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NTT技術ジャーナル 2014.11 39 ライフアシスト技術を支えるデバイス研究 テラヘルツ分光法  テラヘルツ(THz)分光法は従来よ りパッシブな分光法として天文分野に おいて気体分子の回転モードを観測す るために用いられてきました.しかし, 近年アクティブな分光法として,分子 や結晶さらに生体試料を分析すること が可能になり,新しい分光分析手法と して注目されるようになりました. THz分光法の主な特長は 2 つで,THz 波の持つ物質透過性と分子間相互作用 に基づく固体中の分子種あるいは結晶 種の識別能力です.特に多成分が混合 した材料や超微粒子などX線回折法が 適用しにくい難しい分野への応用が期 待されます. THz波はおおむね0.1~10THz (10 11 10 13 Hz)の光と電波の間にあるため, 可視光では透過しにくい紙,木,プラ スチックなどを透過することが知られ ており,非破壊分析をすることができ ます.しかし,図₁ に示すように固体 中の物質透過性は周波数が高くなると 低くなる傾向があります.これは,周 波数が高くなると波長が短くなり,固 体サンプル中での粒子の散乱が大きく なることと,さらに 1 THz以上に分子 間相互作用に関係する分子や結晶の振 動モードが多くあるためです.これら の振動モードがTHz波を吸収するので, 現在のTHz分光において 2 つの性質を 併せ持つのは0.3~ 5 THz程度に限られ ます.測定対象の物質にもよりますが, 0.1~0.3 THzでは物質透過性は高いが 分子や結晶の識別は難しく,逆に 5 ~ 10 THzでは物質透過性は非常に低くな りますので,薄膜や表面の分析に限ら れてきます. 装置の小型化と医療分野への応用 CW(Continuous Wave)THz分光法 装置小型化の概要と医薬分野への応用 のユースケースを図₂ に示します.安 心 ・ 安全のため,消費者により近いと ころでの分析ニーズは高まっています. また,製造工程の設計,分析,管理を 行い,最終的に製品の品質を保証する システムのことをProcess Analytical Technology(PAT)と呼びますが,こ れを医薬品製剤へ導入し品質を向上さ せるガイダンスが FDA(米国食品医薬 品局)から報告されており,THz分光 システムの小型化によりPATに使われ る可能性が高まっています.医薬品の 簡便な非破壊測定を実現するには,装 置の感度や安定性,測定速度のみなら ホモダイン 医薬品 コクリスタル 図 1  THz分光法の特長 周波数 0.1 1 10 (THz) 両方の性質を 併せ持つ領域 固体中の分子種・結晶種の 識別能力 物質透過性 医薬分野に向けた連続波テラヘルツ分光システム テラヘルツ分光法の医薬分野への応用を目指してシステムの小型化を図 るために,従来のパルス波方式とは異なる連続波(CW)方式のテラヘル ツ分光システムを作製しました.このシステムはサンプルの吸収と位相(誘 電率)を同時に測定することが可能であり,0.3~ 1 THzにおいて75 dB以 上のダイナミックレンジを示しました.さらに,医薬品分野において溶解 性や薬物の吸収性を高めるために開発された新しいタイプの結晶で薬剤分 子結晶と各種の添加剤結晶からなる複合分子結晶(コクリスタル)につい て,その結晶のピークに周波数を固定してテスト錠剤中の 2 次元分布の測 定を分子間相互作用に基づいて行いました. かつひろ /キム ジェヨン ソン ホジン NTT先端集積デバイス研究所

11 07 特集 - ntt.co.jp · テラヘルツ分光法 テラヘルツ(THz)分光法は従来よ りパッシブな分光法として天文分野に おいて気体分子の回転モードを観測す

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NTT技術ジャーナル 2014.11 39

特集

ライフアシスト技術を支えるデバイス研究

テラヘルツ分光法 

テラヘルツ(THz)分光法は従来よりパッシブな分光法として天文分野において気体分子の回転モードを観測するために用いられてきました.しかし,近年アクティブな分光法として,分子や結晶さらに生体試料を分析することが可能になり,新しい分光分析手法として注目されるようになりました.THz分光法の主な特長は 2 つで,THz波の持つ物質透過性と分子間相互作用に基づく固体中の分子種あるいは結晶種の識別能力です.特に多成分が混合した材料や超微粒子などX線回折法が適用しにくい難しい分野への応用が期待されます.

