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商学論集 第6奪巻第P} 鰺獣年欝莞1
【論 文墜
企業形態としてのLBO
一企業支醗における負綾の役割
伊 藤 宣 生
i はじめに
論題を「企業形態としてのし聾0 企業支翫における負綾の役割 」としたのであるが,
LBO,すなわちLever徳eδB響{)膿とは飛要資金の多くを負縫(籔篠および馨入金など)に俵存
した企業買取(行為〉であり,とくに被買駿金業の資産をその借入金などの担保に充てるという企
業買薮である重}.したがって,LBOそれ露体ぷ特定の企業形態(縫造)を表現するものではない.こ
のため,ここでは,講題をこのように付けたことの意殊を舅らかにしておくことが必要になる。す
なわち,この意味を舅らかにすることが本蕪の醤的を瞬らかにすることにもなる。
i§癬年代のアメ効における企業買蝦(M&A)を特籔づけているLβ0では,厳.C.」錐s磁が論
遠しているように,LBOの実行蕪と実行後とを比較するなら“被買叡企業における鐵資・支猷・経
営の麗係鯵が著しく変化させられることになる2}。たしかに,L馨0が実着される以醜も以後も,その
企業の“法律的企業形態”櫨株式会縫である。しかしながら,講じ株式会社であっても,L 30の実行
羨と実行後とでは,その企業における“鐵資(株主購絞)・支醍・経営の関係壁,とくに“企業におけ
る支羅関係押に著しい質的変化を示すケースが多いのである。
われわれは,“法律的企業形態”とは異なる,“経済的企業形態(以後 単に企業形態というアの
分類基準を“企業における鐵資・支醍・経営の闘係”,とくに“企業にお捗る支配幾係”に置いている。
このため,L80の実行後に,当該企業における“鐵資・支翫・経営の闘係”,とくに“その支蔑麗係野
が著しく変化するという事態は,LB()ボその被買取企業の企業形態(多くの場合,買取企業はペー
パー・カンパニーであり,員数後に被買取企業と合舞されるのであるから,結局は買叡後に成立す
る企業の企業形態〉を変死させること淋認められることになる。すなわち,Je総e藍の指摘するとこ
ろによれば,L80はその企業買毅後に較宣する企業(夢ost一馳yo盛coでβor&t重縫)の企業形態を変化
させることになるのである.このため,L露0という企業買取(行為〉は企業の形懸(構造)を変化
させると遅解でぎるのであ参,この意殊において竃稿では“企業形態としてのし欝0”という表現を
i) ごの点については.開連文獣それぞれが言及しているのであるが,纒えば.」.ぎ.WestG蔓,K.S.C難蹴弩a藏S.
昆.登oa響,醒ε響8鴛燃オ耀認鐙初島欝言ゴCo塑。躍麺α}窺κ麗,野r騰t孟ce}捻ll,欝欝.夢.3§3,などを参照。
2)躍.C,Je糞se豊,島£C重量警seo負舞e琴曲碁cCOr費0ギat魏”,磁麗躍激S競εS1~ε搬r甜,Se継、一〇ct,、亙鱒μrM、C、
舞舞se糞1董1)醗.§玉一7護.
3[3
商 学 論 集 第饒巻第i号
しているのである。
筆泰は,L90の羅済的利点を強く擁護しているJe懸錐の論文r公開株式会社の衰退(聡。董童舞e o{
t麸e蛋〉t癒薮cCG翼)o瓢a重量。糞)」3茎に注1露してゆこうとしている。Je縫se擁壁ま,「この一鍵紀,含衆蟹におけ
る経済発嚢の主要エンジンであった公衆株式会社(出ε舞糠dy盤e溢。艇登醗at沁η)は経済の多くの
認門で春効性を失ってぎて,衰退化してきている轡と違べ,この衰退化を遜避するためには新しい
纏織の婁現が必要であるとみなしている。この場合,かれは,新しい癒1織の成立をLBOによって実
現していこうとしているのであ今,すなわち企業形態に変裏・変革をもたらそうとしているのであ
る。恥欝磁は,衰退紀してぎている公開株式会軽1に外して.L叡)による企業形態の変更・変藁を通
じて企業業績(株主の富によって灘足する業績)の敢善を麟っていく必要のあることを強調してい
るのである.
本稿では.公絹株式会書士における業績改善という問題をLB()による企業形態の変更・変革という
視点からみていこうとしているJe聡¢簸の主張について,結果論的考察となる可能性があることを
おそれずに,これが内包している本質的開題について検討していこうとしている。とくに,Je聡e嚢
は,LBOによる企業形態の変更・変革ということにおいて,株主による企業支醗あるいは企業支蔑
における負縫の役割を重視しているのであ今,これらについて投舞納験討をしていこうとしている。
次簾では,」ε登se登の窯張の特籔とその開題点を競らかに,していくことに1する。
2 護餓s鎌の発解
M、C、」磯se難の論文(M.C.」麟s雛1至3)は,i§8§年秩の琶arv簾δき戯s量盤ess衰ev重ewに掲載され
ているのであむ,実に徽妙な鋳類に公調された。」磁s雛のこの譲文では企業論などでの通説とは著
しく異なる内容が展鵜されているのであ弩,その発表の蒔難という問題と重なって,筆老がこれの
評癒をするに墨たっては絹当に羅惑させられた。この発表の蒔難という開題が,かれの主張の評麺
を相当に羅難にしていたのはつぎのような遅霞に基づく。この論文が公表された直後のig鱒年2月
鴛8にジャンク・ボンド(撫曲繍磁)禦場の育成で急成長した投資銀行ドレクセル・バーナム社
の持株会裡が霧産したこと5垂,麟年度(鰺89年)に生じたユナイテッド航空の欝株会鮭UALに薄す
3) 躍、C.}澱総霧難.M.C.」艦s艦は多数の論文を執筆しているが,廠稿では,この論文(赫.C.舞茸鎚簸弱)の
饒紅つぎのような講氏の論文を参難むている。
“A奮e糞cy CGst o蛋欝ree Ca曲F董ow,CO珍orate鼓η我貧ce,a蟹墨q欝欲e⇔マers’ラ.ゴ4辮礎露醗Eご醗。携露窪8麗薇’、
Ma繋懸,(M.c,麺s磁纐).
“丁難e T a藪ε{}ver Co簸tr〔}veギsy:A費&翌ys董s a建{圭εv圭感e龍ce”,絵雛.,暮y J.C.Co鐸ee,歪r.L.L(}we鷺ste量鍛a欝{塁S.
衰{)se-Ac短資灘.κ囎銚勲漉欝漫惣耀ε,Ox{{)r6習溜3rs量ty駐ress,欝8,腿.C.知se盤睡]).
‘‘Ac粧ve茎}west(》rs.L墨30s.a貧4t轟e Pr墨v&t量z黛蓑{撮{鍾B盆盤1{欝欝tcy”,ノ≧}鍵脚窟~4護躍)~愈4C{}ゆ{}照露弄¥鷺窟鐙‘ぞ,
S夢ギ雄暮i§8{妻、懸護.C.Je磯se礁蓑V】).
翌耀.C.まe盤se糞 a監護l W.翼.真雇ecl{雛蔓霧,“丁蚤ε{}ry {}{ t盤乏} ぎ圭ギ溢:藝蓬最舞婁霧er訟1 馨ε}疑蔓v墨or,A暮e惣cy Costs 我盤{董
0職eτs蜘Str慧ct甑ゼ.加耀縦断醸麟潔εご(》欝融欝,3,i鰯.(M.C.Je贈班V]).
蟻.c.舞費se鍛!至1.夢.磁.
