12
分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80 (%) 新しいことを知るのがうれしいから 問題を解くことがおもしろいから ふだんの生活に役立つから 自分の希望する高校や大学に進みたいから 友だちに負けたくないから 成績がよいと周りの人がほめてくれるから 先生や親にしかられたくないから 周りの人に頭がよいと思われたいから 72.9 58.8 53.8 57.5 45.8 42.0 75.7 60.8 47.8 56.4 79.8 76.8 59.9 64.3 59.1 60.0 59.4 52.7 45.7 46.4 35.1 39.5 39.9 36.7 小 4~6 生 中学生 高校生 〈基礎知識…学習動機づけ〉 学習意欲を高めて行動に向かわせることを「学習動機づけ」と呼ぶ。動機づけは次に分類できる。 A 内発的動機づけ 内容に対する好奇心や関心によってもたらされる動機づけ B 外発的動機づけ 内容そのものではなく、外的な目的や理由によってもたらされる動機づけ B-1 同一化的動機づけ 学習者自らの価値観や信念と一致した理由による動機づけ B-2 取り入れ的動機づけ 周囲の価値観や実行しない場合の不安などによる動機づけ B-3 外的動機づけ 義務や賞罰、強制などによってもたらされる動機づけ 出典:鹿毛雅治(2013) 『学習意欲の理論−動機づけの教育心理学』 (金子書房)を参考に作成 学校段階が上がるにつれて、内発的動機づけで勉強する中高生 の割合が低くなる 勉強する理由をみると、学校段階が上がるにつれ、 「新しいことを知るのがうれしいから」 「ふだんの生活に役 立つから」といった動機づけで勉強する子どもが徐々に減り、一方で「自分の希望する高校や大学に進みたい から」という理由で勉強する子どもが増え、中高生では約 8 割となる。また、「友だちに負けたくないから」勉 強している子どもはどの学校段階でも6割前後いるが、なかでも、中学生の回答比率が比較的高いことから、 とくに中学生の学習において、他者の存在が大きいということが言えそうだ。 Q あなたが勉強する理由について、次のことはどれくらいあてはまりますか。 子ども 2016 図2-1-1 勉強する理由 (学校段階別) 注 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。

Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ)Ⅱ

10

0 20 40 60 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

72.9 58.8 53.957.5 45.8 42.075.7 60.8 47.856.4 79.7 76.959.9 64.3 59.160.0 59.5 52.745.6 46.4 35.139.6 39.9 36.7

(%)

新しいことを知るのがうれしいから

問題を解くことがおもしろいから

ふだんの生活に役立つから

自分の希望する高校や大学に進みたいから

友だちに負けたくないから

成績がよいと周りの人がほめてくれるから

先生や親にしかられたくないから

周りの人に頭がよいと思われたいから

72.958.8

53.8

57.545.8

42.0

75.760.8

47.8

56.479.8

76.8

59.964.3

59.1

60.059.4

52.7

45.746.4

35.1

39.539.9

36.7

内発的動機づけ

同一化的

動機づけ

外発的動機づけ

取り入れ的

動機づけ

外的動機づけ

■小4~6生■中学生■高校生

〈基礎知識…学習動機づけ〉学習意欲を高めて行動に向かわせることを「学習動機づけ」と呼ぶ。動機づけは次に分類できる。

A 内発的動機づけ 内容に対する好奇心や関心によってもたらされる動機づけ

B 外発的動機づけ 内容そのものではなく、外的な目的や理由によってもたらされる動機づけ

 B-1 同一化的動機づけ 学習者自らの価値観や信念と一致した理由による動機づけ B-2 取り入れ的動機づけ 周囲の価値観や実行しない場合の不安などによる動機づけ B-3 外的動機づけ 義務や賞罰、強制などによってもたらされる動機づけ

出典:鹿毛雅治(2013)『学習意欲の理論−動機づけの教育心理学』(金子書房)を参考に作成

学校段階が上がるにつれて、内発的動機づけで勉強する中高生の割合が低くなる

勉強する理由をみると、学校段階が上がるにつれ、「新しいことを知るのがうれしいから」「ふだんの生活に役立つから」といった動機づけで勉強する子どもが徐々に減り、一方で「自分の希望する高校や大学に進みたいから」という理由で勉強する子どもが増え、中高生では約8割となる。また、「友だちに負けたくないから」勉強している子どもはどの学校段階でも6割前後いるが、なかでも、中学生の回答比率が比較的高いことから、とくに中学生の学習において、他者の存在が大きいということが言えそうだ。

Q あなたが勉強する理由について、次のことはどれくらいあてはまりますか。

子ども 2016  図2-1-1 勉強する理由(学校段階別)

