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< TEXの使い方 (入門)> #1
1 TEX を使う
1.1 TEXの概略
TEXは科学技術論文用に Donald Knuthによって作成された文書整形プログラム
<スポーツ科学研究法 II 07> #1
1 Introduction
1.1 Metaphorとしてのコンピュータ
人間理解のための metaphor
図 1: 人間の情報処理をコンピュータに見立てる
表 1: コンピュータと人間の比較
処理段階 コンピュータ 人間入力 マウス,キーボード,タブレット 視知覚,聴覚など処理 CPU,HDD(外部記憶装置),プログラム 脳,記号出力 ディスプレイ,プリンタ 筋-骨格系
プログラム (program) コンピュータプログラムと人間の運動プログラムニューラルネットワーク (neural network) 計算アルゴリズムと脳の神経結合,並列計算アーキテクチャ (architecture) 処理装置の構造と解剖学的構造
1.2 研究ツールとしてのコンピュータ
1.2.1 文章(論文)を書く
■Word Processor 代表はWord
• 特殊文書整形コマンドと内容が一体• 重い(ファイル容量が大きくなる)• 機種依存(Mac/Windowsで若干異なる)• 使い勝手の悪さ(図表の番号等)• どちらかというと事務処理系
■文書整形 代表は TEX
図 1: TEXのイメージ
1.2 TEXのインストール
TEXをインスト-ルするには,通常は webか,書籍を購入して CDからインストールする
1. まず,自分のログイン名が英語(半角英数字)であるか確認し,全角日本語を使っている場
合には,コントロールパネル→ユーザーアカウントから,自分のアカウントを選択し,【名
前を変更する】を選んで,半角英数字に変更する.
2. 今回は配布する CDから,lkakuto3.exe をダブルクリックしてはじめる.
3. 決められた通りに(付属 cd.txt参照)ファイルを配置した後,lkakuto3.exeを実行すれば
いいです.基本的には「次へ」を押せば十分.
4. 十分新しい GhostScriptには「Use Windows TrueType fonts for Chinese, Japanese and
Korean」というチェックボタンにチェックする.
5. インストール後にGSViewを起動し(スタート→プログラム→Ghostgum→ gsview **.**),
< TEXの使い方 (入門)> #2
Options → Advanced Configure とし,出てきた「Ghostscript Options」の欄に, 【-
dWINKANJI】と追加する.
1.2.1 参考 URL
■アプリケーション
W32TeX 角籐さんのWindowsに移植された pTeXであるW32TeXのページです.
http://www.fsci.fuk.kindai.ac.jp/~kakuto/win32-ptex/web2c75.html
dviout開発室 大島先生の dviout for Windowsのページです.
http://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/dvitest.html
GhostScript,Ghostview and GSview (英語) GhostScriptの公式ページです(多分).
http://www.cs.wisc.edu/~ghost/
pLaTeX2e 新ドキュメントクラス 奥村さんの新ドキュメントクラス (jsclasses) 配布ページ
です.
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/jsclasses/
■TeXに関する情報ページ
TeX Wiki 奥村さんの TeXに関するWikiです.掲示板 (TeX Q & A)にて活発に議論がなさ
れています.
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/
TeXインストールガイド トニイさんのページのコンテンツ.元々 niftyのフォーラムにあった
のですが,閉鎖にともない移転したようです.インストールに関して非常に丁寧な説明がありま
す.初心者の方必見.
http://www.nsknet.or.jp/~tony/TeX/install/index.htm
TeXインストーラー 阿部紀行さんのページで,誰でも簡単に自動的に TEXをインスト-ルで
きるアプリケーションを書いてくれている.これに従って今回の CDも作成しました.
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~abenori/mycreate/index.html
1.3 EmEditorのインストール
配布 CDの中の emed6004jpx.msi をダブルクリックして EmEditorというテキストエディ
タをインストールする.これは 1本 4,200円のシェアウエアだが,使い勝手がよければ購入を勧
める.
さらに,TEXを簡単に使うために,M’s TeXHelper 2 というプラグインをインスト-ルする.