この点については厳奉経済新藤(擁えば,捲鱒年2碁盤資,欝難年i2月7難〉などで多くの馨道疹なさ讃
ている。二二では.8t美s魏ess We欲,“A董ter Drexel”,Eeむ難ary箆,i§鱒、脚.2i一璽,なども参難。
4[3
欝藤:LB()の開題点
るLBOが資金講達に矢数したこと,あるいは壽ナダの不動産会鮭キャソポーが経営危機になった
ことなどからジャンク・ボンドの信霧不安がよ鯵表面化し,LB()のための有力な資金瀬であった
ジャンク・ボンド市場が崩壊することに重なった6}。このジャンク・ボンドの揺罵不安からその後の
LBOの韓数が耀巌に藏少することとなった。あるいは,アメ婆力の景気後退に伴う企業駿益悪化か
ら,企業における金秘負極の開題が強く懸念されるようになり,負棲による資本調達に大ぎく蟹存
するL猛0に求書する数半彗・反省も強く見られるようになった㍗。したがって,玉9齢年およびi§蟹}年
になると,L獄)それ自体が権当に藏少するようになったのであ今,この意蘇で,L蜜)を活離すべき
と主張する恥ηsε簸の論文は実に徽妙な時顛紅公醗されたことになるのである。
このような背景の変化から,今馨,」餓se欝が主張したようには,多くの産業における公翻株式会
社の衰退化を野選するためにしβ(〉を活濡するということが一般化するように.なるとは判1慰しえな
い溝泥にある。すなわち,今慧では,」ε葺se盤の主張するようには,LBOの活驚によって“歴史的企
業形態の発展邊程”に大幅な変更が簾えられるという事態が定養するようになるとは認められなく
なっているといえるのである8}。しかしながら,このJe簸se盤の譲文では,企業形態i論,企業論,株
式会縫論などに養いて今繋まで通説とされてきた内容とは著しく異なる内容が麗麗されているので
あり,LBOの普及および一一般龍という鶏題とは識麗して,この内容に係る総懸を検討してみること
に強い縫心がもたれる。ここで,通説と著しく異なる内容とは,つぎのような文駆から蓮解でぎる。
通常,企業形態の発展過程は(絶念的捲握ではあるが),縫大企業→人的集団企業(誘合名会筏)
→混合的集繊企業(≒合資会詮〉→資本的集団企業(競株式会鮭)という纈で野蛮えられている。企
業形態がこのように発展してぎたと掘握されることの論鑓は,主に,企業幾摸(資本調達能力)の
拡大と統一的・機動的な支醗・経営慧甕の確立ということに求められてきた。企業幾漢の拡大にお
ける鰹人の資本調達能力の銀翼を克駅するために人釣集遜企業が鐵現し,人的集懸企業における資
本調達縫方および支醗・経営の麟獲にみられる猿界を克殺するために澄金的集醗企業が鐵現し,そ
してさらに混合的集毯企業における資本講達能力および支醗・経営慧褻iの隆算を克羅するために1資
本的集団企業が灘現したと捉まえられてぎているのである劔。このように,この論選展翻では,企業
蔑膜(資本調達能力)を拡大し,しかも拡大された企業を統一的・機動的に支餐・経営することを
可籠にする麟度の確立を麩的として,新たな企業形態が灘次生起させられてきたことが主張されて
いるのである。
愈 二の点についても馨経企醗転覆i(耀えば,謄鱒年圭弩8讐,欝鱗隼3鍔鎗蓑卦などで多くの撮遵がなされ
ている.駿しの・螺鞠ト縫合や英籏駈空懲A)による撚Lへの濾(}では,藤本の金扇愛機震が鱈資を凝っ
たために.これが失歎したともいわれている.また,キャンポーの醸題については,S.翼.Ka鐸餓,“C&欝欝e&ぜs
汽。麟s重t醜磁F磁erat磁 Val鞭虜es艶ye透破Val縫eA麗e6 ”,加灘」棚飾醗翻E餅琶縦無 2§.玉§8今,鐙.醗一2i2、などを参照.
この点についても野本経済新羅ぐ樋えば,臆鱒年鷺弩3馨,欝毅年童月欝欝)などで多くの報送がなさ麗
ている.また.翫s漉ssW総獣.‘‘Leマerage6翫顎蓑ts難重猛。εart垂”,Feも.,i2,i鱒§.癒sl鍛essWee麹,‘‘A董l
t}鍛t Lεverage C《}欝εs薮3螢ぞt倉盆G{)st”,Se茎}.,欝,露懸,豆3騒s塗ess Weε1{,“翼{ンw T琵rεe Co難事)a盤es Ct誌
LO脅sdrG窪の曲t野,Oct.,2§,i§鱒,魏sま無essWe醸.‘‘至ηves之。ギsc寂痕鰐e箕。慧麟。ず議。舗st食欲s”.A登蹴
2§.圭露里などを参熱、。
ここでいう“整史的企業形態の発展遍程”ということの意味は、以下の講遽から蟹らかにされる.
この点については,搬書ぎ取締役会蟻の童義垂モ倉霧房,6§略7頁を参照されたい。
55一
商 学 論 集 纂§§善第P}
資本講達籠方を拡大してゆくために嫁,通常,鐵資老の人数を拡大し,懲資考の責紐を軽減し,さ
らには崖資者紅よる資本溺叡の優宣を露上してゆくことが必要である。このため,企業形態の発展
過程とは,畷鋳に,証券麟,有鞭責任麟,および証券毒場の発展遍程でもあることになる。証券麟,
鳶譲責任講灘よび証券畜場の発展・発達によって,企業は不轄定多数の鐵資者から多額の資本を講
達することを可籠にしたのである。また,この調達した多額の資本を統一的・機動的に運篤してい
くために株主総会や取締役会といった会社の機縫が発達してぎたのでもある。今鎌,このような意
鎌において資本調達能力の纏縫姓,および統一一的・機動的な支醗・経営の籠力を最大騒に具現して
いる企業形態は,公麗株式会蛙であるむ公麗株式会社嫁,その株式を証券毒場に上場すること1こよっ
て,膚鰻責狂を認められた不特定多数の株主から多額の資本を調達し,株主総会や取纏役会を通じ
て統一的・機動的に企業を支麗・経営していくことを可能にしているのである。
公麗株式会社は不特定多数の株主から資本を調達するのであ箏,資本の灘資妻皿株主(≒勝有者)
が各人で企業の支蔑・経営に当たることは不可能になる。このため,会社の機襲が整備され,株主
総会によって会琶は支醗され,取纏役会によって経営されることになる。この場合,株主総会の恵
態は株式による多数淡で決定されるため,いわゆる大株主がその支醗権を掌握できることになる。し
かし,さらなる株式の轟度な分散がいずれの株主をも企業の支魏・経営に当たることを不欝籠にさ
せ,重た岡持に,経営の専鱒知識や技能が急速に発達してぎたことから,企業の支醍・経営は専門
経営奏に委ねることがむしろ合遷的であると蓮解されるようになった(いわゆる解毒と支濯の分離,
あるいは経営者支醗論の成立〉。このため,今日まで,株主総会の形骸化,取締役会の形骸化,株主
と経営者の層害の態立などと言った問題が無学において多々鮨摘・縷説されてぎているのである。し
かしな藻ら,多くの場合,企業形態論,企業講,株式会巻論などでは,株式の分数,所有と斐醗の
分離,経営老菱鶴の成立といった慶念が現代企業の現実護墾に妥当なものとして承認され,これら
擾念に基づいて理代株式会社のモデルが形成されてぎているのである。
しかしながら,Je豊艶登は,このようなモデルに1よって鐙握・表現されている現代株式会鍾には重
大な欠臨が内窪化されていることを捲摘し,これを厳しく翫超している。Je欝sε欝が詣擁する麗代株
式会桂に内在化している重大な欠臨とは,主に,つぎのようなものである。すなわち,公醗株式会
桂,とくに企業成長が懇待でぎなくなった公麗株式会鮭では,経堂i識こよる会巻資源の浪費,とく
に有効瀦濡されていない資産やフ夢一・キャシュ・フP一(翻eec3語纏Ow〉鋤などの浪費がなされ
易く,このために株主の富解著しく擬傷される賓}能髪主力ζ高いということであるnき。かれ毒ま,有効灘/琴彗
欝〉 JeRse盤のいうフ琴一・キャシュ・フ貝一とはおよそつぎのように建義されている,“適講な資本コストで、将
来のキャシュ・フP一を覇演いた崖殊現産{遜鐙がプラスとなるような投資誕錘聾の総てに資金を投下して,さ
らに.なお余鶏として叢される資金である昌この点に1ついて,W登st鱗茎らは,当靉靆糎益唾縦続C脅抛銀 減繕
儀葺費予続撰後輩彗■予一投資一フ夢一・キャシュ・フP…と定義している(ぎ.貧,West繊,K.S.C蓋囎墓a麟S.
