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s SINUMERIK ツールと金型加工 マニュアル 08/2007

SINUMERIK ツールと金型加工 マニュアル 対象: 制御システム SINUMERIK 810D SINUMERIK 840D SINUMERIK 840Di SINUMERIK 802D sl pro 08/2007 版 文書注文番号 6FC5095-0AB20-0TP0

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s

SINUMERIKツールと金型加工

マニュアル 08/2007 版

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SINUMERIKツールと金型加工

マニュアル

対象 :

制御システム

SINUMERIK 810DSINUMERIK 840DSINUMERIK 840DiSINUMERIK 802D sl pro

08/2007 版文書注文番号 6FC5095-0AB20-0TP0

基本情報 1

機械オペレータ用情報 2

プログラマ用の情報 3

参照情報 4

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はじめに

印刷履歴と登録商標0

© Siemens AG 2007 All rights reserved. SINUMERIK 840D マニュアル、ツールと金型加工 08/2007

4

SINUMERIK 取扱説明書

印刷履歴と登録商標

この版と以前の版の簡単な明細を下記に記載します。 各版の状態を、[ 備考 ] 欄にコードで示します。

[ 備考 ] 欄の状態コード

A .... 新しい文書 B .... 新しい注文番号を持つ変更のない再版 C .... 新しい版の改訂版

後の版以降、変更のあったページは、ページのヘッダーに新しいバージョンコードで示します。

登録商標

SIMATIC、SIMATIC HMI、SIMATIC NET、SIROTEC、SINUMERIK、SIMODRIVE、SINAMICS は、Siemens AG の登録商標です。 この出版物における他の名前も、第 3 者による第 3 者自身のための使用は登録者の権利を犯す商標である場合があります。

版 注文番号 備考

06.2008 6FC5095-0AB20-0TP0 A

詳細は、インターネット : http://www.siemens.com/sinumerik を参照してください。

この文書は、複数のレイアウトとグラフィックツールを使用して作成されました。 書面による明示の許可がなければ、本書またはその内容を複製、送信または使用することはできません。違反者は、損害賠償の責任を負います。特に認可パートナーまたは GM 登録者に対し、無断転写および複製を禁じます。

Siemens AG 1995 - 2007. All rights reserved.

その他本書で説明していない機能も、この制御器で実行できる場合があります。ただし、これは、そのような機能を新しい制御器で提供したり、サービス時に提供したりするということではありません。

本書の内容についてはハードウェアとソフトウェアの記述と一致することを確認済みですが、それでもなお、発生する可能性のある記述外の事項について責任を負いかねます。 ただし、本書に含まれる情報は定期的にレビューされ、必要な変更は次の版に反映されます。 本書の改善のための提案は、いつでも歓迎いたします。

技術データは予告なしに変更されることがあります。

注文番号 6FC5095-0AB20-0TP0 Siemens Aktiengesellschaft

0 はじめに

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はじめに

目次 0

5

ページ

1 基本情報 ................................................................................................................................ 7

1.1 概要 .............................................................................................................................8

1.2 ツールと金型加工の必要性 .........................................................................................9

1.3 精度、速度、表面品質 ..............................................................................................10

1.4 NC 金型加工プログラムの構造 .................................................................................13

2 機械オペレータ向け情報 ..................................................................................................... 15

2.1 概要-ワークと工具のセットアップと測定 ..............................................................16

2.2 JOG モード-ワークのセットアップと測定 .............................................................18

2.3 JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合のワークのセットアップ .......20

2.4 JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合のワークのセットアップ ..........25

2.5 JOG での工具の測定 .................................................................................................30

2.6 802D sl によるワークのセットアップと工具の測定- JOG での測定 ......................33

2.7 AUTOMATIC モード-インプロセス測定 .................................................................35

2.8 プログラムデータ転送/プログラムの管理 ..............................................................40

2.9 高速設定- CYCLE832 ..............................................................................................42

2.10 金型加工のプログラム構造 .......................................................................................46

2.11 プログラムの選択/開始/停止/中断/続行 .........................................................48

2.12 プログラムの中断 ......................................................................................................49

2.13 プログラム一覧/外部プログラムの状態 ..................................................................52

2.14 パートプログラムのシミュレーション .....................................................................53

2.15 クイックビュー/高速表示 .......................................................................................542.16 ShopMill .....................................................................................................................56

3 プログラマ向けの情報.......................................................................................................... 61

3.1 概要 ...........................................................................................................................62

3.2 フレームについて ......................................................................................................63

3.3 旋回- CYCLE800 .....................................................................................................66

3.4 プログラミング例-旋回 ..........................................................................................70

3.5 高速設定- CYCLE832 ..............................................................................................72

3.6 送り速度プロファイル- FNORM、FLIN .................................................................80

3.7 CYLCE832 のプログラミング例 ..............................................................................81

3.8 CYCLE832 を使用しないプログラミング例 .............................................................84

0 はじめに 目次

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はじめに

目次0

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6

ページ

4 参照情報 .............................................................................................................................. 87

4.1 高度な機能の概要 .................................................................................................... 88

4.2 今後の 5 軸加工 ......................................................................................................... 91

4.3 工具の移動方法 ......................................................................................................... 92

4.4 3 軸フライス加工と 3 + 2 軸フライス加工 ............................................................... 93

4.5 3+2 軸フライス加工機械の構造 ................................................................................ 94

4.6 JOG での測定-テーブルの 2 つの回転軸によるワークのセットアップ ................. 96

4.7 索引 ........................................................................................................................... 98

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基本情報

目次 ページ

1.1 概要 81.2 ツールと金型加工の必要性 91.3 精度、速度、表面品質 101.4 NC 金型加工プログラムの構造 13

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基本情報

概要1.1

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8

1.1 概要

時間のかかる再加工なしで、速度、精度、および完全な表面品質に仕上げることが、ツールと金型加工における主要な目的です。

SINUMERIK 840D は、使用方法の工夫により、3 軸プログラミングと加工を含む操作全体を大

幅に簡素化し、同時にワークの質を向上させる強力で高度な機能を備えています。 SINUMERIK 802D sl は、標準的な 3 軸加工で使用できます。

このマニュアルでは、関連業界と研究分野の専門家を対象に、ツールと金型加工に関する も重要な基礎 ( 特に、3 軸フライス加工 ) を要約した形で説明します。 さらに、この基礎を元にし

て、ユーザーやオペレータの作業を効率化するための加工に関する実用的な情報を提供します。

その後に、プログラマ用に SINUMERIK 制御の重要な機能を説明し、具体例を使って工程全体

を 適化するための方法を示します。

本書では、簡単な説明に留める項目が多数あります。 詳細につては、それぞれ該当のマニュア

ルと関連資料を参照してください。

自動車部品のトリミング

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基本情報

ツールと金型加工の必要性 1.2

9

1.2 ツールと金型加工の必要性

プロトタイプの構築

チェスの駒

バルブ

あらゆる応用分野において、標準設計の必要性がますます増しています。 人間工学、空気抵抗係数 (CW 値 )、または純

粋にデザイン面から、丸みを帯びたフォームや形状が求められるようになってきました。 さらに、これらの要件を短時間かつ高精度で満たす必要があります。このような設計は、主に CAD システムと、CAM ステーションの

自由曲面用加工プログラムによって生み出されます。

このような変遷はあってもやはり、金型加工工具の品質に関する技術的な責任は、熟練した工作機械オペレータにあります。

SINUMERIK 840D と 802D sl で、シーメンス

は、3 軸加工用の従来の 2 次元領域だけでな

く、840D の 5 軸高速領域におけるツールと

金型加工の要件に的確に沿った制御を実現しています。

簡単な操作

機械でのユーザーに分かり易いプログラ

ミング

CAD-CAM-CNC工程全体にわたる 適

のパフォーマンス

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基本情報

精度、速度、表面品質1.3

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10

1.3 精度、速度、表面品質

プロセスチェーン : CAD -> CAM -> CNCCAD -> CAM CAM システムは、自由曲面加工用の NC プログラムを生成します。 CAD システムからワークの

形状情報を受け取ります。

CAM -> CNC 自由曲面の加工を行う場合は、プロセスチェーン CAD -> CAM -> ( ポストプロセッサ ) -> CNCを充分に検討してください。

CAD システムで、高次の表面 が構築さ

れます ( 自由曲面 )。

たとえば、表面全体のフライス加工または衝突チェックのために、CAM システムでは通

常、CAD 表面が多面体に変換されます。

つまり、滑らかな表面は、多くの小さな平面

を使用して近似されるということです。 .

このため、元の自由曲面との細かい相違が生じることは避けられません。

CAM プログラマは、この多面体に沿って工具

パスを作成します。 ポストプロセッサは、こ

れらのパスから指定された許容誤差内で NCブロックを生成します。 これらのブロックは

通常、多くの直線要素 G1 X Y Z から構成さ

れています。 .

このため、加工結果はすでに自由平面でなく、多面体になります。 多面体の小さい 1 つ

ひとつの平面は、表面上に目で確認できるほどにマッピングされることがあります。

これにより、不要な再加工が生じることがあります。

1

1

2 2

33

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基本情報

精度、速度、表面品質 1.3

11

SINUMERIK 制御には、再加工を避けるためのさまざまな機能が搭載されています。

プログラム可能な滑らかな指令 ( スプラ

イン補間 )

1 つはブロック境界で定義された滑らかな指

令です。 これには、コーナー ( ブロック遷移

部 ) で形状要素 が挿入されます。 これらの形状要素の許容誤差は調整することが可能です。

3.5 章「高速設定」も参照してください。

コンプレッサ機能 (COMPCAD)

ブロック遷移部の直線補間によって、機械軸で不連続な加速が生じて機械要素が共振し、結果的にワーク表面の傾斜面パターン または振動パターン として検出される場合

があります。

コンプレッサは、指定された許容誤差 内で G1 連続指令 を結合して圧縮し、スプ

ライン を生成します。これは、制御シス

テムで直接実行することができます。

これで、機械軸がより滑らかに移動し機械の共振が回避されるため、表面の品質が向上します。

またこの結果、移動速度の変化が少なくなり機械の負荷が減って、生産性が向上します。

4 4

12

12

12 3 1

23

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基本情報

精度、速度、表面品質1.3

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12

前提条件

オプションで COMPCAD とスプライン補間を使用でき、かつ、これらのオプションを使用

するための機械のセットアップが行われていなければなりません。

CAM システムの許容誤差範囲がわかっている場合は、その値またはそれより少し大きな値をコ

ンプレッサの許容誤差範囲として使用してください。

COMPCAD では、通常この値は CAM システムでプログラムされた許容誤差の 1.2 ~ 1.5 倍で

す。 この値が不明の場合は、開始値として CYCLE832 の初期設定を使用します。 初期設定につ

いては、2.9 章「高速設定」を参照してください。

SINUMERIK 840D では、サイクル CYCLE832 を使用して、スプライン圧縮と COMPCAD の

オン/オフを切り替えることができます。 このサイクルについては、2.9 章と 3.5 章を参照して

ください。

NOTE

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基本情報

NC 金型加工プログラムの構造 1.4

13

1.4 NC 金型加工プログラムの構造

自由曲面を加工する NC プログラムは多くの NC ブロックから構成され、通常は CNC 制御で

は編集されません。

NC 金型加工プログラムの構造

も明確に構築された NC プログラムは、以下のようなプログラム構造になります。

メインプログラムでは、原点オフセット、すべてのテクノロジ値、開始点、高速設定が定義されます。 高速設定パラメータを使用すると、ワークの品質への影響の度合いを調整できます。

サブプログラムには移動ブロックが格納されています。サブプログラムは複雑なため、変更してはいけません。

適切に構築された NC プログラムであれば、プログラム中断後、選択した箇所から再開するこ

ともできます。

サブプログラム呼び出しを行うメインプログラム

N10 T1D1N15 M6

N20 M3 M8 S8000 F1000 ; 主軸速度、送り速度

N30 G0 G54 X10 Y10 Z5 ; 設定可能ゼロオフセット

N40 CYCLE832(0.05,112003)

; CYCLE832 は、

; コンプレッサの許容誤差と

; 他のパス条件を設定します。

N50 EXTCALL "Roughing"

; サブプログラム "Roughing" の呼び出

し、 ; CAM プログラムの形状

; が含まれています。

工具の呼び出し

テクノロジー

" 原点 "(ゼロポイン開始位置

高速設定サイクル

サブプログラム呼び出し

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基本情報1.4

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14

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機械オペレータ向け情報

目次 ページ

2.1 概要-ワークと工具のセットアップと測定 162.2 JOG モード-ワークのセットアップと測定 18

2.3 JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合の

ワークのセットアップ

20

2.4 JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合の

ワークのセットアップ

25

2.5 JOG での工具の測定 30

2.6 802D sl によるワークのセットアップと工具の測定-

JOG での測定

33

2.7 AUTOMATIC モード-インプロセス測定 35

2.8 プログラムデータ転送/プログラムの管理 402.9 高速設定- CYCLE832 42

2.10 金型加工のプログラム構造 462.11 プログラムの選択/開始/停止/中断/続行 482.12 プログラムの中断 492.13 プログラム一覧/外部プログラムの状態 522.14 パートプログラムのシミュレーション 532.15 クイックビュー/高速表示 542.16 ShopMill 56

