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水郷筑波サイクリング環境 整備総合計画 ~日本一のサイクリング環境を目指して~ 平成28年6月 茨城県

★05 H28.6月Ver(仮称)水郷筑波サイクリング環境整 …...4 1.3 目標年次 本計画では,当地域において長期的に目指すサイクリング環境の将来の姿を示し,それを実現するための基本方針や当面の取組を定めるものとして,平成32(2020)

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水郷筑波サイクリング環境

整備総合計画

~日本一のサイクリング環境を目指して~

平成28年6月

茨城県

Page 2: ★05 H28.6月Ver(仮称)水郷筑波サイクリング環境整 …...4 1.3 目標年次 本計画では,当地域において長期的に目指すサイクリング環境の将来の姿を示し,それを実現するための基本方針や当面の取組を定めるものとして,平成32(2020)

目 次

はじめに ................................................................................................................................................ 1

本計画の構成 .................................................................................................................................... 2

1 計画策定の趣旨 ......................................................................................................................... 3

1.1 目的 ........................................................................................................................................................... 3

1.2 対象地域 ................................................................................................................................................ 3

1.3 目標年次 ................................................................................................................................................ 4

1.4 これまでの取組 .................................................................................................................................... 4

2 サイクリング環境の現状 ............................................................................................................ 5

2.1 国内外におけるサイクリングの動向 ............................................................................................. 5

2.2 水郷筑波地域のサイクリング環境の特徴 ................................................................................. 9

2.3 水郷筑波地域のサイクリング環境の課題 ................................................................................. 12

2.4 まとめ ........................................................................................................................................................ 16

3 将来の姿と基本方針 ................................................................................................................. 17

3.1 将来の姿 ................................................................................................................................................. 17

3.2 将来の姿を実現するための基本方針........................................................................................ 18

3.3 利用者に応じたサイクリングのイメージ ....................................................................................... 19

4 主な実施施策 .............................................................................................................................. 20

4.1 快適で安全安心にサイクリングができる環境の整備 ........................................................... 20

4.2 地域の活性化につながるサイクリスト向けサービスの充実 ................................................ 25

4.3 サイクリングを学ぶことができる環境の構築 ............................................................................. 29

4.4 サイクリングを通じた文化の共有と発信 ..................................................................................... 32

5 取組の進め方 ............................................................................................................................... 35

5.1 地域が一体になった取組の推進 ................................................................................................. 35

5.2 主な施策の実施スケジュールと役割分担 ............................................................................... 36

5.3 推進体制 ................................................................................................................................................ 38

5.3.1 有識者委員会の設立 ................................................................................................................... 38

5.3.2 推進組織の構築 .............................................................................................................................. 38

5.4 進捗確認 ................................................................................................................................................ 39

参考資料

1. 水郷筑波サイクリング環境整備総合計画策定委員会における審議の経過 ............... 40

2. 水郷筑波サイクリング環境整備総合計画策定委員会委員名簿 ..................................... 41

3. 用語集 ........................................................................................................................................................ 42 ※用語集に記載している用語については,その用語が本文中で最初に出てくる際に,*を記載しています。

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はじめに

水郷筑波地域は,水郷筑波国定公園に指定されている地域であり,筑波山や霞

ヶ浦などの豊かな自然や風景,鹿島神宮などの歴史的・文化的資産など多様な地

域資源を有するとともに,東京圏からのアクセスにも優れた地域となっています。

一方で,現状では,こうした地域資源や優位性が十分に活用されていないことか

ら,この広大な地域が有する多様な資源を最大限に活用することで,新たな価値を

生み出し,地域の魅力を高めていく取組は,当地域の将来に向け大きな可能性を

有しており,その核として,国内外で注目が高まっているサイクリングを挙げることがで

きます。

当地域には,既に「つくばりんりんロード」や「霞ヶ浦自転車道」という長距離かつ平

坦で走りやすい自転車道が整備されているほか,筑波山や北浦の周辺など,多くの

サイクリングに適した環境が存在しているものの,こうしたサイクリング環境はそれぞれ

が独立して存在しているだけでなく,2つの自転車道が接続されていないなど,スム

ーズなつながりに欠けている状況もあります。

そこで,こうしたサイクリングに適する環境や種々の施設,鉄道やバス,遊覧船等

の交通手段をつなぎ合わせるとともに,サイクリングを核に,当地域の多様な地域資

源を結びつけ,魅力的な環境を構築することにより,サイクリング人口の多い東京圏

などからの交流人口の拡大や,当地域の魅力・イメージの向上につなげていくことが

できます。

自転車には,幅広い世代の利用が可能で,徒歩よりも移動範囲が広く気軽に自

由に移動できるとともに,自動車利用に比べても,自然や季節を身体で感じたり,より

身近に地域住民とのふれあいが楽しめるといったメリットがあります。

昨今,急激な人口減少と超高齢化の進行,地域産業の衰退など,地域を取り巻

く環境が大きく変化している中で,持続可能な地域づくりを進めることが求められてい

ますが,こうした自転車のメリットを活かしたサイクリングを核とする取組は,地域を取

り巻く課題解決の糸口となるだけでなく,地域住民の健康増進や環境にやさしい地

域づくりの実現に寄与することも期待できます。

このようなことから,茨城県では,誰もがサイクリングを楽しむことができる日本一の

サイクリング環境の構築を目指し,行政や民間事業者,地域住民などの様々な主体

が一体となって取り組んでいくための指針として,「水郷筑波サイクリング環境整備総

合計画」を策定します。

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本計画の構成 本計画は,5つの章から構成されます。

3 将来の姿と基本方針

将来の姿

1 計画策定の趣旨

内容が固まった後に修正

将来の姿を実現するための基本方針

1 誰もが快適で安全安心にサイクリングを楽しむことができる地域

2 地域の豊かな自然や食,人とのふれあいなどをサイクリングと併せて楽しむことができる地域

3 サイクリングの魅力や楽しさが理解されている地域

4 地域住民やサイクリストに優れたサイクリング環境が認知されている地域

1 快適で安全安心にサイクリングができる環境の整備

2 地域活性化につながるサイクリスト向けサービスの充実

3 サイクリングを学ぶことができる環境の構築

4 サイクリングを通じた文化の共有と発信

4 主な実施施策

1 快適で安全安心にサイクリングができる 環境の整備

取組1.地域内走行空間の回遊性・走行性の向上 取組2.走行空間の安全性の向上 取組3.案内標識等の整備 取組4.拠点施設・休憩施設の充実 取組5.外国人等の様々な人々を受け入れるサイ

クリング環境の構築

3 サイクリングを学ぶことができる環境の構築

取組10.ルールを学ぶ機会の充実

取組11.トレーニング等による利用の機会の創出

取組12.地域におけるサイクリングの促進

2 地域活性化につながるサイクリスト向け

サービスの充実

取組6.手軽にサイクリングを楽しんでもらえる体制

の構築 取組7.サイクリングに関する情報提供の充実 取組8.地域資源と連携したサービスの充実 取組9.駅や空港等からのアクセス性の向上

4 サイクリングを通じた文化の共有と発信

取組13.サイクリングコースのブランドイメージ向上 取組14.サイクリングイベントの充実 取組15.地域におけるプロモーション・情報発信力

の向上

5 取組の進め方

地域が一体に なった取組の推進

主な施策の実施 スケジュールと 役割分担

進捗確認

推進体制

2 サイクリング環境の現状

対象地域 目標年次 これまでの取組

国内外におけるサイクリングの動向

水郷筑波地域の サイクリング環境の特徴

水郷筑波地域の サイクリング環境の課題

まとめ

利用者に応じたサイクリングのイメージ

目的 当地域の将来の姿や実施施策,それぞれの役割などを定め,様々な主体が参加しやすい環境をつくるとともに,一体となって取り組んでいくための指針として策定するものです。

