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「証券化商品の販売等に関する規則」等の制定について 日証協 平成 21 年3月 17 本協会では、本年3月 17 日の自主規制会議において、「証券化商品の販売等に関する規 則」等を制定した。 本協会では、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の一部改正を受け、昨年3月 に「証券化商品の販売に関するワーキング・グループ」を設置し、協会員が証券化商品の 販売等を行うに際し、トレーサビリティ(追跡可能性)を確保するに足る態勢を構築する ための具体的な検討を行ってきたところである。 今般、同ワーキング・グループの検討を踏まえ「証券化商品の販売等に関する規則」及 び「標準情報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting Package SIRP)」を制定した。 本規則等は、平成 21 年6月1日から施行する。 規則の趣旨骨子及び全文は、以下のとおりである。

21 17 Standardized Information Reporting Package(Standardized Information Reporting Package:SIRP)」。 Ⅲ.施行の時期 この規則は、平成21年6月1日から施行し、同日以後を約定日として販売する証券化

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「証券化商品の販売等に関する規則」等の制定について

日証協 平成 21年3月 17日 本協会では、本年3月 17 日の自主規制会議において、「証券化商品の販売等に関する規則」等を制定した。 本協会では、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の一部改正を受け、昨年3月

に「証券化商品の販売に関するワーキング・グループ」を設置し、協会員が証券化商品の

販売等を行うに際し、トレーサビリティ(追跡可能性)を確保するに足る態勢を構築する

ための具体的な検討を行ってきたところである。 今般、同ワーキング・グループの検討を踏まえ「証券化商品の販売等に関する規則」及

び「標準情報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting Package:SIRP)」を制定した。 本規則等は、平成 21 年6月1日から施行する。 規則の趣旨骨子及び全文は、以下のとおりである。

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「証券化商品の販売等に関する規則」等の制定について

平成 21 年3月 17 日

日 本 証 券 業 協 会

Ⅰ.制定の趣旨

本協会では、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の一部改正を受け、昨年3月

に「証券化商品の販売に関するワーキング・グループ」を設置し、協会員が証券化商品の

販売等を行うに際し、トレーサビリティ(追跡可能性)を確保するに足る態勢を構築する

ための具体的な検討を行ってきたところであるが、今般、同ワーキング・グループの検討

を踏まえ「証券化商品の販売等に関する規則」及び「標準情報レポーティング・パッケー

ジ(Standardized Information Reporting Package:SIRP)」を制定することとする。

Ⅱ.自主規制規則等の骨子

(1) 目的及び定義規定

① この規則は、協会員による証券化商品の販売等に関し、証券化商品に係る原資産

等の内容やリスクに関する情報の伝達等のための態勢整備その他遵守すべき事項に

ついて定め、投資家である顧客に伝達される情報のより一層の充実と標準化を図る

ことにより、証券化商品のトレーサビリティ(追跡可能性)の確保に努め、もって

証券化市場のさらなる健全な成長に資することを目的とする。(第 1 条)

② 証券化商品、顧客及び販売の定義規定をおくこととする。(第 3 条)

(2) 証券化商品に係る情報の収集及び伝達等

① 協会員は、証券化商品のトレーサビリティを確保することを十分に踏まえつつ、

顧客への証券化商品に係る原資産等の内容やリスクに関する情報の伝達等のために、

態勢を整備しなければならないこととする。(第 4 条)

② 協会員は、前条に規定する態勢の整備に当たって、必要な組織体制の整備及び人

員の確保を行うこととする。(第 5 条)

③ 協会員は、第4条に規定する情報の伝達を行うに当たって、別に定める「標準情

報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting Package:

SIRP)」を参考として用いることが適切であると判断される場合には、当該パッ

1

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ケージを参考として用いることができることとする。(第 6 条)

④ 協会員は、第4条から前条までに規定する内容の取扱いについて、社内規則を定

めるものとする。(第 7 条)

(3) 雑則

① 協会員は、金商法第2条第2項第1号及び第2号に規定する信託の受益権のうち、

証券化商品と同様の性質を有するものについては、本規則に準じて取り扱うことが

望ましいこととする。(第 8 条)

② 協会員は、証券化商品について、販売を行わず、代理又は媒介のみを行う場合に

おいても、(2)において規定する事項に準じた取扱いをすることが望ましいことす

る。(第 9 条)

(4) 標準情報レポーティング・パッケージ

第6条において、別に定めるとされている「標準情報レポーティング・パッケージ

(Standardized Information Reporting Package:SIRP)」。

Ⅲ.施行の時期

この規則は、平成 21 年6月1日から施行し、同日以後を約定日として販売する証券化

商品のうち施行日以後に発行されたものに適用する。ただし、施行日前を約定日として販

売した証券化商品及び施行日以後を約定日として販売する証券化商品のうち施行日前に

発行されたものについても、本規則に準じて取り扱うことが望ましい。

以 上

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証券化商品の販売等に関する規則(平 21.3.17)

第 1 章 総 則

(目 的)

第 1 条 この規則は、協会員による証券化商品の販売等に関し、証券化商品に係る原資

産等の内容やリスクに関する情報の伝達等のための態勢整備その他遵守すべき事項につ

いて定め、投資家である顧客に伝達される情報のより一層の充実と標準化を図ることに

より、証券化商品のトレーサビリティ(追跡可能性)の確保に努め、もって証券化市場

のさらなる健全な成長に資することを目的とする。

(法令・諸規則等の遵守)

第 2 条 協会員は、証券化商品の販売等を行う場合には、この規則によるほか、金融商

品取引法(以下「金商法」という。)その他関係法令、諸規則等を遵守しなければならな

い。

(定 義)

第 3 条 この規則において次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところに

よる。

1 証券化商品 定款第3条第 1号に規定する有価証券のうち、実質的に特定の資産

(以下「原資産」という。)の譲渡を主な目的として当該原資産から発生するキャッシ

ュフローを裏付けとして発行され、又は実質的に原資産のリスクの移転を主な目的と

して当該原資産のリスクを参照して発行されるものをいう。ただし、次に掲げるもの

を除く。

イ 当該証券化商品に特有のリスク(当該証券化商品の原資産に由来するリスクを含

む。以下同じ。)の所在及びその内容が明らかとなるような商品性を有しており、顧

客においてその把握が可能なもの

ロ 証券化商品の組成段階において、原資産の保有者へ販売するもの又は導管体へ販

売するもの(ただし、導管体へ販売するものについては、顧客の要請に基づくもの

でないものに限る。)

ハ ファンドマネージャー等が投資運用対象となる原資産を調査分析した上で投資運

用を行っており、かつ投資運用内容について、ファンドマネージャー等に顧客への

報告が関係法令により義務付けられているもの

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2 顧客 当該協会員が証券化商品を販売しようとする相手方又は当該協会員による

販売の相手方となって証券化商品を取得し、かつ、保有している者をいう。

3 販売 顧客に対し証券化商品を取得させる行為(代理又は媒介に該当するものを

除く。)をいう。

第 2 章 情報の収集及び伝達等

(原資産等の内容やリスクに関する情報の伝達等のための態勢整備)

第 4 条 協会員は、証券化商品のトレーサビリティを確保することを十分に踏まえつつ、

顧客への証券化商品に係る原資産等の内容やリスクに関する情報の伝達等のために、次

に掲げる業務を適正かつ確実に遂行できる態勢を整備しなければならない。

1 販売に先立ち、証券化商品に係る原資産等の内容やリスクに関する情報の収集に当

たり、当該協会員が適切な情報伝達を行うに際して必要と判断した情報の収集を検討

すること。その上で、収集するべきと判断した情報について、収集できない情報を除

き、収集及び分析すること(分析については、他者が分析したものを収集することに

代えることができる。以下この条において同じ。)。

2 販売に当たり、前号において収集及び分析した情報のうち、顧客に伝達するべきと

判断した情報について、自ら顧客に伝達すること。ただし、第三者をして若しくは別

の方法により顧客への伝達がなされる場合、又は顧客が自ら入手可能な場合は、この

限りでない。なお、伝達するべき情報には、証券化商品の格付に反映されないリスク

も含まれることに留意する。

3 販売後において、投資判断又は時価評価の参考とすることを目的とした顧客(当該

証券化商品を保有していることが確認できる顧客に限る。以下この号において同じ。)

からの要望があれば、第1号において収集及び分析した情報を顧客が適切にトレース

することができるよう情報の収集を検討し、収集するべきと判断した情報及び新たに

顧客に伝達するべきと判断した情報について、収集できない情報を除き、収集するこ

と及び必要に応じ分析すること。その上で、顧客に伝達するべきと判断した情報につ

いて、自ら顧客に伝達すること。ただし、第三者をして若しくは別の方法により、顧

客への伝達がなされる場合、又は顧客が自ら入手可能な場合は、この限りでない。

4 第1号及び前号において収集できない情報又は第2号及び前号において伝達するべ

きと判断しなかった情報について、収集できない理由又は伝達するべきと判断しなか

った理由を顧客に伝達するべきと判断する場合は、明確に伝達すること。

(組織体制の整備等)

4

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第 5 条 協会員は、前条に規定する態勢の整備に当たって、必要な組織体制の整備及び

人員の確保を行うこととする。

(標準情報レポーティング・パッケージの利用について)

第 6 条 協会員は、第4条に規定する情報の伝達を行うに当たって、別に定める「標準

情報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting Package:S

IRP)」を参考として用いることが適切であると判断される場合には、当該パッケージ

を参考として用いることができる。

(社内規則の整備)

第 7 条 協会員は、第4条から前条までに規定する内容の取扱いについて、社内規則を

定めるものとする。

第 3 章 雑 則

(信託の受益権の取扱いについて)

第 8 条 協会員は、金商法第2条第2項第1号及び第2号に規定する信託の受益権のう

ち、証券化商品と同様の性質を有するものについては、本規則に準じて取り扱うことが

望ましい。

(協会員が代理又は媒介を行う場合の取扱いについて)

第 9 条 協会員は、証券化商品について、販売を行わず、代理又は媒介のみを行う場合

においても、第2章に規定する事項に準じた取扱いをすることが望ましい。

付 則

この規則は、平成 21 年6月1日から施行し、同日以後を約定日として販売する証券化商

品のうち施行日以後に発行されたものに適用する。ただし、施行日前を約定日として販売

した証券化商品及び施行日以後を約定日として販売する証券化商品のうち施行日前に発行

されたものについても、本規則に準じて取り扱うことが望ましい。

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RMBS (我が国住宅ローン債権を裏付けとする証券化商品)

項目 レベル 説明 補記 注

I

Ⅰ-1 商品名 1 商品を特定できる固有の名称。信託受益権等について、名称の統一がなされることが望ましい。

Ⅰ-2 商品の形態 1 社債、ノート、信託受益権等の別。公募か否か、上場するか否かについても明示する。

Ⅰ-3 主たる準拠法 1日本法、イングランド法、ニューヨーク州法等の別。

複数の準拠法が関係する場合、商品の元利払いを律する法域。

Ⅰ-4 発行総額、トランシェ毎の発行額 1劣後比率とトランシェの厚みをわかりやすく併記することが望ましい。

劣後部分を除き、複数のトランシェがある場合は、それぞれの劣後比率を記載する。

Ⅰ-5 アレンジャー、引受・販売会社 1 名称。アレンジャーについては、契約が存在しない場合は不要。引受・販売会社が未定の場合は予定を示すことが望ましい。

Ⅰ-6 発行日 1 受益権の場合は譲渡日。 未定の場合は予定。

Ⅰ-7 発行価格 1 発行価格。通常は額面100円あたりの価格。ただし他の表現を妨げない。

Ⅰ-8 利率・予定配当率 1 トランシェ毎の利率、予定配当率。利息・配当率の計算方法(実経過日数/365日など)も明示することが望ましい。

繰り延べ払い条件、配当計算元本の償却処理などの条件がある場合は、その旨を注記。

Ⅰ-9 利払日 1 応答日が休日の場合の取扱いを含む。

Ⅰ-10 償還方法 1予定されている償還方法、償還方法変更事由等と当該事由等発生後の償還方法の概要。

Ⅰ-11 法定最終償還日 1

Ⅰ-12 予定償還日または予定償還スケジュール等 1 予定償還日(満期一括償還を予定する場合)等。

Ⅰ-13 予想償還スケジュール等 1 予想償還日、予想平均償還年限等。 算出の前提条件も記載。

Ⅰ-14 格付け 1 格付け会社による格付け。 予備格付けまたは格付け取得予定に関する情報を含む。

Ⅱ-1 基本スキーム 1スキーム図、各主体間の取引・契約内容の概要。

Ⅱ-2 オリジネーター 1名称、資本金の額、事業の内容、関係業務の概要、資本関係、経理の概況、その他。

公開企業(有価証券報告書提出企業等)の場合、経理の概況等公表情報に含まれる部分は省略可。公開企業でない場合に、経営状態がわかるような情報が定期的に提供されることが望ましい。

Ⅱ-3 サービサー 1 同上。ほとんどの場合においてオリジネーターと当初サービサーは同一企業であるが、その場合に同一企業である旨。

Ⅱ-4 発行体 1名称、社団の形態、設立準拠法、資本金の額、事業の内容、関係業務の概要、資本関係、経理の概況、その他。

信託受益権の場合は不要。外国会社の場合は、日本支店・日本における代表者の有無。

Ⅱ-5 その他主要な関係者 1受託者、(当初より設置されている場合)バックアップサービサー、社債管理会社、デリバティブ取引の相手方。

各関係者についてどの程度の情報を収集及び伝達の対象にするかは、その担う役割と商品のリスクに与える影響を勘案して合理的に判断する。

保証会社の保証履行能力に依存する場合は、保証会社の信用力評価に資する情報を含む。

Ⅱ-6 仕組み上の主たるリスクの所在 1

リスクを例示(裏付資産毀損リスク、回収が期日通りに行われないリスク、サービサー・リスク、法的リスク、税務リスク、裏付資産にかかる集中リスクなど)。

Ⅱ-7 信用補完および流動性補完 1信用補完および流動性補完の内容についての概要。

優先劣後構造、超過収益等の信用補完効果を提供する仕組みと準備金等の流動性補完を提供する仕組みの概要。

Ⅱ-8 バックアップサービシング 1バックアップサービシングにかかる概要、バックアップサービサーを当初より設置している場合は、その状況。

バックアップサービサー設置のトリガーを設けてある場合は、そのトリガーに関する情報も記載。

Ⅱ-9 トリガーの仕組み 1加速度償還事由等のトリガー指標と発動条件、発動によって変更される事項。

Ⅱ-10 ウォーターフォール 1回収金のキャッシュフロー・ウォーターフォール(分配ルール)。

ケース毎に複数ある場合はそれぞれについて記載。図、フローチャート等でわかりやすく示すとよい。

Ⅲ-1 裏付資産の概要 1 裏付資産の基本的性質、適用法令。

Ⅲ-2 裏付資産発生の概要 1オリジネーターが原始取得する場合に、オリジネーターの与信手続の概要。

Ⅲ-3 適格要件 1 証券化対象となる裏付資産の条件。

Ⅲ-4 裏付資産プールの属性 1 債権残高、債権件数、債務者数。性質(借換・非借換、自己居住・投資用)が異なるものは区分して表示する。

Ⅲ-5 裏付資産のキャッシュフロー(予定) 1 裏付資産(債権)にかかる回収予定。 CPR, CDR がゼロの場合の予定スケジュール。必ずしも月次で示す必要はない。一定の前提(CPR、CDR)を基にしたWALも示すことが一般的であろう。

Ⅲ-6 加重平均金利 WAC 1裏付資産の利回りの目安となることを意図。

Ⅲ-7 加重平均残存期間 WAM 2

Ⅲ-8裏付資産にかかる債権または債務者の属性分布

1ローン商品の種類別、貸出金利条件別、融資期間別、地域別、債務者の属性別等。

リスク評価およびキャッシュフロー予想の観点から、債権または債務者の属性分布を示す。

標準情報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting Package : SIRP)

商品の特定および発行の概要に関する情報(発行時開示)

ストラクチャー、関係者に関する情報(発行時開示)

裏付資産にかかる情報(発行時開示)

6

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項目 レベル 説明 補記 注

IV

Ⅳ-1 延滞率 2

母体プール等の比較参考プールがない場合および母体プール等と比較することに意味がないと判断される場合はⅣは省略可。延滞率、デフォルト率等を示す場合は、その定義または説明を明らかにするべきである。計算の根拠となる残高の推移を併せて示すことが望ましい。

Ⅳ-2 デフォルト率 2 同上。

Ⅳ-3 繰上返済 2類型別(全額・部分)、理由別内訳があれば、それも記載。

Ⅳ-4 回収率または損失率 2仕組み上、デフォルト債権からの回収を享受できない、または、見込まない場合は、不要。

Ⅳ-5 比較参考プールの属性 3 地域分布、オリジネーション時期等。裏付資産との類似性・異質性の判断に資することを意図。

V

V-1 発行残高 1 トランシェ毎の未償還残高。 メザニン、劣後クラスの残高も記載。

V-2 利率(配当率) 3 基準金利、マージン、利率。 固定利率の場合は省略可。

V-3 格付け 3 格付け会社による格付け。

V-4 信用補完、流動性補完の現況 1 劣後比率、準備金勘定の残高等。他の項目に含まれる場合が多いと思われる。

V-5 トリガー指標 1加速度償還事由などに用いられるトリガー指標の観測時点での水準、トリガー抵触の有無。

計算方法(明白ではない場合)も明示。

V-6 イベント発生の有無 1加速度償還事由、サービサー解任事由等のイベントの発生の有無。

V-7 回収金の分配状況 2

V-8 劣後部分の残存額 2 発行残高の項目から読み取れる場合は省略可。

Ⅵ-1 裏付資産にかかる債権残高 1

Ⅵ-2 加重平均金利 WAC 2 一定期間毎に更新することが望ましい。

Ⅵ-3 加重平均残存期間 WAM 2 同上。

Ⅵ-4 その他のプール属性 3 同上。

Ⅵ-5裏付資産にかかる債権または債務者の属性分布

3 同上。

Ⅵ-6 延滞額・率 1額だけを示せば率は計算可能だが、利便性を考え、率も併記することが望ましい。以下同じ。

Ⅵ-7 デフォルト発生額・率 1

Ⅵ-8 累積デフォルトまたは損失発生額・率 1

Ⅵ-9 繰上返済率 1全額・部分を分けて表示する(区分表示はレベル2)

Ⅵ-10 回収率または損失率 2仕組み上、デフォルト債権からの回収を享受できない、または、見込まない場合は、不要。

Ⅵ-11 買戻し率 1 理由毎の内訳も開示されることが望ましい。

脚注1

2 オリジネーター兼当初サービサーが劣後部分を保有していない場合には、その旨を含む。(Ⅱ-6)

3

4 原契約で定められている金利変更条件、支払方法変更条件についての説明がなされることが望ましい。(Ⅲ)

5

6 アパートローンや投資用マンションローンの場合に、担保物件に関する情報(築年数,最寄り駅及び距離,構造等)が示されることが望ましい。(Ⅲ)

7 オリジネーター以外からの債務者による借入額の分布が示されることが望ましい。(Ⅲ-8)

8

9 債務者数、債権件数、債権残高、残高加重平均値が含まれていることが望ましい。(Ⅲ-4)

10 1債務者あたりの最大の債権額等、バーゼルⅡ第一の柱、内部格付手法における格付準拠方式においてNの値を決定するために必要な情報が含まれていることが望ましい。(Ⅲ-4, Ⅵ-5)

11 比較参考となるプールのパフォーマンスについては、オリジネーション時期別、回収方法別などで分けて示されることが望ましい。(Ⅳ-5)

12 信託契約書、サービシング契約書等の関連契約書の写しまたは内容が入手可能であることが望ましい。(Ⅱ-1)

13 信用補完水準を決定した理由、根拠が示されることが望ましい。(Ⅱ-7)

14 観測時点における債権件数が示されることが望ましい。(Ⅵ-6)

15 裏付資産にかかる債権のパフォーマンスの大幅な悪化がみられる場合などは、裏付資産の属性分布等はより詳細にアップデートされるべきである。(Ⅵ-3ないしⅥ-5など)

16 デフォルトした債権の属性およびデフォルト理由(長期延滞、破産などの別)が示されることが望ましい。(Ⅵ-8)

17 固定選択型ローンの場合に、固定期間経過後、どのような金利(固定金利の場合はその期間)に移行したかがわかる情報が示されることが望ましい。(Ⅴ)

18 DTI, LTV, 貸出金利条件等については、それぞれの切り口による分布のみならず、マトリックスで分析したいという要請もあることから、ローン・バイ・ローン・データが提供されると有益。

レベル1: 多くの場合にほぼ必須と考えられる情報項目。レベル2: 有益な情報であり多くの場合に提供され検討の対象となることが望ましい情報項目。レベル3:有益な情報ではあるが、「レベル2」よりは優先度が低いと考えられる情報項目。

相殺禁止特約が存在せず、債務者がオリジネーターに対して反対債権(オリジネーターが銀行の場合に預金債権など)を有していると思われる場合は、相殺リスクにさらされる金額が分かる情報を示すべきである。(Ⅴ)

裏付資産、比較参考となる債権プールともに、居住目的住宅ローンとアパートローン・投資目的マンションローンの別、借り換え目的か否かなど、性質が異なり、パフォーマンスに差異が生じると思われるものは、区分けして属性およびパフォーマンスを示すべきである。(ⅢとⅣ)

属性分布の切り口としては、LTV、DTI、債務者の職業別、債務者の年収帯別、借入時・現在・完済予定時の年齢別、契約時または融資実行時期別、経過期間別、ボーナス返済の有無別、ローンの貸出条件の種類別などが考えられる。(Ⅲ-8、 Ⅳ-5など)

発行後のサーベイランス(期中報告)

裏付資産の回収状況(期中報告)

母体プール等、比較参考となる資産プールのパフォーマンス(発行時開示)

7

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狭義ABS(我が国リース債権、クレジット債権等を裏付けとする証券化商品)