これには,配布 CDの MTeX225_Unicode.exe をダブルクリック
< TEXの使い方 (入門)> #3
図 2: M’s TeX helper 2のアイコン
図 3: M’s TeX helper 2で TEX処理のプログラムを設定する
< TEXの使い方 (入門)> #4
1.4 TEXでの文書入力の基本
• まず,EmEditorのツールバーにMTeX2のアイコン群が表示されているのを確認する
• 表示されていない場合には「ツール」→「プラグイン」→「プラグインの設定」でMTeX2
にチェックが入っているか確認
• EmEditorのツールバーの「プラグイン」の中から「TEX」をクリック
• MTeX2の左上のアイコン「文章クラス」の設定をクリックして開く(図 4)
図 4: M’s TeX helper 2で文章クラスの設定
• 基本的にはそのまま OKを押すと以下のように表示される
\documentclass{jarticle}
%\title{} %タイトルを設定します.
%\author{} %著者を設定します.
%\date{} %日付を設定します.標準では dviファイルを作成した日付が設定されます.
\begin{document}
%\maketitle %タイトルを出力するには,行頭のコメントをはずしてください.
%\pagestyle{empty} %行頭のコメントをはずすとページ番号を出力しなくなります.
%\thispagestyle{empty} %行頭のコメントをはずすとこのページのページ番号を表示し
ません.
\end{document}
< TEXの使い方 (入門)> #5
• \begin{document}から\end{document}の間に本文を書き,\begin{document}の前の部
分をプリアンブルと呼び,文章全体の書式などを定義するコマンドを書く
• とにかくこの間に何か書いてみよう.たとえば「これは\TeXÃのテストです」と入力し,そ
れを適当なフォルダに test1.tex(拡張子は必ず.texとする)として保存する
• 入力し終わったら,DVIのアイコン(緑色のもの)をクリックし,なんだかウインドウが開
き表示された後にウインドウが閉じて,DVIOUTが立ち上がり,印刷できるような用紙に
表示されたら OK
• DVIOUTのアイコンからプリンタのアイコンを選びクリックすると印刷選択画面が出てく
る(図 5)
図 5: DVIOUTのプリンターを選択すると
• setup から印刷可能なプリンタを選択し,OKをクリックし,無事印刷されたら OK
• 今度は%\title{} %タイトルを設定します.の文頭の%を削除し,カッコ内に「始めての
\TeX 」と入れる.その下の%\author{}のカッコ内に自分の名前を入れてこの行頭の%もは
ずし,4行下の%\maketitleの%も削除し,今度は TEXのアイコンをクリックする.%はコ
メントを表し,%をつけることををコメントアウトといい,コマンドとして扱われない.ま
た TEXのアイコンは 1回コンパイルし,DVIのアイコンは DVIファイルを表示し,もし
文章が変更されていると 2回コンパイルしてから DVIファイルを表示する.
• なお,\Texと入力しようとすると,ウインドウが開き候補が表示される.そこで矢印キー
で選択して tabキーを押すと文中にそのコマンドが入力される
• ここでタイトルや自分の名前は基本的はすでに設定されている大きさになる.日付も今日の日付が自動的に入るはず(日付を入れたくない場合には,%\date{}の%を外してカッコ内を
空白にする)
< TEXの使い方 (入門)> #6
1.5 TEXの仕組みを少し理解しよう
1. コマンドプロンプトを開く(「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「コ
マンドプロンプト」)
