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第2章 地域別方針

第2章 地域別方針 - 八潮市公式ホームページ 八條地域 79 (2)課題点 交通利便性の良さを活かした北部拠点の形成が必要 です ・広域交通の利便性などポテンシャルの高さを活かし、

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第2章 地域別方針

Ⅲ 地域別構想 ◇ 第2章 地域別方針

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1 八條地域

[1]地域の状況

(1)特性

■広域交通の利便性が高い地域です

・北部の八條には、東西方向に高速外環状道路、南

北方向に東埼玉道路が通り、また八条白鳥交差点

が東埼玉道路の起点となっており、交通アクセス

が良い。

・外環自動車道八潮パーキングエリアが計画され、

今後の流通拠点としての可能性が高い。

■大規模な工業団地が地域の活力となっています

・新町に昭和 40 年代に草加・八潮工業団地が造成

された。

■田園風景が広がり、緑豊かで歴史資源が多く点在

しています

・北部の八條と鶴ヶ曽根の一部は、市街化調整区域

に指定され、田園風景が広がっている。

・規模の大きい八条親水公園、八潮北公園、松之木

公園の他、八條幸之宮運動広場、下河原運動広場

といった広場や八条八幡神社社叢ふるさとの森、

和井田家屋敷林ふるさとの森といった緑の拠点が

ある。

・下妻街道、重要文化財和井田家住宅、太田家住宅

や多数の神社などの文化・歴史資源が点在してい

る。

■公共施設が整備され市民に活用されています

・「やしお生涯楽習館」「八條公民館」「八條図書

館」「コミュニティセンター」などの文化施設や

「エイトアリーナ」といったスポーツ施設が整備

されている。

▲八条八幡神社

▲中川の中州

▲太田家住宅

▲綾瀬川放水路の桜並木

1 八條地域

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(2)課題点

■交通利便性の良さを活かした北部拠点の形成が必要

です

・広域交通の利便性などポテンシャルの高さを活かし、

市や地域の活性化につなげるため、流通業務機能や

集客施設などの計画的な導入による拠点形成。

・拠点の形成にあたり、地域の特性にふさわしい景観

形成への取り組み。

■道路の体系的な整備が必要です

・東埼玉道路や草加彦成線の整備促進。

・八潮南北線延伸の検討。

■豊かな農地・樹林地や中川に残る貴重な自然の保全

が必要です

・農地のもつ多面的な機能の見直し、農地の保全に向

けた取り組みの検討。

・和井田家屋敷林ふるさとの森の他、民有地に残る貴

重な樹林地の保全・活用。

・貴重な自然の残る中川河畔地域の緑地を利用した総

合公園の整備。

■建て替え時の周辺住環境への配慮が必要です

・八潮団地、八潮伊草団地といった大規模な住宅団地

の建て替えに際しての環境負荷の低減・周辺住環境

に配慮した建て替え計画。

■下妻街道や和井田家住宅等の特色ある資源の保全が必要です

・地域に点在している文化・歴史資源を活用した地域の魅力づくり。

■安心・安全なまちづくりが必要です

・公共公益施設の耐震化・不燃化の推進。

・避難路沿道の建築物の耐震化・不燃化の促進。

▲東埼玉道路

▲八潮団地

▲八潮伊草団地

Ⅲ 地域別構想 ◇ 第2章 地域別方針

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[2]地域の声

(1)良いところ

■高速道路や公共施設が整備され、

暮らしやすい地域です

・アンケートでは 6 割が住む場所とし

て良いと感じている。

・アンケートでは公共施設の利用のしや

すさは三地域の中で も評価が高い。

・外環状道路、東埼玉道路が整備されて、

交通が便利になった。

・やしお生涯楽習館や八條公民館は住民の活動拠点。

■中川やまとまった農地など豊かな自然を感じるこ

とができる地域です

・中川には貴重な自然が残り、河畔には緑地・農地

等がある。

・まとまった田んぼが残り、季節の変わり目を見て

楽しめる。

・八条親水公園、綾瀬川放水路沿い、草加市境の葛

西用水沿い、八潮中央公園などの桜並木が良い。

・和井田家屋敷林ふるさとの森をはじめ、特色のあ

る緑や民有地などに樹林地が残る。

・中川堤防から筑波山、八潮伊草団地から富士山が

見える。

・タヌキやハクビシンなどの動物に出会える。

■多くの歴史資源、伝統芸能が息づく地域です

・八条用水・葛西用水は歴史ある水路で長い散歩道。

・下妻街道にかつてあったにぎわい、八条八幡神

社・清勝院などの歴史ある神社がたくさんある。

・鶴ヶ曽根地区に残る上久伊豆神社・下久伊豆神社の祭りは八條らしい歴史と文化。

■人々との交流が活発な地域です

・鶴ヶ曽根にある八潮浴場は市内唯一の銭湯で、住民の交流の場。

・小学生の元気なあいさつが気持ちいい。

▲和井田家長屋門

▲八条用水

<よいと感じる傾向が高い事柄(上位5位)>

62.1

