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2014 年 ~ 2018 年 岩手県山田町

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2014年 ~ 2018年

岩手県山田町

第2期健康やまだ21プラン 目 次

第1章 基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第2章 健康やまだ21プラン評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第3章 山田町の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

1 人口構造の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

2 平均寿命の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

3 出生数と出生率の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

4 乳児死亡の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

5 死亡数と死亡率の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

6 疾病状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

7 要介護者の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

第4章 目指す姿と基本的な方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

1 目指す姿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

2 重点目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

3 基本的な方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標・・・・・・・・・・・・19

1 脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防・・・・・・20

(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患・・・・・・・・・・・・・・・・・20

(2)がん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

(3)糖尿病・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

(4)慢性閉塞性肺疾患(COPD)・・・・・・・・・・・・・・・・・38

2 栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、喫煙及び口腔の健康に関する生活

習慣及び社会環境の改善・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42

(1)栄養・食生活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42

(2)身体活動・運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47

(3)飲酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50

(4)喫煙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54

(5)口腔の健康・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58

3 こころの健康づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62

4 母子と高齢者の健康づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

(1)母子の健康(妊娠・出産、乳幼児、育児)・・・・・・・・・・・・66

(2)高齢者の健康・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80

5 健康を支え、守るための社会環境の整備・・・・・・・・・・・・・・84

6 東日本大震災津波後の健康づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・86

第6章 食育推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・91

1 食育をめぐる環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92

2 食への意識・関心・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94

3 規則正しい生活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95

4 栄養バランスのとれた食事の普及・・・・・・・・・・・・・・・・98

5 おやつについての正しい知識の普及・・・・・・・・・・・・・・・100

6 小中学生の体格の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102

第7章 計画の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105

1

第1章 第2期健康やまだ21プランの基本的な考え方

第1章 基本的な考え方 1 経緯、2 趣旨、3 期間、4 性格

2

第1章 基本的な考え方

1 第2期健康やまだ21プラン策定の経緯

本町では、国において平成12年3月に策定した「21世紀における国民健康づく

り運動(健康日本21)」を踏まえ、平成16年3月に「健康やまだ21プラン」を策

定しました。この間、国では「がん対策基本法」「医療制度関連法」の策定のほ

か、メタボリックシンドロームの概念を導入した健康づくりなどの新たな健康

づくり対策に取り組んでいます。

また、平成17年7月に「食育基本法」が施行され、平成18年には、国や県にお

いて、「食育推進計画」が策定されたことを踏まえ、本町においても、平成20年3月

に「山田町食育推進プラン」を策定しました。

このたび、平成24年度を最終年度とする第1期「健康やまだ21プラン」及び「山

田町食育推進プラン」が終了し、プラン評価を行うとともに、食育推進を併せ持つ「第

2期健康やまだ21プラン」を策定しました。

2 第2期健康やまだ21プラン策定の趣旨

○ 町民が生涯を通じて心身ともに健康で質の高い生活を送るためには、正しい生活

習慣や食習慣を身に付け、生活習慣病の発症予防と重症化予防、社会生活を営むた

めに必要な機能の維持向上に努めていくことが重要です。

○ 第8次山田町総合発展計画(平成18~27年度)の基本構想の中で、「健やかで

安心できるくらしの実現で元気創造をめざすまち」を目指し、町民の健康づくりを

推進しておりましたが、平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波による

甚大な被害の影響で、多くの町民に多様な健康課題が生じています。この状況に応

じた対策が求められます。

○ このプランは、町民一人ひとりが取り組むべき健康課題を明らかにするとともに

町民の健康増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、町民の健康寿命

の延伸を図ることを目的として策定するものです。

3 第2期健康やまだ21プランの期間

○ プランの期間は、2014年度(平成26年度)を初年度とし、2018年度(

平成30年度)までの5か年計画とします。

4 第2期健康やまだ21プランの性格

○ このプランは、町民一人ひとりが自らの健康状態を正しく理解し、主体的に健康

づくりに取り組むための行動指針です。

○ このプランは、「第8次山田町総合発展計画」の保健分野における領域計画です。

○ このプランは、健康増進法(平成14年法律第103号)第8条第2項及び、食

育基本法第18条第1項において、市町村の努力義務として定められている、町民

の健康増進、食育推進に関する施策についての基本的な計画です。

3

第2章 健康やまだ21プランの評価

第2章 健康やまだ21プランの評価 1 目的、2 方法、3 概要

4

第2章 健康やまだ21プランの評価

1 評価の目的

平成16年3月の策定から「人とひととのつながりを大事にして安心していつまで

も住んでいたい町」を目指し、計画に基づく健康づくり事業を実施してきた「健康や

まだ21プラン」が平成24年度で終了しました。

この計画施行中、平成23年3月11日に東日本大震災大津波で多くの町民が被災

し、大きな生活環境の変化で新たな健康課題が生じています。

以上を踏まえ、これまでの保健活動の進捗状況や目標の達成状況を検証評価し、課

題を明確にして次期計画につなげるものです。

2 評価の方法

第1期「健康やまだ21プラン(平成15年度~平成24年度)」について評価し

ました。評価実施に当たり、特定健診や東日本健診等のアンケート調査結果により目

標値の達成度、事業実績等を基に評価しました。

3 分野別評価の概要

分 野 評 価 評 価 理 由

栄養・食生活 やや遅れ

① 一日平均塩分摂取量は目標値に達していないが、少し

改善がみられます。

② 肥満者の割合は少し減少したが、岩手県や全国平均よ

りかなり上回っています。

身体活動・運動 概ね順調

① 健康な生活のためにこころがけて身体を動かしている

人の割合は男女とも増加しています。

② 運動習慣の割合は増加していますが、目標値には達し

ていません。

休養・こころ やや遅れ

① 睡眠時間が充分で、熟睡できている人の割合は少し減

少しています。

② 東日本大震災の影響で心身にストレスが溜まっている

人が多い状況です。

がん 遅れ

① がん検診の受診率は震災後、全体的に低下しています。

② 無料クーポン券を配布している大腸・乳がん・子宮が

ん検診の受診率は向上していますが、目標値より低い状

況です。

糖尿病 概ね順調

① 特定健診の受診率は震災後、多少低下しています。

② 糖尿病検査の要指導者は増加していますが、要医療者

は減少しています。

第2章 健康やまだ21プランの評価 1 目的、2 方法、3 概要

5

分 野 評 価 評 価 理 由

循環器疾患 やや遅れ

① 特定健診、若年者健診の受診率は上昇していますが、

目標値には達していません。

② 脳血管疾患年齢調整死亡率は平成13年86.6、平成

23年82.2、また、心疾患年齢調整死亡率は平成13年

155.3、平成23年73.5と減少していますが、男性は

全国や岩手県より高率で、対策が必要です。

口腔保健 順調

① 1歳6か月児及び3歳児のむし歯のない割合は増加

し、改善がみられます。

② 1歳6か月児で親が仕上げ磨きをする割合は殆ど変わ

らない状況です。

③ 3歳児のフッ素塗布経験者は2割以上増加していま

す。

④ 12歳児におけるむし歯保有率は県平均より高く、ま

だまだ改善の必要があります。

アルコール 順調

① アルコールの多量飲酒者は減少しています。

② 妊娠中の女性がお酒を飲む割合は少し減少していま

す。

タバコ 順調

① 喫煙者の割合は男女とも減少しています。

② 妊娠中の喫煙者の割合は減少していますが、産後、再

喫煙するものが多く、改善が必要です。

③ 喫煙者の半分以上が禁煙を希望しており、対策が必要

です。

【分野別評価の判定基準】

区 分 評価基準

順 調 目標項目の達成度がすべて「A」または「B」であるもの

概ね順調 目標項目の達成度で「A」または「B」が半数以上であるもの

やや遅れ 目標項目の達成度で「A」または「B」が半数未満であるもの

遅 れ ① 目標項目の達成度で「D」が半数を超えているもの

② 目標項目の達成度で「A」または「B」が全くないもの

【達成度の判定基準】

到達度 到達度の数値

A 分野別項目の達成割合が100%以上

B 分野別項目の達成割合が50%以上100%未満

C 分野別項目の達成割合が0%を超え50%未満

D 分野別項目の達成割合が0%以下

第 2章 健康やまだ21プランの評価 分野別評価基礎資料

6

健康やまだ21プラン分野別評価基礎資料

項 目 H13 目 標 現 状 達成割合 到達度

1 栄養・食生活

バランスの良い食事に気を付けている人の割合 32.4% 50.0% ㉔41.5% 51.7 B

一日あたりの食塩摂取の減少 12.8g 10g未満 ㉔11.6g 42.8 C

毎日、緑黄色野菜を食べる人の割合

(現状は必要量に対する摂取量の割合)

36.3% 50.0% ㉔60.2% 比較できず

肥満者(BMI25以上)の割合 34.7% 30.0% 32.6% 44.7 C

食生活改善推進員の増加 79名 増加 ㉔59名 D

2 身体活動・運動

日ごろ、心がけて身体を動かす人の割合 男性 52.7% 63.0% ㉔70.6% 191.3 A

〃 女性 53.6% 63.0% ㉔74.5% 181.3 A

1日30分以上、週3回以上運動している人の割合男性 26.9% 37.0% ㉔29.2% 22.7 C

〃 女性 21.2% 32.0% ㉔23.7% 23.1 C

1日30分以上、週2回以上運動している人の割合男性 ㉔29.5%

〃 女性 ㉔20.2%

3 休養・こころ

睡眠時間が充分で熟睡できている人の割合 64.0% 70% 63.5% -8.3 D

ストレスが溜まっている人の割合

(平成 23年はうつスクリーニング結果)

53.0% 減少 40.5% A

ストレスが発散できる人の割合 52.8% 70% -

うつ病について理解している人の割合 76.3% 80% -

悩み等の相談・受診場所を知っている人の割合 45.7% 増加 -

4 がん

胃がん検診受診率 18.1% 25.0% ㉒9.6% -123.1 D

肺がん検診受診率 9.7% 25.0% ㉒9.4% -1.9 D

大腸がん検診受診率 16.4% 30.0% ㉒12.1% -31.6 D

子宮がん検診受診率 13.3% 30.0% ㉒7.2% -36.5 D

肝・胆・腎検診受診率 17.9% 25.0% ㉒11.6% -88.7 D

乳がん検診受診率 21.4% 30.0% ㉒11.1% -119.7 D

5 糖尿病

循環器検診受診率(平成 20年~特定健診) 40.4% 50% 38.9% -15.6 D

糖尿病検査の要指導者の割合 7.1% 減少 9.3% D

糖尿病検査の要医療者の割合 2.4% 減少 2.3% A

6 循環器疾患(脳卒中、心疾患、高血圧、高脂血症)

循環器検診受診率(平成 20年~特定健診) 40.4% 50% 38.9% ―15.6 D

検診結果を生活改善に役立てている人の割合 59.6% 70% -

自分の血圧値を知っている人の割合 76.5% 90% -

循環器疾患に肥満が影響することを知っている割合 83.2% 90% -

血清コレステロール値 240㎎/dl↑の人の割合 17.7% 10%↓ 13.6% 53.2 B

評価参考

脳血管疾患年齢調整死亡率

心疾患年齢調整死亡率

86.6

155.3

82.0

73.5

第 2章 健康やまだ21プランの評価 分野別評価基礎資料

7

項 目 H13 目 標 現 状 達成割合 到達度

7 口腔保健

1歳6か月児のむし歯のない割合 92.1% 95% 96.6% 155.2 A

3歳児のむし歯のない割合 52.6% 70% 76.7% 138.5 A

1歳6か月児で親が仕上げ磨きをする割合 87% 90% 86.8% ―6.7 D

3歳児フッ素塗布経験者の割合 54.1% 80% 75.8% 83.8 B

12歳児における1人平均むし歯数 4.4本 1.5本 3.46本 32.4 C

年1度の定期検診をするものの割合 15% 30% -

8 アルコール

1日に3合以上飲む人の割合 7.6% 5.0% 2.1% 211.5 A

未成年者が酒を飲む割合 中学生 13.2% 0% -

〃 高校生 15.6% 0% -

妊娠中の女性が酒を飲む割合 5.4% 0% 5.1% 55.6 B

9 たばこ

喫煙者の割合 男性 52.3% 30.0% ㉔31.9% 91.5 B

〃 女性 11.6% 7.0% ㉔6.2% 117.4 A

20歳代の喫煙割合 男性 75.0% 50.0% ㉔37.5% 150.0 A

〃 女性 33.3% 20.0% ㉔13.8% 146.6 A

未成年者の喫煙割合 4.2% 0% -

妊娠中の喫煙割合 15.1% 0% ㉔3.8% 74.1 B

たばこを止めたいと思う人の割合 37.4% 50.0% ㉔54.7% 137.3 A

※H13の表記は、平成13年度のデータ

※現状は、平成23年度のデータ

※現状で、㉒・㉔と表記してある項目は、それぞれ平成 22年度、平成 24年度のデータ

【達成度および達成割合の判定基準】

○到達度及び達成判定について

A:目標達成(100%以上)

B:目標に対し 50%以上の達成(50%以上 100%未満)

C:目標に対し 50%未満の達成(0%以上 50%未満)

D:後退(0%未満)

○達成割合の算出方法

・目標値がある場合の計算式(現状-H13)÷(目標値-H13)×100

・目標値がない場合の計算式 現状÷H13×100

8

第3章 山田町の現状

第3章 山田町の現状 1 人口構造の現状、2 平均寿命の現状、3 出生数・率の推移、

4 乳児死亡の推移、5 死亡数・率の推移、6 疾病状況、7 要介護者の状況

9

第3章 山田町の現状

1 人口構造の現状

(1) 人口の推移

本町の人口は、昭和50年代は、2万5千人まで増加しましたが、昭和60年代か

ら減少し始め、平成18年には2万人を割り、平成23年10月1日現在、16,903

人となっています。(図表3-1)

図表 3-1 山田町の人口の推移

(出典:岩手県保健福祉年報)

(2) 年齢層別の人口推移

人口を年齢階層別に見ると、年少人口(0~14歳)が減少し、65歳以上の老年

人口が増加しています。年少人口は、昭和50年27.2%が平成14年には約半数の

14.9%となり、昭和50年に老年人口の3倍以上あった割合が、平成23年には老

年人口が年少人口の2.5倍となっています。老年人口は増加の一途をたどり、平成

23年には、高齢化率31.1%となり、超高齢社会となっています。(図表3-2、3-3)

図表 3-2 年齢階層別の人口推移

(出典:岩手県保健福祉年報)

第3章 山田町の現状 1 人口構造の現状、2 平均寿命の現状、3 出生数・率の推移、

4 乳児死亡の推移、5 死亡数・率の推移、6 疾病状況、7 要介護者の状況

10

図表 3-3 平成 23年山田町人口ピラミット

(出典:岩手県保健福祉年報)

2 平均寿命の現状

本町の平成22年の平均寿命は男性が77.0歳で、全国及び岩手県平均より短くな

っています。また、女性は86.2歳で、岩手県平均より長く、ほぼ全国平均と等しく

なっています。(図表3-4)

図表 3-4 平均寿命の比較

(出典:岩手県保健福祉年報)

(人)

第3章 山田町の現状 1 人口構造の現状、2 平均寿命の現状、3 出生数・率の推移、

4 乳児死亡の推移、5 死亡数・率の推移、6 疾病状況、7 要介護者の状況

11

日常生活動作が自立している期間は、男性において、本町は75.4歳で、全国78.2

歳、岩手県の77.1歳と比べると短いです。女性においては、本町は82.5歳で、

全国の83.2歳より約1歳短いという状況です。(図表3-5)

図表 3-5 2010年 平均寿命と日常生活動作が自立している期間の比較

(出典:岩手県保健福祉年報及び健康寿命算定プログラムより)

3 出生数と出生率の推移

出生数は年々減少しており、平成23年には100人を割り、85人となっていま

す。

昭和60年と比較すると3分の1の出生数となっています。また、合計特殊出生

率は昭和60年2.3人でしたが、平成23年は1.83人となっています。(図表3-6)

図表 3-6 出生数・出生率・合計特殊出生率等の推移

417

275

209 177

122 126 85

16.6

11.2

9.1 8.5

6.3 6.8

5.0

2.30 1.96 1.81 1.54 1.64 1.83

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

昭和50年 昭和60年 平成2年 平成14年 平成19年 平成22年 平成23年

出生数(人) 出生率(%) 合計特殊出生率

(人) (%)

(出典:岩手県保健福祉年報)

(歳)

合計特殊出生率:1 人の女性が妊娠可能年齢(15 歳から 49 歳)の間に産む子どもの

平均数。人口を維持していくには、2.07以上の出生率が必要とされています。

第3章 山田町の現状 1 人口構造の現状、2 平均寿命の現状、3 出生数・率の推移、

4 乳児死亡の推移、5 死亡数・率の推移、6 疾病状況、7 要介護者の状況

12

4 乳児死亡の推移

乳児死亡の推移をみると、0~2人で推移していましたが、平成23年は東日本大

震災大津波で6人の新生児及び乳児が犠牲となりました。(図表3-7)

図表 3-7 乳児死亡・新生児死亡の推移

昭和50

昭和55

昭和60

平成14

平成15

平成16

平成17

平成18

平成19

平成20

平成21

平成22

平成23

乳児死亡 12 2 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 5

新生児死亡 5 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1

0

2

4

6

8

10

12

14乳児死亡 新生児死亡(人)

(出典:岩手県保健福祉)

5 死亡数と死亡率の推移

本町の死亡者数は年々増加しており、平成22年は282人で、平成2年の1.5倍

となっています。また、三大生活習慣病による死亡は全死亡の約6割を占めています。

(図表3-8)

本町の死亡率を主要死因別にみると、悪性新生物(がん)、心疾患及び脳血管疾患

とも増加しており、全国、岩手県と比較しても死亡率がかなり高い状況です。(図表

3-9、3-10、3-11)

図表 3-8 全死亡数及び三大生活習慣病死亡数の推移

156 174 180 182

237

267 282

31 43 38

59 66 74 74

23 31 49 43

42 49 52 4632 26 24 30

5044

0

50

100

150

200

250

300

昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成14年 平成19年 平成22年

死亡者数 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患

(人)

(出典:岩手県保健福祉年報)

第3章 山田町の現状 1 人口構造の現状、2 平均寿命の現状、3 出生数・率の推移、

4 乳児死亡の推移、5 死亡数・率の推移、6 疾病状況、7 要介護者の状況

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図表 3-9 悪性新生物(がん)による死亡率の推移(人口 10万対)

(出典:岩手県保健福祉年報)

図表 3-10 心疾患による死亡率の推移(人口 10万対)

(出典:岩手県保健福祉年報)

図表 3-11 脳血管疾患による死亡率の推移(人口 10万対)

(出典:岩手県保健福祉年報)

第3章 山田町の現状 1 人口構造の現状、2 平均寿命の現状、3 出生数・率の推移、

4 乳児死亡の推移、5 死亡数・率の推移、6 疾病状況、7 要介護者の状況

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平成 23 年の本町の 75 歳未満の悪性新生物(がん)の年齢調整死亡率は、男性