項目 レベル 説明 補記 注

Ⅰ 商品の特定および発行の概要に関する情報(発行時開示)

Ⅰ-1 商品名 1 商品を特定できる固有の名称。 信託受益権等について、名称の統一がなされることが望ましい。

Ⅰ-2 商品の形態 1 社債、ノート、信託受益権等の別。公募か否か、上場するか否かについても明示する。

Ⅰ-3 主たる準拠法 1 日本法、イングランド法、ニューヨーク州法等の別。 複数の準拠法が関係する場合、商品の元利払いを律する法域。

Ⅰ-4 発行総額、トランシェ毎の発行額 1劣後比率とトランシェの厚みをわかりやすく併記することが望ましい。

劣後部分を除き、複数のトランシェがある場合は、それぞれの劣後比率を記載する。

Ⅰ-5 アレンジャー、引受・販売会社 1 名称アレンジャーについては、契約が存在しない場合は不要。引受・販売会社が未定の場合は予定を示すことが望ましい。

Ⅰ-6 発行日 1 受益権の場合は譲渡日。 未定の場合は予定。

Ⅰ-7 発行価格 1 発行価格 通常は額面100円あたりの価格。ただし、他の表現を妨げない。

Ⅰ-8 利率・予定配当率 1 トランシェ毎の利率、予定配当率。利息・配当率の計算方法(実経過日数/365日など)も明示することが望ましい。

Ⅰ-9 利払日 1 応答日が休日の場合の取扱いを含む。

Ⅰ-10 償還方法 1予定されている償還方法、償還方法変更事由等と当該事由等発生後の償還方法の概要。

Ⅰ-11 法定最終償還日 1

Ⅰ-12 予定償還日または予定償還スケジュール等 1予定償還日(満期一括償還を予定する場合)または予定償還スケジュール(分割償還を予定する場合)。

Ⅰ-13 想定償還スケジュール等 3 予想償還日、予想平均償還年限等。 算出の前提条件およびモデルの説明を示すべき。予定償還からずれる可能性がある商品を対象とする。

Ⅰ-14 格付け 1 格付け会社による格付け。 予備格付けまたは格付け取得予定に関する情報を含む。

Ⅱ ストラクチャー、関係者に関する情報(発行時開示)

Ⅱ-1 基本スキーム 1 スキーム図、各主体間の取引・契約内容の概要。

Ⅱ-2 オリジネーター 1名称、資本金の額、事業の内容、関係業務の概要、資本関係、経理の概況、その他。

公開企業(有価証券報告書提出企業等)の場合、経理の概況等公表情報に含まれる部分は省略可。

Ⅱ-3 サービサー 1 同上。ほとんどの場合においてオリジネーターと当初サービサーは同一企業であるが、その場合に同一企業である旨。

Ⅱ-4 発行体 1名称、社団の形態、設立準拠法、資本金の額、事業の内容、関係業務の概要、資本関係、経理の概況、その他。

信託受益権の場合は不要。外国会社の場合は、日本支店・日本における代表者の有無。

Ⅱ-5 その他主要な関係者 1受託者、(当初より設置されている場合)バックアップサービサー、社債管理会社、デリバティブ取引の相手方。

各関係者についてどの程度の情報を収集・伝達の対象にするかは、その担う役割と商品のリスクに与える影響を勘案して合理的に判断する。

Ⅱ-6 仕組み上の主たるリスクの所在 1リスクを例示(裏付資産毀損リスク、回収が期日通りに行われないリスク、サービサー・リスク、法的リスク、税務リスク、裏付資産にかかる集中リスクなど)。

Ⅱ-7 信用補完および流動性補完 1 信用補完および流動性補完の内容についての概要。優先劣後構造、超過収益等の信用補完効果を提供する仕組みと準備金等の流動性補完を提供する仕組みの概要。

Ⅱ-8 バックアップサービシング 1バックアップサービシングにかかる概要、バックアップサービサーを当初より設置している場合は、その状況。

Ⅱ-9 トリガーの仕組み 1加速度償還事由等のトリガー指標と発動条件、発動によって変更される事項。

Ⅱ-10 ウォーターフォール 1回収金のキャッシュフロー・ウォーターフォール(分配ルール)。

ケース毎に複数ある場合はそれぞれについて記載。図、フローチャート等でわかりやすく示すとよい。

Ⅲ 裏付資産にかかる情報(発行時開示)

Ⅲ-1 裏付資産の概要 1 裏付資産の基本的性質、適用法令。割賦購入あっせん債権、割賦販売法の適用を受ける、といった説明。

Ⅲ-2 裏付資産発生の概要 1オリジネーターが原始取得する場合に、オリジネーターの与信手続の概要。

Ⅲ-3 適格要件 1 証券化対象となる裏付資産の条件。

Ⅲ-4 裏付資産プールの属性 1 債権残高、債権件数、債務者数。債権の性質、仕組みの特徴に応じて、適宜属性による分布状況を加える。

オリジネーターが複数の場合は、オリジネーター毎に示すとよい。

Ⅲ-5 裏付資産のキャッシュフロー 1 裏付資産(債権)にかかる回収予定。 リボルビング債権等、予定がないものについては、その旨。

Ⅲ-6 加重平均金利 WAC 1 リース債権についてはリース料の割引率で代替する。 裏付資産の利回りのめやすとなることを意図。

Ⅲ-7 加重平均残存期間 WAM 2

Ⅲ-8裏付資産にかかる債権または債務者の属性分布

1残高別、契約金利別、当初支払回数別(リボ払い債権を除く)、地域別、債務者の属性別等。

リスク評価およびキャッシュフロー予想の観点から、債権または債務者の属性分布を示す。

オリジネーターが複数の場合は、オリジネーター毎に示すとよい。

8

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項目 レベル 説明 補記 注

Ⅳ 母体プール等、比較参考となる資産プールのパフォーマンス(発行時開示)

Ⅳ-1 延滞率 1

母体プール等の比較参考プールがない場合および母体プール等と比較することに意味がないと判断される場合はⅣは省略可。延滞率、デフォルト率等を示す場合は、その定義または説明を明らかにするべきである。計算の根拠となる残高の推移を併せて示すことが望ましい。

Ⅳ-2 デフォルト率 1 同上。

Ⅳ-3 繰上返済・中途解約率 2

Ⅳ-4 回収率または損失率 2仕組み上、デフォルト債権からの回収を享受できない、または、見込まない場合は、不要。

Ⅳ-5 比較参考プールの属性 2 地域分布、オリジネーション時期等。裏付資産との類似性・異質性の判断に資することを意図。

Ⅴ 発行後のサーベイランス(期中報告)

Ⅴ-1 発行残高 1 トランシェ毎の未償還残高。 メザニン、劣後クラスの残高も記載。

Ⅴ-2 利率(配当率) 3 基準金利、マージン、利率。 固定利率の場合は省略可。

Ⅴ-3 格付け 3 格付け会社による格付け。

Ⅴ-4 信用補完、流動性補完の現況 1 劣後比率、準備金勘定の残高など。 他の項目に含まれる場合が多いと思われる。

Ⅴ-5 トリガー指標 1加速度償還事由などに用いられるトリガー指標の観測時点での水準、トリガー抵触の有無。

計算方法(明白ではない場合)も明示。

Ⅴ-6 イベント発生の有無 1加速度償還事由、サービサー解任事由等のイベントの発生の有無。

Ⅴ-7 回収金の分配状況 2

Ⅴ-8 劣後部分の残存額 2 発行残高の項目から読み取れる場合は省略可。

Ⅵ 裏付資産の回収状況(期中報告)

Ⅵ-1 裏付資産にかかる債権残高 1

Ⅵ-2 加重平均金利 WAC 2 プール構成が大きく変化しない場合は省略可。

Ⅵ-3 加重平均残存期間 WAM 2 同上。

Ⅵ-4 その他のプール属性 2 同上。

Ⅵ-5裏付資産にかかる債権または債務者の属性分布

3同上。一方で、プールの構成が大きく変化する場合には、適宜、収集・伝達が望まれる。

Ⅵ-6 延滞額・率 1額だけを示せば率は計算可能だが、利便性を考え、率も併記することが望ましい。以下同じ。

Ⅵ-7 デフォルト発生額・率 1

Ⅵ-8 累積デフォルトまたは損失発生額・率 1 リボルビング債権の場合は省略可。

Ⅵ-9 繰上返済・中途解約率 2

Ⅵ-10 回収率または損失率 2仕組み上、デフォルト債権からの回収を享受できない、または、見込まない場合は、不要。

Ⅵ-11 買戻し率 1 理由毎の内訳も開示されることが望ましい。

脚注1 レベル1: 多くの場合にほぼ必須と考えられる情報項目。レベル2: 有益な情報であり多くの場合に提供され検討の対象となることが望ましい情報項目。レベル3:有益な情報ではあるが、「レベル2」よりは優先度が低いと考えられる情報項目。

2 オリジネーター兼当初サービサーが劣後部分を保有していない場合には、その旨を含む。(Ⅱ-6)

3 信用補完水準を決定した理由、根拠が示されることが望ましい。(Ⅱ-7)

4 消費者金融会社がオリジネーター兼サービサーとなっている貸金債権の場合に、LE件数/LE金額を半年毎にアップデートすることが望ましい。(Ⅵ-5)

5 債務者数、債権件数、債権残高、残高加重平均値が含まれていることが望ましい。(Ⅲ-4)

6 1債務者あたりの最大の債権額等、バーゼルⅡ第一の柱、内部格付手法における格付準拠方式においてNの値を決定するために必要な情報が含まれていることが望ましい。(Ⅲ-4, Ⅵ-5)

7 母体プールのパフォーマンスについては、オリジネーション時期別、回収方法別、債務者属性別、債権属性別などで区分して示されることが望ましい。(Ⅳ)

8 自動車リース債権の場合に、メンテナンス特約の有無別、残価の水準別など、自動車ローンを含むショッピングクレジット(個品あっせん)債権の場合に、キャッシング利用の有無別なども示されることが望ましい。(Ⅲ-8)

9 消費者向け貸金債権の場合に、年収帯別、年齢層別、LE件数別、LE金額帯別、利息制限法上限金利超過金利による貸出の有無別、取引期間別などの属性分布も示されるべきである。(Ⅲ-8)

10 信託契約書、サービシング契約書等の関連契約書の写しまたは内容が入手可能であることが望ましい。(Ⅱ-1)

11 観測時点における債権件数が示されることが望ましい。(Ⅵ-6)

12 裏付資産にかかる債権のパフォーマンスの大幅な悪化がみられる場合などは、裏付資産の属性分布等はより詳細にアップデートされるべきである。(Ⅵ-3ないしⅥ-5など)

13 デフォルトした債権の属性およびデフォルト理由(長期延滞、破産などの別)が示されることが望ましい。(Ⅵ-8)

9

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CLO(我が国企業向け貸付債権等を裏付けとする証券化商品)

項目 レベル 説明 補記 注

I

Ⅰ-1 商品名 1 商品を特定できる固有の名称。 信託受益権等について、名称の統一がなされることが望ましい。

Ⅰ-2 商品の形態 1 社債、ノート、信託受益権等の別。公募か否か、上場するか否かについても明示する。

Ⅰ-3 主たる準拠法 1 日本法、イングランド法、ニューヨーク州法等の別。 複数の準拠法が関係する場合、商品の元利払いを律する法域。

Ⅰ-4 発行総額、トランシェ毎の発行額 1劣後比率とトランシェの厚みをわかりやすく併記することが望ましい。

劣後部分を除き、複数のトランシェがある場合は、それぞれの劣後比率を記載する。

Ⅰ-5 アレンジャー、引受・販売会社 1 名称アレンジャーについては、契約が存在しない場合は不要。引受・販売会社が未定の場合は予定を示すことが望ましい。

Ⅰ-6 発行日 1 受益権の場合は譲渡日。 未定の場合は予定。

Ⅰ-7 発行価格 1 発行価格 通常は額面100円あたりの価格。ただし、他の表現を妨げない。

Ⅰ-8 利率・予定配当率 1 トランシェ毎の利率、予定配当率。利息・配当率の計算方法(実経過日数/365日など)も明示することが望ましい。

Ⅰ-9 利払日 1 応答日が休日の場合の取扱いを含む。

Ⅰ-10 償還方法 1予定されている償還方法、償還方法変更事由等と当該事由等発生後の償還方法の概要。

Ⅰ-11 法定最終償還日 1

Ⅰ-12 予定償還日または予定償還スケジュール等 1予定償還日(満期一括償還を予定する場合)または予定償還スケジュール(分割償還を予定する場合)。

Ⅰ-13 想定償還スケジュール等 3 予想償還日、予想平均償還年限等。 算出の前提条件も明示する。 予定償還からずれる可能性が高いものを対象。

Ⅰ-14 格付け 1 格付け会社による格付け。 予備格付けまたは格付け取得予定に関する情報を含む。

Ⅱ-1 基本スキーム 1 スキーム図、各主体間の取引・契約内容の概要。

Ⅱ-2 オリジネーター 1名称、資本金の額、事業の内容、関係業務の概要、資本関係、経理の概況、その他。

金融機関がオリジネーターとなるバランスシート型CLOについては、オリジネーション(貸出または買取)を行う部署と証券化を行う部署との関係を説明するべきである。

公開企業(有価証券報告書提出企業等)の場合、経理の概況等公表情報に含まれる部分は省略可。

Ⅱ-3 サービサー 1 同上。ほとんどの場合においてオリジネーターと当初サービサーは同一企業であるが、その場合に同一企業である旨。

Ⅱ-4 発行体 1名称、社団の形態、設立準拠法、資本金の額、事業の内容、関係業務の概要、資本関係、経理の概況、その他。

信託受益権の場合は不要。外国会社の場合は、日本支店・日本における代表者の有無。

Ⅱ-5 その他主要な関係者 1

受託者、(当初より設置されている場合)バックアップサービサー、社債管理会社、デリバティブ取引の相手方、マネージド(運用)型の場合コラテラルマネージャー(アセットマネージャー)。

各関係者についてどの程度の情報を収集・伝達の対象にするかは、その担う役割と商品のリスクに与える影響を勘案して合理的に判断する。

Ⅱ-6 仕組み上の主たるリスクの所在 1

リスクを例示(裏付資産毀損リスク、回収が期日通りに行われないリスク、サービサー・リスク、法的リスク、税務リスク、裏付資産にかかる集中リスク、モデルリスク(PD予測モデル等を使用する場合にモデルの利用に関するリスク)など)。

相殺禁止特約がない場合、相殺リスクの存在と、相殺リスクにどのような仕組み上の対処がなされているかの説明が必要であろう。

Ⅱ-7 信用補完および流動性補完 1 信用補完および流動性補完の内容についての概要。優先劣後構造、超過収益等の信用補完効果を提供する仕組みと準備金等の流動性補完を提供する仕組みの概要。

Ⅱ-8 バックアップサービシング 1バックアップサービシングにかかる概要、バックアップサービサーを当初より設置している場合は、その状況。

Ⅱ-9 トリガーの仕組み 1加速度償還事由等のトリガー指標と発動条件、発動によって変更される事項。

Ⅱ-10 ウォーターフォール 1回収金のキャッシュフロー・ウォーターフォール(分配ルール)。

ケース毎に複数ある場合はそれぞれについて記載。図、フローチャート等でわかりやすく示すとよい。

Ⅲ 裏付資産にかかる情報(発行時開示)

Ⅲ-1 裏付資産の概要 1 裏付資産の基本的性質、適用法令。

Ⅲ-2 裏付資産発生の概要 1オリジネーターが原始取得する場合に、オリジネーターの与信手続の概要。

Ⅲ-3 適格要件 1 証券化対象となる裏付資産の条件。

Ⅲ-4 裏付資産プールの属性 1 債権残高、債権件数、債務者数。債権の性質、仕組みの特徴に応じて、適宜属性による分布状況を加える。

Ⅲ-5 裏付資産のキャッシュフロー 1 裏付資産(債権)にかかる回収予定。

Ⅲ-6 加重平均金利 WAC 1 裏付資産の利回りのめやすとなることを意図。

Ⅲ-7 加重平均残存期間 WAM 2

Ⅲ-8裏付資産にかかる債権または債務者の属性分布

1残高別、契約金利別、業種別、資本金区分その他の財務状況別、地域別等。

リスク評価およびキャッシュフロー予想の観点から、債権または債務者の属性分布を示す。

行内格付別、信用評点別、予想デフォルト率帯別なども示されることが一般的であろう。

商品の特定および発行の概要に関する情報(発行時開示)

ストラクチャー、関係者に関する情報(発行時開示)

10

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項目 レベル 説明 補記 注

Ⅳ 母体プール等、比較参考となる資産プールのパフォーマンス(発行時開示)

Ⅳ-1 延滞率 2

母体プール等の比較参考プールがない場合および母体プール等と比較することに意味がないと判断される場合はⅣは省略可。延滞率、デフォルト率等を示す場合は、その定義または説明を明らかにするべきである。計算の根拠となる残高の推移を併せて示すことが望ましい。

Ⅳ-2 デフォルト率 2 同上。

Ⅳ-3 繰上返済・中途解約率 2

Ⅳ-4 回収率または損失率 2

Ⅳ-5 比較参考プールの属性 3 地域分布、オリジネーション時期等。裏付資産との類似性・異質性の判断に資することを意図。

Ⅴ 発行後のサーベイランス(期中報告)

Ⅴ-1 発行残高 1 トランシェ毎の未償還残高。 メザニン、劣後クラスの残高も記載。

Ⅴ-2 利率(配当率) 3 基準金利、マージン、利率。 固定利率の場合は省略可。

Ⅴ-3 格付け 3 格付け会社による格付け。

Ⅴ-4 信用補完、流動性補完の現況 1 劣後比率、準備金勘定の残高等。 他の項目に含まれる場合が多いと思われる。

Ⅴ-5 トリガー指標 1加速度償還事由などに用いられるトリガー指標の観測時点での水準、トリガー抵触の有無。

計算方法(明白ではない場合)も明示。

Ⅴ-6 イベント発生の有無 1加速度償還事由、サービサー解任事由等のイベントの発生の有無。

Ⅴ-7 回収金の分配状況 2

Ⅴ-8 劣後部分の残存額 2 発行残高の項目から読み取れる場合は省略可。

Ⅵ 裏付資産の回収状況(期中報告)

Ⅵ-1 裏付資産にかかる債権残高 1

Ⅵ-2 加重平均金利 WAC 2 プール構成が大きく変化しない場合は省略可。

Ⅵ-3 加重平均残存期間 WAM 2 同上。

Ⅵ-4 その他のプール属性 2 同上。

Ⅵ-5裏付資産にかかる債権または債務者の属性分布

3同上。一方で、プールの構成が大きく変化する場合には、適宜、収集・伝達が望まれる。

Ⅵ-6 延滞額・率 1額だけを示せば率は計算可能だが、利便性を考え、率も併記することが望ましい。以下同じ。

Ⅵ-7 デフォルト発生額・率 1

Ⅵ-8 累積デフォルトまたは損失発生額・率 1

Ⅵ-9 繰上返済・中途解約率 1

Ⅵ-10 回収率または損失率 2仕組み上、デフォルト債権からの回収を享受できない、または、見込まない場合は、不要。

脚注1

2 オリジネーター兼当初サービサーが劣後部分を保有していない場合には、その旨を含む。(Ⅱ-6)

3 募集型の場合は、その旨および当該募集の概要についての記述が含まれるべきである。(Ⅲ-2)

4 債務者数、債権件数、債権残高、残高加重平均値が含まれていることが望ましい。(Ⅲ-4)

5 モデルによる予想デフォルト率帯別分布を示す際は、当該モデルに関する説明も必要であろう。(Ⅲ-8)

6 1債務者あたりの最大の債権額等、バーゼルⅡ第一の柱、内部格付手法における格付準拠方式においてNの値を決定するために必要な情報が含まれていることが望ましい。(Ⅲ-4, Ⅵ-5)

7 母体プールのパフォーマンスおよび裏付資産にかかる属性分布については、パフォーマンス等に顕著な差異があると思われるものは区分けして示されることが望ましい。(Ⅲ, Ⅳ)

8 信託契約書、サービシング契約書等の関連契約書の写しまたは内容が入手可能であることが望ましい。(Ⅱ-1)

9 信用補完水準を決定した理由、根拠が示されることが望ましい。(Ⅱ-7)

10 観測時点における債権件数が示されることが望ましい。(Ⅵ-6)

11 既往取引先に対する貸付債権等であれば、オリジネーターとの取引年数区分別等の分布が示されることが望ましい。(Ⅲ-8)

12 裏付資産にかかる債権のパフォーマンスの大幅な悪化がみられる場合などは、裏付資産の属性分布等はより詳細にアップデートされるべきである。(Ⅵ-3ないしⅥ-5など)

13 デフォルトした債権の属性およびデフォルト理由(長期延滞、破産などの別)が示されることが望ましい。(Ⅵ-8)

レベル1: 多くの場合にほぼ必須と考えられる情報項目。 レベル2: 有益な情報であり多くの場合に提供され検討の対象となることが望ましい情報項目。 レベル3:有益な情報ではあるが、「レベル2」よりは優先度が低いと考えられる情報項目。

11

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CMBS(我が国商業用不動産ローン債権等を裏付けとする証券化商品)

項目 レベル 説明 補記 注

A-1 商品の特定及び発行の概要に関する情報(発行時開示)

