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「銀行に運転資金の追加融資をお願いするところから、私の仕事は始まった」。湘南真田クリニック(神奈川県平塚市)の小宮山学氏は、同クリニックの2代目院長に就任した当時を振り返り苦笑する。
月200万円の赤字を計上
同クリニックは内科、神経内科などを標榜し、2009年2月、小田急線・東海大学前駅から1.5kmほどの平塚市・真田地区に開業した。だが1年以上たっても業績が伸びず、医業損益は月200万円の赤字を計上し、運転資金も底を尽きかけていた。 経営者である医療法人救友会理事
回・随時対応サービス事業所の開設母体が救友会で、それ以外は関連会社の
(株)メディトピア湘南が経営。これらの施設・事業所全体を「湘南真田メディケアセンター」と称している(図1)。 メディトピア真田の入居者に対しては、湘南真田クリニックや併設事業所が医療・介護サービスを提供。ただし、クリニックは在宅専門ではなく、地域住民への外来診療も重視している。 診療所と高齢者住宅の合築はよく見られるが、湘南真田メディケアセンターの開設の経緯はちょっと変わっている。 救友会理事長の山本氏は、東海大学救命救急医学准教授の職にあった2009年、同大学病院をはじめとする地域の基幹病院の救急患者をスムーズに在宅移行させるための受け皿を作りたいと考え、救友会を設立した。 高齢の救急患者の増加に伴い、在宅復帰が難しい退院困難事例が増え、救急ベッドの回転率が低下する─。これは、救急に力を入れる多くの基幹病院が直面している問題だ。その対策として、自ら在宅医療の体制を拡充したり、退院後の受け皿となる高齢者住宅を開設するケースが増えつつある(57ページからのリポート参照)。 湘南真田メディケアセンターも同様の狙いから開設に至った。ただ、救友会は東海大学の “直営”ではなく、住民から拠出金を募り、基金拠出型医療法人として創設された点が大きな特徴だ。 基金拠出型医療法人とは、出資持ち分を持たず基金の拠出を受けて運営される医療法人のこと。救友会の設立に当たっては、地元の有力者ら20人以上
長の山本五十年氏が、2010年12月、初代院長の退職に伴い小宮山氏を後任に招へい。冬のボーナスを支払うと資金ショートしかねないというギリギリの状況で “緊急登板”した小宮山氏は、追加融資の了承を取り付け、危機を何とか乗り切った。
サ付き住宅との合築で運営
湘南真田クリニックは、サービス付き高齢者向け住宅「メディトピア真田」(32戸)のほか、訪問看護、訪問介護、通所介護、居宅介護支援の各事業所との合築で開設。その後、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所も加わった。診療所と訪問看護、訪問介護、定期巡
“沈没” 寸前で緊急登板した後任院長在宅・小児医療の強化と「営業」で再生
湘南真田クリニック(神奈川県平塚市)
図1◉湘南真田メディケアセンターの構成事業所
3階 サービス付き高齢者向け住宅(16戸)
2階 サービス付き高齢者向け住宅(16戸)
1階湘南真田クリニック(無床)
通所介護、訪問介護、訪問看護、居宅介護支援、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所
診療所が繰り出した 低迷脱却への「一手」2
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から約3000万円の拠出を得た。 湘南真田メディケアセンターは、地主に建物を建ててもらい土地・建物を賃借するサブリース方式により開設。診療所の開業コストはリース分を除き約7000万円で、基金の3000万円分を除く約4000万円を銀行融資により賄った。
利用の少ないCTが重荷に