107.9(全国107.1、県116.3)、女性106.8(全国61.2 県59.0)で、女性は

前年と比較すると1.6倍増加しています。(図表3-12)

図表 3-12 悪性新生物年齢調整死亡率の推移(75歳未満)

(出典:岩手県保健福祉年報)

6 疾病状況

山田町国民健康保険加入者の疾病別受診状況は、医療費・件数とも循環器系、消化

器系の疾患が上位を占めています。また、精神及び行動障害、悪性新生物(がん)は

件数に対し医療費が高い状況となっています。(図表3-13、3-14)

また、生活習慣病全体のレセプト(医療報酬の明細)分析結果から、循環器系の疾

患では高血圧が最も多いという結果となっています。(図表3-15)

図表 3-13 疾病別受診状況(平成 25年 5月国保診療分)

1,357

317

760

178130

423

180

442559

114

915

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

循環器系の疾患

精神及び行動障害

消化器系の疾患

新生物

損傷、中毒及びその他の外因の

影響

筋骨格系及び結合組織の疾患

腎尿路生殖器系の疾患

内分泌、栄養及び代謝疾患

眼及び付属器の疾患

神経系の疾患

その他

医療費(千円)

件数

山田町国民健康保険加入者疾病別受診状況(平成25年5月診療分)(千円) (件)

第3章 山田町の現状 1 人口構造の現状、2 平均寿命の現状、3 出生数・率の推移、

4 乳児死亡の推移、5 死亡数・率の推移、6 疾病状況、7 要介護者の状況

15

図表 3-14 悪性新生物の状況(平成 25年 5月国保診療分)

図表 3-15 生活習慣病のレセプト分析(平成 25年 5月国保診療分)

7 要介護者の状況

本町の要介護(要支援)認定者数(第1号及び第2号被保険者)は、平成24年

で888人であり、平成20年から常に800人を超えている状況です。(図表3-16)

第1号被保険者(65歳以上)の認定率は平成24年で15.8%であり、平成20年

の13.9%と比較すると1.9ポイントの増となっています。

図表 3-16 要介護認定者数の推移(各年 9月末現在)

16

第4章 目指す姿と基本的な方針

第4章 目指す姿と基本的な方針 1 目指す姿、2 目標、3 方針

17

第4章 目指す姿と基本的な方針

1 目指す姿

みんなで取り戻す ひとの笑顔 健康で安心できる暮らし

2 重点目標

○ 脳卒中発症予防

○ 健康寿命の延伸

○ 小児・成人肥満の予防と減少

3 基本的な方針

(1) 脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防

○ 健康であることは病気にかからないことでもあり、本町の三大死因である、悪

性新生物(がん)、脳血管疾患(脳卒中)、心疾患を予防することが健康寿命の延

伸に重要と考えられます。

○ 脳血管疾患や心疾患の危険因子であり、神経障害や網膜症等の合併症を併発す

る糖尿病を予防することも重要です。

(2) 栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣及

び社会環境の改善

○ 生活習慣病の発症を予防するためには、町民の健康の基本となる栄養・食生活、

身体活動・運動、飲酒、喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣の改善が重要です。

○ 生活習慣の改善を含めた健康づくりを効果的に推進するために、個人の意識と

行動だけではなく、個人を取り巻く社会環境が整備・改善されることも重要です。

(3) こころの健康づくり

○ こころの健康はいきいきと自分らしく生きるための条件であり、適度な運動や

バランスのとれた栄養・食生活は身体だけでなく、こころの健康においても重要

な基礎となるものです。

○ 震災後、多くの町民が「こころ」と「からだ」にストレスを抱え、体調を崩し

ています。今後、自立再建や災害公営住宅への入居等、生活環境の変化による新

たなストレスがかかることが予想され、さらなるこころのケア活動が必要となり

ます。

第4章 目指す姿と基本的な方針 1 目指す姿、2 目標、3 方針

18

(4) 母子・高齢者の健康づくり

○ 町民が生涯にわたって健康な日常生活を営んでいくためには、妊娠・乳幼児期

から高齢期まで、それぞれのライフステージに応じた健康な生活習慣づくりに取

り組むことが必要です。

○ 母子においては妊娠中から子育て中の環境整備や子どもの健康づくり、高齢期

においては高齢化に伴う身体的、社会的機能の低下を遅らせるための健康づくり

が必要となります。

(5) 健康を支え、守るための社会環境の整備

○ 個人の健康は、家庭、学校、地域、職場等の社会環境の影響を受けていること

から、社会全体として、個人の健康を支え、守る環境づくりに努めることが重要

であり、行政機関のみならず、企業や民間団体等の協力を得ながら町民が主体的

に行う健康づくりの取り組みを支援する環境を整備していく必要があります。

○ 地域や世代間の相互扶助等地域や社会の絆、職場の支援等が機能することによ

り、社会全体が相互に支え合いながら、町民の健康を守る環境を整備することも

必要です。

(6) 東日本大震災津波後の健康づくり

○ 平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波は、本町を含む三陸沿岸地

域におおきな被害をもたらし、その復興もいまだ道半ばであり、被災者をはじめ

とした町民の心身の健康を守るため、これからもきめ細やかな健康支援やこころ

のケア等に取り組んでいく必要があります。

19

第5章 基本的な方針を実現するための取組と目標

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

20

第5章 基本的な方針を実現するための取組と目標

1 脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防

(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

① 脳卒中(脳血管疾患)・心疾患の年齢調整死亡率の低下

【現状】

○ 脳卒中(脳血管疾患)及び心疾患は、がんと並んで日本人の主要死因の大き

な一角を占めており、本町における平成 22 年の死亡者数は、心疾患 52 人、

脳血管疾患44人で、悪性新生物74人に次いで多く、三大死因になっていま

す。(P12図表3-8)

○ 平成23年の本町の脳卒中(脳血管疾患)の年齢調整死亡率は、男性120.3

(岩手県71.3、全国49.5)、女性31.4(岩手県40.7、全国26.9)で、男

性が高値となっています。(図表5-1)

○ 平成23年の本町の心疾患の年齢調整死亡率は、男性122.2(岩手県90.6、

全国 74.2)、女性 41.2(岩手県 42.5、全国 39.7)で、男性が高値となっ

ています。(図表5-2)

○ 山田町国民健康保険加入者において、脳血管疾患による受診状況(5月診療

分)を震災前後で比較すると、平成 22 年は 115 人、平成 25 年は 127人

と増加しています。特にクモ膜下出血は 8 倍、脳内出血は 2.6 倍と増加して

おり、震災ストレスが要因の一つとして影響していると思われます。(図表5-3)

【課題】

○ 脳卒中(脳血管疾患)及び心疾患の危険因子は多岐にわたることから、それ

に関わる生活習慣である栄養・食生活、身体活動・運動、喫煙及び飲酒等につ

いて、総合的に取り組むことが必要です。

○ 岩手県では、平成22年の脳卒中の年齢調整死亡率が全国ワースト1となり

ましたが、本町の年齢調整死亡率は県平均よりかなり高値であり、本町の最も

重要な健康課題です。

○ 心疾患の年齢調整死亡率も男性が高値であり、重要な健康課題です。

○ 震災ストレスなどの原因により、脳血管疾患が増加しており、予防のための

取り組みが必要です。

脳卒中(脳血管疾患)と心疾患の危険因子には、高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿

病があげられますが、疾病の予防のためにはこれらの危険因子の改善(生活習慣の改

善)を図ることが最も重要です。

また、特定健診の受診率及び特定保健指導の実施率を向上し、メタボリックシンド

ローム該当者及び予備群を減少させるとともに、重症化予防のための高血圧及び脂質

異常症の早期発見・早期治療を勧めることも必要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

21

図表 5-1 脳血管疾患年齢調整死亡率

(出典:岩手県保健福祉年報)

図表 5-2 心疾患年齢調整死亡率

(出典:岩手県保健福祉年報)

図表 5-3 脳血管疾患の状況の推移(山田町国民健康保険 5月診療分)

61.9

81.4

98.6

36.1 44.7 30.5

49.5

71.3

120.3

26.9

40.7 31.4

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

140.0

全国 岩手県 山田町 全国 岩手県 山田町

男性 女性

平成17年

平成23年

83.7

98.1

125.5

45.3 47.5

80.9 74.2

90.6

122.2

39.7 42.5 41.2

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

140.0

全国 岩手県 山田町 全国 岩手県 山田町

男性 女性

平成17年

平成23年

39 42

81

39 40

79 3

2

5

7 6

13

1

1

1 7

8

13 15

28

11 16

27

0

20

40

60

80

100

120

140

男性 女性 総数 男性 女性 総数

平成22年度 平成25年度

(人)

その他

クモ膜下出血

脳内出血

脳梗塞

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

22

② 高血圧の改善

【現状】

○ 平成24年度特定健診等の結果、20歳以上の収縮期血圧の平均値は、男性

124.3mmHg、女性119.2mmHgで、岩手県や全国より低い状況です。(図

表5-4)

○ 平成24年度特定健診等の結果、20~74歳では、正常血圧である130m

mHgを超える者の割合が、平成24年度において男性37.1%、女性27.3%

となっています。(図表5-5)

○ 平成24年度特定健診等の結果、男性37.7%、女性30.8%が高血圧症の服

薬をしており、男女ともに服薬している者の割合が増えています。(図表5-6)

【課題】

○ 20歳以上の健診時の平均血圧は岩手県や全国より低いものの、血圧の安定

化のための生活習慣の改善、受診勧奨、治療の継続への支援が必要です。

図表 5-4 収縮期血圧の平均値(20歳以上)

(出典:全国:国民健康・栄養調査、岩手県:健康いわて 21プラン)

図表 5-5 収縮期血圧 130mmHg以上の割合(20~74歳)

図表 5-6 高血圧薬を服用している割合(20歳以上)

135.6 135.6 135.7 134.6 129.2

128.3

128.6

127.3 138.0

135.0

129.0

143.7

125.7 124.3 123.3

139.5

119.3 119.2

100.0

110.0

120.0

130.0

140.0

150.0

H20年度 H21年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(㎜Hg)

全国

岩手県

山田町

43.6

73.0

45.5 41.2 37.1

34.2

65.2

41.0 28.3 27.3

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%)

男性

女性

26.8 32.7 29.8 37.7

21.7

32.8 25.7

30.8

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

H20年度 H21年度 H23年度 H24年度

(%)

男性

女性

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

23

③ 脂質異常症の減少

【現状】

○ LDL(悪玉)コレステロール要医療者(140mg/dl以上)の割合は、平成

24年度においては40歳~74歳で26.3%です。(図表5-7)

○ 平成 24 年度の特定健診等の結果、LDL(悪玉)コレステロール 160mg/

dl以上の者の割合は、20歳以上で男性6.4%、女性11.2%となっています。

年次推移では、男性は県より低い割合ですが、女性は県より高い割合となって

います。(図表5-8)

【課題】

○ 脂質異常症は動脈硬化の危険因子であり、特に LDL(悪玉)コレステロール

は動脈硬化との関連が強い指標とされています。女性で県より LDL(悪玉)コ

レステロール高値者の割合が多いため、改善に向けた取り組みが必要です。

図表 5-7 LDL(悪玉)コレステロール検査結果(40~74歳)

図表 5-8 LDL(悪玉)コレステロール 160mg/dl以上(20歳以上)

(出典:岩手県環境保健研究センター)

48.2

52.6

50.6

46

42.4

25.5

24.7

25.1

24.3

28.0

26.3

22.7

24.3

29.7

29.6

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

H24年度

H23年度

H22年度

H21年度

H20年度

異常なし

要指導

要医療

8.6 8.1 7.8 7.4 12.2 11.6

10.7 10.1

6.5 7.1

4.4 5.9

6.4

13.2 14.6

12.5 10.3 11.2

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%)

岩手県 山田町

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

24

④ メタボリックシンドローム該当者及び予備群の減少

【現状】

○ 平成24年度の特定健康診査の結果、男性の48.0%と2人に1人、女性の

17.4%と約5人に1人がメタボリックシンドローム該当者及び予備群と判定

され、男女ともに県に比較して高い割合となっています。(図表5-9)

○ 年齢階級別でみると、男女ともに年齢が高くなるにつれて該当者及び予備群

の割合が高くなっています。(図表5-10)

【課題】

○ メタボリックシンドロームと循環器疾患との関連性は深く、脳血管疾患や心

疾患などの命に関わる疾患を予防するためには、メタボリックシンドロームの

該当者及び予備群を減少させることが重要です。特に、男性に対して該当者及

び予備群の割合を減少させる取り組みを行う必要があります。

図表 5-9 メタボリックシンドローム該当者及び予備群の割合(40~74歳)

23.8 31.1 29.4 25.6 27.5 26.6 26.0 25.5 25.5

9.5 12.9 13.2 9.2 10.4 11.5 10.9 10.3 9.9

18.1

16.9 14.7 20.7 20.5

18.1 16.9 16.1 16.2

5.4

9.0 5.1 6.0 7.0 7.5 6.7 5.9 6.1

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

H24年度

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

H24年度

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

山田町 岩手県 山田町 岩手県

男性 女性

(%) 該当者 予備群

メタボリックシンドロームとは、内蔵脂肪型肥満に加え、脂質異常、高血糖、血圧値のう

ち2つ以上をあわせもった状態をいいます。

それぞれの危険因子がまだ病気でない軽い状態であっても、重なることで、命に関わる虚

血性心疾患や脳梗塞を引き起こす危険性が高まります。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

25

図表 5-10 H24年度メタボリックシンドローム該当者及び予備群の割合(年代別男女)

⑤ 特定健康診査(特定健診)受診率・特定保健指導実施率の向上

【現状】

○ 本町では、循環器健診として、19歳~39歳を対象とする若年者健康診査、

40歳~74歳の国民健康保険加入者を対象とする特定健康診査、75歳以上を

対象とする後期高齢者健診等を行っています。平成23年度からは、東日本大

震災の健康への影響を明らかにするため、岩手医科大学と共同研究として、研

究へ同意された方を対象に、東日本大震災被災者健康診査を行っています。

○ 東日本大震災健康診査と組み合わせにより、検査項目が増え、後期高齢者健

康診査の受診数が増加しています。(図表5-11)

○ 特定健診の受診率は、平成24年度は40.4%と、「山田町特定健康診査等実

施計画」の目標受診率65%より低く、目標に対する達成率は6割となってい

ます。平成23年度までの受診率は、岩手県と同じ程度の割合、全国より高い

受診率で推移しています。(図表5-12)

○ 特定保健指導の終了率は、岩手県や全国より高い割合で推移していましたが、

東日本大震災の影響により平成 23 年度は 13.1%となり岩手県や全国より低

くなっています。(図表5-13)

【課題】

○ 平成20年度から、メタボリックシンドロームに着目した特定健診・特定保

健指導の制度が導入されました。脳血管疾患や心疾患等の生活習慣病を予防す

るために、特定健康診査受診率の向上や特定保健指導により生活改善を促し、

メタボリックシンドロームを改善することが必要です。

31.8

17.2 20.7 27.8 27.7 28.6 30.6

5.2 3.9 9.6 9.0 10.2 10.3

15.6

24.2

24.1 23.2

17.5 25.1 19.4 14.3

5.2 4.9 9.6 8.5 8.0 7.1 5.3

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.040~

44歳

45~

49歳

50~

54歳

55~

59歳

60~

64歳

65~

69歳

70~

74歳

40~

44歳

45~

49歳

50~

54歳

55~

59歳

60~

64歳

65~

69歳

70~

74歳

男性 女性

(%) 該当者 予備群

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

26

図表 5-11 各種循環器健診の受診数の推移

図表 5-12 特定健診受診率

図表 5-13 特定保健指導終了率

209 243 217 404

186

1357

2089 2075 1888

1841

259

808

303 341 363

3219

2301

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(人)

若年者健康診査 特定健康診査

後期高齢者健康診査 東日本大震災被災者健康診査

30.8

31.4 32.0 32.7

38.1 39.8

39.8

39.2

24.7

39.1

41.0

38.9 40.4

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 全国(市町村国保) 岩手県 山田町

15.3

19.5 20.8 21.7

13.5 15.5

18.3

19.0

19.7

26.0 28.6

13.1 17.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 全国(市町村国保) 岩手県 山田町

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

27

【目標】

目標項目 現状値(H23) 目標値(H30)

脳血管疾患の年齢調整死亡率の低下

(人口 10万対)

男性 120.3 115.0

女性 31.4 30.0

心疾患の年齢調整死亡率の低下

(人口 10万対)

男性 122.2 116.0

女性 41.2 39.0

収縮期血圧の平均値の低下 男性 119.3mmHg 現状維持

女性 125.7mmHg 現状維持

LDLコレステロールが 160㎎/dl以上

の者の割合の低下

男性 5.9% 4.0%

女性 10.3% 8.0%

メタボリックシンドロームの該当者及び

予備群の減少 ※1

(20年度対比 25%減少率の目標)

男性 該当者 25.6%

予備群 20.7%

※3㉙17.9%

㉙13.6%

女性 該当者 9.2%

予備群 6.0%

㉙ 7.1%

㉙ 4.1%

特定健康診査受診率・特定保健指

導実施率の向上 ※2

特定健康診査 38.9% ㉙60.0%

特定保健指導 13.1% ㉙60.0%

※1 ※2 目標値出典:「第2期山田町特定健康診査等実施計画」

※3 ㉙と表記してあるのは、平成 29年度の目標値

【実現に向けた取組】

項目 取組

①脳卒中 (脳血管疾

患)・心疾患の年齢調

死亡率の低下

広報等を通じた正しい知識の普及啓発及び、栄養・運動教室な

ど予防のための具体的な行動につながる機会の提供

ライフステージに応じた生活習慣病予防の普及啓発

脳血管疾患及び心疾患の予防のための危険因子(高血圧、糖尿

病、脂質異常、喫煙など)に関わる生活習慣(栄養・食生活、

身体活動・運動、喫煙、及び飲酒等)の総合的な取り組み

②高血圧の改善 高血圧症の予防・改善のための栄養・食生活、身体活動・運動、

飲酒、喫煙等に関する教室などでの知識の普及、取り組み(減

塩に関する普及啓発、健康教育含む)

要医療者への受診勧奨や、治療者の治療継続の支援、健康相談

等の取り組み

③脂質異常症の減少 脂質異常症の予防・改善のための栄養・食生活、身体活動・運

動に関する教室などでの知識の普及、取り組み

要医療者への受診勧奨や、治療者の治療継続の支援、健康相談

等の実施

④メタボリックシンド

ロームの該当者及び

予備群の減少

予防・改善のための栄養・食生活、身体活動・運動、喫煙、飲

酒に関する教室などでの知識の普及、取り組みの実施

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防(1)脳卒中(脳血管疾患)・心疾患

28

項目 取組

⑤特定健康診査受診

率・特定保健指導実

施率の向上

日曜日・夕方健診の実施など受診しやすい環境の整備。健診未

受診者への追加健診の実施により受診機会の拡大

特定健診の結果、結果データの分析、疾病予防活動に活かすた

めの住民への情報提供

特定保健指導の従事者の資質の向上のための研修会への参加

特定保健指導対象者への個別通知や電話による保健指導利用

の促しなど保健指導実施率の向上

≪内容≫

広報による普及啓発、健康教室・健康相談・保健指導の実施、研修会への参加、特定健

診受診率向上のための日曜日、夕方、追加健診の実施、健診結果データの分析及び町民

への還元

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (2)がん

29

(2)がん

① がんによる死亡率

【現状】

○ 本町のがんによる年齢調整死亡率は、平成 22年 100.9と、岩手県 84.9

よりも高いです。また、脳血管疾患・心疾患と比較すると、がんによる年

齢調整死亡率が高い状況です。(図表 5-14)

