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1 中国の地域コミュニティの防災活動の現状及び対策 1 A Study on the Community-based Disaster Reduction in China 伍 国春 中国地震局地球物理研究所 アブストラクト:コミュニティ防災は中国語で「社区減災」といい、1990 年代に外国か ら輸入した概念である。中国のコミュニティ防災活動は、「モデル社区」という形で、異 なる防災関係部署によって推進されている。本文は中国の「社区減災」の政策を紹介する ため、 2013年に中国の9つの省と自治区で実施されたアンケート調査のデータを使用し、 中国の地域コミュニティの防災活動の現状を分析した。地域コミュニティの防災活動は、 行政を中心に推進されている。調査対象となった省・自治区を全体としてみると、社区に より多くの防災資源を投入する必要があるといえる。「モデル社区」は、資源動員を適切 に行うことができる社区であるが、この「モデル社区」の事例を活用して、その取組をい かに中国全国に普及させていくかは、今後の中国における「社区減災」の問題点である。 Abstract:The formation of community-based disaster management(CBDM)concept is promoted by a series of international disaster reduction activities in 1990s.CBDM in China have promoted as the national exemplary disaster reduction communities by different administrations. Based on a review of Chinese CBDM policy, this article explored the survey data in 9 provinces in 2013 and analyzed the CBDM activities. CBDM activities were promoted by the administration in China. More money should be invested in community disaster reductions. The national exemplary disaster reduction communities have the capability to mobilize resources for disaster reductions. It is difficult to spread the exemplary disaster reduction communities. キーワード社区減災、地震安全、総合防災、モデル社区 Keyword : community based disaster reduction, earthquake safe, comprehensive disaster reduction, exemplary disaster reduction community 1 はじめに 1990 年代から世界でコミュニティにおける防災の役割が再評価されるようになった。 政府機関による災害対応への批判は、途上国と先進国において共通して見られる現象であ 1 本研究は中国国家社会科学基金重大項目「全国地震重点監視防御区制度実施現状、成効及対策研究」 (11&ZD054)の成果の一部である。

A Study on the Community-based Disaster …2014)。 コミュニティ防災は中国語で「社区減災」である。「社区減災」は、中国におけるいく つかの国内の災害や防災領域における外国との交流の中で中国に輸入された概念である

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中国の地域コミュニティの防災活動の現状及び対策1

A Study on the Community-based Disaster Reduction

in China

伍 国春

中国地震局地球物理研究所

アブストラクト:コミュニティ防災は中国語で「社区減災」といい、1990 年代に外国か

ら輸入した概念である。中国のコミュニティ防災活動は、「モデル社区」という形で、異

なる防災関係部署によって推進されている。本文は中国の「社区減災」の政策を紹介する

ため、2013年に中国の 9つの省と自治区で実施されたアンケート調査のデータを使用し、

中国の地域コミュニティの防災活動の現状を分析した。地域コミュニティの防災活動は、

行政を中心に推進されている。調査対象となった省・自治区を全体としてみると、社区に

より多くの防災資源を投入する必要があるといえる。「モデル社区」は、資源動員を適切

に行うことができる社区であるが、この「モデル社区」の事例を活用して、その取組をい

かに中国全国に普及させていくかは、今後の中国における「社区減災」の問題点である。

Abstract:The formation of community-based disaster management(CBDM)concept is

promoted by a series of international disaster reduction activities in 1990s.CBDM

in China have promoted as the national exemplary disaster reduction communities by

different administrations. Based on a review of Chinese CBDM policy, this article

explored the survey data in 9 provinces in 2013 and analyzed the CBDM activities.

CBDM activities were promoted by the administration in China. More money should be

invested in community disaster reductions. The national exemplary disaster

reduction communities have the capability to mobilize resources for disaster reductions. It is difficult to spread the exemplary disaster reduction communities.