45.5

44.8

37.5

28.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

住む場所として

自然の豊かさを感じる場所として

他のまちへの行きやすい場所として

働く場所として

学ぶ場所として

<公共施設の利用のしやすさ>

10.4

16.2

5.9

8.8

47.6

43.7

51.8

47.4

20.0

17.0

20.8

22.4

12.1

10.8

15.3

10.7

7.6

9.7

7.4

2.3

2.5

3.3

1.25.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

八條地域

潮止地域

八幡地域

満足 まあ満足 普通 やや不満 不満 無回答

1 八條地域

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(2)良くないところ

■安全な道の整備が求められてい

ます

・アンケートでは、「街路灯設置

などの犯罪に対する安全性」

「身近な生活道路の安全性」

「安全で快適な歩道」への不満足傾向が高い。

■道路については便利になった一方で、問題もありま

・外環状道路で地域が分断されてしまった。

・南北方向に太い道路がないため、渋滞の発生や通過

交通が生活道路に進入して歩行者、自転車が危険を

感じている。

・外環状道路、浦和流山線、平方東京線が交わる地点

は複雑な交差点となっており、事故が多い。

■日常使われる道路の安全性や公共交通施設等の生活サービスが不足しています

・バスの利用が不便。

・アンケートでも、「鉄道やバスなど公

共交通機関の利用のしやすさ」「買い

物の便利さ」は他の二地域と比較して

満足度が低い。どちらの項目も特に市

街化調整区域(八條地区、鶴ヶ曽根地

区)の不満足度が特に高い。

・八条橋は老朽化している。

■地域資源を活かした地域の活性化が求

められています

・葛西用水は草加市や足立区側が桜並木

の親水化されているのと比較して、

フェンスで囲まれており殺風景。

・中川や河畔地域の自然環境が守られて

おらず景観が悪化している。

・土地区画整理地区内の公園は画一的で特色にかけ

る。

・リサイクルプラザ周辺は 終処分場や資材置き場

が集中しており、雑然としている。

<調整区域/市街化区域別に比較>

<買い物の便利さ>

7.1

22.9

29.8

34.9

24.4

20.2

31.0

6.4

6.5

6.49.2

1.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

調整区域

市街化区域

<公共交通機関の利用のしやすさ>

2.4

5.5

13.1

10.1

24.4

33.0

29.2

27.5

26.2

18.3

4.8

5.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

調整区域

市街化区域

▲八潮八条交差点

▲殺風景な葛西用水

<不満足傾向が高い事柄(上位5位)>

62.1

61.0

60.3

52.3

51.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

街路灯設置などの犯罪に対する安全性

身近な生活道路の安全性

安全で快適な歩道

排水路の整備状況

公共交通機関の利便性

Ⅲ 地域別構想 ◇ 第2章 地域別方針

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■特性図

1 八條地域

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[3]地域づくりの方針

1)北部拠点の形成

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・東埼玉道路、高速外環状道路による優れた交通立地や外環自動車道八潮パーキングエ

リアが整備されることを活かし、周辺地域の市街化の動向や各種調査結果などをふま

え、流通業務機能の集積や集客施設等を導入します。

・拠点周辺部では、歴史的文化財との調和にも配慮した住宅の計画的整備を図ります。

・拠点にふさわしい街並み景観の形成を図ります。

2)田園都市の形成

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・農地、中川河畔地域、樹林地の活用・保全を図りながら北部拠点整備を見据え、自然

や歴史と調和した良好な田園都市の形成を目指します。

・地域の特性に即した生産基盤を整備し、優良農地としての確保、保全に努めます。

・豊かな自然や和井田家住宅、下妻街道をはじめとする文化・歴史資源など地域特性を

活かした、美しく個性ある景観の形成を図ります。

3)沿道市街地の形成

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・供用済である草加彦成線、浦和流山線の市街化区域内の沿道については、交通利便性

