18
4. 光学器具の蒸着 鋼球の懐着を終え 、作業中に付着した表 面の汚れをアノレコール等で‘除去した。 の時接着 した部分に溶剤が入り込んで剥離 しないよう注意深くク リーニングした。 次に、蒸着の試行段階で、試料の位置を調節 する必要があった ため 、蒸着用 の試i S/ホノレタゃを 作製した。 鋼球を加 工する工程で作製した ネジ穴を利用し、ホノレダに固定した。 に、こ のホノレダを上下に調節出来る ように 蒸着ステージにセ ット した(写真一 4)ここで、改めて今回使用した高真空蒸着装 写真 一 4 蒸着用冶具 置について説明する。 この蒸着装置は、真空容器(チャンバー)の中に蒸発源と基板を置いた 物で、務JI 莫物質を加熱して蒸発させ、蒸発温度より低い温度の基板表面で、凝結・固化させ薄膜 にする。 蒸発源としては①抵抗加熱、 ②電子 ビーム加熱、 ③高周波誘導j Jl熱、④レーザー ビーム加熱などがあるが、この蒸着装置は抵抗 加熱を採用している。 10" 'Pa度の圧力で成膜する 。 この時、 平均自 由 工程は数 m 源から気化し た薄膜物質は、ほとんど衝突 することなく基板へ到達する。 真空蒸着 小さいので、膜質を左右す るエネ ルギーは、 1 莫形成時に基板を加熱する事による熱エネ ルギーである 。 したがって、基板のダメ ージが少ない ・ J 莫に不純物質が含まれにく いなどの利点がある。 その反面、 j 撲がポ ーラスになりやすい ・密度や屈折率が低い J 摸強度が不足するなどの傾向がある。 今回は、接着により固定した光学器具を蒸 着するため温度をあまり 上げることが 出来 ない。 このため抵抗加熱による視度上昇 をチェックしながら行った。 心配してい た温度変化は、20 分間行 った 200A 程度の 蒸着で室温から約 40 0 C の上昇であり、この 程度であれば、接着部に及ぼす影響は少な いと恩われる 。 写真 一 5 に示す。 蒸着を行った光学器具を 接着部付近の蒸着の状 写真一 5 蒸着した光学器具 写真 6 装置に取り付けた光学器具 28

4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

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Page 1: 4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

