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語彙

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語彙

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語構成

語構成論・・・日本語の語はどのような構造になっているのかを考える。

語構成の観点から語を細かく分類すると、以下のようになる。 単純語 語 複合語 合成語 畳語 派生語

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単純語

内部構造がなく、それ以上細かく分解できない語を言う。

例 頭、コーヒー、机 等

※現代日本語で1語と見なされている語は、古語や外国語で2語以上であっても1語として考える。

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合成語

語の中にさらに内部構造があり、2つ以上の語

に分解できる。合成語は内部構造の違いによりさらに以下の3つに分けることができる。

・複合語

・畳語

・派生語

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複合語

合成語を分解したときに、それぞれの要素が自立できるもの。大きく以下の2つに分類できる。

統語構造・・・複合語を分解したときに、それぞれの要素に主述関係、修飾・被修飾関係など、文法的な関係が見られる。

並列構造・・・複合語を分解したときに、それぞれの要素が対等で、文法的な関係が見られない。

※さらに複合語は品詞ごとに細かく分けて考えることも可能(「手足(複合名詞)→N+N」など)

ここでは品詞ごとの分類までは行わないこととする。詳しく知りたい場合は指定図書参照。

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畳語

同じ成文が2つ重なってできた合成語。

名詞、形容詞、動詞など、様々な品詞から畳語を作ることができる。畳語にすることによって、品詞が変わるものも多い。

例 時(名詞)→時々(副詞)

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派生語

接辞を使って作られた合成語。接辞には接頭辞と接尾辞があるが、それぞれ特徴が異なる。 接頭辞・・・基本的に意味を付け加えるだけで、品詞を変えるこ

とはない。しかし、中には品詞を変える働きを持つものもある。例 成熟(名詞・動詞)→未成熟(名詞・ナ形容詞)

接尾辞・・・意味を付け加えるものと、意味を変えずに品詞を変えるものとがある。

例 あなた→あなたがた(複数)

面白い→面白さ(名詞化)

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語種

語を出自から分類する。大きく分けて以下の4つ。

和語 もともと日本にあった言葉。平仮名もしくは漢字の訓読み。

漢語 中国から入ってきた言葉だが、和製漢語も含む。基本的に漢字で書かれ、音読み。

外来語 漢語を除く外国語から入ってきた言葉。基本的にカタカナで書かれる。

混種語 和語・漢語・外来語のいずれか2種類、もしくは3種類を組み合わせて作られた言葉。

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品詞

日本語教育と国文法とでは、品詞の考え方が異なる。日本語教育では助動詞なども含めて1

つの語と考える場合も多いが、国文法では厳密に助詞・助動詞を分けて考える。

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国文法 動詞

終止形(基本形・辞書形)にしたときに、ウ段で終

わるもの。動きや状態などを表す。意味や働きによりさらに細かく分類することができる。 ・五段活用動詞(Ⅰグループ)

・上一段活用動詞、下一段活用動詞(Ⅱグループ)

・サ行変格活用動詞、カ行変格活用動詞(Ⅲグループ)

・自動詞、他動詞

・意志動詞、無意志動詞

Etc.

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国文法 形容詞・形容動詞

日本語教育でいうイ形容詞とナ形容詞。終止形にしたときに、「い」で終わるのが形容詞で「だ」で終わるのが形容動詞。状態や程度などを表す。大きく属性形容詞と感情形容詞に分けることができる。 ※ 形容動詞と名詞の見分け方 形容動詞と名詞は用法が似ているため、日本人でもどちらかわからなくなることがある。見分け方として、次の2つがある。 1 「とても」をつけることができるかできないか。 2 連体形にしたときに「な」になるか「の」になるか。 上記2通りの方法を使って、「静か」と「悲願」がそれぞれ名詞か形容動詞かを確認すると以下のようになる。 1 とても静か(自然なので形容動詞) とても悲願(不自然なので名詞) 2 静かな街(「静かの」ではないので形容動詞) 悲願のオリンピック出場(「悲願な」ではないので名詞)

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国文法 名詞

事物の名前を表す。品詞の中で、格助詞を付けることができる(他の品詞にも格助詞を付ける

場合もあるが、それは「準体言」と言われる特別な用法。これについては考えないものとする)。

代名詞を名詞と分ける考え方もあるが、ここでは名詞の一種とする。

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国文法 連体詞

常に名詞を修飾する。活用がない。

「大きな」「小さな」は連体詞である。

連体詞は「た(だ)・な・が・の・る」のいずれかで終わる。(「大きな」「あらゆる」「とんだ」など)

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国文法 副詞

様々なものを修飾する。活用しない。

「副詞は名詞を修飾しない」と書いている本もあるが、実際は副詞が名詞を修飾することもある。(「かなり昔の話だ」など)

副詞は大きく次の3つに分けられる。

・情態副詞

・程度副詞

・陳述副詞

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国文法 接続詞

文と文をつなぐ。活用しない。

意味によって分類することができるが、明確な基準はないのでテストにはあまりでないと思われる…。

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国文法 感動詞

他の品詞は複数の語と組み合わせて使うことが多いが、感動詞は単独で使う。

挨拶、応答、かけ声など。

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国文法 助動詞・助詞

助詞と助動詞をまとめて「付属語」という。

活用があるのが助動詞、活用がないのが助詞。

助動詞・・・様々な語に付いて、意味を付け加える。

助詞は・・・様々な語に付いて、意味を付け加えたり、語と語の意味関係を表したりする。

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語彙教育 その1

• 直接方法と間接方法 <直接> 実物を見せることで意味を理解させる。間 <間接> ・非言語・・・実物ではなく、代用物(絵など)を見せる ・言語・・・日本語もしくは媒介語

★言語による指導は、さらに「説明する」「翻訳する」など様々な方法での指導がある。

※直接法による指導の場合、初級では日本語も媒介語も使えないため、実物や代用物を利用して意味を理解させる必要がある。

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語彙教育 その2

<使用語彙>

意味を理解しているだけでなく、自分でその語彙を使用することができる。 <理解語彙>

見聞きした際に意味を理解することはできるが、自分でそれを使うことはできない。 例 読んで理解することはできるが、書けない漢字など →理解語彙(正確には理解“文字”だけど…)

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語彙教育 その3

• 「使える」語彙とは

意味を知っているだけではなく、用法や制約なども知らなければ「使える」とは言えない。

足早…自分には使えない、連用用法のみ、未来

には使えない、など、意味意外にも知らなければいけないことがある。

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語彙教育 その4

• 初級の語彙教育

学習のための「基礎語彙」を選択して与える。

学習・生活のために必要な語句を選ぶため、必然的に使用語彙が多くなる。

★基礎語彙

必要だと思われる語を人為的に選択したもの。

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語彙教育 その5

• 中級の語彙教育

使用頻度の高い「基本語彙」を指導していく。

言語「を」学ぶのではなく言語「で」学ぶという側面が強くなってくるため、見聞きしてわかればよいという語句、つまり理解語彙が増える。

★基本語彙

調査に基づく、使用頻度の高い語彙。人為的に選ぶのではなく、客観的な数字より選ぶ。