発明

5-2 知財の利用と活用5-2-1 知的財産の利用、知的財産活動の意義5-2-2 標準化知的財産5-2-3 知財の活用、特許の活用

5-3 その他の知的財産制度(1)5-3-1 他の知的財産制度5-3-2 実用新案制度5-3-3 意匠制度5-3-4 商標制度

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特許権リチウムイオン電池に関する発明や、画面操作インターフェイ

ス(ズーム・回転等)に関する発明、ゲームプログラムの発明な

実用新案権電話機の構造に関する考

案、ボタンの配置や構造など

意匠権電話機をスマートにした形状や模様、色彩に関するデザイン、画面デザイン(メニュー画面・数値入力画面・キーボード画面等)など

商標権電話機メーカーやキャリア各社が自社製品の信用保持のため製品や包装に表示

するマーク

商品やサービスに使用するマークを

保護(登録から10年。   更新

有)

著作権着信メロディ、まんがのキャラクター、ゲー

ム、音楽などの創作(表

現)

物品の構造・形状の考案を保護(出願から10年)

物品のデザインを保護

(登録から20年)

新しい発明を保護

(出願から20年)

創作的な表現を保護

(死後50年まで)

半導体集積回路の回路配置

半導体集積回路の回路素子や導線の配置パターンなど

回路配置の利用を保護

(登録から10年)

    他の知的財産制度5-3-1

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5-3-2

特許権 実用新案権

目的 技術を保護、発明を奨励し、産業の発達を目的とする

物品の形状、構造又は組合せに係る考案を奨励し、産業の発達を目的とする

保護対象 発明(自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの)

考案(自然法則を利用した技術的思想の創作(実用新案法2条1項))

手続 出願手続(実体審査あり) 出願手続(実体審査なし)

権利の効力

発明の業としての「実施」に対して及ぶ(発明品の生産、使用、譲渡等の行為)

考案の業としての「実施」に対して及ぶ(考案に係る物品の製造、使用、譲渡等の行為)

権利存続期間 出願から20年 出願から10年

実用新案制度

特許:軽い力で筆記が可能なペンのインク

実用新案:ペンのグリップの持

ちやすい形状

32

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意匠制度5-3-3

特許制度 意匠制度

目的 技術を保護、発明を奨励し、産業の発達を目的とする

意匠の保護・利用を図り、意匠の創作を奨励し、産業の発達を目的とする

保護対象 発明(課題解決のための技術) 意匠(物の外部デザイン)

手続 出願手続(実体審査あり) 出願手続(実体審査あり)

権利の効力発明の業としての「実施」に対して及ぶ(発明品の生産、使用、譲渡等の行為)

意匠の業としての「実施」に対して及ぶ(意匠に係る物品の製造、使用、譲渡等の行為)

権利存続期間 出願から20年 登録から20年33

特許:発明を保護

・キーボード→効率的な入力装置の発明・ディスプレイ→描画性能の高い表示技術の発明・マウス→反応速度の早いマウスの発明

意匠:デザインを保護

・キーボード→操作しやすいキーボードのデザイン・ディスプレイ→ソフトな印象を与えるデザイン・マウス→持ちやすいマウスのデザイン

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商標制度5-3-4

特許制度 商標制度

目的技術を保護、発明を奨励し、産業の発達を目的とする

商品のブランドを保護し、出所表示機能の保護を目的とする

保護対象発明(自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの)

商標(文字、図形、記号若しくは立体的形状によって構成される。これらを単独で、組み合わせて、あるいは色彩と結び付け標章が商業的に使われるもの)

手続 出願手続(実体審査あり) 出願手続(実体審査あり)

権利の効力

発明の業としての「実施」に対して及ぶ(発明品の生産、使用、譲渡等の行為)

商標の「使用」に対して及ぶ(商品(の包装)に標章を付する行為、標章を付した商品を譲渡等する行為、役務の提供にあたり利用する物に標章を付する行為、当該物を用いて役務を提供する行為等)

存続期間 出願から20年 登録日から10年(更新無制限) 34

特許例)エンジン、タイヤ、車体等の技

商標例)車の

名前やマーク