4.光学器具の蒸着

鋼球の懐着を終え、作業中に付着した表

面の汚れをアノレコール等で‘除去した。 こ

の時接着 した部分に溶剤が入り込んで剥離

しないよう注意深くク リーニングした。

次に、蒸着の試行段階で、試料の位置を調節

する必要があったため、蒸着用の試iS/ホノレタゃを

作製した。 鋼球を加工する工程で作製した

ネジ穴を利用し、ホノレダに固定した。 次

に、こ のホノレダを上下に調節出来る ように

蒸着ステージにセ ット した(写真一4)。

ここで、改めて今回使用した高真空蒸着装写真一4 蒸着用冶具

置について説明する。 この蒸着装置は、真空容器(チャンバー)の中に蒸発源と基板を置いた

物で、務JI莫物質を加熱して蒸発させ、蒸発温度より低い温度の基板表面で、凝結・固化させ薄膜

にする。 蒸発源としては①抵抗加熱、 ②電子

ビーム加熱、 ③高周波誘導jJll熱、④レーザー

ビーム加熱などがあるが、この蒸着装置は抵抗

加熱を採用している。 通常、1O-'~ 10"'Pa程

度の圧力で成膜する。 この時、 平均自 由

工程は数 m ~数 1 0m 伎であるから、蒸着

源から気化した薄膜物質は、ほとんど衝突

することなく基板へ到達する。 真空蒸着

は、蒸発粒子のエネノレギーが O . I ~leV と

小さいので、膜質を左右するエネルギーは、

11莫形成時に基板を加熱する事による熱エネ

ルギーである。 したがって、基板のダメ

ージが少ない ・JJ莫に不純物質が含まれにく

いなどの利点がある。 その反面、 j撲がポ

ーラスになりやすい ・密度や屈折率が低い

• J摸強度が不足するなどの傾向がある。

今回は、接着により固定した光学器具を蒸

着するため温度をあまり 上げることが出来

ない。 このため抵抗加熱による視度上昇

をチェックしながら行った。 心配してい

た温度変化は、20分間行った 200A程度の

蒸着で室温から約 400Cの上昇であり、この

程度であれば、接着部に及ぼす影響は少な

いと恩われる。

写真一5に示す。

蒸着を行った光学器具を

接着部付近の蒸着の状

写真一5 蒸着した光学器具

写真 6 装置に取り付けた光学器具

28ー

Page 2: 4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

態も良く、実験に使用することが出来た。 この光学課具を装置に取り付けた様子を写真

一6に示す。 この後も大球に配置する小球の位置変更、光学捺具固定み法の変更、 CCD

ホノレダの形状変更等の依頼があり 、様々な ー

条件の実験に使用された。

また、依頼を受けた光学器具の中にはレン

ズ中央の光は透過させ、まわりの部分にアノレミ

蒸着を要求される物があった。 蒸着後にマス

キングを外す時、せっかく蒸着した金属が剰が

れてはいけないので、接着力がある程度弱い

物、そしてマスキング剥離後接着剤の残留が

怪力少ない物を検討した結果、ポストイットの粘

着部を利用することにした。 そこで、要求仕

様の形状に形よくマスキングを仕上げるため所

定の形状の打ち抜き冶具を作製した(写真

7)。

5.まとめ

写真一 7 ?スキング作製用冶具

今回は、高真空蒸着装置を使用 した光学務具の試作を行うことで、従来の業務である金

属工作に加えて、異分野の装置の修得に挑戦した。 装置を使用していて気がついた事 (こ

の部分をこう したら便利 ・保持するのにこんなホノレターを作ったら良し、かも ・・・等)は、す

くーに治具を作って対応した。 工作依頼のH寺には、実験上必要な部分等を聞き取りするな

どして加工箇所の必要精度等を決定し製作してきたが、実際に装置を使ったことがある物

に対しては、さらに使いやすい物が作れるのではなし、かと感じた。 したがって、これか

らの命題は、自分が出来る範囲内で、さ らに装置の習熟に努めるという事である。

今回試作を行った光学器具の実験結果は、産業科学研究所第 60回学術講演会ポスター

セッションで最新の研究成果として発表された。 従来、この研究室では光学器具を外部

注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ

ィード、パック期間が長かった。 今回の試作によりそのスパンが短くなった事で、 研究に

貢献できたのではなし、かと考えている。 これからも共通施設としての役割を担えるよう、

日々新たな技術の修得に励みたい。

6.参考引用文献

「真空薄膜形成と装置J株式会社シンクロン 編

技術調査室大工原茂樹著

-29

Page 3: 4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

技術室として「安全衛生』への取組産業科学研究所技術室長

山田等

1 .はじめに

国立大学は、平成16年4月に「国立大学法人」となり、大学の制度や管理運営が大きく変

革した。特に安全衛生管理に関して見れば、今まで適用されていた人事院規則から離れ、労

働安全衛生法が適用される事になり、職場の作業環境、職員の健康管理、事故防止対策、安

全衛生教育等に対して大学全体での安全衛生管理体制の構築が余儀無くされる事となった。

労働安全衛生法等の大半は、鉱業、建設業、製造業といった産業の安全衛生管理を念頭に置

いて定められているため 大学にはなじみにくい法令であるが、大学に特化した法令解釈を

も踏まえ、大阪大学においても学生と教職員の安全衛生を基盤とした快適な教育・研究環境

の構築に努めている。

-目立大学 人事院規則(文部科学省園時責任:国)

O 国立大学法人 労働安全衛生法(厚生労働省園時責任:法人)

労働安全衛生法・・ゆ企業(労働者)l 鉱業臥製造業等を念頭に置いて制定

大学(構成員:学生、教職員)特化した法令解駅、条文適用

2.大阪大学学内規程

大阪大学の安全衛生管理に関しては、次に示したような学内規程等で運用されている。

また、大阪大学安全管理体制についても図示する。

・大阪大学安全衛生管理規程

・大阪大学安全衛生管理施行規則

-大阪大学安全衛生管理委員会規程

.大阪大学安全衛生管理部規程

・大阪大学における学生の安全衛生管理等に関する規程

.大阪大学防災基本規程

・大阪大学受動喫煙防止指針

・大阪大学における教職員の長時間労働に対する医師による面接指導実施要項

-30-

Page 4: 4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

〈大阪大学安全衛生管理規程(一部抜粋))

第1章 総 則

(目的)

第1条 この規程は、大阪大学(以下『大学』という。)における職場の労働災害及び健康障害を防止し、

職員の安全及び健康を確保するため、安全衛生管理に闘し必要な事項を定めることを目的とする。

(用信の定義)

第2条 この規程における用語の定義は、次の各号に定めるところによる。

(1) 労働災害職員が業務上負傷し、又は死亡することをいう。

(2) 健康障害職員が業務上疾病し、又は死亡することをいう。

(3) 職員 大学の教職員及び非常勤職員をいう。

(心 事業場大学の職員が勤務するすべての職場を含めていう。

(5) 部局 附属図書館、各学郡、各研究科、各附置研究所、各附属病院、各学内共同教育研究施設、各

全国共同利用施設及び事務局をいう。

(適用の範囲)

第3条 大学における安全衛生管理については、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」と

いう。)及びその他関係法令並びに大学の就業規則に定めるもののほか、この規程の定めるところによる。

(大学の責務)

第4条 大学は、安全衛生管理体制を確立し、快適な職場環境の実現及び労働災害の防止のため、職場に

おける職員の健康の保持及ぴ安全の確保に必要な措置を鵠じなければならない。

(職員の責務)

第5条 職員は、大学が実施する労働災害を防止のための必要な措置に積極的に協力するとともに、この

規程及びその他大学が定める安全衛生管理に係る規定を遵守しなければならない。

第2寧安全衛生管理体制

第1節安全衛生管理者

(総括安全衛生管理者)

第6条 大学に、安衡法第10条に定めるところにより、次の各号に掲げる事業場ごとに総括安全衛生管理

者を置く。

(1) 豊中地区事業場

(2) 吹田地区事業場

(3) 医学部附属病院・歯学郵附属病院事業場

2 総括安全衛生管理者は、当骸事業場においてその事業の実施を統括管理する職員のうちから、総長が

選任する。

3 総括安全衛生管理者は、安全管理者及び衛生管理者を指揮するとともに、安全衛生管理に関する必要

な業務を統括管理する。

(総括安全衛生管理者の職務)

第7条総括安全衛生管理者の職務は、次の各号に掲げる事項とする。

(1) 職員の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。

α) 職員の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。

-31-

Page 5: 4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

(3) 健康診断の実施その他鍵康の保持増進のための措置に関すること。

(4) 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、職員の安全及び衛生に関すること。

第4条 大学は、安全衛生管理体制を確立し、快適な職場環境の実現及び労働災害の防止のため、職場に

おける職員の健康の保持及び安全の確保に必要な措置を講じなければならない。

(大学の責務)