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1 計画策定の趣旨

1.1 目的

本県では,水郷筑波地域において,地域の特性を活かした「回遊性のあるサイクリ

ング」をテーマに,サイクリング*を核に,豊かな自然や歴史的・文化的資産など様々

な地域資源を結びつけ,東京圏からの優れたアクセス性を活かしながら,誰もが多

様にサイクリングを楽しむことができる,日本一のサイクリング環境の構築を目指して

いきます。

本計画は,当地域の将来の姿や実施施策,それぞれの役割などを定め,行政だ

けでなく,民間事業者や大学,NPO,地域住民などの様々な主体が参加しやすい

環境をつくるとともに,これらの主体が一体となって取り組んでいくための指針として

策定するものです。

1.2 対象地域

本計画では,(仮称)水郷筑波サイクリングコース(つくばりんりんロードと霞ヶ浦湖

岸道路を結んだ全長約180kmのコース)及び北浦周辺,筑波山周辺の14市

町村を対象地域とします。

その中でも,先行的に(仮称)水郷筑波サイクリングコースの沿線を中心に環境整

備に取り組み,段階的に北浦や筑波山周辺地域などにも取組を進めていきます。

※本計画では霞ヶ浦の標記は「西浦」を指し,北浦と区別しています。

図 対象地域

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1.3 目標年次

本計画では,当地域において長期的に目指すサイクリング環境の将来の姿を示し,

それを実現するための基本方針や当面の取組を定めるものとして,平成32(2020)

年度を目標年次とします。

1.4 これまでの取組

本県では,平成25(2013)年度に県及び水郷筑波地域の14市町村を構成員

とする「水郷筑波サイクリング環境整備事業推進検討会」を設置し,霞ヶ浦自転車道

の整備や案内標識などの共通デザインの検討など,サイクリング環境の整備に係る検

討を進めてきました。

平成25(2013)・26(2014)年度には,サイクリングマップの作成・配布や県内

120 箇所の自転車サポートステーション*の登録,サイクリング環境のPRとフォーラム

の開催,サイクリングツアー(霞ヶ浦さいくるーずなど)などを企画・実施しました。

平成27(2015)年度には,広域の乗り捨て型レンタサイクルシステム実証実験の

実施,自転車サポートステーションの拡充,多国語によるサイクリングマップなどの作

成,地域資源を結びつけた国内外サイクリングツアーの企画・実施,イベント開催の

ための事前調査・準備,サイクリングコース新名称の設定,サイクリングを活用した健

康ガイドラインの作成,レンタサイクル施設への健康器具の配置や自転車サポートス

テーションへのAED*設置支援,サイクルモード*出展など,様々な取組を進めてい

ます。

また,サイクリングコースの整備に向け,案内標識などのガイドラインの策定,休憩

施設や案内標識の充実,交通ネットワークの検討なども行っています。

今後も,これらの取組を継続・拡大するとともに,新たな施策を取り入れながら,

日本一のサイクリング環境の構築を目指していきます。

図 広域の乗り捨て型レンタサイクルシ

ステム実証実験のリーフレット 図 サイクルモードブース出展の様子

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2 サイクリング環境の現状

2.1 国内外におけるサイクリングの動向

世界におけるサイクリングの動向

ロンドンやコペンハーゲン,ニューヨークやポートランドなどの欧米の都市において

は、自転車を中心とした都市づくりに力が入れられ,自転車道などの整備やコミュニ

ティサイクル*の導入,駐輪場の整備など様々な取組が行われています。例えば,

欧州では,「ユーロヴェロ」*として,国境を超えて欧州全域に渡る全長 78,000km の

サイクリングコースを認定し,整備を進めています。

また,アジアの各地域においては,サイクルツーリズム*を推進しており,中でも台

湾では,計画総延長2,000kmの台湾を一周する台湾国土自転車道の整備を進める

など,自転車関連の政策に力を入れています。

一方,サイクリングはスポーツとしての側面も持っており,オリンピック・パラリンピッ

クの公式種目にもなっています。欧州を中心に世界的には自転車競技の人気も高く,

毎年夏にフランスで行われるツール・ド・フランスは,夏季五輪,サッカーW杯に続く

世界で3番目に大きいスポーツイベントであり,世界 190 カ国以上で放送され,

1,200 万人近い観衆が沿道を埋めています。

写真 市街地の自転車レーン(ロンドン) 写真 廃線跡を利用した自転車道(台湾)

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国内におけるサイクリングの動向

全国各地で,自転車を使って地域を観光するサイクルツーリズムの企画や,自転

車の競技会などのサイクルイベントの開催など,サイクリングによる地域振興の取組

が盛んになっています。

愛媛県・今治市と広島県・尾道市を結ぶ全長約 70kmの「瀬戸内しまなみ海道」

(瀬戸内海横断自転車道)は国内で初となる海を渡る自転車道であり,橋梁を走行

して,瀬戸内海のダイナミックな風景をながめながら,サイクリングを楽しむことができ

る人気のサイクリングコースです。来訪者の半数以上が,関東・近畿など遠方都市

圏からであり,持参した自転車やレンタサイクルを使って地域を観光してサイクリング

を楽しんでいます。

平成26(2014)年10月に開催された国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」

には総勢7,281人が参加し,そのうち500人以上は外国の方が参加するなど,国際

色豊かな大会となっています。

「サイクリングしまなみ」以外にも,全国各地で競技形式のヒルクライム*やロードレ

ース*大会,地域のグルメを楽しみながら長距離を走行するロングライド大会など,

年間 500 以上のサイクルイベントが行われており,中には「富士の国やまなし Mt.

富士ヒルクライム」や「スズカ8時間エンデューロ」など 5,000 人以上が参加する大規

模なイベントも開催されています。

国土交通省においても,「サイクリングコースの認定によるブランド化により,国内

外の自転車利用者が,安全なサイクルルートを選ぶことのできる環境を整えるととも

に,サイクルルートの管理者などによる質向上のための様々な取組を促進することで,

安全で快適な自転車利用環境を創出すること」を目的とした,「ナショナルサイクル

ルート(仮称)認定制度」の検討を行っています。この認定制度が導入されれば,全

国的な自転車関連の取組への機運が一層高まっていくと考えられます。

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サイクリングに対する機運の高まり

サイクリングを週一回以上楽しむ人は,全国で約 300 万人にも上るとされていま

す。また,サイクリング人気の高まりとともに,ロードバイクなどのスポーツ車の販売台

数も増加傾向を示しており,スポーツ車の1店舗あたりの販売台数は,この 10 年で

約3倍に増加しています。

また,平成32(2020)年に控える東京オリンピック・パラリンピックにおいても,自転

車4種目※が公式種目であり,東京オリンピック・パラリンピックに先立ち,平成31

(2019)年に開催される茨城国体においても自転車の公式種目があることから,サイ

クリングに対する機運の高まりが期待されます。

※ロードレース,トラックレース,マウンテンバイク(クロスカントリー),BMXの4種

表 運動・スポーツ愛好者人口(週一回以上の定期的なスポーツ実施者人口)

種 目 実施率(%) 推計人口(万人)

1 散歩(ぶらぶら歩き) 22.4 2,329

2 ウォーキング 17.3 1,799

3 体操 13.4 1,393

4 筋力トレーニング 7.9 821

5 ジョギング・ランニング 5.5 572

6 サイクリング 2.8 291

7 ヨーガ 2.3 239

8 水泳 2.0 208

9 ゴルフ(練習場) 1.9 198

10 キャッチボール 1.5 156

[出典]笹川スポーツ財団スポーツライフ・データ 2012「スポーツに関する調査報告書」

図 1店舗あたりの自転車の販売台数の変化(平成16年度を1としている)

※本調査は,平成 23 年から暦年で集計

[出典]自転車産業振興協会 国内販売動向調査結果

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

平成1

6

年度

平成1

7

年度

平成1

8

年度

平成1

9

年度

平成2

0

年度

平成2

1

年度

平成2

2

年度

平成2

3

平成2

4

平成2

5

スポーツ車

電動アシスト車

マウンテンバイク

折りたたみ車

ホーム車

16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

シティ車

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健康・環境面でのメリットも大きい自転車

WHO(世界保健機構)が,身体活動不足が全世界の死亡に対する危険因子と

なっていることに対する対策として「健康のための身体活動に関する国際勧告」を発

表し,わが国でも厚生労働省において「健康づくりのための身体活動基準 2013」,

「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」の情報提供や「健康増進施

設認定制度」など,健康のための運動の推進の取組が進められています。

サイクリングは,関節にあまり負担をかけずに,比較的負荷の高い有酸素運動が

可能であり,ジョギングや散歩に比べ,行動範囲が広い,運動持続時間が長い,スピ

ードの変化も楽しめるといった多様なメリットから,女性,高齢者も続けやすい運動で

もあります。

世界的に地球環境への関心が高まる中,自転車は,走行する際に二酸化炭素を

排出しない,環境にやさしい乗り物です。

当地域でサイクリングに関連する取組を進めていく中では,こういった自転車の健

康面や環境面の社会的なメリットを十分に踏まえ,住民の意識醸成や地域のイメー

ジ向上につなげていくことも必要です。

表 自転車運動とジョギングなどのメリット比較11項目(高齢者の運動としての適性)

