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スススススススススススス スススススス スススススス スススススススススススス スススス スススススススススス 2002.2.22

スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

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経産省先端技術講演会 2002.2.22. スピンエレクトロニクスと 光スピニクス. 東京農工大学 工学部物理システム工学科 佐藤勝昭. 佐藤勝昭紹介. 1966京大修士修了 1966-1984日本放送協会 1966-1968大阪中央放送局 1968-1984放送科学基礎研究所物性研究部 1984東京農工大学工学部助教授 1989 同教授(現在に到る). 佐藤研究室の研究テーマ. 佐藤研究室は森下研究室とともに 「量子機能工学」 という研究分野を分担しています。 佐藤勝昭教授、石橋隆幸助手 の関心をもっている研究テーマを、学生とともに進めています。 - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

スピンエレクトロニクスと光スピニクス

東京農工大学工学部物理システム工学科

佐藤勝昭

経産省先端技術講演会 2002.2.22

Page 2: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

佐藤勝昭紹介

• 1966京大修士修了• 1966-1984日本放送協会

– 1966-1968大阪中央放送局– 1968-1984放送科学基礎研究所物性研

究部• 1984東京農工大学工学部助教授• 1989 同教授(現在に到る)

Page 3: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

佐藤研究室の研究テーマ

• 佐藤研究室は森下研究室とともに「量子機能工学」という研究分野を分担しています。

• 佐藤勝昭教授、石橋隆幸助手の関心をもっている研究テーマを、学生とともに進めています。

• 佐藤教授のこれまで行ってきた研究は、磁性半導体、三元化合物半導体、化合物磁性体、磁性金属磁性体、磁性体ナノ構造の作製と光学的な研究です。特に、磁気光学効果研究の専門家として知られており、「光と磁気」は、この分野の標準的教科書です。最近は、室温磁性半導体の研究にも取り組んでいます。

• 石橋助手は酸化物高温超伝導体の薄膜作製とエレクトロニクス素子の作製にとりくんでいます。

Page 4: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

佐藤勝昭の著書

• 専門である「光と磁気」、応用物性に関するいくつかの教科書のほか総計30冊の著書があります。 ( 分担執筆含む)

Page 5: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

実験室風景:もの作り系1• MBE装

置を使って酸化物高温超伝導体や磁性半導体の薄膜を作製します。

Page 6: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

• 電子ビームリソグラフィや• 集束イオンビーム装置 を使って磁性体ナノ構造を

作っています。

実験室風景:もの作り系2

Page 7: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

実験室風景:もの作り系3

スパッタ法や電子ビーム蒸着法で磁性体薄膜を作ります。

Page 8: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

実験室風景:評価系1

• 磁気光学スペクトル測定装置を使って磁性体の電子構造などを調べています。→

← VSM装置で物質の磁化を測定します。

Page 9: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

実験室風景:評価系2

VBLにあるFE・SEM

• AFMやSEMを使ってナノメートル領域の表面を観察します。

AFM

Page 10: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

実験室風景:評価系3

• 100 フェムト秒という超短パルスレーザを用いて非線形磁気光学の実験をしています。

Page 11: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

Contents

1. はじめに:いま磁性が面白い2. 磁性の基礎3. スピン・エレクトロニクス4. 光スピニクス5. ナノテクノロジーとスピニクス6. まとめ

Page 12: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

1. いま磁性が面白い• 磁気現象と電気伝導現象が結びついた• 電子がもつ2つの顔:電荷とスピン• ハードディスクに飛躍をもたらした GMR• MRAM を産んだスピン依存トンネル効果• 層間の磁気的つながりが距離で変わる• スピンを電気的に制御できる「磁性半導体」• 磁性体から非磁性体にスピンを注入する• 高速性を目指して:スピンダイナミクス• 光磁気がハードディスクの限界を救う

Page 13: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

2.磁性の基礎

• 電子のもつ2つの顔• 局在電子磁性と遍歴電子磁性• 強磁性、反強磁性、ハーフメタル

Page 14: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

電子が持つ2つの顔:電荷とスピン

• 電子は電荷 e をもつと同時にスピン磁気モーメントをもっている。

q=e

sz=1/2

磁性

電気伝導

Page 15: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

局在電子磁性と遍歴電子磁性

• 絶縁性磁性体: 3d 電子は格子位置付近に局在– 格子位置に原子の磁気モーメント:交換相互作用でそろえ

合うと強磁性が発現• 金属性磁性体: 3d 電子は混成して結晶全体に広がりバンドをつくる(遍歴電子という)– 多数スピンバンドと少数スピンバンドが交換分裂で相対的