駐.鷺03奮,砂.ご〕鼠,§夢.i3さ運38)。したがって,3e貧se簸の箆解1こよれ1ま、フ彗一・キャシュ・フローを鳶する
途】業では登i陳現蓬{藝纏オζプラスとなるような投資機会を見いだ詮ない‘弓であ{3、 この資金を企業内1こ留{寒し
ておくなら経嚢濃によって漫費されることになるかもしれない。このため,橡董の齷齷を謀議・増擦させる
ためには,このフ亨…・キャシュ・フ騨一は嶽主の裁量による瀦絹に委蘇るべぎであ参,株二豊に醗分される
二と力竃望窪しいことになる。r纏.C.Je盈sむ擁護璽,耳》.6§,要纏.C.Je縫se養護難3,夢.32i.
董i) 聾蓬.C.」{盤sε醜[亜塞、p、§垂.
・… u一
攣藤:L80の開題点
されていない資産についてはこれを売蜂し,その売隷資金を株主に醗分させること,講時にフ夢一・
キャシュ・フP一についてはこれを株主に配分させることが,軽営者による株主の富の掻傷を圏遷
しうる方法であるとみなしている。」ε盤sε鷺は1,縫営者支配に麟する株主からのこのような撰:半彗を正
当なものと認識しているのであ拳,株主がさらなる富の損傷を騒遷するためには経営者から企業の
支醗権(co糟or展eco盤雌)を奪饗する以磐にないことを振籏しているのである墨客ここで,かれ
が展囃する論理は,今諺までの簸学の選講的有海とは反撃に,“経営老吏藝罫から“株主支醗鰭へと企
業支繋における変革をしていく必要性を主張しているものである。
したがって,かれは,現代株式会嫉のモデルに衰弱されているような企業纏織(企業形態)を根
本的に変更し,この変更に基づいて企業業績の向上を騒る必要性のあることを強く主張しているの
である。たとえば,その変更とは,第一に,不特定多数の墨資者から資本を講達することの必要性
を否定し,少数特定の株主による集中的な株式霧有の必要性を主張してお鯵,第二に1,自己資本(株
式)重視の資本調達を翫糊し,飽メ、資本窯彙債(繕入金,社綾)重幌の資本調達の実行を強調して
おむ(しかもこの点に関しては経営者による内記留保重視の豫1策を厳しく翫著している),第三に.,
株式のあ場を廃蓋し,非公糖化ぐ極εPr魏磁z&t沁簸。伍鱗茎奪)していくことの必要性を主張し,さ
嚇こ麹璽には,羅営老に穏当の株式を所有さ巷,これをいわゆる‘所有経営者”としての存在とすべ
ぎとみなしてている。これら 舞難船による主張を要約するなら次のようになる。
新しい企業形態と伝統的株式会凝
「一「伝納モデ・し_特定少数の株主
負縷の活罵
株式の非公醗乾
断有経.営老
不鷲定多数の株主
嚢己資本の充実
株式の公開
専門経営者
すなわち,Je簸s鎌は,不特定多数の株主による分散的な株式辮有および株式の公竸免が経営者支
鋸を成立させ,馨己資本(株式による調達資本)や内部留保の充実が経営嚢の霞律牲や支畿内を強
化してぎたこと,しかも経営者が株式を勝有しないために株主と経営者との講書鰐寛解発生するよ
うになることを開題にしているのである。このため,かれは,経営者から株主が支湿権を奪醤する
には上遠のような企業形態上の変革をなすこボ必要であると主張しているのであ甑これをLBO
によって実現していこうとしているのである。
」磁懸のこのような指惣ま,これまで企業論などで通説として遅解されてきだ企業形態の歴史
的発展遷程賢と著しく異なる難解であ塾,むしろその1整史的発展過程とは逆得する見解を鍵示して
いるといえるものなのである。Je盤se簸は,L80によって企業形態を変疑1し,これによって企業業績
を晦上させうるとみなしているのであるが,この」ε総雛の主張する企業形態の変更には,このよう
な企業形態論に麗する極めて重要な問題が提示されているのである。このため,上述したように,最
近に箆られるL馨0の減少.あるいは負籏依存に澱する毒場の反省(窮己資本重複の繧禽)などから,
12、殖、C、知se掛歪1,蹄。§4-65.
7伊O
商 学 論 集 第6奪巻第i号
Je総e盤が主張したようにはし90が多くの公辮株式会社に灘現するということの一一毅化は予難しえ
なくなっている。しかしながら,LB(〉の濫現・普及という鷺題とは識霧して,つぎのような観点か
らJe盤e簸の主張を検討していくことに.は惹昧がある。
今野蛮で,経営者支翫の破立が必然の現象であるとみとめるのであっても,経営者菱麗が生み治
す弊害を是澄していくことの必要性は多々提曝されてきている。しかし,これまでの提案ではその
方法として,主に,取締役会の活性化,内藩監査誕獲:の充実といったことが主張されてぎた麟ので
あって,」磁s餓の主張するような,軽/少数株主による嚢中的な株式勝有,(癖株式の非公騨化
(夢r玉vatセa重沁癖,韓資塞としての負燈(縫人資本)の活矯,鯵所有経営者的な経営毒の実現といっ
た内容からこの聡題にアプ揖一チした事綴は縁とんどなかったといえよう.このため,“経営者支醍
における弊害是髭”のための方法としてかれが提案する,株主支醗の復活,負績の活絹といった見解
に見られる簡題や膚交譲窪について,これを企業形態論的;蕊.点から吟殊1,検討していくことに強い関
心ボもたれる。
3 株主支醗へ命移行
Je総鎌は,経営者支醍から生じる弊害を是蛋する方法について,「遅論的には,このような新しい
綴織が必ずしも必要であるというわけではない,つぎにような主要な三機能(t銚ee盤3沁鍾蟹ces)
が経営者をコントP一ルすると言われている野1と述べ,軽/製品毒場,(pl取締役会を中心とする
内語統麟システム,および唇資水毒場の各々が果しうる役割の喜産することを指摘している。し
かしながら,かれは,現実には,婦資本毒場による機籠を除いて,(イ!製品市場および縛内蕊統麟
システムのいずれによっても経営者をコント・一ルするという機能慮発揮されなくなっていること
を重視しているα
本来,製品南場では,各会社の製贔に薄する顧客の評懸が表瞬され,各会社のマーケット・シェ
アーや稀益率などがこの評簸を具体的に表愛することになる。このため,マーケット・シェアーが
縮小し,穂益率が低下している場合,すなわちその会琶の製品に薄する腰客の評懸が舅らかに懸下
している場合,その会社の経営戦略の崔り方や経営者の能力が問題とされることになるはずである。
しかしながら,Je聡ε簸は,今欝,アメ琴力の製品竃場にこの機籠の発揮を獺待することはでぎなく
なっているという。この点については,アベグレンの蓼カイシャ善やM至丁のスタッフに.よって崖叛
された罫M段6e搬A盤ε錘。麟などに指摘されているような勘見解からも理解することがでぎるであ
ろう。すなわち,マーケヅト・シェアーボ縮小し,その会鮭の製品に鰭する顧客の評癌が低下した
場合,今馨のアメ蓼力では,経営者にマーケット・シェアーの懇復を要求することよウも,経営者
力ζそのま至場から早難尋こ撤退し, よ紀)駿益養生の高い茸ぎ場に資源を藤{三分する経営戦略をとることを奨
励・容認する顛講がみられるといえるのである。このため,」繊se麟ま,経営者の行動や業績をコン
露) この点については,藷掲叢書などを参難されたい。
i尋)M.c.知嚢se捻[亜1,欝.襲.
