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平成 29 年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 (概 要 版) 北海道開発局 開発連携推進課

平成29年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 ( …2.調査の内容 本調査における調査項目は、以下のとおりである。 ① 社会実験の実施

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平成 29 年度

北海道ドライブ観光促進方策検討調査

報 告 書

(概 要 版)

北海道開発局 開発連携推進課

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目 次

第1章 調査概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.調査の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

第2章 社会実験の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

1.平成 29 年度 北海道ドライブ観光促進社会実験 ・・・・・・・・・・・ 3

(1)実施概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(2)社会実験の流れ(時系列) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

(3)北海道ドライブ観光促進社会実験協議会 ・・・・・・・・・・・ 5

(4)アプリ「Drive Hokkaido!」について ・・・・・・・・・・・・ 7

2.社会実験の広報等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(1)広報用リーフレット等の配布 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(2)ウェブサイトでの情報発信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(3)Facebook での情報配信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(4)Instagram での情報配信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

(5)KOL 招聘 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

(6)ドライブ動画の制作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

第3章 アンケート・ヒアリング・モニター調査 ・・・・・・・・・・・・ 10

1.調査目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

2・調査概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

3.外国人ドライブ観光客アンケート調査 ・・・・・・・・・・・・・・・ 11

4.ブロガー・動画クリエーター・留学生モニター ・・・・・・・・・・・ 15

(1)調査対象者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

(2)主な意見等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

5.特典提供施設アンケート調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

6.取りまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

(1)北海道のドライブ観光 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

(2)地方部への誘客 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

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第4章 データ分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

1.分析の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

(1)分析の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

(2)分析の手法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

(3)留意事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

2.動態分析(インバウンド GPS データ) ・・・・・・・・・・・・・・・ 22

(1)北海道全域 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

(2)外国人ドライブ観光客の周遊傾向の分析 ・・・・・・・・・・・ 32

3.閲覧分析(アプリ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

(1)観光スポット(国・地域別) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

(2)観光スポット(国内・国外別) ・・・・・・・・・・・・・・・ 38

(3)クーポン情報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

4.閲覧分析(ウェブサイト) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41

(1)ウェブサイトの閲覧状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41

(2)ウェブサイト「DRIVE HOKKAIDO!」の閲覧ページ上位 25 の傾向・・ 42

5.閲覧分析(Facebook) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45

(1)分析対象期間及び分析の手法 ・・・・・・・・・・・・・・・ 45

(2)Facebook「Drive Hokkaido!」の閲覧傾向 ・・・・・・・・・・ 45

6.閲覧分析(Instagram) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46

7.総括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

(1)社会実験の効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

(2)今後の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48

第5章 今後のドライブ観光促進方策の検討 ・・・・・・・・・・・・・・ 49

1.社会実験の総括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49

2.今後のドライブ観光促進方策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49

3.地方誘客に向けたドライブ観光情報提供の方策 ・・・・・・・・・・・ 52

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第1章 調査概要

1.調査の目的

日本を訪れる外国人旅行者は平成 28 年に 2,404 万人となり、初めて 2,000 万人を超えた。政

府は「明日の日本を支える観光ビジョン-世界が訪れたくなる日本へ-」(平成 28 年 3 月)に

おいて観光を「成長戦略と地方創生の大きな柱」と位置づけており、訪日外国人旅行者を東京

オリンピック・パラリンピックが開催される 2020 年までに 4,000 万人、2030 年までに 6,000

万人に増やすことを目標に掲げている。訪日外国人旅行者のおよそ 1割が訪れる北海道が果た

すべき役割は大きく、北海道総合開発計画においても訪日外国人来道者の数値目標を「2020 年

度に 500 万人」に設定し、オール北海道で取組を進めているところである。

北海道におけるインバウンド観光は、夏季と冬季に入り込みが増え春季と秋季に入り込みが

減るといった季節的な偏在と、宿泊客(延べ数)の7割以上が道央圏に集中するといった地域

的な偏在を有する。この季節的・地域的な偏在が北海道の地方部における観光業の人材確保を

困難にしている。

季節によって変化に富む雄大な自然や生産活動の中で形成される農村景観、そこから生まれ

る豊かな食・・・。北海道の魅力的な観光資源は地方部にこそ多く存在し、それらを自由に移動し

ながら楽しめる「ドライブ観光」の促進は、北海道のインバウンド観光における課題の解決、

さらには数値目標の達成に向けて欠かすことのできない重要な取組といえる。平成 28 年度の外

国人へのレンタカー貸渡し台数は5年前と比較するとおよそ 10倍になっており、訪日外国人来

道者数よりも急激な伸びを示しているが、北海道における外国人のレンタカー観光の実態は十

分に把握できていないのが現状であり、今後の受入環境整備やプロモーション方策等を検討し

ていくためにも、データの収集・分析を進め実態を解明する必要がある。

本調査では、平成 28 年度に実施した「北海道ドライブ観光促進方策検討調査」に引き続き、

北海道において地域的、季節的に偏在している外国人観光客の旅行需要の平準化を図るため、

近年急増している外国人ドライブ観光客を閑散期に地方部へと誘導する取組(北海道ドライブ

観光促進社会実験)を通じて、これまで明らかにされてこなかった外国人ドライブ観光客の移

動経路や立ち寄りスポット等を可視化するとともに、今後のドライブ観光促進方策について検

討するものである。

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2.調査の内容

本調査における調査項目は、以下のとおりである。

① 社会実験の実施

i. 北海道ドライブ観光促進社会実験協議会の運営補助等

ii. 社会実験の企画、調整及び実施

iii. 社会実験のアンケート調査等の企画及び実施

② 社会実験の広報

i. 観光情報、特典提供施設情報の翻訳等

ii. 社会実験の広報計画の企画及び実施

iii. ウェブサイトの更新、改良及び運営

③ 社会実験に関するデータ分析、効果検証及び課題等の整理

i. 外国人ドライブ観光客及び社会実験関係者へのアンケート調査等の整理・分析

ii. 移動経路情報等の整理及び分析

iii. 社会実験の分析及び取りまとめ

④ 今後のドライブ観光促進方策の検討

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第2章 社会実験の実施

1. 平成 29 年度 北海道ドライブ観光促進社会実験

(1)実施概要

平成 28 年度に実施した社会実験の課題等を踏まえて、平成 29 年度の社会実験では、社会

実験の協働実施者である(株)ナビタイムジャパンが本社会実験に合わせて開発したスマー

トフォン用アプリケーション「Drive Hokkaido!」(以下「アプリ」という。)やウェブサイ

ト等を活用し、北海道、特に地方部の魅力的な観光資源や入場料割引等の特典を提供する施

設等(博物館、宿泊施設、自然体験施設、飲食施設、道の駅等。以下「特典提供施設」とい

う。)の情報を効果的に配信して各地への立ち寄りを促すとともに、外国人レンタカー利用

者の立ち寄りスポットや移動経路等を明らかにし、その検証結果を今後の観光施策推進に役

立てることを目的に実施した。

社会実験の概要は図 2-1 のとおりだが、平成 28年度の社会実験から、実施期間を1か月

延長した3か月間(9月1日~11月 30 日)に、実施地域をひがし北海道から北海道全域

(札幌市を除く)に、特典施設を 124 施設から 249 施設に拡大して実施している。

図 2-1 平成 29 年度 社会実験の概要

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(2)社会実験の流れ(時系列)

平成 29 年度社会実験に係る準備・運営等の流れを表 2-1 に示す。

表 2-1 平成 29 年度 社会実験の流れ(時系列)

実施

年月

実施項目 実 施 内 容

アプリ 特典施設 調査

H29.1 ○ 「社会実験協働実施者(パートナー)」の募集開始(~2月)

(パートナー・提供アプリの主な要件)

・英語でアプリを提供していること(他の言語は別途調整)

・観光資源や施設の位置をアプリ上で地図表示できること

・各種特典をアプリ上で表示できること

・位置情報の提供に同意したアプリ利用者の各種データ(国籍、立ち寄

りスポット、移動経路等)について、収集可能なこと

・アプリの開発・改良、データ収集・提供にかかる費用はパートナーが

負担すること

2 ○ 「社会実験協働実施者(パートナー)」として(株)ナビタイムジャパン

を選定、アプリ制作に向けた調整を開始

○ 特典提供施設の募集開始

5 ○ 特典提供施設の募集終了、参加施設の選定

○ 調査(社会実験の企画・準備)開始

社会実験予告広報開始(広報用リーフレット【予告版】の配布等)

6 ○ 第1回北海道ドライブ観光促進社会実験協議会開催

7 ○ (株)ナビタイムジャパンがアプリ英語版をリリース

○ 社会実験本格広報開始(広報用リーフレット【告知版】の配布、ウェブサ

イト・Instagram による情報配信開始等)

8 ○ (株)ナビタイムジャパンがアプリ繁体字版をリリース

○ 第2回北海道ドライブ観光促進社会実験協議会開催

Facebook による情報配信開始

9~11 ○ ○ ○ 北海道ドライブ観光促進社会実験実施

○ 外国人ドライブ観光客アンケート調査実施

12 ○ 第3回北海道ドライブ観光促進社会実験協議会開催

特典提供施設アンケート調査実施

H30.3 ○ 第4回北海道ドライブ観光促進社会実験協議会開催

調査結果取りまとめ

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(3)北海道ドライブ観光促進社会実験協議会

調査の実施に当たり、「北海道ドライブ観光促進社会実験協議会」を平成 29 年6月、8

月、12 月、平成 30年3月の計4回開催し、社会実験の実施概要や広報計画、データ分析手

法などについて意見を聴取して、調査手法に反映した。

当協議会の開催内容は表 2-2、構成員は表 2-3 のとおりである。

表 2-2 北海道ドライブ観光促進社会実験協議会 議事

開催日時 主な議題

第1回 平成 29 年6月 30 日(金)

(1)社会実験の実施概要(案)について

(2)広報計画(案)について

第2回 平成 29 年8月 22 日(火)

(1)社会実験の実施概要について

(2)社会実験の広報について

(3)外国人ドライブ観光客のデータ分析について

第3回 平成 29 年 12 月 15 日(金)

(1)社会実験の実施状況について

(2)社会実験結果の分析(案)について

第4回 平成 30 年3月9日(金)

(1)社会実験の分析結果について

(2)アプリ等の今後の運用について

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表 2-3 北海道ドライブ観光促進社会実験協議会 構成員名簿(敬称略)