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機械オペレータ向け情報

概要-ワークと工具のセットアップと測定2.1

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16

2.1 概要-ワークと工具のセットアップと測定

JOG でのワークと工具のセットアップ

ワークと工具のセットアップを行うと、機械は加工を行える状態になります。 これは、セット

アップで、まだ未知であるワークと工具の寸法を測定する必要があることを意味します。

ワークのプログラミングを行基準点は常にワーク原点です。 クランプされたワークのセット

アップを行うと、そのワーク原点が決定されます。 セットアップ時には、ワークの要素 ( エッ

ジ、コーナー、ポケット/穴、凸形状、平面 ) を使用することができます。 セットアップが完

了すると、定義した座標系の直線オフセットと回転オフセットの結果としてワーク原点が定義されます。

制御システムによっては、機械的な測定冶具を使用するか既知のワークの形状を接触計測して、工具長と直径を自動的に測定することができます。 ここで求められた値は、工具補正データに

転送されます。

ワークの測定-インプロセス測定

ワークは、製造工程時にその許容誤差を決定するために測定されます。 使用する測定サイクル

に応じて異なりますが、ワーク測定の結果として以下のオプションを選択することができます。

補正なしの測定のみ ( 現在値が測定されます )

原点オフセット補正 ( 設定値-現在値の差分値 )

工具データ補正 ( 設定値-現在値の差分値 )

工具の測定-インプロセス測定

工具は、製造工程時に特定の工具パラメータをモニターするために測定されます。 工具測定の

結果、工具パラメータは補正されます。通常、工具の直径と長さが測定されます。

これらの測定は、スイッチングプローブでも非スイッチングプローブでも行うことができます。

測定サイクルの機能を完全に活用するには、スイッチング 3 次元プローブを使用してくだ

さい。

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機械オペレータ向け情報

概要-ワークと工具のセットアップと測定 2.1

17

JOG での測定-手動測定

自動モードでの測定-インプロセス測定

半自動の "JOG での測定 " では、制御システ

ムの該当のソフトキーを使用して必要な測定機能を選択します。 表示される入力画面を使

用して、機能のパラメータを設定します。 移動キーやハンドルなどを使用して、工具またはプローブを測定の許容された開始位置に移動してください ( 手動移動 )。

以下の場合、JOG で測定します。

手動測定を加工用機械の準備に使用する

場合

手動測定をワークまたは未知の工具形状

を決めるために使用する場合

測定を機械との対話操作で手動モードで

実行する場合

自動モードで測定を実行するときは、特定の測定操作に合わせて NC プログラム ( 測定サ

イクル ) のパラメータを設定します。 パラ

メータの設定は、プログラム編集の入力画面を使用して行います。 アプローチする測定ポ

イントと測定操作は、測定プログラムに応じて自動的に実行されます。

以下の場合、AUTOMATIC モードで測定しま

す。

ワークの寸法が仕様通りであることを

チェックするために自動測定を使用する場合

既知のワークと工具形状を修正するため

に自動測定を使用する場合

加工プログラム内で測定サイクルを呼び

出すことによって測定を実行する場合

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機械オペレータ向け情報

JOG モード-ワークのセットアップと測定2.2

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18

2.2 JOG モード-ワークのセットアップと測定

ワークのセットアップ

機械の電源をオンにして基準点にアプローチした後は、軸位置は機械座標系の位置になります。 原点オフセットは、制御システムへ機械座標系でのワークの位置を知らせます。

以前は、ワークをクランプして機械軸と平行に位置合わせした後、原点オフセットが接触計測などによって測定されていました。 実際に一般的に行われる 2 つの例を見ると、プローブと

SINUMERIK サイクルを使用すると作業がいかに容易になるかがわかります。 時間のかかる手

動位置合わせが必要ない、制御システムによるワークの基本回転の補正方法を説明します。

例として、以下の 2 つの機械構成のセットアップを使って説明します。

テーブルに回転軸を装備しない機械 (2.3 章を参照 )

テーブルに回転軸を装備した機械 (2.4 章を参照 )

前提条件

測定サイクルがインストール済みであること

ワークがクランプされていること

プローブが校正済みで有効になっており、主軸にクランプされていること ; 工具補正が有効

であること

単一のワークだけを加工する場合 ( ツールと金型加工の場合は一般的 ) は、測定は JOG モード

で実行します ( 下記を参照 )。 同一の装置で複数の類似した部品を加工する場合は、自動モード

で測定サイクルを使用します ( 近似ゼロポイントをセットアップしてください )。NOTE

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機械オペレータ向け情報

JOG モード-ワークのセットアップと測定 2.2

19

SINUMERIK 840D の測定サイクルの選択

測定には、実務で必要な測定を備えた以下の垂直バーの測定サイクルを使用できます。

→ エッジの測定

→ コーナーの測定

→ ポケット/穴の測定

→ 凸形状/穴の測定

→ 平面の位置合わせ

→ プローブの校正

→ [ 戻る ](JOG での測定終了 )

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機械オペレータ向け情報

JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合のワークのセットアップ2.3

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20

2.3 JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合のワークのセットアップ

操作

クランプした後、機械座標系において回転された 1 つの非直角ワークが作業領域に存在しま

す。 この座標系の原点オフセットと位置 ( すなわち、基本回転 ) を定義します。

加工面のコーナーの測定

[ コーナーの測定 ] を呼び出します。 新しい縦ソフトキー [ 直角のエッジ ]と [ 任意のコーナー ] が表示された [ コーナー ] ウィンドウが開きます。

90°でないコーナーを測定する場合は、[ 任意のコーナー ] ソフトキーを

押します。 4 つの測定ポイント : P1、P2、P3、P4 が必要です。

ヘルプ画面に示すように、プローブを 初の測定ポイント P1 に移動しま

す。

入力画面に詳細を入力します。

原点オフセットを選択します (G54、G55、G56、または G57)。 この例

では G54 が使用されています。

内周コーナーか外周コーナーを選択します。

コーナーの位置を選択します。

選択した ZO の基準点 ( コーナー ) として必要な両方の軸の設定位置

を入力します。

G17 平面でコーナーを測定するときは、測定結果として、X と Y 方向の

直進の原点オフセットと Z 軸を中心とした回転が求められます。 Z 方向の

直進の原点オフセットは、追加の測定 [ エッジの設定 ] を使用して測定し

てください。

[NC 開始 ] では、手動で選択された暫定位置から特定の測定ポイント (P1~ P4) に自動的にアプローチします。 つまり、プローブがワークにアプ

ローチし、接触後に開始位置に戻ります。

12

3

1

2

3

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機械オペレータ向け情報

JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合のワークのセットアップ 2.3

21

測定を実行するときに、測定結果を原点オフセットに反映するか、測定だけを行うかを選択す

ることができます ( を参照 )。セットアップ時には、原点オフセットの修正が行われます。 コーナーの寸法仕様のチェックだけを行う場合は、[ 計測のみ ] の測定サイクルを使用すること

もできます。

NOTE 1

P1

P2

P4

P3

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機械オペレータ向け情報

JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合のワークのセットアップ2.3

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22

結果

[NC 開始 ] で事前に定義された測定距離を使用した場合、測定は、設定さ

れた測定送り速度で自動的に P1 に対して行われます。 測定が正常に実行

されると、直前まで無効であったソフトキー [P1 保存 ] が有効になり、

初の測定ポイント P1 の座標が内部的に保存されます。

2 番目の測定ポイント P2 の手前に手動で移動した後、[NC 開始 ] を押す

と、この測定ポイントに対する測定が自動的に行われます。 同様に、測定

ポイント P3 と P4 の測定を実行します。 すべての測定ポイントの測定が

正常に終了し、すべての [Px 保存 ] ソフトキーが有効になると、縦ソフト

キー [ 計算 ] が表示されます。 このソフトキーを押すと、コーナー座標 P0とオフセットが計算されます。

制御システムは、以下を計算します。

1. 2 つの直線の交点からの原点オフセットの X、Y 値

2. Z 軸を中心にしたワーク座標系の基本回転

3. これらの値は、原点オフセットテーブル ( 原点オフセット G54) に転

送されます。

上記で、XY 平面のオフセットと "Z" 軸の基本回転が求められました。

補正対象としてすでに有効な ZO が選択されている場合、これらのオフ

セット値はすぐに有効になります。

別の ZO を選択した場合は、その ZO を有効にするかどうかを問うプロン

プトが表示されます。

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機械オペレータ向け情報

JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合のワークのセットアップ 2.3

23

Z 軸の原点オフセットの測定

X、Y 平面の位置合わせ/測定を行った後は、Z 軸の原点オフセットを測定してください。

上記で、テーブルに回転軸を装備しない 3 軸機械に対して、基本回転と X/Y 軸と Z の原点が求

められました。

[ エッジの設定 ] を選択し、プローブを 初の測定ポイント P1 に移動しま

す。

入力画面に詳細を入力します。

原点オフセット ( たとえば、G54) を選択します。

Z 軸を選択します。

選択した ZO の基準点 ( エッジ ) として必要な設定位置を入力します。

[NC 開始 ] では、手動で選択された暫定位置から測定ポイント P0 に自動

的にアプローチします。 これは、プローブがワークにアプローチし、始動

後に開始位置に戻ります。

12

3

1

2

3

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JOG での測定-テーブルに回転軸を装備しない場合のワークのセットアップ2.3

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24

回転軸を装備しない機械構成の要約

上記で、機械の原点と基本回転 ( 回転軸に対する座標回転 ) が求められました。

回転軸を装備しない機械の座標を回転する場合、制御システムが、X/Y 軸がプログラムされた

運動を、軸と平行するように、対応する XY 運動に変換します。 これは、工具の運動がもう機

械軸と平行ではないことを意味します。

例 1 テーブルに C 軸を " 装備しない " 場合の機械のキネマテックス

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機械オペレータ向け情報

JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合のワークのセットアップ 2.4

25

2.4 JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合のワークのセットアップ

操作の説明

例 2 クランプした後、機械座標系において、回転された 1 つの非直角のワークが作業領域に存在し

ます。 この座標系における原点オフセットと位置 ( すなわち、基本回転 ) を測定します。 機械に

は、1 つの回転軸があります。

Z 軸を中心にした、基本回転の測定

[ エッジの測定 ] を呼び出します。 [ エッジの測定 ] ウィンドウには、縦ソ

フトキー [ エッジの設定 ]、[ エッジの調整 ]、[2 エッジ間の距離 ] が表示

されます。

[ エッジの調整 ] ソフトキーを押します。 2 つの測定ポイントが必要です。

ヘルプ画面に示すように、プローブを 初の測定ポイント P1 に移動しま

す。

入力画面に詳細を入力します。

原点オフセットを選択します (G54、G55、G56、または G57)。 この例

では、G54 が使用されています。

角度補正の形式を選択します ( この例では、テーブル回転軸 C)。

可能な設定角度を入力します。

[ エッジの調整 ] では、G17 平面のアルファ角度が決定されます。

[NC 開始 ] では、手動で選択された暫定位置から、測定ポイント P1 と P2に自動的にアプローチします。 これは、プローブがワークにアプローチ

し、起動後に開始位置に戻ります。

1

23

1

2

3

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JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合のワークのセットアップ2.4

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26

.