項目 自転車 ジョギング 泳ぎ

通勤・通学,買い物中 可能 限定 困難

息切れ 少ない 大 大

ひざにかかる体重 0.3 倍 4~6 倍 なし or 0.3 倍

場所の制約 自由 自由 限定

時間の制約 自由 自由 限定

行動範囲 広い 狭い 非常狭

持続時間 長時間 短い 短時間

運動の強度の調整 範囲広 狭い 狭い

膝・腰悪い人 可能 困難 可能

運動中会話 可能 可能 困難

医学的安全性 高い 高い 制約(血圧狭心症など)

[出典]古倉宗治著 実践する自転車まちづくり

[出典]山崎元ら「中高年のためのスポーツ医学」(世界文化社)や英国自転車推進機構資料により古倉作成。 注: の部分は,メリットに相当。ウォーキングは着地の際にひざに体重の 2~3 倍。各項目について通常

不可能な場合以外は可能としている。

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2.2 水郷筑波地域のサイクリング環境の特徴

長距離・平坦で自動車の交通量が少なく走りやすいサイクリン

グコース

(仮称)水郷筑波サイクリングコースは,土浦市街地から筑波山の麓を通過し,JR

水戸線岩瀬駅までつながっているつくばりんりんロードと,霞ヶ浦を一周する霞ヶ浦湖

岸道路を結んだ,ほぼ全線が平坦な全長約 180kmに及ぶ長距離のサイクリングコ

ースです。

本コースのうち,つくばりんりんロード約40kmのほぼ全線が,自転車歩行者専用

道路であり,さらに霞ヶ浦北岸の約40kmも,現在自転車歩行者専用道路として整

備が進められ,一般道を走る区間も,大半が幹線道路から外れた湖岸の道路とな

っているため,全体として自動車の交通量が少ない安全なコースとなっています。

また,霞ヶ浦の東に位置する北浦湖岸は,一周約68kmの湖岸道路となってお

り,こちらもほぼ平坦で自動車の交通量も少ないことから,今後取組を進めることによ

り,霞ヶ浦湖岸道路のように,サイクリングに適したコースとなるポテンシャルを有して

います。

このほか,筑波山周辺も,首都圏から身近なヒルクライムコースとなっています。

写真 霞ヶ浦湖岸のサイクリングコース 写真 つくばりんりんロード

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豊かな自然や歴史的・文化的資産等の様々な地域資源

水郷筑波地域は,水郷筑波国定公園に指定されており,古くから信仰の山として

栄えてきた筑波山や,国内第2位の面積を誇る湖である霞ヶ浦を中心とした豊かな

自然や美しい景観,さらには,鹿島神宮や常陸風土記の丘などの歴史的・文化的

資産や,桜川のサクラ,潮来のアヤメなど,数多くの地域資源があります。霞ヶ浦で

は,遊覧船などのクルージングのほか,秋には観光帆引き船が運航され,冬には多

くの渡り鳥が飛来するなど,季節ごとに多様な風景を楽しむことができます。

さらに,当地域では,果物や野菜の栽培が盛んで,特にメロン,レンコンは全国一

の生産量などを誇るとともに,果樹園では,梨やイチゴなどの果物狩りも楽しめます。

ワカサギなどの霞ヶ浦で捕れる水産物も含め,特産品も豊富な地域です。

また,宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターなどの最先端の科学

技術にふれることができる施設などもあり,常陸國總社宮例大祭などの祭礼やお祭

り,土浦全国花火競技大会,真壁のひなまつりなどのイベントも数多く行われていま

す。

写真 筑波山 写真 観光帆引き船

写真 鹿島神宮 写真 桜川のサクラ

[出典]茨城県公式観光情報サイト 観光いばらき

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東京圏,茨城空港,成田国際空港に近接

(仮称)水郷筑波サイクリングコースは,JR常磐線やつくばエクスプレス(TX),常

磐自動車道で東京の都心から約1時間でアクセス可能な位置にあり,平成27

(2015)年3月の東京上野ラインの開通により,品川駅まで常磐線が乗り入れるなど,

利便性は一層向上しています。

また,茨城空港から約 20km,成田国際空港から約 40kmと空港にも近接してお

り,東京圏のみでなく,他の国内外地域からもアクセス性が良く,多くのサイクリストの

来訪が期待できます。

なお,東京駅から土浦駅までは約 70kmであり,自転車で自走しアクセスすること

も可能な距離となっています。

図 (仮称)水郷筑波サイクリングコース周辺の主要な交通網及び所要時間

<鉄道でのアクセス>

つくばエクスプレス(快速)

約45分

JR常磐線(特急)

約55分

JR水戸線

約40分

高速バス

約105分 高速バス

約35分

常磐自動車道等

約60分 東関東自動車道

約20分 県道

約25分

秋葉原駅

水郷潮来 バスターミナル

つくば駅

品川駅

小山駅

土浦駅

岩瀬駅

江戸橋 IC

成田 IC

茨城空港

桜土浦 IC

潮来 IC

JR 高浜駅

JR 東京駅 JR 潮来駅

<自動車でのアクセス> <バスでのアクセス>

JR 土浦駅 成田 国際空港

高速バス

約90分

TX つくば駅 高速バス

約70分

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2.3 水郷筑波地域のサイクリング環境の課題

走行空間の回遊性や安全性の向上

(仮称)水郷筑波サイクリングコースにおいては,つくばりんりんロードと霞ヶ浦自転

車道の結節点である土浦市の市街地内をはじめ,部分的に幹線道路を通る区間が

あります。それらの区間では,自動車の交通量が多く,路肩も狭いことから,自転車

では走りにくい状況となっています。これらの区間では,路肩の確保や自動車と自転

車,歩行者の分離等の走行空間の整備,案内標識等の整備により安全性を高める

必要があります。

また,平成27(2015)年に県が実施した本コースを走行したサイクリストへのアン

ケート調査結果によると,舗装の劣化も多く指摘されており,サイクリスト目線でみると

サイクリングコースの適切な維持管理・修繕も重要であることがわかります。

さらに,当地域には,(仮称)水郷筑波サイクリングコースのほかにも,北浦や筑波

山の周辺など,サイクリングに適した環境がありますが,地域内を快適に回遊するに

は,コースの整備とともに,相互の接続を向上させる必要があります。

写真 幹線道路走行区間(土浦市港町) 写真 幹線道路走行区間(阿見町青宿)

図 (仮称)水郷筑波サイクリングコースの問題点

[出典](仮称)水郷筑波サイクリングコース利用者アンケート調査(平成27(2015)年7・10月に霞ヶ浦 湖岸道路,つくばりんりんロードを走るサイクリストに対して実施 回答者数:330 名)

12561

4938

342928

181212

6106

0 50 100 150

舗装の劣化自動車との衝突の恐れ

一般道との接続お店が少ない

案内表示が少ない休憩スペースが少ない

トイレが少ない歩行者との衝突の恐れ

幅員が狭い自転車との衝突の恐れ

サイクリングロードへのアクセスその他

n=330 (複数回答可)

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13

サイクリスト向けサービスの充実

当地域では,自転車サポートステーションの登録,広域の乗り捨て型レンタサイク

ルシステムの実証実験,サイクリングマップの配布などに取り組み,サイクリスト向け

のサービスの充実を図ってきています。

一方で,国内におけるサイクルツーリズムの先進地域では,サイクリスト向けの宿

泊施設と自転車販売店,レンタサイクルなどの機能を備えた複合施設「ONOMICHI

U2」※の整備(尾道市)や,「サイクリストにやさしい宿」の認定(奈良県),タクシーに

よるサイクルレスキューサービス*(宇都宮市,那須塩原市など),他にも,サイクルト

レイン*やサイクルガイド*といった様々なサイクリスト向けのサービスが提供されてい

ます。

当地域においても,順次こうしたサイクリスト向けサービスの充実に取り組んでいく

必要があります。

※ONOMICHI U2:自転車ごと宿泊可能なサイクリスト専用ホテルを主軸に,レストラン,

セレクトショップやギャラリー,イベントスペースなどを擁した複合施設。

写真 ONOMICHI U2 写真 サイクルレスキュー(関東自動車)