所属・役職 氏名

北海道開発局 開発監理部 開発連携推進課 課長 小林 幹男

北海道開発局 建設部 道路計画課 道路企画官 村上 睦

北海道運輸局 観光部 次長 安田 稔幸

北海道 経済部 観光局 参事 磯部 政志

北海道 環境生活部 くらし安全局 道民生活課 課長 中野 稔之

札幌エアラインズアソシエーション 事務局 川端 卓磨

(一社)札幌地区レンタカー協会

新千歳空港レンタカー協議会 事務局長

近藤 昌俊(~第2回)

袴田 悟(第3回~)

(一社)シーニックバイウェイ支援センター 代表理事 原 文宏

(一社)全国旅行業協会 北海道支部 事務局長 境田 敏博

(一社)日本自動車連盟 北海道本部 会員部長 佐藤 文雄

(一社)日本旅館協会 北海道支部連合会 専務理事 三浦 啓一

(一社)日本旅行業協会 北海道支部 事務局長 高澤 秀司

東日本高速道路(株)北海道支社 総合企画課 課長 中込 博之

東日本高速道路(株)北海道支社 料金企画課 課長 (~第2回)舘岡 章浩

(第3回~)白石 仁

ひがし北海道観光事業開発協議会 事務局長 野竹 鉄蔵

(公社)北海道観光振興機構 広域観光周遊ルート支援 G 部長 渡邊 敏克

(第 1回)北海道空港(株)情報開発室

(第 2回~)新千歳空港ターミナルビルディング(株)

情報システム部

室長

取締役部長

大岡 一成

北海道経済連合会 地域政策グループ 部長 関口 陽一

(一社)北海道商工会議所連合会 業務推進部 部長 富永 忍

北海道地区「道の駅」連絡会 事務局長 並松 由克

北海道地区レンタカー協会連合会 会長 佐藤 譲

きた北海道広域観光周遊ルート推進協議会 交通対策部

会長 中場 直見

北海道商工会連合会 特別推進局 参事 多地 賢博

(株)ナビタイムジャパン インバウンド事業部 事業責任者 藤澤 政志

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(4)アプリ「Drive Hokkaido! 」について

アプリによる情報配信及びデータの収集等については民間企業等に委ねることとし、社会

実験の「協働事業者(パートナー)」と位置づけて公募を実施した。応募があった企業等が

提供できるアプリの仕様や社会実験への適応性等を総合的に評価した結果、「(株)ナビタイ

ムジャパン」をパートナーに選定した。

パートナーの選定後、(株)ナビタイムジャパンはアプリの開発に着手し、オフラインで

も一定程度の動作が可能で、観光資源や特典提供施設等の情報のほかドライブにお勧めする

景観の綺麗なルート「PANORAMIC DRIVING ROUTE」等を配信する「DRIVE HOKKAIDO!」の英語

版が7月、中国語(繁体字)版が8月にリリースされた。

① アプリ概要

アプリ名称 :Drive Hokkaido!

主なターゲット :外国人ドライブ観光客

対応言語 :英語・中国語(繁体字)

対象機種 :iPhone・Android

利用料金 :無料

② 提供機能

アプリで提供する主な機能は表 2-4 のとおりである。

表 2-4 アプリの主な提供機能

機能名 内 容

エリアガイド 9総合振興局と5振興局を基準に観光資源を 13 エリア(※)に区分し、

各エリアの観光資源及び「PANORAMIC DRIVING ROUTE」を紹介。

※道南圏のみ「渡島・檜山」を同一エリアに設定。

周辺検索

レンタカーでの移動で必要となる様々な施設を現在地周辺から探すこと

が可能。検索が可能な施設は以下の 5ジャンル。

・特典提供施設(クーポン検索)

・観光資源

・ガソリンスタンド

・道の駅

・コンビニエンスストア

お気に入り アプリ内で表示した観光資源や施設を保存し閲覧することが可能。

天候等情報 気象庁が提供する天候情報及び北海道が提供する災害情報を掲載。

道路情報 北海道開発局及び日本道路交通情報センター(JARTIC)が提供する道路

情報を提供。

Hokkaido

Expressway

Pass

NEXCO 東日本が提供する北海道の訪日外国人向け高速道路定額サービス

「Hokkaido Expressway Pass」の紹介。

Travel Tips レンタカーの移動で重要となる「MAPCODE」※の使い方や安全運転に関す

る情報などを提供。 ※「MAP CODE」は(株)デンソーの登録商標

Information 通行止め情報や積雪に関する注意などのお知らせを配信。

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2.社会実験の広報等

(1)広報用リーフレット等の配布

外国人観光客への社会実験の告知を行うため、アプリの紹介と北海道ドライブ観光に活用でき

る情報を盛り込んだ広報用リーフレットを英語と中国語(繁体字)で制作し、7月以降、各所で

合計2万部弱を配布した

リーフレットは A3 二つ折り仕様で、表面と裏面に社会実験概要やアプリの画面イメージ、ダ

ウンロード用 QR コードを掲載してアプリのダウンロード促進を図った。内面は北海道地図上に

「PANORAMIC DRIVING ROUTE」(景観の綺麗なルート)を表示するとともに、ルートの写真を掲載

して、北海道ドライブの魅力を伝える工夫を施した。

(2)ウェブサイトでの情報配信

平成 28 年度の社会実験では、ウェブサイトを日本語及び英語で制作したが、本年度の社会実

験では、中国語(繁体字)を加えた 3か国語で制作した。観光資源はカテゴリ(景観、体験、文

化、イベント、食)及び季節で、クーポンは種別(観光文化、宿泊・入浴、飲食、物販、体験、

道の駅)で検索できる仕様とし、また、道路・気象情報の入手先、日本の交通ルール、冬道ドラ

イブの留意点などの北海道ドライブに役立つ情報や緊急時の対応マニュアル等も掲載して、観光

情報を伝えるだけではなく、安心してドライブしてもらう観点を付加したサイト構成とした。

(3)Facebook での情報配信 世界中で利用されている SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のうち、投稿の

しやすさ・届きやすさ、利用者率の高さ、利用者(以下「ユーザー」という。)同士の繋がり

の度合いなどを勘案し、平成28年度の社会実験に引き続きFacebookを活用することとした。

Facebook による情報配信によって北海道観光への意識醸成を図るとともに、多くのユーザ

ーをウェブサイトやアプリへ送客することを目的に、タイムリーな情報提供で各投稿に対す

る「いいね」、「コメント」、「シェア」などのアクションを誘導して、リーチ(投稿を閲覧した

総人数)の拡大を目指した。

平成 29 年 11 月末日時点で 57本の投稿を行った結果、29,734 人のフォロワーを獲得し、

北海道観光への意識醸成を引き続き図るため、社会実験終了後においても継続的な投稿を行

った。

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(4)Instagram での情報配信

Instagram は他の SNS と比べて写真に特化した「共感型メディア」であるため、感性に訴えか

けるクリエイティブ性を重視した情報配信ができるという特徴を持つ。そのため、「ドライブし

たい」と感じさせる「景観の良い道路(PANORAMIC DRIVING ROUTE)」や「北海道でしか見られな

い観光資源」をビジュアル面から訴求することにより北海道ドライブ観光の意識醸成を図り、ま

た、他の情報取得を目的とするユーザーをウェブサイトへ送客して、社会実験の認知拡大を図っ

た。

なお、平成 29 年 11 月末日時点で 44 本の投稿を行った結果 1,583 人のフォロワーを獲得した

ほか、投稿写真に対して合計 20,371 人から「いいね」を獲得した。引き続き北海道観光への意

識醸成を図るため、社会実験終了後においても継続的な投稿を行った。

(5)KOL 招聘

北海道ドライブ観光の魅力発信とアプリのダウンロード促進を目的に、台湾の KOL(Key

Opinion Leader)を招聘して、自身のブログや Facebook でアプリを利用しながら北海道をドラ

イブ観光した体験を紹介した。

平成 29 年 11 月末日時点で、ブログは「いいね」が 2,379 人、また、Facebook 記事は「いい

ね」が延べ 3,482 回、84 シェアであった。

(6)ドライブ動画の制作

パノラマに広がる風景や走りごたえのあるワインディングロードなど、北海道でのドライブは

旅行者にとって特別な体験になる。広報活動の一環として、北海道の雄大なドライブ風景を躍動

感ある動画で具体的に伝えることで、地方へ足を延ばす動機付けとなるよう、景観の良い道路を

走行する動画を制作した。

撮影はスピード感を演出するタイムラプス(躍動感のある映像となる特徴を持つ静止画を繋ぎ

合わせた動画)の手法を得意とするフランス人クリエイターを招聘して行い、制作した動画は自

身が主催する観光サイト「TOKYO STREET VIEW」や本社会実験ウェブサイトにて配信すること

で、社会実験及びアプリの認知度向上を図った。また、外国人ドライブ観光客がレンタカーのカ

ーナビを操作する補助情報として、@MAPCODE※を用いた目的地設定の方法を説明する動画も制作

した。なお、平成 29 年 11 月末日時点で動画の総再生回数は 5,916 回であった。

※「MAPCODE」は(株)デンソーの登録商標

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第3章 アンケート・ヒアリング・モニター調査

1. 調査目的

社会実験の実施に際し、外国人の北海道ドライブ観光や社会実験への満足度、今後の北海道ド

ライブ観光の発展可能性等を把握して受入環境整備等の参考とするため、アンケート・ヒアリン

グ・モニター調査を実施した。

2. 調査概要

それぞれの調査対象及び手法は表 3-1 に示すとおりである。

表 3-1 調査対象・手法

調査対象 調査手法

① 外国人ドライブ観光客 アンケートはがき 又は

ウェブアンケート

② ブロガー(台湾) 自由記述式アンケート

③ 動画クリエイター(フランス) 対面ヒアリング

④ 留学生モニター(台湾・マレーシア) 対面ヒアリング 及び

自由記述式アンケート

⑤ 特典提供施設 ウェブアンケート 又は

FAX

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3. 外国人ドライブ観光客アンケート調査

北海道ドライブ観光における外国人観光客の受け入れに際する課題や観光客の満足度等を把

握するため、レンタカーを利用する外国人観光客に対してアンケート調査を実施した。

なお、アンケートは平成 28 年度社会実験の課題を踏まえて、外国人観光客と対応するレンタ

カー店舗の負担とならないよう、レンタカー貸出時等に調査票を配布し郵送で回収する方法を採

用した。

<アンケート結果>

Q. 運転手の国籍を教えてください(SA、n=109)

運転手の国籍は「香港」が最も多く 33.9%、次いで「台湾」が 27.5%であり、両者で全

体の約6割を占める。また、それらに「シンガポール」「マレーシア」を加えた上位4か

国・地域で約8割を占める。

「その他」の内訳は、「中国」が2名、「アメリカ」「インド」「ニュージーランド」「オー

ストラリア」「イギリス」「国籍の回答なし」が各1名であった。

図 3-1 運転手の国籍(SA, n=109)