結果

すべての測定ポイントにおける測定が正常に終了し、すべての [Px 保存 ]ソフトキーが有効になると、垂直 [ 計算 ] ソフトキーが表示されます。 ソフトキーを押すと、" アルファ " 角度が計算されます。

P1

P2

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JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合のワークのセットアップ 2.4

27

注意 ! ワークの位置あわせを行う前に、回転時にテーブルで衝突が生じないように工具を後退

させてください。

その結果、この回転は、テーブルの回転軸の原点オフセットとして入力されます。 補正対象としてすでに有効な ZO が選択されている場合、これらの補正値

はすぐに有効になります。

別の ZO を選択した場合は、この原点オフセット (ZO) を有効にするかど

うかを問うプロンプトが表示されます。 その他のステップとして、回転軸

( すなわち、ワーク ) の位置合わせを行うかどうかを問うプロンプトが表

示されます。

NOTE

ワークは、現在、軸と平行に位置合わせされています。

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JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合のワークのセットアップ2.4

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28

XY 軸の原点オフセットの測定

回転のセットアップを行った後、X/Y 平面の ZO を測定してください。

この操作は、X 軸と Y 軸で個別に実行してください。 Z 軸の原点オフセットは、2.3 章の例 1 で

述べたように測定してください。

[ エッジの設定 ] を選択し、プローブを 初の測定ポイント P1 に移動しま

す。

入力画面に詳細を入力します。

原点オフセット ( たとえば、G54) を選択します。

X 軸または Y 軸を選択します。

選択した ZO の基準点 ( エッジ ) として必要な設定位置を入力します。

[NC 開始 ] では、手動で選択した暫定位置から測定ポイント P1 に自動的

にアプローチします。 つまり、プローブがワークにアプローチし、起動後

に開始位置に戻ります。

1

23

1

2

3

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JOG での測定-テーブルに回転軸を装備した場合のワークのセットアップ 2.4

29

回転軸が 1 つの機械構成の要約

テーブルに C 軸を装備した機械

テーブルは回転されます。 ワークエッジと平行に移動するフライス加工パスは、機械座標系の

軸にも平行に移動します。 X 軸をプログラミングするとき、機械軸も X 方向に移動します。

例 2 テーブルに C 軸を " 装備した " 場合の機械のキネマテックス

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JOG での工具の測定2.5

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30

2.5 JOG での工具の測定

プログラム実行時は、各種の工具形状を考慮してください。 これらは、工具リストに工具補正

データとして保存されます。 工具呼び出し時、制御システムはこれらの工具補正データを考慮します。 工具補正データ ( すなわち、長さ、半径または直径 ) は、機械的な測定冶具 ( 自動モードではサ

イクル ) を使用して手動または自動あるいは JOG モードで半自動的に測定することができま

す。

工具基準点

CAM システムは、工具形状に応じて異なる TCP の位置を定義します。 シーメンスの制御では、

TCP が工具の先端にあると見なされます。 CAM システムが異なる TCP 位置を指定した場合、

工具長を指定するとき、この相違を考慮してください。

CAM プログラマとの調整事項 : 大きな工具のたわみを避けるために、CAM プログラマは工具

長を可能なかぎり短く保ってください

工具マガジンが通常通りロードされ、工具番

号 T1、T2 などが 工具テーブルに入力さ

れ、工具には半径 "R" と長さ "L1" から構成さ

れる工具補正 D が割り付けられます。

CAM システムでは、形状プログラムの作成時

に工具直径を考慮済みです。 計算された工具

パスは、フライス工具の中心点を基準にしています ( 中心点パス )。

このため、工具長を測定するときには、CAMシステムと同一の基準点 (TCP) を使用してく

ださい。 工具長については、必ず、CAM プロ

グラマが L1 の測定に使用した基準点を確認

してください。 TCP は、工具の先端か、フラ

イス工具のさらに上方 ( ラジアスミル工具の

場合、半径の中心点 ) にあります。

1

TCP = 工具中心点

TCP TCP TCP

T1

L1L1 L1

テーパーベース

2

1

2

NOTE

NOTE工具形式に応じて、面削り加工用のその他の工具データを指定することができます。

CNC プログラムでは、制御システムはこの

データと、プログラムで定義された パス補正 G41、G42 を使用して必要なパスと

長さの補正を実行します。

ラジアスミル タイプ 110

ボールエンド ミル タイプ 111

エンドミル タイプ 120、

ラジアスエンドミル タイプ 121、

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機械オペレータ向け情報

JOG での工具の測定 2.5

31

工具補正データの手動入力

概要

工具補正データは、形状、磨耗、刃先番号 (D)、工具形式を示すデータから構成されます。 工具

寸法に使用する単位が表示されます。

操作の説明

工具補正データの " 長さ " と " 半径 " は、前もって工具の事前設定機器を使用して外部で測定さ

れ、工具は工具マガジンに挿入されています。 この後、工具補正データを入力します。

[ パラメータ ] 操作エリアを選択します。

[ 工具補正 ] を選択します。 次のウィンドウが表示され、

入力欄が選択されます。

[T 番号 + ] または [T 番号 - ] で工具を選択します。

[D 番号 + ] または [D 番号 - ] で補正データを選択します。

新しい値を入力します。

→ 次の工具の選択

→ 直前の工具の選択

→ 次の 大補正番号 (刃先 )の選

→ 次の 小補正番号 (刃先 )の選

→ 工具または刃先の削除

→ 任意の工具または有効な工具

の検索

→ 新しい刃先または工具の

セットアップ

21

3

1

2

→ 既存の全工具一覧

1

2

7& *

8(

9

4$ %

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6

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3

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マシンオペレータ向け情報JOG での工具の測定2.5

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32

JOG での工具の測定 機能

[ 工具の測定 ](Tool measuring) では、以下の機能を実行できます。

機械的なモニタソケットの較正 ( 較正 )

工具長、フライス盤の半径、ドリルの工具長の測定と、これらの測定値の工具オフセットメモリへの入力

前提条件

測定サイクルがインストール済みであること

機械的なモニタソケットが較正済みであり、工具がクランプされていること

[ マシン ](Machine) 操作エリアを選択します。

機械操作パネルで、[JOG] モードを選択します。

[ 工具の測定 ](Measure tool) を呼び出します。 縦ソフトキーバーに選択キー : [ 長さ ](Length)、[ 半径 ](Radius)、[ プローブの較正 ](Calibrate probe) が表示されます。

半径を選択します。 次のウィンドウが表示されます。

または長さを選択します。 次のウィンドウが表示されます。

入力画面に詳細を入力し、必要に応じて、オフセット (V、正の値 ) を入力します。

測定は、[NC 開始 ](NC-Start) 後、自動的に開始されます。工具オフセット " 半径 " または " 長さ 1" が計算され、有効な工具オフセットデータに書き込まれます。

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機械オペレータ向け情報

802D sl によるワークのセットアップと工具の測定- JOG での測定 2.6

33

2.6 802D sl によるワークのセットアップと工具の測定-JOG での測定

SINUMERIK 802D sl は、機械 ( すなわち、ワークと工具 ) のセットアップをサポートしていま

す。 SINUMERIK 802D sl は手動による測定機能を提供し、工具測定の場合は自動測定機能も提

供しています。

ワークのセットアップ

セットアップは、JOG モードで、手動測定機能を使用するワークまたは既知の形状のフライス

加工工具を接触計測またはプローブ測定によって実行します。

[Measure workpiece] を選択します。

セットアップするワークのエッジの軸 (X、Y、Z) を選択します。

測定されたオフセットを入力する原点オフセット (G54) を有効にします。

工具または測定プローブをワークのエッジに移動します。

[Set zero point] を押して、原点オフセットにおける実際の位置を確定しま

す。 これで、各軸の原点オフセットが決定しました。

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802D sl によるワークのセットアップと工具の測定- JOG での測定2.6

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34

工具の測定

セットアップモードでは、機械上で直接工具の補正値を測定することができます。 以下の 2 つ

のオプションが使用できます。

既知の工具形状を接触計測する手動測定

機械的な測定冶具を使用する半自動測定

機械的な測定冶具による工具の測定

前提条件

工具がクランプされていること

機械的な測定冶具が校正済みであること

[Measure tool] を選択します。

機械的な測定冶具を使用する自動測定の場合、[Auto measurement] を選

択します。

ハンドホイールを使用して、工具を機械的な測定冶具に移動します。 機械

的な測定冶具は起動すると表示され、工具補正データが測定されます。

これで、工具の直径と長さを測定することができます。 該当のソフトキー

を押します。

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AUTOMATIC モード-インプロセス測定 2.7

35

2.7 AUTOMATIC モード-インプロセス測定

自動モードでのインプロセス測定では、特定の測定操作に合わせて NC プログラム ( 測定サイ

クル ) のパラメータを設定します。 繰り返される測定操作の場合 ( たとえば、複数部品加工用

セットアップ )、NC プログラムを実行するだけで、ワークの測定と位置合わせ、工具の測定が

自動的に行われます。

インプロセスワーク測定の測定サイクル

インプロセス測定では、実務で必要な測定を備えた以下の縦バーの測定サイクルを使用できます。

NC プログラム内で、ソフトキー[ ミリング計測 ]> [ ワーク計測 ] を使用して、測定サイクルを

選択することができます。

インプロセス測定用のソフトキーは、拡張ソフトキーバー上にあります。 このソフトキーバーへの移動は、拡張矢印 > を押して行います ( )。NOTE 1

→ 穴/シャフトの測定

→ 溝/リブの測定

→ 表面の測定

→ 角度の測定

→ コーナーの測定

→ 球と矩形の測定へ続く

→ 戻る

1

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AUTOMATIC モード-インプロセス測定2.7

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36

自動モードでのワークの測定

測定手順について、例として、測定サイクル-コーナーの設定 (CYCLE961) と表面の測定- 1点測定 (CYCLE978) を使用したワークのセットアップを使用して説明します。

前提条件

測定サイクルがインストール済みであること

ワークがクランプされていること

プローブが校正済みで有効になっており、主軸にクランプされていること ; 工具補正が有効

であること

X/Y 軸のコーナーの設定/測定

ワークのセットアップを行う新しいプログラムを作成します。

コーナー測定サイクルを選択します。

コーナーの位置と測定ポイントの数を選択します ( )。

測定結果を反映するか、測定のみを行うかを選択することができます ( )。 原点オフセットの補正、ZO の指定

工具補正データの補正

測定のみ

測定操作とプローブのパラメータを設定します ( )。

測定するコーナーの近似寸法を入力します。 この入力を行うとき、ヘルプ画面が役立ちます

( )。

1

2

3

4

1

2

3

4

4

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AUTOMATIC モード-インプロセス測定 2.7

37

Z 軸の点の測定 :

[ 平面 ] ソフトキーを選択します。

測定結果を反映するか、測定操作のみを行うかを選択することができます ( )。 原点オフセットの補正、ZO の指定

工具補正データの補正

測定のみ

ここでは、ワークのセットアップを行っているため、ZO の補正が行われます。

その点の近似寸法を入力します ( )。

測定操作とプローブのパラメータを設定します ( )。

1

2

3

1

2

3

1

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AUTOMATIC モード-インプロセス測定2.7

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38

インプロセス工具測定の測定サイクル

インプロセス工具測定の実用的な測定サイクルを使用することができます。 このサイクルは、

校正済みの機械的な測定冶具を使用して工具長と直径を測定します。

NCプログラム内で拡張ソフトキー[ミリング計測 ]> [工具測定 ]を使用して、測定サイクルを

選択することができます。

前提条件

測定サイクルがインストール済みであること

機械的な測定冶具が校正済みであること

工具がクランプされていること

自動モードでの工具の測定

自動モードでは、工具データの測定、または、工具補正としての工具データの入力を自動的に行うことができます。 次の例では、工具の長さと半径を測定して工具補正に入力するプログラ

ムを生成します。

工具長の測定 :

工具の測定を行う新しいプログラムを作成します。

測定サイクル- [ 工具測定 ] を選択します。

測定は主軸を取り付けて実行され、測定値は工具形状成分に入力されます ( )。

測定値として長さを選択します ( )。

測定操作のパラメータを設定します ( )。

1

2

3

1

2

3

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機械オペレータ向け情報

AUTOMATIC モード-インプロセス測定 2.7

39

工具半径の測定 :

測定は主軸を取り付けて実行され、設定値/現在値の差分値が半径磨耗に入力されます

( )。

測定値として半径を選択します ( )。

測定操作のパラメータを設定します ( )。

1

2

3

1

2

3

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プログラムデータ転送/プログラムの管理2.8

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40

2.8 プログラムデータ転送/プログラムの管理

NC プログラムは制御システムに格納されて必要に応じて NCK 作業メモリ (RAM) にダウン

ロードされ、機械上で実行されます。

通常、テクノロジーと形状プログラムから構成される金型加工プログラムの場合、 大 100 MB になる形状プログラムは多くの場合、大きすぎて NCK 作業メモリに格納できなかったり処

理できないことがあります。 これが、金型加工プログラムを正常に処理するためには、外部メ

モリに格納しなければならない理由です。

外部プログラムメモリ ( ハードウェア構成 )

システム、既存のオペレータインターフェース (HMI)、購入オプションによっては、以下の特

徴を持つ外部プログラムメモリを使用することができます。

TCP/IP Ethernet( ネットワークドライバ )、シリアルインターフェース RS232/V.24( 低速デー

タ転送速度 )

ハードディスク (PCU 50)

コンパクトフラッシュカード (TCU、802D)

USB インターフェース (USB メモリ )

PCMCIA カード (PCU 20)

フロッピディスク

EXTCALL を使用した外部メモリのプログラムデータ呼び出し

EXTCALL 指令はメインプログラム内にプログラミングされ、ネットワークに応じてサーバー、

USB インターフェース、ハードディスク上に外部格納された形状プログラムを呼び出します。

外部からの実行モードの場合、EXTCALL を使用して HMI からプログラムをダウンロードする

ことができます。 この場合、HMI のディレクトリ構造でアクセスできるすべてのプログラムをダウンロードし、

実行することができます。

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プログラムデータ転送/プログラムの管理 2.8

41

EXTCALL による形状プログラムの呼出し手順

マシンデータSD 42700: EXT_PROG_PATHで、形状プログラムのソースディレクトリ (たと

えば、サーバー "\\R4711\workpieces\subprograms") を定義します。 初期設定はオプション

です。 このディレクトリは、EXTCALL による呼び出し作成時に 初に指定することができ

ます。

メインプログラムでSAMPLEなどの形状プログラム呼び出しをプログラミングします。 この

呼び出しは、制御システムやデータの格納場所に応じて異なります。

PCU 50、サブプログラムがハードディスク上に存在する場合 EXTCALL "sample"PCU 20、802D、サブプログラムがコンパクトフラッシュカード上に直接存在する場合 EXTCALL "C:\sample.spf"PCU 20、802D、サブプログラムがコンパクトフラッシュカード上のディレクトリに存