○ がんの部位別の年齢調整死亡率では、胃がん及び肺がんが岩手県よりも

高い状況です。胃がん・肺がん・大腸がんは女性より男性が高い状況です。

(図表 5-15)

【課題】

○ がんの原因には、喫煙(受動喫煙を含む)、食生活・運動等の生活習慣、

ウイルス感染など様々なものがあり、がんを予防するためには、これらの

生活習慣の改善やがんと関連するウイルスの感染予防が重要であり、がん

予防のための知識の普及が必要です。

図表 5-14平成 22年3大疾病による 75歳未満年齢調整死亡率

(出典:岩手県保健福祉年報)

84.9

51.5

62.5

100.9

72.8

87.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

がん 脳血管疾患 心疾患

岩手県

山田町

(人口10万対)

がんの危険因子には、喫煙、飲酒、身体活動の低下、肥満・やせ、野菜や果物

の摂取不足、塩分の過剰摂取、ウイルス感染などが挙げられます。がんを予防す

るためには、まずこれらの生活習慣の改善や感染対策が必要です。

また、がんの早期発見・早期治療のために、がん検診を定期的に受けることが

重要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (2)がん

30

図表 5-15 平成 22年 がんの部位別・男女別 75歳未満年齢調整死亡率

(出典:岩手県「健康いわて 21【修正後】・すこやか親子 21 対応指標値(H22)比較」より)

② がん検診

【現状】

○ 本町のがん検診受診率は、平成 21 年度までは全ての検診において増

加しています。これは、平成 21 年度から開始した検診料無料クーポン

券の効果があったことが考えられます。平成 23年度、24年度は減少し

ており、東日本大震災による影響が考えられます。(図表 5-16)

○ 平成 22 年度の各種がん検診受診率は、全ての検診において岩手県よ

りも低い割合です。(図表 5-17)

○ 平成 22 年度の各種がん検診の精密検査受診率は、大腸がん検診以外

は岩手県よりも高い割合です。大腸がん検診の精密検査受診率は 82.0%

と岩手県とほぼ同じ割合ですが、当町の他の検診と比べると低い割合で

す。(図表 5-18)

【課題】

○ がんの早期発見には、定期的ながん検診の受診が必要です。本町では

岩手県と比較すると全ての検診において受診率が低いため、未受診者に

対する通知や電話がけなど、受診率を向上させる取組が必要です。

○ がんの早期治療のためには、有所見者が早期に再検査や精密検査を受

診することが重要です。要再検査者や要精密検査者に対して、積極的に

早期受診を呼びかける取組が必要です。

18.7

5.6

23.0

6.1

13.8

7.1

10.7

4.1

22.4

5.2

26.9

7.6

11.1

2.8

9.0

0.0 0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

男 女 男 女 男 女 女 女

胃がん 肺がん 大腸がん 乳がん 子宮頸がん

岩手県 山田町

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (2)がん

31

図表 5-16 山田町各種がん検診受診率の推移(グラフ)

(出典:山田町 健康増進事業報告)

図表 5-17 平成 22年度がん検診受診率(岩手県、山田町)

(出典:山田町 健康増進事業報告)

8.5

9.1 9.4 9.6

7.5

4.6

6.8 7.1

8.5 9.2 9.4

5.4 5.3

6.6

10.3 10.7

11.6

12.1

13.4

7.9

10.4

6.2

7.7

11.3 11.1 10.4

7.3

17.5

4.4

5.3

7.2 7.2 7.1

4.7

11.7

10.0

11.2 11.9

11.6

9.8

5.9

8.5

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

20.0

H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度

胃がん

肺がん

大腸がん

乳がん

子宮頸がん

肝胆腎

(%)

20.2

33.1

25.9

39.7

33.9

9.6 9.4 12.1 11.1

7.2

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

胃がん 肺がん 大腸がん 乳がん 子宮頸がん

岩手県

山田町

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (2)がん

32

図表 5-18 平成 22年度精密検査受診率(岩手県、山田町)

(出典:財団法人岩手県対ガン協会「事業年報」)

【目標】

目標項目 現状値(H22) 目標値(H30)

75 歳未満のがんの年齢調整死亡率

の減少 100.9 減少

がん検診受診率の

向上

胃がん 9.6% 15.0%

肺がん 9.4% 15.0%

大腸がん 12.1% 20.0%

乳がん 11.1% 20.0%

子宮頸がん 7.2% 15.0%

肝胆腎 11.6% 15.0%

精密検査受診率の

向上

胃がん 100.0%

100.0%

肺がん 94.7%

大腸がん 82.0%

乳がん 95.2%

子宮頸がん 100.0%

肝胆腎 91.7%

78.9

86.3 83.4

91.5 90.9

100.0 94.7

82.0

95.2 100.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

胃がん 肺がん 大腸がん 乳がん 子宮頸がん

岩手県

山田町

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (2)がん

33

【実現に向けた取組】

項目 取組

①がんの予防 広報を活用した、栄養・食生活、身体活動・運動、喫煙、

飲酒等の生活習慣とがん予防に関する知識の普及啓発。

健康教育や健康相談の際に、がん予防に関する情報提供や

検診の受診勧奨を行う。

②がんの早期発見・

早期治療

「がん検診無料クーポン券」や「検診手帳」の活用、検診

機関と連携した、休日・夕方検診の実施等により、対象者

が受診しやすい工夫をし、各種検診受診率を向上させ、よ

り多くの人ががんを早期発見できる体制を整える。

過去の検診結果データを整理・分析し、未受診者へ受診勧

奨の通知を送る等の受診勧奨を行う。

がん検診の有所見者(要再検査者、要精密検査者)に対す

る、受診勧奨及び保健指導を行い、早期治療につなげる。

≪内容≫

広報による普及啓発、健康教育・健康相談・保健指導の実施、家庭訪問、研修会

への参加、がん検診受診率向上のための休日検診の実施、検診結果データの分析

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標

1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (3)糖尿病

34

.(3) 糖尿病

① 糖尿病有病者の増加の抑制

【現状】

○ 特定健診の結果において、糖尿病が強く疑われる者の割合は、平成 24年

度男性 13.4%、女性 7.3%で、男性が女性より高いです。年次推移を見る

と、男女とも増減はありますが、平成20年度と比較すると男女ともに約2%

増加しています。(図表 5-19)

○ 平成 23年度特定健診の結果において、岩手県と全体を比較すると、男女

ともに県より低いです。各年代で比較すると、男性は 55~59 歳のみ県よ

り高く、女性はほとんどの年代で県より高い状況です。(図表 5-20、5-21)

○ 本町の国保において、糖尿病による受診件数および割合(各年 5 月診療

分)は、震災後の平成 23年には大幅に増加しています。(図表 5-22)

件数の多い 10大疾病では、高血圧症に次いで第2位となっています。

【課題】

○ 糖尿病が強く疑われる者の割合は男性が高く、栄養や運動等の生活改善を

促すことが必要です。また、40 歳代でも発症の恐れがあることから、若い

年代に対しても、糖尿病予防への意識を高めていく必要があります。

図表 5-19 特定健診において糖尿病が強く疑われる者の割合年次推移(40 歳~74 歳)

※糖尿病が強く疑われる者とは、ヘモグロビンA1c(JDS値)が 6.1%以上

又は糖尿病治療薬を服用している者

11.7 13.5 12.6 11.8

13.4

5.3 7.0 7.8

6.7 7.3 7.9 9.7 9.9

8.8 9.8

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

男性

女性

全体

(%)

糖尿病は血管疾患のリスクを高め、腎症、網膜症、神経障害、足病変、歯周病と

いった合併症を併発するなど、生活の質並びに社会経済的活力と社会保障資源に多

大な影響を及ぼすことから、「発症予防」、「合併症予防」、「合併症による臓器障害

の予防・生命予後の改善」等、各段階における対策が必要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標

1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (3)糖尿病

35

図表 5-20 平成 23年度特定健診において糖尿病が強く疑われる者の年代別割合(男性)

図表 5-21 平成 23年度特定健診において糖尿病が強く疑われる者の年代別割合(女性)

図表 5-22 やまだの国保における糖尿病受診件数および受診割合(各年 5月診療分)

3.9

7.8

15.0

11.1

15.3 16.3

11.8

4.2

5.8

9.3

12.2

14.7 16.1

17.1

13.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 全体

山田町

岩手県

(%)

2.6

0.8

6.3 5.9

8.9

5.5

10.7

6.7

1.3 2.2

3.9 5.5

7.4 8.8

10.4

7.3

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 全体

山田町

岩手県

(%)

213 201 194 231 224 222

3.8 3.6 3.6

4.5

3.9 4.1

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

0

50

100

150

200

250

H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年

件数

割合

(件) (%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標

1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (3)糖尿病

36

② 糖尿病の合併症の発症防止

【現状】

○ 糖尿病に長期間罹ることにより、脳血管疾患や心筋梗塞、腎症、網膜症、

神経障害、足病変(足壊疽、足潰瘍)、歯周病といった慢性合併症を併発し

やすくなります。また、生活習慣が大きく影響する糖尿病性腎症は、症状の

進行に伴って、人工透析の導入に至る場合があります。本町では、糖尿病性

腎症により、毎年、数人が新規に人工透析の導入となっています。(図表

5-23、5-24、5-25)

【課題】

○ 糖尿病の合併症を併発することにより生活の質(QOL)が低下します。

特に、人工透析は、身体的にも経済的にも負担が大きく、糖尿病性腎症の予

防が重要です。糖尿病治療の継続と良好なコントロールによって、合併症の

予防に努めるよう促す必要があります。

図表 5-23 透析患者数の推移(各年 9月 1日現在)

(出典:岩手県人工透析の実施状況に関する調査結果)

図表 5-24 人工透析となった原因(H24年 9月1日現在)

(出典:岩手県人工透析の実施状況に関する調査結果)

56 53 53

65 65 64 68 67 60

45

55

0

20

40

60

80

H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年

(人)

12

13

13

2

2

2

2

2

1

3

1

2

0 2 4 6 8 10 12 14

糖尿病性腎症

慢性糸球体腎炎

慢性腎不全

多発性腎嚢胞

腎不全による

慢性腎炎

腎硬化症

ネフローゼ

IgA腎症

脳出血による

脊椎性小児まひ

疾病により

患者数

(人)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標

1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (3)糖尿病

37

図表 5-25 新規の人工透析導入者数とその原因

※データは身体障害者手帳受給者分

【目標】

目 標 項 目 現状値(H24) 目標値(H30)

糖尿病が強く疑われる者の増加の抑制 9.9% 9.5%

糖尿病腎症による年間新規透析患者数の減少

H20~24 年度の

5 か年の平均人数

2人

H25~29年度の

5 か年の平均人数

1.5人

【実現に向けた取組】

項 目 取 組

①糖尿病有病

者の増加の

抑制

良好な食生活、適度な運動、適正体重の管理、禁煙、適正飲酒等の糖

尿病予防の知識の普及

各種健診による糖尿病予備群やメタボリックシンドローム該当者・予

備群の早期発見と生活習慣改善による糖尿病有病者の増加の抑制

②糖尿病の合

併症の発症

防止

各種健診による糖尿病の要医療者に対して、早期の受診勧奨。未受診

者や治療中断者に対し、受診状況の確認を行うとともに治療の継続支

援をする。

糖尿病の悪化及び合併症の予防にかかる糖尿病治療の継続支援と良

好な血糖コントロールに向けて、自己管理ができるよう支援する。

≪内容≫

糖尿病予防教室 糖尿病教室 家庭訪問 広報掲載による糖尿病予防についての情報

提供等

1 1 1

4 3

5

3 4

5

5

0

2

4

6

8

10

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

その他の原因

糖尿病性腎症

(人)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (4)慢性閉塞性肺疾患(COPD)

38

(4)慢性閉塞性肺疾患(COPD)

① COPDの認知度の向上

【現状】

○ COPDについて「どんな病気かよく知っている」と答えた県民は 10.6%

(全国 7.1%)、「名前は聞いたことがある」県民が 27.1%(全国 18.1%)

です。COPDの認知度は全国よりも高いですが、まだ、3分の1程度です。

(図表 5-26)

【課題】

○ COPDは、禁煙による予防と薬物等による治療が可能な疾患であること

から、COPDが予防可能な生活習慣病であるという理解の促進を図ること

が必要です。

図表 5-26 COPDの認知度

(出典:GOLD日本委員会調査、岩手県「県民生活習慣実態調査」)

74.8

62.3

18.1

27.1

7.1 10.6

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

全国(H23) 岩手県(H24)

よく知っている

名前は聞いたことがある

知らない(無回答を含む)

(%)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、長期間の喫煙によっておこる肺の炎症性

疾患で、咳・淡・息切れなどを主な症状とし、徐々に呼吸障害が進行し、場合

によっては在宅酸素療法が必要となる疾患です。

大多数の患者が未診断、未治療の状態であるといわれ、その最大の要因は、

新しい疾患名で住民に認知されていないことにあることから、COPDという疾

患の認知率を高め、正しい知識を普及し、予防意識を高めることが必要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (4)慢性閉塞性肺疾患(COPD)

39

② COPD対策の推進

【現状】

○ 平成 17年と平成 22年の COPDの年齢調整死亡率について、全国と岩

手県を比較すると、県は全国よりも低い水準にあります。しかし、全国は

男女ともに減少傾向にあるのに対して、県は、男性では横ばい、女性では

上昇しており、男女ともに全国との差が縮まってきています。(図表5-27)

○ COPDの 5年平均標準化死亡比(H19~23年)は、県 94.0、宮古圏

域 103.6に対して、本町は 136.8と高い状況です。(図表 5-28)

~標準化死亡比~

死亡率は、年齢によって大きな違いがあることから、異なった年齢構成を持つ地

域別の死亡率をそのまま比較することはできません。比較するためには、標準的な

年齢構成に合わせて地域別の年齢階級別の死亡率を算出する必要があります。

標準化死亡比は、基準死亡率(人口 10 万対の死亡数)を対象地域に当てはめた

場合、計算によって求められる期待される死亡数と実際に観察された死亡数を比較

するものです。

全国の平均を 100として、標準化死亡比が 100以上の場合は、全国の平均より

も死亡率が高いと判断され、100以下の場合は死亡率が低いという見方になります。

○ 東日本大震災健康診査の結果、男性で COPD 疑い及び軽症 COPD 疑い

と判定された方の割合は、平成 23年度は 10.3%、平成 24年度は 12.6%

です。(図表 5-29)

○ 男性のCOPD疑い及び軽症COPD疑いの方の喫煙状況を見ると、「吸う」

「やめた」方の割合が高いです。(図表 5-30)

○ 喫煙状況別に COPD疑い及び軽症 COPD疑いの割合を見ると、「吸う」

「やめた」方の割合が高いです。また、喫煙しない方で COPD疑い・軽症

COPD疑いと判定されている方がおり、副流煙の影響や職業的な粉塵・化

学物質等の影響が原因として考えられます。(図表 5-31)

【課題】

○ 岩手県の COPDの年齢調整死亡率は、男性で横ばい、女性で上昇傾向に

あり、禁煙指導による予防や、早期発見・早期治療のための取組みが必要

です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (4)慢性閉塞性肺疾患(COPD)

40

図表 5-27 COPDの年齢調整死亡率

(出典:厚生労働省「人口動態統計(業務加工統計)」)

図表 5-28 5年平均標準化死亡比(H19~23年)

(出典:岩手県環境保健研究センター資料)

図表 5-29 東日本大震災健診における COPD疑い及び軽症 COPD疑いの方の割合

10.0 9.1

1.6 1.4

8.8 8.7

0.7 1.1

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

H17年 H22年 H17年 H22年

男性 女性

全国

岩手県

(人口10万対)

100.0 94.0

103.6 101.5

136.8

93.0

24.3

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

140.0

全国 岩手県 宮古圏域 宮古市 山田町 岩泉町 田野畑村

1.6 1.9 0.6 0.8 1.0 1.2

8.7 10.7

2.5 3.9

4.9 6.5

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

H23年度 H24年度 H23年度 H24年度 H23年度 H24年度

男性 女性 総数

(%) COPD疑い 軽症COPD疑い

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 1脳卒中をはじめとする生活習慣病の発症予防と重症化予防 (4)慢性閉塞性肺疾患(COPD)

41

図表 5-30 東日本大震災健診における COPD疑い及び軽症 COPD疑いの喫煙状況割合

図表 5-31 東日本大震災健診における喫煙状況別 COPD疑い及び軽症 COPD疑いの割合

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

COPD認知度の向上 37.7% 50.0%

【実現に向けた取組】

項目 取組

①COPD認知度の向上

各種がん検診や健康診査の会場でのパンフレット配布によ

る普及啓発。健康教室での COPD の主要な原因である喫

煙の健康への悪影響に関する知識の提供

②COPD対策の推進 健康相談等において禁煙支援、受動喫煙防止対策

≪内容≫

広報等による普及啓発、健康教育・健康相談・保健指導の実施

4.1 5.0

0.4 0.7 1.9 2.3

3.2

4.8

0.1 0.2 1.3

2.0

2.9

2.8

2.6

3.8 2.7

3.4

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

H23年度 H24年度 H23年度 H24年度 H23年度 H24年度

男性 女性 総数

(%) 吸う やめた 吸わない

12.5

18.2

5.8

10.5 10.8

16.1

10.6

13.6

1.7

6.4

9.4

12.6

8.0 7.5

2.9 4.2 4.0

4.9

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

H23年度 H24年度 H23年度 H24年度 H23年度 H24年度

男性 女性 総数

(%) 吸う やめた 吸わない

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (1)栄養・食生活

42

2 栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、喫煙及び口腔の健康に関する生活

習慣及び社会環境の改善

(1)栄養・食生活

栄養・食生活は、生命を維持し、子どもたちが健やかに成長し、また人々が健康

で豊かな生活を送るために欠くことのできない営みであり、多くの生活習慣病の予

防のほか、社会生活機能の維持・向上及び生活の質の向上の観点からも重要です。

そのため、町民の生活の質の向上及び社会環境の質の向上を図るために、身体的、

精神的、社会的に良好な食生活の実現を図ることを目標とします。

① 適正体重を維持している者の増加(肥満:BMI25 以上、やせ:BMI18 未

満の減少)

BMIとは、肥満度を示す指標です。次の計算方法であらわされます。

BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)