Q. 自国以外でドライブ旅行の経験はありますか(MA、n=109)

約7割は自国以外のいずれかの地域でドライブ旅行の経験があり、うち 47.7%は「アジ

ア」、26.6%は「北米」、21.1%は「欧州」で経験があると回答した。

「なし」と回答した、海外でのドライブ旅行を北海道で初めて経験する外国人観光客は

30.3%であった。

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図 3-2 海外でのドライブ旅行の経験(MA, n=109)

Q. 今回の旅行でレンタカーを利用した主な理由は何ですか(MA、n=109)

64.2%が「景観を楽しむため」、45.0%が「公共交通で行きにくい場所が多いため」と回

答しており、北海道の地方部を自由に移動して観光地を巡るにはレンタカーが便利であると

いう認識が広まってきていると考えられる。

「その他」の自由記述には「自分のペースで散策できる」「フレキシブル」の回答が寄せ

られた。

図 3-3 レンタカーを利用した理由(MA, n=109)

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Q. 「Drive Hokkaido!」アプリを使って立ち寄った施設はありますか?(SA、n=86)

「アプリをダウンロードしなかった」(23 人)を除くと、約7割がアプリを使って立ち寄

った施設が「ある」と回答した。そのうち「11 箇所以上の立ち寄り」が 23.3%であり、ア

プリでの情報提供が景勝地や観光施設等への立ち寄りを促した可能性がある。

図 3-4 「Drive Hokkaido!」アプリを使って立ち寄った施設数(SA, n=86)

Q. 今回の旅行における下記項目の満足度を教えてください(各 5 段階評価)

(SA、n=103~107)

4つの項目すべてで「満足」「やや満足」を合わせた割合が6割を超え、特に「道路沿線

の景観」については9割を占めた。

「道の駅、パーキングエリア等ドライブ中の休憩の取りやすさ」では、「やや不満足」の

占める割合が他と比べてやや高かった。

図 3-5 今回の旅行の満足度(SA, n=103~107)

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Q. 今後また北海道をドライブ観光してみたいですか(SA、n=109)

99.1%と、ほぼ全員が「また北海道をドライブしたい」と回答した。

北海道ドライブ観光の再訪希望は非常に高いといえる。

図 3-6 ドライブ観光での再訪問意向(SA, n=109)

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4.ブロガー・動画クリエーター・留学生モニター

外国人の北海道ドライブ観光や社会実験への満足度、今後の北海道ドライブ観光の発展可能性

等を把握して受入環境整備等の参考とするため、ブロガー、動画クリエーター及び留学生に対し

てヒアリング・モニター調査を実施した。

(1)調査対象者

表 3-2 調査対象者

調査対象者 旅行内容

ブロガー(台湾) アプリ「Drive Hokkaido!」を利用しながら主に十勝・道東方面を3泊

4日の旅程でドライブし、自身のブログ及び Facebook にて情報発信。

動画クリエイター

(フランス)

道北、道東方面を7泊8日でドライブ動画撮影のために旅行。

留学生(台湾・マ

レーシア)

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院観光創造専攻の留学生の

協力のもと、北海道ドライブ観光について3組のモニターによる調査を

実施。

(2)主な意見等

・北海道の広大な風景や四季には訴求力がある

・レンタカーは利便性・自由度や金銭面で他の交通機関より優位性が高い

・景観スポットを訪問するためには MAP CODE が便利

・日没情報や野生動物との遭遇など、実際にドライブしたからこそ必要と感じた情報があった

・案内看板や道路標識、信号が分かりにくい

・観光案内の看板が少なく、また看板があっても多言語表記が少ない

・「道の駅」には訴求力があるものも、外国人にはその特徴が十分に伝わっていない

・左側通行などに不安を覚える観光客もいるが、実際に運転するとそれほど問題はない

・安心してドライブできる環境があることを発信していくことも重要

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5. 特典提供施設アンケート調査

今後の外国人ドライブ観光客受け入れ環境整備の充実や、北海道ドライブ観光の促進へ向けた

施策を検討するため、社会実験期間中に特典提供を行った全 249 施設の担当者 200 名に対して、

社会実験終了後にウェブ又は FAX によるアンケート調査を実施した。

<アンケート結果>

Q. 社会実験に参加しようと考えた理由をお教え下さい(MA、n=187)

北海道のインバウンド観光の課題である「地方部に外国人観光客が増えれば良いと考え

たため」が 42.8%であった。

「閑散期に外国人観光客が増えれば良いと考えたため」は 13.9%、「アプリ等で海外に向

けて情報発信してもらえるため」は 12.8%であった。

図 3-7 社会実験に参加した理由(MA, n=187)

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17

Q. 本社会実験で外国人の特典利用はありましたか(SA、n=186)

特典利用が「あった」と回答したのは、参加施設全体の 25.8%であった。

図 3-8 外国人の特典利用の有無(SA, n=186)

Q. (特典利用が「あった」と回答した施設に対して)大まかで構いませんので利用数をご

記入下さい(SA、n=48)

特典利用が1回以上あった施設は 48 施設であった。

上位2施設はロープウェイで、それぞれ約 100 件特典が利用された。

特典内容の種別で見ると、入場料・利用料が割引となる特典の利用数が多い。

図 3-9 特典利用件数 (合計:602 件)

13

5 5

2

6

1 1

4

1

3

1 1 1 1 1 1 1

0

5

10

15

1 2 3 4 5 6 7 10 12 20 22 26 29 60 70 95 100

数␟

設␠

特典(クーポン)利用数(件)

大雪山層雲峡黒岳ロープウェイ

有珠山ロープウェイ

アイヌ民族博物館

三井アウトレットパーク北広島

豚丼くまうし北海道アイスパビリオン

釧路和商市場ホテル大雪観月苑

金森赤レンガ倉庫

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18

6. 取りまとめ

(1)北海道のドライブ観光

・ 北海道の広大な風景や四季には訴求力があり、レンタカーによるドライブ観光は利便性

や金銭面で、他の移動手段を利用するより優位性が高い。

・ 観光案内の看板が少なく、また看板があっても他言語表記が少ない。

・ 道路標識、信号が分かりにくい。

・ 左側通行などに不安を覚える観光客もいるが、実際に運転するとそれほど問題はない。

北海道は安全にドライブを楽しめる環境であることを発信していくことも重要。

・ 「道の駅」における地域の特産品やローカルフードの提供は外国人にとって非常に魅力

的な観光資源になり得るにも関わらず、「道の駅」がどのような施設なのか外国人に十分

に伝わっていない。

・ 地域の情報提供の拠点として「道の駅」の認知度を向上させ、外国人ドライブ観光客の

誘客を増やすことで、地域への立ち寄りをより促進させる可能性がある。

・ 外国人から周辺の観光情報等を求められるものの外国語での対応に苦慮している特典提

供施設も少なくない。現地での対応強化が必要であるとともに、これをサポートするよう

なアプリやウェブサイトの機能構築などの検討も必要である。

(2)地方部への誘客

・ アンケート結果から、ドライブ中に必要な情報として観光地・飲食店・宿泊施設と回答

した者が多かった。また、来日後に宿泊先を手配する外国人ドライブ観光客がいることを

うかがえた。

・ 社会実験において積極的な情報発信を実施したことで、一定の誘客効果・経済効果があ

ったと推測される。

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19

第4章 データ分析

1.分析の概要

(1)分析の目的

北海道ドライブ観光促進社会実験を通じて外国人ドライブ観光客の動態や北海道のドライブに

必要とされている情報を把握することで、外国人への訴求効果が高い観光資源を発掘するととも

に、移動経路や観光地の周遊パターンなどの傾向を把握し、次年度以降の観光施策や地域間・季

節間の旅行需要の平準化・活性化等に関する示唆を得ることを目的とする。

(2)分析の手法

本分析では、(株)ナビタイムジャパンが提供するアプリ『Drive Hokkaido!』を用い、利用規

約・プライバシーポリシーへの同意を得られた利用者から、社会実験期間中に取得した利用者属

性(「国・地域」及び「来道回数」)、移動実績(GPS)及び閲覧履歴を統計化・匿名処理し、動態

分析及び閲覧分析を実施した。併せて社会実験のために開設したウェブサイト、Facebook 及び

Instagram の閲覧分析を行った。

図 4-1 アプリ初回起動時のイメージ

① アプリ利用者の動態分析

初回起動後、アプリ利用者の GPS データを2分間に1回の頻度で取得し、携帯端末に蓄積し

た後、一定のタイミングでサーバへ送信し、統計化・匿名処理を施した上で動態分析を行っ

た。

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図 4-2 アプリ利用者の動態分析イメージ

② アプリ利用者の閲覧分析

アプリ利用者のアプリ閲覧履歴を携帯端末に蓄積した後、一定のタイミングでサーバへ送信

し、統計化・匿名処理を施した上で閲覧分析を行った。

図 4-3 アプリ利用者の閲覧分析イメージ

③ ウェブサイト、Facebook 及び Instagram の閲覧分析

北海道に興味を持っている外国人や来道中の外国人ドライブ観光客の興味・関心が高い観光

資源やドライブに必要とされている情報などを把握するため、社会実験において開設したウェ

ブサイト、Facebook 及び Instagram の閲覧状況の分析を行った。

(3)留意事項

○ GPS データはアプリユーザーの同意を得て取得している。

○ 外国人ドライブ観光客の GPS データを全て測位できるものではない。

・ 「Drive Hokkaido!」アプリでは、携帯端末がオフライン、スリープ状態でも GPS デ

ータを取得できるが、位置情報の利用を許可しない限りデータを取得できない。また、

携帯端末の位置情報の利用を許可しない限りデータを取得できない。また、携帯端末の

位置情報の利用を許可していても、地下街やトンネルなど GPS 電波が届かない場所では

GPS データは取得できない。従って、分析結果は測位された GPS データに基づき判定し

たものである。

Page 25: 平成29年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 ( …2.調査の内容 本調査における調査項目は、以下のとおりである。 ① 社会実験の実施