在する場合 EXTCALL "C:\programms\sample.spf"Ethernet に接続され、マシンデータ SD 42700 にパスが存在するネットワーク EXTCALL "sample.spf"Ethernet に接続されているが、マシンデータ SD 42700 にパスが存在しないネットワーク EXTCALL "\\myserver\programms\workpieces\sample.spf"

802D sl - RCS ツールによる大規模プログラムの管理

RCS ツール ( リモート制御システム ) はエクスプローラ形式のツールで、SINUMERIK 802D slによる日常作業で PC/PG を利用することができます。 制御システムと PC/PG は、RS232 ケーブル、ピアツーピアケーブルまたはローカルネット

ワークケーブル ( オプション ) で接続することができます。

802D sl で外部から実行するときは、CF カード内のプログラムを編集できないことに注意して

ください。 プログラムが NCK メモリより大きい場合は、外部 ( たとえば、PC) でプログラムを

編集してください。 RCS は正にこのために提供されています。 使い易いエクスプローラ形式の

画面で、プログラムや他のデータのコピー、移動、削除を行うことができます。

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高速設定- CYCLE8322.9

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42

2.9 高速設定- CYCLE832アプリケーション

SINUMERIK 840D の CYCLE832 を使用して、CAM プログラムのシーケンスを調整することが

できます。 これは、3 軸高速加工分野 ( 高速切削- HSC) での自由軌跡加工時の技術サポートと

して使用されます。 CYCLE832 は、HSC に必要な基本プログラミング指令と、G コードを結合するものです。

HSC エリアで CAM プログラムを実行する場合、制御システムは、 小の NC ブロックで高速

の送り速度を処理する必要があります。 高速加工送り速度 (>10 m/min) で高精度 ( 誤差が µm 範

囲 ) の高品質の表面加工が可能です。 さまざまな加工方針で、CYCLE832 を使用してプログラ

ムを微調整することができます。

荒削り時、軌跡を滑らかな指令にするために速度に重点を置きます。

仕上げ時、精度と表面品質に重点を置きます。

いずれの場合も、輪郭加工は目的の表面品質と精度を確実に実現できるように許容誤差を指定してください。 通常、荒削り時は、仕上げ時より大きい許容誤差を選択します。

表面品質

精度 速度

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高速設定- CYCLE832 2.9

43

HMI メニューツリーでの CYCLE832 の呼び出し

パラメータの選択に応じて、 黄色い矢印 が「スピード」、「表面品質」、または「精度」

の方向を指します。

他のオプション は、機械メーカによって使用許可され、通常はパスワードで保護されてい

ます。

[ プログラム ] 操作エリアを開きます。

[ フライス加工 ] ソフトキーを押します。

その他のソフトキーを表示します。

[ 高速設定 ] を押します。 該当サイクルが呼び出されます。

2

3

1

1 2

3

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高速設定- CYCLE8322.9

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44

高速設定サイクルのパラメータ

[ ワーキング ] 欄では、仕上げ、中仕上げ、または荒削りの選択だけを行い、[ 公差 ] 欄に値を

入力します。 他のすべての欄の値は、機械メーカによって入力済みです。 機械メーカは、[ 適応

] 欄 ( パスワードで保護されている ) を使用して他の欄を有効にすることができます。

ワーキング 仕上げ ( 初期設定 )

中仕上げ

荒削り

オフ

[ オフ ] を呼び出すと、変更した加工/設定

データが加工 OEM によって生成された値にリ

セットされます。

Tolerance_tol. [ 許容誤差 ]

( 許容誤差は CAM シス

テムの値がそのまま利用されるか、係数 1.2 ... 1.5 によって重み付けさ

れます。)

直線/回転軸の許容誤差、初期設定を以下に示します。

→ 0.01 mm/ 0.08°( 仕上げ )→ 0.05 mm/ 0.4°( 中仕上げ )→ 0.1 mm/ 0.08°( 荒削り ) → 0.1 mm/ 0.1°( オフ )

適応 あり

なし

→ 以下の欄を変更することができます。

→ 以下の欄は非表示になり、この欄の使用許

可は機械メーカが行います。

圧縮(Compression)

COMPOF (初期設定)

COMPCAD

B スプライン→スプ

ライン補間

→ 圧縮オフ

→ 圧縮オン、速度の連続加速 ( 金型加工用 )→ 周辺加工用のジャークなし

連続軌跡制御 G642( 初期設定 )

G641

G64

→ 単一軸の許容誤差を持つ滑らかな指令

→ プログラム可能な滑らかな指令間隔

→ 連続軌跡モード

COMPCAD、COMPCURV の NC ブロックコン

プレッサでは G642 が常に選択されます。

フィードフォワード制御

FFWOF SOFT

FFWON-SOFT

FFWOF-BRISK

→ フィードワード制御なし、ジャーク制限付き

→ フィードワード制御付き、ジャーク制限付き

→ フィードワード制御なし、ジャーク制限なし

フィードワード制御 (FFWON) とジャーク制御

(SOFT) を選択するには、機械メーカによって

制御システムと加工軸が 適化されている必要があります。

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高速設定- CYCLE832 2.9

45

注 CYCLE832はG1ブロックの使用を前提としています。 G2/G3とCIPのプログラムを使用する

場合、 許容誤差は重要ではありません。

変更を行うときは、許容誤差の値を CAM プログラムでの指定に従って設定してください。 CAM プログラムでの指定より小さい許容誤差は、現実的ではありません。

各欄の間には依存関係があることに注意してください。 たとえば、圧縮をオフにした場合、

連続軌跡モードで各種の研削形式を選択することができます。

詳細は、3.5 章を参照してください。個々のパラメータについて詳細に説明されています。

プログラミング

理想的には、形状プログラムを呼び出す高レベルの NC マスタプログラム内で CYCLE832 のプ

ログラミングを行います。 これによって、サイクルを形状全体に適用するか、CAM プログラム

の使い易さによってはサイクルを個々のプログラム部分または自由曲面に適用することができます。

適なプログラム構造については、1.4 章を参照してください。特に CYCLE832 の場合、2.10章の記述に従ってください。

NOTE

NOTE

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金型加工のプログラム構造2.10

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46

2.10 金型加工のプログラム構造

CYCLE832 のプログラム構造に関する推奨事項

加工では、すべてのテクノロジデータを含むメインプログラムが生成されます 。 メインプ

ログラムは、ワークの形状データを格納した 1 つまたは複数のサブプログラム , を呼び

出します。 工具の交換では、細部をサブプログラムとして定義します。

12 3

Call.MPFN1 N2 N3 N4 N5

T1 D1 M6 M3 S15000 CYCLE832 (0.05,112003) EXTCALL "CAM_Rough"

; 工具の交換

; すべてのプログラムを

; 1 つのディレクトリに

; 配置してください。 同一

のディレクトリ ; でない場合は、

; パスを指定

してください。

N6 N7 N8 N9 N15 N16

T2 D1 M6 M3 S20000 CYCLE832 (0.005,112001) EXTCALL "CAM_Finish" M30

; 工具の交換

CAM_Rough.SPFN1 N2 N3 N4 N17 N18 ... N5046 N5047 ... N5051 ... N6582 N6583 N6584

G90 G0 X0 Y0 Z10 G1 Z0 F500 G1 X-1.453 Y0.678 F10000 G1 X-1.814 Y0.842 G1 X-1.879 Y0.684 Z-0.001 G1 X-4.118 Y-11.442 G0 Z10 G1 Z-2.132 F5000 G1 X7.609 Y3.555 G0 Z50 M17

CAM_Finish.SPFN1 N2 .... N7854

G90 G0 X0 Y0 Z10 ....... M17

メインプログラム

サブプログラム

サブプログラム

1

45

45

2

6

3

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金型加工のプログラム構造 2.10

47

メインプログラム メインプログラムには、フライス加工の重要な機能が 2 つ含まれています。

CYCLE832 と EXTCALL です 。

CYCLE832 : CYCLE832 は、前述のとおり、テクノロジデータと形状データを分離するプロ

グラム構造用に特に開発されました。 フライス加工用の加工テクノロジーは、CYCLE832 で定

義されます。 T1 を使用する荒削りプログラム "CAM_Rough" の場合、CYCLE832 のパラメータ

は高スピードを実現するために設定されています。 仕上げプログラム "CAM_Finish" の場合、パ

ラメータは高精度と表面品質を実現するために設定されています。

EXTCALL : CAM プログラムは通常非常に大きいため、外部メモリに格納されます。 EXTCALL は外部メモリからサブプログラムを呼び出します。

サブプログラム : サブプログラムでは、アブソリュートプログラミングの G90 の直後に形状指

令を続けます。 このマニュアルの例では、これらの形状指令は 3 軸フライス加工用のブロック

です。 。

4 5

4

5

6

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プログラムの選択/開始/停止/中断/続行2.11

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48

2.11 プログラムの選択/開始/停止/中断/続行

注 [NC 停止 ] で中断したパートプログラムは、[NC 開始 ] を押すと続行することができます。 [ リセット ] で中断したプログラムは、[NC 開始 ] を押すとプログラムの 初から実行されます。

ブロック検索を使用すると、プログラムを続行するための中断箇所までジャンプすることもできます。

2 1

[ マシン ] 操作エリアを選択します。

[ 自動 ] モードを選択します。

[ 高速設定 ] を押します。 該当サイクルが呼び出されます。

ワークディレクトリでパートプログラムを強調表示します。 この例で

は、プログラム "Call.MPF"("Aufruf.MPF") で [ 選択 ]("Anwahl") を押しま

す。

[NC 開始 ] を押してパートプログラムを開始します。 これにより、形状プ

ログラム "Roughing.SPF"("Schrupp.SPF") と"Finishing.SPF"("Schlicht .SPF") が呼び出され、加工時に外部メモリから

制御システムにブロックごとにロードされます。

[NC 停止 ] を押してパートプログラムを停止します。

[ リセット ] を押してパートプログラムを中断します。

1

2

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プログラムの中断 2.12

49

2.12 プログラムの中断

REPOS -中断後の位置決め

機能

プログラムが中断されたとき、または NC 停止の後に、JOG モードで工具を輪郭から離すこと

ができます ( たとえば、刃先の点検のために )。 中断した位置の座標は制御システムに保存され

ます。 移動量の差分が表示されます。

操作

挿入再位置決め開始条件 : プログラムは [NC 停止 ] で中断されています。

[ マシン ] 操作エリアを選択します。

[JOG] モードを選択します。

プログラム中断後の位置決めを行います。

軸を選択します。

表示された移動量に従って、軸を中断箇所まで移動します。 中断箇所をパ

スすることはできません。

[JOG] モードから [ 自動 ] モードに切り替えます。

加工を続けます。

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プログラムの中断2.12

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50

計算を行わない高速外部ブロック検索

機能

この SINUMERIK 840D の機能は、EXTCALL で呼び出されるプログラム向けに開発されまし

た。 このため、CAM システムから取得された大規模なプログラムに適しています。

加工を [ リセット ] で中断した後、" 計算を行わない高速外部ブロック検索 " 機能を使用して、

パートプログラムの加工を開始または続行する箇所を自由に選択することができます。

操作

挿入ブロック検索開始条件 : プログラムは [ リセット ] で中断されていま

す。

Call.MPFN1 N2 N3 N4 N5 N6 N7 N8 N16 N10

G54 T1 D1 M3 S15000 CYCLE832 (0.05,112003) EXTCALL "CAM_Rough" T2 D1 M3 S20000 CYCLE832 (0.005,112001) EXTCALL "CAM_Finish" M30

CAM_Roughing.SPFN1 N2 N3 N4 N17 N18

G90 G0 X0 Y0 Z10 G1 Z0 F500 G1 X-1.453 Y0.678 F10000 G1 X-1.814 Y0.842 G1 X-1.879 Y0.684 Z-0.001

CAM_Finishing.SPFN1 G90

[ ブロック検索 ] ソフトキーを押します。

[ 検索ポインタ ] ソフトキーを押します。

[ 割込み中断点 ] ソフトキーを押します。

1

3

1

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プログラムの中断 2.12

51

[ 割込み中断点 ] を押すと、割込み中断点までの

プログラム全体を含む画面 が挿入されま

す。

この例では、メインプログラム"Call.MPF"("Aufruf.MPF") が、サブプログラム"CAM_Roughing.SPF"("CAM_Schrupp.SPF")を呼び出します。 サブプログラム用の

EXTCALL は、ブロック N16 に存在します。 . "CAM_Roughing.SPF"("CAM_Schrupp.SPF")

