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FEPC INFOBASE e - 燃料

-燃料e-1発電用燃料の概況 脱石油化を図り、原子力、石炭、LNGを着実に導入。 燃料の経済的で安定的な調達のため、調達先の多様化などを積極的に推進。日本はエネルギー資源に乏しく、ほとんどを海外からの輸入に依存している。電気事

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  • FEPC INFOBASE

    e - 燃料

  • e-1 発電用燃料の概況

    ●脱石油化を図り、原子力、石炭、LNG を着実に導入。

    ●燃料の経済的で安定的な調達のため、調達先の多様化などを積極的に推進。

    日本はエネルギー資源に乏しく、ほとんどを海外からの輸入に依存している。電気事

    業も例外ではなく、ほとんどすべての発電用燃料を輸入している。海外産出の化石燃

    料の輸入価格は、国際政治、社会、経済など激動するさまざまな事情によって敏感に

    変動するため、輸入依存度が高い日本はそうした輸入価格の変動の影響を大きく受け

    やすい。この事実をあらためて再認識させられたのが、2 度にわたる石油ショックで

    ある。石油価格の著しい高騰は、当時、全発電用燃料に対する石油依存度が 70%に

    まで達していた日本の電気事業にとって大きな影響をもたらした。この経験を契機と

    して、それまでの石油依存の時代に転機が訪れた。電気事業では石油代替エネルギー

    の推進に取り組み、原子力、LNG(液化天然ガス)、石炭などを積極的に導入してい

    くこととなった。2011 年度の発電電力量構成比をみると、石油火力は約 13%、石炭

    は約 25%、LNG は約 40%となっていたが、東日本大震災以降、停止した原子力発

    電に代わり火力発電への過度な依存が続く。今後も電気事業は電源の多様化を着実に

    進めていくとともに、燃料の経済的で安定的な調達のため、調達先の多様化などを積

    極的に推進していくことにしている。

    各燃料の概況

    石油かつて安価で大量に調達できる石油は、わが国の高度経済成長期の伸長する電力需要を支えたが、2 度の石油ショック以降、脱石油化が図られている。

    石炭わが国電気事業の初期には発電用燃料の中心であったが、その後、安価な石油への移行が進んだ結果、使用が減少していった。近年、石油よりも埋蔵量が豊富で、世界に広く分布していること、価格変動が少ないなどの理由で見直しが進み、ガス化などの利用も研究が進んでいる。

    LNG環境特性に最も優れた化石燃料で、東日本大震災以降、利用が大幅に増加した。

    ウランウランは原子力発電に欠かせない燃料であり、環境特性も優れ、安定して利用されている。

  • 世界のエネルギー資源埋蔵量e-2

    北米9.2%

    中南米 5.5% 中東0.8%

    アジア・オセアニア2.8%

    中東47.6%

    アフリカ 7.5%中東・アフリカ

    1.4% 

    北米 25.0%

    北米13.3%

    アフリカ7.1%

    中南米4.2%北米5.6%

    ●原油、石炭、天然ガス、ウランの確認可採埋蔵量

    原油1兆6,966億バレル可採年数50.2年

    天然ガス193.5兆m3

    可採年数52.6年

    ウラン614万トン可採年数99年

    石炭10,350億トン可採年数134年

    (出典)「BP統計2018」

    (2017年末) (2017年末)

    (2017年末) (2017年1月)

