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2.労働安全衛生法 労働安全衛生法は、労働災害防止と労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境 の形成を促進することを目的とする。 労働災害防止の3大骨子は以下のとおりである。 危険防止基準の確立 責任体制の明確化 自主活動の促進 10 条 総括安全衛生管理者 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、括安全衛生管理者を選任 し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項 の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させ なければならない。 ①労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。 ②労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。 ③健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。 ④労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。 ⑤前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令 で定めるもの 関連法規 施行令第 2 条 労働安全衛生法 (以下「法」という。)第十条第一項 の政令で定める規模の事業場は、次の各号に掲げ る業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。 林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 100 人 ②製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家 具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館 業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300 人 ③その他の業種 1,000 人 11 条 安全管理者 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定める資格を有 する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、安全管理者を選任し、その者に 前条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者を選 任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除く。)のうち安全に係る 技術的事項を管理させなければならない。 労働基準監督署長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対 し、安全管理者の増員又は解任を命ずることができる 関連法規 施行令第 3 条 法第十一条第一項 の政令で定める業種及び規模の事業場は、前条第一号又は第二号に掲げる業種の事業 場で、常時 50 人以上の労働者を使用 するものとする。

101 第15 条 統括安全責任者 事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているものの うち、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者は、その労働者及びその請負

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Page 1: 101 第15 条 統括安全責任者 事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているものの うち、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者は、その労働者及びその請負

2.労働安全衛生法

労働安全衛生法は、労働災害防止と労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境

の形成を促進することを目的とする。 労働災害防止の3大骨子は以下のとおりである。

① 危険防止基準の確立 ② 責任体制の明確化 ③ 自主活動の促進

第 10条 総括安全衛生管理者 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総

括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項

の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させ

なければならない。 ①労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。 ②労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。 ③健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。 ④労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。 ⑤前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令

で定めるもの 関連法規 施行令第 2条

労働安全衛生法 (以下「法」という。)第十条第一項 の政令で定める規模の事業場は、次の各号に掲げ

る業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。

①林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 100 人

②製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家

具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館

業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300 人

③その他の業種 1,000 人

第 11条 安全管理者 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定める資格を有

する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、安全管理者を選任し、その者に

前条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者を選

任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除く。)のうち安全に係る

技術的事項を管理させなければならない。 労働基準監督署長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対

し、安全管理者の増員又は解任を命ずることができる。 関連法規 施行令第 3条

法第十一条第一項 の政令で定める業種及び規模の事業場は、前条第一号又は第二号に掲げる業種の事業場で、常時 50 人以上の労働者を使用するものとする。

Page 2: 101 第15 条 統括安全責任者 事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているものの うち、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者は、その労働者及びその請負

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第 15条 統括安全責任者 事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているものの

うち、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者は、その労働者及びその請負

人の労働者が当該場所において作業を行うときは、これらの労働者の作業が同一の場所に

おいて行われることによって生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任

し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第三十条第一項各号の事項を

統括管理させなければならない。ただし、これらの労働者の数が政令で定める数未満であ

るときは、この限りでない。 関連法規 施行令第 7条

政令で定める労働者の数は、次の各号に掲げる仕事の区分に応じ、当該各号に定める数とする。 ①ずい道等の建設の仕事、橋梁の建設の仕事(作業場所が狭いこと等により安全な作業の遂行が損な

われるおそれのある場所として厚生労働省令で定める場所において行われるものに限る。)又は圧気

工法による作業を行う仕事 常時30人 ②前号に掲げる仕事以外の仕事 常時50人

第 15条 2 元方安全衛生管理者 統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業その他政令で定める業種に属する事業