を活かした商業・業務施設や中層集合住宅などの立地を誘導し、活気ある沿道市街地

の形成を図ります。

・草加彦成線の一部未整備区間については、良好な沿道市街地の形成を目指すため、当

該区間の早期完成を促進します。

Ⅲ 地域別構想 ◇ 第2章 地域別方針

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4)工業地の形成

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・新町の工業団地は基幹産業を支える工業地として、周辺環境との調和を図りつつ、操

業環境の充実を図ります。

5)計画的な市街地整備の推進

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・豊かな自然環境の保全、基幹産業の活性化や良好な住環境の形成、防災性の向上の観

点から、区域区分の見直しや地域地区の指定・見直しの検討、地区計画制度・土地区

画整理事業の活用など適切な市街地整備手法により、地域特性にあわせた計画的な市

街地整備を促進します。

・鶴ヶ曽根・二丁目地区及び稲荷伊草第二地区の土地区画整理事業の早期完成を目指し

ます。

6)幹線道路の整備

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・都市の骨格を形成するとともに近隣自治体との連携強化や円滑な都市活動の推進を図

るため、東埼玉道路や草加彦成線の整備を促進します。

・人にやさしい道づくりを基本に、歩行者や自転車の安全性及び道路沿道の良好な景観

づくりを誘導し、だれもが利用しやすい快適な道路空間を形成します。

・北部拠点とシビックセンターを結ぶ地域交流軸として、八潮南北線の延伸を検討しま

す。

7)生活道路の整備

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・市民生活の利便性と安全性を向上させるため、道路の新設や改良等を推進します。

1 八條地域

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8)快適な歩行者空間の確保とネットワークの形成

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・市民生活の利便性と安全性を向上させるため、歩道や自転車道等の整備を推進します。

・だれもが利用しやすい人にやさしい道づくりを進めるため、歩道と車道の分離、段差

の解消などに積極的に取り組むとともに、道路照明灯等の交通安全施設の整備を推進

します。

・道路の清掃や緑化など、市民との協働による良好な道路景観の誘導と環境の保全に努

めます。

・八條や新町とシビックセンターを結ぶ八条用水や八幡地域と連絡する葛西用水沿いに

ついては、良好な歩行者・自転車ネットワークを形成するため、緑道・遊歩道の整備

を推進します。

・地域の水辺空間や文化・歴史資源を巡る良好なネットワークの形成を検討します。

9)水と緑のネットワークの形成

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・中川河畔地域では、水辺空間にふれ親しみ、併せてスポーツ・レクリエーション機能

を有する総合公園及び広場の整備を推進します。

・中川河畔地域、八条用水や葛西用水沿い、浦和流山線から南側の綾瀬川放水路などに

ついては、良好な水と緑のネットワークを形成するため、自然環境や都市景観に配慮

しながら、緑道・遊歩道の整備を推進します。

・和井田家住宅屋敷林、八條幸之宮運動広場などを活かした緑の拠点となる公園整備を

推進します。

・地域のコミュニティ活動の場となる身近な公園の計画的整備を推進します。

・和井田家屋敷林ふるさとの森をはじめ、地域にうるおいを与える貴重な緑を次世代に

引き継ぐため、樹木、樹林、生垣を保存樹木等としての指定や緑地協定※の導入など、

維持管理を支援するシステムづくりについて検討します。

※ 緑 地協定 :都市緑地法に基づく制度で、都市計画区域内の一定区域、一定区間の土地所有者等全員の

合意により、植栽する樹木の種類や場所、垣・さくの構造、有効期間などについて定め市

町村長の認可を受ける。

Ⅲ 地域別構想 ◇ 第2章 地域別方針

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10)大規模住宅団地の周辺環境との調和

都市構造 土地利用 道路・交通 水と緑 住環境 公共施設 景観 防災 やさしい 環境 産業

・八潮団地や八潮伊草団地の大規模な住宅団地の修繕に際しては、バリアフリー化の促

進により、高齢者や障がいのある方が快適に暮らせる環境の形成を図ります。また、

建て替えに際しては、周辺地区への貢献を視野に入れた適切な高度利用※や環境負荷

の低減など、周辺環境への調和に配慮した良好な居住環境の形成を図ります。

※ 高度利用:中層・高層の建築物を建てることによって、土地を有効に利用すること。

1 八條地域

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■方針図