2. TEXの文書があるディレクトリ(フォルダ)に移動(cd c:\\temp..)
3. そこで platex test1と入力(拡張子は不要のはず)
4. うまくいくと test1.dviと test1.dviができたように表示されるはず
5. 今度はその DVIファイルを dvioutで表示する(dviout test1と入力)
図 6: コンパイル準備
図 7: コンパイル結果
< TEXの使い方 (入門)> #7
図 8: DVIファイルの表示
■コンパイルの流れ *.tex → *.aux → *.dvi
1. エディタで文書を入力し拡張子が *.tex というテキストファイルを作成する
2. それを platex という文書整形プログラムでコンパイルし,*.dvi という DVIファイルを生
成する
3. その DVIファイルを dviout というプログラムで表示,印刷する
これをM’s TeX Helper ではアイコンに割り当てていて,この流れを意識せずに使えることに
なる
1.6 数式に挑戦
■式だけを独立させる
\[
y = ax + b
\]
\begin{equation}
y = ax + bx^2 +c
\end{equation}
と入力すると
y = ax + b
y = ax + bx2 + c (1)
その式の番号を文中で参照するには
< TEXの使い方 (入門)> #8
\begin{equation}
y = ax + bx^2 +c \label{eq:ex1}
\end{equation}
y = ax + bx2 + c (2)
と入力し,\ref{eq:ex1}を使うと式 2はとなる.ただし,2回コンパイルが必要
相互参照 TEX の便利な機能の一つに相互参照がある.これは\label{hogehoge}でラベルづ
けをしておき,それを\ref{hogehoge}で参照する仕組み
■複数の式の =をあわせる
\begin{eqnarray*}
y &=& ax + b \\
y &=& ax + bx^2 +c
\end{eqnarray*}
と揃えたいところで& &で囲んで,さらに一つの数式の終わりに改行\\を入力すると
y = ax + b
y = ax + bx2 + c
番号つきにするには
\begin{eqnarray}
y &=& ax + b \\
y &=& ax + bx^2 +c
\end{eqnarray}
と揃えたいところで& &で囲んで,さらに一つの数式の終わりに改行\\を入力すると
y = ax + b (3)y = ax + bx2 + c (4)
■文中に式を入れる 文中に式を入れる場合には,$y = ax + b$で囲むと y = ax + bとなる
■いろいろなスタイルファイルの宝庫 http://mechanics.civil.tohoku.ac.jp/ bear/bear-
collections/style-files/style-fj.html
< TEXの使い方 (入門)> #9
1.7 表
■簡単な表 MTeX2 の下の行の左から 3番目が表を作るコマンド
図 9: MTeX2で表作成を開いたところ
\begin{table}[htbp] %表を適当に移動させる.最後のカッコ内はその位置指定で
h: here, t: top, b: bottom, p: page
\caption{表見本 1} %これが表のタイトル
\label{fig:table_test} %表を相互参照するためのラベル(任意)
\begin{center} %中央に置く
\begin{tabular}{clr} %表の形式.{ }内は各列の文字配置で c: center, l: left, r: right
10 & 11 & 12\\ %ここから表の中身.各セルは&で区切る
200 & 222 & 233\\
3000 & 3333 & 3444\\
\end{tabular} %表のおしまい
\end{center} %中央配置のおしまい
\end{table} %表の位置指定のおしまい
表 1: 表見本 1
10 11 12
200 222 233
3000 3333 3444
¶ ³表の位置指定を,hだけ,tだけ,bだけ,pだけにして,どうなるかみようµ ´
< TEXの使い方 (入門)> #10
■列の統合 何列かをまとめて一つにするには,\multicolumn{3}{c}{まとめて}というよう
にすると,3列がまとまりその中央に文字が来る
表 2: 表見本 2
まとめて
10 11 12
200 222 233
3000 3333 3444
■罫線を入れる 罫線は横が\hlineで,縦は列の位置指定のところで{|c|l|r|}で入る.横の
罫線を 2本引きたければ\hline \hline
表 3: 表見本 3
まとめて
10 11 12
200 222 233
3000 3333 3444
部分的に罫線を引くには\cline{2-3}で 2列目と 3列目の下に罫線が入る
表 4: 表見本 4
男 女
被験者 身長 体重 身長 体重
1 178.2 56.3 165.3 42.3
2 185.5 98.2 142.9 35.3
3 163.6 65.3
■アスタリスクをつけて列を揃える 有意水準等を表すために,アスタリスク (*) をよく使う
が,それをつけたまま列を揃えるには,アスタリスクを\rlap{*}とする
■表の横幅を指定する 表の横幅は自動的に設定されるので長い文章とかを入れるとはみ出てし
まう.そこで表の横幅を指定しておくと自動的にその幅で改行してくれる
そのためにはプリアンブル(\begin{document}の前)に,\usepackage{tabularx}
を入れ,\begin{tabular}...\end{tabular}の代わりに\begin{tabularx}{幅}{列指定
}...\end{tabularx}とし,幅を自由に変えてよい列には Xを指定する.左寄せになりますが
普通長いのは文章なので問題ないでしょう
■Excel からの表の変換 私は Excel2tabular を使っていますが,ほかにもいろいろあるよう
です.