注 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。

Page 2: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

分析と考察

11

外発的動機づけ

18.7 57.4 22.7 49.3 14.0 52.8 32.8 28.5 47.4 40.1 48.0 37.6 34.5 34.0 31.3 41.1 26.7 41.3 16.6 34.5 14.1 26.3 7.0 23.6

76.2 72.0 66.9 61.3 87.5 85.7 68.5 72.4 68.0 51.1 40.5 30.6

嫌いなまま 嫌いから好き

新しいことを知るのがうれしいから

自分の希望する高校や大学に進みたいから

友だちに負けたくないから

先生や親にしかられたくないから

41.5 29.5 47.4 40.1

37.548.228.040.0

34.034.513.633.7

41.1

34.516.630.3 21.0

26.314.133.6 15.6

23.732.2

6.8 7.0

41.426.8

10.1

36.6

31.316.034.6

57.4

49.322.7

5.7

31.1

53.014.1

3.6

31.5

28.532.812.526.8

18.736.0 6.0 [42.0]

[36.8]

[35.1]

[51.1]

[40.4]

[30.7]

0 20 40 60 80 100(%)100 80 60 40 20 0(%)

[76.1]

[72.0]

[67.1]

とてもあてはまるとてもあてはまるまああてはまる まああてはまる

[61.3]

[87.5]

  [85.7]

[68.5]

[72.4]

[68.2]

内発的動機づけ

同一化的動機づけ

取り入れ的動機づけ

外的動機づけ

[51.3]

[49.2]

[39.0]

[47.3]

[50.6]

[46.7]

小 5~6生

中学生

高校生

小 5~6生

中学生

高校生

小 5~6生

中学生

高校生

小 5~6生

中学生

高校生

[39.3]

[71.0]

[68.0]

勉強が「嫌いなまま」の子どもは「嫌いから好き」になった子どもに比べて外的動機づけで勉強している比率が高い

中高生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、進学や友だちとの勝ち負け、新しいことを知るうれしさなどさまざまな動機づけを持ち合わせて勉強しているのに対して、勉強が「嫌いなまま」の子どもは主に進学を動機に勉強しているのが特徴である。また、「先生や親にしかられたくないから」勉強している子どもの比率を見ると、小学生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもも、勉強が「嫌いなまま」の子どもも5割だが、中高生では勉強が「嫌いなまま」の子どもの方が「嫌いから好き」になった子どもより高くなる。

Q あなたが勉強する理由について、次のことはどれくらいあてはまりますか。

子ども 2015-2016  図2-1-2 勉強する理由(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。注2 「学習動機づけ」の分類と定義はP10の〈基礎知識…学習動機づけ〉を参照。注3 2016年の学年。

Page 3: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

②勉強方法(学習方略)

12

0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80

85.2 74.5 66.473.6 75.0 73.361.5 63.9 65.151.5 45.6 48.131.5 26.5 28.1

74.3 65.8 57.457.2 58.9 68.653.0 58.9 64.051.1 61.6 65.638.8 32.5 29.4

85.2

66.3

73.6

74.9

73.3

61.563.9

65.1

74.5

74.3

57.4

57.2

58.9

68.6

52.9

58.9

64.0

51.1

61.7

65.6

38.9

32.5

29.3

65.8調整方略

援助要請方略

リハーサル・記憶方略

考えても分からないことは親や先生に聞く

テストで間違えた問題をやり直す

社会的方略

メリハリ方略遊ぶときは遊び、勉強するときは集中して勉強する

友だちと勉強を教えあう

プランニング方略

くり返し書いて覚える

何から勉強したらよいか順番を考える

モニタリング方略何が分かっていないか確かめながら勉強する

意味理解方略問題を解いた後、ほかの解き方がないかを考える

(%) (%)

■小4~6生■中学生■高校生

学校段階が上がるにつれ、「何が分かっていないか確かめながら勉強」する子どもが増加する

「遊ぶときは遊び、勉強するときは集中して勉強する」はどの学校段階でもよく使われている勉強方法である。また学校段階が上がるにつれ、比率が減少している勉強方法は「親や先生に聞く」「テストで間違えた問題をやり直す」「ほかの解き方がないかを考える」で、増加しているのは「友だちと勉強を教えあう」「何から勉強したらよいか順番を考える」「何が分かっていないかを確かめながら勉強する」ことである。勉強方法と子どもの発達とは関連していることがわかった。

Q あなたは勉強するときに、次のことをどれくらいしますか。

子ども 2016  図2-2-1 勉強方法(学校段階別)