    (出典)「BP統計2018」

    (出典)「BP統計2018」 (出典)「URANIUM 2018」

    ヨーロッパ・ユーラシア32.1%

     ヨーロッパ・ユーラシア27.3%

    中南米1.4%

    アフリカ20.7%

    中東40.9%

    (注)確認可採埋蔵量は、存在が確認され経済的にも生産され得ると推定されるもの。   %の合計が100に合わないのは四捨五入の関係

     ヨーロッパ・ユーラシア31.3%

     ヨーロッパ・ユーラシア9.3%

    アジア・オセアニア41.0%

    アジア・オセアニア10.0%

    アジア・オセアニア36.4%

    中南米19.5%

    ●確認されている可採埋蔵量は石炭、ウラン、天

    然ガス、原油の順。

    ●石炭、ウランは地域的な偏りが少なく、石油、

    LNG は一定地域に偏在。

    原油、石炭、天然ガス、ウランの資源量を可採年数で比

    較すると、2017 年現在では石炭が最も多く、続いてウ

    ラン、天然ガス、原油の順となっている。

    地域別に見ると、原油は地域的な偏りが大きく、中東に

    全世界の約 5 割が集中している。天然ガスは原油ほどで

    はないものの地域的な偏りがあり、中東、ヨーロッパ・ユー

    ラシアなどに多く埋蔵されている。一方、石炭は比較的

    世界各地に散在しているが、アジア・オセアニア、ヨーロッ

    パ・ユーラシア、北米が多い地域となっている。ウラン

    は石炭と同様に地域的偏在は少なく、アジア・オセアニア、

    ヨーロッパ・ユーラシア、アフリカに多く埋蔵されている。

  • ロシア11,257(12.2%)

    (出典)BP統計2018

    OPEC

       非OPEC

    アメリカ13,057(14.1%)

    中 国3,846(4.2%)

    メキシコ2,224(2.4%)

    ノルウェー1,969(2.1%)

    カザフスタン1,835(2.0%)

    イギリス999(1.1%)

    カナダ4,831(5.2%)

    ブラジル2,734(3.0%)その他非OPEC諸国

    10,461(11.3%)

    その他OPEC諸国1,795(1.9%)

    アンゴラ1,674(1.8%)

    アルジェリア1,540(1.7%)

    イラン4,982(5.4%)

    ナイジェリア1,988(2.1%)

    カタール1,916(2.1%)

    ベネズエラ2,110(2.3%)

    クウェート3,025(3.3%)

    UAE3,935(4.2%)

    イラク4,520(4.9%)

    サウジアラビア11,951(12.9%)

    (注)四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

    北 米

    中 南 米

    ヨーロッパ・ユーラシア

    中 東

    ア フ リ カ

    アジア・オセアニア

      合   計  

    O P E C

    非 O P E C

    21.1%

    6.9%

    24.6%

    26.8%

    10.3%

    10.3%

    100.0%

    36.5%

    63.5%

    (千バーレル/日(%))●世界の原油生産量の推移

    1990(平成2)

    1995(平成7)

    2000(平成12)

    2005(平成17)

    2010(平成22)

    2016(平成28)

    2017(平成29)

    年地域

    (出典)BP統計2018(注)四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある。

    世界合計

    92,649(千バーレル/日)(100%)

    OPEC計39,436(42.6%)

    非OPEC計53,213(57.4%)

    ●世界の原油生産量(2017年)

    20.3%

    8.5%

    20.3%

    29.8%

    10.5%

    10.7%

    100.0%

    39.9%

    60.1%

    18.5%

    8.9%

    20.0%

    31.7%

    10.4%

    10.5%

    100.0%

    41.5%

    58.5%

    16.7%

    9.0%

    21.4%

    31.2%

    12.0%

    9.7%

    100.0%

    42.9%

    57.1%

    16.6%

    8.9%

    21.3%

    31.0%

    12.1%

    10.1%

    100.0%

    42.1%

    57.9%

    20.9%

    8.1%

    19.2%

    34.5%

    8.6%

    8.7%

    100.0%

    42.7%

    57.3%

    21.7%

    7.8%

    19.2%

    34.1%

    8.7%

    8.5%

    100.0%

    42.6%

    57.4%

    13,823

    4,507

    16,074

    17,540

    6,731

    6,710

    65,384

    23,857

    41,527

    13,779

    5,779

    13,811

    20,226

    7,118

    7,270

    67,983

    27,109

    40,875

    13,891

    6,696

    14,989

    23,717

    7,771

    7,869

    74,934

    31,131

    43,803

    13,706

    7,341

    17,516

    25,549

    9,816

    7,981

    81,908

    35,101

    46,807

    13,841

    7,404

    17,694

    25,822

    10,065

    8,426

    83,251

    35,086

    48,166

    19,270

    7,474

    17,716

    31,789

    7,892

    8,010

    92,150

    39,358

    52,792

    20,112

    7,182

    17,807

    31,597

    8,072

    7,879

    92,649

    39,436

    53,213

    ロシア11,257(12.2%)