を行うものは、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定める

ところにより、元方安全衛生管理者を選任し、その者に第三十条第一項各号の事項のうち

技術的事項を管理させなければならない。 第十一条第二項の規定は、元方安全衛生管理者について準用する。この場合において、

同項中「事業者」とあるのは、「当該元方安全衛生管理者を選任した事業者」と読み替える

ものとする。 関連法規 規則第 18 条

事業者は、作業主任者を選任したときは、当該作業主任者の氏名及びその者に行なわせる事項を作業場

の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。 関連法規 規則第 18 条 3

元方安全衛生管理者の選任は、その事業場に専属の者を選任して行わなければならない。

第 30条 特定元方事業者等の講ずべき措置 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行

われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じ

なければならない。 (1)協議組織の設置及び運営を行うこと。 (2)作業間の連絡及び調整を行うこと。 (3)作業場所を巡視すること。 (4)関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこ と。

(5)仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定める ものに属する事業を行う特定元方事業者にあっては、仕事の工程に関する計画及び作 業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設 備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づ

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き講ずべき措置についての指導を行うこと。 (6)前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項

関連法規 労働安全衛生規則

第 635 条 協議組織の設置及び運営

特定元方事業者は、法第 30 条第 1項第 1号の協議組織の設置及び運営については、次に定めるところに

よらなければならない。

(1)特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること。

(2)当該協議組織の会議を定期的に開催すること。

(3)関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければならない。

第 636 条 作業間の連絡及び調整

特定元方事業者は、法第 30 条第 1項第 2号の作業間の連絡及び調整については、随時、特定元方事業者

と関係請負人との間及び関係請負人相互間における連絡及び調整を行なわなければならない。

第 637 条 作業場所の巡視

特定元方事業者は、法第 30 条第 1 項第 3 号の規定による巡視については、毎作業日に少なくとも一回、

これを行なわなければならない。

関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が行なう巡視を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。

第 638 条 教育に対する指導及び援助

特定元方事業者は、法第 30 条第 1項第四号の教育に対する指導及び援助については、当該教育を行なう

場所の提供、当該教育に使用する資料の提供等の措置を講じなければならない。

第 638 条の 3 計画の作成

法第 30 条第 1項第 5号 に規定する特定元方事業者は、同号 の計画の作成については、工程表等の当該

仕事の工程に関する計画並びに当該作業場所における主要な機械、設備及び作業用の仮設の建設物の配置

に関する計画を作成しなければならない。

第 638 条の 4 関係請負人の講ずべき措置についての指導

法第 30 条第 1項第 5号に規定する特定元方事業者は、同号の関係請負人の講ずべき措置についての指導

については、次に定めるところによらなければならない。

(1)車両系建設機械のうち令別表第七各号に掲げるもの(同表第五号に掲げるもの以外のものにあっては、

機体重量が3トン以上のものに限る。)を使用する作業に関し第 155 条第 1項の規定に基づき関係請負

人が定める作業計画が、法第 30 条第 1項第 5号 の計画に適合するよう指導すること。

(2)つり上げ荷重が3トン以上の移動式クレーンを使用する作業に関しクレーン則第 66 条の 2第 1項の

規定に基づき関係請負人が定める同項 各号に掲げる事項が、法第 30 条第 1項第 5号の計画に適合す

るよう指導すること。

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特別教育を必要とする業務(規則第 36 条)建設に関係するもののみ抜粋

・アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等の業務 ・最大荷重1トン未満のフオークリフトの運転(道路上を走行させる運転を除く)の業

務 ・最大荷重1トン未満のショベルローダー又はフオークローダーの運転(道路上を走行

させる運転を除く)の業務 ・最大積載量が1トン未満の不整地運搬車の運転(道路上を走行させる運転を除く)の

業務 ・制限荷重5トン未満の揚貨装置の運転の業務 ・チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務 ・ボーリングマシンの運転の業務 ・ 建設工事の作業を行う場合における、ジャッキ式つり上げ機械の調整又は運転の業務 ・作業床の高さが10メートル未満の高所作業車の運転(道路上を走行させる運転を除

