7
2020 Vol.364 7 月号 7 月号 7 月号 伊藤 明子 PEOPLE in Kagoshima 鹿児島を動かす人々 Episode 01

御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

2020

Vol.364

7月号7月号7月号

伊藤 明子 氏

PEOPLE in Kagoshima 鹿児島を動かす人々

Episode 01

1979(昭和54)年11月10日初刊発行

 2020(令和2)年7月15日発行(毎月1回15日発行)第364号

 印刷:

株式会社イースト朝日

364

定価 本体800円 +税 送料別

御御御付

健康の「源」元気の「源」さらには皆様の笑顔の「源」となれるような食をお届けしたい、そんな思いから店名を付けました。【体に優しく美味しい食材】にこだわり、県産の白米と製法・食感の異なる2種類の玄米を使用。一番のオススメ寝かせ玄米は、酵素玄米とも呼ばれ炊いたお米を3日間保温することで、栄養価をアップさせています。日替わりで様々な具材が楽しめる源自慢のおむすびを、香り高いダシのおみおつけと共にぜひ一度ご賞味ください。

営業時間10:00~20:00当面の間は時短営業中~19:00住所鹿児島市金生町6番6号電話番号099-210-7825webサイトhttps://www.instagram.com/omusubi_gen

鹿児島銀行本店ビル

InstagramInstagram

Page 2: 御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

CONTENTS

経済の “イマ” が分かる!