キーワード:社区減災、地震安全、総合防災、モデル社区

Keyword: community based disaster reduction, earthquake safe, comprehensive

disaster reduction, exemplary disaster reduction community

1 はじめに

1990 年代から世界でコミュニティにおける防災の役割が再評価されるようになった。

政府機関による災害対応への批判は、途上国と先進国において共通して見られる現象であ

1 本研究は中国国家社会科学基金重大項目「全国地震重点監視防御区制度実施現状、成効及対策研究」

(11&ZD054)の成果の一部である。

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り、「公的災害管理組織に対する人々の不満が増大」(Mitchell,1999=2006:38)したこ

とが背景にある。他方、2008 年の四川大地震、2011 年の東日本大震災などのような大災

害で、行政対応の限界が明らかとなり、地域コミュニティが大きな役割を果たしたことか

ら、コミュニティにおける防災の役割が評価されるようになった(卿,2010;西沢、筒井,

2014)。

コミュニティ防災は中国語で「社区減災」である。「社区減災」は、中国におけるいく

つかの国内の災害や防災領域における外国との交流の中で中国に輸入された概念である

(Zhang、Yi、Zhao, 2012)。「社区減災」は 2000 年に入ってから、理念から実務段階に入

っている(俸、王,2014:28)。中国で「社区減災」が重要視されているのは防災現場か

らの要望に答えるためである一方、その背景は中国社会の変遷に伴う「社会治理(ガバナ

ンス)」という理念が登場したことである。「千本の糸が一本の針に」という喩えのように、

「社区」は中国で社会統合の重要な担い手となっており、異なる部署の政策を実施してい

る末端組織でもある。「社区減災」は、地域コミュニティに限定されるが、行政、企業、

住民、ボランティア組織なども多数関わっている。そして、このような中国のコミュニテ

ィ防災の活動は、「モデル社区」という形で推進されている。

本稿は、中国の「社区減災」の現状を分析し、その問題点を明らかにする。具体的には、

まず、コミュニティ防災に関する研究理念を紹介し、次に、中国におけるコミュニティ防

災の政策を整理する。そして、第三に、中国のコミュニティ防災の現状を分析し、最後に、

中国のコミュニティ防災の問題点及びその解決策を検討する。

2 コミュニティ防災に関する研究理念

「社区減災」の論拠はソーシャルキャピタルとガバナンス理論にあると指摘されている

(呂,2011)。

日本ではコミュニティ防災のことを論じると、「公助・共助・自助」が愛用されている。

「公助・共助・自助」は、現実のなかから生まれてきた言葉である。原則として、日常生

活においては、個人の自助努力で対応することが求められており、例外として、弱者に対

しては、福祉国家が公的援助を行うという原理が成り立っている。

一方、被災後は、被災者は、災害対応を「自分自身で行わねばならない(自助原則)が、

個人で対応しきれない課題については、コミュニティ・レベルでの助けあい(共助)や、

国・行政などによる法制度に基づいた支援(公助)など、課題に合わせた対応が行われて

いく」(山下,菅,2007:248)という非日常時の援助原則がある。

これらの議論は、過剰に行政に依存している日本の防災行政への強い危機感から来たも

のである。その危機感は、「現在行われているような被災者に対する手厚い支援が、今世

紀前半に日本を襲う巨大災害の際にも可能かどうかは甚だ疑わしい」(安全安心の国土形

成ビジョン策定特別委員会,2007:35)と指摘されていたことからもうかがえる。2011

年の東日本大震災では、このような懸念が現実となり、東日本大震災で行政が被災したた

め、コミュニティにおける共助が、被災者支援において、大きな役割を果たしたという例

が見られた。地域コミュニティにおける共助が重要な役割を果たしたことを受けて、2013

年に災害対策基本法が改正され、「地区防災計画制度」が創設された(西澤、筒井,2014)。

具体的に、「『公助』とは国や都道府県、市町村、行政関係組織等の公的機関による救助・

救援活動である。『共助』は、隣近所の人々、民間組織、ボランティア団体等の力で、助

け合って救助・救援活動を行うこと。『自助』とは自分自身や家族で身を守ること」(高梨,

