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811低速回転に対応 した発電機 開発 学※岡崎 陽平(高知工 科大) 立花 邦彦(高知工 科大) 正◎岡 宏 (高知 工科大) わが国の電力 を考えると水力発電は有効 な電力源であると考え られ るが ,大規模なダムによるも のは資金や工期,お よび周辺環境 影響など ,さ まざまな問題がある。取水設備等の 既存設備を利用 す ることができる超小型発電機は 短期間 施工が可能であ り,維 持管理も容易である.超小型発電機の 多 く成 水車軸出力を増速 し , 高速回転で発電を行つている.そのため ,直流での電力供給におい イルの配置を工夫す ることで ,よ り効率的な発電が可有罰こ なると考えられ る。この考えに基 き本報告では超小型発電機にお ける イルの酉己置方法 最適化設計の方法と ,製作 した発電機 介を行 う. 2 超小型発電機 の試作 2.1 コ イル 数 と磁石数の比較検討 磁石は永久磁石を用 、形状は入予性と コス トの関係上 ,丸型を 選択 した.コイルは配置 した とき の面積効率を考慮 し ,お むすび型 (三角形)コイルを選択 した。本研究で製作する発電機は 3相発電 機なので ,コイル と磁石の 個数 の比率を イル 3個に対して膨石 2 の願 収こ つた。磁極数 としては 3:4による磁極数の比較を行 ,最適 と思われ る数を境界積分要素法を用いて検討 した。この結 計算上で最大電圧を得 られた イル と磁極の比率を 12:16 に決定 した。 2.2 コ イルの配置 と形状 図 1のように イルは片4Rllの ステ タに24個を酉己置している. これ らは 2相となつてお り,30度 ずつ 位相をずらした 12個の ルが各相に並んでいる。これ ら2つの相は 15度ず らして配置 され ている.永久磁石は図 2に示す ようにアル ミのロ タに16個取り 付ける.このような配置にすることにより図 3に示すように ,擬1以 的に多相交流状態 (6相交流)を生み出 し ,連続的に電圧が得 られ るようにな り ,1畑転でも直流に近 電圧を取 り出すことが可能で ある。また イルに使用する ナメル線を丸型ェナメル線ではなく, 平角 ナメル 線にすることによリ イルの面積効率の向上を目指 す設計に した.回転子 には ,加 工精度が低 くてもある程度の性能が 見込める点 と ,メ ンテナンス や調整の しやす さを考慮 し ,磁 石側が 回転するインナ タを使用する。 2.3 最 適化設計 設計を行 うにあた り,コイルが最大位置でΦ 220mmを超え ないこと,コイル中央部 (空隙部)の最大長よりも磁石の直径が /Jヽ さいこと,コイルの接続は直列,及 びY型結線であること,コ イル は 0.15t-2mm幅の 平角線であることを前提条件 として ,設 計を行つた。上記で記 した イル 数 と磁石数を用いて ,発電効率を 最大 となるように境界積分要素法 (ELE/ヽ □LGIC)を 用いてシミ ュレ ションを繰 り返 し確認することで最適な設計を行 )最終的 な寸法を図 4のように直径 22晩 厚 さ 50-に決定 した. 得 られた結果に基づいて発電機を製作 した。図 5は方向 板に イルを貼 り付けたステ タ部分■ 12個のコ イルを貼 つた後 | ,さらに12個のコ イルを 15度ずらして貝占リイ寸ける。図6は永久 磁石を設置 した タ部分である。永久磁石はN極とS極を交互に 配置 してある。最終的には ,磁石部分を イル 部分で挟み込み,そ の中で磁石部分が回転す るよ うに製作 をイ子う. 4 超小型発電機の性能向上のために イノL/U己 置お よび形状 を行 い。その結果 に基 づいて実際 に発電機 を試 作 した。今後はこの 発電機を用いて実際に回転 させ設計通 りの電圧が得 られているか の確認 を行 う予定である. Fig.1.CoilAmngement 日本機械学会中国四国学生会第41回学生員卒業研究発表講演会議演前刷集 ('11-3-4,岡 山) Fig.4.deslgnむ awmg -122-

811低 速回転に対応した発電機の開発 学※岡崎 陽平(高知工科大 ... · 2011. 11. 29. · 最大となるように境界積分要素法(ele/ヽ lgic)を用いてシミ