A-1-1 1 CMBSを特定できる固有の名称。

A-1-2 1 社債、ノート、信託受益権等、CMBSの法律上の種別。

A-1-3 1日本法、イングランド法、ニューヨーク州法等、CMBSの準拠法。

A-1-4 1 発行日時点でのCMBSの発行総額及び各トランシェ毎の発行額。

A-1-5 1 アレンジャー、引受・販売会社の名称。

A-1-6 発行日 1 CMBSの発行日。

A-1-7 利率・予定配当率 1 トランシェ毎の利率、予定配当率。

A-1-8 利払日 1CMBSの利払日。四半期毎。1,4,7,10月の5日(非営業日の場合、前・後営業日)のように表記。

A-1-9 償還方法 1予定されているCMBSの償還方法。バルーン、元本期日一括、のように表記。複数債権の証券化の場合、債権毎に償還方法を記載するので不要。

A-1-10 予定償還日 1 CMBSの予定償還日。

A-1-11 1CMBSの発行日から予定償還日までの年限(3.54年のように年数で表示)。

A-1-12 法定最終償還日 1 CMBSの最終償還日。

A-1-13 格付 1 格付機関名及び各トランシェの格付。

A-2 ストラクチャー・関係者に関する情報(発行時開示)

A-2-1 基本スキーム 1 スキーム図、各主体間の取引・契約内容の概要。

A-2-2 1 裏付債権のオリジネーターの名称。

不動産(不動産を信託資産とする信託受益権を含む)を所有するTMKや信託がCMBSを発行する場合、「裏付債権」という概念がないので記載不要。

A-2-3 サービサー 1 裏付債権のサービサーの名称。

A-2-4 発行体 1 CMBS発行体の名称、社団の形態、設立準拠法。

A-2-5 その他主要な関係者 1受託者、(当初より設置されている場合)バックアップ・サービサー、社債管理会社、デリバティブ取引の相手方、スポンサー。

 

A-2-6 1信用補完および流動性補完の概要(優先・劣後構造、準備金などであって、実際に表現可能なケースのみ対応)。

A-3 債券レベルの情報 (期中報告) 注:CMBSレベルの情報。信託受益権も債券として表示

A-3-1 契約番号 N 信託契約番号など信託勘定を特定できる番号(あれば)。

A-3-2 報告日 1 当該レポートの報告日。

A-3-3 配当日 1 当該レポートに対応するCMBSの配当日。

A-3-4 計算期間 1当該レポートに対応するCMBSの配当の計算期間(配当利息の計算に用いられる期間)。

A-3-5 計算期間実日数 1当該レポートに対応するCMBSの配当の計算期間の実日数(配当利息の計算に用いられる日数)。

A-3-6 発行体受取金明細 期中元本回収金額 2CMBSの当該配当計算期間に対応する回収期間に、発行体が受け取った元本回収額。

前期繰越元本金額 2単位計算等により生じた端数で前回配当日に翌期に繰り越された元本回収金額。

期中利息等回収金額 2CMBSの当該配当計算期間に対応する回収期間に、発行体が受け取った利息額。

前期繰越利息等金額 2単位計算等により生じた端数で前回配当日に翌期に繰り越された利息額。

デリバティブ関連授受金額

2CMBSの当該配当計算期間に、CMBS発行体がカウンターパーティとなるデリバティブ(金利スワップ、金利キャップ)に関連して、発行体が受け取った金額。

その他授受金額 2 CMBSの当該配当計算期間に発行体が受け取ったその他の金額。

受取合計額 2 上記の受け取り金の合計額。

商品名

商品の形態

主たる準拠法

発行総額、トランシェ毎の発行額、(発行価格)

アレンジャー、引受・販売会社

予定償還年限 (Weighted Average Life)

裏付債権のオリジネーター

信用補完および流動性補完

12

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項目 レベル 説明 補記 注

A-3-7 発行体支払費用明細 公租公課 2CMBSの当該計算期間に対応する支払期間に発行体が支払う公租公課。

サービサー報酬 2CMBSの当該計算期間に対応する支払期間に発行体が支払うサービサー(スペシャルサービサー、バックアップサービサーを含む)報酬。

信託・トラスティ報酬 2CMBSの当該計算期間に対応する支払期間に発行体が支払う信託・トラスティ報酬。

その他報酬 2CMBSの当該計算期間に対応する支払期間に発行体が支払う上記以外の報酬支払先(もしあれば)に対する報酬。

発行体事務管理委託費用 2CMBSの当該計算期間に対応する支払期間に発行体が支払う発行体の事務管理委託手数料、監査費用など。

デリバティブ関連授受金額

2CMBSの当該配当計算期間に対応する支払期間に、CMBS発行体がカウンターパーティとなるデリバティブ(金利スワップ、金利キャップ)に関連して、発行体が支払う金額。

口座維持手数料 2CMBSの当該配当計算期間に対応する支払期間に、CMBS発行体が支払う口座維持手数料。

その他支払費用 2CMBSの当該配当計算期間に対応する支払期間に発行体が支払うその他の費用金額。

翌期繰越金額 2CMBSの当該配当計算期間に対応する支払期間に発行体が支払う費用のうち、翌期に支払うものとして繰り越される金額。

費用支払・翌期繰越金合計額

2 上記の支払費用及び翌期繰越金額の合計額。

A-3-8 発行時債券残高 1 CMBSの発行時の残高。トランシェ毎に記載。

A-3-9 前期末債券残高 1 CMBSの前期末の残高。トランシェ毎に記載。

A-3-10 債券口数 1 CMBSの口数。トランシェ毎に記載。

A-3-11 債券利息支払 金利種別 1 CMBSの金利種別。変動・固定の別をトランシェ毎に記載。

計算期間実日数 1 CMBSの当該配当計算期間の実日数。トランシェ毎に記載。

基準金利 1金利種別が変動金利の場合のみ、CMBSの当該配当計算期間に適用されるCMBSの基準金利。トランシェ毎に記載。

スプレッド 1金利種別が変動金利の場合のみ、CMBSの当該配当計算期間に適用されるCMBSのスプレッド。トランシェ毎に記載。

予定配当率 2CMBSの当該配当計算期間に適用されるCMBSの配当率(固定金利、変動金利いずれの場合も記載。変動金利の場合は、基準金利とスプレッドの合計となる)。トランシェ毎に記載。

一口あたり配当額 2当該配当日に支払われる一口あたりの配当額。トランシェ毎に記載。

配当額 1当該配当日に支払われる各トランシェの合計配当額。トランシェ毎に記載。

未払配当 1当該配当の直後の各トランシェの未払配当額合計。トランシェ毎に記載。

A-3-12 債券元本償還 元本償還額 1当該配当日にウォーターフォールに基づき各トランシェに配分される元本償還額。トランシェ毎に記載。

一口当り元本償還額 2当該配当日に各トランシェに支払われる一口当り元本償還額。トランシェ毎に記載。

償還額 1当該配当日に各トランシェに支払われる合計元本償還額。トランシェ毎に記載。

今期償還後残高 1当該配当日に償還が行われた後の各トランシェの元本残高。トランシェ毎に記載。

予定償還日 2 CMBSの各トランシェの予定償還日。トランシェ毎に記載。

A-3-13 リザーブ状況 前期末残高 2 発行体レベルでの準備金の前計算期末の残高。種類別に記載。

期中増加 2発行体レベルでの準備金の当該計算期間中の増加額。種類別に記載。

期中減少 2発行体レベルでの準備金の当該計算期間中の減少額。種類別に記載。

配当時引出(減少) 2発行体レベルでの準備金の当該配当日の引き出し額。種類別に記載。

配当時積立(増加) 2発行体レベルでの準備金の当該配当日の積立額。種類別に記載。

今期末残高 2発行体レベルでの準備金の当該計算期末(配当日の増減を含む)の残高。種類別に記載。

A-3-14 トリガーチェック 有・無 1CMBSレベルでのトリガーの抵触状況。トリガーの内容及び抵触の有無を表示。

B-1

B-1-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-1-2 債務者名 1 裏付債権の債務者の名称。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-1-3 実行日 1裏付債権の実行日(裏付債権がTMK債の場合、当該TMKの発行日)。

B-1-4 1 裏付債権の契約上の予定満期日・予定償還日。

B-1-5 1裏付債権の契約上の最終満期日・最終償還日。裏付債権の契約において、テール期間が設定されている場合の最終期限を指す。

B-1-6 カットオフ日 1 CMBSにおける当該裏付債権のカットオフ日。

B-1-7 前回利払日 2

CMBSの配当金計算期間に対応する裏付債権の回収期間中で裏付債権の約定元利金返済が行われた最終の日付。(paid throughdate)発行時の開示においては、カットオフ日の直前の裏付債権の約定元利金返済日。

予定満期日(予定償還日)

最終満期日(最終満期日)

裏付債権の基本情報 (各債権について発行時開示及び期中報告)注:裏付債権が複数ある場合、各裏付債権について記載。裏付債権がTMK債の場合は適宜読み替え。変更がない項目は期中開示省略可

13

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項目 レベル 説明 補記 注

B-1-8 債権残高 当初債権残高 2 裏付債権の実行時の残高。

カットオフ日時点債権残高

1 裏付債権のカットオフ時点の残高。

現債権残高 1当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日の残高(同日に返済がある場合、当該返済後の残高)。

予定満期日のバルーン残高

1裏付債権の予定満期日のバルーン残高。一部期限前返済があった場合など、再計算後の金額を記載。

B-1-9 金利 金利種別 1 裏付債権の金利種別。変動・固定の別をトランシェ毎に記載。

利払頻度 1裏付債権の利払頻度。「四半期毎。1,4,7,10月の5日(非営業日の場合前・後営業日)」のように表記。

固定金利レート 1固定金利の場合、当該配当計算期間に対応する裏付債権の回収期間の裏付ローンの適用金利を記載。

ボロワーレベルでのスワップの有無(Y or N) 2

固定金利の場合、裏付債権の債務者が当事者となっている金利スワップの有無を記載。

金利スワップ・カウンターパーティー

2固定金利の場合、裏付債権の債務者が当事者となっている金利スワップのカウンターパーティの名称を記載。

変動金利基準金利種別 1変動金利の場合、裏付債権の基準金利の種類(「3ヶ月円LIBOR」など)。

スプレッド 1 変動金利の場合、裏付債権のスプレッド。

金利キャップの有無(Yor N)

1変動金利の場合、裏付債権の債務者が当事者となっている金利キャップ契約の有無を記載。

金利キャッププロバイダー

2変動金利の場合、裏付債権の債務者が当事者となっている金利キャップ契約のキャッププロバイダーの名称を記載。

金利キャップストライクプライス

1変動金利の場合、裏付債権の債務者が当事者となっている金利キャップ契約のストライクプライスを記載。

B-1-10 1裏付債権の契約上の元本の期中定期返済(amortization)の有無と種類(元本均等返済、元利金等返済など)。

B-1-11 約定元利金返済の合計 2当該配当計算期間に対応する裏付債権の回収期間の約定元利金返済額の合計。

元利金に変動がある場合、どの回収期間の元利金かも明示(本計算期間、次回計算期間など)。

 

B-1-12 1裏付債権の債務者に関するアセット・マネジメント会社の名称。

B-1-13 1当該裏付債権のアセット・マネージャーが有するライセンス(投資運用業・助言代理業の別)を記載。

B-1-14 LTV (%) カットオフ時点 1カットオフ時点での裏付債権のLTV。評価額が変更された場合も当初開示時のLTV計算に用いられた評価額を用いる。

報告日時点 1当該報告日時点でのLTV。評価額が変更された場合は変更後の評価額を用いる。

予定満期日時点 1予定満期日時点でのLTV。評価額が変更された場合は変更後の評価額を用いる。

B-1-15 担保評価額 評価額タイプ 1報告時点及び予定満期日時点で用いられた評価額の種類(例:鑑定評価書、格付機関評価額、AM評価額、アレンジャー評価額など)。

評価時点 1報告時点及び予定満期日時点で用いられた評価額の評価時点(例:鑑定評価書、格付機関評価額、AM評価額、アレンジャー評価額など)。

B-2 裏付債権のパフォーマンス(各債権について発行時開示及び期中報告)

B-2-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-2-2 借主名 N 裏付債権の債務者の名称。

B-2-3 DSCR実元利払金額に基づくDSCR

2 実際の約定元利金額に基づくDSCR。

配当留保条項等にかかるDSCR

2配当留保、ファストペイなどDSCRが裏付債権の契約上のトリガーとなっている場合、その計算に用いられるDSCR。

実際の元利払の代わりにrefi. Constantなどが用いられる。

キャッシュフロー計算対象期間

2上記のDSCR計算に用いられたキャッシュフローの計算対象期間。

AMからのキャッシュフロー報告は元利金支払に先行するため、元利金の計算期間とキャッシュフローの計算期間はかならずしも一致しない。

B-1-4トリガー事由の発生有無

配当留保の有無 (Y orN)

2裏付債権の契約上の配当留保条項のトリガーの抵触状況。抵触した事由を明示する。

ファストペイ事由発生の有無 (Y or N)

2裏付債権の契約上のファストペイ条項のトリガーの抵触状況。抵触した事由を明示する。

特殊報告事項の有無 (Yor N)

2当該裏付債権が、B-3(1)又は(2)のレポートの対象となっているかどうかを記載。

B-3(1) 特殊事項に関するレポート (対象債権について期中報告)

B-3(1)-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-3(1)-2 借主名 N 裏付債権の債務者の名称。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-3(1)-3 N

当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日の残高(同日に返済がある場合、当該返済後の残高。裏付債権の期限前返済は確定しているが、当該CMBSの配当期間に対応する裏付債権の回収期間内に期限前返済が起こらない場合を含む)。

報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-3(1)-4定時返済以外の期限前返済に関するレポート

期限前返済金額 1裏付ローンの約定返済以外期限前の返済額(任意期限前返済、物件売却による期限前返済、ファストペイなど)。

期限前返済予定日 1当該期限前返済が行われる日(裏付債権の期限前返済は確定しているが、当該CMBSの配当期間に対応する裏付債権の回収期間内に期限前返済が起こらない場合を含む)。

期限前返済詳細 2当該期限前返済の理由(物件売却、リファイナンス、保険事故など)。

基本的に発行時のもの。その後再取得した場合、アップデートする。

固定金利の場合のみ。

変動金利の場合のみ。

現債権残高

元本の定期返済の有無と種類 (Y or N)(元本均等・元利金等・その他)

アセット・マネージャーのライセンス種類

アセット・マネージャー名

14

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項目 レベル 説明 補記 注

B-3(1)-5物件売却に関するレポート

物件番号 N 目論見書で用いられた売却物件のID#。

物件名 1 目論見書で用いられた売却物件の名称。

物件タイプ 2 売却物件の種別。

所在地域 2 売却物件の所在地。

売却予定日 2 物件売買の資金決済日。

グロス売却価格 2当該物件の売買契約に記載された物件売買金額(消費税込・非込を明記)。

個別物件の売却価格の開示については、借主の承諾ある場合。

グロス売却価格/評価額 2当該物件の売買契約に記載された物件売買金額をB-1記載の評価額で除した値。

ネット売却価格 2当該物件の売買契約に記載された物件売買金額のうち、諸費用等を控除の後、裏付債権の支払に充当可能な金額。

個別物件の売却価格の開示については、借主の承諾ある場合。

ネット売却価格/リリースプライス

2 上記ネット売却額を当該物件について定められた。

元本返済予定日 1 当該売却金により元本返済が行われる日。

元本返済金額 1 当該売却金により返済される元本額。

B-3(1)-6ローン関連契約の変更に関するレポート

変更日 1裏付債権の関連契約が変更された日(基本的には変更契約書の日付)。

変更内容詳細 1 裏付債権の関連契約の変更内容の詳細。

B-3(1)-7その他重要事項に関するレポート

発生日 2その他、関連者の変更、担保物件のキャッシュフローや価値、裏付債権の回収に大きな影響を与えると考えられる事項の発生日(発生日が不明の場合、サービサーが知った日)。

重要事項詳細 2その他、関連者の変更、担保物件のキャッシュフローや価値、裏付債権の回収に大きな影響を与えると考えられる事項の詳細(ウォッチリスト対象項目を除く)。

B-3(2) Watch List (対象債権について期中報告)

B-3(2)-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-3(2)-2 借主名 N 裏付債権の債務者の名称。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-3(2)-3 現債権残高 N

当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日の残高(同日に返済がある場合、当該返済後の残高。裏付債権の期限前返済は確定しているが、当該CMBSの配当期間に対応する裏付債権の回収期間内に期限前返済が起こらない場合を含む)。

報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-3(2)-4 2サービサー・ウォッチリストに当該裏付債権の記載が追加された日。

いつから問題が生じているかを明示。

B-3(2)-5トリガー事由発生に関するレポート

トリガー事由発生日 2

サービサー・ウォッチリストへの記載事由となるトリガー(配当留保やファストペイの判定等に用いられる、裏付債権において設定されているトリガー)が発生した日(発生日が不明の場合、サービサーが当該発生を認識した日)。

トリガー事由詳細 2サービサー・ウォッチリストへの当該裏付債権の記載事由となったトリガー及びその抵触状況の詳細。

DSCR, 売却率不足、メジャーテナント退去通知など。

B-3(2)-6重大なパフォーマンスの悪化に関するレポート

発生日 2

担保物件のキャッシュフローや価値、裏付債権の回収に重大な悪影響を与えると考えられるローン又は物件のパフォーマンス事由が発生した日(発生日が不明の場合、サービサーが当該発生を認識した日)。

パフォーマンスの悪化に関する詳細

2サービサー・ウォッチリストへの当該裏付債権の記載事由となったパフォーマンスの悪化状況の詳細。

B-3(2)-7その他重要事項に関するレポート

発生日 2

担保物件のキャッシュフローや価値、裏付債権の回収に重大な悪影響を与えると考えられる事由(トリガー又はパフォーマンス悪化事由に該当するものを除く)が発生した日(発生日が不明の場合、サービサーが当該発生を認識した日)。

重要事項詳細 2

サービサー・ウォッチリストへの当該裏付債権の記載事由の詳細。担保物件のキャッシュフローや価値、裏付債権の回収に重大な悪影響を与えると考えられる状況(トリガー又はパフォーマンス悪化事由に該当するものを除く。

災害の発生、関連人の破産など。

B-4 延滞に関するレポート (対象債権について期中報告)

B-4-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-4-2 債務者名 N 裏付債権の債務者の名称。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-4-3 債権残高 当初債権残高 N 裏付債権の実行時の残高。

カットオフ日時点債権残高

N 裏付債権のカットオフ時点の残高。

現債権残高 N当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日の残高(同日に返済がある場合、当該返済後の残高)。

元本返済延滞額 1

利息延滞額 1

その他延滞額 1元本・利息以外の延滞額(立替費用、期限前返済ペナルティなど)。

合計延滞額 1

当初延滞発生日 2当該裏付債権について最初に延滞が発生した日。全ての延滞金が解消された後、再度延滞が発生した場合は、現在の延滞の発生日。

スペシャルサービサー移管日

2裏付債権がスペシャルサービサーの管理に移管された日。裏付債権が複数回に分けて移管された場合、スペシャル・サービサーに移行された最後の日。

B-5 リザーブに関する情報 (各債権について発行時開示及び期中報告)

B-5-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-5-2 債務者名 N 裏付債権の債務者の名称。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

各項目について、当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日の延滞額(同日に返済がある場合、当該返済後の延滞額)の累計。30日未満、30日以上60日未満、60日以上90日未満、90日以上の別に金額を表示。

サービサー・ウォッチリストへの追加日

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項目 レベル 説明 補記 注

B-5-3 債権残高 当初債権残高 N 裏付債権の実行時の残高。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

カットオフ日時点債権残高

N 裏付債権のカットオフ時点の残高。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

現債権残高 N当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日の残高。

報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

予定満期日のバルーン残高

N裏付債権の予定満期日のバルーン残高。一部期限前返済があった場合など、再計算後の金額を記載。

報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

B-5-4 リザーブ詳細 留保金勘定名 2裏付債権レベルで設定されている留保金の名称を記載。基本的に、種別は、固都税・保険、資本的支出、短期修繕、流動性補完、地代、その他、とする。

留保金勘定残高 2裏付債権レベルで設定されている留保金の残高。留保金勘定別に記載。

留保口座 2裏付債権レベルで設定されている留保金の保管場所。不動産信託勘定内口座、貸主管理口座、借主非管理口座のように留保金勘定別に記載。

金額の報告時点 2上記、留保金勘定残高の時点。基本的に、当該CMBS配当計算期間に対応する裏付債権の回収期間の末日に最も近い直前の残高資料が入手可能な時点とする。

時点を明示。

B-6 サービサーアドバンスに関するレポート (対象債権について期中報告)

B-6-1 基本情報 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。

裏付債権の前回変更日 N直近の当該裏付債権の契約の変更日。変更がない場合、フィールドはブランク。

WODRA/償還不能と判断された日

3 これまでの立替金額が回収不可能と見なされた日。

B-6-2 サービサー情報期初アドバンス残高(元本分)

3サービサーの立替金のうち、元本の立替金。当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の初日の残高(同日に入出金がある場合、当該入出金の反映前の残高)。

期初アドバンス残高(金利分)

3サービサーの立替金のうち、金利の立替金。当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の初日の残高(同日に入出金がある場合、当該入出金の反映前の残高)。

期初アドバンス残高(租税公課・保険料及び物件運営費用など)

3

サービサーの立替金のうち、租税公課・保険料及び物件運営費用などの立替金。当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の初日の残高(同日に入出金がある場合、当該入出金の反映前の残高)。

期中アドバンス増加(元本分)

3

期中アドバンス増加(金利分)

3  

期中アドバンス増加(租税公課・保険料及び物件運営費用等)

3

アドバンス残高回収開始日

3サービサーが元本や利息の回収金から立替金の回収を開始した日。

期中アドバンス返済額(元本分)

3当期間においてプール元本の回収によって取り戻された立替金の額。

累計アドバンス返済額(元本分)

3

最初の返済日からの間、プール元金を通じて回収された立替金の累積額。累積額が回収された場合、このフィールド値は将来のレポート上に反映され、シニア証券投資家の元本を分散(流用)したローンに対する立替金取戻額を、投資家に知らせるものである。

期中アドバンス返済額(金利分)

3当期間においてプール金利の回収によって取り戻された立替金の額。

累計アドバンス返済額(金利分)

3

最初の返済日からの間、プール金利を通じて回収された立替金の累積額。累積額が回収された場合、このフィールド値は将来のレポート上に反映され、金利不足に陥ったローンに対する立替金取戻額を、投資家に知らせるものである。