< TEXの使い方 (入門)> #11
表 5: 表見本 5
まとめて
10 11 12*
200 222 233**
3000 3333 3444***
表 6: 表見本 6
まとめて
これはとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとて
も長い文字とかが入る場合の例です
11 12
これはとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとて
もとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとても長
い文字とかが入る場合の例です
222 233
これはとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとて
もとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもと
てもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとても長い文
字とかが入る場合の例です
3333 3444
図 10: Excel2Tabularのアドインを開いたところ
< TEXの使い方 (入門)> #12
1.8 図
TEXで挿入する図は基本的には EPS(Encapsulated Post Script)と呼ばれるファイル形式で,
PostScriptによって記述されたベクタ形式の画像データを保存するためのファイル形式の一つ.
図の挿入は以下の手順で行う
(参考 URL http://www.geocities.jp/tanaken_1018/tex/tex7.html)
1. Postscriptプリンタドライバのインストール
2. インストールした PS プリンタに印刷する
3. できた PS ファイルを GSview で EPS ファイルに変換する
4. TEXに貼り込む
1.8.1 Postscriptプリンタドライバのインストール
• Adobe ダウンロードページから winstjpn.exe をダウンロードする。[Download] のロゴを
クリックし、[保存] を選択し保存先をデスクトップに決めるとダウンロード
• ダウンロードが終了したら、デスクトップの psprinter installer アイコンをダブルクリック
•「プリンタの接続方法」は「ローカルプリンタ」にチェック•「ポートの設定」を聞かれたら、[FILE] を選択
• そのほかはデフォルトのままで構わない(プリンタの名称はわかりやすいように TeX_psと
かにしておくといいかもしれない)
•「スタート」→「設定」→「プリンタと FAX」→「TeX_ps」→右クリック→「印刷設定」→
「詳細設定」(図 11)
•「Postscript 出力オプション」を EPS(Encapsulated Post Script)に
•「TrueType フォントダウンロードオプション」を自動に
図 11: 印刷設定で当該プリンタの詳細設定を開いたところ
< TEXの使い方 (入門)> #13
1.8.2 インストールした PS プリンタに印刷する
• Excelを開いて何か図を作る
•「ファイル」→「印刷プレビュー」→「設定」→「ページ」で縦置きに•「ファイル」→「印刷プレビュー」→「設定」→「グラフ」で自動調整に•「印刷」で,プリンタを TeX_psを選択し,OKでファイル名が聞かれる
• ここで拡張子を *.ps にしたファイル名を入れると,My Documents の中にファイルがで
きる
• 別のフォルダに保存するならば,フルパスで C:\tex_demo\fig_demo.psとすると希望の
フォルダに保存されるはず
• そのファイルをダブルクリックするとGSviewが立ち上がり(途中で何か聞かれたらOKと
答える),図が表示されると成功
• ダブルクリックで立ち上がらないのは GSview と拡張子の*.ps が関連付けられていないの
で,「スタート」→「コントロールパネル」→「フォルダオプション」→「ファイルの種類」
から PS を探し出し,「拡張子 ”PS” の詳細」から「変更」を選び,GSview32 を選択する
(図??
図 12: フォルダオプションを開いたところ
1.8.3 できた PS ファイルを GSview で EPS ファイルに変換する
•「File」→「PS to EPS」を選択
• 必ずファイル名の拡張子に*.epsを入れる(図 13)
• これで張り込む図の準備は完了
< TEXの使い方 (入門)> #14
図 13: PS to EPS を選択したところ
1.8.4 TEXに貼り込む
プリアンブル\begin{document}の前に\usepackage[dvips]{graphicx} を入れて,図を貼
り込む準備をする.
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=0.5\textwidth,keepaspectratio=true]{demo.eps}
\end{center}
\caption{図のタイトル}
\label{図のラベル}
\end{figure}
ここで [width=0.5\textwidth,keepaspectratio=true] は文章幅の 0.5 倍で縦横比は同
じでという意味
01234567
L1 L3 L5 L7 L9 L11 L13 L15 L17 L19 T1 T3everysummary
図 14: 図のタイトル
< TEXの使い方 (入門)> #15
[width=10cm,keepaspectratio=true]というように実寸も指定できる
また,[origin=c,angle=90]で,図の中心 (c)を原点として,90度回転させることもできる
01234567 L1L3L5L7L9L11L13L15L17
L19T1T3every summary
図 15: 90度回転させて幅 4cmにしたもの
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[origin=c,angle=90,width=4cm,keepaspectratio=true]{demo.eps}
\end{center}
\caption{90度回転させて幅 4cmにしたもの}
\label{図のラベル}
\end{figure}
さらに図の番号は自動的に割り振られるから,図の位置を変えるだけで番号も変わる
< TEXの使い方 (入門)> #16
1.9 文献
TEXで最も論文執筆に強力だと思うのがこの文献の自動生成.