く)の業務 ・動力により駆動される巻上げ機(電気ホイスト、エヤーホイスト及びこれら以外の巻

上げ機でゴンドラに係るものを除く)の運転の業務 ・次に掲げるクレーン(移動式クレーンを除く)の運転の業務

つり上げ荷重が5トン未満のクレーン つり上げ荷重が5トン以上の跨線テルハ

・つり上げ荷重が1トン未満の移動式クレーンの運転(道路上を走行させる運転を除く)

の業務 ・つり上げ荷重が5トン未満のデリツクの運転の業務 ・建設用リフトの運転の業務 ・つり上げ荷重が1トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛けの業務 ・ゴンドラの操作の業務 ・作業室及び気閘室へ送気するための空気圧縮機を運転する業務 ・高圧室内作業に係る作業室への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する

業務 ・気閘室への送気又は気閘室からの排気の調整を行うためのバルブ又はコツクを操作す

る業務 ・潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務 ・再圧室を操作する業務 ・高圧室内作業に係る業務 ・酸素欠乏危険場所における作業に係る業務 ・特定粉じん作業に係る業務 ・ずい道等の掘削の作業又はこれに伴うずり、資材等の運搬、覆工のコンクリートの打

設等の作業に係る業務 ・ダイオキシン類対策特別措置法施行令においてばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を

取り扱う業務 ・棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務

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・廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及び

これに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務 ・石綿障害予防規則に掲げる作業に係る業務

2.1 安全衛生管理体制

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2.2 建設現場における安全衛生管理体制

建設業において発注者から直接請け負った建設業者は、「特定元方事業者」となるが、

特定元方事業者は、安全衛生にかかる統括管理を行う必要があり、中でも、労働者の人

数による事業場の規模によって、「統括安全衛生責任者」を選任しなければならない。

統括安全衛生責任者までは選任しない規模の現場で一定規模以上の場合には、統括管

理を現場で行う者に対し指導を行う者として「店社安全衛生管理者」を選任することと

なっている。

下請負業者においても、請け負った範囲の仕事を安全に実施するため、統括安全衛生

責任者との調整、その調整事項に係る指示についての連絡等を適切に行う責任者を明確

化する必要性から「安全衛生責任者」を選任しなければならない。

作業の種類によっては、危険性を最大限回避するために、一定の教育を受け知識を有

する資格者等に管理させるため「作業主任者」の選任が義務づけられている。

(1)特定元方事業者が選任する

①統括安全衛生責任者

労働者が 50 人以上の事業場。

ただし、ずい道等、庄気工法、一定の橋梁の建設工事の場合は、

30 人以上の事業場に選任し、事業場の統括管理を行わせる。

事項選任者 選任時期 報告の要否 報告先総括安全衛生管理者 選任事由発生から14日以内 ○ 所轄労働基準監督署長安全管理者 同上 ○ 所轄労働基準監督署長衛生管理者 同上 ○ 所轄労働基準監督署長産業医 同上 ○ 所轄労働基準監督署長

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②元方安全衛生管理者

統括安全衛生責任者を選任した場合に、統括安全衛生責任者を技術的管理面で

支援する。

③店社安全衛生管理者

統括安全衛生責任者を選任しない現場で、20 人以上の事業場に選任し、

当該現場の統括安全衛生管理を行う者に指導等を行う。

(2)下請負業者が選任する

①安全衛生責任者

統括安全衛生責任者との連絡、関係者への連絡、当該請負人の管理等を行う。

(3)作業単位の管理

①作業主任者

作業の種類によって、有資格者のうちから作業主任者を選任し、

職務の分担、氏名等を事業場内に周知しなければならない。

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2.3 建設現場における安全管理(元方事業者による建設現場安全管理指針)