注 「よくする」+「ときどきする」の%。

認知的方略 自分自身の記憶や思考などの認知的プロセスを調整することで効果的な学習を促す方略のこと援助要請方略 友だちや先生、親などの他者からの援助を受けたりすることで、理解や思考を深める方略リハーサル・記憶方略 学習内容を覚えるために、くり返し暗唱したり、反復して書いたりする方略意味理解方略 解き方、考え方を確かめながら、学習内容の意味を理解し、思考を深める方略

出典:伊藤崇達(2009)『自己調整学習の成立過程ー学習方略と動機づけの役割』(北大路書房)より引用・作成

メタ認知的方略 自分の思考や行動を客観的に把握し認識すること(メタ認知)を通じて、自己調整によって学習の効率化を図る方略のこと

調整方略 必要に応じて自分で設定した計画や方略を修正したりしながら、目標達成に向かって学習を進めていく方略プランニング方略 課題を分析し、目標を自ら設定して、目標達成に向けた計画を立てる方略

モニタリング方略 自分で設定した目標や計画が予定通りに進行しているかどうかを定期的に確かめながら、目標達成に向かって学習を進めていく方略

出典:伊藤崇達(2009)『自己調整学習の成立過程ー学習方略と動機づけの役割』(北大路書房)より引用・作成

自己動機づけ方略 学習に向けて自らの意欲を高めるために、用いる方略のことメリハリ方略 学習時間の区切りをうまくつけて集中力を高める方略社会的方略 友だちとともに学習をしたり、友だちや先生に相談したりしてやる気を高める方略

出典:伊藤崇達・神藤貴昭(2003)「中学生用自己動機づけ方略尺度の作成」『心理学研究』第74巻,第3号,209-217より引用

〈基礎知識…学習方略〉学習方略とは学習効果を高めるために、意識的に用いる勉強方法のことである。

Page 4: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

分析と考察

13

19.1 43.8 11.8 29.3 32.9 40.8 16.9 34.5 32.3 36.2 22.2 35.4

39.1 38.7 24.2 31.4 31.9 38.2 16.2 36.9 19.7 45.5 8.9 33.1

63.0 41.1 73.7 51.3 68.5 57.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

嫌いから好き

「くり返し書いて覚える」

「何が分かっていないか確かめながら 勉強する」

「友だちと勉強を教えあう」

「テストで間違えた問題をやり直す」 

43.819.1 [62.9]

21.8p 差

29.311.8 [41.1]

40.832.9 [73.7]

34.516.9 [51.4]

36.332.4 [68.7]

35.322.2 [57.5]

22.3p 差

11.2p 差

よくする

(%)

小5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

38.739.1 [77.8]

22.2p 差

31.424.2 [55.6]

38.231.9 [70.1]

36.916.2 [53.1]

45.619.7 [65.3]

33.18.9 [42.0]

17.0p 差

23.3p 差

31.522.6 [54.1]

22.7p 差

22.98.5 [31.4]

45.128.6 [73.7]

33.413.4 [46.8]

47.332.1 [79.4]

39.512.8 [52.3]

26.9p 差

27.1p 差

31.526.8 [58.3]

13.5p 差

30.314.5 [44.8]

39.526.0 [65.5]

33.717.6 [51.3]

45.625.6 [71.2]

46.417.6 [64.0]

14.2p 差

7.2p 差

(%)

(%) (%)

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き 小

5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

調整方略

社会的方略モニタリング方略

リハーサル・記憶方略

ときどきする よくする ときどきする

よくする ときどきするよくする ときどきする

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは学習方略を活用している

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、「嫌いなまま」の子どもより学習方略を活用している比率が高い。学校段階別にみると、「くり返し書いて覚える」「友だちと勉強を教えあう」では、高校生より小中学生のほうが「嫌いから好き」と「嫌いなまま」との差が大きく、「何が分かっていないか確かめながら勉強する」は小学生より中高生のほうが両者の差が大きい。学校段階によって、「勉強の好き嫌い」の変化に影響を与える効果的な学習方略が異なることを示唆している。

Q あなたは勉強するときに、次のことをどれくらいしますか。

子ども 2015-2016  図2-2-2 勉強方法(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「よくする」+「ときどきする」の%。注2 「学習方略」の分類と定義はP12の〈基礎知識…学習方略〉を参照。注3 20p以上差があるものに、赤字でp差を示している。注4 2016年の学年。

Page 5: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

14

③学校生活

14

48.2 37.7 37.4 42.2 31.8 47.6 76.3 20.4 64.6 29.3 55.6 38.0 31.9 51.0 21.6 48.7 12.8 47.7 35.6 39.3 25.5 36.2 22.0 39.2

[85.9][79.6][79.4][96.7][93.9][93.6][82.9][70.3][60.5][74.9][61.7][61.2]0 20 40 60 80 100