■全体的な流れ
1. 文書本体のファイルと文献データベースを用意する
2. LATEXを実行する→参照情報が入った aux ファイルを作成
3. JBibTex を実行する→ bbl ファイルを作成
4. LATEXを実行する→ bbl ファイルを取り込む
5. LATEXを実行する→相互参照の完成
1.9.1 文書での文献の指定
文書本体での文献の指定は\cite{2109:wa98}と文中に入れる (Watts & Strogatz, 1998).こ
の{2109:wa98}が参照名(ラベル)である.また,\cite[p. 440]{2109:wa98}とすると引用
ページ数も入る (Watts & Strogatz, 1998, p. 440).
文献表のスタイルファイル(拡張子は.bst)をまず指定する.一般的なものとしては
jplain.bstがあるので,\bibliographystyle{jplain}を\end{document}の前にいれる
そのあとで,\bibliography{bibdata}と文献データベースのファイル名を指定する.文献
データベースの拡張子は.bibである(ここでは bibdata.bibが文献データベースと仮定).
複数のデータベースを利用することも可能で,\bibliography{bibdata1,bibdata2}と続け
て記述すればよい
■私の場合 私は心理学関係なので APA (American Psychological Association) の pubilica-
tion manual に沿って書くことが多いので,プリアンブルで\usepackage{jtheapa}を取り込
み,スタイルファイルは認知科学会の jcss.bstを使うことが多い
■文書本体の例
\documentclass{jsarticle}
\begin{document}
この研究はこうだった\cite{2109:wa98}
\bibliographystyle{jplain}
\bibliography{d:/STM/reference/ref,d:/STM/reference/ref02}
\end{document}
< TEXの使い方 (入門)> #17
1.9.2 文献データベースの準備
■文献データベースのフィールド
author 著者名
editor 編者名
title 書名,論文名
publisher 出版社名
journal 雑誌名
year 出版年
volume 雑誌の巻
number 雑誌の号
pages ページ数
abstract 自由にかけるアブストラクト
■文献データベースの項目種別
article 定期刊行物または雑誌の論説記事
必須フィールド: author, title, journal, year
任意フィールド: volume, number, pages, month, note
book 出版社が明確な書籍
必須フィールド: author または editor, title, publisher, year
任意フィールド: volume, series, address, edition, month, note
booklet 印刷・製本されているが,出版社やスポンサーのないもの
必須フィールド: title
任意フィールド: author, howpublished, address, month, year, note
inbook 書籍の一部で,一つの章もしくは一定範囲のページを指す
必須フィールド: author または editor, title, chapter ないしは pages, publisher, year
任意フィールド: volume, series, address, edition, month, note
incollection 書籍の一部だが,それ自体に表題がある
必須フィールド: author, title, booktitle, publisher, year
任意フィールド: editor, chapter, pages, address, month, note
inproceedings 会議の予稿集に収録された論文
必須フィールド: author, title, booktitle, year
任意フィールド: editor, pages, organization, publisher, address, month, note
manual 技術文書
必須フィールド: title
任意フィールド: author, organization, address, edition, month, year, note
mastersthesis 修士論文
< TEXの使い方 (入門)> #18
必須フィールド: author, title, school, year
任意フィールド: address, month, note
phdthesis 博士論文
必須フィールド: author, title, school, year
任意フィールド: address, month, note
proceedings 会議の予稿集
必須フィールド: title, year
任意フィールド: editor, publisher, organization, address, month, note
misc 適当な項目種別がないもの
必須フィールド: なし
任意フィールド: author, title, howpublished, month, year, note
■文献データベースの例
@article{2109:wa98, → これがラベルでこの名前で参照する.私は通し番号+著者 2 文
字+年下二桁
author="Duncan J. Watts and Steven H. Strogatz", → 著者名
year=1998, → 発行年
title="Collective dynamics of ’small-world’ networks", → 論文名
Journal="Nature",→ 雑誌名
volume="393",→ 巻
pages="440-442",→ ページ数
kw="small-world network, ",→ 自分で作ったキーワード
abstract="regular networkと random networkの間に存在するネットワークを規定したも
の
その指標として 2 つのノード間の平均距離として平均パス長 (path length) L と,
あるノードとつながっているノード同士もつながっている確率であるクラスタ係
数 (cluster coefficient) Cを考える.2006/09/12 17:27" → 自分のメモ
}
@book{momentum:al05,
author="Alistair Higham and Chris Harwood and Andy Cale", → 著 者 は
First Family の順ですべて and でつなげる
year=2005,
title="Momentum in soccer",
publisher="Coachwise Ltd.",
address="Leeds, UK",
abstract="イングランドサッカー協会の教本?"