判定基準:やせ 18.0未満、正常 18.0以上~25.0未満、肥満 25.0以上

【現状】

○ 平成 24 年度特定健診(40 歳~74 歳)における肥満者の割合は、男性

39.4%、女性 31.8%であり、全国(平成 22年)男性 31.2%、女性 22.2%

と比較すると、男女とも高い状況です。(図表 5-32)

○ 40 歳~74 歳の肥満者の割合の経年的な変化をみると、健康やまだ 21 プ

ランの基準年である平成 15年が男性 35.3%、女性 36.6%に対し、平成 24

年が男性 39.4%、女性 31.8%と女性は減少したものの男性は増加していま

す。(図表 5-32)

○ 若年者健診(20 歳~39 歳)における肥満者の割合の経年的な変化では、

平成 24年度が男性 47.0%、女性 22.7%と平成 15年の男性 36.1%、女性

18.5%と比較して、大幅に増加しています。(図表 5-33)

【課題】

○ 肥満は、本町の健康課題である循環器疾患、糖尿病及びがん等の生活習慣病

のリスク要因であり、肥満者を減少させる必要があります。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (1)栄養・食生活

43

図表 5-32 特定健診におけるBMI判定割合の推移(40~74歳)

図表 5-33 若年者健診におけるBMI判定割合の推移(20~39歳)

② 適切な量と質の食事をとる者の増加

【現状】

○ 本町の平成 24 年度特定保健指導栄養摂取状況調査の結果、「バランスの

良い食事に気を付けている者」の割合は 41.5%と、類似した設問の岩手県

の調査 68.8%と比較すると、2割以上低い状況です。

○ 本町の塩分摂取量は平均 11.6gで、全国平均の 10.6gより多く、また、

個別の摂取状況を見ると、20g以上摂取している割合が 7.5%です。(図表

5-34)

○ 平成 24 年度の各種健診において、夕食後の間食の状況は、「週3回以上

とる」が男性 17.8%、女性 22.8%となっています。また、若年者(20~

39歳)においては、男性40.4%、女性32.7%という状況です。(図表5-35、

5-36)

○ 平成 24 年度若年者健診において、「朝食を週に3回以上欠食する割合」

は、男性 27.7%、女性 22.1%と2割以上が欠食している状況です。(図表

5-37)

35.9 36.2 34.5 40.3 39.4 33.8 31.7 28.9 27.9 31.8

63.2 62.0 63.6 57.9 58.8 63.1 65.2 68.4 68.0 64.0

0.9 1.8 1.9 1.8 1.8 3.1 3.0 2.7 4.2 4.2

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%) 肥満(BMI 25以上) 正常(BMI 18以上25未満) やせ(BMI 18未満)

31.7 26.1 29.1 36.3 47.0

17.4 17.9 8.9

24.0 22.7

66.7 71.0 67.3

62.2 49.0

70.1 68.8 73.9

64.6 64.5

1.6 2.9 3.6 1.5 4.0 12.6 13.3 17.2 11.4 12.8

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%) 肥満(BMI 25以上) 正常(BMI 18以上25未満) やせ(BMI 18未満)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (1)栄養・食生活

44

【課題】

○ バランスのとれた食事は、食後血糖値の上昇抑制に有効であることや、良

好な栄養素摂取量や栄養状態になるといわれており、現状の約 6割の方がバ

ランスの取れてない状況であり、改善する必要があります。

○ 減塩は血圧を低下させ、結果的には循環器疾患を減少させると言われてお

り、本町の健康課題である脳卒中予防のために、減塩の取り組みを進める必

要があります。

○ 若年者から間食や欠食についての食習慣を見直し、改善する取り組みが必

要です。

図表 5-34 食塩摂取量の推移

(出典:厚生労働者「国民・栄養調査」、岩手県「県民生活習慣実態調査」、山田町「特定保健

指導栄養調査」)

図表 5-35 夕食後週 3回以上間食をとる者の割合(20~74歳)

12.6

11.2 10.7 10.6

13.5

11.8 11.4

11.8

11.6

10.0

11.0

12.0

13.0

14.0

H11年 H16年 H21年 H24年

全国 岩手県 山田町 (g)

19.2 17.4 18.9 17.8 25.9 22.9 24.1 22.8

80.8 82.6 81.1 82.2 74.1 77.1 75.9 77.2

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H20年度 H21年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%)

とらない

とる

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (1)栄養・食生活

45

図表 5-36 夕食後週 3回以上間食をとる者の割合(20~39歳)

図表 5-37 朝食を週 3回以上欠食する者の割合(20~39歳)

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

適正体重を維持してい

る者の増加

※肥満(BMI25以

上)の減少

肥満者の割合

【40~74歳・男性】

39.4% 35.0%

肥満者の割合

【40~74歳・女性】

31.8% 30.0%

肥満者の割合

【20~39歳・男性】

47.0% 40.0%

肥満者の割合

【20~39歳・女性】

22.7% 20.0%

適切な量と質の食事を

とるものの増加

バランスのよい食事をと

っている者の割合

41.5% 50.0%

塩分摂取量の平均値 11.6g 10.0g未満

30.2 26.1 33.8 40.4 29.3 31.8 30.0 32.7

69.8 73.9 66.2 59.6 70.7 68.2 70.0 67.3

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H20年度 H21年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%)

とらない

とる

22.2 21.7 33.1 27.7

16.8 17.9 19.3 22.1

77.8 78.3 66.9 72.3

83.2 82.1 80.7 77.9

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H20年度 H21年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%)

欠食しない

欠食する

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (1)栄養・食生活

46

【実現に向けた取組】

項目 取組

①適正体重を維持し

ている者の増加

※肥満(BMI25 以

上)の減少

地域保健及び職域保健の健康教室や講演会の場を通じた適

正体重の維持についての指導

乳幼児健診の場や学校保健委員会の場を利用した適正体重

の維持についての保健・栄養指導の実施

体重記録の必要性についての普及啓発や体重記録のできる

器具等の紹介

食事コントロールの参考になるよう、商品のエネルギー量

や塩分量等、食品成分表示を見ることを促し、意識付けを

図る。

②適切な量と質の食

事をとるものの増

食品を購入する際に、栄養表示を見る習慣をつけるよう啓

「食事バランスガイド」や「適量バランス弁当箱」を活用

した適切な量と質の食事を摂取することの推進

減塩食の調理実習や減塩のための工夫した調理方法等の指

「野菜をプラス 1 皿」や「野菜から食べよう」等の声かけ

運動の推進

町広報やホームページを活用した地場産物利用の料理や郷

土料理の紹介

食生活改善推進員と連携した小・中・高等学校での「食育

出前授業」等の実施

≪内容≫

健康教室、健康講演会、減塩教室、骨粗しょう症予防教室、広報啓発活動、離乳食

指導、食育出前授業、栄養改善事業、特定保健指導、食生活改善推進員育成等

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (2)身体活動・運動

47

(2)身体活動・運動

① 運動習慣者の割合の増加

【現状】

○ 特定健診・東日本大震災健診の受診者において、本町の平成 25 年度の

20~64歳の運動習慣者の割合は、男性が 20.9%、女性が 16.2%であり、

岩手県(平成 24 年度)男性 27.4%、女性 14.4%と比較すると、男性の

割合が岩手県より低い状況です。また、全国(平成 22年度)男性 26.3%、

女性 22.9%と比較すると、男女とも全国より低い状況です。(図表 5-38)

○ 65歳以上の運動習慣者の割合は、男性が38.0%、女性が30.3%であり、

岩手県(平成 24年度)男性 38.9%、女性 33.3%、全国(平成 22年度)

男性 47.6%、女性 37.6%と比較すると、男女ともに岩手県、全国より低

い状況です。(図表 5-39)

【課題】

○ 運動習慣は生活習慣病等のリスクの低減や体力維持・向上に有効であるこ

とから、日常生活の中で無理なく実践できる運動を取り入れる等、自分に合

った運動習慣の定着を図る必要があります。

○ 65 歳以上の高齢者は、生活習慣病の発症や生活機能低下のリスクを低減

させ、自立した生活をより長く送るために、積極的に身体を動かすことによ

り、身体活動量の維持・増進に努めることが必要です。

○ 運動習慣者の割合は、徐々に増加傾向にあり、運動習慣の定着化がみられ

ますが、県や全国と比較して、運動習慣者の割合が低い状況にあるため、よ

り運動習慣の普及活動に努める必要があります。

身体活動・運動が多い人は、不活発な人と比較して、がんや循環器疾患などの

生活習慣病の発症リスクを抑えることができます。また、運動不足は高齢者の認

知機能や運動機能などの社会生活機能の低下と関係することも明らかになってい

ます。活動量を増やすことは、生活習慣病の発症や社会生活機能低下の予防につ

ながり、健康寿命を伸ばすことができます。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (2)身体活動・運動

48

図表 5-38 運動習慣者の割合(20~64歳)

(出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」 岩手県「県民生活習慣実態調査」)

図表 5-39 運動習慣者の割合(65歳以上)

(出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」 岩手県「県民生活習慣実態調査」)

19.1 20.1

23.4 21.6

22.1 20.9

27.4 26.3

12.3 16.5

17.2 14.2

17.3 16.2 14.4

22.9

14.6

17.9 19.8

17.0 19.1 18.0 18.9

24.3

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

(%) 男性 女性 総数

34.0 33.5

38.8 39.7 37.6 38.0 38.9

47.6

25.0 23.8 27.5

30.8 32.3 30.3 33.3

37.6

29.1 27.9 32.5

34.7 34.6 33.8

35.6

41.9

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

(%) 男性 女性 総数

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (2)身体活動・運動

49

【目標】

目標項目

現状値

(H25)

目 標 値

(H30)

運動習慣者の割合の増加

20歳~64歳男性 20.9% 25.0%

〃 女性 16.2% 21.0%

〃 総数 18.0% 23.0%

65歳以上男性 38.0% 43.0%

〃 女性 30.3% 35.0%

〃 総数 33.8% 38.0%

【実現に向けた取組】

項 目

取 組

① 運動習慣者の

割合の増加

健康づくりを目的とした運動教室の開催等、運動習慣の定着に向

けた取組

運動する習慣を身につけるための、健康状態や生活リズム、好み

にあった実践可能な運動プランの提供や啓発活動

身体活動の維持・向上を目的とした日常生活で取り組みやすい歩

行数増加の方法についての普及啓発

気軽に利用できる運動施設や各種運動教室等、健康づくりに関す

る積極的な情報提供

利用しやすい運動環境の整備

効果的な運動プランの提供や指導ができるよう、運動指導者のス

キルアップ

<内容>

健康2倍デー、健康運動教室、地区健康教室・健康相談、出前講座、健康座談会、老

人クラブ健康教室、運動プランの提供、広報掲載、健康教材の配布、万歩計の貸出、

ポスター提示、保健センターの開放及び運動器機の充実、各種研修への参加

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (3)飲酒

50

(3) 飲酒

① 適量飲酒の理解の促進

【現状】

○ 特定健診等の結果、お酒を毎日飲む方の割合は、平成 24 年度の男性は

41.3%、女性は 5.8%でした。男性では毎日飲む方は年々増えています。

(図表 5-40)

○ 特定健診等の結果、適量以上の飲酒者の割合(男性 1日 1合以上、女性

0.5合以上)は、平成 24年度では男性は 37.1%、女性は 6.7%で、適量

以上飲んでいる割合は男性が高い状況です。(図表 5-41)

○ 特定健診等の結果、毎日 3合以上飲む多量飲酒者の割合は、平成 24年

度では男性 4.3%、女性は 0.4%です。年々、男性で多量飲酒する方が増

加しています。(図表 5-41)

【課題】

○ 適量飲酒の理解を促進するため、男性に対し、健康教室等の様々な機会

に知識の普及をする必要があります。

○ 男性の多量飲酒者が年々増加していることから、男性への多量飲酒によ

る健康への影響への知識の普及、節酒への支援が必要です。

図表 5-40 飲酒頻度(20~74歳)

31.8 35.9 35.8 36.2 37.0

76.5 85.2 83.7 81.1 82.5

29.2 25.7 25.7 22.7 21.7

19.0 11.0 12.1 12.8 11.7

39.0 38.4 38.5 41.1 41.3

4.6 3.8 4.2 6.2 5.8

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%) 飲まない 時々(週2~3日)飲む 毎日飲む

適量な飲酒は休養やくつろぎなどの効果を持つ一方、過度の飲酒は、がんや高血

圧、脳血管疾患、脂質異常症、肝機能の低下など多くの病気を引き起こす要因とな

ります。また、アルコール依存症や、飲酒運転、飲酒による暴力や虐待など大きな

社会問題ともなっているほか、未成年者や妊婦の健康への影響も大きく、各世代に

わたり対策を講じる必要があります。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (3)飲酒

51

図表 5-41 お酒を飲む人の飲酒量(20~74歳 男性)

② 妊婦への飲酒対策

【現状】

○ 妊婦の飲酒率は、平成 16 年度 10.4%から平成 24 年度 5.1%と減少

傾向にあります。経年的に岩手県より低い割合でしたが、平成 24年度で

は、岩手県より高くなっています。(図表 5-42)

【課題】

○ 妊婦の飲酒は妊婦自身の妊娠中の合併症などの危険を高める他、胎児に

対してもアルコール症候群や発育障害を引き起こすことから、周囲の人を

含め、妊婦が飲酒しないよう取り組んでいく必要があります。

図表 5-42 妊婦の飲酒率

(出典:いわての母子保健指標)

14.0 11.7 11.1 10.8 10.8

12.5 9.6 10.0 7.8 7.6

1.7 3.3 3.2

2.7 2.3

1.0 1.2 1.4

1.4 0.9

9.0 8.9 8.1

7.4 7.4

15.7 16.2 16.9

18.4 17.6

12.0 10.4 10.8 11.9 12.0

2.3 2.8 2.8 3.3 4.3

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

男性

(%) 毎日3合以上

毎日2~3合

毎日1~2合

毎日1合未満

時々(週2~3日)

3合以上

時々(週2~3日)

2~3合

時々(週2~3日)

1~2合

時々(週2~3日)

1合未満

9.6

8.4 7.4

6.5

5.5

5.0

4.3 4.0

3.3

10.4

7.5

5.6 4.7

9.8

4.4

2.9

5.1

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 岩手県 山田町

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (3)飲酒

52

③ 未成年者の飲酒対策

【現状】

○ 岩手県の未成年の飲酒の割合は年々減少し、平成 24年度では、2.6%と

なっています。(図表 5-43)

【課題】

○ 未成年者は成人に比べてアルコールの代謝能力が低く、急性アルコール

中毒や臓器障害など、健康への影響が大きくなります。また、飲酒開始年

齢が低いほど将来のアルコール依存の危険が高くなります。未成年の時期

から飲酒による健康への影響を啓発し、未成年者の飲酒を防止する取り組

みを推進していく必要があります。

図表 5-43 未成年者の飲酒の割合(岩手県)

(出典:岩手県民生活習慣実態調査)

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

適量以上の飲酒者の割合の減少 男性 37.1% 30.0%

女性 6.7% 6.0%

多量飲酒者(毎日 3合以上飲む者)の

割合の低下

男性 4.3% 3.0%

女性 0.4% 0.2%

妊婦の飲酒をなくす 5.1% 0%

未成年者の飲酒をなくす

※1 岩手県の未成年者の飲酒割合 ※1 2.6% 0%

23.3

17.5

4.8 2.6

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

H11年度 H16年度 H21年度 H24年度

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (3)飲酒

53

【実現に向けた取組】

項目 取組

①適量飲酒の

理解の促進

適量飲酒の知識、飲酒による健康への悪影響に関する知識、飲酒が睡眠

にもたらす影響について普及啓発する。

多量飲酒者への相談、保健指導の実施

②妊婦への飲

酒対策

妊娠届時や出生届時、母親教室、健康教室などで、女性や妊産婦、乳児

への飲酒の悪影響に関する知識の普及啓発及び指導

③未成年者の

飲酒対策

学校関係機関等と連携し、情報の提供、共有など未成年者の飲酒防止へ

の取り組みの実施

≪内容≫

広報での普及啓発、健康教室、健康相談、保健指導、学校等関係機関等と連携

<節度ある飲酒>

男 性:1日 1合未満

女 性:1日 0.5合程度

高齢者や飲んだ時に顔が赤くなる方は、適量より控えてください。

1合の目安量

酒の種類 酒の量 おおよその目安

日本酒(15%) 180ml 1合

ビール・発泡酒(5%) 500ml 中ビンまたはロング缶 1本

チュウハイ(7%) 360ml 350ml缶の 1本

焼酎(25%) 100ml 0.5合強

ウイスキー・ジンなど 60ml ダブル 1杯

ワイン(12%) 200ml ワイングラス 2杯弱

<適量飲酒の10か条>

1 談笑し楽しく飲むのが基本です

2 食べながら適量範囲でゆっくりと

3 強い酒薄めて飲むのがオススメです

4 つくろうよ 週に2日は休肝日

5 やめようよ きりなく長い飲み続け

6 ゆるさない 他人への無理強い・イッキ飲み

7 アルコール 薬と一緒は危険です

8 のまないで 妊娠中と授乳期は

9 飲酒後の運動・入浴 要注意

10 肝臓など定期検査を忘れずに

(出典:アルコール健康医学協会)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (4)喫煙

54

(4)喫煙

① 喫煙防止と禁煙支援

【現状】

○ 特定健診等の各種健診では、平成 24 年度の 20~74 歳で喫煙している

者の割合は、男性が31.9%、女性が6.2%です。全国(平成24年度 国民健

康・栄養調査結果)では、成人の喫煙率 男性32.2%、女性8.4%、県(県民

生活習慣実態調査)では、男性 34.0%、女性 5.9%となっており、県、全

国と比較して、喫煙率に大きな差はありません。(図表5-44)

○ 20~74 歳の喫煙している者で禁煙の意思がある者は、男性 54.2%、女

性56.1%で、喫煙者の約半数が禁煙の意思があると答えています。

【課題】

○ 喫煙している割合の大きな増加は見られませんが、生活習慣病の主要な危

険因子であることから、引き続き、喫煙の健康への影響に関する普及啓発や

禁煙支援などのたばこ対策を推進する必要があります。

図表 5-44 喫煙状況(20歳~74歳)

喫煙はがんや循環器疾患、COPD、糖尿病に共通する主要な危険因子であり、喫煙

率を低下させることにより、当町の生活習慣病の予防や健康づくりに大きな効果が期

待されます。

また、未成年者や妊婦の健康への影響も大きい他、たばこの煙にさらされること(受

動喫煙)の健康への影響も大きいものがあります。

36.3 37.1 35.5 36.4 35.3

91.3 92.3 91.7 89.0 90.0 32.0 28.9 31.1 29.6 32.8

2.8 2.5 3.3 3.2 3.7 31.7 34.0 33.4 34.0 31.9

5.9 5.2 5.0 7.8 6.2

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

男性 女性

(%) 吸わない やめた 吸う

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (4)喫煙

55

② 未成年者へのたばこ対策

【現状】

○ 県民生活実態調査では、平成 16 年度岩手県の未成年者の喫煙率は 10.5%

で平成 21年度 1.6%に減少しましたが、平成 24年度では 2.4%と増加傾向

にあります。(図表5-45)