経営のヒント

台北だより

めんそ~れ沖縄

ITよもやま話ビジネスQ&A【法務】

湯ネスコ

経済概況

BOOKs 今月の1冊・6月のベスト10

経済日誌

日々の中から楽しみを… vol.01

KERビジネスセミナー 再開のお知らせ

ビジネスセミナーのご案内

新入社員 フォローアップセミナー

アートに触れる

特別セミナー&相談会

当 研 究 所ホームページはこちらから

新型コロナに学んだもの

鹿児島県中小企業

団体中央会

小正

芳史

然世界中を震撼させた新

型コロナウイルス

(Covid‐19)は、国民が

不自由を強いられながらも様々な

自粛等に取り組んだ結果、緊急

事態宣言も全解除となり、県を

またいでの移動も制限がなくなり

ました。

 しかし、第2波、第3波に対

する危機感を持ちつつ、新たな

生活様式を習慣づけることが大

事です。

 加えて、「人間万事塞翁が馬」

のことわざ通り、いつ災禍が舞い

込んでくるかわからないという「リ

スク」と向き合った経営を再確

認することの重要性を改めて考

える必要があります。

 また、急速に普及したリモー

トワーク等、ビジネスの仕組みが

大幅に変わってきます。

 対面でのコミュニケーション構築

がビジネスの基本でしたが、

ICT技術の活用は急速に浸透

し、テレビ会議等を活用したコ

ミュニケーションが身近なものに

なってきました。さらに、会議だ

けでなく、客先訪問等の営業も

テレビ会議で実現できるようにな

り、空いた時間を、有効活用で

きるようになります。

 たまには、お客様とお会いして、

肌で感じることも必要でしょう

が、地理的ハンディがなくなり、

日本中だけでなく、世界を相手

のビジネスに発展する可能性を秘

めていますし、政府もデジタル化

への集中投資を検討しています。

 ただ、マスクや消毒液等を、コ

スト重視で海外に生産委託してし

まったことは反省すべきであり、

重要な産業を国内に根付かせる

ことは今後の課題でしょう。

 また、忘れてはならないのが、

新型コロナへの闘いを最前線で挑

まれている医療関係者が、不足

する医療用具等の環境下でも、

患者の命を守るために必死で取

り組んでいらっしゃることへの感

謝であり、加えて、不足している

医療用具や消毒液等を率先して

提供しようとする人々の行動に

は、日本の和の精神の強さ・尊

さを感じました。

 戦後最長と言われた景気は、

新型コロナという一撃で一気に落

ち込んでいますが、地方経済を

支えてきた中小企業・小規模零

細企業が、今後も事業継続でき

るよう、個々の企業の力と、様々

な連携を糧にして成長していきた

いとの思いを強くしたところです。

世界自然遺産指定を待つ奄美大島

 従来、弊誌に掲載しておりました、マンスリーデータ「全国・鹿児島県の経済指標、宮崎県・熊本県・福岡県・沖縄県の経済指標」につきましては、当研究所ホームページに掲載しておりますので、ご活用ください。URL:https://www.ker.co.jp

