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み さ は な か と う げ 総 11 合 ま 演 習 1 小 説11 章 総 合 演 習 1 【 小 説 】 学 習 時 間 の め や す 30 分 〈 L 2 L 〉 11 章 わ か ら な

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  • 11章

    総合演習1【小説】

    学習時間のめやす

    30分

    〈L2X〉〉11章

    わからないときは

    『サポート』のココ!

    問一 傍線⒜〜⒞の片仮名を漢字に直しなさい。

    ⒜=          

    ⒝=      

    ⒞=      

    ●次の文章を読んで、あとの一二に答えなさい。

    御み坂さか峠とうげのその茶店は、謂いわば山中の一軒家であるから、郵便物は、

    配達されない。峠の頂上から、バスで三十分程ゆられて峠の麓ふもと、河口

    湖畔の、河口村という文字通りの寒村にたどり着くのであるが、その

    河口村の郵便局に、私わたし宛あての郵便物が留とめ置かれて、私は三日に一度

    ぐらいの割で、その郵便物を受け取りに出かけなければならない。天

    気の良い日を選んで行く。ここの女車しゃ掌しょうは、遊覧客のために、⒜カ

    クベツ風景の説明をして呉くれない。それでもときどき、思い出したよ

    うに、甚はなはだ⑴散文的な口調で、あれが、三ッ峠、向うが河口湖、わか

    さぎという魚がいます、など、物もの憂うそうな、呟つぶやきに似た説明をして聞

    かせることもある。

    河口局から郵便物を受け取り、またバスにゆられて峠の茶屋に引っ

    返す途中、私のすぐとなりに、濃い茶色の被ひ衣いを着た青白い端正の顔

    の、六十歳くらい、私の母とよく似た老ろう婆ばがしゃんと坐すわっていて、女

    車掌が、思い出したように、みなさん、きょうは富士がよく見えますね、

    と説明ともつかず、また自分ひとりの詠嘆ともつかぬ言葉を、突然言

    い出して、リュックサックしょった若いサラリイマンや、大きい日本

    髪ゆって、口もとを大事にハンケチでおおいかくし、絹物をまとった

    芸者風の女など、からだをねじ曲げ、一せいに車窓から首を出して、

    いまさらのごとく、その⑵変 へん哲 てつもない三角の山を眺めては、やあ、と

    か、まあ、とか間ま抜ぬけた嘆声を発して、車内はひとしきり、ざわめい

    た。けれども、私のとなりの御⒝インキョは、胸に深い憂ゆう悶もんでもある

    のか、他の遊覧客とちがって、富士には⑶一 いち瞥 べつも与えず、かえって富

    士と反対側の、山路に沿った断だん崖がいをじっと見つめて、⑷私にはその様

    一 次の問に答えなさい。

    が、からだがしびれるほど快く感ぜられ、私もまた、富士なんか、あ

    んな俗な山、見み度たくもないという、高尚な虚無の心を、その老婆に見

    せてやりたく思って、あなたのお苦しみ、わびしさ、みなよくわかる、

    と頼まれもせぬのに、共鳴の素そ振ぶりを見せてあげたく、老婆に甘えか

    かるように、そっとすり寄って、老婆とおなじ姿勢で、ぼんやり崖の

    方を、眺めてやった。

    老婆も何かしら、私に安心していたところがあったのだろう。ぼん

    やりひとこと、

    「おや、月つき見み草そう」

    そう言って、細い指でもって、⒞ロボウの一箇所をゆびさした。さっ

    と、バスは過ぎてゆき、私の目には、いま、ちらとひとめ見た黄金色

    の月見草の花ひとつ、花弁もあざやかに消えず残った。

    三七七八米メートルの富士の山と、立派に相あい対たい峙じし、みじんもゆるがず、な

    んと言うのか、金剛力草とでも言いたいくらい、けなげにすっくと立っ

    ていたあの月見草は、よかった。富士には、月見草がよく似合う。

    (太だ宰ざい治おさむ「富ふ嶽がく百ひゃっ景けい」による)