【課題】

○ 未成年者の喫煙は健康への影響が大きく、また、未成年者の喫煙をなくすこ

とが成人の禁煙率の低下につながることから、未成年者の喫煙防止を推進する

必要があります。

図表 5-45 未成年者の喫煙率(岩手県)

(出典 岩手県 県民生活習慣実態調査)

③ 妊婦へのたばこ対策

【現状】

○ 妊婦の喫煙率は平成24年度5.1%で、岩手県の3.6%よりも高い割合です。

また、以前は喫煙していたが、妊娠後に喫煙を辞めた者の割合は25.6%で、岩

手県の18.5%よりも高い割合になっています。(図表5-46)

○ 平成22年厚生労働省(幼児発育調査)の全国の妊婦の喫煙率は5.0%で、

減少傾向にあります。

【課題】

○ 妊娠中の喫煙は妊婦自身への健康影響にとどまらず、胎児への健康にも大き

な影響を及ぼす危険が高いことから、妊婦の喫煙をなくす取り組みを推進する

必要があります。

○ 出産後の喫煙は、喫煙者本人や出生児の健康にも大きな危険を及ぼす可能

性が高いことから、妊娠後に喫煙を辞めた者への喫煙再開を防止する取り組み

を推進する必要があります。

10.5

1.6 2.4

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

H16年度 H21年度 H24年度

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (4)喫煙

56

図表 5-46 妊婦の喫煙状況

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

④ 受動喫煙防止対策の推進

【現状】

○ 平成24年度の本町で管理している施設における受動喫煙防止対策実施状況

は、100%です。対策で一番多いものが施設内禁煙で 64.3%、続いて敷地内

禁煙が21.4%、分煙が14.3%です。(図表5-47)

○ 平成24年度の岩手県での受動喫煙防止対策実施状況は、行政機関や医療機

関では 90.0%以上の高い割合で取り組みがなされているものの、職場では

62.4%です。(図表5-48)

○ 家庭で受動喫煙の機会を有する者の割合は、岩手県(県民生活実態調査)

において、平成24年度19.9%、全国では10.7%です。飲食店で受動喫煙の

機会を有する者の割合は54.8%、全国では50.1%と高い割合になっています。

【課題】

○ 非喫煙者でも受動喫煙による健康への悪影響が大きいことから、各種健診等

で受動喫煙の健康への影響等の普及啓発を行い、職場や家庭においても受動喫

煙防止対策を一層推進できるような取組が必要です。

○ 施設における受動喫煙防止対策は一層の進展が見込まれることから、今後も、

公共的空間での受動喫煙防止対策に取り組んでいく必要があります。

70.2

70.5

71.5

71.8

73.1

73.9

77.5

77.8

66.4

67.9

73.3

65.4

67.1

67.8

66.7

69.2

22.9 23.5

22.8 23.0

21.6 21.0

18.7 18.5

20.9 25.5

13.3

22.4 22.0

22.2

18.8

25.6

7.0 6.0 5.7 5.3 5.3 5.1 3.8 3.6 12.7 6.6 13.3 12.1 11.0 10.0 14.5 5.1

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

H16年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

H21年度

H23年度

H24年度

H16年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

H21年度

H23年度

H24年度

岩手県 山田町

(%) 吸わない 以前は吸っていたがやめた 吸う

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (4)喫煙

57

94.8 90.0

62.4

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

行政機関 医療機関 職場

(%)

64.3%

21.4%

14.3%

施設内禁煙 敷地内禁煙 分煙

図表 5-47 H24年度山田町における 図表 5-48 H24年度岩手県における

受動喫煙防止対策実施状況 受動喫煙防止対策実施状況

(出典:市町村施設の禁煙・分煙状況調査) (出典:県健康国保課調べ、医療施設調査、

企業・事業所行動調査)

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

成人の喫煙率の低下

男性 31.9% 15.0%

女性 6.2% 3.0%

総数 16.4% 8.5%

妊娠中の喫煙をなくす 5.1% 0%

家庭で受動喫煙の機会を有する者の割合の低下 19.9%(岩手県) 10.0%

【実現に向けた取組】

項 目 取 組

①喫煙防止と禁煙支援 健康教室、各種がん検診、「世界禁煙デー」等の機会において、

たばこの健康への悪影響や受動喫煙防止に関する知識等の普及

啓発

②未成年者へのたばこ

対策

学校保健員会などで未成年に対する喫煙防止教育の重要性につ

いて普及啓発

③妊婦へのたばこ対策 妊娠届出時、母親教室等で喫煙や受動喫煙による健康への悪影

響について普及啓発

④受動喫煙防止対策の

推進

受動喫煙の健康への悪影響、受動喫煙防止対策の必要性、喫煙

する際のマナー等についての普及啓発

≪内容≫

ポスター掲示、広報での普及啓発、各種がん検診でのリーフレット配布、健康教室、

妊娠届出・出生届出時の保健指導、母親教室、学校保健委員会等での情報提供

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (5)口腔の健康

58

(5)口腔の健康

口腔の健康は、生活習慣病や誤嚥性肺炎の予防等の身体的健康だけでなく口か

ら食べる喜び、話す楽しみを保つ等、精神的、社会的な健康にも寄与しています。

このため、国では、平成元年から 80歳で 20本以上の歯を保つことをスロー

ガンとした 8020運動を展開するとともに、平成 23年 8月には「歯科口腔保健

推進に関する法律」を制定しています。乳児から高齢者まで共通する健康の指標

であり、口腔の健康は欠かせません。

① 乳幼児期の歯科保健

【現状】

○ 1歳6か月児のむし歯有病者数は年々減少していますが、岩手県と比較

すると平成23年度で本町の方が0.9ポイント高い状況です。(図表5-49)

○ 3 歳児のむし歯有病者数は年々減少しており、岩手県と比較すると平成

23年度は本町の方が 3.3ポイント低い状況です。(図表 5-50)

○ 1歳6か月児健診でフッ素塗布を任意で行っているため、3歳児までに

フッ素塗布を受けたことのある割合はほぼ 100%です。また、フッ素塗布

と歯科健診が受けられる幼児歯科健診受診券を 2 枚交付しており、1回使

用する割合は約60%、2回使用する割合は約 50%で、平成18年度から

ほぼ横ばいです。(図表 5-51)

【課題】

○ むし歯の有病者数は岩手県や全国と比較して高くなっています。また、

幼児歯科健診受診券使用率もほぼ横ばいのため、使用率を上げ、むし歯の

予防が必要不可欠であるとともに、各乳幼児健診での指導とハイリスク者

への指導の強化が重要です。

図表 5-49 1歳 6か月児むし歯有病者率の推移

7.5

7.2 7.0

5.5

4.6 4.0

5.7

1.9

3.4 3.2

4.3 4.0 3.5

3.3 3.5 3.0 2.8

2.5

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0(%) 山田町 岩手県

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (5)口腔の健康

59

図表 5-50 3歳児むし歯有病者率の推移

図表 5-51 フッ素塗布、歯科健診受診券使用状況の推移

② 学齢期の歯科保健 ※12歳児は中学1年生

【現状】

○ 本町の 12 歳児のむし歯有病者率は、平成 19 年度までは減少していま

すが、その後横ばい状態となり、平成 24年度には 73.9%と高くなり、岩

手県内のワースト1です。(図表 5-52)

【課題】

○ 12歳児のむし歯有病者率はとても高く、改善が必要です。この現状を学

校保健委員会等で情報共有し、対策に努める必要があります。

50.5

56.3

42.1 37.0 34.1 40.2

33.9 41.5

23.4

27.8

42.1 40.4 36.8

36.2 33.9 32.0 30.1

26.7

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 山田町 岩手県

59.7

66.2

61.6

71.9

55.8 62.7

41.7

49.3

46.4 41.4

22.1

48.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

H18年度交付 H19年度交付 H20年度交付 H21年度交付 H22年度交付 H23年度交付

(%) 1回目使用 2回目使用

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (5)口腔の健康

60

図表 5-52 12歳児の(永久歯)むし歯有病者率

(出典:岩手県学校保健統計調査)

③ 成人期以降の歯科保健

【現状】

○ 本町の 74 歳以下の国保加入者一人当り歯科治療費用額は平成 23 年度

まで岩手県や全国と比較し低い状況です。しかし、平成 24 年度は急激に

増加し、県、全国とほぼ変わらない数値となっています。また、同年で口

腔疾患診療の件数も増加しています。(図表 5-53、図表 5-54)

【課題】

○ 平成 24 年に口腔疾患診療件数と治療費が増加したことから、医療費が

無料になったことで、治療が必要な方が顕在化したと推察されます。これ

より、今後は定期健診やむし歯があれば治療するよう呼びかける必要があ

ると考えます。

図表 5-53 国民保険加入者(74 歳以下)の一人あたりの平均歯科治療費の推移

(出典:国民保険の実態)

83.0 78.4

82.5

71.2

62.5 55.9 68.2

61.9 64.6 59.7

73.9

61.1 56.8 54.3 52.1 48.7

44.1 43.2 42.2 40.8 39.3 38.7

67.9 64.0

71.0 59.5

57.8 56.1 54.3

50.9 48.8 46.4 44.3

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0(%) 山田町 岩手県 全国

15,334 15,399 15,242

21,499 20,992 20,821 21,395

22,125 22,005 21,779 22,113

22,609

10,000

15,000

20,000

25,000

H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(円) 山田町 岩手県 全国

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 2栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、

喫煙及び口腔の健康に関する生活習慣病及び社会環境の改善 (5)口腔の健康

61

図表 5-54 各年の 5月診療分による口腔疾患診療件数の推移

(出典:やまだのこくほ)

【目標値】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

1歳6か月児のむし歯有病者率の低下 3.2% 2.0%

3歳児のむし歯有病者率の低下 27.8% 20.0%

12歳児のむし歯有病者率の低下 73.9% 40.0%

定期的に歯科健診を受けるものの割合の増加 25.8%(県) 40.0%

【実現に向けた取り組み】

項 目 取 組

①乳幼児期の歯科保健 各乳幼児健診での歯科指導、保健指導の推進

むし歯ハイリスク児への積極的支援

幼児歯科健診受診率の向上

②学齢期の歯科保健 学校保健委員会への情報提供等

③成人期以降の歯科保健 定期的な歯科健診の普及啓発

健康座談会等各種健康教室における口腔ケアの普及

≪内容≫

乳幼児健診時の歯科健診・歯科指導、フッ素塗布・歯科健診受診券の交付、むし歯

ハイリスク児への積極的支援、健康座談会等各種健康教室での口腔ケアの普及、学

校保健委員会への情報提供等、広報掲載、ポスター掲示

487 445

336

648

461

0

100

200

300

400

500

600

700

H21年 H22年 H23年 H24年 H25年

(件)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 3こころの健康づくり (1)こころの健康

62

3 こころの健康づくり

(1)こころの健康

こころの健康は、人が生き生きと自分らしく生きるための重要な条件であり、

「生活の質」に大きく影響するものです。

こころの健康を保つには、適度な運動やバランスのとれた栄養と食生活、適切

な休養や趣味活動等により、ストレスと上手につきあっていくことが重要です。

① 自殺の予防について

【現状】

○ 本町の平成 14 年から平成 18 年までの自殺者の平均は年間 8 人で、人

口 10万対では 30を超えており、岩手県や全国と比較して高い状況です。

その後、減少した年もありますが、震災後に増加しています。(図表 5-55)

○ 自殺を防止するには、住民同士の共助が必要なため、傾聴ボランティア

やゲートキーパー養成講座を開催しています。

【課題】

○ 自殺の原因は、家庭問題や健康問題、経済・生活問題等、多岐にわたっ

ており、また、複数の問題が複雑に絡み合っているケースが多いことから、

社会全体で自殺対策に取り組む必要があります。不安や悩みの軽減を住民

同士でできるよう、引き続き傾聴ボランティア講座やゲートキーパー養成

講座等を開催する必要があります。

図表 5-55 自殺者の推移(人口 10万対)

(出典:厚生労働省「人口動態統計」)

28.8

48.5

39.3 34.8 35.2

15.4

67.7

15.8 10.7

35.5

35.5

37.6 34.5 33.9 34.0

32.0 33.6 34.2

32.0

28.2

23.8 25.5 24.0 24.2 23.7

24.4

24.0

24.4

23.4 22.9

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年

山田町 岩手県 全国

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 3こころの健康づくり (1)こころの健康

63

② こころのケア活動の推進について

【現状】

○ 特定健診等各種健診問診において、平成 20 年度から平成 24 年度まで

の各年代の睡眠で休養がとれていると感じる方の割合は、年代が上がるほ

ど高い状況です。震災前と後で比較すると若干、各年代とも睡眠で休養が

とれている方の割合が減少しています。(図表 5-56)

○ 震災後、平成 23 年度に設置されたこころの相談室の利用状況は、平成

23年度で実人数 79人、延べ人数 275人です。平成 24年度以降減少し

ており、平成 25年度は実人数16人、延べ人数68人です(平成 26年 3

月 31日現在)。しかし、依然として住民の方々に強いストレスがかかって

いることは否定できません。(図表 5-57)

○ ストレス解消や居場所づくり等を目的に、週 1 回、健康2倍デーを保健

センターにおいて開催しています。

○ 精神障がい者地域移行支援事業により、長期入院していた方が地域で暮

らす機会が増えると予測されるため、住み慣れた地域で精神障がい者が安

心して暮らせるよう、社会復帰教室(オリオンの会)を行っています。ま

た、宮古圏域障がい者福祉推進ネット(レインボーネット)が豊間根地区

で社会復帰教室(望の会)を開催しており、本町でも協力しています。同

時に、精神障がい者を支える家族の支援も重要であることから、家族懇談

会を開催しています。

○ 震災後、支援者は自身が被災しながらも支援活動を行っており、また、

多岐にわたる要望等に対応している現状であり、支援者を支援するため、

技術や知識の獲得、ストレス緩和を目的に勉強会を開催しています。

【課題】

○ 復興が進むにつれ、自立再建や復興住宅への入居等、大きな決断をする

機会が増えるとともに、再度ライフスタイルの変化が起き、大きなストレ

スがかかると予想されるため、こころ相談室等のこころのケア活動の継続

が必要です。

○ 健康2倍デーを継続し、多くの住民へ参加してもらうことで、こころの

健康づくりを推進していく必要があると考えます。

○ 支援者が今後も健康で活動できるよう、支援者への支援を行う必要があ

ります。

○ 精神障がい者やその家族を取り巻く制度や環境が変化しているため、関

係機関と連携し、現状に合わせた形で当事者、家族支援を行う必要があり

ます。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 3こころの健康づくり (1)こころの健康

64

図表 5-56 各年代の睡眠で休養がとれていると感じる者の割合

図表 5-57 こころの相談室利用状況

【目標】

目標項目 現状値 目標値(H30)

自殺者の減少(人口 10万対) 35.5(H23) 20以下

ゲートキーパー養成講座受講者数 63名(H25) 200名

睡眠で休養がとれて

いると感じる人の割

20歳~39歳 51.9%(H24) 65.0%

40歳~74歳 63.5%(H24) 75.0%

75歳以上 75.3%(H24) 85.0%

60.4 72.3 81.1

69.0 72.7 78.8 72.5 79.5 59.0 63.1 70.7

51.9 63.5

75.3

39.6 27.7 18.9

31.0 27.3 21.7 27.5 20.5 41.0 36.9 29.3

48.1 36.5

24.7

0%

20%

40%

60%

80%

100%2

0歳~

39歳

40歳~

74歳

75歳以上

20歳~

39歳

40歳~

74歳

75歳以上

40歳~

74歳

75歳以上

20歳~

39歳

40歳~

74歳

75歳以上

20歳~

39歳

40歳~

74歳

75歳以上

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度

はい いいえ

79

28 16

275

121

68

0

50

100

150

200

250

300

H23年度 H24年度 H25年度

実人員

延人数

(人)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 3こころの健康づくり (1)こころの健康

65

【実現に向けた取り組み】

項 目 取 組

①自殺の予防について こころの相談室やこころのケアセンターとの連携を行

い、こころの面の支援体制の充実に努めます。

傾聴ボランティア養成講座の協力や活動の連携を行い、

こころの健康づくり推進に努めます。

ゲートキーパー養成講座を行い、身近に相談できる人を

増加させることに努めます。

相談窓口の周知を行い、適切な相談行動、受診行動がと

れるよう努めます。

②こころのケア活動の推

進について

精神障がい者や家族が住みよい環境づくりに努めます。

支援者自身が健康で活動ができるよう努めます。

各種教室を継続し、こころと身体の健康を保つ場の提供

を行います。

≪内容≫

こころの相談室、こころのケアセンターとの連携、オリオンの会、望の会、家族懇

談会、ボランティア勉強会、健康 2 倍デー、ゲートキーパー養成講座、傾聴ボラン

ティア養成講座、地域を元気にしたい養成講座、傾聴ボランティア活動への協力、

広報掲載、ポスター掲示、チラシ配布

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~妊娠・出産~

66

4 母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康

~妊娠・出産~

① 妊娠の届出

【現状】

○ 本町の妊娠届出者数は、平成 16 年度は 144 人でしたが、年々減少し、

平成 24年度は 96人となっています。(図表 5-58)

○ 20 歳未満の妊娠届出者の割合は、平成 16 年度 3.5%、平成 24 年度

10.4%と増加しています。また、35 歳以上の妊娠届出者の割合は、平成

16年度 10.4%、平成 24 年度 19.8%と増加しています。(図表 5-59)

○ 妊娠届出週数は、妊娠 11週以内の割合が平成 16年度は 68.1%でした

が、年々増加し、平成 24年度は 82.3%です。妊娠 12週から 21週の割

合は、平成16年度は26.4%でしたが、年々減少し、平成24年度は13.5%

です。妊娠 22 週から 27 週の割合は、平成 23 年度のみ 5.8%で、その

他の年度は 0~2.5%の割合で横ばいです。妊娠 28週以降の割合は、平成

16年度のみ3.5%で、平成17年度以降は0~2.2%の割合で横ばいです。

平成18年度と平成24年度は産後の届出があります。(図表5-60、5-61)

【課題】

○ 20歳未満の出産は、母体が未熟であるため早産や低出生体重児の出生す

る確率が高くなります。また、35歳以上での出産は、流産、妊娠高血圧症

候群、児の先天的な異常の発生率が高くなります。年齢だけでなく、身体

的・精神的な問題や経済的な不安を抱える妊婦に対して、安心して妊娠を

継続し出産を迎えられるよう支援が必要です。

○ 妊娠届出週数は、妊娠 11 週未満の割合が増加していますが、未だに産

後の届出があります。母体の健康を管理し、安全に出産を迎えてもらうた

めに、早期に妊娠届出をするよう、普及啓発が必要です。

○ 思春期の世代に対する、妊娠・出産に関する正しい知識を普及すること

が必要です。

母子の健康は、生涯を通じた健康の出発点であり、次の世代を健やかに育

てるための基盤となるものです。

少子高齢化が進む本町において、安心して妊娠・出産ができる環境を整え、

親子が健やかに成長し、健康な地域をつくるためにも、妊産婦やその家族、

これから妊娠・出産を迎える思春期の世代への支援が重要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~妊娠・出産~