おことわり

WEB

PEOPLE in Kagoshima 鹿児島を動かす人々

伊藤 明子 氏

本誌の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Episode 01

クイックレポート

雇用調整助成金についてのアンケート調査プラスワン

2020年夏の賞与支給計画について

Vol.364 2020/7月号

Page 3: 御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

PROFILE

Akiko Ito

いとうあきこ 東京都出身。大手広告代理

店のクリエイティブプロデューサーとして、企

業のCMやグラフィックWeb広告制作を担

当。他に企業の合併事業や新会社設立・新

規事業参入における事業支援に携わる。

2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント

リー。日置市美山地区より1位指名されたこ

とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

加。19年7月より日置市地域おこし協力隊に

着任。20年に夫婦でコミュニケーションとプ

ロモーションの会社、「株式会社ウミナリ」を

設立し、代表取締役に就任する。座右の銘

は「迷ったら大変な道を行け」。

児島中央駅から車でお

よそ30分。日置市東市

来町美山は、この地区だけで10軒

以上の窯元が軒を連ね、「薩摩焼

の里」として広く浸透している。

美山と陶磁器の結びつきは古く、

約400年前まで遡る。豊臣秀

吉の朝鮮出兵の際に連れ帰った陶

工が、この地域に定住し、その技

法が伝達されていったことが始ま

りといわれている。

 美山では、2カ月に一度、地域

の約40店舗が出店する「美山の朝

マルシェ」や年1回「美山窯元祭

り」を開催し、地場産業の発信に

力を入れる。日置市の地域おこ

し協力隊員として、イベントプロ

デュースに携わる伊藤明子さんは

「美山らしいイベントを通じて、窯

元と来場客に接点を持ってもらい

たい」と語る。「美山窯元祭り」で

は、技術力を生かした商品の販

売やろくろを体験できる陶芸体

験など、皆が一丸となり取り組

むことで、窯元の売上を伸ばし

ている。

 一方、新型コロナウイルスの影

響で、現在朝マルシェをはじめと

したイベントの開催はおろか、美

山に来てもらうのも難しい状況

は続く。そんな中、美山の窯元

を撮影・編集した映像を配信す

るプロジェクト「wonder

of

美山 ~

小さなまちから驚き

を~

」を立ち上げた。今後も「も

のづくりの火を消さない作り手

の強さ」を全国に伝えるため、手

段を選ばず様々な企画を考えて

いるという。

「薩摩焼の里」を

イベントでPR

鹿

窯元やカフェなどを紹介する「美山マップ」

仕上げ前の焼き物をチェックする窯元

人が集う美山窯元祭り風景

「心斎窯さん」穴窯での窯詰め風景 美山での暮らしや活動を生き生きと語る伊藤明子さん=6月18日、美山笑点

美山の案内所

美山笑点〒899-2431

鹿児島県日置市東市来町美山1554-1

Tel&Fax:099-210-7117

LOCATION

客観的な視点で

鹿児島のモノづくりの

魅力を発信

新型コロナウィルス感染症の影響で、相次ぐイベントの中止。

2016年より2カ月に1度開催している「美山の朝マルシェ」も例

に漏れず、再開の目途が立っていない。そうした中で、イベント運営に

協力する日置市の地域おこし協力隊では、地元の窯元取材映像をオ

ンライン上に配信。ポストコロナの今だからこそできる取り組みに力

を入れる。この取材映像「wonder

of

美山 ~

ものづくりの火

を消さない~

」を企画・制作した伊藤明子さんに、鹿児島の魅力につ

いて話を聞いた。

Episode 01  Hioki City | Miyama |

インスタグラムはこちらから

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.7 | 03

Page 4: 御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

 雇調金の申請意向がある企業に、申請するうえ

でネックになっていることを尋ねたところ、「手続

きが煩雑(書類が多い、記入事項が細かいなど)」

が74・7%と最も多く、次いで「手続きに時間がか

かる」(67・4%)、「支給額だけでは雇用維持には

不十分」(22・1%)の順となった(図表5)。

 一方で、雇調金を申請しない企業に、申請しない

理由を尋ねたところ、「雇用調整助成金の支給要

件となるような休業を従業員にさせていない」が

83・9%と最も多く、「売上高などの減少程度が

要件に達しない」(47・0%)が続いた(図表6)。

 さらに雇調金についての要望を尋ねたところ、

「提出書類・記入項目を減らしてほしい」が50・

2%と最も多く、「経済情勢や会社の規模・業種

に合わせて要件を緩和してほしい」(46・5%)、「受

給までの時間を短くしてほしい」(38・4%)が続

いた(図表7)。

 そうした中、休業中の企業が従業員の雇用を

維持するための制度として雇用調整助成金(以

下、雇調金)が注目されている。特例措置により、

支給要件の緩和や必要書類を減らすなど手続き

の簡素化が実施されており、本年度の第二次補

正予算で、1日当たりの支給額の上限を引き上

げる(8330円↓1万5000円)等の制度

拡充が盛り込まれた(9月末までの特例措置)。

 当研究所が5月に行った調査によると、雇調金

の申請意向がある企業の割合(「申請済」と「申請

検討(準備)中」の合計)は38・7%となった(図表

3)。申請意向がある企業の割合を業種別にみる

と、その他産業が49・2%と最も多く、製造業

(45・9%)、小売業(39・5%)、卸売業(34・6%)、

建設業(10・0%)と続いた。「その他産業」の中の

「旅館・ホテル業」「外食産業」はすべての回答企業

(11社)が申請意向ありと回答した。

 また、申請理由をみると、「解雇等をせずに円滑

な雇用維持が可能」が92・6%と最も多く、「要件

雇用調整助成金の申請意向がある企業割合は38.7%となった(5月中旬現在)。新型コ

ロナウイルスの影響を受けている業種でその割合が高くなっている。

要件緩和や手続き簡素化により、申請を検討する企業が増えているとみられるが、依然と

して煩雑な手続きがネックになっているとの声も根強い。

雇用調整助成金のほかにも、新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対する様々な支

援メニューが準備されている。本県経済がコロナ収束後に力強い回復を遂げるために

は、使い勝手が良く、必要なところに支援、補助が行き渡る制度設計が求められる。

概 要

調査要領

Quick R

eportクイックレポート

雇用調整助成金についての

        アンケート調査

雇用情勢は

   弱含み

調査時期:2020年5月7日~18日

調査方法:インターネット

対象企業:県内主要企業 369社

回答企業数:245社(回答率 66.4%)

景気悪化などで企業の事業が縮小し

て従業員を休ませる際に、企業が支

払う休業手当の一部を国が助成する

制度。解雇を防ぎ、雇用を維持する

狙いがある。

雇用調整助成金(雇調金)