のブロック 3044 は、プログラムが中断された

箇所です。

この場合、2 つのオプションがあります。

1. サブプログラムの割込み中断点に直接にジャンプ : [ 外部計算なし ] ソフトキーを押

します。 プログラムはブロック 3044 に即座

にジャンプします。

2. これを行うには、検索タイプを選択してください。 外部プログラム内で検索を行う

ときは常に文字列検索タイプ 3 を選択しま

す。 タイプ番号を入力した後、その隣に目

的の検索テキスト ( ブロック番号または行

番号など ) を入力します。

[ 外部計算なし ] ソフトキーを押します。

ターゲットブロックから加工を続けます。

修正

CYCLE 停止の入力を行ったときに、[ オーバス

トア ] 機能を選択して、プログラムを開始する

前にターゲットブロックを修正することができます。

このような修正が必要な例としては左の画面に示すようなものが代表的です。ここでは、コンプレッサの許容誤差が修正されています。 これ

を行うために CYCLE832 が呼び出され、コン

プレッサ許容誤差が手動で 20 µm に修正されて

います 。 この修正は、パラメータ ( 許容誤

差 = 0.02) を 1 つ入力するだけで済みます。 これで、CYCLE832 はメインプログラムが開始さ

れる前に実行されます。

この許容誤差は、[NC 開始 ] を押すことによっ

て有効になります。

132

1

3

2

1

1

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プログラム一覧/外部プログラムの状態2.13

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2.13 プログラム一覧/外部プログラムの状態

機能

外部プログラムを実行するとき、現在の状態とプログラム作動時間を表示できます。

840D Standard HMI の場合の状態表示

[ 自動 ] モードで、ソフトキー [ プログラム一覧 ] を選択します。 プログラ

ム一覧が表示されます。

ソフトキー [ 外部プログラム ] を選択します。

表示される一覧に、外部プログラムの現在の状態がパーセンテージで表示されます。

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パートプログラムのシミュレーション 2.14

53

2.14 パートプログラムのシミュレーション

機能

シミュレーション機能を使用して個々の加工ステップの一覧を表示し、ワークプログラミングのチェックを行うことができます。

シミュレーション機能の選択 :

プログラム編集で、[ シミュレーション ] ソフトキーを選択します。

制御システムに応じて異なるシミュレーション機能 :シミュレーションは、3 平面 (840D) か加工面 (802D sl) で表示されます。

回転、拡大縮小、ズームイン/ズームアウト

任意のビューと部分表示が可能な 3 次元立体モデル (840D のみ )

シミュレーション例840 D

シミュレーション例802D sl

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機械オペレータ向け情報

クイックビュー/高速表示2.15

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2.15 クイックビュー/高速表示

機能

PCU50 付きの SINUMERIK 840D のクイックビューを使用すると、G01 ブロックを含む金型加

工プログラムを表示することができます。 プログラムループ、多項式、座標変換、G02/03 ブ

ロックはサポートされていません。 4 つのビュー : 3 次元ビュー 、X/Y 平面、X/Z 平面、

Y/Z 平面が使用できます。

編集画面の 2 行 に、グラフィックで現在の強調表示されているブロックが表示されます。 編集ウィンドウをスクロールすると、自動的にグラフィックの該当部分 が強調表示されま

す。

以下の機能も使用できます。

特定のブロックの検索

ズームイン/ズームアウト

移動、回転

2 点間の距離の測定

表示された NC パートプログラムの編集

注 標準インターフェース付きの 840D、ShopMill では、クイックビュー ( 高速表示 ) を使用するこ

とができます。 クイックビューは、840D Standard の場合はプログラム管理にあり、ShopMillの場合はプログラム編集で開くことができます。

1 2

34

→ 3 次元ビュー

→ X/Y 平面

→ X/Z 平面

→ Y/Z 平面

3

1

2

4

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機械オペレータ向け情報

クイックビュー/高速表示 2.15

55

操作

クイックビューでの距離の測定

クイックビューでは、2 点間の距離を測定することもできます。 たとえば、ワークの寸法を知

りたい場合などにこの機能が非常に役立ちます。プログラムの G1 ブロックからワークのサイ

ズを評価することは、非常に困難です。

2 点 を強調表示すると、2 点間の距離 がフッターエリアに表示されます。

[ クイックビュー ] 機能を呼び出します。

必要なビューを選択します ( この例では、X/Z 平面 )。

カーソルを使用してグラフィックの 1 点を選択します。 関連ブロック

が編集行に表示されます。

たとえば、変更するためにプログラムのブロックを呼び出します。

1

2

1 2

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機械オペレータ向け情報ShopMill2.16

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56

2.16 ShopMillSINUMERIK 840D の場合、ユーザーに分かり易い ShopMill インターフェースが、汎用

SINUMERIK 840D Standard DIN/ISO ユーザーインターフェースの代替インターフェースとな

ります。

ShopMill には多くの金型加工機能が追加され、金型加工における操作が大幅に簡素化されてい

ます。

この結果、ShopMill は、一部の加工ステップを使用するシーケンサプログラミングに限定され

ず、3+2 軸と 5 軸用途のニーズにも実際に対応できる製品となりました。

ShopMill 機能について詳しくは、『SINUMERIK 810D/840D: ShopMill の使用とプログラミン

グ』を参照してください。

ShopMill ユーザーインターフェース

このワークショップでの簡単な操作とプログラミング

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機械オペレータ向け情報ShopMill 2.16

57

ShopMill 機能

セットアップ

ShopMill の強力なセットアップ機能は、ワー

クの位置の高速で正確な検出を実現します。 特別な測定サイクルによって工具とワークの測定が簡素化されました。 また、すべてのオ

フセットが制御システムによって自動補正されます。

ワークの測定

エッジ、コーナー、ポケット/穴、凸形状/矩形、平面

JOG で測定する場合に測定機能を使用できま

す。 測定サイクルは自動モードでの測定をサ

ポートしています。

工具の測定

測定機能は、JOG での測定と自動モードでの

測定に使用することができます。

工具管理

ShopMill の工具管理は構造が明確で、さまざ

まな工具形式、普通のテキストの工具名、下位工具、長さ、半径、複数の刃先を持つ工具形状をサポートしています。

単位、寿命、または磨耗パラメータを入力することによって、工具の使用時間を自動監視し、均一の加工品質を確保することができます。

1

1

2

2

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機械オペレータ向け情報ShopMill2.16

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58

自動モード

自動モードの基本画面に作動時間が表示されます。

シーケンサプログラミング

ShopMill シーケンサプログラミングによっ

て、機械上で直接、基本的な 2 1/2D 加工運転

の単純なプログラミングを行うことができます。 これは金型加工にとって理想的な付加機

能です。

プログラム

2 次元表示

3 次元表示

G コード編集

ShopMill には強力な G コード編集が内蔵され

ており、使いやすい金型加工プログラムを実現しています。

ブロック検索

外部プログラム内の高速ブロック検索 ( 計算

付きの場合と計算なしの場合 )

1

3

2

1

2

3

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機械オペレータ向け情報ShopMill 2.16

59

彫刻用 ShopMill サイクル

特殊文字入りのテキスト

日付、時刻、ワークカウンタ、変数

JOG での旋回

ソフトキーを使用したセットアップモー

ドでのあらゆる旋回操作用の旋回サイクル

入力は、直接または軸ごとに行われます。

あらゆる機械のキネマテックスがサポー

トされています。

" 高速設定 " サイクル

" 高速設定 " サイクルは、G コード編集の

ShopMill ユーザーインターフェースの重要な

要素となっています。

プログラム編集

CYCLE832、高速設定

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機械オペレータ向け情報ShopMill2.16

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60

シミュレーション

ShopMill は、加工パスを表示するための幅広

くきめ細かいシミュレーション機能を提供しています。 加工工程をシミュレーションする

ために、制御システムは選択されたプログラムを完全に計算し、計算結果をグラフィック形式で表示します。 シミュレーションでは、以下の表示形式から選択することができます。

上面ビュー

3 平面ビュー

立体モデル

プログラム-シミュレーション

ソフトキーによるシミュレーションの開

始/停止/シングルブロック/リセット

オーバーライド機能を使用して、速度を

制御することができます。

金型加工用高速表示/クイックビュー

大規模なパートプログラムで移動パスの高速表示が可能です。 この点線で囲まれたクイッ

クビューでは、計算結果の軸パスとして G1からプログラムされた位置がすべて表示されます。

外部ドライブ

ShopMill プログラム管理では、Ethernet 経由

で、以下に示す外部ドライブに直接アクセスすることができます。 外部ドライブに、さまざまな金型加工プログラムを格納することができます。

HMI ハードディスク (PCU 50)

フラッシュカード (PCU 20)

ネットワークドライブ

USB メモリ

ドライブへのアクセス機能

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プログラマ向けの情報

目次 ページ

3.1 概要 623.2 フレームについて 633.3 旋回- CYCLE800 66

3.4 プログラミング例-旋回 703.5 高速設定- CYCLE832 72

3.6 送り速度プロファイル- FNORM、FLIN 80

3.7 CYLCE832 のプログラミング例 81

3.8 CYCLE832 を使用しないプログラミング例 84

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プログラマ向けの情報

概要3.1

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62

3.1 概要

自由曲面のプログラミングを行う場合には、CAD/CAM/CNC プロセスチェーン全体が重要な意

味を持ちます。

CAD システムは必要なワークの形状を生成します。 さらに、この形状ファイルに基づいて関連

テクノロジー情報を持つ該当の加工方法を生成します。

CAM システムから出力されるデータ形式は通常 APT または CL データファイルです。 これは、

ポストプロセッサで実行可能な CNC コードに変換されます。

この上流のポストプロセッサは、SINUMERIK 制御の機能と性能を 大限に活用する上で も

重要です。

このポストプロセッサは、本章に記載されている SINUMERIK 制御の高度な機能を可能なかぎ

り 善の形で 実現しなければなりません。 すべての高度な SINUMERIK 840D 機能の概要は、

この章を参照してください。

CAD( )

CAM(NC )

PP(NC )

CNC( )

APTNC

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プログラマ向けの情報

フレームについて 3.2

63

3.2 フレームについて

座標系

座標系と移動動作

機械座標系 は、基準点と原点オフセット

(G54、G55、...) とともに、既知の用語です。

フレームを使用してワーク表面に位置合わせするために、座標系の移動、回転、ミラー、拡大縮小を行うことができます。 これにより、

プログラミングに要する時間と費用を 小限に抑えることができます。

フレームを使用して現在のワーク座標系 から開始し、座標と角度を指定すること

によってターゲット座標系の位置を定義します。 フレームには、以下のものがあります。

基本フレーム ( 基本オフセット )(G500)

設定可能フレーム (G54、G55...)

プログラム可能フレーム (TRANS、ROT...)

3+2 軸機械を使用して、必要に応じて空間内

の移動と回転が可能な表面を加工することができます。

ワーク座標系はフレームを使用して移動するだけでよく、この後、傾斜面まで回転します。

これこそが、フレームが必要な理由です。 その後のすべての移動指令は、フレームを使用して移動された新しいワーク座標系が対象になります。

1

2

1

2

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プログラマ向けの情報

フレームについて3.2

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64

フレームの使用

例 傾斜面上の加工

設定可能ゼロオフセットを有効にすると(G54、G55)、ワーク座標系はワーク原点に存

在します。

特殊な運動を除いて、ワーク軸は現在機械軸と平行になっています。

この後、フレームを使用して、この座標系を空間内の任意の位置に移動、回転することができます。

対話画面を使用して機械軸をワーク軸に合わせる場合には、CYCLE800 を制御システムに

インストールしてください (840D のみ )。

この例では、座標系を 初に ~ に 2ステップで移動した後、傾斜面まで回転します。

この場合、プログラミング時に傾斜を考慮する必要はなくなります。 ワーク表面に垂直に

通常通りプログラミングを行い、穴あけサイクルなどの加工サイクルを使用します。

a

b

a b

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プログラマ向けの情報

フレームについて 3.2

65

フレーム-プログラミング成分

オフセット

(粗)

以下を使用してプログラム可能です。

TRANS

ATRANS ( 付加的な平行移動成分 )

CTRANS ( 複数軸の原点オフセット )

G58 ( 軸原点オフセット )

オフセット

(精)

以下を使用してプログラム可能です。

C-FINE

G59 ( 軸原点オフセット )

回転

以下を使用してプログラム可能です。

ROT/ROTS

AROT/AROTS

CROTS

拡大縮小

以下を使用してプログラム可能です。

SCALE

ASCALE

ミラー

以下を使用してプログラム可能です。

MIRROR

AMIRROR

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プログラマ向けの情報

旋回- CYCLE8003.3

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66

3.3 旋回- CYCLE800機能

旋回ヘッドまたは旋回テーブルを使用して、傾斜面のセットアップと加工を行うことができます。 旋回は JOG モードと自動モードで可能です。 旋回動作のパラメータ設定やプログラミング

を行う場合には、使い易いグラフィック画面が役に立ちます。

機械の旋回軸 (A、B、C) をプログラミングするか、単純にワークの図面に従ってワーク座標系

の形状軸 (X、Y、Z) を中心にした回転を指定することができます。 プログラム内でのワーク座

標系の回転は、この後、加工時に自動的に機械の該当旋回軸の回転に変換されます。

旋回軸は常に、加工面に対して加工工具の軸が直交するように回転されます。 加工時には加工

面は固定されたままです。 座標系が旋回されると、直前に設定された原点オフセットは旋回ざれた状態に合わせて自動的に変更されます。

機械のキネマテックス

旋回ヘッド( タイプ T)

旋回テーブル( タイプ P)

旋回ヘッド + 旋回テーブル

( タイプ M)

旋回可能な工具ホルダ 旋回可能なワークホルダ 混合運動

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プログラマ向けの情報

旋回- CYCLE800 3.3

67

旋回動作とその後の加工のプログラミング手順とその後の加工 :