にずれ→フェルミ面以下の電子数の差が磁気モーメントを作る

• ハーフメタル磁性体:多数スピンは金属、小数スピンは半導体→フェルミ面付近のエネルギーの電子は 100% スピン偏極

Page 16: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

局在磁性モデル

常磁性強磁性

反強磁性

H=-JS1S2

交換相互作用

J>0

J<0

Page 17: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

バンドと磁性

通常金属

交換分裂

強磁性金属

Ef Ef Ef

ハーフメタル

Page 18: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

3.スピンエレクトロニクス

• 金属磁性体の接合を用いた巨大磁気抵抗効果(GMR)

• 絶縁体超薄膜を金属磁性体ではさんだ磁気トンネル接合によるトンネル磁気抵抗効果 (TMR)

• 半導体スピンエレクトロニクス– 非磁性半導体のスピン現象– 磁性半導体、希薄磁性半導体

Page 19: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

ハードディスクの高密度化とGMRヘッド

0.1

1

10

100

1000

10000

100000

1970 1980 1990 2000年度

(Mbit

/in面記録密度

2 ) 面密度

10年で 10倍

10年で 100倍

GMRヘッドによる

Page 20: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

• スピン依存散乱 MR ratioR(H)/R(0)

H (kOe)

FeCr

Baibich et al.: PRL 62 (88) 2472

層間 結合系の巨大磁気抵抗効果( GMR )

Page 21: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

GMR 振動と層間結合

Co/Cu superlattice

Cu thickness (Å)

MR

ratio

(%)

Mosca et al.: JMMM94 (91) L1

Page 22: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

非結合系の GMR

• ソフト磁性体とハード磁性体との3層構造 M

MR

H (Oe)

自由 NiFe

Cu

Co

Shinjo et al.: JPSJ 59 (90) 3061

固定

Page 23: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

スピンバルブ• NiFe(free)/Cu/NiFe

(pinned)/AF(FeMn)の非結合型サンドイッチ構造

交換バイアス

NiFe free

Cu

NiFe pinned

AF layer (e.g. FeMn)

最近は SAF に置き換え

Page 24: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

• 強磁性体 (FM)/絶縁体 (I)/強磁性体 (FM) 構造• M. Julliere: Phys. Lett. 54A, 225 (1975)• S. Maekawa and V.Gafvert: IEEE Trans Magn. MAG-18, 707 (19

82) • Y.Suezawa and Y.Gondo: Proc. ISPMM., Sendai, 1987 (World Sci

entific, 1987)   p.303 • J.C.Slonchevsky: Phys. Rev. B39, 6995 (1989) • T. Miyazaki, N. Tezuka: JMMM 109, 79 (1995)

voltage

スピン依存トンネル効果とトンネル磁気抵抗効果( TMR )

FM1

FM2

insulator

current

current

FM1 I FM2

Page 25: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

TMRデバイス

• 絶縁体の作製技術が鍵を握っている。→

• 最近大幅に改善

•TMR ratio as large as 45% was reported. (Parkin: Intermag 99)

•Bias dependence of TMR has been much improved by double tunnel junction. (Inomata: JJAP 36, L1380 (1997))

Page 26: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

TMR を用いた MRAM

• ビット線とワード線でアクセス

• 固定層に電流の作る磁界で記録

• トンネル磁気抵抗効果で読出し

• 構造がシンプル

Page 27: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

MRAM と他のメモリとの比較SRAM DRAM Flash FRAM MRAM

読出速度 高速 中速 中速 中速 中高速書込速度 高速 中速 低速 中速 中高速不揮発性 なし なし あり あり ありリフレッシュ

不要 要 不要 不要 不要

セルサイズ 大 小 小 中 小低電圧化 可 限 不可 限 可

Page 28: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁性半導体とは

• 磁性と半導体性を兼ね備えた物質の総称• 第1世代: CdCr2Se4, EuO など 60年代後半• 磁気メモリ:磁気ヒステリシス応用

磁性の起源:電子のもつスピン• 半導体電子デバイス:

– 伝導性の起源:電子のもつ電荷

Page 29: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁性半導体の何が面白いの?

• 磁性の原因となっている原子の磁気モーメントと、電気伝導の原因になっている伝導電子の スピン磁気モーメントの間に互いにそろえ合う力 (交換相互作用 ) が働く

• これにより、巨大磁気抵抗効果 (GMR) 、巨大磁気光学効果、電気による磁性の制御などに道が開ける

Page 30: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁性半導体の物性CdCr2Se4(第1世代の磁性半導体 )

GMR Magnetic red shift

巨大磁気抵抗効果 吸収端の red shift

Page 31: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁性半導体は何の役に立つの?