第1 趣旨 本指針は、建設現場等において元方事業者が実施することが望ましい安全管理の具体的

手法を示すことにより、建設現場の安全管理水準の向上を促進し、建設業における労働災

害の防止を図るためのものである。なお、建設現場の安全管理は、元方事業者及び関係請

負人が一体となって進めることによりその水準の一層の向上が期待できることから、本指

針においては、元方事業者が実施する安全管理の手法とともに、これに対応して関係請負

人が実施することが望ましい事項も併せて示している。

第2 建設現場における安全管理 ①安全衛生管理計画の作成 元方事業者は、建設現場における安全衛生管理の基本方針、安全衛生の目標、労働災害

防止対策の重点事項等を内容とする安全衛生管理計画を作成すること。なお、この場合に

おいて、元方事業者が共同企業体である場合には、共同企業体のすべての構成事業者から

なる委員会等で審査する等により連携して、これを作成すること。 ②過度の重層請負の改善 元方事業者は、作業間の連絡調整が適切に行われにくいこと、元方事業者による関係請

負人の安全衛生指導が適切に行われにくいこと、後次の関係請負人において労働災害を防

止するための経費が確保されにくくなること等の、労働災害防止問題を生じやすい過度の

重層請負の改善を図るため、次の事項を遵守するとともに、関係請負人に対しても当該事

項の遵守について指導すること。 [1]労働災害を防止するための事業者責任を遂行することのできない単純労働の労務提供 のみを行う事業者等にその仕事の一部を請け負わせないこと。

[2]仕事の全部を一括して請け負わせないこと。 ③請負契約における労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の明確化等 元方事業者は、請負人に示す見積条件に労働災害防止に関する事項を明示する等により、

労働災害の防止に係る措置の範囲を明確にするとともに、請負契約において労働災害防止

対策の実施者及びそれに要する経費の負担者を明確にすること。また、元方事業者は、労

働災害の防止に要する経費のうち請負人が負担する経費(施工上必要な経費と切り離し難

いものを除き、労働災害防止対策を講ずるためのみに要する経費)については、請負契約

書に添付する請負代金内訳書等に当該経費を明示すること。さらに、元方事業者は、関係

請負人に対しても、これについて指導すること。なお、請負契約書、請負代金内訳書等に

おいて実施者、経費の負担者等を明示する労働災害防止対策の例には、次のようなものが

ある。 (1) 請負契約において実施者及び経費の負担者を明示する労働災害防止対策 [1] 労働者の墜落防止のための防網の設置 [2] 物体の飛来・落下による災害を防止するための防網の設置 [3] 安全帯の取付け設備の設置 [4] 車両系建設機械を用いて作業を行う場合の接触防止のための誘導員の配置 [5] 関係請負人の店社に配置された安全衛生推進者等が実施する作業場所の巡視等 [6] 元方事業者が主催する安全大会等への参加

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[7] 安全のための講習会等への参加 (2) 請負代金内訳書に明示する経費 [1] 関係請負人に、上記[4]の誘導員を配置させる場合の費用 [2] 関係請負人の店社に配置された安全衛生推進者等が作業場所の巡視等の現場管

理を実施するための費用 [3] 元方事業者が主催する安全大会等に関係請負人が労働者を参加させるための費 用 [4] 元方事業者が開催する関係請負人の労働者等の安全のための講習会等に関係請

負人が労働者を参加させる場合の講習会参加費等の費用 ④元方事業者による関係請負人及びその労働者の把握等 (1) 関係請負人の把握 元方事業者は、関係請負人に対する安全衛生指導を適切に行うため、関係請負人

に対し、請負契約の成立後速やかにその名称、請負内容、安全衛生責任者の氏名、 安全衛生推進者の選任の有無及びその氏名を通知させ、これを把握しておくこと。

(2) 関係請負人の労働者の把握 元方事業者は、関係請負人に対し、毎作業日の作業を開始する前までに仕事に従

事する労働者の数を通知させ、これを把握しておくこと。また、元方事業者は、関 請負人に対し、その雇用する労働者の安全衛生に係る免許・資格の取得及び特別教 育、職長教育の受講の有無等を把握するよう指導するとともに、新たに作業に従事 することとなった関係請負人の労働者について、その者が当該建設現場で作業に従 事する前までにこれらの事項を通知させ、これを把握しておくこと。