[出典]宇都宮市ウェブサイト

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自転車事故を防ぐための安全意識の向上

茨城県内における自転車関連の交通事故は,年々減少しているものの,平成26

年(2014 年)には年間 1,623 件発生しています。

今後,サイクリング環境の整備による県内外から来訪するサイクリストの増加に伴

い,自転車による事故の増加も懸念されることから,走行空間の安全対策と併せ,

自転車事故を防ぐためのルールの啓発にも取り組んでいく必要があります。

図 茨城県内における自転車が関係した交通事故発生件数の推移

[出典]茨城県警資料

2,435 2,3312,172

1,9911,727 1,623

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

平成2

1

平成2

2

平成2

3

平成2

4

平成2

5

平成26

年21 22 23 24 25 26

件/年

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サイクリングを通じた地域の魅力発信

当地域は,筑波山や霞ヶ浦などの豊かな自然や美しい景観,さらには,歴史的・

文化的資産や豊富な農産物など,様々な地域資源に恵まれていますが,観光入込

客数については,本県は,全国で16位であるものの,関東近県などと比較すると,県

外客を中心に,少ない状況となっています。

また,(仮称)水郷筑波サイクリングコースを走行するサイクリストについても,県外

からの来訪者は3割に満たない状況となっています。

一方,国内におけるサイクリングによる地域振興の先進地域を見ると,しまなみ海

道や「ビワイチ」としてPRしている琵琶湖などでは,サイクリングでしか味わうことので

きない体験などを魅力として効果的に伝えることで,県内外から多くの人が来訪して

います。

当地域においても,恵まれた地域資源とサイクリング環境を活かし,体験メニュー

の整備やそれらの魅力の情報発信など,県外からもサイクリストをはじめとした来訪

者を増やすような取組を進めていく必要があります。

n=330

茨城県

72%

埼玉県

9%

千葉県

8%

栃木県

4%

東京都

4%

その他

2% 不明

1%

図 (仮称)水郷筑波サイクリングコースを走るサイク

リストの居住地

[出典]水郷筑波サイクリングコース利用者アンケート調査

(平成27(2015)年7月・10月に霞ヶ浦湖岸道路,つく

ばりんりんロードを走るサイクリストに対して実施 回答者

数:330 名)

[出典]株式会社いよぎん地域経済研究センター

「しまなみ海道サイクリング客へのアンケート結果に

ついて」

【参考】しまなみ海道サイクリング客の居住地

n=130

観光入込客数(平成 25 年)

[出典]観光庁統計データをもとに作成

99,368 98,870 89,336

41,86632,238 28,887

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

東京都

埼玉県

神奈川県

千葉県

栃木県

茨城県

群馬県

千人回 512,638

56,563

47,287

30,708 27,313

16,709 16,415

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

東京都

神奈川県

千葉県

埼玉県

栃木県

群馬県

茨城県

千人回247,745

自都県外からの観光入込客数(平成 25 年)

[出典]観光庁統計データをもとに作成

愛媛,広島

26%

近畿

29%

関東

27%

中部

12%

その他(海外も含む)