「診療所で黒字を出し、介護事業が赤字になっても吸収できるようにする」。これが開設時に描いたシナリオだが、目算は完全に外れた。 介護事業の立ち上がりは順調で、メディトピア真田も初年度に7割程度の入居者を確保し、現在の入居率は9割を超える。一方で、診療所は赤字から
脱出できず泥沼にはまってしまった。 開業から1年時点の外来患者数は1日20人程度。立地を考えれば、それほど悪い数字ではない。だがこの頃は、前院長が神経内科の専門性を前面に打ち出しており、“間口”の狭さゆえ、患者数をさらに大きく伸ばすのは難しい状況だった。 しかも、賃料や設備関連の固定費の負担が重くのしかかっていた。中でも重荷となっていたのがCTのリース料だ。神経内科の診療を重視する方針からCTを導入したものの、立地条件を考えると稼働件数を高めるのは困難だった。1日2件が採算ラインだが、今でも1カ月の検査件数は十数件にとどまる。 外来が伸びなければ在宅医療の強
化も検討する必要がある。だが当時は、前院長が外来に専念し、理事長の山本氏も併設施設への訪問診療で手一杯で、地域住民への訪問を実施できていなかった。こうした状況下で前院長が退職し、小宮山氏が後任に就いた。
「やめておいた方がいい」との忠告も
小宮山氏は東京医科大学出身で、呼吸器内科の専門医としてキャリアを積んだ後、家庭医研修に定評のある京都府の舞鶴市民病院や千葉県の鉄蕉会・亀田総合病院で家庭医としてのスキルを磨いてきた。 その後、鉄蕉会の森の里病院(神奈川県厚木市)に勤務。ちょうど退職を考えていたタイミングで山本氏から声をか
2代目院長に就いた小宮山氏。家庭医としてのキャリアを生かして小児、在宅医療を強化し、患者数を着実に増やした
開業時に導入したCT。検査件数は計画を大きく下回り、リース料の負担が経営の足かせに
図2◉ 湘南真田クリニックが直面した課題と打開策
課題 打開策
CTリース料などの固定費負担が過重 ▶ 後任院長が自らの給与を低めに抑えるなどコスト削減
専門性を強調したため患者数の伸びに限界 ▶ 家庭医機能を強化し小児診療も開始
訪問診療への取り組みが不十分 ▶ 医師増員により強化。理事長の営業で高齢者住宅との提携も
住民の認知度が低い ▶ 家庭医機能を強調した野立て看板、医院前看板を設置。近くのショッピングセンターに売り込み店舗内での健康教室開催も
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特集 診療所再生
けられ、院長を引き受けた。 苦戦診療所を引き継ぐことに対し、周囲からは「やめておいた方がいい」と忠告する声もあったが、小宮山氏にはそれなりの自信があった。「森の里病院で家庭医として実践していたことをそのままやれば、立て直せると思った」と語る。 といっても、特別なことをしようとしたわけではない。患者の声に耳を傾けて丁寧に診察し、在宅医療を含め、小児から高齢者まで住民ニーズに応えたサービスを提供する─。シンプルではあるが、そんな医療が実践できれば患者はおのずと増え、固定費負担を吸収できると考えたのだ。 院長に就任した小宮山氏がまず強化したいと考えたのが、近隣地域の住民への訪問診療だ。ここで理事長の山本氏が、在宅医療の強化を目的に常勤医の増員に動き、亀田総合病院で家庭医のトレーニングを受けた医師を採用。常勤医2人体制となり、“戦力”が整った。
こまめな情報提供でケアマネの信頼
山本氏は在宅拡充に向け、自ら「トッ
プ営業」にも出向いた。人脈をフル活用した営業の結果、新規オープンした定員50人規模の有料老人ホームとの提携関係を結ぶことに成功。続けてほかの高齢者施設との提携も実現させ、訪問診療件数は一挙に増えた。 高齢者住宅だけでなく、地域のケアマネジャーなどの紹介により、個人宅への訪問診療も着実に増加した。 小宮山氏は、在宅患者の紹介元のケアマネジャーに対し、こまめに報告やアドバイスをすることを心がけている。「営業目的ではなく家庭医として普通に行っていること」(同氏)ではあるが、こうした姿勢がケアマネジャーからの信頼獲得につながり、紹介が増えたとみられる。 小宮山氏が在宅医療とともに強化したのが小児診療だ。家庭医として経験を積んできたため、小児診療はお手のものであり、標榜科目に加えることに。周辺地域で宅地造成が進み、若い世代が流入してきた一方で、小児科専門医が近隣にいなかったこともあり、外来の柱に育てられると考えた。 「最初は、『どんなところだろう』とお母さんたちが恐る恐る入ってくるような