第5条 職員は、大学が実施する労働災害を防止のための必要な措置に積極的に協力するとともに、この

規程及びその他大学が定める安全衛生管理に係る規定を遵守しなければならない。

(職員の責務)

(大阪大学安全衛生管理体制図)

g悼としての方針金量の蛾..!・mの踊2 ・,.舎への'"示

{舗tl)

・a!l安全衛'Uia会曇・5"人}側育情略研究裕進‘人事労精の

各."・ (3人}11..安全納史竃種センター.., 也合セノター畏E這セノター民tIセンタ-,堅

...局員

3 身近で行われている事

安全衛生嘗埋lIi員会

委員長鈴木s・j星3震

術研

被肘借家

1"門ii員会'

.・~金・a舎値子力初完 寄金@員会6・ ~"M良 債盆・員会a・m・-

. .金・a飾傘・..ぇDIIAxa翠金...朗氏自・a・・・a食

ー艦創 g‘・a・員会

4実行11111)

保健センター

..・!II金冊R・理センター

R 1)・合センター

低ZEセンター

安全衛生管理運用に於いては、各事業場に「安全衛生委員会」を設置し、月 1回の委員会

開催、週 1回の職場巡視が、さらに定期的な作業環境測定、健康診断等が義務づけられてい

る。各室についてはチェツクシー トの記入が行われている。

-事業場安全衛生委員会開催

-定期巡視(チェツクシート)

.作業環境測定

・健康診断

-安全衛生に関する各種講習会

32-

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〈チェツクシートと主な指導事項〉

安全.~・E・予Z守タシート

..・餌....t回覧.1111.11131鐙..1

贋.&lR."種情.

包λ省民名 君・ R

肉...一一-L!...lー量

"待遇嘱目蝿・..圃... 1=典.す晶項目鹿骨 包 帯 ~"7タ喧圃

量・NS&IDW司E Al .. ・・・・v・・s・・1M.喝A2 皿.0・J.暢白骨量民事・s・・&¥.電“a・A3 -ロ・・実MAI:・・..,,,司噂酔A・'ltl・・.a.‘n喝

A5 -・-・・-.・... ・e‘s・U'mI巴s・au'喝岨 IUS個個--蝿蝿"',‘・A7

τ“・AI 量't-"#.. ・""'"回.. 田・m・盆・c4‘晶・岬 開岨咽岬a....o'"健局胃・・a・z・・AIO .・a・.,TIT.....ぃAII ..調陪._,・AI2 皿・-q........咽回..'百‘...AI3 回・-.. ・・・s・aτ冨2・8日“・AI・ .....,u崎臨.. u唱AII ;u・....n喝即

AII ......l .. ・a・-・れぜい・AI7 岨-・・a・:10.......宵・-司'"AI8

AII

A:O 也、.E・_..-・・a怠B・~n噛

...ζ_.‘"シ・令鎗.U...“・.:tJl:・.......・1.n.IWR・:1..金_0・を健_.'UIII.司<U掴降、.副暗4・閣.・・:~・_0,岨埠S・M・問....~柑県、.‘園調障担..'"・............... 電電起眠、.創'~a~削電且e・e・.,・・・・.・‘-~.τ‘'‘晶唱1ft..‘-ona釦"~""齢、s・,V"~桝.民""UM・2・・I.~岨・・",・..... ‘"''')1・E・...・-・・・・・伺,,,~!l'・包J.~引犯割、.

ー圃 - 量~

司 防, ,

ードZ

〆 〆

@ 同, 〆

P

〆 〆

4.産業科学研究所安全衛生管理

ョ"'''ト

O 薬品棚、保管庫等の上部に置いた物品の

落下防止処置

O 保管庫、書架等の固定

O 床配線コードの保護カバー

O たこ足配線

O 高圧ガスボンベの固定

O 毒劇物保管庫の施錠

O 毒劇物を実験台上等に放置

O ガス管、冷却水等のホースパンド

O ドラフトの開放使用

O 保護眼鏡、保護具の着用

O 整理整頓(ローカ、室内)・・・・・避難

路の確保

O 廃棄物(適切な分類と処理)

安全衛生管理に関連したものでは次に挙げる委員会が設置され、運用されている0

・安全衛生管理委員会

・高圧ガス専門委員会

.放射線安全委員会

・防火対策委員会

・バイオセーフティ委員会

.動物実験委員会

・廃棄物処理委員会

.交通対策小委員会

5.安全衛生管理に対する技術室の関わり

室長が、吹田地区事業場安全衛生委員会委員(衛生工学衛生管理者免許取得)、所内安全

衛生管理委員会委員として参画している。また、室員全体で各種免許・資格の取得、各種安

全講習会に参加、各種訓練等に参加する事による指導的立場に立てる資格、知識の修得を目

指している。啓蒙活動として、所内安全衛生管理委員会との共催による「安全講習会Jの実

施、所内職場環境の改善に積極的に取り組んでいる。主立った整備作業を次に示す。

-33-

Page 7: 4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

薬品棚、保管庫等のJ部に置いた物品の落下防止処置

保管庫、 書架等の固定

床面己線コードの保護カバー

たこ足配線の是正

高圧ガスボンベの固定

固ま欠事故予防対策

脳性白畠ニ戸幽

-『

酸素モニター

5 おわりに

酸素濃度計

快適な実験・研究生活は、先ず身の周りから!