• 大きな磁気抵抗効果– 高感度再生用 GMRヘッド、固体磁気メモリ (MRAM)

• 大きな磁気光学効果– ファイバ通信用光アイソレータ

• 伝導電子スピンと原子磁気モーメントの相互作用–コイルを使わず電気や光で磁気をコントロール

• バンドギャップの magnetic red shift– 磁界で色が変わる材料

Page 32: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

いままで実用例はあるの?

• 電気と磁気の関わりを使ったデバイス– 提案はあるが、低温がネックとなって実用化せず。

– CdCr2Se4, EuS などは結晶、薄膜作製が困難– GaAs:Mn などは Mn が入りづらい

• 光と磁気の関わりを使ったデバイス– Cd1-xMnxTe 、 Cd1-x-yHgxMnyTe ではファイバアンプ励起光源用光アイソレータとして実用化

Page 33: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

光ファイバ増幅器とアイソレータ

Page 34: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁性半導体の再ブーム

• III-V 系希薄磁性半導体の登場– 宗片、大野ら: InMnAs, GaMnAs のキャリア誘起強磁性を発見。非平衡低温成長で Mn を大量置換。

– IIIV族は結晶性のよいものが得られる。– Pn両型があるのでデバイスを作りやすい。–デバイス作製技術が確立している。–キュリー温度の高いものが得られない。

Page 35: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

GaMnAs, InMnAs における Mn濃度と格子定数、キュリー温度

格子定数  vs. Mn濃度 キュリー温度  vs. Mn濃度

Page 36: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

Ga1-xMnxAsLED に見られる円偏光発光の磁界依存性

P (%

)

Deg

ree

of

pola

riza

tion

P

スピン注入現象の証拠と考えられる

Y. Ohno, D.K. Young, B. Beschoten, F. Matsukura, H. Ohno and D.D. Awschalom, Nature 402 (1999) 790

Page 37: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

InMnAs FETのゲート電圧による磁性の制御

Hall

Resis

tanc e R

()

チャネルのホール濃度をゲート電圧で制御→ Tc が変化→ヒステリシスの変化

Ohno

Page 38: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

室温磁性半導体への道

理論• 2000   Wide gap 半導体。 P-型( RKKY) ( 東北大)• 2000   ZnO:Mn など。 P型 (二重交換相互作用 )( 阪大 )実験• 2000   CdMnGeP2 ( 筆者ら )• 2000   ZnO:Co ( 阪大産研)• 2001   TiO2:Mn( 東工大 )• 2001   ZnMnGeAs2(North Western 大 )• 2001 ZnGeP2( 筆者ら )• 2002 ZnGeP2( 東大 )

Page 39: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

カルコパイライト系新磁性半導体

• 2燐化カドミウム・ゲルマニウム (CdGeP2) を母体とし、マンガン (Mn) を高濃度に添加した物質

• 製造方法:母体単結晶に Mn を蒸着し熱拡散• 結晶構造は?

–カルコパイライト構造• Mn濃度は?

– 最表面 Mn/Cd=53%, 深さ 0.6m で 12.7%– 平均:実効層厚 0.5m に平均 20%

Page 40: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

カルコパイライト構造

Cd Ge P

V

III V

IV

IVII

Si, Ge

GaP

CdGeP2

ダイヤモンド構造

閃亜鉛鉱構造

カルコパイライト

Page 41: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

II-IV-V2 カルコパイライト半導体a(Å) c(Å) Tm(°C) Eg(eV) no, ne n, p

ZnSiP2 5.399 10.435 1370 2.96 ~3.1 260, 11

ZnSiAs2 5.606 10.890 1096 2.12 3.355, 3.392 40, 170

ZnGeP2 5.465 10.771 1025 2.34 3.248, 3.295 - , 20

ZnGeAs2 5.672 11.153 850 1.15 ~3.38 - , 23

ZnSnP2 5.651 11.302 930 1.66 ~3.21 - , 55

ZnSnAs2 5.852 11.705 775 0.73 ~3.53 - , 190

CdSiP2 5.678 10.431 1120 2.45 ~2.95 150, 90

CdSiAs2 5.884 10.882 850 1.55 ~3.22 - , 500

CdGeP2 5.741 10.775 790 1.72 3.356, 3.390 1500, 90

CdGeAs2 5.943 11.217 670 0.57 3.565, 3.678 4000,1500

CdSnP2 5.900 11.518 570 1.17 ~3.14 2000,150

CdSnAs2 6.094 11.918 596 0.26 ~3.46 11000,190

Page 42: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

成膜時の RHEED パターンの変

化CdGeP2:Mn

• Mn-堆積前• Mn-堆積後• 500ºC 、 30 分の アニール後

Page 43: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

Deposition of Mn on ZnGeP2 at 400oCBefore deposition

Before deposition

Mn evap. 60s Mn evap. 180s

Page 44: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

Mn deposition 300-1800sMn evap. 300s Mn evap. 1080s

Mn evap. 1800s After deposition

Page 45: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

新磁性半導体の物性

• Mn添加層も半導体:–バンドギャップが存在。ワイド化 (1.72→3.24eV)[蛍光スペクトルの測定による ]