(3) 安全衛生責任者等の駐在状況の把握 元方事業者は、関係請負人が仕事を行う日の当該関係請負人の安全衛生責任者又

はこれに準ずる者の駐在状況を朝礼時、作業間の連絡及び調整時等の機会に把握し ておくこと。

(4) 持込機械設備の把握 元方事業者は、関係請負人に対し、関係請負人が建設現場に持ち込む建設機械等

の機械設備について事前に通知させ、これを把握しておくとともに、定期自主検査、 作業開始前点検等を徹底させること。

⑤作業手順書の作成 元方事業者は、関係請負人に対し、労働災害防止に配慮した作業手順書を作成するよう

指導すること。 ⑥協議組織の設置・運営 元方事業者が設置・運営する労働災害防止協議会等の協議組織については、次によりそ

の活性化を図ること。 (1) 会議の開催頻度 元方事業者は、協議組織の会議を毎月1回以上開催すること。 (2) 協議組織の構成

元方事業者は、協議組織の構成員に、統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理 者又はこれらに準ずる者、元方事業者の現場職員、元方事業者の店社(共同企 業体にあっては、これを構成するすべての事業者の店社)の店社安全衛生管理 者又は工事施工・安全管理の責任者、安全衛生責任者又はこれに準ずる者、関

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係請負人の店社の工事施工・安全管理の責任者、経営幹部、安全衛生推進者等 を入れること。なお、元方事業者は、構成員のうちの店社の職員については、 混在作業に伴う労働災害の防止上重要な工程に着手する時期、その他労働災害 を防止する上で必要な時期に開催される協議組織の会議に参加させること。

(3) 協議事項 協議組織の会議において取り上げる議題については、次のようなものがあること。 [1] 建設現場の安全衛生管理の基本方針、目標、その他基本的な労働災害防止対

策を定めた計画 [2] 月間又は週間の工程計画 [3] 機械設備等の配置計画 [4] 車両系建設機械を用いて作業を行う場合の作業方法 [5] 移動式クレーンを用いて作業を行う場合の作業方法 [6] 労働者の危険及び健康障害を防止するための基本対策 [7] 安全衛生に関する規程 [8] 安全衛生教育の実施計画 [9] クレーン等の運転についての合図の統一等 [10] 事故現場等の標識の統一等 [11] 有機溶剤等の容器の集積箇所の統一等 [12] 警報の統一等 [13] 避難等の訓練の実施方法等の統一等 [14] 労働災害の原因及び再発防止対策 [15] 労働基準監督官等からの指導に基づく労働者の危険の防止又は健康障害の

防止に関する事項 [16] 元方事業者の巡視結果に基づく労働者の危険の防止又は健康障害の防止に

関する事項 [17] その他労働者の危険又は健康障害の防止に関する事項 (4) 協議組織の規約 元方事業者は、協議組織の構成員、協議事項、協議組織の会議の開催頻度等を

定めた協議組織の規約を作成すること。 (5) 協議組織の会議の議事の記録 元方事業者は、協議組織の会議の議事で重要なものに係る記録を作成するとと

もに、これを関係請負人に配布すること。 (6) 協議結果の周知 元方事業者は、協議組織の会議の結果で重要なものについては、朝礼等を通じ

てすべての現場労働者に周知すること。 ⑦作業間の連絡及び調整 元方事業者は、混在作業による労働災害を防止するため、混在作業を開始する前及び日々

の安全施工サイクル活動時に次の事項について、混在作業に関連するすべての関係請負人

の安全衛生責任者又はこれは準ずる者と十分連絡及び調整を実施すること。 [1] 車両系建設機械を用いて作業を行う場合の作業計画 [2] 移動式クレーンを用いて作業を行う場合の作業計画 [3] 機械設備等の配置計画

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[4] 作業場所の巡視の結果 [5] 作業の方法と具体的な労働災害防止対策 ⑧作業場所の巡視 元方事業者は、統括安全衛生責任者及び元方安全衛生管理者又はこれらに準ずる者に、