「小児から高齢者まで」をイメージした野立て看板を設置し、住民に家庭医機能をアピールした
住民の認知度が低い可能性があったため、標榜科などを強調した医院前看板を設置
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小宮山氏の就任以降、毎回、前月を上回る患者数が報告され、「取り組んできたことが間違いではなかったと実感した」(同氏)。 支出に関しては、CTのリース期間が終了しておらず、依然リース料の負担が重かったが、小宮山氏が自身の報酬を低めに抑えたり、消耗品を安く購入するなどコスト削減を進めた。 これらの経営努力の結果、湘南真田クリニックの医業損益は、小宮山氏が院長に就任して約半年で黒字転換するに至った。 現在の外来患者は1日50〜60人。小児が4割を占め、小児医療を強化した戦略が見事に当たった形だ。訪問診療患者も約150人にまで増え、その3分の2は併設施設を含む高齢者住宅の入居者。在宅療養支援診療所の要件を満たし、届け出も済ませた。
追加融資分を含め、銀行からの借入金は計画通りに返済できている。一方、住民が拠出した3000万円の基金は、救友会の定款により、2015年以降に各拠出者に返還することになっている。制度上、利息をつけて返還することは認められておらず、できるだけ早く返還できるよう、利益の蓄積を進めている段階だという。 「この施設は救急病院の『出口』対策として開設されたが、今後は救急の『プレホスピタル』の機能も充実させたい」と小宮山氏は語る。 かかりつけ医が普段から高齢患者を管理し、急変時の対応も行えば、高次救急施設への搬送を減らすことも可能になる。高齢者の外来・在宅医療の体制を一層強化し、病院の救急外来への患者集中を防ぐ “防波堤”としての機能も追求していく考えだ。
感じだった」が、その後、患者数がじわじわと増加。小児科の集患は母親の口コミに左右される部分が大きく、好意的な口コミが広まったものと思われた。
近隣の商業施設で「出張健康教室」
同時に小宮山氏は、PR活動にも精力的に取り組んだ。 外観上、診療所が併設されていることが分かりにくいため、道路に面した位置に標榜科や診療時間などを強調した看板を設置。また幅広い年代を診ていることが一目で分かるよう、子どもや高齢者の顔写真をあしらった野立て看板を交差点などに新設した。 ユニークなのが、「出張健康教室」の取り組みだ。近くのショッピングセンターの店長に小宮山氏が直接掛け合い、健康教室の開催を打診。店内のスペースを無料で貸してもらえることになった。 「スーパーでやるのだから、テーマは
『食』がいい」と考え、「脱メタボ! ヘルシー食のススメ」と題して30分間講演
(図3)。親子連れの買い物客らが熱心に耳を傾けた。 さらに、地域の公民館にあいさつに出向き、そこでも出張健康教室の開催にこぎ着けた。「住民向けの健康教室は、亀田総合病院にいたころ、日常的に行っていて慣れていた」と小宮山氏。講演の評判は口コミで広がり、その後、方々から健康教室の依頼が舞い込むようになった。
外来は小児が4割、在宅は150人に
湘南真田クリニックでは、毎月の定例会議で月次の業績を報告している。
図3◉ 近くのショッピングセンターで「出張健康教室」を開催。小宮山氏が店長に企画を持ち込んで実施にこぎ着けた
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特集 診療所再生
