7
10 0.0 10.0 20.0 化学 材料 科学 物理 計算機・ 数学 工学 環境・ 地球科学 臨床 医学 基礎 生命科学 日本(2008-2010年) 論文数シェア Top10%補正論文数シェア 0.0 10.0 20.0 化学 材料 科学 物理 計算機・ 数学 工学 環境・ 地球科学 臨床 医学 基礎 生命科学 日本(1998-2000年) 論文数シェア Top10%補正論文数シェア 図 11 分野別ポートフォリオによる分野別全論文、Top10%補正論文シェアの変化、日本 出典:「調査資料-204 科学研究のベンチマーキング 2011―論文分析で見る世界の研究活動の変化と日本 の状況―」(平成 23 年 12 月文部科学省科学技術政策研究所)参考資料 過去 10 年に中国、欧米諸国等が急速に論文数を増加させる中で、日本の各分野のシェアは減少傾向に あるが、物理学分野のみ Top10%補正論文シェアを維持している。 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000 フラン 中国 韓国 カナダ シア オーストラリア イタ イン 台湾 Top10%補正論文数[本] 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 国際共著論文に占めるシェア[%] Top10%補正論文数(1988-1990年) Top10%補正論文数(1998-2000年) Top10%補正論文数(2008-2010年) 日本の国際共著論文に占める相手国シェア(1998-2000年) 日本の国際共著論文に占める相手国シェア(2008-2010年) 相手国の国際共著論文に占める日本のシェア(1998-2000年) 相手国の国際共著論文に占める日本のシェア(2008-2010年) 図 12 Top10%補正論文数と国際共著論文に占める相手国シェアの関係(全分野) 出典:「調査資料-204 科学研究のベンチマーキング 2011―論文分析で見る世界の研究活動の変化と日本 の状況―」(平成 23 年 12 月文部科学省科学技術政策研究所)図表 22~29、32、34、36、38、40、 42、44、46、48 及び参考資料の表「各国の主要な国際共著相手国」等より文部科学省作成 米国は日本の国際共著論文の相手国として格段に高いシェアを持つが、過去 10 年にアジア諸国のシェ アが増加したことに伴い、米国のシェアは減少している。 過去 10 年で、米国、中国、韓国等の国際共著論文に占める日本のシェアは減少している。

図11 分野別ポートフォリオによる分野別全論 …...2013/02/18  · 論文数シェア Top10%補正論文数シェア 0.0 10.0 20.0 化学 材料 科学 物理 学 計算機・

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

10

0.0

10.0

20.0化学

材料

科学

物理

計算機・

数学

工学

環境・

地球科学

臨床

医学

基礎

生命科学

日本(2008-2010年)

論文数シェア Top10%補正論文数シェア

0.0

10.0

20.0化学

材料

科学

物理

計算機・

数学

工学

環境・

地球科学

臨床

医学

基礎

生命科学

日本(1998-2000年)

論文数シェア Top10%補正論文数シェア

図 11 分野別ポートフォリオによる分野別全論文、Top10%補正論文シェアの変化、日本

出典:「調査資料-204 科学研究のベンチマーキング 2011―論文分析で見る世界の研究活動の変化と日本

の状況―」(平成 23 年 12 月文部科学省科学技術政策研究所)参考資料

※ 過去 10 年に中国、欧米諸国等が急速に論文数を増加させる中で、日本の各分野のシェアは減少傾向に

あるが、物理学分野のみ Top10%補正論文シェアを維持している。

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

米国

英国

ドイツ

フラン

ス中

国韓

国カナ

ロシ

オー

ストラ

リア

イタリア

イン

スペ

イン

台湾

Top1

0%補

正論

文数

[本]

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

国際

共著

論文

に占

める

シェ

ア[%

]

Top10%補正論文数(1988-1990年)

Top10%補正論文数(1998-2000年)Top10%補正論文数(2008-2010年)

日本の国際共著論文に占める相手国シェア(1998-2000年)日本の国際共著論文に占める相手国シェア(2008-2010年)

相手国の国際共著論文に占める日本のシェア(1998-2000年)相手国の国際共著論文に占める日本のシェア(2008-2010年)

図 12 Top10%補正論文数と国際共著論文に占める相手国シェアの関係(全分野)