21

○ 全ての GPS データを外国人ドライブ観光客のデータとみなす。

○ 取得した GPS データには外国人ビジネス客・日本在住外国人等観光客以外のデータやレン

タカー以外の交通機関を利用する外国人観光客のデータが含まれていることが想定される

が、レンタカーを利用する外国人ドライブ観光客以外のデータを完全に取り除くことは不可

能なため、取得した全ての GPS データを外国人ドライブ観光客のデータとみなして分析して

いる。

○ 取得した GPS データは、通信環境や携帯端末により数十m程度の誤差が生じていることが

ある。

○ 匿名処理を施している。

○ GPS データの分析では、匿名処理の関係により(一部のデータを除き)サンプル数(n)が

3 人以上のデータのみを表示しているものがある。

○ 以下に掲げるデータは除外している。

・ アプリ初回起動時アンケートで、国・地域を「日本」と回答したアプリ利用者のデータ

・ 北海道での滞在期間が 31 日以上となるアプリ利用者の GPS データ

・ 航空機利用と想定される「時速 400km 以上」の GPS データ

○ 各種比率の集計に当たっては、少数第 2位を四捨五入しているため、合計が合わない場合

がある。

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2.動態分析(インバウンド GPS データ)

(1)北海道全域 ① GPS データの測位状況

図 4-4 に社会実験期間中に測位された GPS データを示す。

稚内市や礼文島といった道北地域、知床や根室市といった道東地域などの地方部でもデー

タが測位されており、北海道のほぼ全域において外国人観光客がドライブしている状況がみ

られた。

図 4-4 GPS 測位データ取得状況

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(ⅰ)測位者数・滞在者数

社会実験期間中に測位された GPS データは合計 1,211 サンプルで、国・地域別にみると

香港が最も多く 22.7%、次いでシンガポール(18.2%)、台湾(14.3%)、マレーシア

(13.4%)、韓国(9.6%)、タイ(7.3%)となっている。上位6か国・地域までがアジア

からの旅客となり、全体の約8割を占めた。また、欧州豪ではオーストラリアが最も多

く、4.5%であった。

表 4-1 国・地域別 測位者数・滞在者数

順 国・地域 測位者数 滞在者数

UU 数 割合 UU 数 割合

1 香港 275 22.7% 242 23.1%

2 シンガポール 220 18.2% 197 18.8%

3 台湾 173 14.3% 144 13.7%

4 マレーシア 162 13.4% 131 12.5%

5 韓国 116 9.6% 107 10.2%

6 タイ 89 7.3% 79 7.5%

7 オーストラリア 55 4.5% 47 4.5%

8 中国 31 2.6% 25 2.4%

9 カナダ 22 1.8% 17 1.6%

10 米国 21 1.7% 17 1.6%

11 ドイツ 5 0.4% 5 0.5%

11 英国 5 0.4% 5 0.5%

13 フランス 5 0.4% 4 0.4%

14 スペイン 3 0.2% 3 0.3%

15 その他 4 - 3 -

16 不明 25 - 23 -

計 1,211 100.0% 1,049 100.0%

(ⅱ)国・地域別の来道回数

中国を除くいずれの国・地域も「なし」が最も多く、全 UU 平均で 35.3%を占めている。

北海道経済部観光局が北海道を訪れた外国人観光客に行ったアンケート調査によると、

北海道への旅行を「初めて」と回答した者の割合が 68.0%となっており、リピーター化が

進むとレンタカーを利用して観光する傾向が強くなることがうかがえた。

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表 4-2 国・地域別測位者数(来道回数別)

なし 1 回 2 回 3 回 4 回 5 回 6-9 回 10-19

20 回

以上 計

香港 64 57 61 29 21 5 26 8 4 275

シンガポール 104 62 37 10 3 1 2 0 1 220

台湾 35 46 32 23 6 7 17 5 2 173

マレーシア 85 53 8 5 2 2 4 1 2 162

韓国 39 33 10 12 8 2 6 4 2 116

タイ 30 26 16 9 1 1 3 3 0 89

オーストラリア 27 9 7 3 1 1 4 0 3 55

中国 4 10 5 1 1 2 1 3 4 31

カナダ 9 10 1 1 0 0 1 0 0 22

米国 8 6 3 0 0 0 0 3 1 21

英国 4 0 1 0 0 0 0 0 0 5

ドイツ 3 2 0 0 0 0 0 0 0 5

フランス 3 2 0 0 0 0 0 0 0 5

スペイン 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3

その他 3 0 0 0 0 1 0 0 0 4

不明 7 9 2 2 1 0 1 2 1 25

計 428 325 183 95 44 22 65 29 20 1,211

表 4-3 国・地域別測位者割合(来道回数別)

なし 1 回 2 回 3 回 4 回 5 回 6-9

10-19

20 回

以上

香港 23.3% 20.7% 22.2% 10.5% 7.6% 1.8% 9.5% 2.9% 1.5%

シンガポール 47.3% 28.2% 16.8% 4.5% 1.4% 0.5% 0.9% 0.0% 0.5%

台湾 20.2% 26.6% 18.5% 13.3% 3.5% 4.0% 9.8% 2.9% 1.2%

マレーシア 52.5% 32.7% 4.9% 3.1% 1.2% 1.2% 2.5% 0.6% 1.2%

韓国 33.6% 28.4% 8.6% 10.3% 6.9% 1.7% 5.2% 3.4% 1.7%

タイ 33.7% 29.2% 18.0% 10.1% 1.1% 1.1% 3.4% 3.4% 0.0%

オーストラリア 49.1% 16.4% 12.7% 5.5% 1.8% 1.8% 7.3% 0.0% 5.5%

中国 12.9% 32.3% 16.1% 3.2% 3.2% 6.5% 3.2% 9.7% 12.9%

カナダ 40.9% 45.5% 4.5% 4.5% 0.0% 0.0% 4.5% 0.0% 0.0%

米国 38.1% 28.6% 14.3% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 14.3% 4.8%

英国 80.0% 0.0% 20.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

ドイツ 60.0% 40.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

フランス 60.0% 40.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

スペイン 100.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

その他 75.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 25.0% 0.0% 0.0% 0.0%

不明 28.0% 36.0% 8.0% 8.0% 4.0% 0.0% 4.0% 8.0% 4.0%

計 35.3% 26.8% 15.1% 7.8% 3.6% 1.8% 5.4% 2.4% 1.7%

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出典:北海道経済部観光局「観光客動態・満足度調査(平成 28 年度)」

※公共交通機関等で移動する外国人観光客も含んだ調査である。

② 測位・滞在の状況

(ⅰ)測位の状況

北海道全域でデータ測位を確認できた中で、特に多かったのは札幌市・千歳市から小樽

市、登別温泉・洞爺湖、旭川市に至るルート沿線と、旭川市から美瑛・富良野エリアに至

るルート沿線であった。道東地域での測位はやや減少するものの、層雲峡から網走市・知

床に至るルート沿線、帯広市から釧路市街地、阿寒・摩周地域を経由し知床に至るルート

沿線で比較的多い測位を確認した。

市町村別測位者数を全測位者数(1,211UU)で除した「測位率」を算出すると、札幌市

から旭川市、小樽市から洞爺湖に至るルート沿線の市町村が上位を占めるほか、旭川市か

ら美瑛・富良野エリアに至る市町村も高い測位率を示している。

表 4-4 市町村別測位率(上位 20位)

順 市町村名 測位者数 測位率 順 市町村名 測位者数 測位率

1 札幌市 788 65.1% 11 富良野市 343 28.3%

2 千歳市 692 57.1% 12 中富良野町 313 25.8%

3 小樽市 450 37.2% 13 伊達市 305 25.2%

4 北広島市 439 36.3% 14 上富良野町 304 25.1%

5 恵庭市 431 35.6% 15 白老町 300 24.8%

6 旭川市 427 35.3% 16 岩見沢市 287 23.7%

7 美瑛町 378 31.2% 17 江別市 283 23.4%

8 苫小牧市 370 30.6% 18 函館市 274 22.6%

9 登別市 361 29.8% 19 三笠市 266 22.0%

10 洞爺湖町 357 29.5% 20 壮瞥町 248 20.5%

※ 測位者数は上位 20 位以内だが、滞在率上位 20 位に入っていない市町村

68.0% 17.9% 8.5%

1.2% 4.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

初めて 2回目 3回目 4回目 5回以上

図 4-5 (参考)北海道への旅行回数

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図 4-6 10km メッシュ測位者(北海道全域)

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(ⅱ)滞在の状況

滞在地をみると、札幌市と千歳市のほか、小樽市や登別温泉、洞爺湖といった道央圏の

主要観光地で特に多く、函館市や旭川市でも多くの滞在を確認できた。上川地域では旭川

市や層雲峡から美瑛・富良野エリア、道東地域では網走市や知床、阿寒・摩周エリア、釧

路市、帯広市など滞在地が点在している。また、旭川市・網走市より北で滞在を確認でき

たのは紋別市、稚内市及び利尻町のみであった。

市町村別の滞在者数を測位者数で除した「滞在率」を算出すると、函館市、帯広市、小

樽市、札幌市で 80%を超える高い割合を示した。上川地域の市町村のほか、斜里町、釧路

市、弟子屈町といった道東地域の市町村も上位にあがっている。

表 4-5 市町村別滞在率(上位 20位)

順 市町村名 滞在者数 滞在率 順 市町村名 滞在者数 滞在率

1 函館市 231 84.3% 11 弟子屈町 64 66.0%

2 帯広市 94 81.7% 12 東川町 65 62.5%

3 小樽市 366 81.3% 13 旭川市 255 59.7%

4 札幌市 640 81.2% 14 美瑛町 220 58.2%

5 斜里町 71 78.0% 15 千歳市 366 52.9%

6 釧路市 115 74.7% 16 ニセコ町 58 52.7%

7 上川町 162 71.1% 17 洞爺湖町 187 52.4%

8 登別市 250 69.3% 18 中富良野町 161 51.4%

9 網走市 69 67.6% 19 壮瞥町 113 45.6%

10 富良野市 230 67.1% 20 余市町 63 44.7%

※ 滞在率は上位 20 位以内だが、測位者数上位 20 位に入っていない市町村

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図 4-7 10km メッシュ滞在者(北海道全域)

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③ 国・地域別の周遊実態

測位されたデータが多い香港、シンガポール、台湾、マレーシア、韓国及びタイにおける

周遊実態について表 4-7 のとおり整理した。なお、全 UUにおける宿泊データの概要は表 4-6

のとおりである。

表 4-6 全宿泊地データの概要

宿泊データ取得ユーザー数 943UU

宿泊延べ日数 4,554 延べ日(データ未測位日を含む)

宿泊データ取得延べ日数 3,583 延べ日(取得率 78.7%)

平均旅行日数 5.83 日/UU(4,554 延べ宿泊日数/943UU+1 日)

主な市町村の宿泊割合

(市町村別宿泊延べ日数/全宿泊

データ取得延べ日数)