JR京浜東北線・蒲田駅前の商店街の一角に蒲田よしのクリニックが開業したのは、2011年11月のことだ。 院長の吉野真人氏が内科の一般診療とともに柱に据えたのが、ラドン療法。放射性物質であるラドンの吸引により健康増進を図ろうとするものだ。 だが、ラドン療法も内科診療も患者がなかなか増えず、オープンから3、4カ月は多くても1日10人弱。その後も患者数の伸びは鈍かった。「これは何とかしなければ……」。吉野氏は戦略の見直しを迫られた。
東京駅近くから移転し2度目の開業
実は吉野氏は、蒲田で開業する2年前、東京駅近くのテナントビルで一度診療所を開設している。診療所といってもソファを置いただけの「相談室」で、
産業医として企業の社員や人事担当者との面談を実施していた。 「産業医活動と病院の非常勤の仕事だけで食べていこうと思っていた」という吉野氏だったが、ラドン療法の存在を知って考えを変えた。「様 な々効果が期待できる点が魅力的で、ラドン療法を提供できる診療所を開業したいと思うようになった」と振り返る。 ラドン療法は、首都圏では数軒の診療所が実施。医療機関以外でも、民間のサロンがラドン浴を提供している。「サロンも良いところは結構はやっている」
(同氏)ことから、ニーズは高いと考えた。 その頃、知人から、蒲田の物件に関する情報が入った。ラドンは特殊な療法だけに診療圏が広くなるが、その点蒲田は東京都心から比較的近く、横浜市や川崎市からのアクセスも良い。し
かも、人通りが多い商店街のバス停前という好立地だ。吉野氏は、迷わずこの物件に決めた。 ラドンは5人分のスペースを用意し、導入コストは2000万円台に。ただし、超音波診断装置以外の高額機器を導入しなかったため、開業コストは全体で5000万円程度に収まった。 開業資金の大半は金融機関からの借り入れにより調達。ラドンはフル稼働で1日約50人に提供が可能であり、開業1年目に1日20〜30人、一般の保険診療で40人程度の患者数を見込む形で事業計画を立てた。
「ここは料亭みたいですね」
ところが、この数字に遠く及ばなかったのは、冒頭に述べた通り。「読みが甘かった部分があった。特にラドンは、ニーズをよほど掘り起こさないと駄目だということが分かった」(吉野氏)。 ラドンの利用者数が振るわない大きな原因と推測されたのが、1回6000円という料金設定。毎週利用するケースも少なくないため、負担額は大きくなっていた。 一方、保険診療の患者が少ない理由ははっきりしなかったが、一つ思い当たるフシがあった。ヒントになったのは、開業前の内覧会の参加者が漏らした
「ここは料亭みたいで、クリニックぽくないですね」という言葉だ。 心のケアも大切にしたいと考えた吉野氏は、内装をシックなデザインでまとめ、エントランスの案内表示も、あえて和風で控えめなデザインにした。だが、
「医療機関らしくなかったことで、『何か
自費診療を柱に据えるも受診少なく料金引き下げと「新メニュー」投入で好転
蒲田よしのクリニック(東京都大田区)
開業時(左)と現在(右)のエントランスの表示。開業時のものは一見して診療所と分かりにくかったため、目立つデザインに変更した
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違う』『入りづらい』と敬遠されてしまったのではないか」との結論に至った。
「当たり」だったプラセンタ療法
吉野氏は早速、幾つかの手を打った。ラドン療法は、料金の引き下げを断行。利用回数にかかわらず月1万2000円を支払えば済む定額制としたことで、利用者数が徐 に々増え始めた。 また、自費診療がラドンだけでは増患に限界があるため、メニューを拡充。胎盤製剤を注射するプラセンタ療法やビタミン注射なども始めた。 その中でも特に集患効果が高かったのが、最近、美容皮膚科を中心に導入
が増えているプラセンタ療法だ。更年期障害など一部の疾患については保険適用されており、美容目的などの場合は自由診療で提供している。 同クリニックでは、競合施設との差別化を図るため、自費料金を1回1200円という低価格に設定。ホームページで紹介したところ、近隣地域に住む女性患者が間もなく来院するようになった。 「料金を安くしたのでプラセンタの利益はそれほどでもないが、他の診療との相乗効果が大きかった」と吉野氏。プラセンタ目的で受診した患者がラドン療法や他の注射療法を知って受けるようになったり、別の疾患で保険診療を