蔦) 」.C.アベグレン縫著,罫カイシャ圭講談擾,第7童「競争力を支える雑務繊略」,M.L.ダートウゾス飽著.無望a感e
搬A醗e額。雄 蒙慧鮭.第尋牽「薙簸約視聾」。
58一
馨藤:L80ξ)総懸点
ト導一ルするという機龍を製品毒場によって発揮されることが絵とんど難待できなくなっていると
みているのであろう。豪た,多くの場合,取編役会による内灘統麟システムが充分な機能を果さな
くなっていることも蔑に.明らかにされている。M、越3ceの実態調査などで示されたように,,取纏役
会による経営者の鴛動や業績のコント・一ルという機能の遂鴛には強い懐疑がもたれてきているの
である瞬。
経営者をコン卦β一ルするという機籠を,韓製品毒場と勧取締役会による内蕊統麟システムが
充分に発揮しえなくなっているという現実に遭遇して,Je簸se簸は,株主の富の掻傷を紡窮し亨ある
いは懇復していくという問題を解淡していくためには,8資1本慮場によるコγト賞一ル機能ξこ敏存
せざるをえない状濁にあると甥翻している。かれは,TOB(t猿eoverb懇)などの方法による資本
毒場での株式取得によって,経営者から企業支醍権を奪露し,株主嘗らが企業の支鐙・経営に密接
にかかわってゆくことの必要性を認識し,主張しているのである。この場合,資本薦場二‘毒企業支醗
権の薦場(出e醗鍍齢t o{co導催段te co雛ぎ。垂)”において,株主が経営者から企業支魏権を奪懇し
てゆく具体的方法として,かれは上達ぐイ)から⇔までの握案を示しているのである。
今欝蛮で,経営者支醗論での蓬論緩弱では,通常,経営者支醗が成立する基本的条稗の一つを株
式の分散であると捉まえてぎている。株式が高度に分散した企業では,株主総会成立のために委任
状の麟灘が不薄欠となるのであるが,この委妊状が経営老の掌中で管運されることになるからであ
る。しかも,経営毒麦醗論では,火煙摸銘した様式会巻の株式は不特定多数の株主によって勝有さ
れることになるのであ今,少数特定の株主が支蔑可能なほどの株式を集中的に海商できることはな
いとの賠黙の合意をしてき「たといえよう。したがって,少数特定の株主(綴人ないし法人ら)が支
断層能なほどの株式を集中的に断層でぎるなら,株主が経営者から支醗権を奪回でぎることは瞬ら
かである。
ところで,今響のアメ夢力では,P.F.の灘改鋏が指摘してぎているように,年金基金といった機
麗授資家などがその豊富な資金採有量に基づいて,公露株式会縫の株式を大量に保有し,また麟時
に.篠権を保有するという現象が絹らかに確認されてぎている緋。鯵縫年代のアメ華寿における
醗覆A,とくにL露0ではこれら機縫投資家が重要な役割を遂行し,経営者支翫論考が公器株式会桂
の株式が分散することの前提としていた規摸の翼題を克羅してし奮ったのである。すなわち,豊富
な資金保有量を有する機縫投資家の資金繰総力,あるいは以下に示すような緩買駿企業を握保とし
た藪業銀行からの欝入金や,機襲授資家らへのジャンク・ぶンドの簸売などによって,企業買験者
らは大会鮭の支灘権を取得しうるほどの資金を金融欝場から講達でぎるようになったのである。こ
のため,今羅では,株式斎場(資本薦場)における躍&Aやし 30によって,少数特定の株主ら鱗
過半数以上の株式を購入・取得(買占め)し,集中的に株式を勝有することによって経営者から支
醸権を奪堅し,株主支遅を成立させることが可能になっているのである。」ε総e無は,このような実
態から,Lβ0によって少数轄定の株主による集中的株式辮有が可能になるとして,これの実行を提
騰) アメ壁力における取纏役会の形骸化については,醜握揺馨を参黙されたい。
圭7)P.F.翫麗瞼,噴e改。蹴警w紬t縫夢e芝独滋舞麟嚢ε蠣磁織’『,繊麗躍蓋勉ε罐91~群吏ヌ翻,臨麟廠麺l
l9雛.なお,わが遷企業における菱縫については,織縞,「わが瞬企業の株式撰窟と支醗一実甕的試論 .i
商学議案 第57巻第2号を参照されたい,
9「3
繭 学 講 集 第6春巻第玉野
案しているのである。したがって,株主が経営者から企業支醍権を奪懇し,経営妾をコントP一ル
してゆく;異体的方法を,Je盤se欝がLBOによっての・軽/少数の特定:株主に・よる集中的な株式繕有で
あると主張することの意稼は瞬らかである.しかしこのことは,購時に,不特建多数の株主の存在
を前鍵とする公露株式斎場の必要性を否定(■と場廃壼)することにもなる。このため,かれボ聾株
式の非公號化を提案することの意隊も墾らかである。
少数の警定株主による株式の集中的勝有とは,具捧的にはア」を難総麓がLβGアソシエーション
(L80Assoda重め紛と呼ぶところの緩織による株式癬有として現れる。このLBOアソシエーショ
ンは,L8()をトドしていくしB()パートナーシップ(Lβ0登a麟er甑夢),L3()資金のためのファ
ンドを疑供する保験会社,無金基金などからなる婆ミティド・パー卦ナーシップ膿麺艶6照r雛er一
語獅),然よびLBOされる会桂の経営者,の三老から購成されるのである麟。この場合,KKR(Kra蕨s
K藤勝er警凌盆。娩賞s)などに代表させているようなLBOパートナーシヅプが後遠の“積極的授資
家鐸ということになる。このL馨0アソシエーションが企業支愛権を確鎌していくためには,つぎの
ような手続ぎを経ることになる。第一に亨Lβ()アソシエーシ垂ンがしβ0のためきこペーパー・カン
パニーを設立して,これに鬱金を墨資し,これが被買駿企業の株主から支離権の入手に必要な株式
を買叙する。つぎに,被員数企業とペーパー・カンパニーを合磁させ新しい会縫を設立し,合餅企
業の支蔑拳こ必要な株式をLB()アソシエーションが癬有するようになるというものである臼また,そ
の文賑から,株主利益の損傷を防比するために,L80アソシエーシ君ンの購成メンバーである経営
者にも穣当の株式を勝有させ,これを←1“勝有者的経営者讐として,株主と経営者との講書1緑豆を解
満していこうとすることの惹醒も霧らかである。
この少数特定の株主に関して,Je総e簸が“積極的投資家(&ct聾e雄vestors遭の役割というつぎ
のような説競をしていることには翼心がもたれる。経営者が公験株式会蛙の徳魑を破壊してぎたと
みなすことから,Je簸se簸は,この問題を是正していくためには側稜極的援1資家の再来}簿こよる縷織の
イノペーシ量ン(LBO)を鐵現せざるをえなくなったと達べ,“積極的投資家”とは,r縷当の株式あ
るいは負積を飛有し,取締役に就狂してお鯵,経営者を監視し・これを解雇することもあ移,投資
する余後の長難戦略淡建に参撫し,鋳惹こは自分で会被を経営する」轡投資家であると遠べている。し
かも,かれは,L80パートナーシップと蕎業銀行は謄鱒年以前に“積極的投資家齢によって遂行さ
れた役割を再発見したと理解し.鷺韓年以蕩の積極韓投資家の事鱗を」、P.醗。璽鍛およびその会社
などで示している鰍。Je総e轟は,こうした積極的投資家が,グラス・スティーガル法,ig33年銀行
購) 醗.C.舞舞Sε簸窪1.購}.6暮憾§,麓、C.Je簸鍵董}資Vl,鞍}.37-3§,」綴総魏菰羅示することなどによってこの麗嶽を
説麗しているのであるが,LBG夢a鍾配rs睡夢とはge鍵で譲夢ar雄εrs麺夢であ参,資金謫遷のために寒紅ll難一
茎t磁灘r膿αが綴織されるようであるll騨誌23)の携図を参購されたい)。
i§)醗.c.舞総ε簸1至1,費.弱.