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Page 1: 811低 速回転に対応した発電機の開発 学※岡崎 陽平(高知工科大 ... · 2011. 11. 29. · 最大となるように境界積分要素法(ele/ヽ lgic)を用いてシミ

811低 速回転に対応 した発電機の開発

学※岡崎 陽 平(高知工科大) 立 花 邦 彦(高知工科大)

正◎岡 宏一(高知工科大)

わが国の電力を考えると水力発電は有効な電力源であると考え

られるが,大規模なダムによるものは資金や工期,お よび周辺環境

の影響など,さまざまな問題がある。取水設備等の既存設備を利用

することができる超小型発電機は 短期間の施工が可能であり,維

持管理も容易である.超小型発電機の多く成 水車軸出力を増速し,

高速回転で発電を行つている.そのため,直流での電力供給におい

て成 コイルの配置を工夫することで,よ り効率的な発電が可有罰こ

なると考えられる。この考えに基づき本報告では超小型発電機にお

けるコイルの酉己置方法の最適化設計の方法と,製作した発電機の紹

介を行う.

2 超 小型発電機の試作

2.1 コ イル数と磁石数の比較検討

磁石は永久磁石を用し、形状は入予性とコストの関係上,丸型を

選択した.コイルは配置したときの面積効率を考慮し,おむすび型

(三角形)コ イルを選択した。本研究で製作する発電機は3相発電

機なので,コイルと磁石の個数の比率をコイル 3個 に対して膨石 2

個の願 収こ従つた。磁極数としては3:4に よる磁極数の比較を行

い,最適と思われる数を境界積分要素法を用いて検討した。この結

見 計算上で最大電圧を得られたコイルと磁極の比率を12:16

に決定した。

2.2 コ イルの配置と形状

図1の ようにコイルは片4Rllのステータに 24個 を酉己置している.

これらは2相 となつており,30度 ずつ位相をずらした12個のコイ

ルが各相に並んでいる。これら2つ の相は 15度ずらして配置され

ている.永久磁石は図2に示すようにアルミのロータに 16個 取り

付ける.このような配置にすることにより図 3に 示すように,擬1以

的に多相交流状態 (6相交流)を 生み出し,連続的に電圧が得られ

るようになり,1畑 転でも直流に近い電圧を取り出すことが可能で

ある。またコイルに使用するエナメル線を丸型ェナメル線ではなく,

平角エナメル線にすることによリコイルの面積効率の向上を目指

す設計にした.回転子には,加工精度が低くてもある程度の性能が

見込める点と,メ ンテナンスや調整のしやすさを考慮し,磁石側が

回転するインナーロータを使用する。

2.3 最 適化設計

設計を行うにあたり,コイルが最大位置でΦ220mmを 超え

ないこと,コイル中央部 (空隙部)の 最大長よりも磁石の直径が/Jヽ

さいこと,コイルの接続は直列,及びY型 結線であること,コイル

は0.15t-2mm幅 の平角線であることを前提条件として,設

計を行つた。上記で記したコイル数と磁石数を用いて,発電効率を

最大となるように境界積分要素法 (ELE/ヽ□LGIC)を 用いてシミ

ュレーションを繰り返し確認することで最適な設計を行い)最終的

な寸法を図4の ように直径 22晩 厚さ 50-に 決定した.

得られた結果に基づいて発電機を製作した。図5は方向″蜘

板にコイルを貼り付けたステータ部分■ 12個のコイルを貼つた後|

に,さ らに 12個のコイルを 15度ずらして貝占リイ寸ける。図6は永久

磁石を設置したロータ部分である。永久磁石はN極 とS極を交互に

配置してある。最終的には,磁石部分をコイル部分で挟み込み,そ

の中で磁石部分が回転するように製作をイ子う.

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超小型発電機の性能向上のためにコイノL/U己置および形状の踊

を行い。その結果に基づいて実際に発電機を試作した。今後はこの

発電機を用いて実際に回転させ設計通 りの電圧が得られているか

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Fig.1.CoilAmngement

日本機械学会中国四国学生会第41回学生員卒業研究発表講演会議演前刷集 ('11-3-4,岡 山)

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