6%

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2.4 まとめ

国内外におけるサイクリングの動向

水郷筑波地域のサイクリング環境の特徴・課題

・ロンドン,コペンハーゲン,ニューヨ

ークなどの都市において自転車を

中心とした都市づくりを推進

・欧州では「ユーロヴェロ」として,欧

州全域に渡るサイクリングコースを

認定し,整備を推進

・アジアの各地域においてサイクル

ツーリズムを推進

・全国各地でサイクリングによる地域

振興の取組

・全国で年間500以上のサイクルイ

ベント開催

・国土交通省において,「ナショナル

サイクルルート(仮称)認定制度」の

検討

国内におけるサイクリングの動向 世界におけるサイクリングの動向

・長距離・平坦で自動車の交通量が

少なく走りやすいサイクリングコース

・豊かな自然や歴史的・文化的資産

等の様々な地域資源

・東京圏,茨城空港,成田国際空港

に近接

◯日本一のサイクリング環境の構築のために,当地域の特徴を活かし,課題に

対応したサイクリング環境の整備が必要です。

・走行空間の回遊性や安全性の向

・サイクリスト向けサービスの充実

・自転車事故を防ぐための安全意識

の向上

・サイクリングを通じた地域の魅力発

課題 特徴

・サイクリングを週一回以上楽しむ人

は,全国で約3百万人

・東京オリンピック・パラリンピックや

茨城国体の開催

・関節にあまり負担をかけずに,比較

的負荷の高い有酸素運動が可能

・走行する際に二酸化炭素を排出し

ない,環境にやさしい乗り物

健康・環境面でのメリットも大きい 自転車

サイクリングに対する機運の高まり

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3 将来の姿と基本方針

3.1 将来の姿

本県では,水郷筑波地域において,地域の特性を活かした「回遊性のあるサイクリン

グ」を構築し、サイクリングを核に豊かな自然や歴史・文化など様々な地域資源を結び

つけ,東京圏からの優れたアクセス性を活かしながら,誰もが多様にサイクリングを楽し

むことができる,日本一のサイクリング環境の構築を目指します。

本計画では,日本一のサイクリング環境の構築のため,次の4つの「将来の姿」を掲

げ,行政や民間事業者,地域住民などの様々な主体が一体となって,その実現に向

けて取り組んでいきます。

将来の姿

将来の姿 1 誰もが快適で安全安心にサイクリングを楽しむことがで

きる地域

・地域全体に、回遊性の高いサイクリングコースが多様に存在し,それぞれに

統一された案内標識や,トイレやシャワーブースなどを備えた休憩施設など

が整備されています。快適で安全安心にサイクリングできる地域には,東京

圏をはじめとする国内外から多くのサイクリストが訪れ賑わっています。

将来の姿2 地域の豊かな自然や食,人とのふれあいなどを

サイクリングと併せて楽しむことができる地域

・地域の豊かな自然や食,地域の人とのふれあいをサイクリングと併せて楽し

むことができるとともに,地域が一体となって,サイクリストに対し様々なサー

ビスを提供し,交流が促進されることで,地域が元気になっています。

将来の姿3 サイクリングの魅力やルールが理解されている地域

・来訪者も地域住民もサイクリングを通じてその魅力や交通ルール,マナーを

学ぶことができる環境が生まれ,サイクリストと歩行者や自動車,釣り人など

が,お互いを尊重しながら共存しています。

将来の姿4 地域住民やサイクリストに優れたサイクリング環境が

認知されている地域

・来訪者も地域住民も,サイクリングの楽しさや,健康によいといった社会的な

価値観を理解し共有するとともに,水郷筑波地域が日本一のサイクリング環

境として国内外に認知されています。

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3.2 将来の姿を実現するための基本方針

水郷筑波地域における将来像を実現するため,以下の4つの基本方針に基づい

て,主な実施施策に取り組んでいきます。

「将来の姿1 誰もが快適で安全安心にサイクリングを楽しむことができる地域」に対応

1 快適で安全安心にサイクリングができる環境の整備

・地域内を様々な形で回遊できるよう,多彩なサイクリングコースを設定するとと

もに,コースの安全性の向上や案内標識・休憩施設などを統一的に整備する

ことにより,誰もが快適で安全安心にサイクリングができる環境の構築を図りま

す。

「将来の姿2 地域の豊かな自然や食,人とのふれあいなどをサイクリングと併せて楽しむことができる地域」に対応

2 地域活性化につながるサイクリスト向けサービスの充実

・水郷筑波地域が有する様々な地域資源を活かし,ビギナー*から上級者まで

幅広いレベルのサイクリストが快適にサイクリングを楽しむことができるよう,きめ

細かいサービス(レンタサイクル,マップ,情報提供など)の充実により,質の高

いサイクリングを楽しむことができる環境を構築し,地域活性化につなげてまい

ります。

「将来の姿3 サイクリングの魅力や楽しさが理解されている地域」に対応

3 サイクリングを学ぶことができる環境の構築

・レベルに応じてサイクリングのルールや楽しみ方を学びあい,歩行者や自動

車,霞ヶ浦の釣り人などとサイクリストが共存し,地域住民もサイクリングを楽し

める先進的なシェアードスペース(共有空間)の構築を図ります。

「将来の姿4 地域住民やサイクリストに優れたサイクリング環境が認知されている 地域」に対応

4 サイクリングを通じた文化の共有と発信

・地域全体がサイクリングの魅力を理解しながら,サイクリングを通じて水郷筑波

地域の良好な環境や文化的魅力を,様々な機会や手法を活用し広く発信し,

ブランドイメージの向上を図ります。

基本 方針

基本 方針

基本 方針

基本 方針

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3.3 利用者に応じたサイクリングのイメージ

サイクリストのレベルや来訪者の地域等により,当地域でどのようにサイクリングを

楽しむかが変わってくるため,対象を想定し,当地域でのサイクリングを具体にイメー

ジしながら,取組を進めていきます。

サイクリングの

上級者

サイクリングの

ビギナー

◯当地域での本格的なイベント・レースに参加

◯手軽な練習場として定期的に来訪し,長距離のサイクリングを楽しむ

◯サイクリング最適の地として友人やビギナーを連れて来る

◯家族で来訪し,安全なコースを家族でサイクリング

◯サイクリングと一緒に,地域の食や自然などを楽しむ

◯初めてのロングライドを体験

主に対象とする レベル サイクリングのイメージ

地域に応じたサイクリングのイメージ

当地域を

訪れる観光客 ◯地域内の食や地域資源を巡りながらサイクリング ◯サイクリングとクルージングなどを組み合わせながら地域を楽しむ

主に対象とする 地域

サイクリングのイメージ

訪日外国人 ◯茨城空港・成田国際空港から直接アクセスしサイクリング

◯日本の自然や文化,地元の人とのふれあいを,サイクリングをしながら楽しむ

地域住民 ◯週末など,近所のコースを日常的にサイクリング

◯地域のサイクリングイベントなどに積極的に参加

レベルに応じたサイクリングのイメージ

東京圏の

サイクリスト

◯東京圏から自走または輪行*でアクセスしサイクリング

◯気軽に来訪し,トレーニングやサイクリング,食や文化などの地域資源を楽しむ

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4 主な実施施策

4.1 快適で安全安心にサイクリングができる環境の整備

取組1.地域内走行空間の回遊性・走行性の向上

水郷筑波地域には,(仮称)水郷筑波サイクリングロードのほかにも,北浦や筑波

山の周辺など,サイクリングに適した環境がありますが,地域内を快適に回遊するに

は,それぞれの接続が十分ではない箇所があります。

そのため,つくばりんりんロードと霞ヶ浦自転車道の接続ルートの整備や,つくばりん

りんロードにおける一般道との交差部の解消などを進めるとともに,北浦湖岸や筑波

山周辺などへのサイクリングコースの整備の検討や,霞ヶ浦の遊覧船とサイクリング

を組み合わせたコースの設定など,地域内の回遊性を向上させることで,どこからで

も,快適に多様なサイクリングを楽しむことができる環境の整備に取り組んでいきま

す。

主な実施施策

○ つくばりんりんロードと霞ヶ浦自転車道の接続ルートの整備

○ サイクリングコースの走行性の改善と安全性の向上

○ サイクリング関連施設(自転車サポートステーション等)・観光地等への誘導案

内標識等の設置

○ 筑波山系のチャレンジングなコースや北浦湖岸のサイクリングコースの検討

○ バス・船等の地域内交通とサイクリングを組み合わせたコースの設定

写真 船に自転車を載せ移動するサイクリスト (尾道市)

出典:尾道市ホームページ

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取組2.走行空間の安全性の向上

(仮称)水郷筑波サイクリングコースは,日常の生活交通のほか,散歩やランニン

グ,釣り等にも利用され,自転車が歩行者や自動車と共有することが必要な空間と

なっています。

現在,当コースは,自転車道として認定されている区間が約 80kmと半分近くを

占めるなど,全般的に安全性が高くなっていますが,土浦市内をはじめとした市街地

の幹線道路を走行する区間や,つくばりんりんロードにおける一般道との交差部,霞

ヶ浦湖岸の一部など,部分的に安全性を高めることが必要な箇所が残っています。

そのため,多様な人々が共有する道路空間の中で,サイクリストがより安全に安

心して走行することができるよう,(仮称)水郷筑波サイクリングコースにおける安

全対策を一層進め,走行空間の整備に取り組んでいきます。

主な実施施策

○ つくばりんりんロードの市道等との平面交差箇所の改善

○ つくばりんりんロードの県道との交差箇所の立体化

○ つくばりんりんロードと県道つくば益子線との重複区間の解消

○ 霞ヶ浦自転車道の整備(境川~土浦市田村 L=1.8km)

○ 土浦市内等の幹線道路区間の整備

写真 幹線道路区間の自転車通行空間(さいたま市)

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取組3.案内標識等の整備

現在,(仮称)水郷筑波サイクリングコースには,交差点部等をはじめ,コースが分

かりにくい箇所が点在しています。

また,当コースのうち,一部の幹線道路を走行する区間や交差点等の安全に注

意すべき箇所については,特に案内標識等の設置による注意喚起が必要です。

そのため,(仮称)水郷筑波サイクリングコースにおいては,ビギナーや当地域を初

めて訪れたサイクリストであっても,安全に安心してサイクリングを楽しむことができるよ

う,コース案内や注意喚起のための案内標識等の充実に取り組んでいきます。

なお,当コースが茨城空港,成田国際空港から近接するという特徴から,多くの

外国人の方の利用も期待されるため,案内標識等については,外国人も含めたす

べての人に伝わるよう,多言語化やルールがひと目で分かるユニバーサルデザイン

への対応にも取り組んでいきます。

主な実施施策

○ 地域全体で統一されたコース案内標識や危険箇所における注意喚起案内標

識等の設置

写真 地域全体で統一された案内標識と路面標示 (今治市)

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取組4.拠点施設・休憩施設の充実

(仮称)水郷筑波サイクリングコース周辺には,自転車サポートステーションが 71

箇所登録され(県全体で 120 箇所,平成27(2015)年時点),バイクラック*,空気

入れ等が置かれ,サイクリストの休憩スポットとして機能しています。また,つくばりんり

んロードには,駅跡地を活用し,トイレ,ベンチを有する休憩所が5箇所設置されてい

ます。

一方で,霞ヶ浦湖岸道路には,トイレや休憩施設の間隔が離れている区間がある

ため,安心してサイクリングを楽しんでもらうためには,休憩や拠点としての機能を有

する施設をさらに充実させていく必要があります。

そのため,(仮称)水郷筑波サイクリングコースの沿線において,自転車サポートス

テーションの登録を進めるとともに,トイレ,給水等の必要最低限の機能を持つ休憩

施設から,レンタサイクル,飲食等の様々なサービスを提供する拠点施設まで,サイ

クリストのニーズを満たすために必要な機能を持つ施設の体系的な整備に取り組ん

でいきます。

主な実施施策

○ 自転車サポートステーションの登録拡充

○ 休憩施設の機能充実やポケットパークの適切な間隔での整備

○ 駅等の拠点施設へのシャワー,更衣室,組立てスペース等の機能充実

○ サイクリスト向けの宿泊環境の充実に向けた検討

写真 拠点施設に設置されたシャワー施設 (尾道市) 写真 サイクリスト向けの宿泊施設 (尾道市)

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取組5.外国人等の様々な人々を受け入れるサイクリング環境

の構築

平成32(2020)年には,東京オリンピック・パラリンピックが開催され,国内外から

多くの人が東京及びその周辺地域に来訪することから,当地域においても,この機会

に茨城空港及び成田国際空港から近接するという特徴を活かし,(仮称)水郷筑波

サイクリングコースにおいて,外国人等の様々な人々がサイクリングを楽しむことがで

きる環境を構築していく必要があります。

そのため,サイクリングマップ等における情報提供の多言語化,外国語対応のガイ

ドの導入等,外国人等にも対応したサイクリング環境の構築に向けて取り組んでいき

ます。

主な実施施策

○ 案内標識等の多言語化対応

○ 外国語対応のガイドの導入

○ タンデム自転車*の通行に向けた検討

写真 多言語による路面標示対応 (今治市)

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4.2 地域活性化につながるサイクリスト向けサービスの充実