座標系を加工する平面に旋回します。

通常通り、X/Y 平面での加工をプログラミングします。

座標系を元の位置に旋回します。

旋回データセットを生成するときの基本手順

プログラムで旋回機能を呼び出します。

旋回データセットの名前を選択します 。

旋回運動を実行する場合、[ 旋回 :] で [Yes] を選択します。 新しい旋回運動を実行する場合は [新規 ] を、以前の旋回運動に基づいた運動を実行する場合は [ 追加 ] を選択します 。

回転前の基準点 (X0、Y0、Z0) を指定します 。

旋回モードを選択します ( 軸ごと、投影角を直接使用、または空間角度を直接使用 ) 。

軸を旋回する角度を入力します。 軸ごとのモードの場合、軸ごとに角度を入力することがで

きます 。

回転後の原点を入力します 。

複数の旋回運動を順を追ってプログラミングすることができます。 後の旋回動作は、前のモー

ションに基づいて決めることができます ( 追加 )。 これにより、プログラムコードで旋回動作を

簡潔に表現することができます。

1

2

3

4

5

6

1

2

3

4

5

6

NOTE

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旋回- CYCLE8003.3

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68

入力画面のパラメータ

旋回データレコード _TC の

名前

セットアップされた旋回データレコードは、選択する ( 切り

替える ) ことができます。

各旋回データレコードには、1 つの名前が割り付けられます。 旋回データレコードが 1 つしかない場合は、名前を宣言する

必要はありません。 "0" 旋回データレコードを選択解除します。

後退 _FR ( 回転軸を旋回する

前 ) ■ 後退しません。

■ Z 軸の後退

■ 軸 Z、XY の後退

■ 工具方向への 大後退 ( サイクル SW 6.5 以降 )

■ 工具方向へのインクリメンタルな後退(サイクルSW 6.5以降 )

工具方向への移動パスの増分値を入力欄に入力してください。 CYCLE800 スタートアップメニューで、後退位置を入力

することができます。

旋回、方向 _DIR ■ 旋回、あり 回転軸が適切な位置まで自動的に位置決めさ

れるか、手動で回転されます。

■ 旋回、なし ( 計算のみ ) 回転軸は移動しません ( たとえば、

ワーク図面に従った予備旋回平面 )。

■ 負/正の方向 移動方向を選択するとき、その基準となるのは回転軸 1または 2 です。NCU は、機械のキネマテックスの回転軸

の角度範囲の結果として、2 つの可能な解を計算すること

ができます。 通常はこれらのいずれかの解が技術的に妥当

です。 2 つの解の基準として使用する回転軸 ( 初または

2 番目の回転軸 ) は、CYCLE800 スタートアップメ

ニューで選択します。 " 負 " または " 正 " の方向を選択す

ると、2 つの可能なソリューションのどちらを適用するか

が決まります。 機械メーカの指示に従ってください。

旋回平面 _ST ■ 新規 以前のフレームの削除 -> 値の定義 -> 旋回フレーム

■ 追加 旋回フレームは、この旋回フレームの設定とプログラム済みの有効なフレーム群 ( たとえば AROT ATRANS) に基

づいて付加的に作成され、ZO の有効になっている回転が

考慮されます。

回転前の基準点 X0、Y0、Z0 ヘルプ画面には、加工面 G17( 工具軸 Z) が表示されます。

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プログラマ向けの情報

旋回- CYCLE800 3.3

69

機械メーカの指示に従ってください。 CYCLE800 スタートアップメニューで、使用可能なパラ

メータを設定することができます。

旋回モード _MODE

軸ごと 座標系の個々の軸を中心にした回転が行われます。

投影角 旋回された表面の角度が、座標系の初の 2 つの軸に

投影されます。

空間角度 初に Z 軸を中心

にした回転が行われ、次に Y 軸を中

心にした回転が行われます。

軸の順序は、自由に選択することができます。

A、B、C を中心にした回転

回転 ( 軸ごと、投影角 )

回転 ( 空間角度 )

回転後の原点 X1、Y1、Z 1

工具の修正 ■ あり

加工面に旋回するとき、衝突を避けるために直線軸を修正することができます ( 予め .:TRAORI とTOOLCARR.SPF は調整済みです )。

■ なし

旋回時、直線軸は修正されません。

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プログラマ向けの情報

プログラミング例-旋回3.4

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70

3.4 プログラミング例-旋回 次の例では、旋回された加工表面に、標準フライス加工と穴あけサイクルが適用されています。

ワーク

操作の説明

ワークの面削り加工を行います。 加工面を X =-15 度だけ旋回して、円形ポケットをフライス加工します。

Y=-8 度だけ旋回して、この角度で 4 つの穴を加工します。

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プログラマ向けの情報

プログラミング例-旋回 3.4

71

SWIVEL_ALU.spf(SCHWENK_ALU.spf)N1 T10 D1 ;miller D=10mm ; define ZO N3 G54 ; Swivel to the normal position N4 CYCLE800(1,"",0,57,0,0,0,0,0,0,0,0,0,-1) N5 M3 S8000 M8 ;Face mill the workpiece at the normal position N6 CYCLE71(50,2,1,0,0,0,70,30,0,2,8,2,0,1000,31,2) ; Swivel the machining plane through X=-15 Degrees N7 CYCLE800(1,"",0,57,0,25,0,-15,0,0,0,0,0,-1)

; Face milling the swiveled plane N8 CYCLE71(50,10,1,0,0,0,75,54,0,3,8,2,0,1200,31,2) N10 ;T="MILL_10mm" N11 ;M6 N12 ;M3 S8000 ; mill a circular pocket at the swiveled plane using the circular pocket cycle N13 POCKET4(50,0,1,-10,16,0,0,4,0.5,0.5,1000,400,0,11,,,,,) N14 POCKET4(50,0,1,-10,16,0,0,20,0,0,1000,600,0,12,,,,,) ; Swivel the machining plane through Y=-8 Degrees N15 CYCLE800(1,"",1,57,8,0,0,0,-8,0,0,0,0,-1)

;Drill the holes inclined by -8 Degrees N16 MCALL CYCLE82(50,2,1,,6,0) N17 HOLES1(0,0,90,8,30,2) N18 MCALL …

1

1

1

1

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高速設定- CYCLE8323.5

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72

3.5 高速設定- CYCLE832プログラミングを単純化しプログラムの使い易さを確保するために、SINUMERIK 840D には

CYCLE832 が提供されています。 これには、自由曲面をフライス加工するときの も重要な機

能が含まれています。 さらに、CYCLE832 を使用すると、機械オペレータは容易にプログラム

を微調整することができます。

プログラミング

パラメータの説明

CYCLE832(_TOL,_TOLM) サイクルのプログラミング

CYCLE832() プログラム呼び出しの短縮形。 [ ワーキング ] [オフ ] 入力画面を選択した場合に該当します。

CYCLE832(0.01) プログラム呼び出しの短縮形。 許容誤差値を

入力します。 サイクルの有効な G 指令は変

更されません。

パラメータ データ形式 意味

_TOL real 許容誤差、加工軸 単位 : mm/inch; 度

_TOLM integer 許容誤差モード

7 6 5 4 3 2 1 0 10 進桁

0: オフ 1: 仕上げ ( 初期設定 )1) 2: 中仕上げ

3: 荒削り ------------------------------------------- 0: 1: ------------------------------------------- 5 軸変換のみ ------------------------------------------- 0: G64 1: G641 2: G642( 初期設定 ) a

------------------------------------------- 0: FFWOF SOFT( 初期設定 ) a

1: FFWON SOFT 2: FFWOF BRISK ------------------------------------------- 0: COMPOF( 初期設定 ) a

1: COMPCAD 3: B スプライン ------------------------------------------- 予備 ------------------------------------------- 予備 -------------------------------------------

a. 機械メーカは設定を変更することができます。

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プログラマ向けの情報

高速設定- CYCLE832 3.5

73

ここに挙げた機能を使用するには、機械メーカが CNC 工作機械を正しく 適化しておく必要

があります。

桁数

0

Tolerance_tol.

これは、加工に関与する軸の許容誤差を示します。 この許容誤差は、G642 と

COMPCAD に対して有効です。 加工軸が回転軸である場合、許容誤差値は係数 ( 初期設定係数 = 8) で、回転軸の MD 33100: COMPRESS_POS:_TOL(AX) に書き込ま

れます。

G641 の場合、この許容誤差の値は ADIS 値に対応します。 初の入力時には、許

容誤差は予め以下の値に設定されます。

0: オフ

1: 仕上げ

2: 中仕上げ

3: 荒削り

0.1 ( 直線軸 )

0.01 ( 直線軸 )

0.05 ( 直線軸 )

0.1 ( 直線軸 )

0.1 度 ( 回転軸 )

0.08 度 ( 回転軸 )

0.4 度 ( 回転軸 )

0.8 度 ( 回転軸 )

許容誤差値を回転軸に対しても有効にする場合は、機械メーカ側で 5 軸変換をセットアップしてください。

1 機能なし

2 5 軸変換のみ

3

連続軌跡制御 (_TOLM)

0: G64

1: G641

2: G642

初期設定

ADIS、ADISPOS による滑らかな指令

単一軸の許容誤差を持つ滑らかな指令

COMPCAD の NC ブロックコンプレッサでは常に G642 が選

択されます。

4

圧縮、NC ブロックコンプレッサ (_TOLM)

0: FFWON SOFT

1: FFWOF SOFT

2: FFWOF BRISK

フィードフォワード制御付き、ジャーク制限付き

フィードフォワード制御なし、ジャーク制限付き

フィードフォワード制御なし、ジャーク制限なし

5

圧縮、NC ブロックコンプレッサ (_TOLM)

0: なし (COMPOF)

1: COMPCAD

3: B スプライン

( 初期設定 )

フィードフォワード制御 (FFWON) とジャーク制御 (SOFT) を選択するには、機械

メーカによって制御システムまたは加工軸が 適化されている必要があります。

NOTE

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プログラマ向けの情報

高速設定- CYCLE8323.5

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74

コンプレッサ- COMPCADこのコンプレッサは CYCLE832 で呼び出すのが理想的です。 別の場所でプログラミングする場

合は、以下の手順に従ってください。

プログラミング

COMPOF COMPCAD

命令の説明

スプラインコンプレッサの操作モード

COMPOF コンプレッサオフ

COMPCAD コンプレッサオン-表面の品質と処理速度がさらに 適化されます。 COMPCAD では、近似 (B スプライン ) 前の特性曲線に沿った点

を滑らかにし、一定の加速度の高軌跡速度で精度の高い遷移が可能です ( 圧縮速度に制限はありませんが、 大パス長は 5 mm で

す )。

自由曲面のフライス加工への使用を推奨します ( 推奨事項 )。

指定された許容誤差範囲 に従って、コン

プレッサは G1 連続命令 を結合、圧縮し

てスプライン を生成します。これは、制

御システムで直接実行することができます。 輪郭の特性が指定された許容誤差範囲内に収められた新しい輪郭が作成されます。

これにより、機械軸がより滑らかに移動し機械の共振が回避されるため、表面がかなり滑らかになります。

さらに、高移動速度が可能になり、機械に対する負担が減少します。

1 2 3 12

3

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プログラマ向けの情報

高速設定- CYCLE832 3.5

75

高速設定 CYCLE832 を使用できない場合でも、コンプレッサ機能を使用することはできます。 プログラムで、必要なマシンデータと G コードを設定するだけです。 詳細については、次の例

と 3.8 章の例を参照してください。

サブプログラムを使用した COMPCAD のプログラム例

COMPCAD は、サブプログラムを使用して簡潔に呼び出すことができます。 通常、加工運転 (荒削り、仕上げ ) ごとに、すべての軸に対して特定の許容誤差を指定してください。 サブプロ

グラムでは、許容誤差値は変数として定義され、実際の許容誤差値は呼出し時に渡されます。

メインプログラムでサブプログラムを許容誤差渡しで呼び出します。

軸の許容誤差値を設定するサブプログラム

NOTE

;*************************************************************** ;Program call in the main program ;*************************************************************** ... N40.... N45 TOL(0.015) N50...