・札幌市:1,170 延べ日/3,583 延べ日=32.7%

・函館市: 297 延べ日/3,583 延べ日=8.3%

・小樽市: 242 延べ日/3,583 延べ日=6.8%

・旭川市: 231 延べ日/3,583 延べ日=6.4%

・釧路市: 121 延べ日/3,583 延べ日=3.4%

・帯広市: 55 延べ日/3,583 延べ日=1.5%

・網走市: 77 延べ日/3,583 延べ日=2.1%

・稚内市: 24 延べ日/3,583 延べ日=0.7%

・千歳市: 100 延べ日/3,583 延べ日=2.8%

・富良野市:142 延べ日/3,583 延べ日=4.0%

・登別市: 137 延べ日/3,583 延べ日=3.8%

・上川町: 108 延べ日/3,583 延べ日=3.0%

・美瑛町: 62 延べ日/3,583 延べ日=1.7%

・斜里町: 75 延べ日/3,583 延べ日=2.1%

・洞爺湖町: 92 延べ日/3,583 延べ日=2.6%

・弟子屈町: 29 延べ日/3,583 延べ日=0.8%

※本社会実験では、21 時~翌3時の間に GPS データが測位された最後の市町村を「宿泊」

とみなしている。

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表 4-7 国・地域別周遊実態

順 国・地域 概要

1 香港 ・平均旅行日数は 5.39 日/UU

・全 UU の周遊傾向と大きな違いはなく、道東地域にも周遊している傾向が

うかがえる

2 シンガポール ・平均旅行日数は 6.92 日/UU であり、全 UU平均より1日以上長い

・函館市宿泊割合(11.4%)が高い

3 台湾 ・平均旅行日数は 5.53 日/UU

・釧路市宿泊割合が高い(7.5%)

4 マレーシア ・平均旅行日数は 6.28 日/UU

・札幌市宿泊割合(36.5%)・小樽市宿泊割合(9.9%)が高い

5 韓国 ・平均旅行日数は 4.34 日/UU であり、全 UU平均より1日以上短い

・周遊範囲が道央地域や上川地域に偏りがみられる

・函館市宿泊割合(3.4%)が低く、札幌市宿泊割合(37.5%)や小樽市宿

泊割合(11.0%)が高い

6 タイ ・平均旅行日数は 5.72 日/UU

・道東地域への周遊は少ない

・函館市宿泊者割合(11.3%)が高い

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④ 入出道空港

入道・出道の際に利用した空港については、明確に空港敷地内でデータが測位されたものを

カウントしており、確認できたものはほとんどが新千歳空港である。新千歳空港以外での入出

道数は少ないが、函館空港や釧路空港で一定程度確認できた。

表 4-8 北海道宿泊者の入出道空港

入道空港 人数 割合 出道空港 人数 割合

新千歳空港 402 42.6% 新千歳空港 317 33.6%

旭川空港 2 0.2% 函館空港 8 0.8%

釧路空港 1 0.1% 釧路空港 4 0.4%

女満別空港 1 0.1% 旭川空港 1 0.1%

稚内空港 1 0.1% 稚内空港 1 0.1%

函館空港 1 0.1%

不明 535 56.7% 不明 612 64.9%

計 943 100.0% 計 943 100.0%

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(2)外国人ドライブ観光客の周遊傾向の分析

本項では、本社会実験で取得した GPS データを統計処理し、外国人ドライブ観光客の周遊パ

ターンなどの傾向を把握した。

① 外国人ドライブ観光客の「宿泊地」

ドライブ観光客を対象とした本社会実験結果と、レンタカー以外の移動を含む全旅行者を

対象とする北海道の調査結果(北海道観光入込客数調査報告書(平成 28 年度))において、

それぞれの対象者が宿泊した地域を比較した。なお、比較に当たっては、社会実験実施期間

(9月~11 月)に合わせて、北海道の調査結果から平成 28 年9月~11 月を抽出した。

ドライブ観光客データは、(レンタカー以外の移動交通手段を含む)全旅行者データ(北

海道庁統計データ)よりも道央圏・札幌市に宿泊する割合が低く、道北圏やオホーツク圏、

釧路・根室圏に宿泊する割合が高く、外国人ドライブ観光客が地方部を周遊していることが

うかがえる結果となっている。

図 4-8 外国人ドライブ観光客の宿泊地(圏域別)

道央圏57.5%

道南圏9.1%

道北圏20.5%

オホーツク圏5.7%

十勝圏2.5%

釧路・根室圏4.7%

道央圏70.5%

道南圏10.1%

道北圏12.5%

オホーツク圏2.3%

十勝圏

1.9%釧路・根室圏

2.7%

社会実験結果(n=3,583) (参考)北海道調査結果(n=1,157,390)

※北海道観光入込客数調査報告書(平成 28 年度)を基に作成

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表 4-9 外国人ドライブ観光客の宿泊地(振興局別)

圏 域 ドライブ観光客宿泊割合

(本社会実験結果) 全観光客宿泊割合

(H28 北海道調査結果) 宿泊客延べ数 割合 宿泊客延べ数 割合

北海道全体 3,583 人 100.0% 1,157,390 人 100.0% 道央圏 2,060 人 57.5% 816,152 人 70.5% 空知総合振興局管内 9 人 0.3% 6,081 人 0.5% 石狩振興局管内(札幌市除く) 110 人 3.1% 31,817 人 2.7% 札幌市 1,170 人 32.7% 478,104 人 41.3% 後志総合振興局管内 388 人 10.8% 76,880 人 6.6% 胆振総合振興局管内 371 人 10.4% 216,604 人 18.7% 日高振興局管内 12 人 0.3% 6,666 人 0.6% 地方部(道央圏以外) 1,523 人 42.5% 341,238 人 29.5% 道南圏 325 人 9.1% 116,830 人 10.1% 渡島総合振興局管内 323 人 9.0% 116,698 人 10.1% 檜山振興局管内 2 人 0.1% 132 人 0.0% 道北圏 733 人 20.5% 144,408 人 12.5% 上川総合振興局管内 685 人 19.1% 139,700 人 12.1% 留萌振興局管内 1 人 0.0% 110 人 0.0% 宗谷総合振興局管内 47 人 1.3% 4,598 人 0.4% オホーツク圏 204 人 5.7% 26,467 人 2.3% オホーツク総合振興局管内 204 人 5.7% 26,467 人 2.3% 十勝圏 91 人 2.5% 22,481 人 1.9% 十勝総合振興局管内 91 人 2.5% 22,481 人 1.9% 釧路・根室圏 170 人 4.7% 31,052 人 2.7% 釧路総合振興局管内 153 人 4.3% 29,296 人 2.5% 根室振興局管内 17 人 0.5% 1,756 人 0.2%

※北海道観光入込客数調査報告書(平成 28 年度)を基に作成

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本社会実験結果において宿泊者の多かった市町村をみると、札幌市や小樽市、函館市など道

央圏・道南圏の主要観光地で、かつ測位者数も多い市町村が上位にあがる。その中で釧路市や

斜里町、網走市など測位者数がそれほど多くはない道東地域などの市町村も上位に含まれてお

り、これらの地域は旅行目的地として訪問されていると推測される。

また、ニセコ町や倶知安町、網走市などは平均宿泊日数も長く、連泊する者も多いことがう

かがえる。

表 4-10 市町村別宿泊者数(上位 20 市町村)

順 市町村名 宿泊者数(人) 測位者数(人) 順 市町村名 宿泊者数(人) 測位者数(人)

1 札幌市 561 788 11 壮瞥町 64 248

2 小樽市 196 450 12 斜里町 53 91

3 函館市 194 274 13 美瑛町 51 378

4 旭川市 171 427 14 網走市 47 102

5 登別市 122 361 15 帯広市 46 115

6 富良野市 111 343 16 占冠村 38 213

7 上川町 91 228 17 ニセコ町 32 110

8 釧路市 90 154 18 東川町 26 104

9 千歳市 87 692 19 弟子屈町 26 97

10 洞爺湖町 86 357 20 中富良野町 24 313

表 4-11 市町村別平均宿泊日数(上位 10 市町村)

順 市町村名 宿泊者数(人)

(A)

測位者数(人)

(B) 平均宿泊日数

(B/A)

(参考)

測位者数

1 札幌市 561 1,170 2.09 788

2 ニセコ町 32 60 1.88 110

3 倶知安町 22 37 1.68 138

4 網走市 47 77 1.64 102

5 函館市 194 297 1.53 274

6 斜里町 53 75 1.42 91

7 旭川市 171 231 1.35 427

8 釧路市 90 121 1.34 154

9 中富良野町 24 31 1.29 313

10 富良野市 111 142 1.28 343

※宿泊者数 20 人未満の市町村を除く

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② 外国人ドライブ観光客の「旅行日数(宿泊日数)」

ドライブ観光客を対象とした本社会実験結果とレンタカー以外の移動を含む全旅行者を対象

とする北海道の調査結果(北海道観光入込客数調査報告書)において、それぞれの対象者の旅

行日数(宿泊日数)を比較した。

【結果】

本社会実験結果は北海道の調査結果よりも約2泊多く、かつ、いずれの国/地域でも多い結

果であった。特にマレーシア、タイ、台湾ではその傾向が顕著に現れている。

表 4-12 外国人ドライブ観光客の宿泊日数

本社会実験期間における外国人ドライブ観光客の平均旅行日数は「5.83 日」(平均宿泊日数

4.83 日+1日)であったが、平成 28 年9月~11 月における外国人旅行者全体の平均旅行日数

は「3.76 日」(平均宿泊日数 2.76 日+1日)、また、北海道が外国人旅行者に行ったアンケー

ト調査によると外国人観光客の旅行日程の中心層は「4泊5日」であることから、ドライブ観

光客の方が旅行日数がやや長いと推測される。

(本社会実験で取得した GPS データを基に算出しているため、実際の旅行日数は更に長い可能性が高

い。)

図 4-9 外国人観光客の旅行日程

1泊2日1.1%

2泊3日5.8%

3泊4日13.8%

4泊5日34.1%5泊6日

13.8%

6泊7日13.3%

7日以上17.2%

日帰り0.7%

(n=1,655)

出典:観光客動態・満足度調査(平成 28 年度)

国籍

ドライブ観光客宿泊日数(A)(本社会実験結果)

全観光客宿泊日数(B)(平成28年度北海道観光入込客数調査報告書) 平均宿泊日数の

差(A-B)