    (出典)BP統計2018

    OPEC

       非OPEC

    アメリカ13,057(14.1%)

    中 国3,846(4.2%)

    メキシコ2,224(2.4%)

    ノルウェー1,969(2.1%)

    カザフスタン1,835(2.0%)

    イギリス999(1.1%)

    カナダ4,831(5.2%)

    ブラジル2,734(3.0%)その他非OPEC諸国

    10,461(11.3%)

    その他OPEC諸国1,795(1.9%)

    アンゴラ1,674(1.8%)

    アルジェリア1,540(1.7%)

    イラン4,982(5.4%)

    ナイジェリア1,988(2.1%)

    カタール1,916(2.1%)

    ベネズエラ2,110(2.3%)

    クウェート3,025(3.3%)

    UAE3,935(4.2%)

    イラク4,520(4.9%)

    サウジアラビア11,951(12.9%)

    (注)四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

    北 米

    中 南 米

    ヨーロッパ・ユーラシア

    中 東

    ア フ リ カ

    アジア・オセアニア

      合   計  

    O P E C

    非 O P E C

    21.1%

    6.9%

    24.6%

    26.8%

    10.3%

    10.3%

    100.0%

    36.5%

    63.5%

    (千バーレル/日(%))●世界の原油生産量の推移

    1990(平成2)

    1995(平成7)

    2000(平成12)

    2005(平成17)

    2010(平成22)

    2016(平成28)

    2017(平成29)

    年地域

    (出典)BP統計2018(注)四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある。

    世界合計

    92,649(千バーレル/日)(100%)

    OPEC計39,436(42.6%)

    非OPEC計53,213(57.4%)

    ●世界の原油生産量(2017年)

    20.3%

    8.5%

    20.3%

    29.8%

    10.5%

    10.7%

    100.0%

    39.9%

    60.1%

    18.5%

    8.9%

    20.0%

    31.7%

    10.4%

    10.5%

    100.0%

    41.5%

    58.5%

    16.7%

    9.0%

    21.4%

    31.2%

    12.0%

    9.7%

    100.0%

    42.9%

    57.1%

    16.6%

    8.9%

    21.3%

    31.0%

    12.1%

    10.1%

    100.0%

    42.1%

    57.9%

    20.9%

    8.1%

    19.2%

    34.5%

    8.6%

    8.7%

    100.0%

    42.7%

    57.3%

    21.7%

    7.8%

    19.2%

    34.1%

    8.7%

    8.5%

    100.0%

    42.6%

    57.4%

    13,823

    4,507

    16,074

    17,540

    6,731

    6,710

    65,384

    23,857

    41,527

    13,779

    5,779

    13,811

    20,226

    7,118

    7,270

    67,983

    27,109

    40,875

    13,891

    6,696

    14,989

    23,717

    7,771

    7,869

    74,934

    31,131

    43,803

    13,706

    7,341

    17,516

    25,549

    9,816

    7,981

    81,908

    35,101

    46,807

    13,841

    7,404

    17,694

    25,822

    10,065

    8,426

    83,251

    35,086

    48,166

    19,270

    7,474

    17,716

    31,789

    7,892

    8,010

    92,150

    39,358

    52,792

    20,112

    7,182

    17,807

    31,597

    8,072

    7,879

    92,649

    39,436

    53,213

    世界の原油生産量e-3

  • サウジアラビア39.4%

    クウェート7.3%

    オマーン1.0%

    メキシコ1.3%

    インドネシア1.1%

    その他4.9%

    その他12.3%

    中東87.7%

    カタール7.6%

    イラン5.2%

    UAE24.8%

    総輸入量

    1億8,509万kℓ

    ロシア5.3%イラク

    1.9%

    (%)