取組6.手軽にサイクリングが楽しんでもらえる体制の構築

当地域に来訪するサイクリストに満足してもらうためには,走行空間の整備だけで

はなく,来訪したサイクリストが手軽にサイクリングを楽しんでもらえるようなサービスや

情報の提供が重要となります。

そのため,(仮称)水郷筑波サイクリングコース沿線において,サイクリングに必要

な機材・装備を借りることができるレンタサイクルシステムの構築,自転車や手荷物

等の配送サービス等の導入促進,現地での情報収集のサポートやガイドを行う人材

の育成等,地域一体となり,サイクリストが必要なサービスを提供できるような体制の

構築に向けて取り組んでいきます。

主な実施施策

○ 多様なニーズに応えられるレンタサイクルシステムの構築

○ 自転車や手荷物の預かり・配送サービスの導入促進

○ 現地におけるガイド・案内の人材育成

○ 観光施設向けのサイクリストのおもてなし講座の実施

写真 広域の乗り捨て型レンタサイクルシステム貸出施設

写真 サイクリストに向けた手荷物配送サービスを行う店舗(奈良県)

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取組7.サイクリングに関する情報提供の充実

各市町村で実施しているサイクリスト向けのサービスやサイクリングイベントといった

サイクリング関連の施策については,各実施主体が個別に情報を発信しており,地

域全体としての情報が入手しにくい状況となっています。(仮称)水郷筑波サイクリン

グコースは,複数の自治体を跨ぐ長距離コースであるため,一体的な情報提供を行

っていく必要があります。

そのため,(仮称)水郷筑波サイクリングコースをはじめとした当地域全体について,

多様なサイクリストの視点で必要となる情報を集約し,多様な媒体において提供する

ことで,幅広い層に向けた効果的な情報提供に取り組んでいきます。

また,当地域を訪れるサイクリストには,事前にどのようにサイクリングや観光を楽し

むことができるかを,出発する前に具体にイメージできるよう,マップやSNSを活用し

た,モデルコースや地域情報等の発信にも取り組んでいきます。

主な実施施策

○ 専用ウェブサイトによる各種情報提供

○ 通信スポット(WiFi,Bluetooth等)設置による情報提供

○ サイクリングマップ等の更新

○ 地域全体で統一されたコース案内標識等の設置(再掲)

写真 公式フェイスブックページによる情報発信 写真 サイクリングマップ

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取組8.地域資源と連携したサービスの充実

当地域には様々な地域資源があり,単にサイクリングをするだけではなく,当コー

ス周辺の美しい風景や地元の食材を活かした料理を堪能してもらい,地元の人との

交流,商店街での買物等を楽しんでもらえるよう,地域資源を組み合わせたサイクリ

スト向けサービスを充実させていく必要があります。

そのため,(仮称)水郷筑波サイクリングコース周辺の食・イベント・祭り等と連携し,

サイクリングツアー等のサイクリスト向けの旅行商品や,ガイドライド*の実施,ポタリン

グ*ルートの開発等に取り組んでいきます。

主な実施施策

○ 地域の食・イベント・祭り等と組み合わせたサイクリングツアーの実施

○ 地域の観光施設や飲食店等へのバイクラックの設置促進

○ 商店街や飲食店によるサイクリスト向けの優待サービス等の導入促進

○ 周辺地域を巡るポタリングルートの開発

○ 地域資源や食と組み合わせたガイドライドの実施

写真 カフェ併設のバイクラック(今治市) 写真 地域資源を巡るサイクリングツアー(奈良県)

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取組9.駅や空港等からのアクセス性の向上

(仮称)水郷筑波サイクリングコースは,東京圏や茨城空港,成田国際空港に近

接しており,多くのサイクリング人口を抱える東京圏をはじめ,国内外からのアクセス

の利便性が高い地域となっており,その立地特性を十分に活かし,目的地まで円滑

にサイクリストが来訪できるよう,交通アクセス環境を整えていく必要があります。

そのため,交通事業者と連携し,鉄道駅や空港,バスターミナル等からサイクリン

グコースへの案内標識等の充実や駐車場の設置促進など,アクセス性の向上に取

り組んでいきます。

主な実施施策

○ 駅等からサイクリングコースへの案内標識等の充実

○ 東京圏からの鉄道・高速バスの輪行環境・サービス向上に向けた検討

○ 茨城空港等からのアクセス性の向上

○ サイクリスト向けの駐車場の設置促進

写真 バス会社催行のサイクリングツアー

(国際興業バス)

写真 自転車を持ち込める車両

(おのみちバス)

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4.3 サイクリングを学ぶことができる環境の構築

取組10.ルールを学ぶ機会の充実

(仮称)水郷筑波サイクリングコースの整備をはじめとした施策の推進により,県内

外から来訪するサイクリストの増加が期待される一方,自転車に関するトラブルも懸

念されることから,走行空間の安全対策に加え,来訪するサイクリストの交通ルール

の遵守を徹底する必要があります。

また,地域住民も交通ルールを知っておくことが不可欠であり,学校等で行われて

いる交通安全教育の普及促進を進める必要があります。

そのため,当地域において,国内外からの様々な来訪者を想定した交通ルール

の周知や,地域住民への学習機会の創出等,来訪者と地域住民双方に向けた対

応に取り組んでいきます。

なお,ルールと併せて,釣り人や地域住民とサイクリストが,お互いに尊重しあえる

ようなマナー意識の向上も図っていきます。

主な実施施策

○ 地域の広報誌やイベント等を通した交通ルール及びマナーの周知

○ 交通ルール等を周知するガイド・案内の人材育成

○ 学校との連携による児童・生徒への自転車の安全な乗り方教室等の実施

○ 多言語による交通ルール及びマナーの周知

写真 中学校・高校における自転車安全利用教室(宇都宮市)

出典:宇都宮市ホームページ

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取組11.トレーニング等による利用の機会の創出

(仮称)水郷筑波サイクリングコースは,平坦で長距離であること,また,東京圏に

近接していることから,ビギナーから上級者まで多様なレベルに対応できるトレーニン

グ等の場所として,地域住民だけでなく,東京圏に住む多くのサイクリストから定期的

に活用されることが期待されます。

そのため,当地域において,ビギナー向けには,乗り方,走り方やメンテナンスを含

む,サイクリングに関する基礎的な知識を気軽に得られるような講習会を開催する

ほか,中上級者向けには,定期的な練習会等の活用促進など,トレーニング等によ

る利用の機会の創出に取り組んでいきます。

主な実施施策

○ 初心者向けのルール,乗り方,メンテナンスの講習会の実施

○ 中上級者向けの定期的な練習会等の活用促進

写真 パレスサイクリングスポーツバイク乗り方講習会(東京都)

出典:自転車産業振興協会ホームページ

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取組12.地域におけるサイクリングの促進

サイクリングは,子供から高齢者までが手軽に楽しめる運動であり,地域における

サイクリングの普及や日常生活への定着が進むことにより,地域住民の健康促進に

もつながっていくことが期待されます。また,より多くの住民がサイクリングの魅力を知

り,楽しむとともに,自転車に関する健康面や環境面等の効果についても理解を深め

ていくことが必要となります。

そのため,当地域において,学校や自治会等と連携し,より多くの地域住民がサイ

クリングを楽しむとともに,自転車の健康や環境への効果を学ぶことができるような機

会を設けるなど,地域住民のサイクリングの促進に取り組んでいきます。

主な実施施策

○ 健康増進に向けたサイクリングイベント・講座の実施

○ 地域住民向けのサイクリング情報の発信

○ 学校や自治会と連携したサイクリング促進の支援

写真 自転車を活用した健康づくりと安全利用をテーマとした「自転車市民講座」(堺市)