• Mn添加層は強磁性体:– 磁気ヒステリシスを観測 ( 磁化率計による )– 表面に磁化が存在 ( 磁気力顕微鏡 (MFM) による)

• 磁性半導体特有の磁気光学効果:– 磁気カー楕円率のピーク=母体のバンドギャップ– ファラデー回転に換算すると 5.7×104度 /cm

Page 46: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

Cross sectional SEM photograph

Page 47: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

室温のヒステリシス曲線

-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0

-0.4

-0.2

0.0

0.2

0.4 H parallelT=300 K

Mag

netiz

atio

n (x

10-3 e

.m.u

.)

H field (x10 kOe)

生データ

反磁性の補正後

Page 48: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁化の温度変化( H=0 )

Tc=320K

Temperature (K)

Mag

netiz

atio

n (e

mu)

S = 1/2

S = 5/2

Page 49: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

残留磁化状態における室温の MFM 像と AFM 像

(a) MFM 像 (b) AFM 像

Page 50: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁気光学カー効果

• =n2 =12.1 (n =3.48 at =800 nm を利用 ) K=-iK =-i0.12 deg (=800 nm)→F/l = 5.2104 deg/cm と推定される。

1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5-0.15

-0.10

-0.05

0.00

0.05

k k

Photon Energy [eV]

k,

k [d

egre

e]

KF i 1)/(/ファラデー回転の推定:

Page 51: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

現在の研究状況

• バルク ZnMnGeP2 において相分離を起こさずカルコパイライト相の磁性半導体を得る条件を探索

• ZnMnGeP2 系の磁化の SQUID による評価

• CdMnGeP2, ZnMnGeP2 の表面層の精密 XRD• EXAFS による測定 (バークレー Dr. Soo)• Mn堆積時の UPSその場観察 ( 東大藤森敦)

Page 52: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

光スピニクスの最近の進展• はじめに• MO-SNOM( 近接場磁気光学顕微鏡 ) の開発• NOMOKE( 非線型磁気カー効果 ) による界

面磁性の研究• そのほかの微小領域磁性観測技術• 今後の課題• おわりに

Page 53: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

はじめに• 微小領域磁性の観測手段

– 電子顕微鏡:ローレンツ電顕、スピン偏極電顕、電子線ホログラフィ→磁束の観測

– 近接プローブ: MFM,  スピン偏極 STM,   SNOM

– 電気的測定: MR, Hall• 表面・界面

– Wedge の磁気光学効果– NOMOKE( 非線型磁気カー効果)

Page 54: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

MO-SNOM( 近接場磁気光学顕微鏡)

• 近接場とは• 光ファイバプローブ• 円偏光変調法• プローブのストークスパラメータ• 光磁気記録マークの観察

Page 55: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

SNOM/AFM システム

ベントファイバープローブ

Controller(SPI3800 3800)

PEM Ar ionlaser

Signalgenerator

Lock-inAmplifier

Computer

XYZscanner

Bimorph

Filter

Sample

Photodiode

Photomultiplier

Optical fiber probe

Analyzer

Polarizer

CompensatorLD

PEMを用いた MO-SNOM システム

Page 56: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

トポ像 MO 像

MO-SNOM で観測したMOディスクの記録マーク

Page 57: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

磁界変調法で記録された 0.2m マークのトポ像と MO-SNOM像

MO 像

解像度の定義

ライン・プロファイルトポ像

Page 58: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

放物面鏡を用いた反射型 SNOM

P. Fumagalli, A. Rosenberger, G. Eggers, A. Münnemann, N. Held, G. Güntherodt: Appl. Phys. Lett. 72, 2803 (1998)

Page 59: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

NOMOKE(非線形磁気カー効果)

• SHG が表面界面に敏感なわけ• 大きな回転角:線形磁気カー効果との比較• 実験装置• Fe/Au人工格子についての実験結果• 理論的考察とシミュレーション• 今後の展開