2007:86)である。実は、「公助・共助・自助」を論じると、災害対応に関わる多様な主

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体の関係性に関する議論を避けて通れないのである。

同時に、コミュニティ防災は、平日の「社区」と非常時の「社区」がある。四川大地震

の時、仮設住宅という一時的な「社区」は被災者のストレス解消に役立ったと指摘されて

いる(毕、馬,2012)。平常時における「社区減災」は、政府と異なった関係であること

によって、その防災活動の効果も異なると指摘されている(呂,2012)。

「共助」の主体は多様であり、地域コミュニティは、その一つの重要な担い手である。

本文は中国における「モデル社区」を例に、中国のコミュニティ防災の現状を描写するこ

とにより、中国におけるコミュニティを主体とする「共助」の問題を指摘する。

3 中国におけるコミュニティ防災の政策

3-1 中国における「モデル社区」の経緯

中国でコミュニティは「社区」といわれ、「社会組織2」とともに政府、企業以外の第三

セクターの一部である(李培林,2013)。「社区(community)」は、一定の地理範囲内での

住民共同体であり、行政管理的な役割を担う組織という位置付けと自治を担う共同体とい

う位置付けの二つの側面を持っている。前者としての役割を担うのは、「社区」の中でも、

都市部では「社区居民委員会」、農村部では「農村居民委員会」である3。このような二つ

の側面を持つ「社区」は、法律上は自治組織である一方、実際には行政化される傾向が強

い。また、「社区」は、その特徴として、行政管理的な役割を担う組織という位置付けと

自治を担う共同体という位置付けの二つの側面を持つため、「上から下」への資源動員の

方式と「下から上」への資源動員の方式が併存しているのである。

中国の防災システムは災害の種類によって、異なる部門が災害管理を担当しているため、

「モデル社区」の推進も複数の部署が担当しており、主に民政部が推進する「防災減災モ

デル社区」と中国地震局が主導する「地震安全モデル社区」等に分かれている。

初めて「社区減災」政策の実施に言及したのは、「国家総合減災‘十一五’規劃」であ

る(俸、王,2014:28)。2007年に制定されたこの国家減災計画で「社区減災能力建設示

範工程」を実施させると書かれた。この規劃は、中国全国で 1,000箇所の「総合減災モデ

ル社区」を建設し、全国 85%の「社区」で減災救済ボランティアチームを創設し、95%

以上の社区で災害情報員を1名配置するという目標が立てられた(国務院弁公庁,2007)。

さらに、2011年に公表された「国家総合減災規劃(2011—2015)」で、「総合減災モデル社

区」の数を 5000箇所に、災害情報員を「社区」ごとに最低 1名配置すると修正された(国

務院弁公庁,2011)。

2008年に開催された国務院の「防震減災連合会議」では、「都市部での地震安全社区の

モデル事業の推進」に関する要望が出され、中国地震局においては、「地震安全社区のモ

デル」の作成という目標が立てられた(許,2009)。「国家防震減災規劃(2006-2020)」で

は、「地震安全社区」作りのほか、防災教育と社区の「預案作り(マニュアル作り)」が重

要視されている。2011年 9 月に中国住房と城郷建設部は、「城郷建設防災減災‘十二五(十

二回五カ年)’ 規劃」を公表した。その中では、「社区と村落は地震防災のために土地の

区画整理をする必要がある」と指摘している。

上述のように、防災関係部門は、各自コミュニティ減災の目標を立てた。その具体的な

2 NPOやボランティア組織などが含まれる。

3 本文では、これらをまとめて「社区」と記す。

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推進策として、2007 年 9月に民政部は「全国減災モデル社区標準」を、2009 年 5月に国

家減災委員会は「全国総合減災モデル社区標準」を公表した。そして、2013 年にこれら

の基準は修正されている。また、2012年 5月に中国地震局は、「地震安全示範社区管理暫

定方法」を公表した(中国地震局,2012)。

このように、多部門によるコミュニティ防災政策が実施された結果、2007 年 9 月に中

国全国で 21の「国家安全社区」が国家安全生産監督管理総局によって表彰された。また、

2013 年度末には、累計で 5405 箇所の「社区」が、「全国総合減災示範社区」として表彰

され、[この点に限って言えば]国家減災目標は達成されたと言える(褚、宋、于,2014:

125)。さらに、2014年 1月 16日までに、中国地震局によって、1549の「全国地震安全モ

デル社区」が表彰された4。

なお、地方によっては、国家基準に準じた省や市レベルの「モデル社区」を設定してい

る例もあるが、本文では、主として、全国レベルの「モデル社区」について考察を行う。

3-2 中国における防災コミュニティの評価基準及び表彰の仕組み

中国における防災コミュニティの評価基準は、コミュニティにおける災害リスクマネジ

メト( Community- Based Disaster Risk Management,CBDRM) と一致する点が多い(周、

張,2013:125)。

次項の表1は民政部の「総合減災示範社区」(総合減災モデル社区)と地震局の「地震

安全示範社区」(地震安全モデル社区)の基準をまとめたものである。民政部の総合減災

モデル社区の評価基準は、地震局の評価基準より厳しく、「社区」住民の満足度が「モデ

ル社区」になる基本条件の一つとされた。つまり、3年連続で災害による重大事故が発生

したことがなく、地域の特徴に応じた緊急対応マニュアルと防災訓練を行い、さらに、地

域住民による社区の総合減災への満足度が 70%以上に達するという条件を満たさないと、

「モデル社区」に申請できない。さらに、民政部では、数値化した指標をいくつか置いて

いる。

このほか、民政部と地震局の評価基準は、ともに組織、住民参加、リスクアセスメント、

設備及び物資の備蓄が重要視されている。まず、組織については、主に防災減災組織の設

置、緊急対応マニュアルの作成、経費の確保などがある。次に、住民参加については、宣

伝、防災意識の醸成及び多元的主体の参加が含まれている。具体的には、定期的な住民の

避難訓練の実施、防災宣伝チームの設置、定期的な防災宣伝の実施、多元的主体の防災活

動への参加、警察と病院との定期連絡チームの設置、地震防災ボランティアチームの設置

等の条件を満たす必要がある。第三に、地震局のリスクアセスメントは地震に限定される。

これに対して、民政部の基準の対象には、自然災害、治安、公衆衛生などが含まれている。

最後に、ハード策については、主に防災費用の確保、社区内の建物の耐震化、避難所の設

置、防災物資の備蓄、防災宣伝品の確保等が含まれている。

「モデル社区」は、基本的には名誉的な称号であるが、「モデル社区」になろうとする

「社区」は、それぞれ地方の民政局や地震局に申請を行い、その申請資料等に基づき、民

政部や地震局は、それぞれの評価基準に照らして認定を行い、評価基準を満たした場合に

は、「モデル社区」として表彰する仕組みである。なお、民政部も地震局も「モデル社区」

の政策を打ち出したが、その経費の確保については、地方政府に任せている。

4 2014 年 1 月 19 日,中国地震局資料。

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表1 全国「総合減災示範社区」と「地震安全示範社区」の評価基準に関する比較

全国「総合減災示範社区」標準

(2013 年版・民政部)

地震安全示範社区管理暫定方法

(地震局)

組織と制度 ・「総合減災社区」を創設する組織

の設置

・防災費用に関する制度の創設

・総合減災応急対応マニュアルの

作成

「地震安全社区」を創設するため

の防災減災組織の設置

防災費用の確保など

社区地震緊急対応マニュアルの作

成及び定期的な修正

・日常的な管理と評価

・ファイル管理

・特徴ある活動の実施

・積極的な地震情報の収集及び報

住民

参加

宣伝 ・既存の公共施設を利用した防災

宣伝の実施

・防災減災日などにあわせた防災

訓練の実施

・社区の住民の防災減災宣伝への

参加率(都市部 85%以上、農村部

75%以上)