    65260タイプライターテキスト練習問題

    65260タイプライターテキスト

  • 11章

    問二 傍線⑴とはどういう話し方ですか。最も適切なものを次

    のア〜エから選び、記号を書きなさい。

    ア 朗々とした話し方

    イ 感情をこめた話し方

    ウ 味あじ気けない話し方

    エ 感動を抑制した話し方

    ﹇     

    問三 傍線⑵と「私」は富士山を形容していますが、これと同

    じ心境で富士山を形容している六字の言葉を文中から探

    し、抜き出して書きなさい。

    問四 傍線⑶の意味として最も適切なものを次のア〜エから選

    び、記号を書きなさい。

    ア ちらりとも見ないで

    イ 少しだけ見て

    ウ 感情に動かされないで

    エ 一瞬のすきも与えないで

    ﹇     

    問五 傍線⑷について、次のⅰⅱに答えなさい。

    ⅰ 

    �「その様」とは、だれのどのような様子ですか。書

    きなさい。

    ⅱ 

    �「私」がこのように感じたのはなぜですか。その理

    由を説明しなさい。

  •  

    問題文からうかがわれる作者の考え方として最も適切なも

    のを次のア〜エから選び、記号を書きなさい。

    ア �

    自己の存在は微小なものであるが、権威があるとされる

    ものも実は微小なものである。

    イ 

    �自分のような弱々しい人間は、強くたくましい人間と一

    緒であるのがよい。

    ウ 

    自分は卑小な存在なので、偉大な富士のような力強さを

    身につけたい。

    エ 

    権威や世俗的なものに対して、自己のささやかな真実と

    美を守っていきたい。

    ﹇     

     

    まず、月見草を「金剛力草」と呼んでいることに着目します。富士山

    と月見草に作者はどのようなことを感じているのでしょうか。

    二        次の問に答えなさい。

    さらに考えよう

  • 11章

    総合演習1【小説】

    解答解説

              

    太だ宰ざい治おさむ「富嶽百景」(『太宰治全集』第二巻所収)