;*************************************************************** ;Technology program for 3-axis HSC-MILLING ;*************************************************************** PROC TOL(real tolerance) N20 SOFT N30 COMPCAD N30 G642 N40 $MA_COMPRESS_POS_TOL[X]=tolerance N50 $MA_COMPRESS_POS_TOL[Y]=tolerance N60 $MA_COMPRESS_POS_TOL[Z]=tolerance N70 NEWCONF M17

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プログラマ向けの情報

高速設定- CYCLE8323.5

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76

連続軌跡モード、先読み- G64、G642連続軌跡モードを CYCLE832 で呼び出すと、G641 では ADIS 値は許容誤差値 TOL_ に対応し

ます。 CYCLE832 を使用せずにプログラミングする場合、ADIS 値も指定します。

ADIS を使用した後退量のプログラミング

G64 G642 ADIS=…または ADISPOS=…

命令の説明

G64、G642 の使用

G64 連続軌跡モード-軸がコーナーで減速をかけるだけの先読み

G642 軸許容誤差による滑らかな指令 ( 推奨方法 ) 先読み ( コーナーで減速の他に MD 33100( マシンデータ ) によ

る G642 では : 許容誤差の指定には次の 2 つの方法があります。

1. 個々の軸の指定-前ページの

プログラミング例を参照、または、 2. ADIS を使用した後退量のプログラミング

自由曲面のフライス加工への使用を推奨します。

ADIS= パス機能 G1、G2、G3 用の滑らかな指令間隔

ADISPOS= 高速移動 G0 用の滑らかな指令間隔 ( 自由曲面には適しません )

連続軌跡モードの目的は、速度を増して移動動作を滑らかにすることです。 連続軌跡機能

G64 などでは、これは以下の 2 つの機能を使

用して実現されます。

先読み-先読み速度制御

この制御は複数の NC ブロックを予め計算し、

モーダル速度のプロファイルを求めます。 この速度制御の計算方法は、G64 などの機能を

使用して設定することができます。

1

G1G1 G1 G1 G1

G1

2 1

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プログラマ向けの情報

高速設定- CYCLE832 3.5

77

コーナー丸味付け

先読み機能はさらに、制御システムが検出したコーナーの丸味付けを行うことができます。 このため、プログラミングされたコー

ナー点は正確にはアプローチされません。 角のコーナーが丸み付けされます。

これらの 2 つの機能により、軌跡は均一の軌

跡速度プロファイルで作成されます。 この結

果、切削条件が改善されて表面品質が向上し、加工に要する時間が短縮されます。

角のコーナー の丸味付けを行うために、

連続軌跡指令 G642 はブロック境界に遷移要

素 , を生成します。 各連続軌跡指令は、

遷移要素の生成方法で互いに異なります。

G642 では、ADIS 値を使用して丸味付けの度

合い を定義することができます。

G642 は、曲率が一定の多項式の遷移要素を

挿入します。 これにより、ブロック境界での

非連続的な変化が回避されます。 金型加工で

は、G642 を使用することをお勧めします。

2

1

2

3

G1 G1

3

1 2

2

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高速設定- CYCLE8323.5

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78

フィードフォワード制御とジャーク制限- FFWON、SOFT、...フィードフォワード制御とジャーク制御は、2 つの機能の組み合わせとして CYCLE832 でのみ

呼び出すことができます。 これは、この組み合わせが自由曲面フライス加工の理想的な条件を

提供するためです。 当然ですが、これらの機能は両方とも単独でプログラミングすることがで

きます。

プログラミング

FFWON/ FFWOF BRISK SOFT

命令の説明

ジャーク制限機能

FFWON フィードフォワード制御 " オン "

FFWOF フィードフォワード制御 " オフ "

BRISK ジャーク制限なし パス軸が瞬間的に加速します。

SOFT ジャーク制限付き パス軸のジャーク制限付き加速 軸ジャーク制限 ( マシンデータ

JOG_AND_PS_MAX_JERK( ジョグと位置決め ) の 大ジャーク または MAX_AX_JERK( 連続軌跡モード ) の 大ジャーク

機械上で加速を可能なかぎり緩やかにするために、命令 Soft、Brisk を使用して軸の加速

プロファイルを調整することができます。 Soft を有効にすると、加速動作が瞬間的に変

わることなく線形的に変化します。 これは機

械にかかる負担を減らします。 これにより機

械の共振による影響が大幅に少なくなるため、ワークの表面品質に対してさらによい効果をもたらします。

BRISK: 加速動作 : パス軸は設定されたマシンデータ

に従って瞬間的に加速します。

軸は、送り速度に達するまで 大加速で移動します。 BRISK では加工時間は 適になりま

すが、加速曲線に不連続が生じます。

BRISK SOFT

t

t

V

a

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高速設定- CYCLE832 3.5

79

SOFT: 加速動作 : パス軸のジャーク制限付き ( ソフ

トな ) 加速

軸は、贈り速度に達するまで一定の加速で移動します。 ジャークなし加速プロファイルの

結果として、SOFT はで高精度のパスが可能

で、機械にかかる負担も少なくなります。

フィードフォワード制御

追従誤差により軌跡エラーが発生します。 . システムの慣性力とは、工具が設定軌跡 から接線方向に離れがちであるというこ

とです ( すなわち、生成される実際の軌跡 が設定された軌跡から離れます )。 追従誤

差は、システム ( 位置制御 ) と速度の組み合

わせによって起こります。

フィードフォワード制御 FFWON は、誤差ゼ

ロに向かって輪郭切削をする際の速度による追従誤差を低減します。 フィードフォワード

制御付きの移動により、精度の高いパスが可能になり、加工レベルが向上します。

推奨事項

CYCLE832 では、以下の組み合せが考えられ

ます。

FFWON SOFT 精度の高いパスが重視されます。 これは、本

質的に追従誤差が生じない滑らかな速度制御を使用して実現されます。

FFWOF SOFT 精度の高いパスが重視されません。 追従誤差によって、結果的に丸味付けが付加されます。 旧パートプログラム/機械で使用

されます。

FFWON BRISK お勧めできません。

FFWOF BRISK 荒削り時と 高速度が必要なときに使用します。

13

212

3

FFWON

FFWOF

BRISK

SOFT

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送り速度プロファイル- FNORM、FLIN3.6

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80

3.6 送り速度プロファイル- FNORM、FLINプログラミング

F… FNORM F… FLIN

命令の説明

機能

送り速度プロファイルとは

送り速度プロファイルをより柔軟にプログラミングするために、DIN 66025 に準拠して 1 次特

性と 3 次特性が送り速度プログラミングに追加されました。3 次特性は、直接または補間スプ

ラインとしてプログラミングすることができます。 これらの追加特性により、加工するワーク

の曲率に応じて、連続した滑らかな速度特性をプログラミングすることができます。

また、これらの特性により、加速変動の制限をプログラミングし、均一のワーク表面を生成することができます。

FNORM 基本設定です。 この送り速度値はブロックの移動パスの機能とし

て指定され、以降はモーダル値として有効になります。

FLIN リニアパス速度プロファイル : この送り速度は、ブロック先頭の実際の値からブロック終わりまで線形で変化し、その後はモーダル値として有効になります。

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CYLCE832 のプログラミング例 3.7

81

3.7 CYLCE832 のプログラミング例

ナイトのチェス

概要

CYCLE832 を使用した高速加工では、重要な G コードとマシンデータが自動的に設定され、

相互に調整されます。 必要なことは、該当の加工プログラム ( 荒削り、仕上げ ) で CYCLE832を呼び出すことだけです。このため、 適な工程条件で作業を行うことができます。

ワーク

ナイトのチェスをフライス加工します。 加工順序は、荒削り操作と仕上げ操作で構成されます。 操作ごとに、別々のプログラムを使用します。

荒削り用プログラム

N1 T1 D1 N2 M6 N3 G54 D1 N4 S4500 M3 N5 MSG( "Roughing end mill no arcs, Chord 0.05" ) N6 MSG( "End Mill 8mm" ) N7 CYCLE832(0.05,112003) ; Roughing with tolerance 0.05, refer to another Chapter N8 G0 X-51.027 Y-60.935 N9 G0 X-51.027 Y-60.935 Z8.1 N10 G0 Z3.15 N11 G1 Z-1.85 F1000 ; G1 blocks of the geometry N12 G1 X-50.131 Y-52.985 F2500 N13…

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CYLCE832 のプログラミング例3.7

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82

荒削り用 CYCLE832

[ 高速設定 ] ダイアログボックスを使用して、CYCLE832 用の設定を行うことができます。

これを行うには、プログラム編集で [ 高速設定 ] ソフトキーを選択します。

初に、荒削りと誤差 ( この例では、0.050) を選択します。 .

[ 適応 ] で、その他のパラメータについて標準設定をそのまま適用するか、他の値 ( たとえば、

コンプレッサ用の値 ) を設定するかを選択します。 通常、その他のパラメータの調整は不要

です。 機械メーカによってこの機能が使用許可されている場合だけ、その下のパラメータを変更することができます。

ダイアログボックスで、[OK] をクリックして確定します。 CYCLE832 用の設定が反映されま

す。

1

2

1

2

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CYLCE832 のプログラミング例 3.7

83

仕上げ用プログラム

仕上げ用 CYCLE832

仕上げ設定のために、[ 高速設定 ] ダイアログボックスを使用することもできます。

これを行うには、プログラム編集で [ 高速設定 ] ソフトキーを選択します。

仕上げと誤差 ( この例では、0.0050) を選択します 。

[ 適応 ] で、他の設定を行うことができます 。

ダイアログボックスで、[OK] をクリックして確定します。 CYCLE832 用の設定が反映されま

す。

N1 T2 D1 N2 M6 N3 G54 D1 N4 S10500 M3 N5 MSG( "Finishing Chord 0.005" ) N6 MSG( "Ball Mill D3" ) N7 CYCLE832(0.005,112001) ; Finishing with tolerance 0.005, refer to another Chapter N8 G0 X26.499 Y-12.096 N9 G0 X26.499 Y-12.096 Z10. N10 G0 Z-11. N11 G1 Z-16. F500 ; G1 blocks of the geometry N12 G1 Y-12.079 Z-15.666 F2000 N13…

1

2

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CYCLE832 を使用しないプログラミング例3.8

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84

3.8 CYCLE832 を使用しないプログラミング例

ナイトのチェス駒

概要

CYCLE832 を使用した高速加工では、重要な G コードとマシンデータが自動的に設定され、

相互に調整されます。 CYCLE832 がサポートされていない制御システム ( たとえば 802D sl) でも、CYCLE832 を使用せずに高速加工の利点を活用することができます。 この場合は、プログ

ラムで必要なマシンデータを設定し、該当の命令をプログラミングしてください。 ナイトのチェス駒の加工を例として使用して、必要な手順を示します。

荒削り用プログラム

ワーク

ナイトのチェス駒をフライス加工します。 加工順序は、荒削り操作と仕上げ操作で構成されます。 これらの操作ごとに、別々のプログ

ラムを使用します。

N1 T1 D1 N2 M6 N3 G54 D1 N4 S4500 M3 N5 MSG("Roughing with compressor tolerance 0.05") N8 SOFT ; Switch-in the jerk-limited path acceleration, therefore

; improved surface N9 COMPCAD ; Switch-in the compressor for surface optimization N10 G642 ; Blending of the contour transitions N11 $MA_COMPRESS_POS_TOL[X]= 0.05 ; Set the compressor tolerance Axes x, y, z N12 $MA_COMPRESS_POS_TOL[Y]= 0.05 ; The tolerance value should be approx. 10% to N13 $MA_COMPRESS_POS_TOL[Z]= 0.05 ; 20% above the Calculation tolerance of the

; CAM system N14 G0 X50.899 Y-57.933 ; positioning in rapid traverse and programming

; Contour for finishing N15 G0 X50.899 Y-57.933 Z10.15 N16 G0 Z5.15 N17 G1 Z0.15. F2500 N18 G1 X49.986 Y-51 N19 …

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プログラマ向けの情報

CYCLE832 を使用しないプログラミング例 3.8

85

仕上げ用プログラム

加工操作が 2 つを超える場合、表面品質を改善するために、通常はコンプレッサ許容誤差だけ

は調整してください。 その他の設定は、そのままの設定を適用できます。

コンプレッサ許容誤差 (COMPCAD) の設定は、独立したサブプログラムで定義することもでき

ます。 この場合、許容誤差値は変数として転送されます。 3.5 章の COMPCAD の例も参照して

ください。

N1 T2 D1 N2 M6 N3 G54 D1 N4 S+4500 M3 N5 MSG( "Finishing with compressor tolerance 0.005" ) N8 SOFT ; Comments - refer to roughing N9 COMPCAD N10 G642 N11 $MA_COMPRESS_POS_TOL[X]= 0.005 ; Sets the compressor data for axes x, y, z N12 $MA_COMPRESS_POS_TOL[Y]= 0.006 ; The tolerance value should be approx. 10% N13 $MA_COMPRESS_POS_TOL[Z]= 0.006 ; to 20% above the Calculation tolerance of

; the CAM system N14 G0 X26.499 Y-12.096 ; Positioning in rapid traverse and

; Programming Contour for finishing N15 G0 X26.499 Y-12.096 Z10. N16 G0 Z-11. N17 G1 Z-16. F500 N18 G1 Y-12.079 Z-15.666 F2000 N19 …

NOTE

NOTE

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CYCLE832 を使用しないプログラミング例3.8

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86

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目次 ページ

4.1 高度な機能の概要 884.2 今後の 5 軸加工 91

4.3 工具の移動方法 924.4 3 軸フライス加工と 3 + 2 軸フライス加工 93

4.5 3+2 軸フライス加工機械の構造 94

4.6 JOG での測定-テーブルの 2 つの回転軸によるワークの

セットアップ

96

4.7 索引 98

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高度な機能の概要4.1

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88

4.1 高度な機能の概要 以降のページに、840D の高度な機能を要約します。 DIN 66025 に記載された要件の範囲を超え

ていますが、3 軸金型加工の分野に大幅な改善をもたらす命令の概要について説明します。

移動指令

円弧補間プログラミングでの言語要素

コンプレッサ

テクノロジー G グループ

TURN 一周円の繰り返し移動回数 G3 X… Y… I… J… TURN =

CR=

その他のパラメータ : 円弧半径

I1, J1, K1 直行座標の中間点 (X、Y、Z 方向 )