2獅 このようにJe盤se盤が}.P.Mor馨a擁を穰極的投資家としてモデル化することやグラス・スティーガル薮など
を撲覇することに鰐して,M.C.」餓se欝の請文(醗.C.」磁s醗癒)に鷲する葺メント集(磁圭te6 魎 汽.L.
Kle6膿鍛,Lettεrs面出e重盗lt醒,磁r羅曜8解s鏡君$s盆ε躍ε2む、饗9》,{)ε£.,欝欝聾.灘2一騰8)の中でC.」.
May磁などは,今盤総締頭鷺おけるその独占鶴行動から,」.P.憾。響雛を英縫的に婁まえること,あるいは
これら薮建を特段遅れのものとみることに幾鞭厩解を尽している嚇鼠,麹.2騰嚇8)。なお,このコメン
ト集垂こはコPンビア大学のL.LOwe簸s艶鎗など欝名が投稿しているのであるが,この中Je嚢se農の疑解に1賛
講ずるものは尊人縁どであ弓,縫の多くは∫e聡e盤の箆解に幾糎麹なコメアトを示している。
一鱒一
解藤:L猛。の開題点
法,欝34証券取引駿,鰺38年チャンドラー破産敬鑑法,欝鶉年投資会縫法などの麟定によって,漸
次,存在しえなくさせられたことを重複しているのである鱒。すなわち,このために,公露株式会社
の経営者に対する難視がなくなったのであり,公麗株式会鮭に衰退党がもたらされるこξになった
と見なしているのである。機麗設資家(今繕の大株主)は無力親し,経営岩に耕する不満は株式を
発揮することか,あるいは株主総会で投票をすることかによる表饗しか方法がなくなっているので
あ今,このため,r葡率的な蓋規の不産が,新盤代の積極的投資家らが失われた懸廼を醤復するため
に行動せざるをえなくなったほどに,不効率をもたらしている。これら投資家は,会縫を買蝦する
ことによって,蒔代遅れの法律による麟1褒を克賑する,すなわち有効な自3監視(S越蓄盤O盤沁r搬響)
を機能させるため負績と株式の集中的藩有を騨濡する」謝ようになったと蓬解しているのである。
ところで,LBOアソシ二一シ避ンが設立するペーパー・カンパニー淋,鰐象とする公騰企業(被
買取金業)の株主からそのほとんどの株式を買駁するためには,穫めて多額の資金を必要とする。
総。では,総。アソシエーショγ淋この資金をペーパーカンパニーに農資するのであるが,L80
アソシエーシ強ンがその資金を漫資しうるのは,第一に購鍍メンバーに年金基金・保験会鮭といっ
た豊露な資金を有する機襲投資家が存在するからであ参,講時にこの機関投資家らがペーパー・カ
ンパニーの発行するジャγク・ボンドなどを購入しうるからであむ,第二に商業銀行からの多額の
鑑入金が講達しえたからである.ところで,霰買駿企業とベーパー・カンパニーとはL90後に金轡
させられるのであるが,この新しい会縫1こはL君0資金のために調達された負獲の返済が義務づけ
られるのであウ,その負籔比率(レバレッジ)は籔めて高いものとなる職。Je総磁はこの点につい
て余む需及していないのであるが,Lβ0アソシエーシ賞ンは企業買取に必要な資金の不建を多額の
負績によって講達しているのである。したがって,かれ紘,この意稼においてもしβ0における食後
の役割を認めなければならないはずである。しかしながら,かれは,L30が勝要資金の調達を負儀
に大ぎく敏存している事実よ鯵も,新しい会桂に負擦させられる負績が“支蔑機能’を発揮するとい
濃) この.煮については簸.C.Je盤se賛鎌V1、夢.蕊を参黙。
22〉 M.c.舞殿se難[}1,嚢.§6,
23) L至30の方式は単一で慧ないが,二の場合のL董3{)における諸費溺係などはおよそつぎのようであると遷解し
えるものと考える。
被買鍛金業嘩こ長性.の低い,FCドを豊富に有する企業〉
1 株主資金 …株式 ルペーパー 嬬カン「パ二一
1
難
1
ゆ株式a蕪{責権(贈zza麟e蝕蹴£1翼翼)
手LBOAss倉。三顧盤
資
…鞍↑
睡業銀行
‘Lβo
後に合併)
田O墾r搬eギs蜘1三無艶彗露纈eダs蜘
醗a糞議ge醗e轟t
一6i一
醗 学 講 集 第6§巻第至孝
う意殊において,負縫力竃はたしうる役割の重要性を強調しているのである。なぜ,積極的投資家は,
“有効な嚢己監視機籠”を遂行するうえで負礒を科離していく必要があるのであろうか。
4負債σ〉活驚 企業買暇に関するフ1ナー・キャシュ・フ霞一理論
上遠したように,Je総e盤は,「公麗株式会琶における主たる弱点および資漂浪費の原獲は,フ
夢一・キャシュ・フ・一の支払いをめぐる株主と経営者との利害鰐立にある」鋤ことを重視してい
る。会被を効率的に運営し.癒麺(≒株鱗〉を最大乾するためには,余剰資金となるフ夢心・キャ
シュ・フ・一を,溝蒲留保するごとによって経営者に濃費されるよ鯵,株主に醗分しなければなら
ないと擾意えているのである。しかし,かれは,多くの場合,公雛株式会祇には経営者がこの余講
資金を株主に蔑分するよう動機づける報醜麟度がなく,蛮た魏分することを強舗する機講もないこ
とを問題にしている。Je総騰は,経営者玄義(盤欝確εr認童s難)の警論に篤いてよく知られている
ような,つぎのような還露から経営者はこのフ!ター・キャシ講・79一を株主に醍分しょうとはし
ないという2饒。
鱗経営者は,資本毒場に濾する自律性を高めうるから,余灘資金を内部に留保しようとする
動機を持つ。たしかに,企業内蕊の潤沢な資金は競争には有瀦である,しかしこれは資源の
浪費と経営の非劾率を生みだすものでもある。もしも,経営者が余剰な資金を株主に濯分す
るなら,経営者は経済的に妥嘉なプロジェクトヘの資金を資本市場に歓喜しなければならな
くなる。 この場合,そのプ欝ジェクトは資本τ馨場による監室蔓をうけるのであり,株主には禾彗
点が多い。
(2/ 幾摸の拡大彰ま経営者の鞍醗を高め,しかもミドノレ管選者らの昇進に1必要なポストを灘意す
ることになるので,経営者は内趨留{呆を選好する。
麟 企業成長は経営黍の社会的地位,名声,政治力を高める。
このような蓬由から,」懸se擁は,経営者がフ婆一・キャシュ・フ・一を株主に醍分しょうとせず,
これをめぐって株主と経営者との韓宣が発生するという関係を重複している。ただし,上述韓の理
由から闘らかなように,叡益姓の高い投資機会を多くもつ成長企業では,このような余麟資金は存
在しないので,必要資金の調達を資本市場に依存巷ざるをえないことになる。このため,成長企業
では叡益性の低い投資に資金を浪費することがなく,しかもその翫要資金の講達に跨して資本斎場
による資金霧絹の監視がなされているのであり,株主と経営者とがフ婆一・キャシュ・フ担一の醍
分をめぐって薄宣することはない。したボって,この録立は企業成長を難縛しえなくなった,しか
もフ婆一・キャシュ・フP一を構当に有する企業において発生することになる。Je黙繊は,このよ
うな成長性の低い企業における株主と経営者との瞬立を,公猟株式会社に衰遷化を生みだす主要な
2違)M,c.」ε盤s磁1難,舞.総.