毎作業日に1回以上作業場所の巡視を実施させること。 ⑨新規入場者教育 元方事業者は、関係請負人に対し、その労働者のうち、新たに作業を行うこととなった

者に対する新規入場者教育の適切な実施に必要な場所、資料の提供等の援助を行うととも

に、当該教育の実施状況について報告させ、これを把握しておくこと。 ⑩新たに作業を行う関係請負人に対する措置 元方事業者は、新たに作業を行うこととなった関係請負人に対し、当該作業開始前に当

該関係請負人が作業を開始することとなった日以前の協議組織の会議内容及び作業間の連

絡調整の結果のうち当該関係請負人に係る事項を周知すること。 ⑪作業開始前の安全衛生打合せ 元方事業者は、関係請負人に対し、毎日、その労働者を集め、作業開始前の安全衛生打

合せを実施するよう指導すること。 ⑫安全施工サイクル活動の実施 元方事業者は、施工と安全管理が一体となった安全施工サイクル活動を展開すること。 ⑬職長会(リーダー会)の設置 元方事業者は、関係請負人に対し、職長及び労働者の安全衛生意識の高揚、職長間の連

絡の緊密化、労働者からの安全衛生情報の掌握等を図るため、職長会(リーダー会)を設

置するよう指導すること。 ⑭関係請負人が実施する事項

(1) 過度の重層請負の改善 関係請負人は、労働災害を防止するための事業者責任を遂行することのできな

い単純労働の労務提供のみを行う事業者等にその仕事の一部を請け負わせないこ と。また、仕事の全部を一括して請け負わせないこと。

(2) 請負契約における労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の明確化 関係請負人は、その仕事の一部を別の請負人に請け合わせる場合には、請負契

約において労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者を明確にすること。 (3) 関係請負人及びその労働者に係る事項等の通知 a 名称等の通知 関係請負人は、元方事業者に対し、請負契約の成立後速やかにその名称、請

負内容、安全衛生責任者の氏名、安全衛生推進者の選任の有無及びその氏名を 通知すること。

b 労働者数等の通知 関係請負人は、元方事業者に対し、毎作業日の作業を開始する前までに仕事

に従事する労働者の数を通知すること。また、関係請負人は、その雇用する労 働者の安全衛生に係る免許・資格の取得及び特別教育、職長教育の受講の有無 を把握するとともに、元方事業者に対し、新たに作業に従事することとなった 労働者について、これらの事項をその者が当該建設現場で作業に従事する前ま でに通知すること。

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c 持込機械設備の通知 関係請負人は、元方事業者に対し、建設現場に持ち込む建設機械等の機械設

備について事前に通知すること。 (4) 作業手順書の作成 関係請負人は、労働災害防止に配慮した作業手順書を作成すること。 (5) 協議組織への参加 関係請負人は、安全衛生責任者又はこれに準ずる者を協議組織の会議に毎回参

加させること。また、関係請負人は、混在作業に伴う労働災害防止上重要な工程 に着手する時期、その他労働災害を防止する上で必要な時期に開催される協議組 織の会議に店社の職員を参加させること。

(6) 協議結果の周知 関係請負人は、協議組織の会議の結果で重要な事項をその労働者に周知するこ

と。 (7) 作業間の連絡及び調整事項の実施の管理 関係請負人は、安全衛生責任者又はこれに準ずる者に、統括安全衛生責任者又

はこれに準ずる者等から連絡を受けた事項の関係者への連絡、及び連絡を受けた 事項のうち自らに関係するものの実施についての管理を確実に行わせること。

(8) 新規入場者教育の実施 関係請負人は、その雇用する労働者が建設現場で新たに作業に従事することと

なった場合には、当該作業従事前に当該建設現場の特性を踏まえて、次の事項を 職長等から周知するとともに、元方事業者にその結果を報告すること。

[1] 元方事業者及び関係請負人の労働者が混在して作業を行う場所の状況 [2] 労働者に危険を生ずる箇所の状況(危険有害箇所と立入禁止区域) [3] 混在作業場所において行われる作業相互の関係 [4] 避難の方法 [5] 指揮命令系統 [6] 担当する作業内容と労働災害防止対策 [7] 安全衛生に関する規程 [8] 建設現場の安全衛生管理の基本方針、目標、その他基本的な労働災害防止対