・防災宣伝チームの設置

・定期的な防災宣伝の実施及び宣

伝施設の設置

住民の

減災意

識と技

・定期的な防災訓練の実施

・住民による積極的な社区のリス

ク評価等防災活動への参加

・住民による社区のリスク源、警

報信号の意味、避難所及び避難路

の認識

・住民による避難と自助互助の基

本的な技能の取得

・定期的な住民地震避難訓練の実

多元的

主体の

参加

・宣伝や訓練を担当する防災ボラ

ンティアの養成及び定期的訓練の

実施

・社区内の企業、学校、病院の積

極的な防災活動への参加

・警察と病院との定期連絡チーム

の設置

・地震防災ボランティアチームの

設置と訓練

リスクアセス

メント

・定期的な社区の自然災害、安全

生産、公共衛生、治安等に関する

災害リスクの評価

・災害弱者の名簿の作成

・主な社区内の建物の耐震化

・地震による二次災害のおそれの

あるリスク源の評価

ハード策 ・避難所の設置

・一定量の防災物資の備蓄

・防災宣伝品の確保

・宣伝用看板の設置

・警報システム

・避難所の設置

・一定量の地震緊急対応物資の備

次に、実際の「地震安全モデル社区」を例に、どのような社区が、「地震安全モデル社

区」の要件を満たすのかについて具体的な分析を行う。

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4 中国におけるコミュニティ防災の現状

4-1 地震安全モデル社区の防災活動とその資源動員メカニズム

山東省済南市の舜園社区は 60あまりの賞を受けた「優秀社区」である。ここでいう「優

秀社区」とは十分な資源を動員することができ、地震防災活動を行うことができる社区の

ことである。

ソフト面では、緊急対応マニュアルと緊急対応計画が制定され、毎年 3~5 回程度の図

上訓練を行う。また、毎年 20 余回の防災訓練を行い、参加者は、のべ 2,500 人あまりに

達した。さらに、地震防災チームがあり、4つの緊急対応チームがある。

ハード面では、専用地震防災物資が備蓄され、260平米に及ぶ地震緊急対応指揮センタ

ーが設置されているほか、緊急避難所が設置されている。

この社区におけるソフト及びハードの資源は、国の地震安全社区の基準を満たし、ない

し超えているが、この社区のような防災活動を行うには、相当な資金の投入や人材育成な

どが必要である。

この社区の資源動員メカニズムは、次のような特徴がある。

第一は、上から下への資源動員力である。舜園社区が属する街道(日本の町役場に相当)

は、社区が「地震安全モデル社区」になるための創設活動を積極的に支援している。例え

ば、同社区のために 30 余万元の資金を提供し、地震防災グッズ5セット、発電機 1 台、

携帯電話 8台等の防災備品や、社区の緊急対応チームの隊員たちの衣類と装備品を買い揃

えさせた5。また、同社区の図上訓練と防災訓練に対しても街道が支援を行った。さらに、

同社区は、いわゆる「仕事ができる社区」として、「地震安全モデル社区」を申請する際

にも済南市の支援を受けた。

第二に、下から上への資源動員能力である。これは、社区が、地域内の多様な資源を動

員できる能力のことであり、その能力が高ければ、社区は上の行政機関から仕事ができる

と評価される。つまり、「この社区に仕事を任せると成果が見える」という評判が立つの

である6。

下から資源を動員するためには、まず、社区内の多様な資源について、社区のリーダー

が調整を行う。同社区内には、公務員社区、大学社区 2 箇所及び他の居民ビルがあるが、

社区内の「単位」(職場)の存在が、社区の住民の動員に有効に働いたほか、大学と協定

を結び、避難所を確保することができた。

また、大学があるため、学生等の豊富なボランティアを動員することができた。なお、

社区の活動センターでは、地元の大学だけではなく、香港の大学も住民に対してボランテ

ィア活動を行っている。

さらに、社区にある地域資源を動員するに当たっては、居民委員会の人材備蓄も重要で

あった。居民委員会のメンバーは、ほぼ 30歳代で、短期大学以上の学歴を有している。

そして、これまでの各部署の業績を踏まえ、社区は、適切な指示を出すことによって各

部署の取組を一つのプロジェクトにまとめ、各部署の政策目標を実現させている。例えば、

「地震安全モデル社区」の緊急対応物資の備蓄は、「慈善スーパー7」や身体障害者の救助

活動等のプロジェクトを統合したことによってでき上がったのである。

5 山東省済南市の済南舜園社区の「全国地震安全モデル社区」の申請報告書による。

6 2013年 12月 23日,済南舜園社区インタビュー資料による。

7 慈善組織が運営する低価格で貧困家庭向けのスーパーである。

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上述のように、「モデル社区」は、資源を動員することによって、コミュニティ防災の