67

図表 5-58 妊娠届出者数の推移

図表 5-59 ハイリスク妊婦の割合

図表 5-60 妊娠届出時の週数(表)

144

116 120 123

102

125

91 104

96

0

20

40

60

80

100

120

140

160

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(人)

3.5 3.4 3.3

0.8 2.0

4.8

3.3 2.9

10.4 10.4

7.8 7.5

17.1 16.7

13.6 14.3

19.2 19.8

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

20歳未満 35歳以上 (%)

(%)

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度11週以内 68.1 63.8 72.5 63.4 77.5 84.0 85.7 79.8 82.312~21週 26.4 34.5 23.3 33.3 19.6 15.2 11.0 13.5 13.522~27週 2.1 1.7 2.5 1.6 2.0 0.8 1.1 5.8 2.128週以降 3.5 0.0 0.8 1.6 1.0 0.0 2.2 1.0 1.0産後 0.0 0.0 0.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~妊娠・出産~

68

図表 5-61 妊娠届出時の週数(グラフ)

② 妊婦本人、家族の飲酒・喫煙

【現状】

○ 妊娠届出時のアンケート調査により、届出時に飲酒をしている方の割合

は、平成 16年度 10.4%、平成 24年度 5.1%と減少しましたが、岩手県

の 3.3%より高い状況です。

○ 妊娠届出時に喫煙をしている方の割合は、平成 16 年度 12.7%、平成

24年度 5.1%と減少しましたが、岩手県の 3.6%より高い状況です。

○ 同居家族に喫煙者がいる割合は、平成 16年度は 66.9%、平成 24年度

は 71.8%と増加し、岩手県の 53.7%より高い状況です。(図表 5-62)

【課題】

○ 妊婦本人だけでなく、夫やその他の同居家族に対して、飲酒・喫煙が胎

児や乳幼児に与える影響に関する正しい知識を普及することが必要です。

68.1 63.8

72.5

63.4

77.5 84.0 85.7

79.8 82.3

26.4 34.5 23.3

33.3

19.6

15.2 11.0

13.5 13.5

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

産後

28週~

22~27週

12~21週

11週以内

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~妊娠・出産~

69

図表 5-62 同居家族に喫煙者がいる割合

※東日本大震災の影響のため、平成 22 年度の山田町のデータはありません。

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

妊娠 11週以内での届出者の増加 82.3% 90%

妊婦の飲酒をなくす 5.1% 0%

妊婦の喫煙をなくす 5.1% 0%

妊婦の同居家族の喫煙者の割合の減少 71.8% 50%

【実現に向けた取組】

項 目 取 組

①妊婦への支援の充実 妊娠届出時や母親教室、家庭訪問等で、妊婦の健康管理

の支援を行う。妊婦一般健康診査受診票(妊婦健診 14

回分、子宮頸がん検診1回分)を交付

思春期の世代に対する

正しい知識の普及

学校等関係機関と連携した妊娠・出産に関する正しい知

識の教育の実施

②妊婦の飲酒・喫煙対策 妊娠届出時や出生届出時、母親教室、健康教室等におけ

る女性や妊産婦、乳児への悪影響に関する知識の普及啓

発及び保健指導

③妊婦の同居家族の喫煙

対策(受動喫煙防止)

妊娠届出時や母親教室等における、飲酒・喫煙の身体へ

の影響に関する知識の普及および保健指導

≪内容≫

妊娠届出時・出生届出時の保健指導、家庭訪問、健康教育、広報等による普及啓発、

妊婦一般健康診査受診票の交付

70.1 67.9 65.4 64.9 59.3 60.0

55.0 54.8 53.7

66.9 69.8 75.3 75.5

62.2 67.8 68.1

71.8

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

岩手県 山田町 (%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~乳幼児~

70

~乳幼児~

① 健康診査の状況

【現状】

○ 本町の平成 24年度の乳児期の健康診査(3か月児健診、6 か月児健診、

10 か月児健診)、1 歳 6 か月児健康診査、3 歳児健康診査の受診率は 94

~100%で、ほぼ全ての乳幼児が健康診査を受診しています。(図表 5-63)

○ 平成 24 年度の 3 歳児健康診査の結果、本町の肥満度 15%以上(太り

ぎみ)の子どもの割合は 9.4%で、岩手県の 5.2%より高い状況です。(図

表 5-64)

○ 平成 24 年度の 3 歳児健康診査のアンケート調査の結果、本町の「甘い

食べ物や飲み物をおやつとして 1 日 2 回以上与えている家庭」の割合は

78.9%で、岩手県の 52.5%より高い状況です。(図表 5-65)

【課題】

○ 乳幼児健診の受診率を向上させ、乳幼児の疾患や発育・発達についての

問題を早期に発見し、早期治療や療育につなげ、健やかな成長発達を支援

していくことが大切です。

○ 幼児期の肥満は、乳児期からの生活習慣、食習慣が大きく影響します。

また、学童期や成人期の生活習慣病を引き起こす重要な問題であるため、

乳幼児健診や家庭訪問の機会を活用した肥満対策が必要です。

図表 5-63 乳幼児健診受診率の推移(山田町)

(%)H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

3か月児健診 98.5 100.0 99.2 100.0 96.8 98.9 98.96か月児健診 95.7 94.9 94.0 96.1 96.9 97.8 100.010か月児健診 96.3 98.4 96.9 97.3 97.6 97.8 97.81歳6か月児健診 98.8 100.0 98.5 96.3 99.0 99.2 98.93歳児健診 98.5 96.3 99.2 96.1 99.0 99.2 98.9

乳幼児期は、子どもの身体発育が著しく、首のすわりやお座り、はいはい、

一人歩き等の運動発達、言語の発達や大人の言うことが分かるようになる等の

精神発達の重要な変化が現れる時期です。また、乳幼児期の生活習慣・食習慣

は、学童期や成人期の生活習慣に影響し、幼児期の肥満は成人期の生活習慣病

を招くと言われています。

乳幼児期の子どもの心身の発育発達や子育ての状況を把握し、親子が健やか

に成長できるよう、支援が必要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~乳幼児~

70

図表 5-64 肥満度 15%以上の3歳児の割合(岩手県、山田町)

※東日本大震災のため、平成 22 年度の山田町のデータはありません。

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

図表 5―65 甘いおやつを 1日 2 回以上与えている家庭の割合の推移(3歳児)

※東日本大震災の影響のため、平成 22 年度の山田町のデータはありません。

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート

7.5 7.7 7.6 6.8 6.5 6.9

5.6 6.8

5.2

9.6 10.9

12.8

4.5

7.6

9.5

12.1

9.4

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

岩手県

山田町

(%)

61.4 60.2 57.6 57.8 57.8 57.5 54.6 55.3 52.5

86.2 80.1 80.8

69.6 76.3 77.5 82.2 78.9

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

岩手県 山田町 (%)

~肥満度~

【計算式:肥満度(%)=(実測体重-標準体重)/標準体重×100】

男女別年齢別身長別標準体重表(村田ら 1980)による標準体重を基準とした

肥満の判定方法

30%以上:太り過ぎ 15%未満-15%超:ふつう

20%以上 30%未満:やや太り過ぎ -20%超-15%以下:やせ

15%以上 20%未満:太りぎみ -20%以下:やせ過ぎ

71

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~乳幼児~

70

② むし歯の状況

【現状】

○ 平成 23年度の 1歳 6 か月児歯科健診の結果、本町のむし歯有病者率は

3.4%と、岩手県 2.5%より高い状況です。(P58 図表 5-49)

○ 平成 23年度の 3歳児歯科健診の結果、本町のむし歯有病者率は 23.4%

と、平成 15 年度の 50.5%より減少しました。しかし、平成 24 年度は

27.8%と増加しています。(P59 図表 5-50)

○ 本町の「仕上げ磨きを毎日行っている家庭」の割合は、平成 16 年度は

59.4%と岩手県より低いですが、平成 24 年度は 81.1%と岩手県と同じ

割合です。(図表 5-66)

【課題】

○ 乳幼児期のむし歯は、永久歯の萌出や歯並びに影響します。むし歯予防

に関する知識の普及や、フッ素塗布の利用等の予防対策が必要です。

図表 5-66 仕上げ磨きの状況の推移

※東日本大震災の影響のため、平成 22 年度の山田町のデータはありません。

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート

70.1 70.0 72.2 73.8

76.2

77.5 80.1 79.4 81.1

29.9 30.0 27.9 26.2 23.9 22.6

19.8 20.6 18.9

59.4 61.1 71.5 72.6

76.5

70.9 72.6

81.1

40.6 38.9

28.5 27.4 23.5 29.1 27.4

18.9

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

岩手県 毎日している 岩手県 時々及びしていない

山田町 毎日している 山田町 時々及びしていない (%)

72

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~乳幼児~

70

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

乳幼児健診受診率の向上 3か月児 98.9%

100%

6 か月児 100.0%

10 か月児 97.8%

1 歳 6 か月児 99.2%

3歳児 99.1%

3歳児の肥満の割合の減少 9.4% 5.0%

むし歯有病者率の減少 1 歳 6 か月児 3.2% 2.00%

3歳児 27.8% 20.0%

一人当たりのむし歯本数の減

1 歳 6 か月児 0.14 本 0.05 本

3 歳児 1.46 本 1.00 本

甘いおやつを1日2回以上与

えている家庭の割合の減少 3 歳児 78.9% 50%

仕上げ磨きを毎日行う家庭の

割合の増加

1 歳 6 か月児 ― 100%

3 歳児 81.1%

【実現に向けた取組】

項 目 取 組

①乳幼児健診

受診率の向上

健診スタッフの充実、健診内容や組み合わせの工夫等により、

保護者が健診を受診しやすい環境を整える。欠席者へ積極的に

受診勧奨を行う。

②肥満対策 広報等を活用した乳幼時期の肥満に関する知識の普及

乳児期からの健診や家庭訪問をとおした、食習慣と運動発達に

関する保健指導・栄養指導の実施

③むし歯予防対策 広報等を活用した乳児期のむし歯に関する知識の普及

仕上げ磨きやフッ素塗布、おやつの与え方等に関する保健指

導・栄養指導の実施

≪内容≫

健診欠席者への積極的な受診勧奨、未受診者の早期状態把握、家庭訪問、保健指導、

保育園・幼稚園との連携した支援、広報等による乳幼児期の健康・発育発達に関す

る正しい知識の普及啓発

73

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~育児~

74

31.6 31.8

33.2 31.5

28.0 28.1 28.4

24.5

25.5

40.1 36.1

32.2

22.5

30.4

38.4

18.2 27.2

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 岩手県 山田町

~育児~

① 育児中の保護者の心のゆとりの状況

【現状】

○ 本町の平成 24年度のアンケート調査の結果、「ゆったりとした気分で子

どもと過ごせる時間」について、「ない」及び「どちらともいえない」と回

答した保護者の割合は、1 歳 6 か月児では 27.2%(岩手県 25.5%)、3

歳児では 38.3%(岩手県 30.7%)で、1歳 6か月児、3歳児ともに岩手

県より高い割合になっています。(図表 5-67、5-68)

【課題】

○ ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間が「ない」「どちらともいえ

ない」と回答した保護者が多いです。日常の子育てに関する不安の軽減や、

保護者が心にゆとりを持って子育てができるよう、保護者への支援が必要

です。

図表 5-67 ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間が「ない」「どちらともいえ

ない」 と答えた保護者の割合(子どもの年齢:1歳 6か月)

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

国民運動計画である「健康日本 21」の一翼を担うものとして平成 13

年に策定された「健やか親子 21」では、思春期の保健対策の強化や子ど

もの心の安らかな発達の推進、育児不安の軽減等を挙げ、取り組みが行わ

れました。安心して子どもを産み、育てられる環境を整えることは、健や

かな子どもの発達に重要で、望まない妊娠や幼児虐待の予防、産後の保護

者の心の健康にも大きく影響を及ぼします。少子高齢化が進行し、多様な

ニーズが顕在する本町においても、今後、個人の対策では解決できない課

題の取り組みとして、地域社会の支援体制づくりを進めることが必要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~育児~

75

図表 5-68 ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間が「ない」「どちらともいえ

ない」 と答えた保護者の割合(子どもの年齢:3歳)

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

② 父親の育児参加の強化

【現状】

○ 本町の平成 24年度のアンケート調査の結果、「育児に参加する父親の割

合」は 1歳 6か月では 55.3%で、岩手県の 59.0%より低く、3歳児では、

57.6%で岩手県の 56.5%とほぼ同じ割合です。全国の成人男女に実施し

た「父親の育児参加に関する世論調査」(平成 24年 一般社団法人 中央調

査社)では、父親の育児参加状況は 83.4%と本町より高い割合です。(図

表 5-69、5-70)

【課題】

○ 父親が育児に参加することは、母親の負担が軽減されるだけでなく、子

どもの心身の発達にも様々な良い効果があるとされ、近年、父親の育児参

加の重要性が見直されています。今後、さらに父親の育児参加が促進され

るよう、男性の育児参加に対する効果の普及啓発等、意識を高めるよう支

援が必要です。

38.0 39.4 36.1 37.1 35.0 34.2 32.1 30.9 30.7

41.0 42.0 39.3

40.9 39.2 40.5

38.0 38.3

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

岩手県 山田町

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~育児~

76

図表 5-69 育児に参加する父親の割合(子どもの年齢:1歳 6か月)

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

図表 5-70 育児に参加する父親の割合(子どもの年齢:3歳)

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

③ 虐待予防

【現状】

○ 本町の平成 24年度のアンケート調査の結果、「子どもを虐待していると

思うことがあるか」という質問に対して、「ある」及び「どちらともいえな

い」と回答した保護者の割合は、1歳6か月児で28.3%(岩手県16.1%)、、

3歳児では 26.6%(岩手県 22.8%)であり、1歳 6か月児、3歳児とも

に岩手県より高い割合です。(図表 5-71、5-72)

【課題】

○ 平成 24年度の全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数(厚生

労働省)は約 6万 6千件と過去最多を記録しています。児童虐待の背景に

は、望まない妊娠や 10 代の出産、少子高齢化や核家族の増加など、子ど

もを持つ親の孤立が背景にあると言われています。望まない妊娠を予防し、

子育て等で保護者を孤立させない社会づくりを行っていくとともに、地域

住民や関係機関に児童虐待の周知を行い、早期に発見できる体制づくりが

必要です。

55.0 56.4 58.0 56.8 58.7 58.1 58.6 62.2 59.0

46.5 45.5 53.2 58.3 55.3 51.0 60.0 55.3

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 岩手県 山田町

52.5 52.8 53.8 55.4 55.9 57.2 55.3 58.1 56.5

47.3 47.2 59.7 45.5 52.9 55.5 55.7 57.6

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 岩手県 山田町

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~育児~

77

図表 5-71 子どもを虐待していると思うことがあるかという問いに「ある」「どちら

ともいえない」と答えた保護者の割合(子どもの年齢:1歳 6か月)

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

図表 5-72 子どもを虐待していると思うことがあるかという問いに「ある」「どちら

ともいえない」と答えた保護者の割合(子どもの年齢:3歳)

(出典:「がん等疾病予防支援システム」アンケート)

④ 思春期の保健対策の強化

【現状】

○ 当町では、平成 13年度から岩手県立山田高校と共催で、高校生に対し、

かけがえのない命、体のしくみ、避妊の方法、異性との交際の仕方等、思

春期の心身の健康の保持増進に関する保健講話を実施しています。平成24

年度の保健講話実施後のアンケート結果より、自分自身のことをかけがえ

のない存在だと思う者の割合は、講話前が「よく当てはまる」4.0%、「や

や当てはまる」16.0%であったのに対し、講話後は「よく当てはまる」

16.0%、「やや当てはまる」31.0%と実施前より増加しています。

23.3 20.9 21.3 21.0 18.9 18.4 17.3 17.2 16.1

23.4

30.1 28.7 26.1 24.2

21.6 21.5

28.3

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 岩手県 山田町

28.6 30.2 27.4 27.3 26.9 26.5 25.1

24.3 22.8

28.6 33.3

28.8

45.0

33.6 35.6

32.4

26.6

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(%) 岩手県 山田町

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~育児~

78

【課題】

○ 思春期は、心身共に大人に向かって成長する発達段階で、発達を遂げる

身体や異性との対人関係について悩みを生じやすい時期です。この時期の

関わりが思春期以降の自己肯定感や人間関係などに大きな影響を与えると

言われています。自分を大切に思う気持ちは、他者を大切に思う気持ちの

重要な基礎となることから、今後も「生」と「性」に関する健康教育を推

進していく必要があります。

⑤ 療育支援

【現状】

○ 心身の発達などで心配がある乳幼児を対象に療育教室(ひよこ教室)を

月に 1回実施しています。保護者との遊びや、他の子ども達との関わりの

中から、子どもの豊かな成長を目指します。

○ 岩手県立療育センター、宮古児童相談所主催で、子どもの心身の発達に

ついて相談できる発達相談を実施しています。

○ 平成 24 年度から子どもと保護者のコミュニケーションを良好にするこ

とを目的に、療育教室に参加している保護者を対象として、ペアレントト

レーニングを実施しています。

【課題】

○ 何らかの障害や課題、育てにくさをもつ子どもの保護者に対し、関係機

関と連携し、巡回療育相談等の専門的な支援を受けられる機会を設け、不

安や悩みに対する支援を行っていく必要があります。

○ 子どもの心身の発達は 3歳以降も著しく、5歳児相談等の 3歳以降の心

身の発達を確認する機会の検討が必要です。

○ 障がいや発達に課題をもつ子どもは、その子どもの発達に合わせた支援

を受けることが重要です。地域でも適切な支援や対応がなされ、差別やい

じめを受けることなく生活が出来るよう、地域で子どもの発達や特徴を理

解し、子どもとその家族を見守ることができる体制作りが必要です。

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

ゆったりとした気分で子ど

もと過ごせる時間がないと

感じる保護者の割合の減少

1歳 6か月児 27.2% 20.0%

3歳児 38.3% 30.0%

育児に参加する父親の割合

の増加

1歳 6か月児 55.3% 60.0%

3歳児 57.6% 60.0%

子どもを虐待していると思

うことがある保護者の割合

の減少

1歳 6か月児 28.3% 16.0%

3歳児 26.6% 22.0%

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(1)母子の健康 ~育児~

79

【実現に向けた取り組み】

項 目 取 組

①育児中の保護者の

心のゆとりの支援

乳幼児健診等での育児状況の確認と、保護者の育児不

安やストレスについての聞き取り、子育て支援センタ

ー等の周知、相談の実施

②父親の育児参加の推進 妊娠届出や出生届出時、乳児訪問や乳幼児健診等で父

親の育児参加について普及啓発

学校保健委員会等で父親の育児参加や、その重要性等

の普及啓発

③虐待予防対策

乳幼児健診等で把握した育児困難、養育困難のある家

庭への訪問や指導

各幼稚園・保育園、児童民生委員等と連携した虐待の

早期発見の体制の強化

④思春期の保健対策 県立山田高校と連携した健康講話の実施

⑤療育支援 乳幼児健診で子どもの発達に不安や心配のある保護者

に療育教室や療育巡回相談等の周知

療育教室に参加している保護者や、子どもへの対応に

困難感を持っている保護者に対する関係機関等と連携

した指導の実施

3 歳児健康診査以降、子どもの心身の発達を確認でき

る場の検討

≪内容≫

乳幼児健康診査での問診・保健指導、個別訪問、園訪問、健康講話、療育教室、ペ

アレントトレーニング、巡回相談、母親教室、学校保健委員会や各種届出での普及

啓発

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(2)高齢者の健康

80

(2)高齢者の健康

① 高齢者の健康づくり

【現状】

○ 後期高齢者健診において、「肥満あり(BMI25以上)」と判定される男性

の割合は、平成 25年度 30.5%で、平成 20年度より 3.1%増加しています。

女性は平成 25年度 32.9%で、平成 20年度の 40.4%より減少しています

が、常に 3割を超えており、また、男性より高い割合になっています。(図表

5-73)