研究・教育に専念できる

環境作りを支援

国叩印刷""'"

".盟国、

剛闘相質問

大阪大学大学全体の取り組みも踏まえ、技術室として積極的に関わっていけるようシステ

ムづくり進めている。

34

Page 8: 4. 光学器具の蒸着 · 注文で製作していたため、実験君器具の発注、実験、次の実験条件に対応する構造変更のフ ィード、パック期間が長かった。

(技術室職員取得免許・資格等) (平成18年12月現在)

.労働安全衛生法に係る免許証

「衛生工学衛生管理者免許」・・・・・ 2名

「第1種衛生管理者J・・・・・ 2名

「高圧ガス製造保安責任者免状(乙種化学)J・・・・・ 1名

「第2種放射線取扱主任者免状J・・・・・ 1名

fエックス線作業主任者J・・・・・ 1名

「高圧ガス製造保安責任者免状(特別丙化)J・・・・・ 1名

・労働安全衛生法に係る技能講習修了証

「アーク溶接特別教育J・・・・・ 3名「研削砥石の取替または取替時の試運転の業務j・・・・・ 2名「床上操作式クレーン運転j・・・・・ 1名「クレーンの玉掛け」・・・・・ 1名「天井クレーン定期自主検査者J・・・・・ 1名fガス溶接技能講習J・・・・・ 1名

f毒物劇物取扱者j・・・・・ 1名

-資格・免許証

「情報処理技術者試験(初級システムアドミニストレーター)J ・・・・・ 2名

rCAD利用技術者試験2級J合格・・・・・ 1名

「危険物取扱者乙種1---6類免許J・・・・・ 1名

「危険物取扱者乙種4類免許j・・・・・ 1名

参考資料

・「大学人のための安全衛生管理ガイドJ鈴木直他著(東京化学同人)

・大阪大学安全衛生管理部HP(www.osaka-u.ac.jp/jp/faci1ities/anzen/index.htm1)

-35ー

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技術室としての安全衛生の取組みと作業環境改善紹介

東オは学多元物質科学研究所技術室菅野洋一

1、多元物質科学研知芳(以下、多元朝刊の安全衛生管理体制について

東北大学の安全管理の基本方針を策定するのは研究・安全管理担当理事ですが、実際の安全管理業務は、

事業場単位で行われ、その責任者は、事業場を代表する各研婚ヰ長や研究所長になりますユ

多元研でも法人化後は労働安全衛生法(以下、安衛法)第19条に則り安全衛生委員会が設置され、毎月

1回安全衛生委員会が開催され、事業場の安全衛生に関する事項を調査審議しています三特に産業医と衛生

管理者の定期鶴見報告のなかでの間魅煮などを審議し対応してし法七

安全衛生委員会の委員は、委員長が事業場長である所長で、安全管理室長(教指お、安全管理室の専倍職

員1名、ttVI謡張(安全管理副室長兼務)、過半数代表者(校側哉員)、衛生管理者2名(校側哉員)、産業

医、作業環境測定士(助搬)、総務課長補佐、経理課長補佐の 11名で構成されています。

多元研には安全管理室が設置されています。環境ヰ安全衛生に関する諸問題の矧志窓口になりますユ

安全管理室の体制は、室長、副室長、専任職員(助手2名)の他に薬品、廃液、排水に関して担当する薬

品班、 DNA、動物実験などに関して担当するノ〈イオハザ一同圧、情報ネットワー夕、環境坊災、施設などに

関して担当するセキュリティ班、 X線・放射線・レーザー班、電気水道、ガス、水道などに関して担当する

ライフライン班があり、多元研の繍哉員で構成されていて、それぞれの班にまだ術職員が1--4名配置されて

います。衛生管理者8名中7名が技術職員て遡1回多元研全域を巡見してし、ます。セクハラ相談員8名中2

名、作業環境測定士3名中1名、分野ごとの安全管理担当者のうち13名それ初技術職員が担当していま

す三尚、安全衛生委員キ安全管理室などに配属されている働問蔵員はすべて兼務になります。

2、免許・資格などの取得について

表1は現在までのまだ術調敬員の免許・資格尉宇伏況の一覧です。

技術室では法人化後、安衛法などの法令を遊守することから、必要な免許・資格など同積極的に耳婦させ

ています。これは、研究者に安心して教育・研究に専念して貰おうという櫛障としての開技援の中の大

変重要なひとつで、樹府室・擬嗣哉員の役割と考えます。

現在、校側哉員がチャレンジしている免許・資格は高圧ガス製造保安責任者、安全衛生関係では第1種衛

生管理者、衛生工学衛生管理者、作業環境測定士、工場ではクレーン操作資格、玉掛けなどです。

免許・資格取得状況一覧Z<隅楓也

量生射.関係 i/lilEガ:.¥関係 化学技術関係

錐射線放鐙主径者 (211) 10& 斑匡ガ;r.JI.造保受賞径者{丙・化学.~lI'J) 1名 .8A磁物管理責任者 Z名

xa作費量主径ft 6名 特定高圧ガス取t皇室If:者 1名 ,・4純W公曾防止貸径者 1名

1t射線取録者 {鴎習} 11名 高lE:JJス保安 {際司} 18名 水質関係公書防止貧佳者 1名

歓射線車録者 X.UID) 9名 危a~取録者{甲種} 1名

危険物眼鏡者{乙...怨} 10名

危険物D!Ilft(乙種1忽} 1名

QOl創物取怨責任者{ー鎗} 3名

有償熔剣仰鎚主任宥{偲習} 5名

特定化学物質仰黛主佳{健司} 4名

安全衛生管理田保 工寝袋術関係 その他

lIJHI衛生管沼署F 3名 ガスlfltif(11習} ..'" 情銀銭術検定 1'"