活動を行っている。この「モデル社区」は、社区の中の優等生の代表であるため、普通の

「社区」との差を明らかにする必要性がある。以下では、データを使用し、普通の「社区」

のコミュニティ防災の状況を見ることにする。

4-2「社区」防災の現状

4-2−1 データについて

中国地震局地球物理研究所「全国地震重点監視防御区制度実施現状、成効及対策研究」

研究班は、2013 年に中国の 9 つの省と自治区(黒竜江省、山東省、安徽省、山西省、福

建省、広東省、雲南省、新疆ウイグル自治区と甘肃省)で、「全国社区防災の現状に関す

るアンケート調査」を実施した。

アンケートの内容は共通であり(定額調査)、まず、9 つの省と自治区の全国地震重点

監視防御区8で調査を行った。具体的には、各 15の都市部及び農村部の社区を抽出し、社

区幹部に対するアンケートを実施した。比較研究のため、山西省、甘肃省及び広東省の非

重点防御区でもサンプル収集を行い、同様のアンケートを実施した。その結果、合計で

324社区から有効回答を得ており、そのうち重点防御区は 255、非重点防御区は 69となっ

ている。また、324 社区のうち、農村社区が 209社区となっており、農村社区の割合が高

くなっている。

4-2—2 アンケートから読み取れる「社区」防災の現状

表1と照らし合わせて、組織、住民参加とハード策の点から、中国におけるコミュニテ

ィ減災の現状を分析することとした。

まず、組織について考察するため、専用の防災減災費用、自然災害応急対応マニュアル

及び防災減災情報員の有無について質問した。

次に、住民参加については、ボランティアチーム、企業との緊急対応物資の提供に関す

る協議、宣伝(避難知識、地震リスク及び地震に関する宣伝冊子)、避難訓練に関する質

問が含まれる。

さらに、ハード策については、避難所(場)と応急対応物資の備蓄で測ることとした。

なお、リスクアセスメントについては、各社区の耐震基準を認識している(「本社区の

耐震基準が分かる」)かについて質問した。

8「全国地震重点監視防御区制度」は、地震リスクの評価に基づき地震強化策を実施する制度である。こ

の制度については、1998 年の「防震減災法」によって、地震被害が大きいと予想される地域において、

地震強化策を実施する旨定められている。2000 年に本制度の対象となる地域の見直しが行われ、現在、

この制度が対象としている面積は、中国全土の 10%に及び、地震被害の発生確率は、潜在的には、60%

に達すると考えられている(高孟譚等,2014)。

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図 1 社区幹部に対するアンケート調査から読み取れる社区減災の現状