策を定めた計画 (9) 作業開始前の安全衛生打合せの実施 関係請負人は、毎日、作業開始前にその雇用する労働者を集め、次の事項につ

いて安全衛生打合せを実施すること。 [1] 当日の作業内容、作業手順、労働災害防止上の留意事項等についての関係労

働者への指示 [2] 作業間の連絡調整の結果の周知

[3] 関係労働者の労働災害の防止に対する意見等の把握 [4] 危険予知活動等の安全活動 (10) 職長会(リーダー会)の設置 関係請負人は、職長及び労働者の安全衛生意識の高揚、職長間の連絡の緊密化、

労働者からの安全衛生情報の掌握等を図るため、職長会(リーダー会)を設置す ること。

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2.4 建設工事計画届が必要な建設工事

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2.5 建設物・機械等設置届が必要な工事

2.6 作業主任者が必要な作業

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【問題 2.1】平成 20年度出題 建設工事において 1 次下請会社が工事安全上実施した対応に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。

(1)請け負った工事の工期が 1 ケ月と短かったために,特定元方事業者が設置した労働災害防止の協議会に参加しなかった。

(2)毎日,作業を開始する前に,当日の作業に従事する労働者の員数を特定元方事業者に通知した。

(3)作業内容が毎日同じであったために,作業開始前の労働者に対する作業の内容,手順,安全についての指示は,1週間ごとに 1回行なった。

(4)掘削作業に際し,自社所有のブルドーザを現場で使用するために,その持込みについて,特定元方事業者に事前に通知を行わなかった。

【問題 2.2】平成 20 年度出題

労働安全衛生法上,特定元方事業者が,その労働者及び関係請負人の労働者の混在作業

で発生する労働災害を防止するために行わなければならない措置として,誤っているもの

は次のうちどれか。 (1)協議組織の設置及び運営ならびに作業間の連絡及び調整を行うこと。 (2)作業場の巡視を少なくとも毎週 1回行うこと。 (3)関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。

(4)移動式クレーンを用いて作業を行う場合は,運転についての合図を統一的に定め,これを関係請負人に周知させること。

【問題 2.3】平成 20 年度出題

労働安全衛生法上,建設工事の現場における安全衛生管理に関する次の記述のうち,誤

っているものはどれか。 (1)人口が集中している地域内の道路上若しくは道路に隣接した場所で行う橋梁の建設工事で,常時 30人以上の労働者が作業する場合には,元請負者は統括安全衛生責任者を選任しなければならない。

(2)元請負者及び下請負者の労働者が,定められた人数以上で常時作業する建設現場では,元請負者及び下請負者の各々が統括安全衛生責任者と安全衛生責任者を選任しなけれ

ばならない。 (3)安全衛生責任者の職務の中には,当該請負人の労働者やそれ以外の者が行う作業によって生ずる労働災害に係る危険の有無の確認が含まれる。

(4)事業者は,作業主任者を選任したときは,当該作業主任者の氏名及びその者に行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等により,関係労働者に周知させなければ