出典:堺市資料

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4.4 サイクリングを通じた文化の共有と発信

取組13.サイクリングコースのブランドイメージ向上

日本一のサイクリング環境の構築に向けた取組を進めていく中で,当地域の魅力

を活かして来訪者を増やし,地域経済の活性化につなげていくためには,(仮称)水

郷筑波サイクリングコースの環境整備とともにブランドイメージを構築していく必要が

あります。

そのため,ウェブサイトやSNS等様々なツールを活用し,(仮称)水郷筑波サイクリ

ングコースやサイクリスト向けのサービスなどとともに,当地域の自然や風景,文化な

ど,当地域でのサイクリングの魅力についての情報を発信するとともに,国土交通省

で検討中の「ナショナルサイクルルート(仮称)」の認定に向けた取組を進めるなど,

国内外のサイクリストの認知度やブランドイメージ向上に取り組んでいきます。

主な実施施策

○ 大規模なサイクリングイベントや展示会等への出展による国内外への情報発信

○ 他の観光プロモーション活動と連携した情報発信

○ SNSや専用ウェブサイトによる国内外への情報発信の充実

○ 自転車販売店や出版社等と連携した情報発信

○ 国土交通省の「ナショナルサイクルルート(仮称)」の認定に向けた取組

写真 サイクルモードへの出展の様子

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取組14.サイクリングイベントの充実

サイクリングイベントについては,全国のサイクリストに来訪してもらう動機付けとして,

また,実際に地域を「体験」してもらう機会として,大変重要なツールの一つになって

います。

そのため,当地域においても,(仮称)水郷筑波サイクリングコースの魅力を活かし

た,他にはない特色あるイベントやツアーの企画・実施により,本コースへの来訪を促

すきっかけや,当地域のサイクリング環境の価値・魅力を体感する機会の創出に取り

組んでいきます。

なお,サイクリングイベントの検討にあたっては,持続的な運営を見据え,地元企

業やNPO,大学,地域住民の協力意識の醸成や連携体制の構築を図っていきま

す。

主な実施施策

○ 地域の特色を活かした新たなサイクリングイベントの開催

○ 地域の魅力を活かした新たなサイクリングツアーの実施

○ 国際的なサイクリングイベントの開催検討

写真 かすみがうら市でのサイクリングイベント「かすみがうらエンデューロ」

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取組15.地域におけるプロモーション・情報発信力の向上

国内外からサイクリストに来てもらうためには,当地域における地域資源とサイクリ

ング環境を活かした,サイクリストに役に立つ旬な情報を継続的に発信して行く必要

があります。

そのため,(仮称)水郷筑波サイクリングコースのPR映像の作成やイベント等での

出展等のプロモーション活動を展開するとともに,当地域において,地域の情報発信

の核となる人材の育成や,地域のサイクリストによるネットワークづくり等,地域から直

接情報を発信していく体制の構築に取り組んでいきます。

主な実施施策

○ サイクリングコースPR映像の作成

○ 地域における情報発信の核となる人材の育成

○ 地域のサイクリストのネットワーク構築の支援

○ 地域のロードレースチーム*等による地域PRへの支援

図 青森県の地元サイクリストによる情報発信SNSサイト「あおもり自転車部」

出典:青森県サイクルツーリズムホームページ

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5 取組の進め方

5.1 地域が一体になった取組の推進

サイクリング環境の構築に向けて,県や市町村,民間事業者,大学,NPO,地域

住民等の様々な主体が地域で一体となり,取組を進めていきます。

なお,案内標識や走行空間,休憩施設等のインフラとなる施設整備については,

県や市町村が中心となり先行的に進めるとともに,民間事業者や地域住民等を巻き

込んだモデル事業の実施により,徐々に連携を深めながら,地域全体の機運を高め

ていきます。

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5.2 主な施策の実施スケジュールと役割分担

各取組については,役割分担を明確化し,各主体が連携しながら取組を進めてい

きます。

取組 主な施策 スケジュール

実施主体 H28 H29 H30 H31 H32

快 適 で 安 全安心にサイクリングができる環境の整備

取組1. 地域内走行空間の回遊性・走行性の向上

つくばりんりんロードと霞ヶ浦自転車道の接続ルートの整備

サイクリングコースの走行性の改善と安全性の向上 県,市町村

サイクリング関連施設(自転車サポートステーション等)・観光地等への誘導案内標識等の設置

県,市町村

筑波山系のチャレンジングなコースや北浦湖岸のサイクリングコースの検討

県,市町村

バス・船等の地域内交通とサイクリングを組み合わせたコースの設定

県,民間事業者

取組2. 走行空間の 安全性の向上

つくばりんりんロードの市道等との平面交差箇所の改善

つくばりんりんロードの県道との交差箇所の立体化 県

つくばりんりんロードと県道つくば益子線との重複区間の解消

霞 ヶ 浦 自 転 車 道 の 整 備 ( 境 川 ~ 土 浦 市 田 村 L=1.8km)

土浦市内等の幹線道路区間の整備 県,市町村

取組3. 案内標識等の 整備

地域全体で統一されたコース案内標識や危険箇所における注意喚起案内標識等の設置

市町村

取組4. 拠点施設・休憩施設の充実

自転車サポートステーションの登録拡充 県

休憩施設の機能充実やポケットパークの適切な間隔での整備

市町村,民間事業者

駅等の拠点施設へのシャワー,更衣室,組立てスペース等の機能充実

県,市町村,民間事業者

サイクリスト向けの宿泊環境の充実に向けた検討 県,市町村,民間事業者

取組5. 外国人等の様々な人々を受け入れるサイクリング環境の構築

案内標識等の多言語化対応 県,市町村,民間事業者

外国語対応のガイドの導入 県,市町村,民間事業者,大学

タンデム自転車の通行に向けた検討 県,市町村

地域活性化につながるサイクリスト向けサービスの充実

取組6. 手軽にサイクリングを楽しんでもらえる体制の構築

多様なニーズに応えられるレンタサイクルシステムの構築

県,市町村,民間事業者

自転車や手荷物の預かり・配送サービスの導入促進

県,市町村,民間事業者

現地におけるガイド・案内の人材育成 県,市町村,大学,NPO

観光施設向けのサイクリストのおもてなし講座の実施 県,民間事業者

取組7. サイクリ ン グに関する 情報提供の充実

専用ウェブサイトによる各種情報提供 県,市町村

通信スポット(WiFi,Bluetooth等)設置による情報提供

県,市町村,民間事業者

サイクリングマップ等の更新 県

地域全体で統一されたコース案内標識等の設置 (再掲)

県,市町村

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取組 主な施策 スケジュール

実施主体 H28 H29 H30 H31 H32

地域活性化に つ な が るサ イ ク リ ス ト向 け サ ー ビスの充実

取組8. 地域資源と連携したサービスの充実

地域の食・イベント・祭り等と組み合わせたサイクリングツアーの実施

県,民間事業者

地域の観光施設や飲食店等へのバイクラックの設置促進

県,市町村,民間事業者

商店街や飲食店によるサイクリスト向けの優待サービス等の導入促進

県,市町村,民間事業者

周辺地域を巡るポタリングルートの開発 市町村,民間事業者

地域資源や食と組み合わせたガイドライドの実施 県,市町村,民間事業者

取組9. 駅や空港等からのアクセス性の向上

駅等からサイクリングコースへの案内標識等の充実 県,市町村

東京圏からの鉄道・高速バスの輪行環境・サービス向上に向けた検討

県,民間事業者

茨城空港等からのアクセス性の向上 県,民間事業者

サイクリスト向けの駐車場の設置促進 県,市町村

サイクリングを学ぶことがで き る 環 境の構築

取組10. ルールを学ぶ機会の充実

地域の広報誌やイベント等を通した交通ルール及びマナーの周知

県,市町村,大

学,NPO

交通ルール等を周知するガイド・案内の人材育成

県,市町村,大学,NPO

学校との連携による児童・生徒への自転車の安全な乗り方教室等の実施

県,市町村,大学

多言語による交通ルール及びマナーの周知 県,大学

取組11. トレーニング等による利用の機会の創出

初心者向けのルール,乗り方,メンテナンスの講習会の実施

民間事業者

中上級者向けの定期的な練習会等の活用促進

民間事業者

取組12.

地域におけるサ

イクリングの促進

健康増進に向けたサイクリングイベント・講座の実施 県,市町村,大学

地域住民向けのサイクリング情報の発信 県,市町村,大学

学校や自治会と連携したサイクリング促進の支援

県,市町村,地域住民

サイ クリングを通じた文化の 共 有 と 発信

取組13.