期中アドバンス返済額(租税公課・保険料及び物件運営費用)

3

累計アドバンス返済額(租税公課・保険料及び物件運営費用)

3

期末合計アドバンス残高 3当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日のアドバンス残高合計(同日に入出金がある場合、当該入出金の反映後の残高)。

C-1 担保物件に関するパフォーマンスレポート (各物件について発行時開示及び期中報告) 注:変更のない項目については、期中報告での省略可

C-1-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。

C-1-2 債務者名 N 裏付債権の債務者の名称。

C-1-3 物件ID N 目論見書で用いられた物件のID#。

C-1-4 物件名 1 裏付債権の裏付資産となっている物件の名称。

C-1-5 物件種類 1 裏付債権の裏付資産となっている物件の種類。

C-1-6 所在地(都道府県) 1 裏付債権の裏付資産となっている物件の所在地(都道府県)。

C-1-7 所在地(市町村) 1 裏付債権の裏付資産となっている物件の所在地(市町村)。

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項目 レベル 説明 補記 注

C-1-8 竣工年 1 裏付債権の裏付資産となっている物件の竣工年。

C-1-9 PML 2裏付債権の裏付資産となっている物件のPML=Probable MaximumLoss 地震における予想最大損失額(Engineering Report等専門家レポートによる)。

C-1-10 戸数(住居の場合) 1

裏付債権の裏付資産となっている物件の担保として拠出された時点もしくは本報告の対象日のユニット/ベッド/部屋の数。このフィールドには集合住宅、共同住宅、移動住宅、倉庫(ユニット数)、介護施設(ベッド数)、宿泊施設(部屋数)を記入する。

C-1-11 賃貸可能面積 (m2) 2 裏付債権の裏付資産となっている物件の賃貸可能面積(m2)。

C-1-12 賃貸可能面積 (坪) 2 裏付債権の裏付資産となっている物件の賃貸可能面積(坪)。

C-1-13 1裏付債権の裏付資産となっている物件のプロパティ・マネージャー名。

C-1-14 評価額 1裏付債権の裏付資産となっている物件の評価額。期中更新された場合は、更新後の評価額。裏付資産となっている物件全ての本欄の合計がB-1の担保評価額となる。

C-1-15 評価時点 1 上記評価額の評価時点。

C-1-16 1カットオフ時点の物件の入居率・稼働率。賃借人が実際の入居しているかどうかに拘わらず、賃貸契約に基づく賃料支払がある場合は入居とみなす。

C-1-17 報告時点の稼働率 2

当該報告時点の入居率・稼働率。賃借人が実際の入居しているかどうかに拘わらず、賃貸契約に基づく賃料支払がある場合は入居とみなす。また、報告時点とは、当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間についてサービサーが受け取った報告の時点とする。

直近で入手できるデータ。

C-1-18 総収入 (EGI) 2

営業純利益 (NOI) 2

ネットキャッシュフロー(NCF)

2

計算対象期間 2上記キャッシュフローの計算対象期間を記載。裏付債権の回収期間と、月数は基本的に一致するが、実際の期間(いつからいつまで)は必ずしも一致しない。

C-1-19 総収入 (EGI) 2

営業純利益 (NOI) 2

ネットキャッシュフロー(NCF)

2

計算対象期間 2

C-1-20 総収入 (EGI) 2

営業純利益 (NOI) 2

ネットキャッシュフロー(NCF)

2

計算対象期間 2

C-1-21 前年度キャッシュフロー

総収入 (EGI) 2

営業純利益 (NOI) 2

ネットキャッシュフロー(NCF)

2

前事業年度期間 2

C-1-22 前々年度キャッシュフロー

総収入 (EGI) 2

営業純利益 (NOI) 2

ネットキャッシュフロー(NCF)

2

前々期事業年度期間 2

C-2 物件売却に関するレポート (対象物件について期中報告) 注:これは売却型CMBS用の追加レポートです

C-2-1 債権番号 N 目論見書で用いられた債権のID#。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

C-2-2 債務者名 N 裏付債権の借主の名称。報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

C-2-3 現債権残高 N

当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間の末日の残高(同日に返済がある場合、当該返済後の残高。裏付債権の期限前返済は確定しているが、当該CMBSの配当期間に対応する裏付債権の回収期間内に期限前返済が起こらない場合を含む)。

報告対象の債権の特定のための基礎情報として提示。

C-2-4 実行日 1裏付債権の実行日(裏付債権がTMK債の場合、当該TMKの発行日)。

C-2-5 1 裏付債権の契約上の予定満期日・予定償還日。

C-2-6 1裏付債権の契約上の最終満期日・最終償還日。裏付債権の契約において、テール期間が設定されている場合の最終期限を指す。

C-2-7 当期売却実績 売却物件数 3当該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間に対応する期間に売却された物件の数(区分所有については全区分売却時に売却認識とし、売却までの間には注記表記する)。

売却価格(グロス) 3上記の期間に売却された物件の売買契約に記載された物件売買金額の合計。

個別物件の売却価格の開示については、借主の理解が得られる場合。

売却価格(ネット) 3上記の期間に売却された物件の売買契約に記載された物件売買金額のうち、諸費用等を控除の後、裏付債権の支払に充当可能な金額の合計額。

個別物件の売却価格の開示については、借主の理解が得られる場合。

該CMBS配当期間に対応する裏付債権の回収期間について、サービサーが受け取った物件運営報告に基づくキャッシュフロー(例:四半期)。裏付債権の回収期間と当該キャッシュフローの対象期間は、月数は基本的に一致するが実際の期間(いつからいつまで)は必ずしも一致しない。

比較的短期のCMBSが多いので、報告頻度は年度毎より頻繁(可能であれば配当日毎)であることが望ましい。

前々期(計算期間)キャッシュフロー

前回の計算期間に対応する期間のキャッシュフロー(例:四半期)。

予定満期日(予定償還日)

最終満期日(最終満期日)

プロパティ・マネジャー名

カットオフ時点の入居率・稼働率

前期(計算期間)キャッシュフロー

当期(計算期間)キャッシュフロー

 

前々回の計算期間に対応する期間のキャッシュフロー(例:四半期)。

 

前年度の年間(事業年度)ベースのキャッシュフロー。  

前々年度の年間(事業年度)ベースのキャッシュフロー。

17

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項目 レベル 説明 補記 注

物件評価額 3上記の期間に売却された物件の評価額の合計。期中更新された場合は、更新後の評価額。裏付資産となっている物件全ての本欄の合計がB-1の担保評価額となる。

リリースプライス 3 当該売却物件に設定されたリリースプライスの合計額。

売却価格(ネット)/リリースプライス

3当期の合計売却価格(ネット)を当期の売却物件のリリースプライスの合計額で除した値。

売却価格(グロス)/評価額

3当期の合計売却価格(グロス)を当期の合計評価額で除した値。

C-2-8 累積売却実績 売却物件数 3当期まで(当期を含む)に売却された物件の数の累計(区分所有については全区分売却時に売却認識とし、売却までの間には注記表記する)。

売却価格(グロス) 3当期まで(当期を含む)に売却された物件の売買契約に記載された物件売買金額の合計。

個別物件の売却価格の開示については、借主の理解が得られる場合。

売却物件価格(ネット) 3当期まで(当期を含む)に売却された物件の売買契約に記載された物件売買金額のうち、諸費用等を控除の後、裏付債権の支払に充当可能な金額の合計額累計。

個別物件の売却価格の開示については、借主の理解が得られる場合。

物件評価額 3当期まで(当期を含む)に売却された物件の評価額の合計。期中更新された場合は、更新後の評価額。

リリースプライス 3当期まで(当期を含む)に売却された物件に設定されたリリースプライスの合計額(累計)。

売却価格(ネット)/リリースプライス

3当期まで(当期を含む)に売却された物件の累計合計売却価格(ネット)を当該売却物件のリリースプライスの累計合計額で除した値。

売却価格(グロス)/評価額

3当期まで(当期を含む)に売却された物件の累計合計売却価格(グロス)を当該物件の累計合計評価額で除した値。

C-2-9 個別売却情報 物件番号 3 当期に売却された物件の目論見書等で持ちられたID#。

物件名 3 当該物件の目論見書等で持ちられた物件名。

売却日 3 当該物件の売却日。

売却価格(グロス) 3 当該物件の売買契約に記載された物件売買金額。個別物件の売却価格の開示については、借主の理解が得られる場合。

売却価格(ネット) 3当該物件の売買契約に記載された物件売買金額のうち、諸費用等を控除の後、裏付債権の支払に充当可能な金額。

個別物件の売却価格の開示については、借主の理解が得られる場合。

物件評価額 3当該物件の評価額の合計。期中更新された場合は、更新後の評価額。

リリースプライス 3 当該物件に設定されたリリースプライス。

売却価格(ネット)/リリースプライス

3当該物件の売却価格(ネット)を当該物件のリリースプライスで除した値。

売却価格(グロス)/評価額

3当該物件の売却価格(グロス)を当該物件の評価額で除した値。

脚注

1

2

3

B-1に関して、対象債権にクロスデフォルトになっている債権がある場合、又は劣後する債権が存在する場合、当該債権の分析に必要な情報を開示する。

C-1に関して、各項目には含まれないが開示が望ましい資料:不動産鑑定書、エンジニアリング・レポート、マーケット・レポート、レントロール、物件収支表。但し、守秘義務契約、個人情報保護法等の法令の遵守を考慮する。

レベル1: 多くの場合にほぼ必須と考えられる情報項目。 レベル2: 有益な情報であり多くの場合に提供され検討の対象となることが望ましい情報項目。 レベル3:有益な情報ではあるが、「レベル2」よりは優先度が低いと考えられる情報項目。

18

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1

証券化商品の販売等に関する規則等の制定に対するパブリック・コメントの結果について

平成21年3月17日 日 本 証 券 業 協 会

本協会では、「証券化商品の販売等に関する規則」及び「標準情報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting

Package:SIRP)」の制定について、平成 20年 12月 25日から平成 21年 1月 19日までの間、パブリック・コメントの募集を行った。 この間に寄せられた意見(89件、19先)及び意見に対する考え方は、以下のとおりである。 証券化商品の販売等に関する規則

項番 該当条文 意見 考え方

1 全般 市場参加者としての最終的な目標は証券化市場の健全

な成長にあると考えます。本規制(案)の範囲は、販売時・

販売後における証券化商品の情報の収集と伝達を標準化

することにあるようですが、最終的な目標を達成するに

は、市場参加者の教育や法制度を含めたインフラの整備な

どの幅広い努力が必要と思われます。本規制(案)の導入

に一定の意義があることは事実とは思いますがこれだけ

で完結するものではなく、長引く金融危機の影響で市場参

加者が従来よりも少ない人員で対応に追われている現時

点で本規制(案)のみを早期に導入することはその必要性

は理解しますが、一方で準備不足のまま拙速なる導入が更

なる混乱を招く可能性も否定できないと思われます。よっ

て、導入の時期については慎重に検討することが肝要と思

われます。

ご指摘も踏まえ、協会員が、証券化商品の販売等に

関する規則(以下「本自主規制規則」)の十分な準備

期間を確保するために、施行日を本年6月1日と致し

ます。 なお、証券化商品の追跡可能性(トレーサビリティ)

に関する金融商品取引業者等向けの総合的な監督指

針(以下「監督指針」)が既に施行されていることも

あり、協会員においては、施行日前であっても、本自

主規制規則の会員通知日以後、可能な範囲で本自主規

制規則に則した取扱いを行うことが望ましい旨、会員

通知に記載しております。

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2

2 全般、第5条、付

則 上記「全般について」及び第5条(組織体制の整備等)

に関して要望した本規則の導入時期については、まず導入

時期を3ヶ月延期して7月1日とし、かつ施行後3ヶ月は

パイロット期間として、その間に販売された証券化商品は

第二章の規定する事項に準じた取扱いをするよう努力し

なければならない、という規定に変更するよう要望致しま

す。 3

第5条 本規制(案)を実施するのであれば、各協会員が人員面

を含めた態勢を整えることは必要と考えますが、現状は多

くの金融機関において大幅な人員削減が行われているい

わば過渡期であり、規制の実施のタイミングで必ずしも十

分な態勢がとれない協会員も存在するものと思われます。

本規則に係るQ&A及びその解説等にも、組織体制の整備

のために「証券化商品について知見を有する者」の確保の

必要性が示唆されていますが、前述の通り大幅な削減とな

っている現況の下では、業務知識・経験に乏しい者による

組織が粗製乱造される可能性がないとはいえません。徒に

先延ばしするわけではないですが、新規制の実効性を高め

るためにも導入の時期に関してはより慎重かつ現実的に

検討を行なうことが肝要と考えます。 4 第5条、第7条 第5条および第7条の案文において協会員に対して要

求される人員の確保を含む組織体制の整備および社内規

則の制定につき、当規則の施行を予定している時期までに

各協会員において対応可能な状況にあるかどうか調査を

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3

行ってはどうか。そのうえで、平成 21年4月1日に当規則を全面施行することが妥当かどうか検討してはどうか。

協会員の実情を踏まえ、また、各協会員の内部手続などに

要する時間を勘案し、本規則の内容の関係者に対する周知

徹底の時間的猶予を設けるためにも、第5条および第7条

に関しては、少なくとも半年間の経過措置を設けられない

か。 5 第5条、第7条 第5条および第7条の案文において協会員に対して要

求される人員の確保を含む組織体制の整備および社内規

則の制定につき、当規則の施行を予定している時期までに

各協会員において対応可能な状況にあるかどうか調査を

行ってはどうか。そのうえで、平成 21 年4月1日に当規則を全面施行することが妥当かどうか検討してはどうか。

協会員の実情を踏まえ、また、各協会員の内部手続などに

要する時間を勘案し、本規則の内容の関係者に対する周知

徹底の時間的猶予を設けるためにも、第5条および第7条

に関しては、半年間程度の経過措置を設けられないか。 6 第5条、第7条、

付則 本規定によると平成21年4月1日までに組織体制、人

員確保並びに社内規則を定める必要がありますが、貴協会

員の実情や実態を踏まえてその期日が適切かどうか検証

する必要があるのではないでしょうか。 本規定の対応に向けての準備作業には質、量的に相応な

負荷がかかり本規定に定められている期日に向けて対処

しようとするとスケジュール的に厳しい先が出てくるの

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ではないでしょうか。その結果証券化商品の発行業務や事

後業務に影響が出て証券化市場を混乱させることになら

ないか懸念されます。昨今の金融市場の状況も踏まえ貴協

会員の実情や実態を調査して適切な対応を検討すること

が必要ではないでしょうか。 7 第5条、第7条、

付則 本規定では平成21年4月1日までに組織体制、人員確

保並びに社内規則を定める必要があるが、貴協会員の実態

や事情を踏まえてその期日が適切なものか検証する必要

があるのではないか。 本規定の導入に関する準備には作業量的に大きな負荷

がかかり本規定に定められている期日に向けて作業を完

了することが厳しい先が出てこないのか。出てきた場合、

証券化商品の発行業務や事後業務に影響が出て証券化市

場を混乱させることにならないか懸念される。昨今の金融

市場の状況も踏まえ貴協会員の実態や事情を調査して適

切な対応を検討することが必要ではないか。 8 第5条、付則 第 5 条の案文には「協会員は(中略)必要な組織体制

の整備及び人員の確保を行なう」とありますが、複数の協

会員において大規模な人員削減が行われ、かつ、証券化商

品の組成実績も極端に落ち込んでいる現状に鑑みれば、本

規則の施行予定日(平成 21年 4月 1日)までにはあまりにも日数が限られ、十分な情報開示態勢の整備が可能な協

会員は限られるものと考えられます。従って、本規則の施

行日については一定期間先送りするのが望ましいと考え

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ます。 9 付則 案文において施行日を平成 21年4月1日としているこ

と自体には異を唱えるものではないが、協会員における組

織体制を含む実情等を踏まえ、前述の通り、第5条および

第7条に関しては少なくとも半年間の経過措置を設ける

ことにより、当規則の円滑な導入が図られるよう配慮して

いただきたい。 10 付則 第5条に基づく組織体制の整備および人員の確保や第

7条に基づく社内規則の整備には、実務上、各協会員の内

部手続などに相当程度の時間を要することが予想される

ことに鑑みると、施行日を平成 21 年4月1日とすることが現実的なスケジュールであるか、協会員の実情を十分に

ご調査いただきたい。案文において施行日を平成 21 年4月1日としていること自体には異を唱えるものではない

が、協会員における組織体制を含む実情等を踏まえ、前述

の通り、第5条および第7条に関しては半年間程度の経過

措置を設けることにより、当規則の円滑な導入が図られる

よう配慮していただきたい。 11 付則 (意見)

各協会員における証券化商品のトレーサビリティに関

する取り組みの実情を調査していただき、必要があれば施

行時期を延期することをご検討いただきたい。 (理由) 規則案附則では、平成 21 年 4 月 1 日からの自主規制

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規則の施行が予定されている。もっとも、特に、規則案第

5 条に基づく組織体制の整備及び人員の確保や規則案第7 条に基づく社内規則の整備には、実務上、各協会員の内部手続などに相当程度の時間を要することが予想され

る。証券化商品のトレーサビリティに関しては、金融商品

取引業者等向けの総合的な監督指針に従った取り組みが

既に進められているものとは思われるが、自主規制規則に

よって要請される組織体制の整備、人員の確保、社内規則

の整備などを 4 月 1 日までに実施することが現実的なスケジュールであるか、各協会員における証券化商品のトレ

ーサビリティに関する取り組みの実情を調査の上、必要が

あれば、施行時期を一定期間、延期することをご検討いた

だきたい。なお、証券化商品の組成件数が激減している現

状に鑑みると、必ずしも自主規制規則を早急に施行する必

要性は高くないものと考える。 12 付則 施行日を平成 21年4月1日としているが、わが国の証

券化商品の組成が極端に細ってきていること及び複数の

協会員において大規模な人員削減を実施しているといっ

た現状を踏まえ、施行日を来年度下期(たとえば、平成

21年 10月1日)とすることで、協会員における組織体制の整備および本規則の内容の関係者に対する周知徹底の

時間的猶予を与えることは検討できないか。 13 全般 米国発のサブプライムローン問題は、特に 2007年夏以

降に進行し、現在に至るまで、米欧を中心とする世界金融

(1)本自主規制規則は単体で検討されているもので

はなく、証券化商品取引の機能回復のための重要

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危機に拡大してきました。その過程で、サブプライムロー

ン等を裏付けとするRMBS(住宅ローン担保証券)や、

それらを再加工したCDO(債務担保証券)などの証券化

商品が、リスクの所在を不明確にし、問題を深刻化させた

のではないか、という批判も高まりました。こうした批判

に対しては、真摯な反省・検討が必要であると思います。 ただし、今回問題になった証券化商品は、専ら、米国等

の海外で組成・販売されたものであり、日本の証券化商品

については、そのような問題はほとんど発生していませ

ん。その背景には、内外の証券化商品の組成方法や、関係

当事者の特性の違いなどがあるものと推察されます。しか

し、一時、証券化商品全体が悪いかのような論調も広まり、

日本でも、2008 年秋以降、証券化市場は停滞・縮小してしまっています。 現在、世界的に、証券化商品の組成・投資や、格付機関

に対する規制の強化、会計基準の見直しなどの動きが進ん

でいます。これらについては、今回の金融危機への対応策

として、ある程度、理解することができます。しかし、日

本でも同様の対応が必要かどうかについては、冷静に考え

る必要があると思います。 前述したように、日本では、デフォルトするような証券

化商品は、ほとんど作られていません。それにもかかわら

ず、世界金融危機の余波を受けて、国内の証券化市場は、

このところ、開店休業状態になってしまっています。こう

なテーマとして、金融安定化フォーラム報告書等

において示された、「投資家のリスク管理強化」、

「会計評価の向上」、「格付会社の役割の見直し」、

「証券化商品取引の透明性の向上」などの、証券

化市場の様々な関係者(規制当局、オリジネータ

ー、アレンジャー、格付会社、販売者、投資家)

が各々取り組んでいくべき課題への対応の一部

を構成しています。 日本の証券化市場の現状や証券会社の厳しい

状況を踏まえた危惧は理解できますが、日本にお

いて証券化商品のデフォルトが少ないこと及び

証券会社の人員確保が容易ではないことを理由

に、我が国の証券化市場に対応が必要でないと結

論付けることはできず、証券化市場に対する協会

員の取り組みを示すべきものと考えます。 (2)本自主規制規則は、販売者が証券化商品に関す

る情報の生産者ではなく、販売後の投資家に対す

る情報伝達が、販売者のみならず、発行者、受託

者、サービサー等様々な証券化商品取引関係者に

よって担われているという実務を十分に踏まえ

た上で、販売者が「証券化商品取引の透明性の向

上」のために重要な役割を果たすことが期待され

ていることから、販売者として行える限りの取り

組みについて盛り込んだものです。

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したなかで、証券化商品の販売等に関する自主規制を導入

することは、「証券化市場の健全な成長に資する」(規則案

第1条)どころか、証券化商品の組成・販売をさらに萎縮

させかねません。 日本の証券化商品について、かつて、証券会社が顧客に

時価情報を提供しなかったという事例はあったようです

が、その後、そうした問題は解決されています。また、貴

協会も、商品の時価情報の提供に関しては、既に、自主規

制規則を策定・運用されています。そのうえ、今回のよう

な自主規制規則をさらに導入する必要があるのか、疑問を

感じます。 仮に、新たに自主規制規則を導入するとしても、諸外国

の事例等をみると、投資家への情報提供は、商品の発行者

やトラスティーの役割であり、販売者にそのような役割を

強制することが適切なのか、再検討する必要があると思い

ます。さらに、現実的な問題として、最近、いくつかの証

券会社において、人員整理が進んできたこともあり、一部

の証券会社では、組織体制や人員の確保(規制案第5条)