THz波はおおむね0.1~10THz (1011~1013 Hz)の光と電波の間にあるため,可視光では透過しにくい紙,木,プラスチックなどを透過することが知られており,非破壊分析をすることができます.しかし,図 ₁ に示すように固体中の物質透過性は周波数が高くなると低くなる傾向があります.これは,周波数が高くなると波長が短くなり,固体サンプル中での粒子の散乱が大きくなることと,さらに 1 THz以上に分子間相互作用に関係する分子や結晶の振

動モードが多くあるためです.これらの振動モードがTHz波を吸収するので,現在のTHz分光において 2 つの性質を併せ持つのは0.3~ 5 THz程度に限られます.測定対象の物質にもよりますが,0.1~0.3 THzでは物質透過性は高いが分子や結晶の識別は難しく,逆に 5 ~10 THzでは物質透過性は非常に低くなりますので,薄膜や表面の分析に限られてきます.

装置の小型化と医療分野への応用

CW(Continuous Wave)THz分光法装置小型化の概要と医薬分野への応用

のユースケースを図 ₂ に示します.安心 ・ 安全のため,消費者により近いところでの分析ニーズは高まっています.また,製造工程の設計,分析,管理を行い,最終的に製品の品質を保証する システムのことをProcess Analytical Technology(PAT)と呼びますが,これを医薬品製剤へ導入し品質を向上させるガイダンスが FDA(米国食品医薬品局)から報告されており,THz分光システムの小型化によりPATに使われる可能性が高まっています.医薬品の簡便な非破壊測定を実現するには,装置の感度や安定性,測定速度のみなら

ホモダイン 医薬品 コクリスタル

図 1  THz分光法の特長

周波数

0.1 1 10 (THz)

両方の性質を併せ持つ領域

固体中の分子種・結晶種の識別能力

物質透過性

医薬分野に向けた連続波テラヘルツ分光システムテラヘルツ分光法の医薬分野への応用を目指してシステムの小型化を図るために,従来のパルス波方式とは異なる連続波(CW)方式のテラヘルツ分光システムを作製しました.このシステムはサンプルの吸収と位相(誘電率)を同時に測定することが可能であり,0.3~ 1 THzにおいて75 dB以上のダイナミックレンジを示しました.さらに,医薬品分野において溶解性や薬物の吸収性を高めるために開発された新しいタイプの結晶で薬剤分子結晶と各種の添加剤結晶からなる複合分子結晶(コクリスタル)について,その結晶のピークに周波数を固定してテスト錠剤中の 2次元分布の測定を分子間相互作用に基づいて行いました.

味あ じ と

戸 克かつひろ

裕 /キム ジェヨン

ソン ホジン

NTT先端集積デバイス研究所

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NTT技術ジャーナル 2014.1140

ライフアシスト技術を支えるデバイス研究

ず,THz分光システムのチップ化が必要と考えられます.レーザダイオード

(LD)から,送信機,受信機,それを接続する光ファイバ部分も導波管としてチップに埋め込みます.これまでに,シリコンフォトニクスにより位相制御機構の部分を数mmの大きさで作製し,THz帯での動作を確認しています(1).

THz分光システムはフェムト秒のパルスレーザを使うパルス波方式が一般的であるため,その周辺の制御装置も含めると装置の小型化が困難な状況にあり,また,THz分光チップを作成するためにも連続波(CW)方式のTHz分光の技術が重要となります.CWホモダイン分光法の概念図を図 3 に示します.光励起のTHz波発生方法は 2 つのレーザ光源とフォトミキサーを用います.フォトミキサーから発生するTHz波の周波数は 2 つのレーザ光源の周波数の差,うなりに対応します.CW THz信号は,2 台の1.5 μm帯の汎用レーザ光源を用いることができ,1 台は固定周波数,もう 1 台の周波数を可変にすることで,広帯域のTHz波を発生することができます.フォトミキサーからのTHz波を単に受信するだけでなく,受信機の光伝導アンテナ(PCA)に送信信号と同じ信号を入れてミキシングを起こすのをホモダイン検波方式と呼びます.

ホモダイン検波やヘテロダイン検波などのコヒーレント検出法と一般的なエンベロープ検出法のダイナミックレンジ比較を図 4 に示します.コヒーレント検出法では,位相制御装置を使わないで振幅のみを検出するエンベロープ検出法に比べてダイナミックレンジが大きくなります.これは,図 3 のようにPrを受信パワー,Ppumpをポンプパワーとしたとき,エンベロープ検出法

の受信機の出力が(Pr)2であるのに対して,コヒーレント検出法での受信機の出力がPr× Ppumpであり,PrはPpumpに比べて小さいためです.