受けるなど、収入全体を底上げする効果をもたらしたのだ。 一方で、「入りづらさ」の問題の解消にも取り組んだ。入り口の表示を、診療所名と標榜科を目立たせるデザインに変更(45ページ写真)。そのころから、風邪などの内科の患者も増え始めた。
経営者団体に加入し積極PR
同時に力を入れたのが、PR活動だ。中小企業の経営者団体である東京中小企業家同友会や東京都倫理法人会の地区組織に加入。月1、2回の頻度で会合に顔を出し、自院を積極的に売り込んだ。その効果は間もなく表れ、知り
図4◉ 蒲田よしのクリニックが直面した課題と打開策
課題 打開策
ラドン療法の利用者が伸び悩み ▶ 1回6000円から月定額1万2000円に変更し、費用負担を軽減
ラドン以外の自費メニューが少ない ▶ プラセンタ療法やビタミン注射を開始。競合施設との差別化のため割安な料金設定に
入り口の表示が医療機関らしくなく患者が入りづらい雰囲気 ▶ 和風で控えめなエントランス表示を、医院名と診療内容を強調した目立つデ
ザインに変更
接遇に改善の余地あり ▶ マナー講師と契約し接遇教育を実施
活用しているPRの手段が少ない ▶ 経営者団体に加入して自院をPR。院長ブログを “売り”にしたがん患者向けの新たなホームページも開設
スタッフと談笑する院長の吉野氏。開業時から職員がすべて入れ替わり、接遇も改善した
ラドンルームは5人分設置。料金引き下げにより、利用者数は大きく増えた
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特集 診療所再生
合った社長が自ら受診したり、社員を紹介してくれるようになった。 PR活動で注目されるのが、ホームページの見直し。既存のものに加え、同クリニックへの受診が多いがん患者向けのサイトを新たに立ち上げ、二本立てで運用し始めた。 新しいサイトの “売り”は院長ブログだ。毎回1000〜2000字程度、健康管理のコツや各種治療法のトレンドなどを書き込んだもので、週に2、3回の頻度で更新している(図5)。 記事の分量を多くしているのは、キーワード検索で引っかかりやすくする狙いもある。そのかいあって、アクセス数は1日100件以上に。「毎日数人が、ホームページを見たなどと言って問い合わせの電話をしてくる」といい、認知度アップの面で一定の成果を上げている。 これらの増患策とともに、吉野氏が
「効果が大きかった」と感じているのが接遇改善だ。昨年夏の時点で、開業時から勤務しているスタッフがすべて退
職。代わりに入った職員のモチベーションが高かった上、外部講師と契約して接遇研修を始めたこともあり、接遇のレベルが大きく向上したという。
1日患者数が40〜50人に増加
一連のテコ入れ策が奏功し、現在では、1日患者数は40〜50人程度にまで増えた。内訳は、プラセンタを含む保険診療の患者と、自費診療のみの患者が半数ずつ。月1万2000円の定額料金を支払うラドンの利用者数は50人程度だ。収入は事業計画上の数字には達していないものの、「収支がとんとんの状態まで持ってくることができた」(同氏)。 実は吉野氏は、東京駅近くで開業したころから行っている病院の非常勤の仕事を、蒲田に移ってからも続けてきた。
「そんなに働いて大丈夫かと心配されるが、プラセンタを自分で打っているから大丈夫」と笑う吉野氏。経営が軌道に乗ってきた今、アルバイト診療はそろそろやめようかと考えている。
図5◉ 新たに開設した がん患者向けの ホームページの 院長ブログ 毎回1000〜2000字の分量で週2〜3回更新している
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