も困難になっているのではないでしょうか。 今回の自主規制規則案は、金融商品取引業者向けの総合

的な監督指針の一部改正を受け、貴協会が「証券化商品の

販売に関するワーキング・グループ」を設置して、これま

で検討を行ってこられたもので、そのご努力には敬意を表

します。ただ、邪推かも知れませんが、金融庁等の意向を

第4条第3号は、本自主規制規則の目的に照ら

し、必要な規定であると考えられます。 (3)協会員が本自主規制規則の十分な準備期間を確

保するために、施行日を本年6月1日と致しま

す。 (4)ご指摘のような誤解が生じることのないよう、

より一層留意致します。

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受けて、日本の証券業界としても、適切に対応していると

いう姿勢を示そうとするあまり、自主規制規則を作ること

が自己目的化してしまい、「何のために、そのような自主

規制が必要なのか」という、そもそも論が素通りされてし

まっているのではないでしょうか。 以上のことを踏まえ、今回の自主規制規則案に対して、

具体的に、次の点を要望いたします。 (1)本自主規制規則の導入自体を見送ってほしい。 (2)それが困難でも、少なくとも第4条第3号(販売後

の情報提供に関する部分)を削除してほしい。 (3)導入するとしても、施行時期として、本年4月1日

はタイミングが悪いため、少なくとも半年は延期し

てほしい。 (4)証券化自体が悪かったとか、日本の証券会社による

証券化商品の販売に問題があった、などと誤解され

かねない文言は削除してほしい。 以上、私見を申し上げました。よろしくお取り計らいの

ほど、お願い申し上げます。 14 全般 今回の規制(「『証券化商品の販売等に関する規則』」)の

背景である、海外の証券化案件(所謂サブプライム案件)

において発生した事象を鑑み、本邦証券化案件において

も、同じ轍を踏まないための方策としての本規則の必要性

及び背景は理解しております。 一方、全ての証券化案件が悪であるとの一部の誤った認

本自主規制規則の目的は、投資家である顧客に伝達

される情報のより一層の充実と標準化を図ることに

より、証券化商品のトレーサビリティ(追跡可能性)

の確保に努め、もって証券化市場のさらなる健全な成

長に資することです。 ご意見は、最終報告書にも反映させて頂くととも

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識及び風潮もあり、投資家の証券化案件に対する見方が極

端に厳しくなっており、このままでは、実質的に民間の証

券化案件(場合によっては、住宅金融支援機構の債券も含

め)が市場から抹殺されてしまうのではとの危惧を非常に

強く感じております。 ついては、是非、今回の貴協会の規則の趣旨が、決して

証券化市場を縮小させる意図を持っていない事のメッセ

ージをより強く打ち出して頂ければと切に願います。

に、本協会としても、証券化という金融技術は今後も

国民経済にとって非常に有用なものと考えており、そ

の発展に資するよう努めてまいります。

15 全般 参考資料として『証券化商品の販売規則に係る Q&A』と『自主規制規則の解説等』があるが、パブリックコメン

トの対応となっていない参考資料は「証券化商品の販売等

に関する規制」に則った資料とみなされるのか。

そのような理解で結構です。

16 全般 (意見) パブリック・コメントの募集とその回答を経て、規則が

完成すると考えるが、この 3 ページの規則を補完するための、Q&Aや解説書は今後も並存するか。 (理由) 規則実施以後、規則のみではいろいろな場面で判断が難

しくなることが予想され、その際に判断材料として利用で

きるものが必要と考える。Q&A、解説書が制定当初のみならず、今後も更新され、継続して利用できるものとして

頂きたい。

解説書は、今回のパブリックコメント実施に当たっ

て、自主規制規則案の理解を助けるために作成・公表

したものですが、その内容は、証券化商品の販売に関

するワーキング・グループ(以下「本 WG」)における本自主規制規則制定のための議論を最終的に取り

纏めたものである「最終報告書」に引き継がれ、引き

続き本自主規制規則の理解を助けるために利用され

るものと思われます。ただし、「最終報告書」は、あ

くまでも本WGとしての最終報告時点における、規則制定の背景や考え方を記録に残したものであり、その

内容が更新されていくことは想定していません。 一方、Q&A については、本自主規制規則等の実務

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11

上の解釈を示したものであり、今後も必要に応じて更

新していく予定です。 17 全般 当規則の策定および施行は、証券化商品および証券化市

場に関してネガティブな評価が蔓延している現況を踏ま

え、市場参加者および関係者の証券化商品に対する信頼回

復に向けた具体的な取り組みの一つとして高く評価した

い。日本の証券化商品について、情報開示について問題が

見られることは、日本銀行金融市場局が 2003 年 10 月から 2004 年4月に掛けて主催した証券化市場フォーラムによっても指摘されているところであり、当規則が証券化

商品の情報開示のあり方に関する今後の検討の契機とな

ることも期待したい。 もっとも、当規則の施行のみによって、わが国証券化市

場の透明性の問題解決や流通市場における価格発見機能

の向上が図れるとは考えられず、当規則導入の効果につい

て過大な期待を持つべきではないと考える。また、当規則

導入による副作用・弊害、当規則の趣旨を逸脱する運用な

ども懸念されるところであり、一定期間経過後に、そのよ

うな副作用・弊害が生じていないかを検証する作業を行な

うべきではないか。

本自主規制規則及び SIRPについては、施行後も金融経済情勢等の変化等により見直しの必要がないか、

定期的に検討していくことを予定しております。

18 第1条

金融危機が発生して以来、問題の本質を曲解して証券化

商品自体を全否定するような報道や論文などが大量に生

産されてきたことは周知の通りです。こうした文脈におい

てこの自主規制を実施することによって、「日本の証券化

日本の証券化商品には米国サブプライム関連商品

のような問題は生じていないことから、申し上げるま

でもなく、本自主規制規則はこの是正を目的としたも

のではありません。

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市場に大きな問題が存在したからこれを正す目的で規制

を導入する」という解釈を生みかねないことから、規制導

入の目的が問題を是正することではなく、情報の標準化に

よる利便性の向上にあることを明記してはいかがでしょ

うか。 19 第1条 第 1 条の案文を一読する限り、ニュアンスとしてこれ

までの証券化商品に関わる情報伝達システムに不備があ

ったかのような印象を払拭できません。そのような誤解を

招く虞を払拭すべく、より中立的な表現を採用することを

提言します。例えば、「顧客に伝達される情報の充実」と

あるところは「顧客に伝達される情報の標準化」に変更す

ることが望まれます。 20 第1条 第 1条の案文中、「投資家である顧客に伝達される情報

の充実を図ることにより」とある部分は、当自主規制規則

が実施される前の段階において、必ずしも「投資家である

顧客に伝達される情報」が不足している等の問題認識に基

づくものではないことを何らかの形で明らかにしていた

だきたい。 証券化商品に関しては、一昨年来、多くの評論家および

報道機関が実態・実情を踏まえずに批判その他の論評の対

象としているが、証券化商品を全面的に否定するような論

調も珍しくない。そのような状況で当規則を導入すること

は、一般に、過去に問題があったためにその是正目的で自

主規制を行なうとの誤解を与えるおそれがある。当規則が

本自主規制規則は、「投資家である顧客に伝達され

る情報のより一層の充実と標準化を図ることにより、

証券化商品のトレーサビリティ(追跡可能性)の確保

に努め、もって証券化市場のさらなる健全な成長に資

すること」を目的として制定されるものです。証券化

商品の販売者である協会員は、これまでも証券化商品

の特性を踏まえ、顧客に対し、投資判断やリスク管理

に資する情報を適切に伝達してきているものと考え

られますが、本自主規制規則の制定によって、これら

情報伝達が、ルールに基づいた形で、これまで以上に

組織的かつ厳格に、また標準的に行われるものと考え

ています。これらのことは最終報告書にも記載し、証

券化商品に対する誤解を招かぬよう留意致します。 ご指摘を踏まえ、第1条を以下のとおり修正致しま

す。 「・・・投資家である顧客に伝達される情報の充実を

図ることにより、・・・」

「・・・投資家である顧客に伝達される情報のより

一層の充実と標準化を図ることにより、・・・」

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自主制裁または好ましくない行為の是正を意図するもの

ではなく、協会員による証券化商品の販売に関して何らか

の重大な問題が生じていたことを指摘するものではない

ことを明らかにすることにより、誤解される可能性を排除

しておくべきではないか。なお、当規則の実施の効果とし

ては、「顧客に伝達される情報の充実」よりも、「情報の一

定程度の標準化」が期待されるのではないか。 21 第1条 第 1 条の案文中、「投資家である顧客に伝達される情報

の充実を図ることにより」とある部分は、当規則が導入さ

れる前の段階において、「投資家である顧客に伝達される

情報」が不足している等の問題認識に基づくものではない

ことを何らかの形で明らかにしていただきたい。 証券化商品に関しては、一昨年来、多くの評論家および

報道機関が実態・実情を踏まえずに批判その他の論評の対

象としてきており、証券化商品を全面的に否定するような

論調も珍しくない。そのような状況下で当規則を導入する

と、一般に、過去に問題があったためにその是正目的で自

主規制を行なうとの誤解を与えるおそれがある。協会員が

過去において証券化商品の販売に関してあたかも好まし

くない行為をとっていたかのように誤解される可能性は

排除しておくべきではないか。なお、当規則の実施の効果

としては、「顧客に伝達される情報の充実」よりも、「情報

の一定程度の標準化」が期待されるのではないか。 22 第1条 本規定に「投資家である顧客に伝達される情報の充実を

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図ることにより」とあるが日本で組成された証券化商品で

過去において「投資家である顧客に伝達される情報」が不

足している等の問題が発生しているという認識でないこ

とを確認させていただきたい。又規定内にその認識につい

て記述いただくことを検討いただきたい。 日本で組成された証券化商品の多くは裏付け資産の把

握が簡明でかつ構造的にもベーシックなものであり、投資

家が商品分析する上で重要な商品情報が伝達されないと

いったことにより問題が発生している事実は殆どないも

のと思われる。今回の「『証券化商品の販売等に関する規

則』等の制定については商品情報が投資家に伝達されず投

資判断に齟齬が発生するケースが問題化した上での対処

ではないことについて明確にして誤解が生じないように

する必要があるのではないか。現在、証券化市場は大幅に

萎縮しておりその回復の目処もたっていない中、証券化商

品に対する誤解や風評を招く可能性のある表現は極力排

除すべきだと思わる。 23 第1条 第 1条案文中、「投資家である顧客に伝達される情報の

充実を図ることにより」とある部分は、当自主規制規則実

施前の時期において「投資家である顧客に伝達される情

報」が不足していたという趣旨ではない、と理解してよい

か。 証券化商品に関しては、一昨年来、多くの評論家および

報道機関が実態・実情を踏まえずに批判その他の論評の対

Page 34: 21 17 Standardized Information Reporting Package(Standardized Information Reporting Package:SIRP)」。 Ⅲ.施行の時期 この規則は、平成21年6月1日から施行し、同日以後を約定日として販売する証券化

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象としており、証券化商品に関する偏見および誤解が蔓延

している状況にある。かかる現状を踏まえ、当規則の制定

に至った理由は問題の是正にあるのではなく、問題発生の

未然防止にあることを何らかの形で定めておくことも考

えられる。すなわち、当規則の制定の意義が自主制裁また

は好ましくない行為の是正を意図するものではなく、過去

において協会員による証券化商品の販売に関して何らか

の重大な問題が生じていたことを指摘するものではない

ことを明らかにし、協会員が過去において証券化商品の販

売に関してあたかも好ましくない行為をとっていたかの

ように誤解される可能性を排除しておくことが、今後の証

券化商品をめぐる市場の保護のために要請される。この点

から、「顧客に伝達される情報の充実」よりも、「顧客に伝

達されるべき情報の客観化ないし標準化」という表現の方

が適切であるかもしれない。 24 第1条 「投資家である顧客に伝達される情報の充実を図るこ

とにより」「もって証券化市場の健全な成長に資する」と

ございますが日本で組成された証券化商品について過去

に「投資家である顧客に伝達される情報」が不足している

等で問題が発生しているとの認識でないこと、日本の証券

化市場が現時点において不健全であるとの認識ではない

ことを本規定内に補足説明を加える方法等により手当て

することを検討いただきたい。 昨今のマスコミや評論家の発言には証券化商品を一括

日本の証券化商品には米国サブプライム関連商品

のような問題は生じておらず、本協会は、日本の証券

化市場が、現時点において不健全であるとの認識は持

っておりません。 ご指摘を踏まえ、第1条を以下のとおり修正致しま

す。 「・・・もって証券化市場の健全な成長に資すること

を目的とする」

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りにした評論や批判が見受けられますが、日本で組成され

た多くの証券化商品はその批判や評論の対象となるもの

ではなく、従って今回の「『証券化商品の販売等に関する

規則』等の制定についても情報の充実に関する問題が発生

したり不健全な実態がある認識に基づく手当てではない

ことについて誤解が生じないようにする必要があるので

はないでしょうか。正確な事実関係を踏まえた上で規則を

導入することで投資家やオリジネーターを含む関係当事

者の規定に対する理解や協力が効率的に進むことになる

と思われます。 25 第1条 第 1 条の案文中、「もって証券化市場の健全な成長に資

する」とする文言にやや違和感を覚える。 この文言が過去におけるわが国証券化市場の成長が不

健全であったことを指摘していると誤解されるおそれは

ないか。また、昨年後半以降、わが国証券化市場は顕著に

縮小しており、このままでは自然消滅すら危ぶまれる状況

にあることを認識するべきではないか。 市場の健全な成長および発展を望むのであれば、商品の

販売に関する自主規制規則にとらわれることなく、証券化

の役割・機能の再確認および市場関係者に対する教育、証

券化および証券化市場に関する調査・研究の充実、市場慣

行や法制度・市場インフラに関する問題の洗い出しと是

正・改善・整備に向けた政策提言などを含め、協会員およ

びその他市場関係者による不断の努力が必要とされるの

「・・・もって証券化市場のさらなる健全な成長に資

することを目的とする」

なお、本自主規制規則施行後において、設置を予定

している「証券化商品に関するワーキング・グループ

(仮称)」の直接的な目的は、本自主規制規則及び

SIRP の見直しの必要性について検討することです。しかしながら、同ワーキング・グループの議論の中で、

ご指摘頂いたような我が国証券化市場に関する課題

が取り上げられ、かつ本協会としてもその改善・克服

に向けて取り組んでいく必要があると考えられるも

のについては、対応してまいりたいと考えています。

Page 36: 21 17 Standardized Information Reporting Package(Standardized Information Reporting Package:SIRP)」。 Ⅲ.施行の時期 この規則は、平成21年6月1日から施行し、同日以後を約定日として販売する証券化

17

ではないか。なお、パブリックコメントの対象とはなって

いないものの、「参考2」として添付されている「証券化

商品の販売等に関する規則(案)の解説等」に「金融商品

委員会の下部組織として『証券化商品に関するワーキ ング・グループ(仮称)』を設置すること(常設のWG とする)。」(18 ページ)としている箇所が見られる。「証券化商品に関するワーキング・グループ(仮称)」の目的を

当規則のメンテナンスに限定せず、わが国証券化市場の健

全な発展を目指すべく市場慣行や法制度・規則・インフラ

整備を含む課題を広範に検討することを加えてもよいの

ではないか。 26 第1条 第 1条の案文中、「もって証券化市場の健全な成長に資

する」とする文言にやや違和感を覚える。 この文言が過去におけるわが国証券化市場の成長が不

健全であったことを意味すると誤解されるおそれはない

か。また、昨年後半以降、わが国証券化市場は顕著に縮小

しており、このままでは自然消滅すら危ぶまれる状況にあ

ることを認識するべきではないか。市場の健全な成長およ

び発展を望むのであれば、商品の販売に関する自主規制規

則にとらわれることなく、証券化の役割・機能の再確認お

よび市場関係者に対する教育、証券化および証券化市場に

関する調査・研究の充実、市場慣行や法制度・市場インフ

ラに関する問題の洗い出しと是正・改善・整備に向けた政

策提言などを含め、協会員およびその他市場関係者による

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不断の努力が必要とされるのではないか。なお、パブリッ

クコメントの対象とはなっていないものの、「参考2」と

して添付されている「証券化商品の販売等に関する規則

(案)の解説等」に「金融商品委員会の下部組織として『証

券化商品に関するワーキング・グループ(仮称)』を設置

すること(常設の WG とする)。」(18 ページ)としている箇所が見られる。「証券化商品に関するワーキング・グ

ループ(仮称)」の目的を当自主規制規則のメンテナンス

に限定するのではなく、わが国証券化市場の健全な発展を

目指すべく市場慣行や法制度・規則・インフラ整備を含む

課題を広範に検討することを加えてもよいのではないか。 27 第1条 第 1条案文中、「もって証券化市場の健全な成長に資す

る」との文言は不要ではないか。 すなわち、当該文言が曲解され、過去におけるわが国証

券化市場の成長が不健全であったと誤解されるおそれは

ないか。昨年後半から、わが国証券化市場は顕著に縮小し、

成長どころか、自然消滅すら危ぶまれる状況にあることを

認識すべきである。現実的に考えれば、市場の健全な成長

および発展を望むのであれば、商品の販売に関する自主規

制規則にとらわれることなく、証券化の役割・機能の再確

認および市場関係者に対する教育、証券化および証券化市

場に関する調査・研究の充実、市場慣行や法制度・市場イ

ンフラに関する問題の洗い出しと是正・改善・整備に向け

た政策提言などを含め、協会員およびその他市場関係者に

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よる不断の努力が必要である。なお、パブリックコメント

の対象とはなっていないが、「参考2」として添付されて

いる「証券化商品の販売等に関する規則(案)の解説等」

に「金融商品委員会の下部組織として『証券化商品に関す

るワーキング・グループ(仮称)』を設置すること(常設

の WG とする)。」(18 ページ)としている箇所が見られる。「証券化商品に関するワーキング・グループ(仮称)」

の役割を狭く本自主規制規則のメンテナンスに置くので

はなく、証券化市場を守りかつ発展させるために、市場慣

行や法制度・規則・インフラ整備を含む課題を広範に検討

することを目的に加えてもよいのではないか。 28 第1条 本規定に「もって証券化市場の健全な成長に資する」と

あるが過去において不健全な状況が発生し問題が発生し

ているという認識でないことを確認させていただきたい。

又規定内にその認識について記述いただくことを検討い

ただきたい。 29 第3条第1号 (意見)

証券化商品の定義については、金融商品取引法上の「資産

流動化証券」や資産の流動化に関する法律上の「資産の流

動化」の定義などを参考にした表現に改めるべきではない

か。 (理由) 証券化商品の定義について、「原資産の譲渡を主な目的と

して…発行され…るもの」、「実質的に原資産のリスクの移

本自主規制規則では、証券化商品の定義は、証券化

商品が金融商品取引法(以下「金商法」)上の「資産

流動化証券」、資産の流動化に関する法律上の「資産

流動化」の定義に止まることなく多様に分化している

実態に鑑み、実務の感覚に近い実質的なものがより適

切であると考えています。また、本自主規制規則の制

定の目的は、証券化商品全般の透明性の向上にあり、

金商法における有価証券の定義等を意識しつつも、証

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転を主な目的として…発行されるもの」という表現が用い

られているが、「原資産の譲渡・リスクの移転を目的とし

て発行される」との表現の文意が分かりにくいと考える。

例えば、金融商品取引法上の「資産流動化証券」や資産の

流動化に関する法律上の「資産の流動化」の定義を参考に

した表現、あるいは、(マネージド型の CDO などへの配慮は必要となるものの)同号ハで意識されているように

「運用型」ではなく「流動化型」の商品を対象とすること

から原資産の管理又は処分によるキャッシュフローを裏

付けとする商品であることを明記する表現に改めた方が

分かりやすいのではないか。

券化商品の形態の違いによって、投資家である顧客へ

の情報伝達に差が出ることのないよう、できるだけ配

慮したものです。なお、ご指摘のような、「原資産の

管理又は処分によるキャッシュフローを裏付けとす

る商品であることを明記する表現」は、ご提案のとお

り、表現の文意を一面では分かりやすくしますが、一

方で、「管理又は処分」という用語が信託等特定の形

態の証券化商品を指すというマイナス面も否定でき

ません。 したがって、現行案のままとさせて頂きます。

30 第3条第1号 参考1(証券化商品販売規則に係る Q&A)の Q10において、一般的に仕組債として分類される商品において

も、証券化商品の特徴がある仕組債は証券化商品に含まれ

るとあるが、当社では以下のように考えるが如何か。 ・証券化商品に含まれないと考える仕組債 ①リパッケージ債(裏付け資産が普通社債もしくは新株

予約権付社債、コールオプション付) ②クレジットリンク債(シングルクレジットを参照)

・裏付け資産の属性によっては証券化商品に含まれる可能

性もあると考える仕組債 ③クレジットリンク債(ファースト・トゥ・デフォルト

[FTD]型)

リパッケージ債、クレジットリンク債を含む仕組み

債については、個別取引の実態に即して判断し、証券

化商品の定義に該当しないものは、本自主規制規則の

対象から除かれます。また、証券化商品の定義に該当

するものであっても、「当該証券化商品に特有のリス

ク(当該証券化商品の原資産に由来するリスクを含

む)の所在及びその内容が明らかであって、顧客にお

いてその把握が可能なもの」については、本自主規制

規則の対象から外れるものと考えられます。 ①及び②については、例えば、原資産が特定企業(有

価証券報告書提出会社)によって発行され、かつ当該

特定企業(有価証券報告書提出会社)の情報が容易に

取得できる有価証券である場合には、「当該証券化商

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品に特有のリスク(当該証券化商品の原資産に由来す

るリスクを含む)の所在及びその内容が明らかであっ

て、顧客においてその把握が可能なもの」に該当する

ものと考えます。ただし、②のシングルクレジットを

参照したクレジットリンク債は、特定の企業等特定の

信用力にリンクしたものに限られ、単一の資産であっ

ても多数の信用力を裏付けとした証券化商品(特定の

RMBS/ABS/CLO/CMBS 等)を裏付け若しくは担保資産とする場合については、シングルクレジット

を参照するとは言えず、証券化商品の定義に該当する

ものと考えます。 ③については、当該クレジットリンク債によって顧

客(投資家)にもたらされる経済効果やリスク特性が、

所謂 CLO や CDO 等の典型的な証券化商品と類似するものが存在すると思われます。したがって、当該商

品については、外形的な商品の態様のみならず実質的

な見地から、証券化商品への該当の有無をご判断頂く

こととなります。 31 第 3 条 第 1 号

「イ」 「証券化商品」の定義の適用除外として列挙された項目

について、イ号の「リスクの所在及びその内容が明らかと

なるような商品性を有しており」とあるところは、具体的

に何を意味しているか判然としません。例示を行うなどし

て何がこれに当たるかを明らかにして下さい。 32 第 3 条 第 1 号 (意見)