サイクリングコース

のブランドイメージ

向上

大規模なサイクリングイベントや展示会等への出展による国内外への情報発信

県,市町村

他の観光プロモーション活動と連携した情報発信 県,市町村

SNSや専用ウェブサイトによる国内外への情報発信の充実

県,市町村

自転車販売店や出版社等と連携した情報発信 県,民間事業者

国土交通省の「ナショナルサイクルルート(仮称)」の認定に向けた取組

取組14. サイクリングイベントの充実

地域の特色を活かした新たなサイクリングイベントの開催

県,市町村,民間業者

地域の魅力を活かした新たなサイクリングツアーの実施

県,市町村,民間事業者

国際的なサイクリングイベントの開催検討 県

取組15. 地域におけるプロモーション・情報発信力の向上

サイクリングコースPR映像の作成 県

地域における情報発信の核となる人材の育成

県,市町村,民間事業者,NPO,地域住民

地域のサイクリストのネットワーク構築の支援

県,市町村,民間事業者,大学,NPO,地域住民

地域のロードレースチーム等による地域PRへの支援

県,市町村,民間事業者

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5.3 推進体制

5.3.1 有識者委員会の設立

取組の進捗状況,サイクリング環境構築の状況等を踏まえ,計画を推進していく

ための有識者委員会を設立します。

5.3.2 推進組織の構築

県や市町村,民間事業者,大学,NPO,地域住民等の様々な主体が関わり,環

境整備を推進していくため,その間の調整を行い,事業を着実に進めていくための推

進組織を構築します。この推進組織は,新たな取組の実施や関係間の調整を行う

ほか,有識者委員会とともに,取組の推進の中心的な役割を担います。

また,茨城県と14市町村により構成された「水郷筑波サイクリング環境整備事業

推進検討会」を定期的に開催することにより,県と市町村間の連携を図っていきま

す。

有識者委員会の概要

・目的 本計画の進捗管理と新たな取組の方向性等の決定

・委員 学識経験者,行政,民間事業者 等

・検討内容 進捗状況の確認 取組内容・方向性等の検討

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5.4 進捗確認

進捗確認は,取組の進捗状況やイベント等の実施結果,サイクリングコース利用

者数等の評価指標を毎年度,有識者委員会において確認し,その結果を踏まえ,P

DCAサイクルに則り,翌年度の方向性や具体的な取組について検討します。

目標年次である平成32(2020)年度には,これらの指標について,その実績,効

果,課題等を整理し,平成33(2021)年度以降の新たな計画策定に向けて検討し

ます。

表 評価指標(例)

項目 指標 データ取得方法

サイクリスト

来訪の増加

サイクリングコース利用者数 利用者数調査

サイクリストの発地分布 サイクリストへのアンケート

イベント参加者数 イベント参加実績

サイクリング

体験の充実

サイクリスト滞在時間・日数 サイクリストへのアンケート

サイクリストの消費額 サイクリストへのアンケート

サイクリストの満足度 サイクリストへのアンケート

安全性の向上 自転車事故の発生状況 統計データによる

地域における

サイクリングの

理解

地域住民の自転車利用頻度 住民アンケート

観光施設等のサービスに対する満足

観光施設へのヒアリング

サイクリストへのアンケート

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参考資料

1. 水郷筑波サイクリング環境整備総合計画策定委員会における

審議の経過

開催日(年月日) 審議事項

第 1 回 水郷筑波サイクリン

グ環境整備総合計画策定

委員会

(平成27年7月24日)

◯計画策定の趣旨・スケジュールについて

◯水郷筑波地域の特性とサイクリング環境について

水郷筑波サイクリング環境

整備総合計画策定委員会

第 1 回 小委員会

(平成27年10月2日)

◯スケジュール及び進捗状況について

◯将来ビジョン(案)及び計画の構成等(案)について

◯第2回策定委員会の日程について

◯コース名称について

第2回 水郷筑波サイクリン

グ環境整備総合計画策定

委員会

(平成27年11月 16 日)

◯計画策定のスケジュールについて

◯計画(素案)について

第3回 水郷筑波サイクリン

グ環境整備総合計画策定

委員会

(平成28年2月4日)

◯計画策定のスケジュールについて

◯計画(素案)に対するパブリックコメント結果につい

◯計画(案)について

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2. 水郷筑波サイクリング環境整備総合計画策定委員会委員名簿

区 分 氏 名 所属・役職等

学識経験者

◎蓮見 孝 札幌市立大学理事長・学長

大澤 義明 筑波大学大学院システム情報工学研究科教授

渡 和由 筑波大学芸術系准教授

香川 眞 流通経済大学社会学部教授

民間事業者

酒井 健司 (株)常陽銀行県庁支店支店長

飯田 次郎 国際興業(株)執行役員トラベルサービス部長 兼

国際興業グループ営業部長

高井 幸次郎 (株)ジャイアント商品部リテール課課長

メディア

関係者等

宮内 忍 (株)八重洲出版自転車事業部チクリッシモ編集長

絹代 サイクルライフナビゲーター

関係団体等

古徳 洋一 土浦スポーツ健康倶楽部代表

青山 俊士 茨城県サイクリング協会専務理事

茨 城 県

前田 優 企画部地域計画課課長

古平 祐次 土木部道路建設課課長

木村 憲寿 商工労働部産業技術課課長

小泉 元伸 商工労働部観光物産課課長

伊藤 敦史 土浦土木事務所所長

オブザーバー 水郷筑波地域 14 市町村担当課長

◎委員長

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3. 用語集

サイクリング P3

趣味,スポーツ,レジャー活動,観光などを目的に自転

車に乗ること。本計画では,通勤,通学や買物などの日

常の移動手段としての自転車利用は含まない。

自転車サポートステーション P4

茨城県が登録するサイクリストのための休憩場所。コンビ

ニエンスストア等に設置され,トイレ,空気入れ・工具,バ

イクラックが利用可能で雨宿りができる。

AED P4

AED は,Automated External Defibrillator の頭文字をと

ったもので,日本語訳は自動体外式除細動器。小型の

器械で,強い電流を一瞬流して心臓にショックを与える

ことで,心臓の状態を正常に戻す機能を持っている。

サイクルモード P4

正式名称は「サイクルモードインターナショナル」。累計

来場者数50万人以上を誇る日本最大のスポーツ自転

車フェスティバル。

コミュニティサイクル P5

まちなか等に複数の自転車の貸出拠点(サイクルポー

ト)を設置し,利用者がどこでも自転車を貸出・返却でき

る,レンタサイクルシステム。

ユーロヴェロ P5

欧州サイクリスト連盟により認定されるサイクリングコース

であり,現在,欧州全域で国境を超えて,14ルートが認

定され,全長約 78,000kmとなっている。

サイクルツーリズム P5

観光庁による「観光立国推進基本計画」にあげられたス

ポーツツーリズムの一つであり,サイクリングを「観る」「す

る」ための旅行に加え,サイクリングを「支える」人々との

交流や,旅行者が旅先でサイクリングを体験できる環境

の整備も含むもの。

ヒルクライム P6

峠や山頂をゴールとし,自転車で峠道をのぼるレース。

代表的なものでは,約8,500名のサイクリストが参加する

「Mt.富士ヒルクライム」等がある。

ロードレース P6

自転車競技の一種であり,主に舗装された道路を自転

車で走り,着順や所要時間を競う競技。

サイクルレスキューサービス P13

サイクリングの途中において,パンク等故障が発生した際

に自動車で駆けつけ,自転車の搬送や修理等を行うサ

ービス。タクシー事業者や自転車販売店等により提供さ

れている。

サイクルトレイン P13

自転車を分解せず,そのまま鉄道車両内に持ち込むこ

とができるサービス。

※用語の下のページ数は,その用語が最初に記載されたページとなっています。

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サイクルガイド P13

国内外の方々を迎え,安全・安心にサイクリングを楽し

んでもらうためのサポート業務を行う人材。

(サイクリングの)ビギナー P18

スポーツバイクに乗り始めたばかりでサイクリングの経験

やイベントへの参加の経験が殆ど無いサイクリスト。

輪行 P19

自転車を分解し輪行袋に入れ,鉄道,船,飛行機等の

公共交通機関等に載せて,自転車を持ち運びながら移

動すること。

バイクラック P23

主にスタンドのないスポーツ自転車を駐輪するためのラ

ック。

タンデム自転車 P24

複数のサドルとペダルを持ち複数人で乗ることができる

自転車。2 人以上で乗るため,視覚障害者の方も乗るこ

とができ,パラリンピックの競技種目の一つにもなってい

る。

ガイドライド P27

サイクルガイドと一緒に自転車で地域を巡り,サイクリン

グを楽しむツアー。

ポタリング P27

自転車に乗って気ままに散歩すること。

ロードレースチーム P34

自転車競技に参加するために結成されるサイクリストに

よるチーム。本計画では全日本実業団自転車競技連

盟に登録している実業団以上のチームを想定している。

※用語の下のページ数は,その用語が最初に記載されたページとなっています。