○ 後期高齢者健診の問診において、「夕食後に間食を週に 3回以上とる」と回

答した割合は、平成 22年以降は、男性より女性が高くなっています。また、

「運動習慣あり」と回答した割合は、男性より女性が低く、男性より女性に肥

満が多い原因になっていると考えられます。(図表 5-74、5-75)

【課題】

○ 肥満は、高血圧や心臓病、糖尿病等の生活習慣病及び膝関節痛、腰痛等の整

形疾患の要因ともなり、生活の質及び日常生活にも影響します。食習慣や運動

習慣等を改善することで、肥満を軽減し、生活習慣病及び整形疾患の予防を促

進していくことが必要です。

図表 5-73 後期高齢者健診におけるBMI結果

2.4 4.0 3.7 2.3 1.7 2.2 4.4 3.2 1.7 3.3 3.8

69.9 66.4 72.4 71.0 67.3 67.8

57.4 58.1 60.8 65.4 66.3 63.3

27.6 29.7 27.6 25.3 30.4 30.5 40.4 37.4 36.1 33.0 30.4 32.9

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

H24年度

H25年度

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

H24年度

H25年度

男性 女性

~17.9 18.0~24.9 25.0以上 (%)

超高齢社会となっている本町において、健康で自立した高齢者が増えること

が、地域活性化に非常に重要な要素となります。

高齢者が自立した日常生活活動を維持するためには心身ともに健康であるこ

と、運動機能の健康維持や適切な栄養の確保、高齢者の社会参加や生きがいづく

りが重要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(2)高齢者の健康

81

図表 5-74 後期高齢者健診受診者で夕食後に週3回以上間食を食べる割合(男女別)

図表 5-75 後期高齢者健診受診者で運動習慣のある割合(男女別)

② 介護予防の推進

【現状】

○ 本町の介護認定者は、平成 16年の 805人から年々増加しており、平成

24年 9月末現在では 888人となっています。介護認定区分については、

大きい変動はなく推移しています。(図表P15 3-16)

○ 平成 22年度において、介護認定者の割合を年代別にみると、65歳以上

の高齢者が 96.2%と大部分を占め、75~79歳 15.0%、80~84歳

22.8%、85歳以上 44.3%と年齢が高くなるほど増加しています。(図表

5-76)

○ 新規の介護認定者は、平成 22 年度は 260 人、平成 23 年度 310 人、

平成 24 年度 238 人と、3 年間で平均 269 人に介護が必要となっていま

す。(図表 5-77)

16.3 14.4

11.7

7.4

10.5

12.4 15.4

13.7 13.9 15.6

13.3 14.3

0.02.04.06.08.0

10.012.014.016.018.0

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

H24年度

H25年度

H20年度

H21年度

H22年度

H23年度

H24年度

H25年度

男性 女性

(%)

32.5 34.2 34.5 30.9

36.8 41.2

19.1 16.5 21.5

27.4 28.2 27.8

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

H20年

H21年

H22年

H23年

H24年

H25年

H20年

H21年

H22年

H23年

H24年

H25年

男性 女性

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(2)高齢者の健康

82

【課題】

○ 高齢化の進展に伴い、介護を必要とする高齢者が今後も増加することが予

想されます。食生活や身体活動等の生活習慣の改善を図りながら、健康で日

常生活活動を自立して送れる期間の延伸を目指し、介護予防を推進していく

必要があります。

○ ロコモティブシンドロームは、運動器の障害のために自立度が低下し、介

護が必要となる危険性が高い状態と定義されています。運動機能の健康の維

持・向上を図るために、ロコモティブシンドロームの予防を推進する必要が

あります。

図表 5-76 年代別介護認定者の割合(H22年度)

図表 5-77 新規の介護認定者数

21 49 39

43

40 39

47

67

48

60

59

46

32

37

25

33

25

22

24

33

19

0

50

100

150

200

250

300

350

H22年度 H23年度 H24年度

要介護5

要介護4

要介護3

要介護2

要介護1

要支援2

要支援1

(人)

3.8

5.2 8.9 15.0 22.8 44.3

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

46~64歳 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85歳~

(%)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 4母子と高齢者の健康づくり

(2)高齢者の健康

83

【目標】

目標項目 現状値(H25) 目標値(H30)

「肥満あり(BMI25以上)」にある高齢者の

割合の増加の抑制

男性 30.5% 男性 29.5%

女性 32.9% 女性 31.0%

新規要支援・要介護認定者の増加の抑制

(平成 22、23、24年度の平均数 269人) 269人 260人

ロコモティブシンドロームを認知している割

合の増加

※1㉔21.3%

(岩手県) 50.0%

※1 ㉔と表記してある項目は、平成 24年度のデータ

【実行に向けた取り組み】

項 目 取 組

① 高齢者の健康づくり

良好な食習慣、適度な運動の普及を行い、生活習慣病予防及

び肥満者の減少を図る。

口腔ケアや健けん

口こう

体操(顔面体操・舌体操・だ液腺マッサージ)

等を普及し、口の中の衛生・健康の向上及び誤嚥性肺炎予防

に努める。

② 介護予防の推進

健康生活習慣の普及および生活改善を促し、日常生活に支障

をきたす脳血管疾患の予防に努める。

ロコモティブシンドロームの知識や予防体操の普及

骨粗しょう症の知識を普及し、予防活動に努める。

正しいウォーキング法や筋力の向上を図るトレーニングを

普及し、自立した日常生活を送れるよう支援する。

脳を刺激し、認知症を予防することで、生活の質の維持を図

る。

生活習慣病予防・整形疾患等の予防や生活改善を普及し、介

護予防の認識を高める。

≪内容≫

各種健康教室 健康講演会 健康運動教室 健康座談会 老人クラブ健康教室

お座敷広場 介護予防教室 家庭訪問 脳刺激訓練教室 広報掲載における情報提供

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 5健康を支え、守るための社会環境の整

84

5 健康を支え、守るための社会環境の整備

国では今後の地域の健康づくりの方針として、社会全体が相互に支えあいながら

健康を守るための、環境づくりが必要としています。

健康に関する活動を行うボランティアの養成、コミュニティ形成、健康増進や病

気の予防ができる環境を整えていくこと、既存のボランティアやコミュニティなど

の社会資源を活かし、円滑に健康を支える体制づくりが必要です。

① 地域のつながりの強化

【現状】

○ 地域住民のつながりについて、「お互い助け合っている」と思う割合は、

平成23年度、岩手県で 57.0%、全国で 50.4%です。

【課題】

○ 震災の影響でコミュニティが崩れており、子どもから高齢者までの多様な

年代で健康づくりを目的としたコミュニティの再形成が必要です。

② 健康づくりを目的とした活動への住民の参画

【現状】

○ 健康や医療サービスに関係したボランティア活動をしている割合は、全国

で 2.9%、県 2.7%(平成 23年)です。本町は 1.13%(平成 25年 1 月

1日現在)と、県や全国と比較して低い状況です。(図表 5-78)

○ 複数の機関で様々な事業により、ボランティア養成を行っています。現在

ボランティアに所属している人数は平成 25年 12月末現在で 167名(民

生児童委員、食生活改善推進員、傾聴ボランティア、精神保健ボランティア、

子育てボランティア、読み聞かせボランティア、宅配サービスボランティア、

介護ボランティア等)です。

○ 食生活改善推進員や傾聴ボランティアが主体となって、健康づくりを目的

に健康2倍デーを展開しています。

【課題】

○ 本町のボランティアは、一人で複数の活動を掛け持ちし、地域を支えてい

るため、関係機関と連携し、新規のボランティアを増やしていく必要があり

ます。

○ 地域でお互いに支えあい、健康で暮らすために、一人ひとりが健康に関心

を持てるよう、知識の普及が必要です。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 5健康を支え、守るための社会環境の整

85

図表 5-78 健康や医療サービスに関係したボランティア活動をしている割合

(出典:総務省「社会生活基本調査」、各団体ボランティア名簿)

【目標】

目標項目 現状値(H25) 目標値(H30)

地域住民同士で支えあっていると思う者の

割合の増加 - 73.0%

健康や医療サービスに関係したボランティ

ア活動をしている割合の増加 1.13% 2.0%

【目標に向けた取り組み】

項 目 取 組

①地域のつながりの強化 住民が地域でお互いに支えあえるよう、健康教育等にて

知識の普及を実施

各関係機関、団体と連携して健康教育等を実施し、住民

同士で支えあえる機会の提供

②健康づくりを目的とし

た活動への住民の参画

ボランティア養成講座、研修会等の開催

自ら健康増進や病気の予防ができるよう、保健センター

機能回復訓練室を開放

≪内容≫

ボランティア養成講座・研修会、各健康教室の共同開催、環境整備、広報掲載、ポ

スター掲示

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

全国(H23年) 岩手県(H23年) 山田町(H25年)

(%)

2.9

1.13

2.7

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 6東日本大震災津波後の健康づくり

86

6 東日本大震災津波後の健康づくり

① 被災者の健康支援の推進

【現状】

○ 平成23年の応急仮設住宅入居後から半年毎に応急仮設住宅、みなし仮設、

在宅被災者を全戸訪問し、入居者の健康状況を把握した結果、新規に支援を

必要とする者は徐々に減少し、落ち着きを取り戻しつつあります。支援が必

要となる理由は、こころの問題によるものが多いです。(図表 5-79 5-82)

○ 応急仮設住宅において、慢性疾患や健康不安があり、健康支援員が定期的

に訪問し、継続支援している方は、平成 25 年 3 月末現在 595 人で、約

65%が高齢者です。(図表 5-80)

○ 応急仮設住宅において、高齢独居世帯は 16.1%、高齢者世帯は 9.7%で

あり、25.8%が高齢者のみの世帯となっています。(図表 5-81)

【課題】

○ 震災から 3 年が経過し、被災者の健康状況は、落ち着きを取り戻しつつあ

りますが、住宅再建できる方と災害公営住宅入居を待つ方との再建状況に格

差が表れています。また、復興が進む中、生活環境の変化や新たな生活への

不安を抱えた方の健康状態の悪化が懸念されます。引き続き、訪問活動や健

康座談会等により、身体やこころの健康状況を確認しながら、健康づくり支

援をしていく必要があります。また、生活支援相談員やライフサポートアド

バイザー等、関係支援員と連携を図りながら、早期対応に努めていく必要が

あります。

○ こころの問題で悩む方については、宮古地域こころのケアセンターの協力

により、精神科医によるこころの相談室やコメディカル※1 による傾聴、心

のケアを継続し、精神面の安定を目指すことが必要です。

平成 23 年 3 月 11 日に発生した三陸沖を震源とする地震は、震度 5 弱、マ

グニチュード 9.0 と国内観測史上類を見ない規模の大地震で、その地震に伴う

巨大津波(山田湾 8~10m、船越湾 15~18m、小谷鳥地区 25m)が襲来し、

さらに、町の中心街では火災が発生し、壊滅的な被害をもたらしました。

5 割超の家屋が倒壊し、約 6 千人あまりの住民が避難所等での生活を送りま

した。その後、応急仮設住宅(1,904 戸)の建設に伴い、平成 25 年 8 月 1 日

現在で 4,100 人、人口の 24.1%の方が応急仮設住宅で暮らしております。

平成 25 年度より、災害公営住宅が徐々に建設され始め、災害公営住宅等への

転居に伴う生活環境の変化などにより、健康状態への影響が予想されるため、今

後もきめ細かな支援を継続していく必要があります。

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 6東日本大震災津波後の健康づくり

87

○ 時間の経過に伴い、入居者や世帯状況の変化により、一人暮らしの高齢者

や高齢世帯の増加が予想されます。また、加齢により、体調不良や身体機能・

認知力の低下で支援が必要な方の増加も予想されます。地域包括支援センタ

ーや関係支援員と連携を図りながら、見守りを行い、地域での生活を安心し

て送れるよう支援していく必要があります。

※1 コメディカル:医師以外の医療従事者(保健師・看護師・精神保健福祉士・心理

判定員等)

1) 応急仮設住宅入居者の全戸訪問による健康状況

図表 5-79 支援が必要となった理由

図表 5-80 応急仮設住宅における要支援者の内訳(H26年 3月末現在)

24 12 11

31 47 43

208

66 34

5

3

7

2

2

14

5

2

9

28

4

0

50

100

150

200

250

300

H23 秋 H24 春 H24 秋

仮設住宅

その他

介護面

栄養面

認知面

こころ

健康面

高齢者

(人)

130

179 181

25 24

36

15 5

0

50

100

150

200

(人)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 6東日本大震災津波後の健康づくり

88

図表 5-81応急仮設住宅における高齢者世帯の状況(年代別)(H26年 3月末現在)

2)みなし仮設入居者・住宅再建者の全戸訪問による健康状況

図表 5-82 支援が必要となった理由

② 東日本大震災健診受診者の不眠の軽減・こころの元気度回復対策

【現状】

○ 東日本大震災健診の健康調査票において、「不眠※2」と「こころの元気度

※3」の項目で、専門医への相談が必要と判定されたハイリスク者は、平成

23 年度は 49.0%で受診者の約半数です。平成 24 年度は 27.9%と大幅に

減少したものの、平成 25 年度は 25.7%と横ばい状態です。また、ハイリ

スク者のほとんどが「不眠」で悩んでいます。(図表 5-83)

※2不眠:アテネ不眠尺度(睡眠障害診断テスト)を使用し、判定。6 点以上で

ハイリスク

※3こころの元気度:心の元気度の指標の 1 つ「K6」を使用。13 点以上でハ

イリスク

65 77 66 53 27 288 46 62 44 17 4 173

3.6 4.3 3.7 3.0 1.5

16.1

2.6 3.5 2.5

1.0 0.2

9.7

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

20.0

0

50

100

150

200

250

300

350

65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85歳以上 全体

高齢独居世帯 数 高齢者夫婦世帯 数

高齢独居世帯 割合 高齢者夫婦世帯 割合 (世帯)

(%)

1 1 2 6

2 5

2

7

4

10 14

9

1 2

3

5 2

2 2

3

0

5

10

15

20

25

30

H23 秋 H24 春 H24 秋 H23 秋 H24 春 H24 秋

みなし仮設 在宅被災者

その他

介護面

栄養面

認知面

こころ

健康面

高齢者

(人)

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 6東日本大震災津波後の健康づくり

89

【課題】

○ 不眠やこころの問題で悩む方については、宮古地域こころのケアセンター

と連携を図り、精神科医によるこころの相談室やコメディカルによる傾聴、

こころのケアを継続し、不眠の軽減やこころの元気度の回復をめざすことが

必要です。

図表 5-83 東日本大震災健診における不眠・こころの元気度のアンケート結果

③ 災害公営住宅移行期における被災者の健康支援

災害公営住宅は、東日本大震災により、居住していた住宅を失い、自力での

住宅再建が困難な方に対して、安定した生活を確保してもらうための公営住宅

です。災害公営住宅は平成 26 年 7 月に入居開始となります。その後、各地区

に順次整備され、平成 29 年度には 19 か所すべての災害公営住宅が完成し、

入居できる予定です。

災害公営住宅の整備に伴い、公営住宅への入居時期は、応急仮設住宅におい

ては、取り残され感や焦り、また、入居後は、コミュニティー再構築や新たな

生活環境へ適応していく過程でのストレスからから精神的に不安定となる方

の増加が予想されます。そこで、地域包括支援センターや生活支援相談員等、

関係支援員等と連携を図りながら、応急仮設住宅からの切れ目のない支援を実

施していく必要があります。

【目標】

目標項目 現状値(H24) 目標値(H30)

応急仮設住宅・災害公営住宅等の

全戸訪問による健康状況把握率

の向上

76.9% 80.0%

51.0

72.1 74.3

42.2

24.1 22.5

1.7 0.6 0.6 5.1 2.6 2.6 0.6

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

H23年度 H24年度 H25年度

うつ傾向

不眠・心の元気度

こころの元気度

不眠

問題なし

第 5章 基本的な方針を実現するための取組と目標 6東日本大震災津波後の健康づくり

90

【実現に向けた取り組み】

項 目 取 組

①被災者の健康支援の推

全戸訪問において被災者の健康状況を確認するとともに、

健康づくり支援を行う。また、健康面やこころの面で問題

を抱えている方の相談に応じ、健康不安の軽減に努める。

一人暮らしの高齢者や高齢者世帯、在宅療養者等について

は、地域包括支援センターや生活支援相談員、ライフサポ

ートアドバイザー等と連携を取り、見守り支援を行う。

不眠や気持ちの落ち込み等、こころの面で悩みを持ってい

る方に対して、宮古地域こころのケアセンターと連携を図

り、きめ細かいこころのケアを行う。

応急仮設住宅集会所や災害公営住宅、地区集会場において、

健康づくりや健康管理についての知識を普及する。

被災者間の交流の場、お楽しみ会、作品づくり等、社会福

祉協議会やボランティア等主催のイベントを通じて、被災

者の引きこもり防止や生きがいづくりを推進する。

支援者の合同会議を通じて、支援状況や被災者の情報交換

を行い、支援者間の共通理解を図り、円滑な支援を推進す

る。

②不眠の軽減やこころの

元気度回復対策

「不眠」や「こころの元気度」のハイリスク者に対して、

健診会場にて宮古地域こころのケアセンターコメディカル

による個別相談を実施。継続的な支援が必要な場合には、

定期的に家庭訪問等を行い、不眠の軽減や心の元気の回復

を目指す。

③災害公営住宅移行期に

おける被災者の健康支

関係支援員等と連携を図りながら、応急仮設住宅からの切

れ目のない支援を継続する。

≪内容≫

全戸訪問による健康状況調査 健康座談会 家庭訪問(随時) こころのケア・こころの

相談 東日本大震災健診不眠・こころの元気度健康調査 山田町地域支え合い体制づく

り事業連携調整会議 作品づくり 各種イベント等

91

第6章 食育推進

第 6章 食育推進 1食育をめぐる環境

92

第6章 食育推進

1 食育をめぐる環境

近年、ライフスタイルの変化を背景として、家族や友人等と楽しく食卓を囲む機会が

減少しています。「一人で食事をとる」いわゆる「孤こ

食しょく

」や、家族一緒の食卓で、別々

の料理を食べる「個食こ し ょ く

」が見受けらます。また、外食や買った弁当、そう菜、調理食品

を家で食べる「中食なかしょく

」といった「食の外そ と

文化ぶ ん か

」が進むなど、食生活が多様化しています。

子どもの時期から、食の大切さを理解し、基本的な食習慣を身につけられるよう、食

育を推進していく必要があります。

【現状】

○ 平成 25年度に本町中学校1校(2年生)に実施したアンケートにおいて、 家

族と食事をする頻度について、「毎日」70.9%、「週に 3~4 日」14.5%、「週

に 1~2 日」7.7%、「食べない」4.3%、「無回答」2.6%で、29.1%の生徒が

一人で食事をしていること(孤食)になります。(図表 6-1)