宿泊客延べ数 来道者数 平均宿泊日数 宿泊客延べ数 来道者数 平均宿泊日数

全国籍/地域 4,554 943 4.83 6,351,883 2,301,200 2.76 2.07

香港 983 224 4.39 659,312 170,800 3.86 0.53

シンガポール 1,047 177 5.92 337,136 60,700 5.55 0.36

台湾 603 133 4.53 1,545,385 529,600 2.92 1.62

マレーシア 634 120 5.28 274,140 125,800 2.18 3.10

韓国 297 89 3.34 871,016 424,300 2.05 1.28

タイ 326 69 4.72 385,195 168,700 2.28 2.44

※北海道観光入込客数調査報告書(平成 28 年度)を基に作成

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なお、本社会実験結果(5.83 日)は、北海道の高速道路が乗り放題となる「Hokkaido

Expressway Pass」(HEP)の平均利用日数(5.6 日)とほぼ同様の結果となっている。

表 4-13 平成 28 年度「Hokkaido Expressway pass」(HEP)利用日数

H28 年度 香港 韓国 台湾 シンガポール タイ マレーシア 合計

HEP 構成割合 25.5% 23.4% 19.2% 8.3% 7.5% 7.2% 100.0%

HEP 平均日数 6.5 4.0 5.9 6.7 5.3 5.9 5.6

③ 外国人ドライブ観光客の「滞在地」

本社会実験結果について、平成 28 年度社会実験の結果及び平成 28 年度に北海道運輸局か

ら提供を受けたデータ(以下「平成 28 年度社会実験等結果」という。)と比較し、外国人ド

ライブ観光客の滞在の傾向を分析した。なお、比較に当たっては、平成 28 年度社会実験が

「ひがし北海道」(上川、オホーツク、十勝、釧路、根室の5振興局)を訪問するドライブ

観光客が対象であったことから、本社会実験結果から「ひがし北海道」を訪問しているデー

タを抽出した。

【結果】

本社会実験結果は、平成 28 年度社会実験等結果よりも滞在市町村率(滞在市町村延べ数/

測位市町村延べ数)が高くなっていることから、単に通過されるだけではなく滞在される市

町村が増えていることがうかがえる。

表 4-14 外国人ドライブ観光客の滞在地の傾向

エリアH29実験(20170901-20171130)結果(A) n=690 H28実験等(20161001-20161130)結果(B)n=137

測位市町村延べ数

滞在市町村延べ数

滞在市町村率測位市町村

延べ数滞在市町村

延べ数滞在市町村率

ひがし北海道合計 5480 1876 34.2% 2154 578 26.8%

上川総合振興局管内 3292 1222 37.1% 1087 346 31.8%

オホーツク総合振興局管内 689 228 33.1% 337 80 23.7%

十勝総合振興局管内 978 198 20.2% 491 59 12.0%

釧路総合振興局管内 436 198 45.4% 187 80 42.8%

根室振興局管内 85 30 35.3% 52 13 25.0%

・「測位市町村」とは、アプリ利用者の測位データが確認された市町村(同一旅行者の測位データが同一市町村で複数確認されても1でカウント)。

・「滞在市町村」とは、アプリ利用者の滞在データが確認された市町村(同一旅行者の滞在データが同一市町村で複数確認されても1でカウント)。

・「滞在市町村率」は、アプリ利用者が「通過」した市町村(測位市町村)のうち、「滞在」もした市町村の割合を示す。

出典:東日本高速道路㈱北海道支社提供データ

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3.閲覧分析(アプリ)

(1)観光スポット(国・地域別)

社会実験期間中にアプリ「Drive Hokkaido!」において閲覧された観光スポットについて

国・地域別に整理した。

表 4-15 国・地域別の観光スポット閲覧数上位 25

位 観光スポット

内訳(国・地域)

シンガ

ポール

マレー

シア

州 タイ

その

1 大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ 上川 426 105 66 129 45 8 13 20 40

2 青い池 上川 368 80 85 62 50 29 16 16 30

3 函館山ロープウェイ 渡島 266 48 39 48 45 6 27 17 36

3 有珠山ロープウェイ 胆振 266 69 55 47 35 14 3 19 24

5 洞爺湖 胆振 218 62 36 24 37 6 12 18 23

6 大雪山旭岳ロープウェイ 上川 196 53 27 33 25 10 12 8 28

7 五稜郭タワー 渡島 190 32 36 40 31 0 9 18 24

8 三井アウトレットパーク札幌北広島 石狩 171 41 47 19 40 3 2 7 12

8 とみたメロンハウス 上川 171 50 27 27 31 8 4 3 21

10 洞爺湖温泉 胆振 166 48 32 25 30 4 6 8 13

11 銀河流星の滝 上川 162 46 31 34 17 3 11 3 17

12 新登別大橋 胆振 160 36 33 16 29 10 10 16 10

13 金森赤レンガ倉庫 渡島 157 30 31 48 20 1 1 13 13

14 白ひげの滝 上川 153 35 32 30 17 16 5 5 13

15 ラベンダー畑 上川 151 34 27 15 28 21 4 8 14

16 十勝岳望岳台 上川 150 45 28 29 17 6 7 6 12

17 大雪山旭岳・裾合平 上川 147 47 20 18 21 8 8 9 16

18 ファームレストランウエムラ 胆振 146 42 36 12 21 4 5 11 15

19 恵庭渓谷(白扇の滝) 石狩 143 30 35 14 20 5 5 17 17

20 小樽の市場 後志 142 43 32 12 25 5 3 10 12

21 大湯沼川天然足湯 胆振 141 49 20 7 31 13 3 9 9

22 定山渓温泉街 石狩 139 28 38 29 17 1 6 12 8

23 大正地獄 胆振 134 29 30 14 30 8 9 5 9

23 サイロ展望台 胆振 134 30 25 24 14 6 9 12 14

25 富良野メロン 上川 133 44 25 12 22 8 4 6 12

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(2)観光スポット(国内・国外別)

社会実験期間中にアプリ「Drive Hokkaido!」で閲覧された観光スポットについて国内・国外

別に整理した。

表 4-16 国内での観光スポット閲覧数上位 25

位 観光スポット 振興局 閲覧数

測位数

(GPS)

滞在数

(GPS)

1 大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ 上川 235 142 12

2 青い池 上川 201 225 78

3 有珠山ロープウェイ 胆振 124 104 47

4 大雪山旭岳ロープウェイ 上川 118 68 35

5 函館山ロープウェイ 渡島 107 192 96

6 とみたメロンハウス 上川 104 207 131

7 洞爺湖 胆振 103 251 150

8 五稜郭タワー 渡島 97 118 100

9 銀河流星の滝 上川 92 108 53

10 恵庭渓谷(白扇の滝) 石狩 91 5 0

11 十勝岳望岳台 上川 90 60 5

12 ラベンダー畑 上川 87 166 0

12 サイロ展望台 胆振 87 83 19

14 大雪山旭岳・裾合平 上川 83 0 0

14 新登別大橋 胆振 83 17 0

16 三井アウトレットパーク 札幌北広島 石狩 82 142 92

17 小樽の市場 後志 80 191 9

18 白ひげの滝 上川 79 168 36

19 洞爺湖温泉 胆振 77 251 150

20 富良野メロン 上川 74 - -

21 金森赤レンガ倉庫 渡島 73 192 96

21 大函 上川 73 3 0

21 大湯沼川天然足湯 胆振 73 136 55

24 旭山動物園 上川 72 58 51

25 ファームレストランウエムラ 胆振 71 69 5

※ 測位数(GPS)及び滞在数(GPS)とは、観光スポットが含まれる1kmメッシュ内で測位・滞

在を確認できた人数であり、必ずしも観光スポットを訪れた人数を示すものではない。また、

匿名処理のため3人以上のデータのみ表示している。

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表 4-17 国外での観光スポット閲覧数上位 25

順位 観光スポット 振興局 閲覧数 測位数

(GPS)

滞在数

(GPS)

1 大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ 上川 191 142 12

2 青い池 上川 167 225 78

3 函館山ロープウェイ 渡島 159 192 96

4 有珠山ロープウェイ 胆振 142 104 47

5 洞爺湖 胆振 115 251 150

6 五稜郭タワー 渡島 93 118 100

7 三井アウトレットパーク札幌北広島 石狩 89 142 92

7 洞爺湖温泉 胆振 89 251 150

9 金森赤レンガ倉庫 渡島 84 192 96

10 函館山 渡島 79 142 103

11 大雪山旭岳ロープウェイ 上川 78 68 35

12 新登別大橋 胆振 77 17 0

13 ファームレストランウエムラ 胆振 75 69 5

14 フラノ自然体験村 カントリーテラス・コロポックル 上川 74 121 0

14 白ひげの滝 上川 74 168 36

16 あわび狩り体験 檜山 71 0 0

16 大正地獄 胆振 71 136 55

18 函館朝市 渡島 70 221 148

18 小樽海鮮丼エン 後志 70 389 296

18 銀河流星の滝 上川 70 108 53

21 定山渓温泉街 石狩 69 180 98

22 大湯沼川天然足湯 胆振 68 136 55

23 とみたメロンハウス 上川 67 207 131

24 ラベンダー畑 上川 64 166 0

24 大雪山旭岳・裾合平 上川 64 0 0

24 「道の駅」みたら室蘭 胆振 64 37 0

※ 測位数(GPS)及び滞在数(GPS)とは、観光スポットが含まれる1kmメッシュ内で測位・

滞在を確認できた人数であり、必ずしも観光スポットを訪れた人数を示すものではない。ま

た、匿名処理のため3人以上のデータのみ表示している。

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(3)クーポン情報

表 4-18 クーポン情報閲覧数上位 20

順位 クーポン 振興局 閲覧数 利用

件数

測位

者数

(GPS)

滞在

者数

(GPS)

1 大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ 上川 322 100 142 12

2 函館山ロープウェイ 渡島 192 利用あり 192 96

3 有珠山ロープウェイ 胆振 169 95 104 47

4 三井アウトレットパーク札幌北広島 石狩 120 60 142 92

5 五稜郭タワー 渡島 117 3 118 100

6 金森赤レンガ倉庫 渡島 113 22 192 96

7 イオンモール旭川駅前 上川 91 4 223 152

8 小樽海鮮丼エン 後志 78 0 389 296

9 とみたメロンハウス 上川 72 5 207 131

10 昭和新山熊牧場 胆振 64 3 104 47

11 釧路市湿原展望台 釧路 63 0 32 13

12 サケのふるさと千歳水族館 石狩 62 0 24 7

13 ファームレストランウエムラ 胆振 59 0 69 5

14 イオン旭川駅前店 上川 51 0 223 152

14 釧路和商市場(釧路和商協同組合) 釧路 51 29 63 39

16 「道の駅」みたら室蘭 胆振 49 0 37 0

17 北海道アイスパビリオン 上川 47 26 38 11

18 釧路フィッシャーマンズワーフ MOO 釧路 46 0 43 35

18 雪の美術館 上川 46 0 32 8

20 釧路市丹頂鶴自然公園 釧路 43 0 25 19

※ 測位数(GPS)及び滞在数(GPS)とは、特典提供施設が含まれる1kmメッシュ内で測位・

在を確認できた人数であり、必ずしも特典提供施設を訪れた人数を示すものではない。ま

た、匿名処理のため3人以上のデータのみ表示している。 ※ 利用件数とは、特典提供施設へのアンケート調査により把握した数である。

図 4-10

クーポン画面(イメージ)