25) 踏ゴ滋,欝.髄.重た,耀えば,ここでいう難a黙蓼εrlalls欝については,」曲糞C.C繍艶e,」歓、“S轟撮e鼓。遍ers
Vers騒s麓a盤a葺ersl T薮e Strai資雛旗e C(}rβ{》ギate職給聖ず,i登霊感..」.C.Co{艶ε.Jr.L.至Gwε簸ste搬a盤感S、嚢ose一
敵齢繊罎,鹸碧纏忍磁粥漫貫!響ズε,Ox麺膿む鐸1鷲rs量ty駐ress欝纏,欝,齢離,などを参照。
§2
轡藤:L建。の総題点
原馨であると重観し, この衰退廷1を救済する手段:として負{責の役割を重宝発しようとしているのであ
る ぐ丁煙st灘9麟e oveギ盤ee cas聾舞ow ls議t鼓e簸e継t o{出e鐙1ε◎{虚e媛塗t蓋eδecl搬εo{奮鼓e
興醗。 c艇欝糠論賛蜀)。ただし,公聡株式会鮭擁護論者や新しい紛織への鍵無考らが負蟹増蕊から
生じる金趨負挺や返済の簡題などに不安を抱くようになっていることに薄して,かれは,多くの幾1
半彗老らはつぎのような重要な襲係のあることを忘れていると指摘している27},
繕 この緯年闘に株緬は3倍になっているのであ鯵,負縫比率の大癒な低下を避けるためには
倦入金を増額しなければならない。
鋤 負縫の増撫は,元本返済や溜息支払のために.資金を必要とするようになるため,内認留保
の増撫を瞬難にさせるのであ今,このために経営者によるフ}卜・キャシュ・フ瞬一の浪費
を麟醸することがでぎる。株主は,醗巌の増燦や自社株購入(甑3re艶欝欝。盤&se)という方
法を通じて,経営者が余講資金を株主に配分し続けるよう長葱的に強麟していくことはでぎ
ない。このため,株主が株式の一■一蒲を負績と交換するなら,負績の強麟力(法的権瀦)に基
づいて取入(穂子および元本返済)を確撮することがでぎるのであり,これは株式への醗嶺
に代走〉る珪叉入と』取なすこと力監でぎるこ二とになる。
麟 負債は変化のための有力なエージェントである。駿益性が懸く・劾率性の悪い会社を解体
し,あるいはその一一趨の資産を売部したウ,非関連事業を売鋪したりすることなどが会鮭の
衰退化を睡遷するために適切である場合もあ参,これを実現するためには遍鶏といえる負儀
に依蕎することが望豪しく,また禽葡である。なぜなら,角燈返済のために,経営奏は騨還
度の低い資産を売蟻巻ざるをえなくなるからである。
これらそれぞれの内容についての吟殊嫁以下において行うことにするが,Je総磁は,公開株式金
被に衰退匙が生じる重要な蒙霞・運由をこのようなフ蓼一・キャシュ・フ獄一の支払いをめぐる株
主と経営奏との秘書薄立という関係として碇まえるのである。しかも,かれは,この瞬寛解溝策を
考憲していくに当たって,負縷の活矯によって経営者によるフ婆一・キャシェ・フP一の浪費を紡
ぎ,株主利益の掻傷を麟遷することが可籠であると主張しているのである。かれは,これを“企業買
教に関するフ夢一一・キャシュ・フP一王奨論(倉eecas舞舞owt盤e(}ry(麺ta髭eoveぎ)”と短・うことで説
覆している掬。この蓬論では,フ亨…・キャシュ・フ障一の醗分をめぐってつぎのような鰻孫が喜査
することを重視憾擬と)している。
(蓋1企業成長が繧ごドしているが,しかし梅当のフ夢一・キャシュ・フローを有する企業に薯δい
てつぎのような開題疹発生する。
郷このような企業では,経営者がこのフ婁一・キャシュ・フP一を株主に醗分しょうとせず,
珪受益性の{蔽いブ痒ジエクトξこも投下しようとするのであり, このため株主と経営者との懸繋こ
おいてフ窃…・キャシュ・フP一の配分をめぐって稗害対’立が生じる。
2碁)縫、c.舞捻se癩蛇,登.67.
M.C.知識田.倉.§了.
M.C,麺灘墾,鞭.328-32§.錘.C.鋤織1翻,即.32i-337.
63一
醸 学 論 集 第韓巻第i暑
麟 したがって,株主億その騨益を守るため,この問題を解決する方法を発見しようとするの
であ今,結局,この株主の掩える開題とは,
イ,株主が経営者に.よるフ夢一・キャシュ・フP一の瀦灘・謬分を監視(搬。盛t醗i)するた
めに要する費絹の鷺題であ絵
・,株主が経営姦にフト・キャシュ・フP一を浪費しないように動機づけをする.すな
わち濃費しない場合の鞍奨毒密室を設けるという問題である,
紛こ綴ま,いわやる,株主φ麟cl麟)力騒営者(&騨cy)をコン陪一ノレする隙こ生じる
エージェンシー・コスト(農響e麹cycos麟の㌶題である鰯。
このような関係(前提)から,フ夢一・キャシュ・フローを株主に醗分するなら株主の富は増撫
し(鯛,株懸が上罪する),これを経営者の欝癒裁量に委ねておく(株主に醗分しない)なら,株主
の富は減少する(甥,株懸が下降する),というのがJe簸se簸のいう“企業買駿に関するフト・キャ
シュ・フP一連講”である.このため,Je盤se麟ま,フト・キャシュ・フP一を株主に確実に醗分
さ慧るという§的から,そこに発生するエージェンシー・コストの灘蔽方法について考察し,この
方法として負綾を活覆することが膚幾であると主張しているのであると蓬解でぎることになる鵬.
フ夢一・キャシュ・フ諺一を株主に嚢分する萌密な方法は,鍵当,とくに醍轟の増擁をすること
である。また,アメ励において麟護化さ潔。ている霞社株購ヌ、〔re鐸。鼓asε鱒猿oc給岳ま,実質的
には,株主への墨資金の返還であ今,しかも発行株式数を減少させることから…一株当た鯵の可娘分
麟益(ひいては餐当)が増擁し,蚕た欝社殊鯵入は株式の薦癒を高めることにもなるので,株主に
とっては有稀なフ婆一・キャシュ・フ・一の醗分方法となる。しかし,Je簸se叢はつぎのような遷癖
から,上述のように,蔑当および霞社株購入による方法を,株主にフト・キャシュ・フ担一を配
分させる(株主がフト・キャシュ・フP一を凝験する)確実な方法とは見なしていない。なぜな
ら,醗嚢藤よび§巻線購入の実鴛は経営塵の白蜜裁量に委ねられている蕊分が多いのであ玲,フ
夢一・キャシュ・フ欝一を鍾内輪こ留保したがる経営者がこれを長簸的に株主に醗分し続哮るという
保証はないからである。このため,短資s磁は企業に多額の負債を持たせることが,株主にフ夢一・
キャシュ・フローを醗分させる確実な方法であると掘撰することになる。ただし,Je欝鐵が企業の
負績を壕撫する,すなわち!ヌヴァレッジ(奎ever嬉e)を高めることの有効性を主張することの背景に
は,つぎのような株董一儀権春の懸垂こ新たな簾係を駿1立さ量ることが恵鑓されていることに,な
る鋤。
Je盤e盤がここでいう負覆の増簾とは,単にL獄)される企業が金離靉靆などから融資を受けると
いうことを捲嫡しているのではなく,LBOアソシ五一シ葺ンである株主力線己資本鐵資考であると
麟鋳に酸権老にもなるという関係を成立させることが憲鐵されているのである。すなわち,資金移
2§) A暮e鯉yC倉s匙とは鐵夢搬董d御重ボA鍵譲を濫祝する嚢網(盤群賊or鍛霧ex脚麟圭t獣es〉」2/A鯉凱が碧顛。圭一
欝撮の稀益を尊重し続1ナるように,A暮e叢を拘棄する費羅傷。磁撫騒ex夢磁毒t欝esXおよび(3}駐r総繧欝滋と
Age畿の無害不一致から碧麟cl緯至がこうむる費購(ギεs圭6縦loss)¢)合喜半である。M,C、」磯s磁IVl夢、3総、
灘 M.c.}礫se軽欝1.欝.32玉.