    0

    60

    70

    80

    90

    1965 1970 1975 1980 1985 2000 2010 2015 2017200519951990(年度)

    第一次石油危機77.5%

    第二次石油危機75.9%

    87.7%

    e-4 地域別国別原油輸入量

    ●日本の原油の輸入先は一時期に比べて多様化し

    ているが、サウジアラビア、UAE など中東が依

    然として圧倒的に多くなっている。

    中東への依存度の推移を見ると 1987 年に 68%程度まで

    低下したが、それ以降高まる傾向にある。

    これは石油輸出国であった中国が 1993 年に原油輸入国

    に転じるなど、アジアの産油国で国内需要が増えてきて

    いることから、相対的に中東からの比率が高まってきて

    いるためである。

    (出典)石油連盟統計資料

    (出典)石油連盟統計資料

    ●日本の原油の地域別輸入比較(2017 年度)

    ●日本の原油の中東依存度の推移

  • オーストラリア72.0%

    ロシア10.7%

    アメリカ 2.4%

    中国 0.9%

    インドネシア11.8%

    その他0.1%

    (注)%の合計が100%に合わないのは四捨五入の関係

    総輸入量

    1億1,452万トン

    OPEC計29,104(40.4%)

    コロンビア 0.6%

    カナダ 1.6%

    e-5 地域別国別石炭輸入比率

    ●輸入先の中心はオーストラリアで 72%。

     インドネシア、ロシアと続く。

    石炭は、世界中に広く分布し、かつ豊富で、供給の安定

    性を有しており、化石燃料の中で最も経済性に優れてい

    る。2 度の石油危機を経て、石炭、なかでも比較的安価

    で豊富な海外炭が見直されたことで、日本では石炭火力

    発電の開発が進められた。

    現在では、発電用の石炭のほとんどが海外炭になってい

    る。

    (出典)財務省貿易統計

    ●日本の石炭の国別輸入比率(2017 年度)

  • e-6 地域別国別 LNG 輸入比率

    ●輸入先の中心はオーストラリア、マレーシア、

    カタールで全体の約 60%。

    LNG は、メタンを主成分とする天然ガスを -162℃まで

    冷却し液体化したもの。液化する段階で硫黄分や一酸化

    炭素などの不純物が取り除かれるため、環境汚染の少な

    いエネルギーであり、埋蔵量が豊富で原油と比較すると

    地域的な偏りも少ないという特徴がある。

    日本では、1969 年にアメリカのアラスカから LNG の受

    け入れを開始して以来、現在ではオーストラリア、マレー

    シア、カタール、ロシアなどの LNG プロジェクトが稼

    働している。今後も、石油代替エネルギーとして、また

    環境特性に優れたエネルギーとしてその重要性はますま

    す高まるものと思われる。

    オーストラリア32.0%

    マレーシア17.0%

    UAE5.6%

    ロシア8.4%

    オマーン3.4%

    パプアニューギニア4.7%

    インドネシア7.9%

    カタール11.8%

    ブルネイ4.8%

    (注)%の合計が100%に合わないのは四捨五入の関係

    その他1.6%

    ナイジェリア1.6%

    アメリカ1.1%

    総輸入量

    8,389万トン

    (出典)財務省貿易統計

    ●日本の LNG の国別輸入比率(2017 年度)

  • e-7 原油輸入価格の推移

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    90.52

    113.89

    110.01

    90.37

    48.7547.53

    57.04

    69.40

    84.16

    第一次石油危機

    ($/バレル)

    114.18

    湾岸戦争

    第二次石油危機

    ‘75 ‘79 ‘85 ‘95 2000‘90 ‘05 ‘10 ‘15 ‘171973(昭和48年度) (平成29年度)

    (出典)財務省貿易統計

    ● 1 バレル当たりの輸入価格