社会実験期間中にアプリ「Drive Hokkaido!」で閲覧されたクーポン

情報について整理した。なお、クーポン情報の閲覧数とは、図 4-10 ク

ーポン画面を閲覧した数をいう。

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4.閲覧分析(ウェブサイト)

ウェブサイト「DRIVE HOKKAIDO!」について、社会実験期間中におけるウェブサイトの閲覧

状況及び閲覧ページ上位 25 を言語別に分析した。(ウェブサイト構成図は図 2-3-5 参照)

(1)ウェブサイトの閲覧状況

実験終了までに、英語サイトと繁体字サイトを合わせると 3,632 ユーザーから 4,478 セッ

ションのアクセスがあった。閲覧者の主な言語は、ウェブサイトで対応している英語と中国

語(繁体字)となっている。

表 4-19 閲覧者の言語別ユーザー数及びセッション数

言語 ユーザー セッション

英語(米国) 1,316 36.2% 1,635 36.5%

中国語(繁体) 1,256 34.6% 1,509 33.7%

英語(英国) 366 10.1% 477 10.7%

英語(シンガポール) 200 5.5% 284 6.3%

タイ語 47 1.3% 51 1.1%

中国語(簡体) 42 1.2% 49 1.1%

英語(オーストラリア) 43 1.2% 47 1.0%

フランス語 35 1.0% 43 1.0%

その他 327 9.0% 383 8.6%

計 3,632 4,478

※セッション数:閲覧回数(30 分以内に連続で閲覧した場合はカウントしない。)

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(2)ウェブサイト「DRIVE HOKKAIDO!」の閲覧ページ上位 25 の傾向

・ 英語サイトでは個別の観光資源(観光施設・特典提供施設)の閲覧は少なく、カテゴリ

ー別、季節別及びクーポン別検索ページによる施設一覧の閲覧が多い。これに対し、中国

語(繁体字)サイトでは個別の観光資源が閲覧される傾向がある。

・ 英語サイトでは「冬道ドライブは慎重に!」の閲覧が多かった。

図 4-11 閲覧しているカテゴリーの PV数割合(言語別)

英語(5,305PV) 中国語(繁体字)(1,903PV)

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表 4-20 ウェブサイトの閲覧数上位 25(英語ページ)

カテゴリ ページ タイトル 内容 PV 数

TOP Drive Hokkaido! TOP 2,741 51.7%

社会実験概要 About 社会実験の概要 423 8.0%

観光資源 Mt. Tokachi Observatory 「十勝岳展望台」の概要 43 0.8%

Niseko Panorama Line 「ニセコパノラマライン」の概

要 43 0.8%

A Square Sun 「四角い太陽」の概要 33 0.6%

観光資源 計 119 2.2%

MORE

カテゴリー別検索 Sights 全部の「景観」を見る 180 3.4%

Sights カテゴリで案内する(景観) 171 3.2%

Food カテゴリで案内する(飲食) 41 0.8%

Experiences カテゴリで案内する(体験) 39 0.7%

季節別検索

Autumn 季節で案内する(秋) 80 1.5%

Winter 季節で案内する(冬) 77 1.5%

Autumn 全部の「秋」の観光資源を見る 43 0.8%

Winter 全部の「冬」の観光資源を見る 42 0.8%

クーポン検索 Sights & Culture | Coupon

Categories クーポンを探す(観光文化) 201 3.8%

Food | Coupon Categories クーポンを探す(飲食) 194 3.7%

Accommodation & Bathing |

Coupon Categories クーポンを探す(宿泊・入浴) 156 2.9%

Souvenirs | Coupon

Categories クーポンを探す(物販) 110 2.1%

Michi-no-Eki | Coupon

Categories クーポンを探す(道の駅) 75 1.4%

Experiences | Coupon

Categories クーポンを探す(体験) 44 0.8%

お役立ち情報 Snowy Roads 冬道ドライブは慎重に! 216 4.1%

Mapcode マップコード 177 3.3%

Traffic Rules 日本の基本的な交通ルール 74 1.4%

Road & Weather Information 道路・気象情報の入手先 53 1.0%

Videos ドライブ動画 49 0.9%

計 2,022 38.1%

閲覧数上位 25(英語) 合計 5,305

Page 48: 平成29年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 ( …2.調査の内容 本調査における調査項目は、以下のとおりである。 ① 社会実験の実施

44

表 4-21 ウェブサイトの閲覧数上位 25(中国語(繁体字)ページ)

カテゴリ ページ タイトル 内容 PV 数 %

TOP Drive Hokkaido! TOP 906 47.6%

社会実験概要 About 社会実験の概要 136 7.1%

観光資源

観光施設 惠庭溪谷 「恵庭渓谷」の概要 87 4.6%

大雪山層雲峽・黑岳空中纜

車 大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ 70 3.7%

見晴公園/函館 MOMI-G 秋

葉節

「見晴公園/はこだて MOMI-G フェス

タ」の概要 39 2.0%

阿寒冰上樂園 「あいすランド阿寒」の概要 38 2.0%

冬季的大沼國定公園 「冬の大沼国定公園」の概要 34 1.8%

惠庭溪谷 恵庭渓谷 18 0.9%

遠內多湖 「オンネトー」の概要 17 0.9%

然別湖冰村 「しかりべつ湖コタン」の概要 17 0.9%

函館 MOMI-G 秋葉節 見晴公園/はこだて MOMI-G フェスタ 14 0.7%

特典施設 纜車折價券 有珠山ロープウェイ 63 3.3%

永旺(AEON) 千歲店 イオン千歳店 75 3.9%

永旺(AEON) 湯川店 イオン湯川店 39 2.0%

新千歲 Motor Land 新千歳モーターランド 21 1.1%

観光資源 計 532 28.0%

MORE

カテゴリー別検索 觀光景點 カテゴリで案内する(景観) 93 4.9%

季節別検索 秋季 季節で案内する(秋) 42 2.2%

冬季 季節で案内する(冬) 33 1.7%

クーポン検索 景點與文化 | Coupon

Categories クーポンを探す(観光文化) 39 2.0%

道路休息站 | Coupon

Categories クーポンを探す(道の駅) 25 1.3%

住宿和洗澡 | Coupon

Categories クーポンを探す(宿泊・入浴) 17 0.9%

餐飲 | Coupon Categories クーポンを探す(飲食) 17 0.9%

觀光活動 クーポンを探す(観光文化) 15 0.8%

お役立ち情報 Mapcode マップコード(英語で提供) 48 2.5%

計 329 17.3%

閲覧数上位 25(中国語(繁体字)) 合計 1,903

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5.閲覧分析(Facebook)

Facebook「Drive Hokkaido!」について、投稿の閲覧状況を分析した。

(1)分析対象期間及び分析の手法

閲覧分析の対象は Facebook 広告実施期間である平成 29年8月 18日~11月 30 日における

47 投稿のうち、リーチ数が 1000 を超える 28投稿とし、分析の手法はユーザーが投稿に対し

て反応した割合を示す「エンゲージメント率」を採用する。エンゲージメント率は、一般的

に「サービスに対して愛着を持っている度合い」を意味するとされており、マーケティング

の指標のひとつとして用いられている。

表 4-22 分析対象 28 投稿の平均

(2)Facebook「DriveHokkaido」の閲覧傾向

投稿の約4割が「観光・イベント」への投稿であるのに対し、エンゲージメント率は上位

10 件のうち7件が「道路景観」及び「交通ルール」に関する投稿であった。また、「ナイ

ス」「美しい」などといった挨拶的なコメントを除くと、8割以上が「道路景観」や「交通

ルール」に関する投稿へのコメントである。

この傾向を踏まえると、北海道ドライブに興味・関心のある外国人(=潜在的な旅行需要

層)は、北海道の美しい道路景観やドライブに関する情報を求めていると考えられる。

図 4-12 投稿のジャンル別割合

観光・

イベント

45%道路景

28%

交通

ルール

15%

8%

その他

4%

Page 50: 平成29年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 ( …2.調査の内容 本調査における調査項目は、以下のとおりである。 ① 社会実験の実施

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6.閲覧分析(Instagram)

Instagram「japandrive」について、投稿への「いいね!」数上位5は図 4-13 のとおりであっ

た。

1位 新登別大橋 2位 かもい岳の雲海

3位 大沼国定公園 4位 神威岬 5位 金毘羅神社(初山別村)

図 4-13 Instagram 「いいね!」数 上位5投稿

Page 51: 平成29年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 ( …2.調査の内容 本調査における調査項目は、以下のとおりである。 ① 社会実験の実施

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7.総括

本項では、前項までの分析結果等を踏まえて、本社会実験の効果と課題について整理した。

(1)社会実験の効果

① 地方部への誘導効果

ⅰ.(公共交通での移動も含んだ)来道外国人観光客と比較して、ドライブ観光客がより

地方部(札幌市以外)に宿泊する傾向がみられ、旅行日数も長いことが判明した。ドラ

イブ観光の促進は、地域偏在の緩和に有効との示唆を得られた。

ⅱ. ひがし北海道地域では、平成 28 年度に引き続き社会実験を実施した結果、通過するだ

けでなく滞在が増加しているとの結果が得られた。広域観光周遊ルート形成促進事業等

関係機関の取組成果が垣間見えるとともに、本社会実験も同エリアへの誘客に寄与した

ものと考えられる。今後も継続的に取組を進めることにより、更に地方への滞在を増加

させられる可能性がある。

② 地域への一定の経済波及効果

本社会実験では、(株)ナビタイムジャパンが提供する「Drive Hokkaido!」アプリを用

いて地方部の観光情報や特典情報等を発信するとともに、関係機関の協力による多方面で

の広報活動を行った。その結果、外国人ドライブ観光客へのアンケート調査では、回答者

の7割がアプリを閲覧して立ち寄った施設があるとの回答があり、また、特典提供施設の

うち 48 施設で延べ 600 人分以上(最も多い施設で 100 回)の特典が利用された。本社会

実験で特典の利用を促したことが地域への一定の経済波及効果を生んだものと考えられ

る。来日後であっても、適切な情報提供によって立ち寄りや誘導を促せる可能性があると

推察される。

③ 潜在的な旅行需要の形成

本社会実験の広報において活用した Facebook は、短期間で3万フォロワーを獲得した。

閲覧分析では、北海道旅行に興味・関心のある層は一般的な観光情報もさることながら、

美しい道路景観やドライブに関する情報に興味を持っていることも判明し、今後も継続的

な運用を実施していく場合には、来道する見込みのある効果的なセグメントに適切な情報

を発信することが可能となった。

Page 52: 平成29年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 ( …2.調査の内容 本調査における調査項目は、以下のとおりである。 ① 社会実験の実施