出典:「調査資料-204 科学研究のベンチマーキング 2011―論文分析で見る世界の研究活動の変化と日本

の状況―」(平成 23 年 12 月文部科学省科学技術政策研究所)図表 22~29、32、34、36、38、40、

42、44、46、48 及び参考資料の表「各国の主要な国際共著相手国」等より文部科学省作成

※ 米国は日本の国際共著論文の相手国として格段に高いシェアを持つが、過去 10 年にアジア諸国のシェ

アが増加したことに伴い、米国のシェアは減少している。

※ 過去 10 年で、米国、中国、韓国等の国際共著論文に占める日本のシェアは減少している。

11

3.科学技術外交と国際活動の展開

我が国の科学技術は世界でも有数の高い水準にあり、これを積極的に活用

し、先進国から途上国まで重層的な連携、協力を促進することにより、地球

規模課題等の重要課題への対応を含め外交活動への活用を積極的に推進する

とともに、国際活動を我が国の科学技術力の向上に利用することが重要であ

る。

科学技術外交については「科学技術外交の強化に向けて」(平成 20 年5月

総合科学技術会議決定)において、①科学技術の更なる発展のために外交を

活用するとともに、②外交目的に科学技術を活用する取組を推進する。③今

後は特に、科学技術と外交の連携を高度化し、相乗効果(シナジー)を発揮

するよう重点的に取り組むべきとしている。

科学技術外交を展開する方法としては、政府・学会・民間レベルでの国際

会議等を通じた政策対話、多国間・二国間での共同研究・研究交流、ODA を利

用した開発途上国への科学技術協力等があるが、いずれにおいても、科学技

術外交を推進するに当たっては、国際貢献の視点に終始することなく、例え

ば、我が国の科学技術イノベーションの促進に還元される活動など、我が国

の経済社会にも利益をもたらす活動を重視することが必要である。

また、我が国の少子高齢化による若年層人口の減少や研究上の資源の制約

等を考慮すると、多様な個性、研究テーマを持った海外の研究者との協力を

通じて、科学技術イノベーションの源泉となる多様な資源を取り込むことで

国際競争力の維持、強化を図り、世界の活力と一体になった科学技術活動の

国際展開を図ることが今後一層重要となる。

4.人材育成の強化

新たな知の資産を創出するとともに、世界共通の課題を克服する鍵となる

研究を振興し、研究開発活動を通じて課題達成を進めていくのは、優れた科

学技術人材である。

我が国としては、科学技術の推進を担う多様な人材を、国際研究交流を通

じて、中長期的な視点から、戦略的に育成、支援していく必要がある。特に、

近年、あらゆる活動がグローバルに展開される中、世界に通用する科学技術

人材を確保するために、研究者の海外派遣、国際共同研究の推進等を通じた、

優れた人材の育成に関する取組を強化する。

また、人材の国際的な獲得競争が激化する中において、世界に開かれた研

究開発環境を構築することは、世界の頭脳を取り込んで科学技術イノベーシ

12

ョンを推進する上で必須である。海外から優れた研究人材を引き付けられる

ように、研究者の待遇の向上、国際水準の研究環境及び基盤の整備を一層促

進する。併せて、海外に在住する日本人研究者、日本在住の外国人研究者と

のつながり、交流、循環を促進し、日本を起点とする研究者のネットワーク

を強化する。

13

Ⅱ.科学技術国際活動を戦略的に展開するための方策

文部科学省では、内外の科学技術動向を俯瞰・分析し、政策判断の根拠とな

る情報を提供する科学技術インテリジェンス機能を強化することにより、科学

技術国際活動を戦略的に展開することとしている。

ここでは、前章における科学技術国際活動の現状認識に基づき、「1.相手国

に応じた重層的な協力」、「2.国際的な人材・研究ネットワークの強化」、「3.