雇用調整助成金が注目

雇調金申請意向は4割弱

緩和により助成率(助成額)が増えたため」(24・

2%)、「要件緩和により使い勝手が良くなったた

め」(17・9%)の順となった(図表4)。雇調金

については、前述のとおり、特例措置として、手続

きの簡素化や助成率の引き上げなどが実施されて

おり、申請を行う(検討する)企業が増えてきて

いるとみられる。  

2020年5月の鹿児島県の有

効求人倍率(季節調整値)は、

1・11倍と前月比0・04㌽下落し、

新規求人数も、新型コロナウイルス

に伴う緊急事態宣言などにより休業

を余儀なくされた宿泊業や外食業な

どのサービス業を中心に大きく減少

している(図表1、2)。また、求

人誌などへの求人広告掲載件数(本

県分・全国求人情報協会調べ)も

5月は前年比61・0%減となるな

ど、本県の雇用情勢は弱含んでいる。

新型コロナウイルスの影響による雇

用情勢の悪化は、県内経済全体に

も大きな影響を及ぼしている。

7.3 31.4

38.7%

61.2

10.8

2.5

5.3

10.4

35.1

7.5

34.6 0.0

34.2

38.8

54.1

90.0

65.4

60.5

50.7

0 20 40 60 80 100

45.9%

49.2%

34.6%

39.5%

10.0%

図表3 雇用調整助成金の申請について(n=245)

注)四捨五入しているため、合計が100にならない場合もある

■申請済  ■申請検討(準備)中  ■申請しない(していない)

図表4 雇用調整助成金の申請理由(n=95)

注)複数回答

92.6

24.2

17.9

12.6

7.4

5.3

4.2

3.2

1.1

5.3

0 20 40 60 80 100(%)

解雇等をせずに円滑な雇用維持が可能

要件緩和により助成率(助成額)が増えたため

要件緩和により使い勝手が良くなったため

社会保険労務士などの専門家に勧められたから

取引のある金融機関から勧められたから

労働組合や従業員からの要望

他の事業所が申請していたから

労働局や自治体の担当者に勧められたから

インターネットでの申請ができるようになる予定だから(注:5/20にオンラインによる申請受付が開始)

その他0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

1.40

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

図表1 本県の有効求人倍率(季節調整値)図表2 新規求人数の前年比と業種別寄与度

資料)鹿児島労働局、図表2も同じ

注)パート含む

(倍)(%)

(年、月)

(年、月)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5

2019 20

▲25

▲20

▲15

▲10

▲5

0

5

10

15

  計 ■建設業 ■製造業 ■運輸業、郵便業■卸売業、小売業 ■宿泊業、飲食サービス業 ■サービス業■医療、福祉 ■その他

(%)

製造業

建設業

卸売業

小売業

その他産業

2020年5月1.11倍

前年比

寄与度

全産業

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.7 | 07

Page 5: 御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

卸売業(同81%↓74%)がともに7㌽

下落し、全ての業種で「支給する」企

業の割合が前年から落ち込んだ。

 「支給しない」企業の割合は、その

他産業(12%)が最多で、以下、製造

業(10%)、小売業(9%)、卸売業

(7%)、建設業(0%)の順となった。

 また、支給率について全産業ベース

では、前年と同様に「月給支給額の1

カ月分超〜1・5カ月分以下」(38%)

の割合が最も多く、製造業、建設業、

その他産業でも同様の傾向となった。

 賞与を支給する企業において、一人当

たりの平均支給額を見ると、前年より

「増える」は全体の13%と前年(23%)