3王)M.C.畑se疑獄,欝.32壕、漿.C.知se麟硬,鯵.322-323。
一§4一
欝藤:L欝。の題題点
勤の事実闘係ということに囃する疑問点は多く残されているのである淋灘,その実質的といえる愚
昧はつぎのようである。LβOlこよって少数特定の大株主となる株主(LBOアソシエーシ貧ン)は,
ペーパー・カンパニーと破置数企業を合爵させて新しい会琶を設立するのであるが,この場合に.新
しい会祝による株式発行を少額に押えて,レバレジの高い資本構成を選採さ巷る。そこで,L墨30さ
れた企業の旛える負績の多くを融資または籏権購入という形式でLβ0アソシエーシ葺ンが鐵資す
るという,新しい襲係を成立させるということである。Lβ0された企業灘から見てみるなら,その
実質的意陳は,負儀を増擁させることによって被翼叡企業であった企業の震魅株を騎久し,LB()後
にこれを縷去聾するという闘{系が導入されることになる。
恥黙¢簸は,株主(Lβ0アソシエーシ設ン)が株式勝有を議少さ重て,よ参多くの負俵を抱えるこ
との意義を,(肴瀦子および元峯の支払いは経営者の甕塞裁量の範囲にはなく,法的契約に基づく強
籍褻こよるものであること,(買〉禾弩二子および党本の返済不能に籠るこ1と({至墾藍〉の脅威力~ら経営i毒彰ま綾
織の効率的運営を懸るようになること,婦負儀に薄する利子の支払いは確実であ参,‘魔綾は畿当
に.代わるものである”ことキ←/負/責はフ華一・キャシュ・フローのエージェンシー・コストを縮小
すること,といったことで説蟹している。舞聡e鷺はこれをr負綾による支醗飯説(c倉搬ro轍y夢。撫εs墨s
麺τde畿creatlo簸暑鋤と表現しているのである。
結隠,Je簸se鷺が主張する負{責の活灘とは,Lβ()における資金不足を負{妻に,{表存して霧達するとい
う纒悪よ与も,経営者による資金穂綿を監視・統麟するうえで株主藩負挺するエージェンシー・コ
ストを鵡滅していくために,株式所有よウも綾権所有を選嬢することによって,負儀の持つ法的強
麟力や監視(搬。醸儲)機能を活薦でぎるという麟蚕を重視していることが墾らかなのである。
5 む す び
P.F. 〉灘£短rは,アメ夢力の年金基金が大企業の発行する株式の約韓%を誘毒するアメ婆力最
大の株式懸有考であ今,霧時に大企業にお娃る中も長簸負績の約鱒%に鐡資しているアメ!ヌカ最大
の{養権者であるという事実に女書して,「最i透まで, このパワー・シフトを認識でぎなかったことが,
アメ夢力にお渡る婚総年代の金融騒動 敵薄的企業買叡,L80,全般的な夢ストラクチャ妻ン
グの熱狂 一を生み墨した最大の原翼であろう」鋤と堤まえている。かれは,株式を集中的に所有
32).蕪籔において,LβOASSGs絵重婚簸の楼磁について簸単な言及をした。ごれは,投資家グループと誘われた今
するしき3()貸ar勧er幽珍僚綴e盤1欝a質難ers籔癖,L馨0βar雛ers錘費が中心とな吟録験会鮭や年金基金に優姿
姿金を謎資させる銭買}魏叙董夢a蓑糞¢ギs}盛β,およびも馨{}さ難た塗:業の鑑賞老から構成されている。これらし至30
A器(}s墨磁沁黙総統メノバーらは,それぞれに.LBOされる会蕊の株式を鱗有し,LB()される会桂解発駕する儀
権を瞳ヌ、している.とくに,纏縫の購λにおいては,鐵資春全員の棲瀦を瞬一ゼとするため,優先贋億の異な
る各種綾権をバプケ…ジで購入さ塗るというstrl夢懸韻。魏薯や盤εzz繍誘ε蝕撫。麟薯という方法がとられ
るようである。この麺,襲業銀行などもし8{)毅1資に参毒聾するのであ導,紅β(}における各々の株式嚢よび{費
権に対する撫資穆実鋳嫁叢雑である。しかも,∫e簸se嚢はこの株式と肇権との交換について必ずしも艮韓的議
畷をしているわ酵ではない。擁.C.」餓s礁1瞬.夢.3鱒,欝.C,Je欝麟1醗1,即.3盤一32§.
33)疑.C.知s磁罐,β.32垂.擁.C.Je註sε麟翻,嚢.322.
34) 蚕}.F.工)教董cl{er.“衰εcl{o鍛搬霧w玉極出e曾e盤sめR罫t纏{圭設ev倉茎t療。鍛”,∫勲爵4名48欝魏榔s費甜麺薯{タ.M哀rc鼓一A妻}f嚢
薄霧.β.玉総.
一65一
繭 学 論 集 第§蓼巻第i号
している醤本の系翼(」紛蹴ese ke圭ret灘)およびドイツの銀行麟(Ger盤謹酷総舩蕪〉と比較し
ながら,最大株主,最大籔権者である年金基金の行動運念などにみられる購題について言及してい
る。とくに,D搬盈erは,年1金基金に株式辮有が集中していたから齢年代の懸&Aが成立しえた
(株式力{分’散していたなら難産&A甚ま蟹難であった)こと,および年金基金は篶難蓄彗益‡誓海釣きこ行動
せざるをえない縫造にあることを問題としている。後考についてみてみるなら,アメ婆力の企業年
金の講褻に.は定額受給舗(6e懸磁も錐e蹴講a癖と定額擁墨麟(δ麟登e感co就r癒被t董(灘p捻紛とが
あ今,企業年金撫λ企業の多くが定額受給灘を採矯していることに問題があるとみなされている。定
額受給慧とは,退職者年金が退職麟の…定の給与(定額)を基準として支給されるという麟度であ
る。この定額受給麟においては,退職者へ支払らわれる辮定の年金変絵額を基準として,灘入企業
の縫鐵金額が算定される。したがって,もしも年金基金の運灘成績が良好であるなら,癩人企業に
おける各年闘の年金基金槌屋金額は減額されることになる。このため,簾入金業は年金基金管運者
に難して基金の篶難的運罵成績を講一とさせるよう籏力をかけることになる。
短顛的運難破績を海.とさせなければならない年金基金の管理者は,T()βによって高い買取錘1絡
ボ擾示されたなら保有株式を売捧し,高潔同勢のジャンク・ボンドが簸売されるならこれを購入す
ることになるのである。したがって,高い投資収益率や秘懇箏が簸待でぎるのであるなら,年金基
金の管運者はL露0アソシエーショγに積極的に参撫することになる。本来,年金基金はその性格上
長難的な擾点から資金を運離していかなければならないのである。しかし,錘魏魏運璽畿績を重擬
する方鋭に疑購を持とうとも,定額受給麟の下において年金基金の管理者らは受託資金の籏簸的運
聡業績を上げるよう蕎動せざるをえない状溌におかれていたのである。至)灘。蛇rは,年金基金のこ
のような定額受給簿1による資金運溺方鋭を搬判ずるばかりでなく,この運驚方針を採訳した年金基
金の成績は鱗待されたような成績をあげず,低調なものあったと指摘している。このため,D澱。匙εr
は,最近ではその開題から定額受給慧が減少し,搬入企業の年金擁鐵額が一定である定額鑓鐵麟が
多く採灘されるように.なってぎていることも付諾しているのである錫。
本稿で注医する艶総ε簸の論文ら蟹.C.」ε盤e簸騰)の窯張は,L80による企業形態の変更・変革
によって,衰退化した公麗株式会歓における企業業績の敢善をなしうるというものであるはずで
あった。この場合,同…の経済環境の下にあって,侮数に,L獄)企業漆飽の企業よりよい業績を達
成でぎるのであろうかとの疑問に繋する喪簸s雛の解答は,株主支醸が醤復され,および負養グ)濡濡
に1基づいてエージェンシー・コストが醜減されるということであった。
」磁sε嚢の見解および主張に遍しては,いくつかの鷺題点を指摘できるのであるが,蓑ず最も蓮要