鰐2鍾衛生管理署r 4名 アークIfIt麿 (IID) 4名 民国銀術償定 E名

作舞環境測定士{有1118剤} 1名 宝If吋 8名

作東環境測定士{鈴巴ん〉 1名 床上録作iI:タレーン遺伝後飽既習 2名

タレ}ン遺伝8碕4t1l'1敏宵 5名

電気工事士(1種} 1名

電気工事士 (2稲} 3名

表1技術哉員の免許・資格脱字肉兄

-36ー

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3、大幅な移騎情。117年一H19年)

多元研では平成 17年より対直な研究室の移転梢Tわれてし、ます。新棟(材料物出索1・2号館)が完成

し、そこへの移転が昨年より始まり、今年も行われていて、さらに、研究棟(耕才研棟1号館)の改修が間

もなく始まるため、そこの研究室が新棟に移転した後の研究室などに本移転、若しくは仮移転しています。

移転はこれまでばらばらだ、った同部門研究室を同じ研矧如こ統一しながら行われ刀法す。新;f.研棟1号館

改修後に、残りの研究室が移転した後、空いた研究室を改修後に技術室ガラス工場も移転することになっ

ています。来年度までカ瓦かるようです三

多元研全体でそのような制兄のため、安全衛生管理は多少停滞気味でありますが、この移転を契機に、安

衛去などに法った開撞の実験設備等の配置(レイアウト)を考慮するよう衛生管理者、産業医、安全管理室

で指導しています。整理盤顧の徹底、通路・避難路の確保、地疲対策、高圧ボンベの2点固定、薬品の管理

(保管庫・財穣設備の管理、応DSファイルの常備、薬品棚の薬品は仕切の付し、たカート保管)、廃液容器の

保管、学生の安全衛生教育などの徹まを指導し、お願いしてします。

4、安全衛生管理支援

働憶としての主な安全衛生管理支援は以下の通りになります0

・安全衛生委員会、安全管理室への支援

・高圧ガス(液体窒素)の管理高圧ガス製造保安責任者丙種化学(糊IJ)資格取得

.各種免許・資格の財尋

・衛生管理者 (7名)と産業医との連機~<t見

・自前による作業環境測定の推進(作業環撒リ定士3名) ガスクロマトグラフ質量分析装置 (GC-MS)な

ど測定・分析に必要な機器の購入申請中(現在は作業環境測定は専門の業者に委総

・分野ごとの安全衛生教育の実施(平成16年度までは多元研全体の安全講習会を担当)

-菊槻採用職員・学生などへ機械・ガラス・レンズ工作、事掴、分析機器などの安全作業講習会の実施

.安全管理室と共催で救急救命講習会の実施

多元研では、従来の技術・研究支援の他に、安全衛生管理支援など技術室の果たす被害lが大きくなっていま

す。

5、機械工場の作業環境攻善の紹介

法人イ以降安衛法などの適用を受けることになり、東北大学施設部が,工場等における労働炭全衛生管

理の実態を調査する際の今後の参考にすると云うことで、多元研機械工場がモデルとなり、平成16年 11

月に安全衛生コンサルタントにより現場巡常跡、よび労働僚全衛生管理全般にわたって調査が行われました。

その結果報告を受け、作業環境の改善指摘事項に対する当工場の改善伏況を紹介しますユ

6、作業環境の改善指摘事項

安全衛生コンサルタントによる作業環境の改善指摘事項を以下に示します。

1、安盆直路の確保と表示使衛則第540剣

2、両頭グラインダーの管理

1)粉じλぷ陵犠置(粉じん則第4条・第10剣

2)安全カバー、保護具の着用ぽ棚Ij第106菊

3)砥石の交換作業糊l殿育(安衛法第59条第3項・安偉測第36条第1項第1号)

4)研磨作業における規定の遵守伎満則第118-120紛

3、研磨・アーク溶樹乍業、サンドプラストマシン従事者のじん肺健康診断の実施(じん肺法第7-8条)

-37-

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4、ボーノ司監 ・フライス盤等回転する刃物を有する機械作業の手袋器用集止伎漁i¥'1IJ第 III条)

5、工作樹戒等での作業で発生する切り粉対策(釘欄IJ第 106条)

6、天井走行クレーンおよひ宝掛けの管理

1)天井走行クレーン(5t未満)の操作資格制専 クレーン取扱特別教育(安待頂IJ第36条第1項第 15号)

2)王掛け作業の資格取得王掛け技能i昭俊:iii融第61条 ・施行令第20条第1項打 16号)

3)定期自主検査(クレーン則第77条一第79条)

4)玉掛け用具の始業点検(クレーン則第217条 ・第 220条)

7、YAGレーザ」力皿機の安全衛生管理僚制告第22条第1項第2号 ・行政通過

8、シャーリングの管理

1)切断部の安全固い(安税制第 131条)

2)定期自主検室(安衛法第45条 ・脳子令第15条 ・安:q{,捌第 135条)

9、アルゴン熔担刻字業

1)交流アーク崩妾機用電撃防止装置の具備伎:ffj前去第42条 ・古節子令第 13条第 14号)

2)アークI容樹特鮮問IJ教育の期包(安術去第59条第3項 ・安衛則第36条第三号)

3)全体換気装置の増設と防じんマスクの着用義務付け(粉じん則第5条 ・第27条)

10、サンドプラストマシンの管理

1)局所排気装置の俳気ダクトの移設(粉じん則第4条 ・第 11条第1項第4号)

2)当該作業lこ倍存する作業;者に対する粉じM機用IJ教育の実施(粉じん員IJ第22号)

3) 6ヶ月以内ごと0)作業環境問l定の努在(粉じん則第25条一第26条の4)