CWホモダインTHz分光およびイメージングシステムの構成を図 5 に示します(2).LD 1 が周波数可変のLDで,LD 2 が周波数固定のLDです.この 2

図 2  CWホモダインTHz分光法装置小型化と医薬分野への応用

PIN Modulator1PIN Modulator2

シリコンフォトニクスによるホモダイン位相制御機構

THz分光チップ

LD1

LD2

SOA

SOA

LD driver I/O DAC/ADC

送信機

受信機

LD:レーザダイオードSOA:半導体光増幅器

結晶多形の識別も可能

錠剤

医薬品検査を安心・安全に

〈成分表〉成分A

成分B

成分C

50%

10%

3%

図 3  CWホモダインTHz分光法の概念図

レーザ 1(1.5 μm)

ν1:レーザ 1の周波数

ν2:レーザ 2の周波数

PCA:光伝導アンテナ

Pr:受信パワー

Ppump:ポンプパワー

フォトミキサー

PCA受信機Pr

Ppump

fTHz=ν1-ν2

位相制御装置

レーザ 2(1.5 μm)

ν1

ν2

図 4  コヒーレント検出法とエンベロープ検出法のダイナミックレンジ比較

(log)

ダイナミックレンジ

0 (log)

コヒーレント

検出法

エンベロープ

検出法

∝ Pr×Ppump Pr=Ppump∝(Pr)2

実験上可能な最大受信パワー

SN比

受信パワー

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NTT技術ジャーナル 2014.11 41

特集

つのLDの出力をEDFAで増幅し,単一走行キャリアフォトダイオード

(UTC-PD)において差周波のTHz波を発生させます.UTC-PD送信機からのTHz波は 2 次元走査用サンプルステージに載せた試料を透過して,PCA受信機で検出します.LDとUTC-PDの間にあるのが,ホモダイン位相制御機構で,PM 1 ,PM 2 の 2 台の位相変調器が光ファイバで結合されています.

このときのCWホモダインTHz分光の受信信号と位相の関係を図 6 に示します. PM 1 とPM 2 に印加する信号の位相は対称的なのこぎり波になっており,PM 1 が 2 πのときPM 2 が− 2 πになっています.受信信号はサイン波であり,サンプルがないときとあるときで,振幅(As)と位相(∠Фs)に差が出るので,これによりサンプルのTHz波の吸収の度合いと誘電率を求め

ることができます.位相変調器には非線形がありますが,2 台の位相変調器を用いることで,その影響を低減することができます.

CWホモダインTHz分光システムのダイナミックレンジと移相の関係を 図 7 に示します.ダイナミックレンジは0.3 THzで100 dB,1 THzで75 dBと高い値が得られています.また,大気中の水蒸気の影響でシャープなピークが検出されていますが,水蒸気のピークのあるところはそれに対応して位相の変化がみられます.

識 別 実 験

医薬錠剤のコクリスタル成分の識別例を図 8 に示します(3).サンプルは医薬結晶の中でもTHz波の吸収の高いコクリスタルを含むテスト錠剤です.この実験のサンプルはカフェインとシュウ酸のコクリスタルをポリエチレン粉末に混合して,直径10 mm,厚さ約 1 mmのテスト錠剤として作製しています.コクリスタルの濃度は左上が20%,右下が40%です.下段に示すTHzスペクトルの測定は 2 GHzステップごとにデータを取り込みながら行い,900ポイントで約15秒を要します.1.4 THz付近のブロードなコクリスタルの吸収ピークが濃度に比例し,また吸収ピークの付近では誘電率も変化していることが確認できます.

また,上段に示すTHzイメージ測定は,周波数を固定して 2 次元のスキャンをしています.各イメージは60×40ポイントで構成され,測定時間は約40秒です.THzイメージの測定時間は機械式の遅延ステージを使うパルス波方式のTHz分光装置が数時間かかるのに比べて,非常に高速です.1.4 THzのイメージではコクリスタルのピーク位置に対

図 5  CWホモダインTHz分光およびイメージングシステムの構成

ホモダイン位相制御機構EDFA

LD 1

周波数可変

周波数固定

データ 受信信号

LD 2

PC

EDFA

ロックインアンプ

EDFA: エルビウムドープファイバ増幅器UTC-PD:単一走行キャリアフォトダイオードfc: 制御周波数 As: 振幅fd: 検出周波数 ∠φs: 位相角度PM : 位相変調器 t : 時間