    『富嶽百景』の中に「昭和十三年の初秋、思いを新たにする覚悟で、

    私は、かばん一つ提げて旅に出た」とあります。太宰治は東京での自滅

    的な生活を断ち切ろうと、恩師・井伏鱒二の滞在する山梨県の御坂峠の

    天下茶屋に向かったのでした。この間、井い伏ぶせ鱒ます二じの紹介で石原美知子と

    いう女性と見合いをするのですが、この前後を扱った小説が『富嶽百景』

    なのです。作者の心境に応じて、さまざまに印象の変化する富士山の姿

    が描かれています。明るく、ユーモアに満ちた作品です。

    問題文では富士山の高さは三七七八メートルとありますが、正しい富

    士山の高さは三七七六メートルです。

    問一 

    ⒜「格別」は、普通と違っている様を表す言葉ですが、あとに打

    ち消しの言葉を伴う時には、〈それほど・あまり〉という意味を表

    します。

    ⒝「隠居」は、〈職をやめ、家業を譲り、また世の中のわずらわ

    しさを避けて気楽に暮らすこと。また、その人〉です。「隠」れる

    ように暮らして「居」るのです。

    ⒞「路傍」は、〈道ばたのこと〉。「路みち(=道)」の「傍かたわら」で、「路

    傍」と覚えておきましょう。

    問二 

    女車掌は散文的な口調で「物憂そうな、呟きに似た説明をして聞

    かせる」のです。「物憂そうな」というのは、憂うつで気が進まな

    い様子を表します。女車掌は積極的に説明しようという姿勢はなく、

    ただ呟くように説明を言うだけなのです。このようにとらえてみる

    と、正解はウ「味気ない話し方」だとわかりますね。

       「散文」とは、〈ことばの調子や字数にとらわれないで書く、普通

    の文章〉のことで、対義語は「韻文(=詩・短歌・俳句)」です。「韻

    文」のような詩情を持たないという点から、詩情に乏しいことを「散

    文的」と表現したわけです。

    問三 「変哲もない」というのは、〈ありふれている〉〈平凡な〉という

    ことです。「私」は、富士山は平凡な山で、立派な山ではない、と

    思っているのです。さあ、言いかえ箇所を探しましょう。「私」が

    〈富士山なんてたいしたことないや〉と思っている箇所です。「あん

    な俗な山」がちょうど六字でピッタリですね。

    問四 「一瞥」とは〈ちらっと見ること〉です。それをも与えないので

    すから、少しも見ないということでしょう。老婆は富士をまったく

    見ようとせず、反対側の断崖をじっと見つめているのです。

    問一 

    ⒜ 

    格別  

    ⒝ 

    隠居  

    ⒞ 

    路傍

    問二 

    問三 

    あんな俗な山

    問四 

    問五 

    ⅰ 

    �(例)老婆の、富士と反対側の山路に沿った断崖をじっ

    と見つめる様子。

       

    ⅱ 

    �(例)老婆に世間の人に迎合しない高尚な反俗の姿勢を

    見、共感したから。

    一出典

  • 11章

    問五 

    ⅰ乗客のなかでもひとり老婆だけは「他の遊覧客」と違っていま

    した。老婆は「富士には一瞥も与えず、かえって富士と反対側の、

    山路に沿った断崖をじっと見つめて」いるのでした。傍線部の「そ

    の様」とは、そういう老婆の様子を指します。そして、その様子が

    「私」には「からだがしびれるほど快く感ぜられ」たのです。

    ⅱさて、設問ではその理由が問われていますが、これは傍線部の

    あとの「私もまた

    0

    0

    0

    0

    、富士なんか、あんな俗な山……共鳴の素振りを

    見せてあげたく」の部分に着目してください。「私」は富士を見な

    い老婆に、世間一般のやり方・生き方に迎げい合ごうしない、高尚な姿勢を

    感じています。そして、老婆に「共鳴の素振り」を見せようと思っ

    ています。この点がつかめれば、解答は、「老婆に世間の人に迎合

    しない高尚な姿勢を見て、それに共感したから」などとまとめるこ

    とができますね。

    崖を見ていた老婆は月見草を見つけます。そして「私」は「三七七八

    米の富士の山と、立派に相対峙し、みじんもゆるがず、なんと言うの

    か、金剛力草とでも言いたいくらい、けなげにすっくと立っていたあ

    の月見草は、よかった。富士には、月見草がよく似合う」と思うので

    す。この設問に答えるには、まずこの「金剛力草」という言葉に注意

    してください。「三七七八米の富士の山と……みじんもゆるがず」と

    あることからわかるように、「金剛力草」というのは、実際の草の名

      

    ではなく、富士と立派に張り合っている月見草の強さを言うために、

    作者が作った言葉です(金剛力とは非常に強い力のことです)。また、

    「富士には、月見草がよく似合う」というのも、富士と月見草が調和

    している、ということではありません。「対峙」とは〈競い合うように、

    むかい合って立つこと〉ですから、ここでは大きな富士に対して、小

    さな月見草が互角に張り合っているという意味なのです。図式化して

    みれば、

      

    富士山=巨大、俗っぽい

          

    扌 

      

    月見草=小さい、けなげ

    となり、「私」は、巨大で俗っぽい富士を嫌い、小さくけなげな月見

    草に好感を持っているわけですから、作者は、ささやかなもの・小さ

    なものの美しさを大切にしたいと考えていることがわかりますね。そ

    れでは各選択肢を検討してみましょう。

    アは「権威があるとされるものも実は微小なものである」がよくあ

    りません。「権威があるとされるもの」とは富士山のことですが、問

    題文は富士山を微小なものとしているわけではありません。

    イ「強くたくましい人間と一緒であるのがよい」が誤り。そのよう

    なことは述べられていません。

    ウ作者は富士山の巨大ではあるけれども俗っぽいところに反発して

    いるので不適切。

    エ富士山と月見草の対比からもわかるように、作者は俗なものに高

    尚に対峙する姿勢をよしとしています。よってこれが正解です。