(%)0 20 40 60 80 100

自分のクラスが好きだ

48.2 37.7 [85.9]

42.237.4 [79.6]

31.8 47.6 [79.4]

20.476.3 [96.7]

38.055.6 [93.6]

51.031.9

48.721.6

47.712.8

39.335.6

36.225.5

39.222.0

[82.9]

[70.3]

[60.5]

[74.9]

[61.7]

[61.2]

29.364.6 [93.9]

とてもあてはまる まああてはまる

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

友だちとすごすのが

楽しい

授業が楽しい

尊敬できる先生がいる

43.0 27.7 29.9 26.2 28.9 27.9 37.0 45.3 47.0 42.2 47.6 43.5 80.0 73.0 76.9 68.4 76.5 71.5

44.3 32.1 34.2 29.5 31.1 31.9 34.9 42.5 44.7 43.2 48.7 43.5 79.2 74.6 78.9 72.8 79.8 75.5

20.4 16.9 19.7 14.1 17.6 13.7 37.0 34.9 31.3 31.7 37.5 31.2 57.4 51.8 51.0 45.9 55.1 44.9

14.0 6.0 14.1 8.3 7.6 5.5 51.1 40.2 47.7 36.0 45.1 33.6 65.1 46.2 61.8 44.3 52.7 39.1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60

「授業が楽しい」 「尊敬できる先生がいる」

0 20 40 60 80 100 (%) 0 20 40 60 80 100 (%)

[65.1]

[46.2]

[61.8]

[44.3]

[53.0]

[39.2]

51.1

40.2

6.0

47.714.1

36.08.3

45.47.6

33.7

14.0

5.5

[57.4]

[51.8]

[51.0]

[45.8]

[55.4]

[45.0]

37.0

34.916.9

31.319.7

31.714.1

37.717.7

31.3

20.4

13.7

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

とてもあてはまる まああてはまる とてもあてはまる まああてはまる

小5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

18.9p 差 5.6p 差

17.5p 差 5.2p 差

13.8p 差 10.4p 差

勉強が「嫌いから好き」になった子どもほど、1年前に「授業が楽しい」と感じていた

「授業が楽しい」(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」、以下同様)は、学校段階が上がるほど比率が低い。また、「尊敬できる先生がいる」は小4~6生より中高生のほうが比率が低い。「勉強の好き嫌い」の変化との関連をみると、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、「嫌いなまま」の子どもより、1年前に「授業が楽しい」「尊敬できる先生がいる」と回答している。学校の授業や先生が子どもの学習意欲にとって重要であることが示唆される。

Q 学校生活について、次のようなことはどれくらいあてはまりますか。

子ども 2016  図2-3-1 学校生活(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-3-2 1年前の学校生活(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2−3−1、図2−3−2)。注2 2016年の学年(図2−3−2)。

Page 6: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

15

分析と考察

15

79.8 62.7 53.1 16.0 28.3 33.2 95.8 91.0 86.3

24.2 17.3 13.3 54.2 49.8 43.0 78.4 67.1 56.3

76.1 67.6 68.4 18.6 24.6 23.5 94.7 92.2 91.9

31.4 24.9 14.6 44.0 42.7 40.1 75.4 67.6 54.7

47.5 40.2 21.3 43.4 45.0 45.3 90.9 85.2 66.6

22.6 19.4 20.5 47.0 45.5 48.4 69.6 64.9 68.9

46.4 34.0 14.5 40.9 44.7 43.0 87.3 78.7 57.5

22.6 18.2 8.2 44.3 40.6 30.8 66.9 58.8 39.0

41.3 38.4 11.6 45.9 43.1 39.8 87.2 81.5 51.4

7.8 9.2 14.4 46.6 33.9 34.7 54.4 43.1 49.1

0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 1000 20 40 60 80 100 (%) (%)

テーマについて討論(話し合い)

をする

グループで調べたり

考えたりする

学校の先生以外の人の話を聞く

調べたり考えたりした

ことを発表する

調べたことをグラフや表に

まとめる

観察・実験や調査などで

考えを確かめる

[90.9]

[85.2]

[66.6]

43.447.5

45.040.2

45.3

[87.3]

[78.7]

[57.5]

46.4

21.3

40.9

34.0 44.7

14.5

[87.2]

[81.5]

[51.4]

41.3

43.0

45.9

38.4 43.1

11.6 39.8

[69.6]

[64.9]

[68.9]

22.6 47.0

19.4 45.5

20.5 48.4

[66.9]

[58.8]

[39.0]

44.322.6

40.618.2

8.2 30.8

[75.4]

[67.6]

[54.7]