PM 1

PM 2

UTC-PD送信機

PCA受信機

2次元走査用サンプルステージ

AS ∠φS

AS

fc

∠(fd・t+φS)

図 6  受信信号と位相の関係

受信信号

(サイン波)

位相

(のこぎり波)

サンプルなしサンプルあり

As

t

t

fd(20 kHz)

∠φs

2 π

- 2π

PM 1

fc( 5 kHz)

PM 2

φTHz

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NTT技術ジャーナル 2014.1142

ライフアシスト技術を支えるデバイス研究

応しており,コクリスタル濃度の 2 次元分布を明瞭に知ることができます.現在の測定時間は 2 次元走査用のステージの速度で律速されているため,ステージの高速化あるいはスキャン方式の工夫によって,今後さらなる高速化が期待できます.

今後の展開

本稿では,CWホモダインTHz分光およびイメージングシステムを構築し,

医薬分野への応用例について紹介しました.CW方式はコンパクトさやイメージングの高速性に関してパルス波方式に比べ有利ですが,測定の感度や帯域に関しては現状,パルス方式のほうが優位です.CW方式では現在0.3~ 2THzにおいてはサンプルの測定が可能ですが,より広帯域である 2 THz以上の測定可能にするためにはより高出力の送信機が必要です.さらに,市販の医薬品に関しては多成分を含みその識

別が困難でしたが,スペクトルの解析処理の向上によって,可能になってきています(4).THzピークの帰属を含めたTHzスペクトルの解析処理とデータベース化がシステムの性能向上とともに重要な要素となると思われます.■参考文献

(1) J.-Y. Kim, H. Nishi, H.-J. Song, H. Fukuda, M. Yaita, A. Hirata, and K. Ajito:“Compact and stable THz vector spectroscopy using silicon photonics technology,” Optics Express, Vol.22, No.6, pp.717₈-71₈5, 2014.

(2) J.-Y. Kim, H.-J. Song, K. Ajito, M. Yaita, and N. Kukutsu:“Cont inuous-Wave THz Homodyne Spectroscopy and Imaging System With Electro-Optical Phase Modulation for High Dynamic Range,” IEEE Transactions on Terahertz Science and Technology, Vol.3, No.2, pp.15₈-164, 2013.

(3) J.-Y. Kim, H.-J. Song, M. Yaita, A. Hirata, and K. Ajito:“CW-THz vector spectroscopy and imaging system based on 1.55-μm fiber-optics,” Optics Express, Vol.22, No.2, pp.1735-1741, 2014.

(4) K. Ajito, J.-Y. Kim, Y. Ueno, H.-J. Song, K. Ueda, W. Limwikrant, K. Yamamoto, and K. Moribe:“Nondestructive Multicomponent Terahertz Chemical Imaging of Medicine in Tablets,” Journal of The Electrochemical Society, Vol.161, No.9, pp.B171-B175, 2014.

図 7  ダイナミックレンジと位相の関係

ダイナミックレンジ・100 dB(0.3 THz)・75 dB( 1 THz)

ダイナミックレンジ

位相

(dB)

(度)

(THz)

1009080706050403020100

270180900

-90-180-270

0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

(THz)0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

周波数

周波数

THz信号(0.3 mの大気中)

検出ノイズ

水蒸気のピーク1.10THz

1.41THz

1.66THz

図 8  医薬錠剤のコクリスタル成分の識別例

サンプル

THzスペクトル

THz分光イメージ 40秒/イメージ (60×40ポイント)

医薬コクリスタルのテスト錠剤

透過 0.8

10 mm10 mm

1.0 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 (THz)

位相 (度)

1

0330

-30

①②③

①:100% PE②:20% Caf:Oxa+80% PE③:40% Caf:Oxa+60% PE

PE:ポリエチレンCaf: Oxa:カフェイン・

シュウ酸コクリスタル

15秒/スペクトル(900ポイント, 2GHzステップ)

0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0(THz)

0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0(THz)

5

0

5

0

吸収の度合い

2.52.42.32.22.12.01.91.81.71.61.5

誘電率

周波数 周波数

(左から) ソン ホジン/ 味戸 克裕/キム ジェヨン

THz分光法は医薬分野のみならず分子間相互作用に基づく新たな非破壊分析法として,特に多成分が混合した材料や超微粒子などX線回折法が適用しにくい難しい分野への応用が期待されます.

◆問い合わせ先NTT先端集積デバイス研究所 ソーシャルデバイス基盤研究部TEL 046-240-3565FAX 046-240-4041E-mail ajito.katsuhiro lab.ntt.co.jp