「証券化商品の販売等に関する規則に係るQ&A」

では、以下のとおり示されています。 Q:「イ」には、どのような商品が該当しますか。

A:例えば、以下のような商品が該当するものと考

えられます。 ・ 原資産が特定企業(有価証券報告書提出会社)

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「イ」 「証券化商品に特有のリスクの所在及びその内容が明

らかとなるような商品性を有しており、顧客においてその

把握が可能なもの」とある。例えば、有価証券報告書提出

会社の借入債務を参照する等の CDO債や、社債を原資産としてキャッシュフローを組み換えたリパッケージ債な

どは、特定企業の信用リスクに依拠する仕組みと考えられ

ますが、この除外される要件を満たすと考えてよいか。 また、これらに限らず、典型的なスキームについて、判

断を示して頂きたい。 (理由) 参照する企業は明確になっており、また信用事由につい

ても定義されていることから、顧客において情報を入手す

ることが可能であるので、当規則でいうところの証券化商

品には該当しないと考える。 典型的なスキームに関して、ガイドライン等を提示しな

いと、各社で考え方、対応がまちまちとなり、顧客が混乱

することになるのではないか。 33 第 3 条 第 1 号

「イ」 第1条第1号イに規定される証券化商品に特有のリス

クの所在及びその内容が明らかとなるような商品性を有

すとはどの程度の商品性であれば明らかであるとみなさ

れるのか、また、当該証券化商品の原資産においてもどの

程度の原資産であれば明らかであるとみなされるのか 商品の例:住宅金融支援機構MBSのようにホームペー

ジ上で情報公開されている商品・ホームページ上ではなく

への売掛債権である等、特定の企業(有価証券

報告書提出会社)の信用リスクにのみ依拠し、

かつ当該企業の情報が容易に取得できるスキ

ームとなっている社債 ・ 銀行の 100%信用補完の付いたABCP ・ 生命保険会社の基金債権や劣後ローンを特定

資産とする特定社債 なお、保証等が付されていることで、特有

のリスク及びその内容が明らかであると判断

する場合においては、当該証券化商品が、保

証等を供与する者自らが発行するものと同一

とみなされる場合に限られます。

なお、「どの程度の商品性であれば明らかであると

みなされるのか」、「どの程度の原資産であれば明らか

であるとみなされるのか」は、個別の取引実態に即し

てご判断頂くこととなります。

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専用の情報端末(ブルームバーグ、ロイター、クイックな

ど)に情報公開されている商品 原資産の例:上場株式・公募債券・国内上場企業の

CDS・不動産(登記されている)・債権譲渡登記されている金銭債権・海外上場企業の債券(国内で開示されていな

い)・海外で情報公開されている原資産 34 第 3 条 第 1 号

「イ」 (意見) 「顧客においてその把握が可能なもの」とあるが、「そ

の」には、例えば社債の場合、発行者に関する情報や社債

それ自体に関する情報は含まれるか。社債が外国証券であ

る場合、外国証券内容説明書の交付を受けることは、「顧

客においてその把握が可能なもの」に該当するという理解

でよいか。 (理由) 「顧客においてその把握が可能なもの」をもう少し具体

的に明示して頂かないと、判断が難しいため。

「顧客においてその把握が可能なもの」の「その」

は、「当該証券化商品に特有のリスク(当該証券化商

品の原資産に由来するリスクを含む。以下同じ。)の

所在及びその内容」を指しているので、例えば、社債

の場合については、発行者に関する情報や社債それ自

体に関する情報は含まれるものと考えられますが、そ

れらに限りません。また、当該社債が外国証券である

場合、外国証券内容説明書の交付を受けることをもっ

て、「顧客においてその把握が可能なもの」に該当す

るかどうかは、個別の取引実態に即してご判断頂くこ

ととなります。 35 第 3 条 第 1 号

「ロ」 (論点1)

TMK組成時における、優先出資証券および特定社債券について(当該優先出資証券および特定社債券を TMK組成時の優先出資者、特定社債権者以外の顧客に販売する場

合を除く。) ①TMK のオリジネーターが保有する優先出資証券は

② TMK(私募で、不動産を流動化するケースを前提)の組成時における優先出資者が保有する優先出

資証券は、「ロ」に該当し、証券化商品から除かれ

るものと考えられます。この場合における優先出資

者は、実質的には当該不動産の購入者と考えられ、

かつ当該 TMKの設置主体でもあるため、当該不動産についての情報を十分に入手していることが通

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「規則(案)」の対象となる証券化商品から除かれると理解しているが、 (意見) ②①のオリジネーターに加えて、TMKの組成時における優先出資者が保有する優先出資証券についても証券化

商品から除かれるか確認したい。なお、組成時における、

不動産または不動産信託受益権を特定資産とする TMKの優先出資証券は、私募に限定したケースを前提とする。 (理由) ②「解説」(第 2 章1.(1)③の欄外 3)において、「オリ

ジネーターが保有する優先出資には、実質的な不動産の購

入者が、特定目的会社を通じて不動産を取得する場合にお

ける当該特定目的会社に対する優先出資も含まれる。」と

記載されており、TMKの組成時における優先出資者は、「実質的な不動産の購入者」に該当すると思われる。 (意見) ③①のオリジネーターに加えて、TMKの組成時におけ

る特定社債権者が保有する特定社債券についても証券化

商品から除かれるか確認したい。なお、組成時における、

不動産または不動産信託受益権を特定資産とする TMKの特定社債券は、私募に限定したケースを前提とする。 (理由) ③TMK組成時における特定社債権者は、②の TMK組

例であると思われます。ただし、当該優先出資証券

を当該不動産の実質的な購入者以外の者に販売す

る場合には、当該優先出資証券は「証券化商品」と

なることに留意する必要があります。 ③ ①、②のケースと異なり、TMK の特定社債権者が保有する特定社債券は、広く投資家に販売される

ことが通例であることから、「ロ」には該当せず、

証券化商品に含まれるものと考えられます。 もっとも、この場合における特定社債権者は、

TMK組成時におけるローンレンダーや優先出資者が兼ねることが一般的で、当該不動産についての情

報を自ら、若しくは、協会員以外の第三者から、十

分に入手していることが通例であると思われます。

これは、第4条第2号及び第3号に例外として定め

る、「第三者をして若しくは別の方法により顧客へ

の伝達がなされる場合、又は顧客が自ら入手可能な

場合に場合は、この限りではない」に該当するもの

と考えます。 ④ 上記②における優先出資者が同一の証券を取得

する場合における当該証券は、証券化商品から除か

れるものと考えられます。また、上記③における特

定社債券の場合は、上記③の解釈になります。

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成時における優先出資者同様、当該不動産についての情報

を十分に入手しており、当該不動産の内容やリスクについ

て詳細に把握していることから、「規則(案)」の対象となる証券化商品から除かれるものと思われる。なお、当該社

債権者は、TMK組成時におけるローンレンダーや優先出資者が兼ねるとともに、当該特定社債券を保有し続けるケ

ースが一般的である。 (意見) ④②および③の TMK組成時における優先出資者(特定社債権者)が、同一の証券を取得する場合(追加で同一の

TMKの優先出資証券、特定社債券を取得する場合や共同事業者である他の優先出資者や特定社債権者から買い増

す場合。)についても、これらの証券は証券化商品から除

かれるか確認したい。 (理由) ②および③の理由により、当該優先出資者(特定社債権

者)は、追加で同一の証券を取得したとしても、「規則(案)」の対象となる証券化商品から除かれるものと思われる。

36 第 3 条 第 1 号

「ハ」 (論点2) 優先出資証券および特定社債券がセカンダリーで取引

(当該優先出資証券および特定社債券を TMK 組成時の優先出資者、特定社債権者以外の顧客に販売する場合)さ

れるケースについて(その 1)

「ハ」は、多数の投資家から集めた資金を、ファン

ドマネージャー等が各種の資産に投資・運用すること

で得られるキャッシュフローを投資家に分配すると

いう、所謂「運用型」の商品を指しています。「運用

型」の商品においては、運用資産の内容等に関する情

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(意見) 特定資産管理処分受託者が優先出資者(特定社債権者)

に対し、契約等に基づき投資運用内容についての報告をし

ていれば、「規則(案)」第 3 条第 1 号ハにおける「ファンドマネージャー等に顧客への報告が関係法令及び契約等

により義務付けられているもの」に該当し、当該優先出資

証券および特定社債券は、「規則(案)」の対象となる証券化商品から除かれるか確認したい。 (理由) セカンダリーの販売にあたっては、協会員が「証券化商

品に係る原資産等の内容やリスクに関する情報」を優先出

資者(特定社債権者)に伝えており、販売後においては、

特定資産管理処分受託者と当該優先出資者(特定社債権

者)との間に契約が締結され、その契約に基づき「証券化

商品に係る原資産等の内容やリスクに関する情報」につい

ての報告がなされていれば、「規則(案)」で求められている運用資産の内容等に関する情報の提供がなされている

と思われる。 37 第 3 条 第 1 号

「ハ」 ハ号の「ファンドマネージャー等に顧客への報告が関係

法令及び契約等により義務付けられているもの」について

は、以下のような解釈が行われる余地があります。例えば、

不動産ファンドに対するノンリコースローンを裏付けと

して発行される CMBSについては、AM業者がエクイティ投資家に対する説明責任を負っていますが、それを理由

報の顧客への提供は、ファンドマネージャー等運用者

を通じて行われる仕組みとなっていることから、販売

者に規制を課すことでトレーサビリティを確保しよ

うとする本自主規制規則の対象からは除かれるもの

と考えています。 しかしながら、ご指摘のとおり、現行案では、本自

主規制規則が対象としている「流動化型」商品につい

ても、販売者以外の第三者が投資家に対し原資産の内

容やリスクに関する情報の提供・説明を契約に基づい

て行っているケースについては「ハ」に該当するかの

ような誤解を与える惧れがあることから、「ハ」を以

下のとおり修正致します。 「ファンドマネージャー等が投資運用対象となる

原資産を調査分析した上で投資運用を行っており、か

つ投資運用内容について、ファンドマネージャー等に

顧客への報告が関係法令及び契約等により義務付け

られているもの」

「ファンドマネージャー等が投資運用対象となる

原資産を調査分析した上で投資運用を行っており、か

つ投資運用内容について、ファンドマネージャー等に

顧客への報告が関係法令により義務付けられている

もの」

なお、「ファンドマネージャー等による顧客への報

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としてデットである CMBSの購入投資家に対する協会員の説明責任が免除される訳ではありません。しかし、現在

の文言のままでは、そのような誤った解釈が行われる可能

性を払拭できません。 38 第 3 条 第 1 号

「ハ」 第1条第1号ハの規定において『ファンドマネージャー

等が投資運用対象となる原資産を調査分析した上で投資

運用を行っており』との記述から、不動産ファンド及び

CMBS における AM(アセット・マネジャー)は契約において原資産の調査分析を行ったうえで投資運用を行っ

ており、また、顧客への報告が義務付けられている場合は

上記ハに規定されるファンドマネージャー等に該当する

のか

告」が、「関係法令」ではなく「契約等」に基づいて

行われている「運用型」商品(ヘッジファンド等)が

本自主規制規則の対象とはならないことを、「流動化

型」商品として規定されている第3条第1号に関する

Q&Aにおいて明確化致します。

39 第 3 条 第 1 号

「ハ」 第 3条 1項ハにおいて、「関係法令及び契約等により」

とあるが、趣旨としては、関係法令あるいは私人間の契約

のいずれかによりファンドマネージャーによる報告が義

務づけられていることを要求するものと考えられるので

「関係法令又は契約等により」に修正していただきたい。 40 第 3 条 第 1 号

「ハ」 (意見) 「関係法令及び契約等」となっている部分については、「関

係法令又は契約等」に改めるべきではないか。 (理由) 「証券化商品」に該当しないいわゆる運用型の商品の情報

報告については、法令又は契約等のいずれかによってファ

ンドマネージャー等の義務とされていれば十分であると

「ハ」を以下のとおり修正致します。 「ファンドマネージャー等が投資運用対象となる

原資産を調査分析した上で投資運用を行っており、か

つ投資運用内容について、ファンドマネージャー等に

顧客への報告が関係法令及び契約等により義務付け

られているもの」

「ファンドマネージャー等が投資運用対象となる

原資産を調査分析した上で投資運用を行っており、か

つ投資運用内容について、ファンドマネージャー等に

顧客への報告が関係法令により義務付けられている

もの」

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考えられるが、その趣旨を明確にする観点から「関係法令

及び契約等」ではなく「関係法令又は契約等」という規定

に改めるべきである。

41 第3条第2号 (意見) 「顧客」の定義として、金商法上の「プロ」「アマ」の区

分を設けることは考えられないか。 (理由) 金商法の趣旨に鑑み、特定投資家であるか否かによって、

顧客に伝達すべき情報にも差を設けるというということ

も考えられるため。 42 第4条第1号 本規則の説明義務の遵守は、金融商品取引法において特

定投資家等が相手方である場合等の一定の説明義務が緩

和されている場合には、同様の基準で緩和されて然るべき

との理解でよいか

本自主規制規則では、顧客が金商法上の「プロ」「ア

マ」のいずれであっても、原則としてトレーサビリテ

ィ(追跡可能性)が確保されるべきとの考えから、顧

客の定義の中でそのような区分を設けておりません。

ただし、第4条第2号及び第3号において、「ただし、

第三者をして若しくは別の方法により顧客への伝達

がなされる場合、又は顧客が自ら入手可能な場合は、

この限りでない」と規定しており、顧客が販売者であ

る協会員からの情報伝達を通さずに有している情報

については、協会員が重複して伝達する必要がない旨

定めております。

43 第3条第2号 第3条第2号に規定する「顧客」の定義では、協会員が

販売に関わった証券化商品について、他の協会員が(共同

の販売者として)販売し、証券化商品を取得した者や、当

該協会員の販売によって証券化商品を取得した者から当

該協会員の関与を経ずに証券化商品を譲り受けた者のよ

うに、当該協会員による販売行為の直接の取引相手となら

ずに証券化商品を取得したような者が「顧客」の定義に含

まれるのか明確ではない。直接取引を行っていないような

者に対してまで情報伝達を協会員に義務づけることは、協

会員にとって過度な負担を強いるものと考えられ、「顧客」

第3条第2号に規定する「顧客」には、協会員が証

券化商品を自社で直接販売しようとしていない相手

方や自社で直接販売しなかった相手方は、含まれてお

りません。 上記の趣旨を明確化するために、第3条第2号を以

下のとおり修正致します。 「顧客 協会員が証券化商品を販売しようとする

相手方又は当該協会員が販売した証券化商品を保有

している者をいう」

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の定義のうち、「協会員が販売した証券化商品を保有して

いる者」については、協会員が直接の取引相手として販売

行為を行った者に限定されることが明確となるよう、第3

条第2号の規定を修正すべきではないか。 44 第3条第2号 (意見)

「顧客」の定義のうち、「協会員が販売した証券化商品

を保有している者」については、協会員が直接の取引相手

として販売行為を行った者に限定されることを明確にし

ていただきたい。 (理由) 規則案第 3 条第 2 号は、「協会員が販売した証券化商

品を保有している者」を規則案に従った情報伝達の相手方

である「顧客」に含めている。この点、規則案第 3 条第2 号の規定からは、協会員が販売に関わった証券化商品について、他の協会員が(共同の販売者として)販売し、

証券化商品を取得した者や当該協会員の販売によって証

券化商品を取得した者から当該協会員の関与を経ずに証

券化商品を譲り受けた者のように、当該協会員による販売

行為の直接の取引相手とならずに証券化商品を取得した

ような者が「顧客」の定義に含まれるのか明確ではない。

このような者に対しても協会員が自主的なサービスとし

て情報伝達を行うことは証券化市場の成長のために奨励

されるべきものであるとは考えるが、自主規制規則によっ

て直接取引を行っていないような者に対してまで情報伝

「顧客 当該協会員が証券化商品を販売しようと

する相手方又は当該協会員による販売の相手方とな

って証券化商品を取得し、かつ、保有している者をい

う」

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達を協会員に義務づけることは、協会員にとって過度な負

担を強いるものと考える。 従って、「顧客」の定義のうち、「協会員が販売した証券

化商品を保有している者」については、協会員が直接の取

引相手として販売行為を行った者に限定されることが明

確となるよう、規則案第 3 条第 2 号の規定を修正すべきである。

45 第3条第2号 当社も当該証券化商品を販売しているが直接販売せず、

他の協会員が販売した場合、その顧客に対して当社は当該

証券化商品のリスクの説明責任は存在するか ※ 事例として他の協会員が一定の事象による業務停止

などになった場合に、顧客が当社に対して問い合わせ

があった場合などを想定 46 第3条第3号 第3条第3号に規定する「販売」の定義には、金融商品

取引法第2条第8項第9号に規定する「有価証券の募集若

しくは売出しの取扱い又は私募の取扱い」も含まれるとい

う理解でよいか確認させていただきたい。同号の定義で

は、「販売」とは協会員が直接譲渡人となって顧客に証券

化商品を取得させる行為に限られるようにも思われ、「有

価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募の取扱い」

が「販売」に該当するのか必ずしも明確とはいえないよう

に思われることから、規定の趣旨を明確にする修正をすべ

きではないか。 47 第3条第3号 (意見)

第3条第3号に規定する「販売」の定義には、金商

法第2条第8項第1号に規定する「有価証券の売買」

のほかにも、同条同項第9号に規定する「有価証券の

募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定

投資家向け売付け勧誘等の取扱い」も含まれます。こ

の旨、Q&Aで明確化することとします。

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「販売」の定義には、証券化商品が発行される場面にお

いて、協会員が(引受けは行わずに)募集又は私募の取扱

いを行う場合や売出しの取扱いを行う場合が含まれるこ

とを明確にしていただきたい。 (理由) 証券化市場の健全な成長という規則案の目的からする

と、規則案第 4 条に定める態勢整備等の対象となる証券化商品の「販売」には、協会員が引受けを行ったり、直接

売買や売出しを行う場合に限らず、募集若しくは私募の取

扱い又は売出しの取扱いのみを行う場合も含めるべきで

あると考える。この点、「証券化商品の販売等に関する規

則(案)の解説等」18 頁で、規則案における「売買の媒介」には金融商品取引法第 2 条第 8 項第 9 号に規定する「有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募の取 扱い」を含まないことが述べられていることから、貴協

会においては「有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又

は私募の取扱い」は売買の媒介ではなく、「販売」そのも

のに該当するとの整理をなさったものと推察する。もっと

も、規則案第 3 条第 3 号の「顧客に対し証券化商品を取得させる行為(代理又は媒介に該当するものを除く。)」と

いう定義からは、「販売」とは協会員が直接譲渡人となっ

て顧客に証券化商品を取得させる行為に限られるように

も思われ、「有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は

私募の取扱い」が「販売」に該当するのか必ずしも明確と

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はいえない。 従って、「販売」の定義に、「有価証券の募集若しくは売

出しの取扱い又は私募の取扱い」が含まれることが明確と

なるよう、規則案第 3 条第 3 号の規定を修正すべきである。

48 第3条第3号 自己勘定取引等により自らが投資家としてセカンダリ

ーで購入した証券化商品を再売却するに際して、当該証券

化商品のオリジネーターとのコンタクトが取れない(もし

くは難しい)場合においても協会員であれば本規則におけ

る販売に該当し、情報伝達義務等を負うか。

協会員である証券会社が自己勘定取引により取得

した証券化商品を売却する場合も、金商法に基づく業

としての行為である以上は、本自主規制規則上の販売

に該当し、情報伝達義務等が発生するものと考えられ

ます。なお、「オリジネーターとコンタクトが取れず、

入手できない情報」については、第4条における「収

集できない情報」に該当する可能性が高いと思われま

す。 49 第3条第3号 「代理又は媒介に該当するものを除く顧客に対し証券

化商品を取得させる行為」とは、顧客の証券化商品の取得

に対し直接に相手方となる事を意味し、金融商品取引法の

中では具体的には自己保有証券化商品の売却及び引受行

為が該当する理解でよいか。

本自主規制規則における「販売」には、自己保有証

券化商品の売却は含まれますが、引受行為そのものは

含まれません。ただし、引受行為によって引受けた証

券化商品を募集の取扱い又は私募の取扱い等により

顧客に取得させる行為は、「販売」に含まれるものと

考えられます。 50 第4条 第4条などで「原資産等の内容」という表現が用いられ

ているが、第3条第1号に定義される「原資産」の他にど

のような要素が「原資産等」に含まれるのか不明確であり、

「原資産等」を「原資産」に改めるか、「原資産等」の内

容について明確となるよう規定を修正すべきではないか。

本自主規制規則における「原資産等」の「等」は、

当該証券化商品の組成スキーム(関係者の状況等も含

む)を指しています。この旨、Q&A で明確化致します。

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51 第4条 規則案第 4 条などで「原資産等の内容」という表現が用いられているが、規則案第 3 条第 1 号に定義される「原資産」の他にどのような要素が「原資産等」に含まれる のか、明確にしていただきたい。