44.031.4

42.724.9

40.114.6

よくあった ときどきあった よくあった ときどきあった

■小4~6生■中学生■高校生

45.5 41.8 46.8 48.7 92.3 90.5

42.4 34.5 45.7 50.2 88.1 84.7

21.1 18.2 45.8 44.3 66.9 62.5

46.0 37.9 40.4 46.7 86.4 84.6

33.2 27.8 45.7 49.1 78.9 76.9

16.3 10.4 46.1 42.8 62.4 53.2

20.9 15.2 51.5 48.0 72.4 63.2

21.4 14.8 46.4 46.4 67.8 61.2

22.8 17.6 50.3 49.5 73.1 67.1

0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 800 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

(%) (%)

46.0 40.4

37.9 46.7

[86.4]

[84.6]

33.2 45.7

27.8 49.1

[78.9]

[76.9]

16.3 46.2

10.4

42.7

[62.5]

9.4p 差

[53.1]

20.9 51.5

15.2 48.0

[72.4]

9.2p 差

[63.2]

21.4 46.4

14.8 46.4

[67.8]

6.6p 差

[61.2]

22.5 50.4

17.6 49.5

[72.9]

5.8p 差

[67.1]

嫌いから好き

よくあった

小5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

「調べたり考えたりしたことを発表する」 「学校の先生以外の人の話を聞く」ときどきあった よくあった ときどきあった

勉強が「嫌いから好き」になった子どもほど、「調べたり考えたりしたことを発表する」授業を受けている

「グループで調べたり考えたりする」「調べたり考えたりしたことを発表する」などの授業(「よくあった」+「ときどきあった」、以下同様)は、学校段階が上がるほど比率が低い。「勉強の好き嫌い」の変化との関連をみると、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは「嫌いなまま」の子どもより、「調べたり考えたりしたことを発表する」「学校の先生以外の人の話を聞く」といった授業があったと回答している。「調べたり考えたりしたことを発表する」授業は、小5~6生、中学生では「よくあった」の比率に差があり、高校生では「よくあった」+「ときどきあった」の比率に差がある。学校の授業でどのような経験をしているかが子どもの学習意欲と結びついているようだ。

Q この1年くらいの間に、学校の授業で、次のようなことはどれくらいありましたか。

子ども 2016  図2-3-3 現在の学校の授業(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-3-4 この1年間の学校の授業(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「よくあった」+「ときどきあった」の%(図2−3−3、図2−3−4)。注2 5p以上差があるものにp差を示している(図2−3−4)。注3 2016年の学年(図2−3−4)。

Page 7: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

④さまざまな体験

注1 複数回答(図2−4−1)。注2 23項目のうち、8項目を図示(図2−4−1)。注3 5p以上差があるものに、p差を示している(図2−4−2)。注4 2016年の学年(図2−4−2)。16

79.4 72.9 67.4 63.0 51.6 46.3 38.6 44.1 45.9 81.5 59.1 37.1 42.5 33.3 33.1 19.3 21.5 17.4 76.9 64.5 46.1 35.9 26.1 20.3

0 20 40 60 80 100

79.472.9

67.463.0

51.646.3

38.644.145.9

81.559.1

37.142.5

33.333.1

64.576.9

19.321.5

17.4

20.326.1

35.946.1

0 20 40 60 80 100(%)

■小4~6生■中学生■高校生

夢中になって時間がたつのを忘れる

飛び上がるくらいうれしい思いをする

本やドラマ・映画などに感動して泣く

地域の行事に参加する(夏祭りなど)

親から仕事の楽しさや大変さを聞く

ボランティア活動に参加する

家族で旅行をする

美術館や博物館に行く

感動・夢中体験

地域や家庭の行事

人や社会とのつながり

旅行・文化活動

83.8 75.1 70.7 69.2 70.2 65.6

41.7 33.0 32.2 29.5 38.2 30.5

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50

「夢中になって時間がたつのを忘れる」 「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」

0 20 40 60 80 100(%) 0 20 40 60 80 100(%)

83.8

75.1

70.7

69.2

70.1

65.6

41.7

33.0

32.2

29.5

38.3

30.4

嫌いから好き

嫌いなまま

小5〜6生

中学生

高校生

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

小5〜6生

中学生

高校生

8.7p 差 8.7p 差

7.9p 差

勉強が「嫌いから好き」になった小学生と高校生はこの1年間に「夢中体験」を多くしている

この1年間の経験に関する比率は、学校段階が上がるにつれ、ほとんどの項目で下がる。高校生が小中学生に比べて経験率が高かったのは「本やドラマ・映画などに感動して泣く」だけである。また、勉強が「嫌いから好き」になった小学生と高校生は、「嫌いなまま」の子どもに比べて、この1年間に「夢中になって時間がたつのを忘れる」「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」といった経験を多くしている。さまざまな経験が「勉強の好き嫌い」と関連しているようだ。