11、オーイノL等の保管

12、バンドソー歯部にカハー設宣伝治頂リ第114条に当戦自

7、作業環境の改善状況

改善樹商事項とそれ以外の自発的安全対策 ・作業環境対策を含めて、作業環境の改善状況を紹介します。

安全遁路の確保と屋内床貼用テープによる表示 集塵装置 ・カバー付グラインダー設置

{呆説眼鏡着用と手袋着用禁止表示 切り粉対策術立設置 クレーン樹乍上の主主意

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YAGレーザー加工機の専用{果音量具活用 シャーリング切断部の安全カバー取付け

臨国

溶接室の防じんマスクなど保護具の着用帯主付け 溶接室の全体換気装置増設

サンドプラス トマシンの排気ダクト取付けとl呆護具着用義務付け オイノLイ呆管期のステンレスパy ト設置

南国咽

バンドソー歯部に安全カバー取付け 暑4再検i策空調機設置

織作盤に頭上註諮の安全対策 保護具活用と手袋着用鉄止表示 ドアの開閉注意蜘包ステッカー

nwu

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安 全 + 篇 -

S 理 + 盛頓

注意腕梼Eの表示

保設具ケースの設置

通路一時使用中の標識 防塵7スク専用ケースの設置

書物 ・工具棚等の地慰棟

8 、樹衡されているじん肺健康診断、作勢調境調~定、定期自主検査、資格などについて

-粉じλイ乍業などに義務利けられているじ/v!J市健康診断にっし、ては、個人の判断で申し込んでいる。

・粉C/vf学業の従事者lU嗣 IJ教育を受講済み。 (宮城労働基準協会仙台支部、H17/12/9)

・グラインダーの砥石交換l淵入業者に側買する。(砥石交換作業糊IJ教育出子わなし、)

・天井走行クレーン (5t未消ilの換作取得についてはクレーン取扱特別教育を受講済み0

・玉掛け作業資格について、玉樹"1技官協梓習を修了済み。

・天井走行クレーン、ンヤーリングの担割自封錨は専門の業者に側演し、裁 量済み。今後その資格取得の

ための安全教育を予定している。

・アーク溶接作業精司IJ教育を受講済み。

-サンドプラストマシンの作業民閣測定(粉じん)期踏み。

9、機械工場の統合と作業環境改善

多元研3研宛棟にあった機械工場は、平成17年4月に研弼庁の方制こより科研棟の機械工場に統合され

たそのことで、樹戒工場は角帽な工作機械の配置換え、移設、不要工作機械 ・不用物品の廃棄があり、ま

た設計室の桝去に伴う工事、居室と工務室との間仕切り工事や電気工事、エアーi配管工事などが7月までか

かり、工場の中は工作機倣やキャビネットなどか所定の場所に設置完了するまで雑然としていましたが、部

署ごと徐々に整理強頓されてきた。そんな中、本業の仕事の合間に前述の作業環境改善を期包してきました。

今後も安全衛生管理と工場河成員の健康を重視し、 5S運動なども取り入れ、更に安全で闘菌な工場をめざ

しています。

10、今後の取組み

多元研の今後の課題としては、自前の作業環糊IJ定の早急な動包と、すべての朝最員の法人化後の安全術

生に対する意識改革が必要と恩おれます下校術室が率先して安全衛生管理に関与し、機会があるごとに明彦

会や糊IJ教育などで安1ft憾などの法令を学ぶ姿勢Lが大切で、今後も技術室の目標として取り組まなければな

らない。

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多元研一産研テレビ会議システムを構築するにあたって

1 . はじめに

相 原 千 尋

産業科学研究所技術室計測班

2005年に阪大産研と東北大多元研との連携のもとに、新産業物質基盤センターが発足し

た。本センターは、産研と多元研の研究集団が、対企業での個別的及び学内連合の壁を超

えた相補的連携を組んで、、シーズに則ったニーズ指向研究開発を時限展開することにより、

大学主導で、我が国に不可欠な新産業の創造に貢献することを目的として新設されたセン

ターである。本センターは、 2つの研究プロジェクトによる 4つの研究グ、ループを形成し、

企業参画理念に基づ、いた社会還元型の研究を行っている。研究グ、ループの形成にあたって

は両研究所から相補的な組み合わせの人員配置を行い、それぞれの特色を生かしたプロジ

ェクトチームとして研究を行っている。一般的に、大学での研究プロジェクトメンバーは、

ある特定の研究室より形成されるか、共同研究型プロジェクトのように部分参画型で行わ

れている。本センターのプロジェクトの様に研究者の特色、並びに研究成果から逆算した

メンバーの選定は特異的な物で、あるo またメンバーの物理的位置関係に置いて宮城県と大

阪府という往復で7時間以上の距離が存在する。研究の推進にあたっては、グループ聞の

議論や方向性の確認が必須である。より良い成果を迅速に出すためには議論は不可欠であ

り、密な研究時間を確保するためにも、人間の移動という手段ではなく、また電話やメー

ルなどのような既存のインフラだけで対応を行うことは不可能である。日常的に研究者が

行っているセミナー形式の議論や、データーを示しながらの対話的な助言が当然の様に求

められる。その物理的距離を改善するためのインフラ整備にあたり、テレビ会議システム

の導入を行った。今回の報告は導入にあたって両研究所聞にて議論を行った際の問題提議

した内容や主旨をまとめた物である。

2. テレビ会議システムとは

テレビ会議システムとは、多地点の映像と音声をインターネット回線を通じてやり取り

するためのシステムである。必ずしもインターネット回線に限るわけではなく、古くは電

話回線、衛星回線、専用線、テレビ回線などが用いられてきた。大学では一般的にscs回

線を用いた遠隔講義などが主流で、あったし、マルチメディア講義システム等と呼ばれてい

た。現在では、インターネット回線が一般家庭に普及した背景にも見えるように送信媒体

としては IPを用いたインターネットが主流となっている。インターネットは、もちろん大

学にも整備されており、研究者が一般的な活動を行うにあたっての、論文の投稿やメール

でのやり取り、ホームページを利用した情報の公開や、学会の模様がインターネットを利

用して公開されるなど非常に身近で、あり、各研究室の居室などには、必ずと言っていいほ

ど情報コンセントが整備されている。このインフラを使うのはごく自然であり、利用にあ

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たって特に新しい知識を要求されないことは研究者にとって非常に有用なことである。新