52 第4条 (意見) 「証券化商品に係る原資産等の内容やリスクに関する

情報」について、最低限確認すべき項目を規則本文上に列

挙する必要はないか。 (理由) 取扱業者によって、「必要と判断」する情報に大きな差

が生じるのを防止するため(「有価証券の引受け等に関す

る規則」の「審査項目」のように確認すべき項目を列挙す

るのが望ましいのではないか)。 53 第4条 (意見)

『収集するべきと判断した情報』『伝達するべきと判断

した情報』の基準を明確化することを望む。 (理由) 判断の個別性が生じる虞がある為。

証券化商品の取引は非常に個別性が強い場合が少

なくないことから、販売者である協会員が収集・伝達

するべき「証券化商品に係る原資産等の内容及びリス

クに関する情報」は、一律に定めるべきものではなく、

「協会員が、当該証券化商品の特性や当該顧客の属性

等を踏まえて、自ら考え、判断するべきもの」と考え

ます。また、最低限確認するべき項目を規則本文に列

挙することも、「当該項目のみを収集・伝達すればよ

い」という誤解を招き、自主規制規則の形骸化に繋が

る惧れがあることから、適切ではないものと考えま

す。 なお、「収集・伝達するべき情報」の判断の目線に

ついては、SIRP の各情報項目が参考となるものと考えます。

54 第4条 証券化商品は詳細に定義することが難しいため、第3条

においてその詳細が定義されておりません。一方、第4条

において、証券化商品に係るトレース情報の収集・伝達す

る内容の判断は協会員が行うことになっておりますが、そ

の収集・伝達する内容の詳細も規定されておりません。 第4条は、トレース情報の伝達のための態勢整備です

証券化商品の取引は非常に個別性が強い場合が少

なくないことから、販売者である協会員が収集・伝達

するべき「証券化商品に係る原資産等の内容及びリス

クに関する情報」は、一律に定めるべきものではなく、

「協会員が、当該証券化商品の特性や当該顧客の属性

等を踏まえて、自ら考え、判断するべきもの」と考え

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が、対象となる証券化商品及び当該商品に係るトレース情

報の内容が明確でないため、態勢を整備しなければならな

い、という表現は違和感があります。態勢を整備「するも

のとする」等の表現でないと協会員は、その義務を確実に

果す事が困難であるのではないかと思料いたします。

ます。 第4条第1~4号に掲げる内容は、証券化商品の販

売実務を十分に踏まえて策定されたものであり、販売

者である協会員が「収集できない情報」、「伝達できな

い情報」(「伝達するべきと判断しなかった情報」のう

ち、協会員が顧客において必要であると考えたもの

の、オリジネーターの意向や法令・契約等の制約から、

協会員が顧客に伝達することができない情報)はそれ

ぞれ、収集・伝達しなくてもよい扱いとなっています。

さらに、監督指針においても、証券化商品のトレー

サビリティ(追跡可能性)の確保に係る態勢整備が、

監督上の留意事項として示されています。 以上のことから、「態勢を整備しなければならない」

という現行の表現で、問題ないものと考えます。なお、

「収集・伝達するべき情報」の判断の目線については、

SIRPの各情報項目が参考となるものと考えます。 55 第4条第1号 「分析については、他者が分析したものを収集すること

に代えることができる。」と規定されておりますが、収集

するトレース情報の分析の程度に関しては、どの程度を想

定しておられるのでしょうか。 トレース情報の分析の程度に関しては、個々の証券化商

品に応じて各社にその判断が委ねられているとの理解で

よろしいのでしょうか。

そのような理解で結構です。

56 第4条第1号 SIRPで例示される内容を超えるなど要望の程度に SIRPは、「情報の出し手として出せる情報」、「情報

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よって金融商品取引法や金融商品販売法における投資家

保護の為の引受・媒介等責任の範囲を超える内容である場

合や過大なコストが発生する場合に、予め当該コスト負担

等につき顧客と合意していた場合を除き、顧客と合意でき

ない場合は収集できない場合に該当するものか

の取り手として必要な情報」に関する「共通の目線合

わせ」として作成されたものであり、販売者である協

会員が SIRP の情報項目をいかなる場合もすべて収集・伝達しなければならない訳ではない一方、SIRPの情報項目さえ収集・伝達していれば、いかなる場合

も十分であるという訳でもありません。したがって、

SIRP に記載されていない情報項目が、必ずしも「収集できない情報」に該当するとは限りません。 また、金商法等における説明責任を超えると思われ

る情報が必ずしも「収集できない情報」に該当すると

は限りません。 どの程度のコストが発生する情報が「収集できない

情報」に該当するかは、個別の取引事例に即して、各

社の実情に応じ、ご判断頂くものと考えます。 57 第4条第1号、第

3号 第4条第1号ないし第3号において「収集できない情報

を除き」「伝達できない情報を除き」とある部分に関し、

これは主に販売者たる協会員が収集および伝達する立場

にないことに由来していると思われる。そのような中でも

販売者は投資家に対する情報伝達の拡充に努力するもの

の、それには限界があり、「収集できない」「伝達できない」

情報が存在することは販売者の責任に帰するものではな

く、それが販売者による非協力的な対応を意味するもので

はないことを何らかの形で明らかにしていただきたい。

ご意見は最終報告書に反映させて頂きます。

58 第4条第2号 (意見) 本自主規制規則では、ご指摘のように、「投資家が

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原資産等の内容やリスクに関する情報について『第三者

をして若しくは別の方法により顧客への伝達がなされる

場合、又は顧客が自ら入手可能な場合は、この限りではな

い』とあるが、投資家が発行体等から当該情報を入手でき

ることに付、契約書等で手当てされていることが必要なの

か、契約書等による手当てがなくとも実質的に情報入手が

可能であれば問題ないのか、についての基準を明確化する

ことを望む。 (理由) 『第三者をして若しくは別の方法により顧客への伝達

がなされる場合、又は顧客が自ら入手可能な場合は、この

限りではない』の判断基準が不明確である為。 具体的な例を挙げれば、特定社債の投資家であり、同時

にローンを供与しているケースなどでは、投資家の立場で

は情報入手に関する契約書等の手当てが不十分であった

としても、レンダーの立場では十分な情報を入手すること

は可能ということも有り得ることから、実質的に情報入手

可能な場合についても対象外とすべきと思料する。 59 第4条第2号、第

3号 「第三者をして若しくは別の方法により顧客への伝達

がなされる場合、~」とは、いかなる体制で担保されるの

か、契約等の証憑があればいいのか。(以下、販売後も同

様)。

発行体等から当該情報を入手できることに付、契約書

等で手当てされていること」まで求めるものではあり

ません。 本自主規制規則は、証券化商品のトレーサビリティ

(追跡可能性)が確保されるよう、顧客である投資家

に対し適切な情報が伝達されることを企図したもの

であり、販売者である協会員が、顧客において必要な

情報が入手できていることが確認できれば問題ない

ものと考えます。

60 第4条第2号、第

3号 (意見) 「第三者をして若しくは別の方法により、」の「別の方

SIRPは、「情報の出し手として出せる情報」、「情報の取り手として必要な情報」に関する「共通の目線合

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法」として「法定開示」が含まれるようだが、公募により

販売した証券化商品(例:三都市 CLO、四都市 CLO など)をセカンダリーにおいて再販する場合は、例えば

SIRP を作成して交付することになるのか。募集販売以後、発行体が SIRP 作成の基となる情報を開示しない場合、作成は不可能であり、そのような証券化商品は取り扱

うべきではないということになるのか。 (理由) 当初、公募により販売する場合は目論見書を交付するこ

とになるが、その後のセカンダリー市場においてはどう考

えるべきか確認させて頂きたい。 セカンダリーで売買しない場合でも、保有顧客から問い

合わせがあった場合に、情報を伝達できないことになる。

わせ」として作成されたものであり、販売者である協

会員は、これを必ず用いなければならない訳ではあり

ません。また、SIRP の情報項目をいかなる場合もすべて収集・伝達しなければならない訳でもありませ

ん。 販売時において、法定開示に SIRPの項目を用いる場合は、情報開示は法令に定められている様式にした

がってなされ、SIRP の各項目が書き込まれた目論見書が交付されることが想定されます。法令に定められ

ている様式以外に、その他の資料を作成して交付する

ことを求めるものではありません。 販売後においては、投資家に対する情報伝達が、販

売者のみならず、発行者、受託者、サービサー等様々

な証券化商品取引関係者によって担われていると考

えられ、法定開示の場合は発行者がその役割を担って

います。本自主規制規則では、投資家から求めがあっ

た場合については、協会員には、トレーサビリティ(追

跡可能性)の確保という趣旨から、適切な情報の収集

と伝達を行うための態勢を整備することが求められ

ています。法定開示の場合には、発行者によって情報

伝達がなされており、保有顧客からの個別の情報伝達

の要望に対して、販売者が発行者に対して追加の情報

開示を求める等の態勢整備が想定されます。 61 第4条第2号、第 (論点3) ①、②いずれも、そのような理解で結構です。ただ

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3号 優先出資証券および特定社債券がセカンダリーで取引

(当該優先出資証券および特定社債券を TMK 組成時の優先出資者、特定社債権者以外の顧客に販売する場合)さ

れるケースについて(その2) なお、本論点は、仮に論点2(項番36)で優先出資証

券および特定社債券が「規則(案)」の対象となる証券化商品から除外されないとされた場合の確認事項。 (意見) ①特定資産管理処分受託者が優先出資者(特定社債権

者)に対し、契約等に基づき投資運用内容についての報告

をしている場合、「第三者をして若しくは別の方法により

顧客への伝達がなされる場合、又は顧客が自ら入手可能な

場合」に該当し、当該優先出資証券および特定社債券を販

売する協会員には、原資産等の内容やリスクに関する情報

の伝達等のための態勢整備は求められないとの理解でよ

いか。 ②優先出資者(特定社債権者)からの要望があれば、

TMKないしは特定資産管理処分受託者が優先出資者(特定社債権者)に対し、「証券化商品に係る原資産等の内容

やリスクに関する情報」について提供する旨、優先出資者

(特定社債権者)との契約等において定められていれば

「第三者をして若しくは別の方法により顧客への伝達が

なされる場合、又は顧客が自ら入手可能な場合」に該当し、

当該優先出資証券および特定社債券を販売する協会員に

し、販売者である協会員には、特定資産管理処分受託

者等が、顧客である投資家に対し、トレーサビリティ

(追跡可能性)の確保という趣旨から必要な情報を伝

達していることを確認できていることが求められま

す。

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は、原資産等の内容やリスクに関する情報の伝達等のため

の態勢整備は求められないとの理解でよいか。 (理由) ①②の優先出資者(特定社債権者)は、協会員の支援を

伴わず、実質的に「証券化商品に係る原資産等の内容やリ

スクに関する情報」について特定資産管理処分受託者から

入手している若しくは入手可能である。 62 第4条第2号 「伝達」とはどのようなものを指すのか、定義が必要で

は無いか(以下、販売後も同様)。金商法等に基づく説明

責任より高いレベルが要求されるのか、例えば別途確認書

等は想定すべきなのか

本自主規制規則においては、「伝達」という用語は、

社会一般で用いられるものと同様の意味で用いてお

り、特段定義する必要はないものと考えます。 また、「伝達」の方法についても特に規定しておら

ず、販売者である協会員は、トレーサビリティ(追跡

可能性)の確保という趣旨を踏まえて、個々の取引実

態に即して、適切な情報を収集し、顧客である投資家

に適宜の方法で伝えるべきものと考えます。 63 第4条第2号 第4条第2号において「証券化商品の格付に反映されな

いリスク」という表現があるが、これは流動性リスクのこ

とを指しているという理解でよいか確認させていただき

たい。また、そうであればそのことが明確になるような表

現に修正すべきではないか。

第4条第2号における「証券化商品の格付に反映さ

れないリスク」は、格付に反映される証券化商品の信

用リスク以外のリスクであり、流動性リスクのほか、

キャッシュフローの変動リスクなどを指しています。

64 第4条第2号 (意見) 顧客に伝達すべき情報として「格付けに反映されないリ

スク」も含まれるということだが、流動性リスクの大きさ

については、どのような尺度、表現をもって伝えるべきか、

「証券化商品の販売等に関する規則に係るQ&A」

では、以下のとおり示されています。 Q:格付に反映されないリスクのうち、流動性リス

クについては、どのような情報を伝達すればよ

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お考えを伺いたい。 (理由) 流動性リスクの性格上、定量的に表現することが難し

く、各社でかなりの差異が生じる可能性が高いと思われる

ため。

いですか。 A:流動性リスクについては、個別商品の特性に応

じた流動性リスクの基本的性質、有無、及びリ

スクの高低などを伝達するものと考えられま

す。ただし、リスクの大きさについては、定量

的な指標を伝達することを常に想定している

ものではありません。 65 第4条第3号 証券化商品の保有者は、販売金融機関に加えてトラステ

ィーや運用マネジャーなどから商品に関連する情報を受

け取ります。第 3 号の最後の「ただし、第三者をして若しくは別の方法により、顧客への伝達がなされる場合、又

は顧客が自ら入手可能な場合は、この限りではない」の部

分がこれに対応するものと拝察しますが、販売金融機関の

みについてこうした自主規制を導入しても、部分的な効果

のみしか得られないものと思われます。むしろ、販売金融

機関にすべての情報の収集と伝達の義務があるとの誤解

が生まれるおそれもあり、第 4 条第 3 号については削除されてはいかがでしょうか。

66 第4条第3号 今回の規則の対象は協会員(=証券会社)となっていま

すが、より健全な証券化市場の育成のためには、狭義の有

価証券(定款第3条第1号)を超えた広義の流動化商品全

体のトレーサビリティをより確かに担保するためは、本来

より幅広い仕組み作りの必要性があると考えます。 具体的には、第 4 条 3 号に規定されている、販売後(セ

第4条第3号は、ご指摘のとおり、販売後の投資家

に対する情報伝達が、販売者のみならず、発行者、受

託者、サービサー等様々な証券化商品取引関係者によ

って担われているという実務を十分に踏まえた上で、

販売者である協会員には、投資家である顧客との取引

の直接の相手方として、「証券化商品取引の透明性の

向上」のために重要な役割を果たすことが期待されて

いることから、協会員が販売者として行える限りの取

り組みについて、本自主規制規則に盛り込んだもので

す。 同号は、本自主規制規則の目的に照らし、必要な規

定であると考えられます。また、監督指針においても、

販売後の情報伝達に係る態勢整備が、監督上の留意事

項として示されています。

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カンダリー)の情報開示の担い手について、第一義的に販

売証券会社にその責任を負わせる事に若干違和感を感じ

ます。情報を提供すべき主体は協会員である販売証券会社

のみならず、発行者、受託者、トラスティー、サービサー

等の証券化取引に携わる関係者全体に期待される役割と

考えます。 確かに、プライマリー段階ではアレンジャー(証券会社)

の関与が大きく、投資家としても販売証券会社を通じた情

報入手が重要(有用)と思われますが、セカンダリー取引

においては、販売証券会社が必ずしもプライマリーのアレ

ンジャーではない事を前提とすると、より正確な情報を提

供出来る主体は発行者、受託者、トラスティー、サービサ

ー等であり、必ずしも販売証券会社ではないと考えます。

逆にこの様な義務を証券会社に課す事による、セカンダリ

ー取引への弊害があるのではないかと考えます。 活発なセカンダリー取引及び投資家に対する適切な情

報伝達・発行者等による情報開示の充実を目指すのであれ

ば、あくまで受託者や発行体等を通じた情報入手を原則と

しつつ、情報入手に関し、何らかの問題がある場合に投資

家のサポートを行うのが販売会社のすべき事と考えます。

また、セカンダリー取引を意識した情報開示の仕組みをプ

ライマリー段階で作って置く事がアレンジャーである証

券会社の役目と考えます。 67 第4条第3号 販売後、顧客からの要望に応じて証券化商品の情報を伝

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達する義務が協会員に負わされていますが、これは協会員

にとって過大な負担であり、今後の証券化市場の成長・復

活を妨げる虞すらあります。顧客から要請される情報には

オリジネーターの協力なくして収集困難なものも多く、ま

た、全ての場合に収集可能という訳でもありません。さら

に投資家に対する直接の情報提供義務は発行体や信託の

受託者に存する場合も多くあります。 68 第4条第3号 販売後の情報収集及び伝達は、株式等の引受責任をも超

える内容とも考えられ、一義的に全ての取引につきこのよ

うな義務を引受人である協会員(又は本規則を準用する媒

介者等)に負わせるのは金融商品取引法や金融商品販売法

における投資家保護の為の引受・媒介等責任の範囲を超え

るものではないか。 69 第4条第3号 本規則の導入は見送ってはどうか。仮に規則案全体の導

入の見送りが困難な場合は、少なくとも案文中、第4条第

3号を削除してはどうか。 そもそも証券会社等の販売者は、販売した証券化商品の

アフターサービスとして、多くの場合に関連する情報を顧

客に提供しているが、これらは必ず実行できるものではな

い。投資家に対する有用な情報を有し、またこれを提供す

る義務を負担している当事者が、スキーム上、発行者、受

託者、トラスティーである場合も多い。これに対して、証

券会社等の販売者はかかる情報の真実性について責任を

全うできない場合も多いこと、秘密保持義務や個人情報保

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護の関係からかかる情報を入手する法的な権利を有さず、

あるいは入手できない場合も多々ある。諸外国において

も、投資家に対して情報を提供している主体は上記の如き

当事者であり、販売者ではない。この点を踏まえると、販

売者に情報収集と伝達の義務を負担させるのは、販売者に

対して場合により過大な負荷をかけることになる。 投資家に対する情報伝達の充実を目指すのであれば、販

売者による自主規制よりも、開示規制および発行者・受託

者等を含めた情報の発信者による市場慣行の醸成に務め

るべきである。 70 第4条第3号 (意見)

他社で購入した証券化商品が移管されることを想定し

た場合、その商品をフォローすることは困難である。しか

し、規則案では、保有顧客から問い合わせがあった場合は、

情報を収集し伝達すべきとある。ということは、トレース

できない証券化商品は受け入れるべきではないというこ

とになるのか、確認したい。 (理由) トレースできない商品は取り扱うべきではないという

ことであれば、移管を受けないための事務手続きを設けな

ければならないため。

「移管」の意味するところが定かではありません

が、本自主規制規則における「顧客」には、他の協会

員が販売した証券化商品を保有している者は含まれ

ません。この旨明確化するために、第3条第2号を以

下のとおり修正致します。 「顧客 協会員が証券化商品を販売しようとする

相手方又は当該協会員が販売した証券化商品を保有

している者をいう」

「顧客 当該協会員が証券化商品を販売しようと

する相手方又は当該協会員による販売の相手方とな

って証券化商品を取得し、かつ、保有している者をい

う」

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71 第4条第4号 (意見) 「収集できない情報又は伝達できない情報について、収

集できない理由又は伝達できない理由を顧客に伝達すべ

きと判断する場合は、明確に伝達すること」とあるが、こ

れに加えて、「収集できない情報」又は「(収集及び分析し

た情報のうち)顧客に伝達できない情報」が期中報告に存

在すると販売者が考える場合は、販売に当たりリスク情報

としてかかる項目について投資家に明示することを明確

化すべき。 (理由) 収集できない情報又は顧客に伝達できない情報があると

いうリスクを、販売に当たり、予め投資家に伝達すべきと

考える。ただし、その理由までをも予め積極的に明示する

ことを求めるものではない。

ご指摘のように、「収集できない情報」又は「(収集

及び分析した情報のうち)顧客に伝達できない情報」

が期中報告に存在すると販売者である協会員が考え

る場合については、当該協会員は、販売に当たり、リ

スク情報としてかかる項目について投資家に明示す

ることが望ましいと考えられます。 ただし、証券化商品の販売後における情報の収集・

伝達について規定した第4条第3号は、「顧客からの

要望があること」を情報の収集・伝達の前提としたも

のであり、一般的に、協会員が証券化商品を販売する

際に、販売後において顧客からどのような情報の提供

の要望があるのか、当該協会員がすべて予測すること

は、実務上困難であると考えられるため、ご指摘のよ

うなリスク情報の明示について、自主規制規則として

一律義務化することは、必ずしも適切ではないものと

考えます。 72 第5条 (意見)