上記の調査の結果、以下の点を読み取ることができる(主な点は図1参照)。

第一に、自然災害応急対応マニュアルを持つ「社区」の割合は高いが、専用の防災減災

経費がある「社区」の割合は低い。そして、専用の防災減災経費があっても、その額が低

い。

つまり、7割の「社区」は、自然災害応急対応マニュアルを制定したが、これは、2003

年の SARS以後、中国においては、全国で緊急対応システム作りを進め、その一環として、

マニュアル作りに力を入れた成果があらわれたと言える。一方で、専用の防災減災経費を

確保している「社区」は、2割にも満たない。しかも、この 2割にも満たない「社区」の

うち7割弱は、防災減災経費が 1万元以内であると回答している。

そして、7割弱の社区では、防災減災情報員が置かれている。前述のように、2011年に

公表された「国家総合減災規劃(2011—2015)」では、災害情報員を「社区」ごとに最低 1

名置くという目標が立てられたが、この目標を達成するまでには、まだ時間がかかりそう

である。

第二に、防災宣伝をより積極的に行う必要があるということである。宣伝冊子を配った

ことがある「社区」は7割を超え、地震リスクを宣伝した「社区」は6割弱である。一方

で、避難知識を宣伝した「社区」は 3割に満たないほか、4割超の「社区」しか避難訓練

を行っていない。また、「社区」の幹部でさえ、「社区の耐震基準」が分かるのは 3割にも

満たない。

第三に、防災に関する社会参加のためには、積極的にボランティアチームを作ることが

重要であるということである。そして、企業や他の資源の動員は、未だ不足しているとい

うことである。

つまり、6割弱の「社区」がボランティアチームを有しているのに対して、企業との緊

急対応物資の提供に関する協議を結んだ「社区」は、1割にも満たないのである。

なお、防災訓練を行った「社区」のうち、58.0%の「社区」は、当該「社区」だけで訓

練を行ったが、25.5%の社区は、他の部署と連合して防災訓練を行っている。

243

60

219

146

232

180

92

189

26

136

112

91

78

248

99

174

84

137

227

133

265

176

203

182

2

13

5

2

7

0

0

2

20

4

9

46

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100%

自然災害応急対応マニュアル

専用の防災減災経費

防災減災情報员

2012年に避難訓練を行った

2012年地震に関する宣伝冊子を配った

地震リスクを宣伝した

避難知識を宣伝した

ボランティアチーム

企業と緊急対応物資の提供協議を結んだ

避難場

応急物資の備蓄

本社区の耐震基準が分かる

ある ない よく分からない

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最後に、「社区減災」のハード策についてみると、その結果は、決してよいとは言えな

い。4割超の「社区」では、避難場(緊急対応避難所)が整備されたが、応急物資が備蓄

された社区は 3割超に止まっている。避難場(所)の整備が比較的進んでいるのは、近年

中国における危機管理対応システムが整備されている点と関係していると考えられる。ま

た、物資の備蓄状況が好ましくないのは、防災減災経費が十分にないことと関係があると

思われる。

本節では、中国における「社区減災」の現状を説明したが、次節では、以上の考察に基

づいて、中国のコミュニティ防災の問題点を指摘する。

4-2-3 中国におけるコミュニティ防災の問題点

まず、最初の問題点は、災害軽減の立場から、「減災社区」の制度作りは、専用経費が

ないことによって、今後、地域差が拡大する虞があるという点である。その背景としては、

以下の点がある。

中央政府においては、「社区減災」の責任は地方政府にあり、その費用も地方政府が出

資すべきであるという方針を示しているが、一方で、地方財政からの出資の根拠がないと

の指摘もあるからである(俸、王,2014:30)。そして、前節で紹介したように、済南市

の「モデル社区」では、防災物資などに 30 余万元が投入されていたが、防災減災経費が

ない普通の「社区」は、専用資金があっても 7割近くは 1万元以内であり、その差は桁違

いである。このように、財政の豊かな地域は、「モデル社区」作りに多くの予算を投入で

きるが、財政難の地域では、災害を軽減させるための費用が少ない(又はない)のである。

長期的には、災害対応にも大きな地域差が出るのである。

図 2は 2011年度末までの「総合減災モデル社区」の分布図である。当時のデータによ

ると、「総合減災モデル社区」は、東部の沿海地域と長江沿岸に集中していた。特に、2011

年末までは、広東省が「総合減災モデル社区」の数が一番多かった(周、張,2013:121)。

図 2 中国総合減災示範社区の分布図(2011年末まで)

(周、張,2013:120)

第二の問題点は、中国のコミュニティ防災は、主に行政に依存した住民参加の活動であ

るという点である。つまり、中国におけるコミュニティ防災の最大の問題点は、住民参加

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が足りないということである。ここでいう住民参加は、居住者に限らず、企業による参加

率も低いのである。

コミュニティ防災の分野で、参加状況が最も良いのは、ボランティアチーム作りである。

中国では、2008年は「ボランティア元年」とも言われ、四川大地震後、ボランティア(中

国語:志願者)が流行語となった。ただし、社区のボランティアは、定年退職した住民と

年輩の党員が中心であり、若者の参加は不足していると指摘されている(褚、宋、于,2014:

141)。中国の都市部の「社区」に企業、学校、病院などが混在している社区は少なくない

が、「社区」の幹部は、「これらの資源を動員するのは難しい」とよく言っている。今後、

どのように、行政に依存したコミュニティ活動を真の住民参加に移行させるかが課題であ

る。

第三の問題点は、コミュニティ防災活動が単調であるという点である。つまり、防災を

宣伝すると言えば、冊子を配ること、避難訓練と言えば、逃げる練習をすることというよ

うに、活動方式が偏っているのである。

最後の問題点は、コミュニティをベースにする災害情報員の養成が、未だ国の政策目標

に達成していないという点である。

この点、コミュニティをベースにする災害情報員は二種ある。民政部では「災害信息員」

と呼ばれ、地震局では「防震減災助理員」と呼んでいる。民政部の「災害信息員」は、2003

年の SARS 以後、中国における危機管理システムの一環として、養成されている。その役

割としては、被災情報の伝達、災害救助と防災知識の宣伝(普及啓発)が期待されている。

一方、地震局の「防震減災助理員」の起源は、1966 年の刑台地震後に、地震予報に力を

入れた「群防群測(国民をあげて地震観測を行う考え方)」策に遡る。これは周恩来故総

理が提言した対策であるため、時代が変わっても、この言葉は使用されている。ただし、

その役割は、社会の変化とともに変わりつつあり、「防震減災助理員」は、地震観測とい

う「地震災害を予防する」仕事以外に、宣伝(普及啓発)を行うようになりつつある。

「災害信息員」も「防震減災助理員」も通常は、「社区」の幹部が担当している。「災害

信息員」は資格となっているが、「防震減災助理員」とともに、専門職ではなく、兼職で

ある。それぞれの職の手当支給の状況は、地方によって異なっている。例えば、山東省は

2009年に「地震観測人員補助標準」を出し、その手当を地方財税予算に組み入れた(劉,

2012:23)が、これは先進事例である。全体として、「防震減災助理員」に対するトレニ

ングが不足しているのは課題である。

5 むすびに

コミュニティ防災の基本は、「社区」にある各種の資源を統合して、調整することであ

る。「モデル社区」を全国に普及させるには、「社区減災」の資源を統合させる仕組みを保

障する制度が必要である。そのため、中央政府は、「社区減災」に関する地域別の政策を

制定すべきである。

また、コミュニティに対する資金の投入を確保する制度が不可欠である。そして、資金

の投入は、中央政府の財政から行い、防災減災が困難な地域に傾斜して配分すべきである。

他方、経済的に豊かな地域では、公共サービスを NPO から購入する政策9を積極的に利用

9 財政部、民政部,2012,中央財政支持社会組織参与社会服務項目資金使用管理方法,社会組織サイト

( http:// www.chinanpo.gov.cn/2351/56700/preindex.html,2014 年 3 月 27 日检索)

Page 11: A Study on the Community-based Disaster …2014)。 コミュニティ防災は中国語で「社区減災」である。「社区減災」は、中国におけるいく つかの国内の災害や防災領域における外国との交流の中で中国に輸入された概念である

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すべきである。近年、中央政府も北京市も NPOから公共サービスを購入する政策を行なっ

ており、例えば、北京市の市街地における「減災モデル街道」と「モデル社区」作りにお

いては、防災専門 NPOからサービスを購入しようとする動きが見られる。ただし、実際に、

NPOを「社区減災」に参加させるには、減災専門の NPOを更に育成する専門家集団の支援

が必要である。

NPO から購入する公共サービスは防災宣伝などから始める可能性がある。例えば、四川

雅安地震後、災害支援を行った「壹基金」は子供向けの防災宣伝や農民向けの住宅耐震な

どの訓練(トレーニング)を行った(伍、高,2014)。

このような既存の優れた事例を広く展開することができれば、今後、全国的に、各地域

の財政に見合ったより適切な防災活動を行うことができる可能性がある。

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