しいシステムが導入されたことにより、何かを覚えないといけないのでは煩雑であるし、

利用を促進することは現実的に非常に難しい。次に、テレビ会議システムの通信規格につ

いてで有るが、通信の規格の代表格である H.323は 1996年に ITU-T(国際電気通信連合)

により標準化されている。また、 1998年頃よりこの規格に準拠した製品が市場に出回りは

じめている。しかし、実際の製品は標準化された規格以外に、ベンダー独自規格の通信方

式がいくつか盛り込まれており、この独自規格の内容がベンダー聞の製品の違いとなって

表れてきている。また、最近ではテレビ会議システムに外出先の PCからの WEB経由で

の参加する方式が流通されるようにもなっている。

3. テレビ会議システム導入時の状況について

テレビ会議システムを産研及び多元研にそれぞれ導入をするにあたって、両研究所の担

当者によって情報収集を行った。機器を選定していくにおいては、テレビ会議システムの

世界シェアー (2004年度)が、 P社44.0%,T社22.9%,S社 13.1%で、あったので、我々の調

査も上記3社に絞った形で、行っていった。

当時、産研においてはP社製4台,T社製1台,S社製1台が運用されており、実機を用い

た検証や、機器のカタログ外の仕様の検討などはこれらの機器を用いて行った。また、産

研としての当初のスタンスはこれらの機器を流用する方向をにらみながら検討を行ってい

った。また、運用後をにらんだ検討材料としては、中之島センター、吹田(産研)、豊中(基

礎工)、東京(阪大オフィス)、京阪奈(民間)を繋いだナイトスクールを社会人向けに開

校した際に問題になった点を参考にした。

多元研側独自でも東北大にて運用されているテレビ会議システムの状況の考察を行い、

ベンダーや販売代理店の協力の元、技術調査、実機による検証や運用後の問題点などの検

討を行った。このような状況の中導入をすすめたわけであるが・・

4. 機種決定のための議論ついて

導入する機器を決定するにあたっては、両研究所の担当者間にてメールを用いて種々多

様な議論を行った。主な議論の項目は下記の通りである。

〉 システムの安定性

〉 マイクの集音能力

〉 予算に関すること

〉 業界シェア

》 会議を利用する人数、頻度

〉 書類画面の解像度

》 操作性

> FireWa11下での利用面

> H.323等の標準化度合い

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両研究所の調査に基づく推奨機種が異なった事に加え、システムに対しての必要要件の

認識の相違が有ったことや、年度末の多忙な時期に多数の人間によるメールのやり取りを

行ったため、情報が錯綜し混沌とした状況が発生した。

議論の収束に向け議論の中間報告を提出し、両研究所の TOPレベルにてシステムに必要

とされる要件等の確定を行って頂いた。そして 2005年 6月に両研究所聞の担当者レベルで

の話し合いの場を持ち、実機を前にしての検証や購入システムに必要な仕様の検討を行っ

た。この時点では予算、会議の頻度、参加人数、会議の内容、会議の開催場所の AV環境、

将来に向け必要とされる要件等が確定していたためその実現に向けての機種の選定作業を

行っていった。

まず、会議の内容であるがセンターの方針等を決定するための全体会議とグループ毎の

研究ミーティングがある。両会議において人物像と資料の提示が必要となる為、映像ソー

スは2つ必要である。また、全体会議においては対話的なやり取りが主となり、グループ

毎の研究ミーティングにおいては提示資料の詳細が確認できることが主となる。しかし、

人間のしわの数の確認は必要ではないが、研究データーの提示時の画像の濃淡や細部の視

認、性はより良い物でなければ一般的に研究室で行われているセミナーの様な環境を提供す

ることはできない。この方針の下、人物映像(Main)では無く提示資料映像(Additional)につ

いて機種聞の比較を行った。この通信規格は、主に下記の 2つである。

> H.239 (Main media channel以外の Additionalmedia channelについての規程)

> H.263 (Additional media channel下での通信の追加規程)

そして、 2社の実機を自社同士、他者同士、相互接続し、会議のシミュレーションを行

った。結果として H.323、 H.239、 H.263の規格上は、双方とも遜色ないことが解った。

また、 H.239の規格外であるベンダー独自の機能について相違が有ることが解ったo 特に

Additional側の通信方式(表示方式では無し、)において違いが見受けられた。これは、比

較した 2機種は表示は共に XGA表示で、あったが、コード化を行い通信をする際に一方は

4CIFを用いているため映像の鮮明さに差が現れた。(参考資料 図 1)

また、会議を行う際の操作性にも若干であるが差が見受けられ一つの判断材料となった。

その比較内容をまとめた物が機種選定理由書である。(図 2)

解像度の遣いによる見え方の肱較 . . . ~・‘' !=.+'f:f--==~~~~~-f竺竺j

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図1 解像度の違いによる見え方の比較 図2 機種選定理由書