を10㌽下回った(図表1)。一方、「前年

並み」は65%とほぼ前年(64%)並みだっ

た。「減る」は22%と前年(13%)を9

㌽上回った。

 この結果、前年並み以上(「増える」

と「前年並み」の合計)の支給を実施す

る割合は78%で前年(87%)を9㌽下

回った。

 「増える」を業種別に見ると、卸売業

(前年28%↓今年9%)が19㌽減、小売

業(同30%↓18%)とその他産業(同

29%↓17%)がともに12㌽減、製造業

(同19%↓14%)が5㌽減、建設業(同

5%↓3%)が2㌽減となるなど全て

の業種で前年を下回った。増加率をみ

ると、「1〜3%未満」が43%と最も多

く、次いで「3〜5%未満」と「10%以

上」がともに18%で、「5〜10%未満」

(14%)、「1%未満」(7%)の順となっ

た。増加要因・目的は、「社員の意欲向

上」が50%と最も多く、次いで「社員の

平均年齢上昇」(43%)が続いた。

 一方、「減る」企業の最多は製造業と

その他産業の26%で、建設業の23%が

続いた。また、全ての業種で前年よりも

「減る」企業の割合が増加した。減少率

をみると「10%以上」(36%)が最も多く、

 次いで「5〜10%未満」が32%、「1

〜3%未満」が16%、「3〜5%未満」

が9%。「1%未満」は7%となった。

減少要因・目的は、「業績が悪化」が

85%と前年(70%)を大きく上回り、大

半を占めた。「業績が悪化」を業種別に

見ると、最も多かったのはその他産業の

93%で、次いで製造業(87%)、小売業

(83%)、建設業(75%)、卸売業(67%)

の順となった。

 支給の有無DI (「支給する」と「支

給しない」の割合の差)をみると、今年

は57と前年(73)を大きく下回った(図

表2)。平成以降、最も低い水準となっ

た(12年と同値)。

 一方、一人当たりの平均支給額DI

(「増える」と「減る」の割合の差)をみる

と、今年は▲9と前年(10)を大きく下

回った(図表3)。平成以降、過去4番

目の低水準となった。

[調査結果のポイント]

●支給の有無…「支給する」66%。前年78%から12㌽減と大幅ダウン。 業種別では「その他産業」の59%が最低、「製造業」も62%と低い。

●一人当たりの平均支給額…「増える」13%。前年23%から10㌽の大幅 ダウン。「前年並み以上」(「増える」+「前年並み」)…78%。前年(87%)から 9㌽のダウン。

●平成以降、最も低い水準(2012年と同値)…支給の有無DI(「支給する」と 「支給しない」の割合の差)57。前年(73)から16㌽の大幅ダウン。

●平成以降、過去4番目の低水準…一人当たりの平均支給額のDI(「増える」と 「減る」の割合の差)▲9。前年(10)から19㌽の大幅ダウン。

[ 調査要領 ]●調 査 時 期 2020年5月下旬●調 査 方 法 インターネット及び郵送●対 象 企 業 県内主要企業 500社 ●回答企業数 326社(回答率 65.2%)

 2020年夏の賞与支給について、

「支給する」企業割合は全産業ベース

で66%と前年(78%)を12㌽下回った

(図表1)。また、「支給しない」は

9%と前年(5%)をやや上回り、「未

定」は25%(同17%)と前年を8㌽上

回った。

 業種別にみると、「支給する」企業

の割合が最も多かったのは「小売業」

の78%で、以下、「卸売業」(74%)、「建

設業」(71%)、「製造業」(62%)、「そ

の他産業」(59%)の順となった。前

年と比較すると、その他産業(前年

75%↓今年59%)が16㌽減、製造業

(同76%↓62%)が14㌽減と大きく下

落した。また小売業(同87%↓78%)

が9㌽減、建設業(同78%↓71%)と

支給する企業割合は

―大幅ダウン

(DI)

2020年夏の

    賞与支給計画について

支給の有無DI

―平成以降最低

一人当たりの平均支給額

―「増える」が大幅ダウン

支 給 す る 支 給 し な い 未 定 DI(「支給する」-「支給しない」)

増 え る 前 年 並 み 減 る DI(「増える」-「減る」)

669

2557

785

1773

136522▲9

23641310

全産業 前年62102852

766

1870

146026

▲12

195724▲5

製造業 前年710

2971

780

2278

37423

▲20

58213▲8

建設業 前年747

1967

812

1779

97813▲4

28666

22

卸売業 前年789

1369

8749

83

1867153

30646

24

小売業 前年59122947

758

1767

17

57

26

▲9

29638

21

その他産業 前年

支給有無

一人当たりの

平均支給額

図表1 2020年 夏の賞与支給計画 (単位:%)