Q この1年くらいの間に、あなたは次のようなことを経験しましたか。

子ども 2016  図2-4-1 1年間の経験(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-4-2 この1年間の経験(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

Page 8: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

⑤親子の会話

分析と考察

注1 小1〜3生は保護者の回答(図2−5−1)。注2 「よく話す」+「ときどき話す」の%(図2−5−1、図2−5−2)。注3 5p以上差があるものにp差を示している(図2−5−2)。注4 2016年の学年(図2−5−2)。

17

94.5 89.1 84.2 81.7 93 88.2 81.0 77.8 72.8 79.8 80.9 76.1 41.1 54.0 64.6 75.0 31.2 48.0 52.2 53.0

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 100100 80 60 40 20 0(%) (%)

②父親との会話

学校での出来事

友だちのこと

勉強や成績のこと

将来や進路のこと

社会のニュース

70.661.2

48.843.2

64.657.6

42.735.4

43.458.755.5

45.5

23.435.440.145.9

19.436.440.439.7

94.589.184.281.7

93.088.281.077.8

72.879.880.976.1

41.154.0

64.675.0

31.248.052.253.0

①母親との会話

■小1~3生■小4~6生■中学生■高校生

83.382.780.079.977.974.148.145.643.140.6

+9.7p

+6.4p

+6.2p

9.7p 差

6.4p 差

6.2p 差

46.445.940.138.554.344.629.322.933.927.7

(%)(%) 0 20 40 60 80 100100 80 60 40 20 0

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60

学校での出来事

友だちのこと

勉強や成績のこと

将来や進路のこと

社会のニュース

①母親との会話 ②父親との会話

■嫌いから好き

■嫌いなまま

83.382.7

77.974.1

48.145.6

43.140.6

79.980.0

46.445.9

40.138.5

54.344.6

29.322.9

33.927.7

中学生

勉強が「嫌いから好き」になった中学生ほど、父親と「勉強や成績」「将来や進路」に関わる会話をしていた

全体的に母親との会話の頻度は父親よりも高く、中高生になると「勉強や成績」、「将来や進路」の会話が増える。勉強の好き嫌いの変化別にみると、父親の会話で差がついている。勉強が「嫌いから好き」になった中学生ほど、父親と「勉強や成績のこと」「将来や進路のこと」「社会のニュース」について会話をした傾向があった。

Q ふだん、お父さんやお母さんと、次のことについてどれくらい話をしますか。

子ども 2016  図2-5-1 親子の会話(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-5-2 1年前の親子の会話(中学生・「勉強の好き嫌い」の変化別)

Page 9: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。注2 小1〜3生は保護者の回答。

⑥保護者のかかわり

18

0

20

40

60

80

100

0

20

40

60

80

100

0

20

40

60

80

100

59.6 51.2 45.0 40.3 36.2 43.8 49.7 53.4 95.8 95.0 94.7 93.7

32.0 32.0 28.5 27.0 55.9 55.6 58.4 60.3 87.9 87.6 86.9 87.3

6.2 6.0 3.2 2.4 48.6 46.9 40.1 27.6 54.8 52.9 43.3 30.0

12.7 14.0 13.2 10.6 47.5 47.8 45.7 41.0 60.2 61.8 58.9 51.6

9.2 6.7 4.2 2.8 35.1 31.6 28.1 21.8 44.3 38.3 32.3 24.6

18.5 12.1 6.2 2.5 53.6 47.1 36.0 20.4 72.1 59.2 42.2 22.9

18.8 12.3 5.5 1.9 54.7 47.6 28.9 11.9 73.5 59.9 34.4 13.8

39.9 42.3 43.5 47.2 53.1 51.5 50.6 48.1 93.0 93.8 94.1 95.3

70

8080

0

20

40

60

80

100

020

40

60

80

0

20

40

60

80

100

100(%)

(%)

(%)

「いいことをしたときにほめる」

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

「勉強の内容を教える」

「何にでもすぐに口出しをする」

「失敗をしたときにはげます」

「勉強のやり方を教える」

「親子で意見が違うときは親の意見を優先する」

「子どもがやりたいことを応援する」

「勉強のおもしろさを教える」

ほめる・励ます

勉強を教える

干渉する

まああてはまる

とてもあてはまる

まああてはまるとてもあてはまる

まああてはまるとてもあてはまる

[95.8] [95.0]

43.8

51.2

[94.7]

49.7

45.0

[93.7]

53.4

40.3

[87.9]

55.9

32.0

[87.6]

55.6

32.0

[86.9]

58.4

28.5

[87.3]