な麟題点は,実質上,この論文はアメ壁力の公麗株式会縫における衰退化の醸避をテーマとして護
緊しているのではないということである。その内容は公麗株式会桂にみられる衰退化の懇選ではな
く,成長性は低いが豊憲なフ婆一・キャシュ・フ・一を有する企業における“橡主の富の損傷”をい
かに緩遷すべぎかということである.すなわち,そこでは論題とは異なって,LBOによる企業形態
の変更曖革に基づくアメ効公爺企業の活性化が問題とされているのではなく,Lβ0に基づく株
3511耀.,登.玉i2。
薦
静藤l L慧(〉の開題点
主の富の最大化といった内容が問題とさ煮ているのである。
しかも,艶麗e簸が問題とする,成長性は低いが豊富なフ婆一・キャシュ・フ・一を有する企業と
は,公麗株式会縫に一般的に襲察されるものではなく,」.C.臨st鍍w⑪磁らがし8(〉繧補企業の要件
に.ついて説饗しているところ識からも競らかなように,そのような企業は紹当に隈られたものなの
である。すなわち,フ辞一・キャシュ・フρ一をめぐる株主と経営者との趨警邏立という鵜題は,公
麗株式会娃全鉢に共通の一般的鶏題とはいえず,むしろ鋼外的な問題といえるものなのである。あ
るいはつぎのような問題点も指摘できる。株式の非公饒化はA.盆a羅a脚賞などが捲擁している鋤
ように資本議場による審議的な株式評簸の機会を失うことになるのであ参,また株薫への椿報公麗
も絹盗むこ燵癖籔されることに.なるのであるから,はたしてこれが株主の富の最大化に.貢献するものと
なるのであろうかという疑闘である。さらには,妻隻縫の活霧に薄しても,負債依存の財務購造にお
ける舞子・元本の返済縫方についてばかりではなく,つぎのような問題点なども指摘でぎる。かれ
が,負綾のもつ法的強麟力や監視機籠で示すように廊,縫権者にとっての第一の1薙的とは鑓実な蒋子
の受取と禿鷹の癬薮である。鞍資先企業にお睡る鞭益姓の向上や生産性の両蓋二に密接に瞬撃してい
くことがこれの§的ではない。したがって,融資先企業の長難的発展やその維持存続に薄してネガ
ティブな態嚢にあるといえる1嚢権者が,株主のエージェンシー・コストを醜滅することに.1またしう
る役害彗とは簿なのであろうか。
Je聡e簸は,少数株…雛こよる集中的株式辮有と負績の活矯について,これは戦後の日本企業参著し
い成長・発展をなしえた特徴であると捉まえているのであ参,アメ夢力企業が競争力をつけるため
緯もLβ0の推進をすべぎと主張している論鍵でもある鋤。しかしながら,わぷ蟹大企業におけるい
わゆる安定株主(株式の鋳~隣%を蟹有しているといわれている)は丁0君による高纏の株幾が提
示されるのであっても株式を売鑛しないことを特籔としているのである。また・いわゆる系列鞍資
においては,メインバンクが離資先企業との長蟻的関係を重観し,その長鞘的維持発展をも問題と
していたのであり,Je聡ε簸が示すようなLBOにおける負養の活弄穣こよって,融資態象企業から轟
轟率(欝~蔦%)でもってフ1ナー・キャシュ・フ・一を獲得し,あるいは返済露難に弩たっては強
麟的手段(耀えぱ.重要資産の売蜂など)によってでも資金を懇級していくとする見解とは掘当に
異なる内容にあったといえよう。
この結論において,D難C盆εrの年金基金に対する数舞と,」ε登S雛の見解。裏張に隣する靉靆とを
提示したのは,結縁,舞ηse縫の論文に.おける■菱蟹とはつぎのようなものであると理解でぎることを
3{}、 」,C.狂as麓rWGO{董、A.Sεt}蔓.震.F.S搬暮er,一丁襲e夏盤夢麓。亡(葺Lever霞幕e6B纏yG雛s o簸St糞蝿e錘。更)霧ectl{殿’㌦
C擁癖繊3麗齪耀躍{継罠罐躍、罫讃i墾§,貸費、3毒一37。
37) A.衰纒)御釜沁r芝.“丁盤e S嬢y魏黛鉄}wer〔){撫ε}》鍵痘。 C{)ゆ{}r譲1()妄ギサ,蕉群耀曜8鐸藩縛縄費客~寵震㍉Ja焦一}‡幽r
董§鋳.β.§8.
38) 舞簸Sε鍛隷,論文薩.C。」磯s船1繋や璽.C.舞葦器e糞窪¥〕などにおいて,図毯もな渉ら,負績象存護の轟い企業
では,績権妻による業績のそニタ…が厳しいので,麦鉱峯能といった亨スクは蔽いという垂1張を簾誌してい
る。しかし,負穫の多寡紅もかかわらず濤算懸鐵ま瞬・であるといったその譲選iは詭弁的なものであるとい
えよう。
諭躍.c.Je鶏se擬互1,鐙.73-7尋.
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磨 学 論 葉 箒麟巻第i響
還そうとするからである。すなわち.二の論文では,今嚢寮での企業論や企業形態論における通説
と異なる,LBOによる企業形態の変更・変革によってアメ華寿公醗株式金被にみられる衰退化の議
避をはかるという問題疹展罷されているのではない。この論文で隷,まさに玉)灘。短rが撹聾する定
額受給舞彗による企業年金の資金連綿といえる方法に態して,その配当牲を蓋張しているものに飽な
らないということである。委託者の要求に答えるべく篤麟的な運矯成績の肉ヒを泌らなければなら
ない受託機縫としての年金基金は,投資資産(破賢敢企業)の魑分(潤えば,も雛st噸夢という企業
を解体しての売却など)や管麗のためにその支醒権を掌獲しなければならず,蚕た投下資金の確実
な羅駿のためには,縷資(株式取得)よりも,勲資の方法を選撰することになる.このため,これ
ら資金運綿上の要件を具体化するL君0が重視されるということである。しかも,このような資金還
暦方法は飽の授資家らに,よっても騨灘されたということであろう。このように率縫締するなら,当教1
この譲文を覆解するうえで捲いた毯惑も解硝されるし,と述のそれぞれの縫題に韓する疑簡も解消
でぎるといえよう。
今蔭の結案にみるように,高い利子率を支払い,撃覇に滝本を返済していくこと億企業の駿益牲
が高い難問隷麺磯…であるかもしれない。しかし,景気が後退し,企業較益が低下する(キャシズ
イン・フローが減少する)事懸において縁これは薦難になる。この点は,魚績の増蕊(擬幽艶ve獄禦δ)
によってフ!1一・キャシュ・フ環一を強麟的に配分させるという見解(負縫の支醗力)にも当ては
重る。負績のもつ強麟的な資金畿分力によって麗廃の資金を久重するのであっても,企業が競争毒
場において長難的に維持存続しえるのでなければ,樗来にわたっても資金を入手しえる保証はない。
しかも,競争毒場において企業が維持存続更、えるためには,企業がその環箋・市場変化に適応すべ
く絶えず新規事業の展醗や新製品(技術)の縫発に資金を投下していかなければならないことは醗
らかである。また,このためには,麺総e登が経営者の露縷裁量に極めて綾疑的であるのに対して,無
麟鰻とは言えない(纏らかの監視システムも必要轡)であろうが、有蒙…な経覚者に資金稀電の欝露裁
量を認めることも必要なことが瞬らかであろう。
境実にはアメ婆力にお哮るL馨0の発生件数は絹当に澱少してお1ラ,業績の低下からL黎0による
負綾の憩子支払や返済に苦しんでいる企業も少なくないようである。しかし,以上みたように,難
講的にも,負儀の支醗力を活絹するというJe簸sε鷺のL露0擁護論を支持することはできないといえ
る。
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