COMPCAD 表面 適化コンプレッサ ( 定加速度 )

単一軸に対応する許容誤差を持ちます。 $MA_COMPRESS_POS_TOL[X] = ... CYCLE832 も参照してください。

DYNNORM

DYNPOS

DYNROUGH

DYNSEMIFIN

DYNFINISH

標準ダイナミックス、今までと同様

位置決めモード、タッピング

荒削り

仕上げ

滑らかな仕上げ

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高度な機能の概要 4.1

89

ダイナミック応答

先読み

速度プログラミング

ジャーク

フィードフォワード制御

G60 ブロックエンドでのイグザクトストップ

G601 G602 G603

精密インポジション位置決め範囲に到達したときのブロック変更 粗インポジション位置決め範囲に到達したときのブロック変更 補間の終了時のブロック変更

G64 ブロックエンドの先読み (LOOK AHEAD)

滑らかな指令

G641 G642

ADIS = … 滑らかな指令間隔

ADISPOS =… G0 用滑らかな指令間隔、定速度

単一軸許容誤差 ($MA_COMPRESS_POS_TOL[X] = …) または ADIS に

よる滑らかな指令、中間ブロックを持つ ADISPOS、定加速度 ( 推奨機

能 )

G60, G64, G641, G642

G コードグループ 10

G601 ñ G603 内部 G コードグループ ( グループ 12)

G94 G93 G95 G96

従来の区分 ( ノンモーダル ) の速度プログラミング

インチ /min または mm/min インバースタイム 主軸 1 回転当たりの送り量インチ、mm 周速一定制御

SOFT BRISK

ジャーク制限 加速制限

FFWON FWOF

フィードフォワード制御オン フィードフォワード制御オフ

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高度な機能の概要4.1

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90

工具径補正

2-D

フレーム

プログラム可能なフレーム

フレーム演算子

G40 G41 G42

G450 G451

工具径補正無効化 工具径補正有効化、補正方向左 工具径補正有効化、補正方向右

外部コーナーの円弧 ( すべての補正形式 ) 外部コーナーでの交点移動 ( すべての補正形式 )

CUT2D CUT2DF

G17 ~ G19 を使用して決定された補正平面による 2 1/2-D 補正

フレームを使用して決定された補正平面による 2 1/2-D 補正

TRANS X… Y… Z… ATRANS X… Y… Z… ROT X… Y… Z… AROT X… Y… Z… ROTS X… Y…

アブソリュートオフセット値 インクリメンタルオフセット値、現在有効なフレームに対する相対値 アブソリュート回転値 インクリメンタル回転、現在有効なフレームに対する相対値 アブソリュート回転値、2 つの角度によって定義 角度値は、傾斜面と軸の主面が交差する線の角度です。

AROTS X… Y… RPL=… MIRROR X… Y… Z… AMIRROR X… Y… Z… SCALE X… Y… Z… ASCALE X… Y… Z…

インクリメンタル回転値、現在有効なフレームに対する相対値、ROTS の場合と同様の角度値

平面内の回転値 アブソリュートミラー値 インクリメンタルミラー値、現在有効なフレームに対する相対値 アブソリュートスケーリング値 インクリメンタルスケーリング値、現在有効なフレームに対する相対値

フレーム演算子を使用して、フレーム変数を個々のフレーム形式のチェーンとして定義することができます。

CTRANS (X… Y… Z…) CROT (X… Y… Z…) CROTS (X… Y… Z…) CMIRROR (X… Y… Z…) CSCALE (X… Y… Z…)

アブソリュートオフセット値 アブソリュート回転値 アブソリュート回転値 アブソリュートミラー値 アブソリュートスケーリング値

FRAME = CTRANS(…) : CROT (X… Y… Z…) : CMIRROR (X… Y… Z…)

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今後の 5 軸加工 4.2

91

4.2 今後の 5 軸加工

切削時の形状、表面品質、加工速度に関する要件は、 特にツールと金型加工に関して、急速に高まっています。

空間で曲面 加工する場合に 適な切削状

態を実現するには、...

... さらに空間で任意の形状を加工するには ( この場合、工具軸の傾斜角度を変更でき

ることが必要です ) ...

3 + 2 軸

これらを実現するには、3 つの直線軸 X、Y、Z に加えて 2 つの回転軸 A と B または C が必

要です。

1自由曲面

1

2傾斜面と穴

2

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工具の移動方法4.3

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92

4.3 工具の移動方法

加工作業によっては、傾斜面に工具を位置合わせするなど、工具の向きを固定したまま加工するだけで十分なものもあります。 SINUMERIK 840D など 先端の 5 軸制御システムでは、機械

上で直接工具の向きが一定の傾斜した穴やポケットなどの要素をプログラミングすることができます。また、CAM システムで生成されたプログラムの重要な加工パラメータを調整すること

もできます。

機械動作

工具位置には、直線軸 X、Y、Z を使用して作

業領域内でアプローチします。

工具の傾斜との向きは、B と C など 2 つの回

転軸を使用して変更します。

3 つの直線軸と 2 つの回転軸を使用すると、

必要な工具の向きで、理論的には空間上のどの点にもアプローチできます。

CNC プログラミングNC プログラムでは、位置を指定するために

座標軸 X、Y、Z が使用されます。 工具の向き

を指定する場合は、運動とは別に方向をプログラミングするために、方向ベクトル A3、B3、C3 の使用をお勧めします。

工具の向きの方向ベクトル

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3 軸フライス加工と 3 + 2 軸フライス加工 4.4

93

4.4 3 軸フライス加工と 3 + 2 軸フライス加工

一般的に 3 軸制御軸を使用して加工される表面は、特別に均一な凸自由曲面です。 ただし、深

い窪みがある場合や曲率が頻繁に変化する場合は、5 軸制御軸が必要です。

3 軸

制御パス軸 X、Y、Z

フライス工具の向きは、加工パス全体を通じて変化しません。 工具の先端の切

削状態は決して 適ではありません。

3 + 2 軸 制御パス軸 X、Y、Z A、C などの固定回転軸 ( テーブル )

これらの工作機械の場合、工具の向きやテーブルの位置を工具やテーブルを後で取り付けるなどして変更することができます。 この場合、フライス加工工具は 適な状態で切削を行います。 切削条件は、工具がワーク

の上部表面や側部表面に移動すればするほど低下します。

3 + 2 軸 被制御パス軸 X、Y、Z 旋回する A、C など固定回転軸 ( テーブル )

この場合にも 適な切削状態を保つには、テーブルを旋回します。 自由曲面を完全に加

工するには、しばしば、いろいろな方向に複数回旋回することが必要になります。

1

1

2

3

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3+2 軸フライス加工機械の構造4.5

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94

4.5 3+2 軸フライス加工機械の構造

5 軸機械は、5 軸で工具の動きを制御することができます。 5 軸とは 3 つの既知の直線軸と 2 つ

の付加回転軸です。 2 つの回転軸には、さまざまな運動構造があります。 も一般的な構造を以

下に図で示します。

ヘッドの 2 つの回転軸

* 用語 : 回転軸が直線軸に対して直交していない場合、" 垂頭 (nutated)" 軸と呼ばれます。

フォーク 垂頭 (nutated) *1 2

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3+2 軸フライス加工機械の構造 4.5

95

テーブルの 2 つの回転軸

* 用語 : 回転軸が直線軸に対して直交していない場合、" 垂頭 (nutated)" 軸と呼ばれます。

ヘッドの 2 つの回転軸/テーブルの 1 つの回転軸

回転/旋回 垂頭 (nutated) *3 4

5

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JOG での測定-テーブルの 2 つの回転軸によるワークのセットアップ4.6

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96

4.6 JOG での測定-テーブルの 2 つの回転軸によるワークのセットアップ

操作の説明

例 テーブル回転軸 (C 軸 ) に加えて、A または B 軸を持ち、その結果工具の 3 次元の位置合わせ

を行うことができる機械では、ワーク表面 ( 加工面 ) を水平面と見なして処理することができ

ます。

これは、JOG モードで " 平面の位置合わせ " と " 旋回 " という 2 つの機能を組み合せることに

よって可能です。

平面の位置合わせ

初に、平面の位置合わせを行います。

" 平面の調整 " を呼び出します。

プローブを測定ポイント P1 に移動します。

入力画面に詳細を入力します。

G54、G55、G56、または G57 など原点オフセットを選択します。 この例では、G54 が使用されています。

[NC 開始 ] では、手動で選択した暫定位置から測定ポイント P1、P2、P3に自動的にアプローチします。 つまり、プローブがワークにアプローチ

し、始動後に開始位置に戻ります。

すべてのポイントにアプローチした後、[ 計算 ] を押します。

1

1

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JOG での測定-テーブルの 2 つの回転軸によるワークのセットアップ 4.6

97

結果

平面が水平位置に位置合わせされます。 機械上で旋回がセットアップされ

ている場合は、ここですぐにワークを軸に合わせることができます。 訂正

値に応じて、テーブルまたはヘッドが位置合わせされます。

旋回がセットアップされていない場合は、プローブを測定平面に直交するように位置合わせすることができます。 この場合、座標軸の修正だけが行

われ、テーブルまたはヘッドの旋回移動は表示されません。

平面の位置合わせが終わった後は、X、Y、Z の ZO を決定するだけです。

2.3 章と 2.4 章の記述に従ってください。

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索引 4.7

98

4.7 索引COMCAD

コンプレッサ機能 11CYCLE832

パラメータ 44プログラミング例 72

JOG工具のセットアップ 16工具の測定 32

ShopMill機能

57工具管理 57彫刻用サイクル 59ユーザーインターフェース 56

Numerics

5 軸加工 91

A

ADIS 76AUTOMATIC モード 35AUTO モード

工具の測定 38

B

BRISK 78

C

CAM 10CNC プログラミング 92COMPCAD 74COMPCURV 44COMPOF 44, 74CYCLE800 66CYCLE832 42, 51, 72

E

Ethernet 40EXTCALL 40, 51

F

FFWOF 78, 79FFWON 78, 79FLIN 80FNORM 80

G

G コード編集 58

J

JOG 32JOG での測定 17, 33

802D sl による 33JOG モード 18

N

NC 金型加工プログラム 13構造 13

P

PCU 20 40PCU 50 40

R

REPOS 49

S

ShopMill 56SOFT 78, 79

T

TCU 40Tolerance_tol. 44, 73

U

USB インターフェース 40

Z

Z 軸の点の測定 37

圧縮 44, 73移動指令 88移動動作 63インプロセス測定 35エッジの設定 28エッジの測定 19, 25, 35送り速度プロファイル 80回転軸 25, 94, 95, 96外部プログラムの状態 52機械構成 18, 29機械動作 92機械のキネマテックス 24, 66基本回転 20, 22, 25基本フレーム 63

参照情報

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索引4.7

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99

許容誤差範囲 12クイックビュー 54, 55, 60

距離の測定 55原点 18原点オフセット 20, 28, 64工具

JOG での測定 32測定 16

工具管理

ShopMill 57工具形式

フライス工具形式 30工具形状 30工具径補正 90工具長の測定 38, 53工具テーブル 30工具の測定 30工具の向き 92工具プローブ

校正 32工具補正 31工具補正データ 31工具基準点 30高速外部ブロック検索 50高速設定 42, 72高速設定サイクル 59高速表示 54コーナーの設定 36コーナーの測定 19, 20, 35コンパクトフラッシュカード 40コンプレッサ 11, 74, 88コンプレッサ機能 11コンプレッサ許容誤差 12先読み 76, 89サブプログラム 13座標系 63シミュレーション 60シリアルインターフェース ( ポート ) 40自動モード 35, 36

工具の測定 38工具半径の測定 39ワークの測定 36

自動モードでの測定 17ジャーク 89ジャーク制限 78自由形状の加工 10垂頭軸 95

スプライン 11スプラインコンプレッサ 74スプライン補間 11精度 10, 42旋回 96

CYCLE800 66入力画面のパラメータ 68プログラミング例 70

旋回テーブル 66旋回ヘッド 66測定、凸形状/穴 19測定サイクル 19, 35, 38

選択 19速度 10, 42速度プログラミング 89ダイナミック応答 89中断 49彫刻用サイクル 59直線軸 94テーブルに 2 つの回転軸を装備した機械 96テーブルに回転軸を装備した機械 20テクノロジー G グループ 88滑らかな指令 11表面品質 10, 42フィードフォワード制御 44, 78, 89フォーク 94フライス加工 93フライス加工機械の構造 94フレーム 63, 90

フレーム演算子 90プログラミング成分 65プログラム可能なフレーム 90用途 64

ブロック検索 50, 58プローブ 18プローブの校正 19, 35プログラム

起動 48選択 48続行 48中断 48, 49停止 48

プログラム可能な滑らかな指令

スプライン補間 11プログラム構造 13, 46プログラムデータ転送 40プログラムの管理 40

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参照情報

索引 4.7

100

プロセスチェーン

CAD - CAM - CNC 9平面、位置合わせ 19平面の位置合わせ 35, 96方向ベクトル 92ポケット/穴の測定 19, 35リセット 50連続軌跡制御 44, 73連続軌跡モード 76ワーク

セットアップ 16, 18, 33測定 16

凸形状の測定 35

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