「必要な組織体制の整備及び人員の確保」とあるが、整

備状況が十分であるか否かの判断は何をもって行うのか。 (理由) 販売実績として「過去に何度か公募での販売を行ってい

る」程度である場合に、どの程度の体制整備を行えばよい

か判断がつきかねるため。 73 第5条 第 5条の案文中、「協会員は(中略)必要な組織体制の

「販売者が組織体制や人員面においてどの程度の

整備を行うべきか」という問題は、販売者のビジネス

モデルや経営判断の問題でもあることから、本自主規

制規則において一律に規定されるべきものではない

と考えます。販売者である協会員は、あくまでも各社

の実情に応じて組織体制等を整備するべきものと考

えます。

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整備及び人員の確保を行なう」とある部分につき、一部の

協会員による昨年来の人員削減の結果、第4条案文各号に

定める業務を遂行するに足る人員を現状において確保で

きているかどうか、本規則の実施前に協会員に対して調査

を行なうべきではないか。仮に証券化に関する知見を有す

る人員が2名以下となっている協会員が存在するとした

場合、当該協会員においても、第4条を充足しているとの

解釈を採るとすれば、本規則案中、第5条が形骸化する可

能性はないか。むしろこの点は協会員に対して画一的な体

制整備を求めるのではなく、それぞれにおいて可能な範囲

で行うものとすべきではないか。 74 第8条 第1条第1号ハの規定において、現在の規制案には推奨

以上とはなっていないが、協会員が金融商品取引法第 2条第 2 項各号に掲げる所謂集団投資スキーム持分等の販売を行い、本規制案に従う場合は、協会員以外の金融商品

取引業者(第二種金融商品取引業者等)が行う証券化商品

の販売規制との不整合については、協会及び本規則の性格

から止むなしと考えるのか。

本自主規制規則は、本協会の協会員に対して適用さ

れるものです。本協会としては、公平性の観点から、

また証券化市場のさらなる健全な発展の観点から、協

会員ではない者が証券化商品と同様の性質を有する

信託受益権を販売する場合についても、協会員が販売

する場合と同様の態勢整備を行うことを希望します。

75 第8条 金融商品取引法の施行以前に、信託受益権・匿名組合出

資の媒介を行った事例においては、本自主規制規則上の販

売に該当しないとみなしてよいのか、また、金融商品取引

法の施行以後に上記出資契約等の変更等を行う場合はど

うか。

第8条は、金商法の施行以前であるか以後であるか

に拘わらず、本自主規制規則の施行日以後に発行さ

れ、かつ、販売された金商法第2条第2項第1号及び

第2号に規定する信託の受益権について、規定してい

ます。 76 第9条 「代理又は媒介に該当するもの」には、金融商品取引法 第9条における「代理又は媒介」には、金商法にお

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における「取次ぎ」も含むか、また、投資助言業における

顧客が証券化商品を取得・売却するに際しての助言や投資

運用業における顧客の為に代わって証券化商品の取得・売

却を意思決定する行為は販売又は代理又は媒介に該当す

るもののいずれにも含まれない理解でよいか。

ける「取次ぎ」は含まれません。 投資助言業における顧客が証券化商品を取得・売却

するに際しての助言や投資運用業における顧客の為

に代わって証券化商品の取得・売却を意思決定する行

為については、ご意見のような理解で結構です。 77 第9条 第 9 条は全ての代理や媒介を網羅的に規定しているの

ではなく個々の取引やその実態に応じて判断されるもの

であり従って取引内容によっては本規定の対象とならな

い代理や媒介もあるという理解で良いか。その場合その趣

旨が明確になるよう「代理又は媒介のみを行う場合におい

ても」に続けて「その必要の程度に応じて」を追記いただ

きたい。 媒介の取引形態として単なる媒介者として売買に介在

し投資家も媒介者に情報収集及び伝達等を期待していな

い場合もあると思われるがその場合においてまで本規定

を対象とするのは過剰な手当てであり、徒にビジネスコス

トを増加させることになり、結果として媒介のみを取扱う

というビジネスモデルが成り立たなくなることが懸念さ

れる。証券化市場が自由で柔軟な発想のもと発展すること

を期待されているがその発展を阻害する要因の一つとな

る懸念がある。監督指針やそのパブリックコメントの説明

においても全ての媒介について規定することまで想定し

ていないと思われる。 78 第9条 媒介しか行なわない協会員には情報を収集できる能力

第9条は、監督指針にあるように、協会員が単なる

売買の媒介しか行わないなど限定的な役割しか担わ

ない場合における当該行為を指しており、金商法第2

条第8項第2号に規定する有価証券の売買の媒介を

意味しています。 ただし、第9条は、あくまでも「準じた取扱いをす

ることが望ましい」と規定しているものであり、協会

員に義務を課しているものではありません。

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にも限界があり、第 4条の遵守は難しくなると思われる。第 9条は努力義務に落としたほうが現実的ではないか。

79 付則 (意見) 但書きは削除いただきたい。 (理由) 本規則で求められた義務を果たすため、販売会社は組織態

勢を整備することとなるが、本但書きにより、販売会社は、

施行日以後の証券化商品の販売に対応する組織態勢の整

備でよいのか、または、過去に販売したものも含めて対応

できる組織態勢の整備が求められるのか、不明瞭となる。

そもそも、施行日前の販売時には、このような義務を前提

に販売しておらず、本規則に基づく情報提供にはオリジネ

ーターおよびアレンジャーの協力が欠かせないことから

も、遡及的に情報収集を行なうことは極めて困難であると

考えられる。したがって、本規則の規制対象はあくまでも

施行日以後の販売に対してであるべきであり、但書きは不

要であると思われる。

本自主規制規則では、施行日前に販売した証券化商

品は適用対象外であり、当該証券化商品に関して協会

員に義務を課すものではありません。但書きは、あく

までも「準じた取扱いが望ましい」旨規定しているも

のです。

標準情報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting Package:SIRP)

項番 該当箇所 意見 考え方

80 全般 SIRPの報告対象項目については、これを開示することによって金融商品取引法の開示規制が全て充足されるこ

とになるのかを明らかにして下さい。SIRPの報告対象項

SIRP の情報項目は、金商法上の開示項目のすべてをカバーするものではありません。また、SIRP のすべての情報項目が金商法上の開示項目でカバーされ

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目のチェックに加え、金融商品取引法の遵法性まで確認し

なくてはならないとすれば、証券化商品を組成する協会員

にとって過大な負担となりかねないからです。

るものでもありません。 SIRPは、「情報の出し手として出せる情報」、「情報

の取り手として必要な情報」に関する「共通の目線合

わせ」として作成されたものであり、協会員は必ずこ

れを用いなければならない訳ではありません。また、

仮に、協会員が SIRPを用いて情報伝達を行う場合についても、法定開示項目と重複する情報項目について

は、改めて伝達する必要はありません。 81 全般 本規定第6条の趣旨が正確に理解、認識され標準情報レ

ポーティングパッケージ(SIRP)の解釈、運用が柔軟になされるよう貴協会員のみならず投資家、オリジネーター

などの関係当事者やそれらを所管する官庁に対しても説

明、指導、確認を継続して行うなど第6条の意図や趣旨が

正しく関係当事者等に浸透することを担保するための活

動を行うことを検討いただきたい。 安易で過度な SIRPへの依存によりその運用が硬直化、その結果、証券化商品の個々の個性や特徴を考慮せず、実

質的に SIRP の一律適用となってしまうことを懸念します。今まで情報の要否やその内容は証券化商品の個性や特

徴を踏まえた上でオリジネーターの事情と投資家サイド

(格付会社含む)の要求を考慮して決められてきたものだ

と思います。そのプロセスを今後も尊重していただきたい

と思います。 82 全般 本規定第6条の趣旨が正確に理解、認識され標準情報レ

ご意見は最終報告書に反映させて頂くとともに、本

協会としても、本自主規制規則及び SIRPの正しい理解のための広報活動に努めてまいります。

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ポーティングパッケージ(SIRP)の解釈、運用が柔軟になされるよう貴協会員のみならず投資家、オリジネーター

などの関係当事者やそれらを所管する官庁に対しても説

明、指導、確認を継続して行うなど第6条の意図や趣旨が

正しく関係当事者等に浸透することを担保するための活

動を行うことを検討いただきたい。 安易で過度な SIRPへの依存によりその運用が硬直化、その結果、証券化商品の個々の個性や特徴を考慮せず、実

質的に SIRPの一律適用となってしまうことを懸念する。今まで情報の要否やその内容は証券化商品の個性や特徴

を踏まえた上でオリジネーターの事情と投資家サイド(格

付会社含む)の要求を考慮して決められてきたものだと思

われる。そのプロセスを今後も尊重していただきたい。 83 全般 標準情報レポーティングパッケージ(SIRP)が策定さ

れることで典型的な証券化商品に関する情報流通の標準

化を促進することが期待され、歓迎したい。一方で、SIRP の用法およびその限界について貴協会において当規則に

関する説明資料や広報活動等を通じ市場参加者・関係者・

監督当局等に適切に理解されるよう努めることを強く期

待したい。「SIRP に挙げられる項目を網羅すれば提供される情報の内容は十分である」、「SIRP を充足していないので情報が不十分である」という解釈・運用が行なわれる

ことのないよう留意するべきと考える。項目の選択は、個

別商品の特性・状況の変化も考慮した上で関係者によって

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適宜・適切に判断されることが期待されるものであり、

SIRP は目線合わせのための有益なツールになり得るものの、過度に SIRP に依存することは危険である。また、証券化商品に関して、投資家に対して提供される情報の充

実または標準化が図られることは、投資判断や価格評価を

容易にする効果をもたらす観点からは必要条件の一部で

はあっても十分条件であるとは言えず、SIRP 策定の効果やその用法について過度に期待を持つべきではない。 特に、市場における価格発見機能、流通市場における流

動性については、市場参加者の厚みおよび構成、投資家以

外の市場参加者・関係者(特に仲介業者およびリサーチア

ナリスト)による情報へのアクセス、商品の定型化・標準

化、ある程度以上の発行額と発行残高、信用格付けの利用

のあり方に関する認識などが総合的に作用するものであ

り、投資家に対して提供する情報の標準化を図ることのみ

によって解決されるものではないと考える。 84 全般、RMBS (1)開示項目について

①今回整理されている標準データ項目は大変よく整理

されており、例えば、海外の証券化商品のデータベースベ

ンダーである INTEX Solutions Inc.社(以下、INTEX 社)が海外で入手しているデータ項目と基本的には遜色なく、

十分 INTEX 社での活用に耐えるものと思います。(INTEX 社では、債券の支払情報 Bond Remittance Report も活用しているようです。)ただし、案件によっ

ご意見として参考にさせて頂きます。 なお、SIRP の内容については、本自主規制規則施

行後も、定期的に検討し、必要に応じて見直していく

予定です。

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ては、SWAP などキャッシュフローに影響を与えるデリバティブ約定が付加されている案件もあり、そのような案

件の場合には、SWAP などのデータも初期および月次で開示されるとよいのではないかと思います。(例えば

INTEX 社がそのような案件のメンテナンスを行う際には SWAP などのデータも必須となっています。) ②RMBS については、例えば GSE でも数年前からロ

ーンバイローンのデータを開示するようになったように

思いますが、もし可能であれば、特定の個人が特定されな

いレベルで RMBS のローンバイローンのデータも開示されると、機関投資家様サイドでの利便性、透明性があが

るのではないかと思います。 (2)データベンダーへの開示についての要望 ①証券会社様や機関投資家様だけではなく、ぜひ、

INTEX 社のようなデータベースベンダーやソフト会社のような第三者にも利用できるようにしていただければ、

証券化商品市場を盛り上げていく一助になるのではない

かと思います。特に、海外でデファクトとして利用されて

いる INTEX 社のサービスなどをうまく活用できるようにすれば、海外投資家への販売拡大などが期待でき、日本

の証券化市場のより一層の発展につながるのではないか

と思います。 ②また、現在、公募案件については当初の目論見書が

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EDINET に掲載されておりますが、トラスティーレポートは載っていないように思います。ご案内のとおり、証券

化商品の場合、最新のコラテラル等の情報がなければ、価

値ある情報として有効に活用することができません。ぜ

ひ、トラスティーレポートについても月次で継続的に

EDINET に掲載していただければよろしいのではないかと思います。また、プロ私募案件に関しても掲載されれ

ば投資家の利便性はより一層あがるのではないかと思い

ます。(例えば、INTEX 社では私募案件も載せておりますが、当該案件へのアクセスにはリードアレンジャー様の

許可がいるというようなアクセス管理が行われておりま

す。プロ私募、私募案件も含めて、現況のパフォーマンス

の確認、ストレステストなどが容易に行える情報基盤が、

セカンダリーマーケットの育成のためには必要なのでは

ないかと思料いたします。) 85 全般、RMBS 1.SIRP RMBSプロポーザルに関して:

弊社といたしましては、発行時より毎回の支払いにおけ

る実際のローンレベルデータを全ての RMBSにまで拡張して頂きたく存じます。これは、CMBS における発行体ないしはアレンジャーが目論見書或いは商品説明書にて、

管理資産である個々のローンに関する情報、データを公開

されるのと同様であると了解して頂ければと存じます。最

低でも、SIRPプロポーザルでの総合パフォーマンスデータと同時に、各々の RMBSの支払期間におけるローンレ

ご意見として参考にさせて頂きます。 なお、本協会としては、今後、規制ではなく、あく

までも市場参加者の自主的な取り組みにより、証券化

商品関する情報開示が一段と充実し、証券化市場のさ

らなる発展に繋がっていくことを期待しています。

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ベルデータを公表して頂けないでしょうか。勿論、適用対

象となる個人のプライバシー保護の法律違反にならない

範囲での情報公開ですが。個々の住宅ローンの支払い契約

規則、その支払い状況に関するデータだけが公開されるべ

きであり、ローン契約個人を断定できるようなデータや情

報は、絶対に公表されるべきではありません。許されるな

ら、弊社としては、公開データ内容や形式等の作成に協力

を惜しみません。ご一報頂ければ幸いです。 2.英語でのレポートに関して: 弊社といたしましては、全ての公開される書類、データ

を日本語及び英語併記での公開に進んでいかれますよう

お願いいたします。母国語、及び英語併記の公表は、英語

圏以外の市場は一般化しつつございます。日本市場の一層

の発展、既存市場を越えた流通化が進み、世界市場での取

引が一般となる今後、日本語及び英語併用は欠かせない方

向なのではないでしょうか。 3.迅速なる情報公開に関して:

SIRPの仔細情報は、発行体及び受託者のウエブサイトにて公表して頂けると助かります。又できる事なら、実際

の支払いより24時間以内に公表していただけると助か

ります。 86 RMBS 、 狭 義 RMBS、ABS、CLOの内、Ⅰ-13、Ⅳ-1、Ⅳ-2、Ⅵ-9に SIRP 案を策定するに当たっては、それぞれの類型

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ABS、CLO ついてレベルに相違があるが、その理由を脚注等で記載願

いたい。又 RMBS のⅠ-13 の項目が予想償還スケジュール、ABS、CLO は想定償還スケジュールとあるがその定義の違いについても脚注等で記載願いたい。 原資産の特徴や特性、分析上の留意点などが一般化、常

識化されつつあるものについては明文化し関係当事者間

で共有化を進めて無駄や誤解を取り除き組成や分析作業

の生産性を高めることが望まれる。

毎に、典型的な事例を想定しつつ検討を行いました。

また、一般的にそれぞれの類型の証券化商品の信用リ

スク分析及びキャッシュフロー分析を行う上で用い

られている手法についても考慮しております。 したがって、各類型の典型的と思われる商品の特性

により、同一情報項目であってもレベルに相違が生じ

ているものもみられます。 (Ⅰ-13:予想(想定)償還スケジュール等)

RMBSについては、所謂パススルー型やシーケンシャル型(原資産から回収された元本をトランシェ分け

した証券化商品の償還優先順位の高い順に元本償還

に充当する償還方法)の償還方法を採用するものが多

く、証券化商品の将来キャッシュフローを予想するに

は、原資産の将来キャッシュフローの予想が必須にな

るため、レベルを高く設定しています。 なお、RMBS については「予想」、狭義 ABS 及び

CLO については「想定」と表現を使い分けているのは、実際に投資家に対して提供されている情報を踏ま

えると、住宅ローン債権のキャッシュフロー又は元本

回収予想を行うに当たって用いる CPR(繰上返済率)には「予想」の意味合いが強いものの、リース債権・

クレジット債権、貸付債権等については、単なる「前

提」であり、「予想」としての意味合い又はニュアン

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スが含まれていないと思われるケースが多いためで

す。 (Ⅳ-1:母体プール等、比較参考となるプールの延滞率、Ⅳ-2:同デフォルト率) 狭義 ABS については、例えばリース債権・クレジット債権等のデフォルト率を予想する上で必須かつ

最も重要な参考情報であることから、レベルを高く設

定しています。一般的に、リース債権・クレジット債

権等については、オリジネーター毎に比較的均一性が

高く、一定の適格要件を用いて証券化対象資産の抽

出・選択が行われるものの、無作為抽出に近いと思わ

れるケースが多いと考えられます。 これに対し、住宅ローン債権及び企業向貸付債権に

ついては、必ずしも均一性が高いとは言えず、抽出母

体プールが存在したとしても、それと必ずしも類似の

パフォーマンスを示すとは思われません(住宅ローン

債権については DTI、LTV 等のローン又は債務者の属性が、企業向貸付債権等については財務指標等を用

いた統計モデルによる予想デフォルト率、信用評点、

行内格付等の債務者属性がより重視されています)。

(Ⅵ-9:繰上返済(・中途解約)率)

RMBSについては、所謂パススルー型やシーケンシ

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ャル型の償還方法が多い上、住宅ローンは、貸出期間

が典型的には 35 年と長いことから、繰上返済の発生状況次第で、証券化商品の償還時期に大きな影響が及

ぶため、レベルを高く設定しています。 一方、狭義 ABS の原資産となるリース債権・クレ

ジット債権等は、回収期間が比較的短い上、繰上返済

又は中途解約の発生の多寡が証券化商品の償還速度

に与える影響が限定的であること等を考慮し、RMBSに比べレベルは低くなると考えております。 また、CLO については、原資産(シンセティック型における参照債務を含む)の年限及び原資産の償還

状況が証券化商品の償還速度に与える影響は区々で

あると思われますが、信用リスクの評価においては重

要な判断要素となる場合もあること等を考慮し、レベ

ルを高めに設定しています。 レベルについては、硬直的に考えているものではな

く、適宜見直しがなされる可能性があること、現行の

レベル設定は、現在一般的に用いられている評価手法

を踏まえたものとなっているものの、それが唯一の手

法ではないこと、実際にそれぞれの類型の証券化商品

について信用リスク及びキャッシュフロー分析を行

えば同一情報項目のレベル感に差異があることは比

較的容易に理解できると思われることから、上記の趣

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旨を SIRPの脚注に記載することは適切ではないと考えます。また、償還スケジュールにおける「予想」と

「想定」についても、「ニュアンスの差」を表現する

ための言葉の使い分けであり、その意味は比較的自明

であると思われ、SIRP の脚注に記載することは、他の脚注とのバランスの観点からも適切ではないもの

と考えます。 87 RMBS 、 狭 義

ABS、CLO (意見)

SIRP(案)、の RMBS、狭義 ABS、CLOにおいて、「Ⅲ裏付資産にかかる情報」を発行時開示に加えて期中報告の

対象とすることを原則にすべき。 (理由) 期中において開示される情報は、発行時開示の情報のう

ち、パフォーマンス、回収状況等に限定されており、発行

時に開示した情報の一部(Ⅲ-4 裏付資産のプールの属性、等)は、期中報告で更新されないことを前提として作

成されている。発行・流通市場を同時に整備にすることは

証券化市場の健全な成長に資することから、投資家がプラ

イマリーで入手できる情報はセカンダリーでもアクセス

できる状況にすべきであり、発行時開示と期中報告とにあ

らかじめ差をつけるべきではないと考える。

「Ⅲ裏付資産にかかる情報」のうち、投資家におい

て期中開示が必要だと考えられる項目(Ⅲ-4~8)については、すべて「Ⅳ裏付資産の回収状況」に網羅さ

れているものと考えています。 ただし、ご指摘のように、「Ⅳ裏付資産の回収状況」

においては、「Ⅲ裏付資産にかかる情報」においてレ

ベルが「1」(多くの場合にほぼ必須と考えられる情

報項目)となっている情報項目のレベルが、「2」(有

益な情報であり多くの場合に提供され検討の対象と

なることが望ましい情報項目)又は「3」(有益な情

報ではあるが、「レベル2」よりは優先度が低いと考

えられる情報項目)となっています。これについては、

発行時と期中で大きくプールの性格が変わらない案

件も多いため、発行時情報を活用しても分析が可能で

はないかという考えによっています。狭義 ABS やCLO の補記欄にも「プールの構成が大きく変化する場合には、適宜、収集・伝達が望まれる」とあるよう

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に、案件の特性に応じて重要度が判断されるものと考

えます。 88 狭義 ABS 「狭義 ABS」の報告対象事項には、オリジネーターか

ら徴求することの困難なケースの想定される項目が多数

含まれています(特にⅠ~Ⅳ)。また、「Ⅰ-1 商品名」の「補記」欄に「信託受益権等について、名称の統一がなさ

れることが望ましい。」とされていることの意味合いが判

然としません。文意を明確にして下さい。

SIRPは、「情報の出し手として出せる情報」、「情報の取り手として必要な情報」に関する「共通の目線合

わせ」として作成されたものであり、協会員は必ずこ

れを用いなければならない訳ではありませんが、仮に

用いる場合についても、第4条第1号(及び第3号)

において「収集できない情報を除き、収集及び分析す

ること(収集及び必要に応じて分析すること)」と規

定されています。本自主規制規則は、必ずしも販売者

である協会員が証券化商品に関する情報の生産者で

はないことを踏まえ、実務上可能な範囲で、協会員が

「証券化商品取引の透明性向上」のために重要な役割

を果たすことを企図しています。 「信託受益権等について、名称の統一がなされるこ

とが望ましい」の意味は、以下のとおりです。 ・ 信託契約及び信託受益権には必ずしも固有の名

称が付されておらず、販売者、受託者、格付会社

が同一の信託受益権につき異なる名称(場合によ

っては契約番号等の記号・番号)を用いている事

例がみられており、投資家において、管理上、負

担となっているとの声が聞かれています。 ・ こうしたことを踏まえ、SIRP において、同一の信託受益権については各当事者が同一の名称

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を用いる慣行が定着することを希望する旨、示し

たものです。 89 CMBS 「CMBS」の報告対象事項において、「A-3-7 発行体支

払費用明細」とあるが、各業者への支払コストを敢えて開

示することに義務があるのか確認させて下さい。支払コス

トがいくらかという点は秘匿性の高い情報であり、非開示

との判断も尊重すべきではないでしょうか。

SIRPは、「情報の出し手として出せる情報」、「情報の取り手として必要な情報」に関する「共通の目線合

わせ」として作成されたものであり、協会員は必ずこ

れを用いてすべての情報項目を収集・伝達しなければ

ならない訳ではありません。さらに、CMBSの SIRPにおいては、ご指摘の情報項目「A-3-7 発行体支払費用明細」は「レベル2」(有益な情報であり多くの場

合に提供され、検討の対象となることが望ましい情報

項目)と位置付けられており、相対的な優先度は、「レ

ベル1」(多くの場合にほぼ必須と考えられる情報項

目)よりも低いものとなっています。 協会員が個々の情報項目を開示するか否かは、個々

の取引実態に即し、トレーサビリティ(追跡可能性)

の確保という趣旨に照らして、各協会員が判断するべ

きものと考えます。