60.3

27.0

[95.3]

47.2

48.1

[94.1]

50.6

43.5

[93.8]

51.5

42.3

[93.0]

53.1

39.9

[73.5]

18.8

54.7

[59.9]

12.3

47.6 [34.4]

5.528.9 [13.8]

11.9

1.9

[72.1]

18.5

53.6

[59.2]

12.1

47.136.0

[42.2]

6.2

[22.9]

2.520.4

[60.2]

47.5

12.7

[61.8]

47.8

14.0

[58.9]

45.7

13.2

[51.6]

41.0

10.6

[54.8]

48.6

6.2

[52.9]

46.9

6.0

[43.3]

40.13.2

[30.0]

27.62.4

[24.6]

2.821.8

[32.3]

4.228.1

[38.3]

6.731.6

[44.3]

9.2

35.1

36.2

59.6

どの学校段階でも、ほとんどの保護者が子どもをほめたり励ましたりしている。他方、勉強を教える保護者は徐々に減少する

「いいことをしたときにほめる」「失敗したときにはげます」「子どもがやりたいことを応援する」比率(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」、以下同様)は、学校段階によらず8~9割台と高い。一方で、「勉強の内容を教える」「勉強のやり方を教える」「勉強のおもしろさを教える」比率は、学校段階が上がるほど徐々に低下する。

Q あなたのお子様に対するかかわりについて、次のことはどれくらいあてはまりますか。

保護者2016  図2-6-1 保護者のかかわり(学校段階別)

Page 10: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

注1 ∧∨は5p以上差があることを示す(図2−6−2)。注2 「勉強&励まし」「勉強中心」「励まし中心」「どちらも低め」については、「いいことをしたときにほめる」「失敗したときにはげます」「子どもがなりたいこと

を応援する」「勉強を教える」「勉強のやり方を教える」「勉強のおもしろさを教える」の6項目を因子分析(プロマックス回転、最尤法)にかけたところ、前の3項目を中心にした「励まし」因子と、後の3項目を中心とした「勉強」因子が抽出された。それぞれの因子得点の正負により、「勉強&励まし」「勉強中心」「励まし中心」「どちらも低め」に4分類した(図2−6−2)。

注3 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2−6−3)。注4 「好きをキープ」と「好きから嫌い」、「嫌いから好き」と「「嫌いなまま」とを比較して3p以上差があるものにp差を示している(図2−6−3)。注5 2016年の学年(図2−6−2、図2−6−3)。

分析と考察

19

33.0 30.7 8.8 27.4 26.5 38.6 12.3 22.6 31.0 25.0 14.9 29.1 23.5 30.3 15.9 30.3 13.2 19.4 23.7 43.7 17.3 18.6 22.6 41.4

0 20 40 60 80 100 120

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

32.5 31.1 8.8 27.6

25.6 39.3 11.9 23.2

28.4 28.7 14.2 28.7

23.1 30.5 15.8 30.6

14.4 17.8 22.1 45.7

19.9 21.6 41.417.1

勉強&励まし 勉強中心 励まし中心 どちらも低め小5〜6生

中学生

高校生

(%)

> <

>

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

75.0 74.3 74.0 73.4

71.2 70.2 62.6 64.4

48.3 45.6 35.4 31.9

54.2

54.1

52.6

49.7

62.0

60.5

57.2

53.2

51.4

42.2

41.4

31.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50

0 10 20 30 40 50 60 70 800 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60

小5〜6生

中学生

小5〜6生

中学生

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

48.3

45.6

35.4

31.9

71.2

70.2

62.6

64.4

62.0

60.5

57.2

53.2

51.3

42.2

41.4

31.6

「勉強のやり方を教える」 「勉強のおもしろさを教える」

(%)

(%)

(%)

(%)

9.8p 差

9.1p 差

4.0p 差

3.5p 差

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

勉強が「嫌いから好き」になった小中学生の保護者は、勉強も教え励ましもしていた

小中学生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもの保護者ほど、勉強も教えて励ましもする「勉強&励まし」の比率が高かった。高校生では、保護者のかかわりに大きな差がなく、勉強の好き嫌いへの影響は弱まるようだ。勉強が「嫌いから好き」になった中学生では、「勉強のおもしろさを教える」保護者が多かった。「勉強のやり方を教える」でもやや差がついており、保護者のかかわりの重要性がうかがえる。

Q あなたのお子様に対するかかわりについて、次のことはどれくらいあてはまりますか。

保護者2015-2016  図2-6-2 1年前の保護者のかかわり(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

保護者2015-2016  図2-6-3 1年前の保護者の勉強へのかかわり(「勉強の好き嫌い」の変化別)