【課題】

○ 孤食は、「好きな決まったものしか食べない(固食※)」など、乱れた食生活の

「こ食」に繋がる恐れがあります。健全な食生活は、健康で豊かな人間性の基礎

になります。「こ食」についての知識を普及し、子どもが 1人で食事する機会を減

らすよう働きかけていくことが必要です。

図表 6-1 家族と食事を共にする頻度

(出典:平成 25 年度中学生アンケート)

第 6章 食育推進 1食育をめぐる環境

93

「 こ食 」: 乱れた食生活を表す言葉で6つの「こ食」と言われる。

①孤食:一人だけで食べていること。

②個食:家族と一緒に食事をしているが、食べているものが別々であること。

③固食:好きな決まったものしか食べないこと。

④小食:いつも食欲がなく、少しの量しか食べないこと。

⑤粉食:パンやパスタなど、粉を使った主食を好んで食べること。

⑥濃食:加工食品など濃い味つけのものを食べること。

第 6章 食育推進 2食への意識・関心

94

はい

66.7%

いいえ

31.7%

無回答

1.6%

2 食への意識・関心

【現状】

○ 平成25年度に本町中学校1校(2年生)に実施したアンケートでは、「健康

につながることを行っている者」の割合は54.8%、「行っていない者」が42.6%、

「無回答」が2.6%です。約半数が健康につながることを取り組んでおり、その

うち66.7%が食事に関することです。(図表6-2)

○ 食事がおいしく食べられないと感じる者の割合は、「よくある」6.5%、「どち

らともいえない」28.7%、「ない」62.0%、「無回答」2.8%です。

○ 食事作りに参加している者の割合は、「参加している」16.5%、「時々する」

54.1%、「あまりしない」15.6%、「しない」11.0%、「無回答」2.8%です。

(図表6-3)

【課題】

○ 子どもの頃から食に関心を持つことで食に対する意識が高まります。健康な生

活を送るうえでの食事の重要性に気付くことで、適切な食行動に繋がります。更

に、家庭科や食育出前講座等で食事作りの体験を増やすことで、学童期からの食

への意識・関心を高めることが重要です。

図表6-2 健康につながる活動で食事に 図表6-3 食事作りに参加している生徒の割合

関することを行っている生徒の割合

(出典:平成 25年度中学生アンケート)

食事を適切に摂ることは、健康な生活を送るうえで重要な項目の一つです。近年、

乳幼児期からの肥満や若者の痩せが問題視されており、学童期からの食育は重要です。

食事に関する知識を持ち、適切な食行動をとれることは、生活習慣病予防やより良い

健康づくりに大きな効果が期待されます。

参加し

ている

16.5%

時々

する

54.1%

あまりし

ない

15.6%

いいえ

11.0%

無回答

2.8%

第 6章 食育推進 3規則正しい生活 (1)生活リズム

95

3 規則正しい生活

(1)生活リズム

【現状】

○ 平成25年度に本町中学校1校(2年生)に実施したアンケートより、平均

睡眠時間は8時間33分です。

○ 起床時間の割合は、「6時前」38.5%、「6時台」57.3%、「7時台」3.4%、

「無回答」0.8%です。就寝時間は、「21時台」21.4%、「22時台」53.8%、

「23時台」17.1%、「24時以降」6.8%、「無回答」0.9%です。

○ 規則正しい食事をしていると思う生徒の割合は、「はい」16.2%、「まあまあ

思う」58.1%、「あまり思わない」18.8%、「いいえ」4.3%、「無回答」2.6%

です。(図表6-4)

○ 夕食後から就寝までに間食をする生徒の割合は、「いつも食べる」24.8%、

「ときどき食べる」41.9%、「あまり食べない」20.5%、「食べない」9.4%、

「無回答」3.4%です。(図表6-5)

【課題】

○ 中学生は、就寝時間も遅くなりがちで生活習慣が乱れやすい時期です。就寝

時間の遅れに伴い、就寝前の間食や朝食の欠食が多くなります。早寝早起きを

徹底し、食事のリズムを整えることが重要です。

図表 6-4 規則正しい食事をしていると 図表 6-5 夕食後から就寝までに間食を

思う生徒の割合 する生徒の割合

(出典:H25年度中学生アンケート)

はい

16.2%

まあまあ

思う 58.1%

あまり思

わない 18.8%

いいえ

4.3%

無回

2.6% いつも

食べる

24.8%

ときどき

食べる 41.9%

あまり

食べない 20.5%

食べない 9.4%

無回答

3.4%

規則正しい生活は、早寝早起き、1日3食の生活リズムが重要です。特に、朝食

は、1日に必要なエネルギー源や栄養素を補給し、夜眠っている間に低下した体温を

上昇させ、身体を目覚めさせる大切な役割があります。また、3食きちんと食事を摂

ることは、栄養バランスを保持するだけでなく、スムーズな食物の消化・吸収・排泄

を促すため、体調を整え、疾病予防にも効果的です。規則正しい生活は、身体的、精

神的に体調を安定化し、健康な生活を送るために大変重要です。

第 6章 食育推進 3規則正しい生活 (2)朝食の摂取状況

96

(2) 朝食の摂取状況

<乳幼児>

【現状】

○ 平成 25 年度の 1 歳 6 か月児健康診査のアンケートの結果、全ての子ども

が朝食を食べています。

○ 平成 25 年度の 3 歳児健康診査のアンケートの結果、97.4%が朝食を毎日

食べており、「週2~3日食べない」は2.6%です。岩手県は、「週2~3日食

べない」が 3.3%、「週 4 日以上食べない」が 0.4%と、岩手県よりも朝食を

毎日食べている3歳児の割合が高いです。(図表6-6)

【課題】

○ 3歳児の2.6%が、朝食を「週に2~3日食べない」という結果で、割合は

低いものの、今後も乳幼児健診や家庭訪問・健康教育等において、朝食を食べ

ることの重要性を保護者に伝えることが重要です。

図表 6-6 問「ふだん朝食を食べますか」

(出典:平成25年度3歳児健康診査アンケート)

<小中学生>

【現状】

○ 平成25年度の小学生の朝食摂取状況(本町小学校1校)は、93.9%の児童

が毎日朝食を食べています。朝食を食べない日がある児童の割合は6.1%です。

(図表6-7)

○ 平成25年度の中学生の朝食摂取状況(本町中学校1校)は、約9割の生徒

が毎日朝食を食べています。「時々食べない」、「あまり食べない」、「ほとんど食

べない」は全体の約1割で、学年別では1年生 8.6%、2年生 9.5%、3年生

9.3%です。(図表6-8)

○ 朝食を食べない日がある児童生徒の割合は、小学生で約 5%、中学生で約

10%と、中学生の割合が高いです。また、平成24年度の成人(20~39歳)

の朝食欠食率は、男性27.7%、女性22.1%です。(P45図表5-37)

97.4

96.3

2.6

3.3

0.4

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

山田町

岩手県

ほとんど毎日食べる 週2~3日食べない 週4日以上食べない

(%)

第 6章 食育推進 3規則正しい生活 (2)朝食の摂取状況

97

【課題】

○ 朝食の欠食は不規則な生活につながるため、子ども自身に朝食を摂ることの

大切さを理解してもらうことが重要です。また、大人の食生活は子どもの食生

活に大きく影響するため、子どもへの食育をとおして、働き盛り・子育て世代

の保護者の、食に関する意識を高めることが重要です。

図表 6-7 問「お子さんは朝食を食べますか」(小学校)

(出典:平成25年度学校保健委員会資料)

図表 6-8 問「朝食をどのようにとっていますか」(中学校)

(出典:平成25年度学校保健委員会資料)

毎日食べる

93.9%

週1~2回食

べない

2.0%

週3~4回食

べない

4.1%

ほとんど食べ

ない

0.0%

70.1 68.5 61.4

21.4 22.0 29.3

5.1 2.4 4.3 2.6 3.2 2.1 0.9 3.9 2.9

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

1年生 2年生 3年生

ほとんど食べない

あまり食べない

時々食べない

毎朝軽く

毎朝しっかり

(%)

第 6章 食育推進 4栄養バランスのとれた食事の普及

98

4 栄養バランスのとれた食事の普及

栄養バランスのとれた食事は活動に必要なエネルギーを補うだけではなく、生活習

慣病の予防や生活の質の向上のためにも重要です。

栄養バランスのとれた食事を考える目安として簡単に覚えられるのが主食、主菜、

副菜であり、正しい理解と活用の仕方を定着させる必要があります。

【現状】

○ 平成25年度に本町の中学校1校(2年生)に実施したアンケートより主食、主

菜、副菜がどのような料理か「知っている」9.6%、「まあまあ知っている」62.3%

です。主食、主菜、副菜を知っている生徒の割合は約7割です。(図表6-9)

○ 朝食に「主食を食べている」割合は80.4%、「主菜を食べている」35.3%、「副

菜を食べている」26.5%です。朝食に主食、主菜、副菜を揃えて摂っている生徒は

約2割です。(図表6-10、6-11、6-12)

【課題】

○ 栄養バランスの取れた食事をするために主食・主菜・副菜の理解が必要です。家

庭科の授業や食育出前授業等で理解を深めていく必要があります。

○ 主食、主菜、副菜の揃った食事を基準にし、食材や料理を選んで栄養バランスの

とれた食事を実践できる生徒を増加させる必要があります。

(出典:平成25度中学生アンケート)

はい

9.6%

まあま

あ知っ

ている

62.3%

あまり

知らな

16.7%

いいえ

4.4%

無回答

7.0%

はい

80.4%

時々食

べる

9.3%

あまり

食べな

2.8%

いいえ

4.7%

無回答

2.8%

図表 6-9 主食、主菜、副菜を知って

いると答えた生徒の割合

図表 6-10 朝食に主食を食べて

いる生徒の割合

第 6章 食育推進 4栄養バランスのとれた食事の普及

99

(出典:平成25度中学生アンケート)

はい

35.3%

時々食

べる

36.2%

あまり

食べな

12.9%

いいえ

12.9%

無回答

2.6% はい

26.5%

時々食

べる

33.3%

あまり

食べな

い 20.5%

食べな

15.4%

無回答

4.3%

図表 6-11 朝食に主菜を食べている

生徒の割合

図表 6-12 朝食に副菜を食べてい

る生徒の割合

第 6章 食育推進 5おやつについて正しい知識の普及

100

5 おやつについての正しい知識の普及

おやつは種類や食べる量、食べる時間に注意しなければむし歯や肥満、生活習慣病

に繋がります。理想的なおやつの食べ方、おやつは食事で足りない栄養を補う補食で

あるという認識を普及させる必要があります。

【現状】

○ 平成 25 年度に本町の小学校3校に実施したアンケート(休日のおやつについ

て)より、一緒におやつを食べる相手は「1人」39.2%、「兄弟」25.3%、「友

達」16.5%です。おやつを1人で食べている児童が約4割です。(図表6-13)

○ 休日におやつを食べる時間帯は「12~16時」47.2%、「9~11時」25.0%、

「17~19時」8.3%、「決まっていない」19.4%です。約5人に1人がおやつ

を食べる時間が不規則です。(図表6-14)

○ 「どんな気分のときにおやつを食べるか」という質問に対して「ただ何となく」

77.4%、「嬉しいとき」12.9%、「イライラしたとき」6.5%です。(図表6–15)

○ よく食べるおやつの種類の割合は「スナック菓子」30.2%、「アイスクリーム」

16.0%、「チョコレート」15.1%です。(図表6–16)

【課題】

○ おやつをいつでも食べられる環境は食べ過ぎを招くことから、児童自身が食べ

る量を調節できる力を養う必要があります。

○ おやつを食べる時間が不規則であることは生活リズムの乱れを引き起こします。

決まった時間におやつを食べる習慣をつけることが必要です。

○ おやつの摂取は子どもだけでなく、子どもを囲む家族の問題でもあります。家

族全体を通した食育で適切なおやつについての知識を普及させる必要があります。

○ おやつが食事で不足した栄養を補う補食であるという認識を普及させる必要が

あります。

図表 6-13 一緒におやつを食べる相手

39.2

25.3

16.5

12.7

1.3 1.3 1.3 2.5 0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0(%)

第 6章 食育推進 5おやつについて正しい知識の普及

101

図表 6-14 おやつを食べる時間帯

図表 6-15 どんな気分のときにおやつを食べるか

図表 6-16 よく食べるおやつの種類

(出典:平成25年度中学生アンケート)

25.0

47.2

8.3

0.0

19.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

9~11時 12~16時 17~19時 20時~ 決まっていない

(%)

12.9 6.5

77.4

2.8

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

嬉しいとき イライラした時 ただ何となく 無回答

(%)

16.0 15.1

30.2

7.0 4.5

7.5

4.0 3.5 3.0 3.0 6.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

(%)

第 6章 食育推進 6小中学生の体格の状況

102

6 小中学生の体格の状況

【現状】

○ 平成25年度本町学校保健の資料によると小学生の体格の状況は、肥満者(軽度

肥満、中度肥満、高度肥満)が年々増加し、平成 25 年度には 17.2%となってい

ます。中学生の体格の状況は、肥満者の割合は約15%で推移しています。(図表6

-17、6-18)

○ 平成24年度の本町の小学生の肥満者は16.0%、岩手県10.1%、中学生の肥満

者は15.2%、岩手県11.2%です。小中学生とも県より肥満者の割合が高いです。

【課題】

○ 子どもの肥満は成人の肥満につながり、肥満は、糖尿病などの生活習慣病を引き

起こします。子どもの頃から適切な食事やおやつなどの食習慣の形成を行い、肥満

予防に取り組む必要があります。

図表 6―17 小学生の体格の状況

図表 6―18 中学生の体格の状況

(出典:平成25年度やまだまちの学校保健)

0.8

0.6

0.8

1.0

0.7

0.5

82.0

83.4

83.6

85.4

85.3

85.4

8.7

7.1

8.1

6.5

7.3

6.0

6.5

6.7

6.2

5.4

5.2

6.7

2.0

2.2

1.3

1.7

1.5

1.4

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

H25年度

H24年度

H23年度

H22年度

H21年度

H20年度 痩せ

標準

軽度肥満

中度肥満

高度肥満

1.8

1.1

0.9

1.3

2.0

1.8

81.8

83.7

83.5

83.6

82.2

80.6

6.2

6.6

6.4

7.1

7.2

8.1

7.2

6.8

7.3

5.9

6.8

6.5

3.0

1.8

1.9

2.1

1.8

3.0

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

H25年度

H24年度

H23年度

H22年度

H21年度

H20年度

痩せ

標準

軽度肥満

中度肥満

高度肥満

(%)

肥満は糖尿病や脳卒中などの生活習慣病の原因となります。また、やせすぎは低栄

養の可能性があるほか、ホルモンのバランスに影響をおよぼします。生活習慣病等の

疾病の予防のため、望ましい食習慣の形成によって、適正な体重に維持することが重

要です。

(%)

第 6章 食育推進 【実現に向けた取り組み】

103

【実現に向けた取組】

子どもの時期から、基本的な食習慣を身につけるとともに、成長発達段階やライフス

テージに適した食生活が送れるよう支援する。

ライフステージ 取 組

妊娠期~乳児期

妊婦や胎児の栄養を考え、必要な栄養を摂り、母子ともに健

康な体づくりができるよう支援する

妊娠期から栄養の大切さを理解し、栄養バランスを考え実践

でき、子育てに活かせるよう支援する。

乳児の発育・発達に応じた栄養を与えられるよう支援する。

幼児期

3食きちんと食べること、時間決めて食べるなど、基本的な

食習慣が身につくよう支援する。

好き嫌いなく何でも食べる子どもに育つよう支援する。

おやつの時間や量を決め、補食としてのおやつの摂り方を保

護者に普及する。

学童期

規則正しい食習慣の定着を促す。

おやつの内容、量、時間を決め、食べ過ぎないようにコント

ロールできるよう支援する。

家庭科の授業や食育出前講座等を通して、包丁やガスの取り

扱いなど、基本的な調理手技を習得し、安全に食事作りがで

きるよう支援する。

食事作りに関心を持ち、調理の手伝いに参加し、食事を作る

ことができるように支援する。

中学生

主食・主菜・副菜が揃った食事の基本を理解し、献立に取り

入れられるよう支援する。

コンビニやスーパーでパンやお弁当等を購入する際、栄養バ

ランスを考えて買えるよう支援する。

おやつの取り方の自己管理ができるよう支援する。

高校生

栄養バランスを考えた献立作成や食事作りができるよう支援

する。

健康に影響を及ぼす嗜好品を避ける力や健康を考えた食事を

摂れるよう支援する。

成人期

健康の保持増進、生活習慣病等の予防を意識した食事を考え

られるよう支援する。

エネルギー量や塩分量、糖分量に関心を持ち、活動量に見合

った食事摂取ができるよう支援する。

こ食について知り、子どもが 1人で食事する機会を減らすよ

う促す。

第 6章 食育推進 【実現に向けた取り組み】

104

≪内容≫

妊娠期における栄養指導(母子健康手帳交付時・母親教室)、乳幼児期健診における離

乳食・栄養指導、親子食育教室、もりもり教室(小学生対象)、ジュニアキッチン教室

(中学生対象)、ベジたべるクラブ(高校生対象)、広報やまだ料理掲載(キッチンスタ

ジオハーモニー)、ホームページ掲載(まるごと山田おすすめメニュー)、家庭教育学級

(保育園・幼稚園・小学校)、学校保健委員会での情報提供

第7章 計画の評価

105

第7章 計画の評価

この計画を推進するため、健康づくりの推進組織の代表等で組織する「山田町健康づく

り推進協議会」において定期的に事業実績や進捗状況等を報告し、意見を伺いながら施策

の展開を図っていきます。

また、計画の最終年度である2018年(平成30年度)に評価を行います。

第2期健康やまだ21プランは、山田町健康づくり推進協議会において、2度審議し、

承認されました。

第1回 平成26年3月28日 平成25年度山田町健康づくり推進協議会

第2回 平成26年7月29日 平成26年度山田町健康づくり推進協議会

第 2期健康やまだ 21プラン

【発行年月】2014年(平成 26年)10月

【発 行】山田町健康福祉課

〒028-1392 岩手県下閉伊郡山田町八幡町 3番 20号

TEL:0193-82-3111(代表)

FAX:0193-82-4989