ならない。

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【問題 2.4】平成 17 年度出題

労働安全衛生法に定められている安全衛生管理体制に関する次の記述のうち誤って

いるものはどれか。

(1)建設業を営む事業者は,常時 100 人以上の労働者を使用する事業場ごとに総括安

全衛生管理者を選任しなければならない。

(2)労働基準監督署長は,労働災害を防止するため必要があると認めるときは,事業

者に対し,安全管理者の増員又は解任を命ずることができる。

(3)統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で,当該仕事を自ら行うも

のは,安全衛生責任者を選任しなければならない。

(4)特定元方事業者は,都道府県労働局長の許可を得て,2つ以上の事業場において兼

務する元方安全衛生管理者を選任することができる。

【問題 2.6】平成 18 年度出題

労働安全衛生法で,労働者に安全又は衛生のための特別の教育をしなければならないと定

めている業務として,次のうちこれに該当しないものはどれか。

(1)アーク溶接機を用いて行う金属の溶接,溶断等の業務

(2)土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取りはずしの業務

(3)ずい道の掘削の作業又はこれに伴うずい道内部におけるずりの運搬の業務

(4)つり上げ荷重が 5トン未満のデリックの運転の業務

【問題 2.5】平成 18 年度出題

労働安全衛生法に定められている特定元方事業者が選任する統括安全衛生責任者に統括

管理させなければならない事項として,これに該当しないものは次のうちどれか。

(1)安全衛生責任者を選任すること

(2)関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこ

(3)作業間の連絡及び調整を行うこと

(4)協議組織の設置及び運営を行うこと

【問題 2.7】平成 16 年度出題

労働安全衛生法で,その仕事の計画をその仕事の開始日の 14 日前までに労働基準監督署

長に届け出なければならないと定められている仕事に該当するものは,次のうちどれか。

(1)堤高が 200 メートルのダムの建設の仕事

(2)最大支間 550 メートルの橋梁の建設の仕事

(3)長さが 3,200 メートルのずい道の建設の仕事

(4)圧気工法による作業を行う仕事

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【問題 2.9】平成 17 年度出題

労働安全衛生法で事業者が労働災害を防止するため作業主任者を選任しなければな

らないと定められている作業に該当しないものは,次のうちどれか。

(1)張出し足場の組立て,解体の作業

(2)コンクリート橋の上部構造で支問が 25 メートルの架設の作業

(3)コンクリート破砕器を用いて行う破砕の作業

(4)掘削面の高さが 2メートル以上となる地山の掘削(ずい這及びたて坑以外の坑の掘

削を除く。)の作業

【問題 2.10】平成 19 年度出題

労働安全衛生法上,作業主任者の選任を必要としない作業は次のうちどれか。

(1)高さ 5 メートル以上の足場の組立て,解体作業

(2)型枠支保工の組立て,解体作業

(3)ずい道等の覆工作菓

(4)掘削面の高さが 1メートル以上となる地山の掘削作業

【問題 2.8】平成 19 年度出題

労働安全衛生法において,厚生労働大臣へ工事計画の届出を必要としないものは次のうち

どれか。

(1)最大支間 500 メートルの斜張橋の建設

(2)堤高が 100 メートルのダムの建設

(3)長さ 3,500 メートルのずい道の建設

(4)0.5 メガパスカルの圧気工法による基礎工の建設

【問題 2.11】平成 16 年度出題

労働安全衛生法で,労働災害を防止するため作業主任者を選任し,その者に,当該作業に

従事する労働者の指揮等を行わせなければならないと定められている作業に該当しないも

のは次のうちどれか。

(1)高さが 4メートルのコンクリート造の工作物の解体又は破壊の作業

(2)型わく支保工の組立て又は解体の作業

(3)土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取付け又は取はずしの作業

(4)高さが 6メートルの構造の足場の組立て,解体又は変更の作業

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【問題 2.12】平成 15 年度出題

労働安全衛生法で,事業者が作業主任者を選任しなければならないと定められている作業

に該当しないものは,次のうちどれか。

(1)作業床の高さが 10 メートル以上の高所作業車の運転(道路上を走行させる運転を除く。)

の作業。

(2)つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。),張出し足場又は高さが 5 メートル以上の構造

の足場の組立て,解体又は変更の作業。

(3)掘削面の高さが 2 メートル以上となる地山の掘削(ずい道及びたて坑以外の坑の掘削を

除く。)の作業。

(4)メタン,エタン又はブタンを含有する地層に接し,又は通ずる井戸,井筒,ずい道の内

部など酸素欠乏危険場所における作業。