Page 11: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

⑦自己認識

20

25.8 18.2 13.5

47.2 48.1 50.8

73.0 66.3 64.3

21.6 16.2 14.2

39.4 39.8 38.8

[61.0] [56.0] [53.0]

27.3 19.3 13.6

37.3 36.9 38.6

64.6 56.2 52.2

0 20 40 60 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

[73.0]

[66.3]

[64.3]

25.8 47.2

18.2 48.1

13.5 50.8

[61.0]

[56.0]

[53.0]

21.6 39.4

16.2 39.8

14.2 38.8

[64.6]

[56.2]

[52.2]

27.3 37.3

19.3 36.9

13.6 38.6

(%)

難しいことや新しいことに

いつも挑戦したい

自分の良いところが何かを言うことができる

失敗しても自信を取り戻せる

■■

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

とてもあてはまる まああてはまる

21.7 11.539.6 34.2[61.3] [45.7]

18.8 9.740.1 34.9[58.9] [44.6]

16.6 11.340.6 37.0[57.2] [48.3]

25.1 11.341.3 28.666.4 39.9

24.7 10.240.1 29.864.8 40.0

15.2 8.539.9 32.555.1 41.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60

0 10 20 30 40 50 60

0 10 20 30 40 50 60

0 20 40 60 800 20 40 60 80(%) (%)

嫌いから好き小

5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

「自分の良いところが何かを言うことができる」 「難しいことや新しいことにいつも挑戦したい」とてもあてはまる まああてはまる

嫌いから好き小

5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

とてもあてはまる まああてはまる

14.3p 差 24.8p 差

14.3p 差8.9p 差

[58.9]

26.5p 差

[66.4]41.325.121.7 39.6

[64.8]40.140.1 24.718.8

[55.2][57.2] 40.040.6

[40.9][48.3] 32.437.0

11.3

15.216.6

[39.9]

15.6p 差

[61.3]

[45.7] 28.634.2

11.5 11.3

[40.0]29.834.9

10.2

9.7

8.5

[44.6]

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、自己肯定感が高い

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、「嫌いなまま」の子どもより、「自分の良いところが何かを言うことができる」「難しいことや新しいことにいつも挑戦したい」(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」)と回答している。学習意欲が高まることは、学習に限らない子どもの肯定的な自己評価と連動しているようだ。

Q あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか

子ども 2016  図2-7-1 自分自身について(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-7-2 現在の自分自身について(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2−7−1、図2−7−2)。注2 2016年の学年(図2−7−2)。

Page 12: Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 学校段階が上がる … · Ⅱ分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) 10 0 20 40 60 80

分析と考察

⑧将来目標

21

0 5 10 15 20 25 30

15.56.520.011.2

16.414.827.518.5

0 5 10 15 20

0 10 20 0 10 20 30(%)30(%)

中3生

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

20.0

15.5

6.5

11.2

27.5

16.4

14.8

18.5

高3生

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

(%)0 10 20 30 40 50 60 70

54.2

59.5

54.7

50.5

45.7

44.9

48.1

51.8

64.9

(%)>

48.8

51.3

49.2

47.3

40.6

35.7

39.5

45.3

55.5

全体 男子女子

0 10 20 30 40 50 60 70

小 4生

小 5生

小 6生

中 1生

中 2生

中 3生

高 1生

高 2生

高 3生

55.6

52.0

48.9

43.2

40.3

43.8

48.6

60.1

51.7

51.7 55.6 52.0 48.9 43.2 40.3 43.8 48.6 60.1

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、将来目標をはっきり持つようになっている

「将来の目標がはっきりしている」を肯定する子どもは、小4~6生は5割強だが、中学生で4割台に低下し、高3生で6割になる。中学生、とくに男子で、将来像を持つのが難しい様子がうかがえる。しかし、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、この1年間で、将来の目標をはっきり持つようになった比率が高い。学習意欲は、自分の将来像を持つことと関連しているようだ。

Q あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか。「将来の目標がはっきりしている」

子ども 2015-2016  図2-8-2 将来の目標をはっきり持つようになった子どもの比率(中3生、高3生・「勉強の好き嫌い」の変化別)

子ども 2016  図2-8-1 将来の目標がはっきりしているかどうか(学年別・性別)

注1 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2−8−1)。注2 性別で5ポイント以上差があるものは>で示している(図2−8−1)。注3 「将来の目標をはっきり持つようになった」は、「将来の目標がはっきりしている」かどうかを尋ねた質問に、2015年は「あてはまらない(あまり、まっ

たく)」、2016年は「あてはまる(とても、まあ)」と回答した人。無回答・不明は除いて算出している(図2−8−2)。注4 2016年の学年(図2−8−2)。