Page 60: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

LD pump SHG laser

lens

Mirror

Chopper

LensAnalyzer

Filter

PMT

Ti: sapphirelaser

Mirror

Filter

polarizer

Berek compensator

Sample

Stage controller

Electromagnet

Photon counter Computer

=532nm

=810nmPulse=150fsP=600mWrep80MHz

Photon counting

MSHG 測定システム

Page 61: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

P-polarized or S-polarized light

nm)

nm)

AnalyzerFilter

nm)

Pole piece

Rotatinganalyzer

試料回転

Sample stage

45°

Sample

光学配置(縦カー効果)

Page 62: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

[Fe(3.75ML)/Au(3.75ML)] 超格子の ( Pin Pout )配置の線形および非線形の方位角依存性

(a)  Linear (810nm) (b)  SHG (405nm)

・  Linear optical response   (=810nm)    The isotropic response for the azimuthal angle・  Nonlinear optical response (=405nm)    The 4-fold symmetry pattern    Azimuthal pattern show 45-rotation by reversing the magnetic field

050

100150200250300

0

30

6090

120

150

180

210

240270

300

330

050

100150200250300

020406080

100

0

30

6090

120

150

180

210

240270

300

330

020406080

100

SH

G in

tens

ity (c

ount

s/10

sec.

)

SH

G in

tens

ity (c

ount

s/10

sec.

) 45線形 非線形

線形および非線形応答の方位角依存性

Page 63: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

Fe(1.75ML)/Au(1.75ML)  Sin

The curves show a shift for two opposite directions of magnetic field

S-polarized lightω(810nm)

2 (405nm)

Analyzer45°

Electromagnet

Rotating Analyzer

Filter

非線形カー回転

= 31.1°

Page 64: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

非線形磁気光学顕微鏡

非線形磁気光学顕微鏡の模式図

LP F1

Objective lens

Sample

F2

A

CCD 線形・非線型磁気光学顕微鏡で観測した CoNi の磁区

50m

Page 65: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

そのほかの観察技術

• X 線磁気光学顕微鏡–内殻吸収端と MCD; K殻、 L殻、 M殻– シンクロトロン放射光– フレネルゾーンプレート

• サニャック効果–サニャック干渉計 ( 光ファイバジャイロの原理 )–位相差に敏感– 非相反のみを分離

Page 66: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

2p1/2

2p3/2

3d

(12)

(6)

(2)

(1)

(3)

(6) (6)

(3)

(3)

(14)

(a)

(b)

+1/2 -1/2+3/2 +1/2 -1/2 -3/2mj

mj

+2 +1 0 -1 -2md

Occupation of minority 3d band

X線磁気光学効果

(a) (b) に対応する遷移のXMCDのシミュレーション .

(a) (b)

Page 67: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

(b)

L吸収端の磁気円二色性

Page 68: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

Fe の L3吸収端の XMCD を用いて

観測した MO媒体の磁区像SiN(70nm)/ TbFeCo(50nm)/SiN(20nm)/Al(30nm)/SiN(20nm) MO 媒体

  N. Takagi, H. Ishida, A. Yamaguchi, H. Noguchi, M. Kume, S. Tsunashima, M. Kumazawa, and P. Fischer: Digest Joint MORIS/APDSC2000, Nagoya, October 30-November 2, 2000, WeG-05, p.114.

Page 69: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

微小領域磁性のスピンダイナミクス

Th. Gerrits, H. van den Berg, O. Gielkens, K.J. Veenstra and Th. Rasing: Digest Joint MORIS/APDSC2000, Nagoya, October 30-November 2, 2000, TuC-05, p.24.

GaAs 高速光スイッチ

Page 70: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

光スピニクス今後の課題-より広範な領域をめざして-

• t :超短パルス光→ ps, fs レーザを用いた時間分解磁気光学測定、ポンププローブ測定

:広い波長領域、シンクロトロン放射光• k :回折現象、磁気散乱、磁性パターンの回折磁気光学

• x :微小領域観察、アパーチャレス SNOM 、スピン STM 、X線顕微鏡

:位相の直接測定:サニャック干渉計

Page 71: スピンエレクトロニクスと 光スピニクス

終わりに

• 磁性の世界がナノテクノロジーという道具を得て大きく変革しつつある。

• 電子のもつ電荷とスピンの2つの機能を有効に使う技術がスピンエレクトロニクスである。

• これまで、自然に作りつけであると考えていた磁気的相互作用を人類はついに制御する技術を得た。

• 光とスピンの相互作用は、近接場技術、フェムト秒技術などを得て次世代の高速高密度記録技術への道を開きつつある。