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5. 会議開催時のトラブルなど

このようにして機種が決定され実際の運用に入った訳であるが、その際の 卜ラブ‘ルや問

題点が有り以下の通りである。

》 ネットワークのファイアーウオール設定ミス

・機器マニュアルに記載の PORTレンジと実際の利用 レン、ンが違った。

・また、ファームウェアーをバージョン UPに伴いレンジの変更が必要で、有った。

〉 音声の反響を考慮して、機器の配置場所や机の配置を変更する必要があった。

〉 照明の当たり具合なども考慮にいれる事によりより良い環境の構築が行えた。

6. 最後に

下記に実際の設置の様子とク、ループ MTの様子を掲載する。(図 3、図 4)

多元研では全体会議重視の配置であり、産研で、はク、ループ MTを重視した配置となった。

産研にてグ、ループ MTを重視した背景には、 MTを教員の居室で行 うことによるユーザー

側の利便性がある。しかし、 MTを行うにあたって設置に 30分程度かかる上に、情報ネッ

トワーク室に MTの開催依頼を行うという手順が少し面倒であるという利用者の意見もあ

る。モパイルかつレンタル形式を取ることにより、機密の利用率の向上につながる面もあ

るので一長一短ではあるが今後、常設の方向も検討をしていきたし、。

個人的には、当初すぐに決まるであろうという楽観的な考えの元でのスター 卜で、有った

が、いざメールで、やり取りをすると細かいニュアンスまで伝わらない事で思うような意志

の疎通が取れず、意見の行き違いが多く有った。笑い話のようであるが、テレビ会議シス

テムを導入に関する案件をテレビ会議を用いて議論をしたい衝動に駆られた。

今後も本センターのより良い研究成果を産出するためのインフラとしてテレビ会議シス

テムは大いに利用 されて行くであろうし、産研と多元1i)fの両技術職員においても情報交換

のできる環境が整ったことは、非常にうれしいことである。

図3 多元研の設置の様子 区14 グループ MTの綴子

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光学式表面組さ計を用いた高精度測定技術の考案

東北大学多元物質科学研究所・技術室荒井彰

1. はじめに

我々が、光学式表面組さ計を使用し始めたのは今から 20数年前のことです。当時、波阿武

教授が中心になり、軟X線多層膜反射鏡の開発を行っていました。軟X線は、可視光よりも 1

桁から 2桁程波長が短い光です。そこで、可視光においては平坦に見える表面粗さでも、軟X

線においては大きな表面粗さになります。そこで、軟 X線でも平坦な表面粗さになるように

した超平滑平面基板の作製に使用したのが始まりです。そこでは、まず、あらかじめ超平滑平

面基板を研磨し、それを表面粗さ計で測定を行います。次に、その測定値を基に更に超研磨を

進めます。そして、更に表面粗さ計で測定を行い、研磨を続けるかどうかの判定をし、超平滑

平面基板を作製しました。このような使用方法で、超平滑平面基板の作製に表面組さ計を使用

しました。その超平滑平面基板に Mo/Si軟 X線多層膜を蒸着して、 450入射で 125Aにおい

て30%の反射率を得ました。 1)そして、 10年程前には、柳原美広助教授を中心として、軟X

線顕微鏡の開発にとりかかりました。軟 X線顕微鏡は、凹面鏡と凸面鏡の組み合わせたシュ

ワルツシルド型の顕微鏡です。この凹面と凸面の超平滑基板の作製にも、この表面粗さ計が使

用されました。超平滑凹面・凸面基板の作製方法は超平滑平面基板と同じように、表面粗さ計

を基に行われました。ここで作製された凹面と凸面の超平滑基板に Mo/Si軟 X線多層膜を蒸

着し、軟 X線顕微鏡を作製し、 5μm幅の Si02パターンを明瞭に観察することに成功しました。 2)

2. 光学式表面粗さ計の原理

使用した光学式表面粗さ計は、米国の WYKO社製の TOP02D:表面粗さ計です。縦方向

の感度は lA、横方向の分解能は 0.3μmの性能があります。図 1にその測定装置の原理図と

その装置に搭載されているミラウ干渉計の模式図を示します。装置図において、ハロゲンラン

プを光源とした光は、レンズで平行光線になり、赤色の干渉フィルターを透り単色光 (6513

A)になります。そして、その光は、ハーフミラーで試料方向に反射されます。そして、ハー

フミラーと試料との聞にミラウ干渉計が配置されています。ミラウ干渉計では、試料測定面に

行く光と、リファレンス鏡に行く光とに分けられます。そこで、試料測定面に来た光とリファ

レンス鏡に来た光は反射され、ハーフミラーの方向へ戻ります。その時、その反射された 2つ

の光は、互いに干渉を起こし干渉縞を生じます。その干渉縞は、ディテクターアレイで検知さ

れ、そのシグ、ナルデータをコンビュータへ出力します。そのシグ、ナルデータとは、ヒ。エゾ駆動

筒で干渉縞の位相を 00

、900

、1800

、2700

とずらした時、その時に生じる干渉縞のわず

かな差分を言います。

デイテタターアレイ

干渉フィルター (6S13A)

光濁 U、ロゲンランプ〉

ヨンビュータヘ

図1.光学式表面粗さ計(明司KO:TOP02D)の模式図

3. 測定方法

リファレンス錦

表面粗さ測定は、リファレンス鏡を基準に測定が行われるため、リファレンス鏡の表面組さ

より大きい組さの測定に関しては問題ありませんが、リファレンス鏡の表面組さ(通常 :rms

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