科学技術国際活動を展開するための周辺環境整備」のそれぞれについて、基本

的な考え方、関係事業等の実績、今後取り組むべき重点事項を示し、今後、科

学技術国際活動を展開する際の取り組み方針とした。

今後取り組むべき重点事項として示した提言事項については、国、大学、研

究機関等の関係者が協力し、できることから直ちに取り組むことを期待したい。

1.相手国に応じた重層的な協力

(1)基本的な考え方

我が国及び相手国の強み、弱みの分析を踏まえ、国際社会における科学技

術イノベーション活動における各国の位置付けやその変化等も勘案しながら、

先進国から開発途上国まで多様で重層的な国際共同研究を実施する。その際、

共同研究の場が科学技術人材の国際的な活躍の場となるよう留意する。

例えば、先進国、新興国、開発途上国との共同研究について、以下の観点

で進めることが考えられる。

我が国の科学技術の維持・向上を図るため、欧米等の先進国とは先端的な

科学技術研究を通じて戦略的な研究ネットワークの構築を推進する。

今後著しい発展が見込まれるアジア諸国等に対しては、人材育成のみなら

ず共同研究を通じて環境・エネルギー等の共通問題の解決に向けて積極的な

役割を果たし、優れた人材の研究ネットワークへの取り込み等を図る。

開発途上国に対しては、地球規模課題の解決及び開発途上国における研究

課題に応えつつも我が国の科学技術の発展に資する研究活動、人材育成等へ

の貢献を推進する。

14

(2)関係事業等の実績

1)欧米等先進諸国やアジア諸国との国際共同研究等の推進

① 戦略的国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム

(SICORP))

国際共通問題の解決、国際連携による我が国の科学技術力の強化に資する

成果を得るため、欧米等先進諸国やアジア諸国の中から、政府間合意に基づ

き、戦略的に重要なものとして国が設定した相手国・地域及び研究分野にお

いて、イコールパートナーシップの下、国際共同研究を推進する。現在、平

成 21 年度以降欧米の先進諸国等とは、6か国・地域と7分野、アジア諸国と

は、2か国と2分野、計8か国・地域と9分野で協力を実施している。

(参考:国際研究交流・国際共同研究の推進(SICP・SICORP))

15

(e-ASIA 共同研究プログラム)

アジア地域において、科学技術分野における研究交流を加速することによ

り、研究開発力を強化するとともに、環境、防災、感染症など、アジア諸国

が共通して抱える課題の解決や経済発展、人材育成への寄与を目指すプログ

ラムである。本プログラムでは、メンバー国のうち3か国以上により実施さ

れる共同研究を支援する。

平成 24 年6月には、シンガポールにて第1回理事会を開催し、同プログ

ラムが発足した。平成 24 年 10 月までに共同研究プロジェクト3課題を採択

した。

平成 25 年1月現在、日本をはじめベトナム、タイ、インドネシア、ラオ

ス、フィリピン、ミャンマー、マレーシアの8か国が本プログラムに参加し

ており、他の関係国においても、参加に向けた検討が行われている。

(参考:国際研究交流・国際共同研究の推進(e-ASIA 共同研究プログラム))

16

② 戦略的国際科学技術協力推進事業(SICP)

我が国と諸外国との関係強化に資する成果を得るため、政府間合意に基づ

き、戦略的に重要なものとして国が設定した相手国・地域及び研究分野にお

いて、イコールパートナーシップによる国際研究交流を実施する。平成 25 年

1月現在、平成 15 年度以降 24 か国・地域と 33 分野で協力を実施している。

(国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID))

東日本大震災の発生を受けて、本事業の一環として、国際的に重要性を持

つ緊急対応が必要な事象に対して行われる国際共同研究・調査を支援するた

め「国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)」を新たに立ち上げ

た。本プログラムは平成 23 年 10 月にタイで発生した水害においても適用さ

れ、35 課題の国際共同研究を支援した。

(参考:国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID))

東日本大震災を受け、我が国あるいは国際的に重要性を持つ緊急対応が必要な事象に対し、 海

外の研究資金配分機関や研究機関と協働して行われる国際共同研究・調査を支援するため の新

たな枠組みを迅速に立ち上げた。タイ水害においても適用。

現在までに35課題を支援(相手国:アメリカ、フランス、イギリス、インドネシア、タイ)

浦安市における液状化による建築物の被災状況調査、 地盤調査

-日米の異なる地盤調査手法の組み合わせで液状化復旧対策を 講じる上での基礎データを取得-

水中探査ロボットを用いて漁場を探索

-漁船航行時の危険箇所の把握や、漁業の復旧に向けた情報提供に貢献-

より探査性能の高いレスキューロボットの開発

-アメリカ側の飛行ロボットと日本側の地表移動ロボットの組合せで被災建物の詳細地図作成-

課題名:飛行ロボットによる自律探査と地図生成

(H23~24)Vijay Kumar ペンシルバニア大学 教授

吉田和哉 東北大学 教授

Ross W. Boulanger カリフォルニア大学デービス校 教授

時松孝次 東京工業大学 教授

Robin Murphy テキサスA&M大学 教授

松野文俊 国際レスキューシステム研究機構 副会長

課題名:2011年東北地方太平洋沖地震における

地盤災害の日米合同研究・調査(H23)

課題名:津波被害地域での復旧復興に関するロボット

技術研究と調査活動(H23~24)