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④ 北海道における観光施策の企画立案に寄与

GPS データ分析やアプリ・Web サイトの閲覧に加え、アンケート・ヒアリング調査結果

などから、北海道を訪れる旅行客の詳細な旅行動態や真に必要される情報などを把握し

た。

(2)今後の課題

① 継続したデータ取得と分析が必要

本社会実験は3か月という短い期間で実施したものであり、3か月分のデータの分析に

より明らかになったことも多いが、季節変動や経年変化を継続的に把握して具体的な施策

検討へ結びつけることが重要である。

② 広域移動の負担軽減

外国人旅行者は新千歳空港の利用が多く、地方部への周遊のため広域に移動しているも

のの移動途中の滞在が少ない傾向がみられた。地方部への誘客を促進するために、外国人

旅行者の広域移動の負担を軽減させるためにも、移動ルートに沿った市町村等の観光資源

を磨き上げ、情報の発信を強化することが必要と考えられる。

③ 地方部における周遊観光の促進

外国人旅行者は、地方部では有名な主要観光地の訪問が多く、近隣への周遊が少ない傾

向がみられる。地方部における外国人旅行者の滞在を増加させるためには、主要観光地へ

の来訪を契機として近隣への周遊を促進するような仕組みをつくり、さらなる立ち寄り箇

所の増加、滞在時間(=旅行消費額)の増加を促すことが必要である。

④ 道の駅の更なる有効活用

測位/滞在の分析では、道の駅全 119 駅の4分の3以上に当たる 91駅で 30分以上の滞

在を確認できず、そのうち 69駅では 30分未満の短い滞在すら確認できなかった。また、

ヒアリング結果からは「道の駅」がどのような施設か知らない外国人が多いことが窺えた

一方で、道の駅が提供している地域の特産品の購入やローカルフード、ローカルな情報の

提供などは外国人に高く評価されることが判明した。道の駅の情報配信や多言語化への対

応などの課題を解決していくことで、立ち寄りの促進やローカルな情報配信の拠点となる

ポテンシャルを活かしていく必要がある。

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第5章 今後のドライブ観光促進方策の検討

1. 社会実験の総括

今回の社会実験においては、公共交通での移動も含んだ来道観光客宿泊数と比較して、ドライ

ブ観光客が地方部(札幌市以外)に宿泊する割合は高く、旅行日数も長いことが判明した。また、

平成 28 年度に社会実験を実施したひがし北海道地域では、通過するだけでなく、滞在する市町村

が増加した結果となった。これらは広域観光周遊ルート等の関係機関の取組の成果であるととも

に、本社会実験においても同エリアへの誘客に寄与したものと考えられる。

ドライブ観光の促進は、地域偏在の緩和に有効であり、継続的な取組により、更に地方への滞

在を増加できる可能性があることから、今後のドライブ観光を促進していくための方策について

検討した。

2. 今後のドライブ観光促進方策

① 継続したデータ取得と分析

本社会実験は平成 28 年度では2か月、平成 29 年度では3か月という短い期間で実施し

たものであるが、このデータの分析により明らかになったことも多く、北海道における観

光施策の企画立案に寄与できるものである。今後もそれら観光施策の企画立案に資するた

めに、継続的にアプリによる GPS サンプル数を取得できるような取り組みを進めるととも

に、1年を通じたデータの取得により、季節変動や経年変化を継続的に把握し、具体的な

施策検討や効果検証へ結びつけていくことが重要である。

また、GPS 調査だけでは把握しきれない満足度や受け入れ環境の外国人から見た評価、不

満など定性的な項目についても継続的に取得していくことで、北海道のドライブ観光の評

価を図るひとつのバロメータとなると考えられる。

② 一元的な情報配信の実施

本社会実験の結果から北海道でのドライブ中に得られる情報が少ないと思われているこ

とから、北海道でのドライブに関する基本情報となる交通ルールや給油方法、冬道の運転

方法などドライブの参考となる情報を事前に伝えていくことも必要である。また、各地で

様々な情報発信が整備、進められているところであるが、あらゆる機関が別々に情報配信

していることで情報を見つけにくくなる可能性があるため、情報を集約することで情報発

信力を高めていく取組が必要である。

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③ 広域移動の負担軽減

外国人旅行者は新千歳空港の利用が多く、地方部への周遊のため広域に移動しているも

のの、移動途中の滞在は少ない状況が見られた。広域移動の負担軽減のためには、移動ル

ート上の観光資源の発掘や磨き上げ、情報発信の強化や全道的に整備が進められている道

の駅の更なる活用を促進することで、休憩も兼ねた立ち寄り箇所を増やす取組が必要であ

る。また、地方空港の利用を活性化させることで、外国人旅行者の広域移動の負担を軽減

させることも必要である。

④ 地方部における周遊観光の促進

外国人旅行者は、地方部では有名な主要観光地のみを訪れて近隣市町村への周遊が少な

い傾向が見られた。地方部における外国人旅行者の滞在を増加させるためには、主要観光

地への来訪を契機として域内周遊を促進するような仕組みづくりが必要である。

本社会実験で実施した訪日外国人アンケート回答者の 70%が「アプリを使って立ち寄っ

た施設がある」と回答し、「11 箇所以上」立ち寄り先を変更したと回答した者も 23%にの

ぼっていることから来道後も積極的な誘客施策(観光・イベント情報の提供、割引クーポン

やノベルティの提供、宿泊予約サービス等)を実施することや現地点から1~2時間程度

の観光地情報や特典提供の情報を与えることで、少しずつ地方部へ、多くの外国人観光客

を誘客でき、更なる立ち寄り箇所の増加、滞在時間(=旅行消費額)の増加を狙えるのでは

ないかと考えられる。

⑤ 道の駅の更なる有効活用

道の駅が提供している地域の特産品の購入やローカルフードの提供、ローカルな情報提

供などは外国人に魅力的であることが判明した。また、ドライブ中に得られる情報が少な

いと思われていることから、全道的に整備が進められている道の駅を、ローカルな情報発

信の拠点として一層活用していくことにより、地方への誘導や現地での立ち寄り箇所を増

やすことにつながっていくと考えられる。

⑥ 推奨ドライブルートの情報提供

外国人アンケートやヒアリングの結果から北海道ドライブ観光の最大の魅力のひとつは

広大な大地に広がる景観や四季折々の風景であることが把握でき、Facebook の投稿におい

て景観の良い道の紹介記事への反応(エンゲージメント)がよく、風光明媚なルートその

ものやルート上の見どころが観光資源として成り立つことが分かった。

今回の社会実験を通じて、アプリやチラシを用いて紹介した景色の綺麗な「PANORAMIC

DRIVING ROUTE(パノラミックドライビングルート)」や地域住民の方々と行政とが連携し、

景観をはじめとした地域資源の保全・改善の取組を進めるシーニックバイウェイを来道す

Page 55: 平成29年度 北海道ドライブ観光促進方策検討調査 報 告 書 ( …2.調査の内容 本調査における調査項目は、以下のとおりである。 ① 社会実験の実施

51

る外国人ドライブ観光客に情報提供することで長距離・長時間の移動となりがちな北海道

のドライブ観光を、目的地に向かう道中においても楽しめるよう情報配信とその取り組み

を進めていくことが重要である。

⑦ 段階に応じた情報発信

情報配信の内容については、外国人の接触時期や媒体において変えていく必要があり、

自国での計画を立てる「来道前」の段階では、ウェブサイトや Instagram などで、北海道

旅行の事前情報を入手してもらい、観光地や観光資源の検討を行う利用者をサポートする

情報提供を行うことや、「来道直前」では、Facebook などによる北海道におけるリアルタイ

ムでの観光情報の配信、「来道中」では、観光地・飲食店などのドライブ中に必要な情報の

ほか、来日後に宿泊先を手配する旅行者が少なくないことから、宿泊施設の情報の提供が

必要と考えられる。

このことからホテルや航空券の予約、レンタカーの手配などを行う利用者をサポートす

る情報配信を行うことや現地の道の駅や施設では、その土地でのより詳細なリアルタイム

の情報や周辺観光地の情報提供を行うなど、外国人の接する段階や場所に応じて、提供す

る情報を使い分けることで、よりドライブ観光の促進に繋げていくことができるのではな

いかと考えられる。

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3. 地方誘客に向けたドライブ観光情報提供の方策

「道北」「道東」地域を中心にドライブ観光客の地方部への誘客を行うためには、レンタカー利

用者のビッグデータを活用し分析することで、旅行者の旅行日数・訪問エリア・エリア間の滞在

パターンといった旅行実態の把握を行うとともに、国籍・同行者・興味関心などの旅行者のニー

ズを把握し、地方ならではの魅力を適切に配信することで、プロモーションや誘客に繋げる必要

がある。

今回の社会実験で実施した、ドライブ観光客の「旅行実態」の分析によって、レンタカーを活

用したドライブ観光の国籍別の北海道旅行時の総滞在日数の長さは、第4章に記載のとおり明ら

かになった。

台湾人のドライブ観光客を例にとると、ドライブ観光における北海道旅行時の総滞在日数の長

さは平均6日となり、限られた旅行期間において「道北」「道東」エリアへ誘客を行うためには、

入出国日を除いた4日間の旅程に対する情報配信の取組が必要となる。

本事業では、具体的な周遊パターンは示さず、北海道全土の道路地図や景観の綺麗なルートの

紹介のみであったが、今後の情報配信においては、土地勘が無く、道路などの情報に乏しいドラ

イブ観光客に向けて、季節別のドライブルートの提案などが必要であると考える。ドライブルー

トの形成においては、本事業のエリア間の滞在分析結果により見えてきた旅程パターンや旅行者

のインサイト調査などから導き出された旅行スタイルを元に、季節ごとに強い訴求力をもつ観光

資源と紐付け、ターゲットごとの周遊プランを作成することが肝要である。