}
< TEXの使い方 (入門)> #19
@inbook{1324:kel83,
author="J. A. Scott Kelso and Betty Tuller and Katherine S. Harris",
title="A {"dynamic pattern"} perspective on the control and coordination of movement",
→ ここが章のタイトル
booktitle="The production of speech", → これが本のタイトル
editor="P. MacNeiage", → これが編者
pages="137-173",
yesr=1983,
publisher="Splinger-Verlag",
address="New York",
kw="dynamic pattern, speech",
abstarct="発話に関するもの,#1020で引用"
}
@incollection{hashida94,
author="橋田 浩一", → 日本語も使える性と名の間は半角
yomi="hashida", → 読みを入れておくと ABC順に並び替えてくれる
title="認知科学における論争",
editor="安西 祐一郎 and 市川 伸一 and 外山 敬介 and 川人 光男 and 橋田 浩一",
booktitle="岩波講座認知科学 2 脳と心のモデル",
publisher="岩波書店",
year=1994,
address="東京",
pages="149-180",
abstract="古典的計算主義と相互作用主義(生態学的アプローチの言葉も出てくる)"
}
@inproceedings{1495:ku97,
author="Yasuyuki Kubo and Michiyoshi Ae and Norihisa Fujii",
title="Changes in joint torques and momenta of the body segments by the
practice in a medicine-ball backward throwing",
year="1997",
booktitle="XVIth Congress of the International Society of Biomechanics", →
予稿集のタイトル
pages="212",
kw="training effect, throwing",
abstract="メディシンボールのバック投げの練習に伴う関節トルクの変化"
}
< TEXの使い方 (入門)> #20
1.10 囲み
ちょっとした囲みはレジメなどに便利
\begin{screen}
これで囲む
\end{screen}
とすると¶ ³これで囲むµ ´文字を中央に寄せたければ
\begin{screen}
\begin{center}
これで囲む
\end{center}
\end{screen}¶ ³これで囲むµ ´
もっと凝った枠を使いたければ Googleで tex 枠あるいは tex 囲みと探すと
http://www002.upp.so-net.ne.jp/latex/waku.html
http://rakasaka.fc2web.com/tex/tex.html#kakomi
などが検索でき,そこで使われている fancybox.sty, ascmac.sty を検索して,ダウンロード
し,C:\usr\local\share\texmf\texの中に stlyemacroなどというフォルダを作り,そこへ
いろいろ入れておく
すると
\begin{itembox}[l]{左端に}
こんにちは.
\end{itembox}
で
左端に¶ ³こんにちは.µ ´となる
< TEXの使い方 (入門)> #21
1.11 別ファイルを取り込む
本体はプリアンブル(さまざまな定義など)や文献ファイルの指定などだけにしておき,実際
の中身は分割してファイルにしておき,それを取り込むことによって,ファイルを小分けにして
書くことができる.
またこうすることによって,文章の順番を簡単に入れ替えることができる.
■本体は
\documentclass{jsarticle}
\begin{document}
\input{sub1}
\include{sub2}
\end{document}
この中の sub1(.tex)と sub2(.tex)が中身
■sub1.texは
\section{inputの使い方}
\verb+\input{ファイル名(拡張子は省略)}+を使えば,別の作成したファイルを読み込むこと
ができる.なお,そのファイルがなかった場合にはエラーを出す
■sub2.texは
\section{includeの使い方}
\verb+\include{ファイル名(拡張子は省略)}+を使えば,別の作成したファイルを読み込む
ことができる.もしそのファイルがなければ無視してコンパイルする
また,\verb+\includeonly{ファイル名, ファイル名}+とすると\verb+\include+で読み込
まれるファイルを指定するすることができる
< TEXの使い方 (入門)> #22
文 献
Watts, D. J. & Strogatz, S. H. (1998). Collective dynamics of ’small-world’ networks. Nature, 393,
440–442.