注)一人当たりの平均支給額の増加要因・目的と減少要因・目的は複数回答。 割合の算出は四捨五入を用いているため、合計が100%とならない場合がある。  「支給しない要因」は今回初めて設問に加えた。

0

20

40

60

80

100

120

図表2 支給の有無DI推移(前産業)

94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 16 18 20(年)

57 57

73

平成以降最低

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.7 | 11

Page 6: 御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

誌2020年4〜5月

号に掲載した調査レ

ポート「マーケティング活用に

よる稼げる農業・食品製造業

の実現」が南日本新聞で紹介

されました。

 山下貴主任研究員は、本

県の農業産出額が全国2位で

ありながら、農業所得率(農

業産出額に占める生産農業所

得の割合)は全国最下位と

なっていることを指摘しまし

た。また、食品製造業の付加

価値率も全国で2番目に低い

ことを経済産業省などのデー

タを用いて示しました。レポー

ト前編ではサツマイモや茶を

例に挙げ、高品質ながら最終

消費者向けの販売が十分にで

きていない現状を指摘し、十

分な利益を得るために「最終

消費者向けに販売することが

重要で、そのためにはマーケ

ティングの活用が有効」と提言

しました。後編では、高品質

なサツマイモを海外向けに高

価格で販売し、急成長を遂げ

る南橋商事(鹿屋市)をマーケ

ティングの観点から紹介しま

した。

秋開催予定していた第

75回国民体育大会(燃

ゆる感動かごしま国体)と第

20回全国障害者スポーツ大

会(燃ゆる感動かごしま大

会)は、新型コロナウイルスの

影響で、来年以降に延期する

ことが決まりました。具体

的な開催時期は未定です。

当研究所では両大会開催に

伴う県内への経済波及効果

を619億円とみていました

が、その計算法について南日

本新聞で紹介されました。

 当研究所の小薄俊介研究

主査は、試算はまず直接効

果を算出するところから始ま

ると説明しました。過去の

実績を踏まえ、大会参加者

(選手・監督や大会関係者、

観客)を延べ80万人と想定

し、観光消費額は141億

円とはじき出しました。続い

て、各自治体の予算などから

施設整備費や準備・運営経

費等を285億円と推計し、

県外からの原材料調達費16

億円を差し引いた410億

円を直接効果としました。

経済効果はそれだけに留ま

らず、様々な産業から成り

立っています。例えば、参加

者が街で飲食をすると納入

業者や農家が潤い(1次効

果、124億円)、そこで働

く人の所得が増えると新た

な消費が増える(2次効果、

85億円)といった影響を加味

し、しめて619億円となり

ました。

 ただ福留一郎経済調査部

長は、経済効果の試算は景

気づけの意味合いが強く、現

実は下振れすることが多いと

言います。とは言え、競技会

場が各地に広がり県内一円に

効果が及ぶ国体・障スポは魅

力的です。今年の観光業界

はコロナ禍で厳しい状況です

が、県民による県内観光や地

産地消で地元経済を支え、

来るべき好機を待ちたいと話

しました。

今メディア解説

経済の “イマ” が分かる!

2020.6.4 南日本新聞 経済面

2020.6.2南日本新聞地域経済面

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.7 | 15

Page 7: 御御御付 結 7...2017年に「2017移住ドラフト会議」にエント リー。日置市美山地区より1位指名されたこ とを受けて、「美山の朝マルシェ」の運営に参

経営のヒント

Chapter 1 台北だより台湾を訪れる旅行者数の現状と観光復興への道のり

Chapter 2 めんそ~れ沖縄岐路を迎えた沖縄観光

Chapter 3 ITよもやま話「5G」について

Chapter 4 ビジネスQ&A【法務】SOGI・LGBTとハラスメント

16 | MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.7