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台湾一周サイクリング (2015年7月5~15日) サイクリング仲間 浅野修一 V3
2015年7月14日 龍門橋
はじめに
「車では早すぎる、歩いたら遅すぎる! それなら自転車に乗って時速20Kmのゆったりペースで
サイクリングを楽しんでみよう。」(台湾交通部観光局ガイドより)
数年前からサイクリング仲間で1泊2日の富士山一周サイクリング、富士川、多
摩川、利根川、鶴見川などの1泊2日サイクリングを行ってきた。
昨年より自転車王国といわれる台湾でのサイクリングのアイデアが出て、しか
も台湾一周、更に、途中標高3,000メートル級の山にも登るという計画に膨らん
でいった。
4か月ほど前に トランス・エアーという台湾の航空会社のチケットを29,000
円で購入、結果的に自転車の輸送も含め追加料金なしという格安渡航となった。
メンバーは63歳の私から76歳の井戸さんまで平均年齢68歳の5名。自転車は全員
ブリジストン製「トランジット」という26インチながら工具なしで簡単に折り
たたみ・組み立てができる8段変速車(約13Kg)を持参した。
台湾サイクリング
7月5日に成田空港からトランスエアー機で台北桃園(タイペイ・タオユアン táibēi
táoYuán)空港に到着し、空港近くのホテルに泊まる。青木さん旧知のユニ
オンツール社の津坂さん、遠藤さんご夫妻が出迎えてくれ、食事をごちそ
うになる。台湾事情をいろいろお聞きすることができて良いスタート。
メンバー: 北克良、青木正光、長嶋紀孝、井戸潔、浅野修一
折りたたみ状況(自転車とキャリヤ)
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翌日6日はハイヤーしたワゴン車で自転車とともに台中へ向かう。途
中今回の計画と手配でお世話になったキャノン畠さんが社長をされて
いたキャノン台湾社の林さんを訪問。合歓山への標高差2,000メートル
以上の切り立った崖に沿った狭い急坂をワゴン車は登り松雪荘(Song
Syue Lodge ソン・シュエ・ジュアン:sōng xuě zhuāng 標高3150m)に到着。
途中自動車道で台湾最高度の武嶺峠(3,275m)を通過してきた。台風9
号・10号の動向が気になったが幸い快晴で、登山の準備をして樹林限
界を超えた広々とした山腹を登り合歓山(フォファンシャン:hé huān shān
3,416m)に登頂する。ここは日本の北アルプスの山々よりずっと高い。
7日は晴れ。3,000mから見る素晴らしい日の出を堪能した後、近くの合
歓尖山(3,217m)に登る。その後自転車での下山は危険と判断して日月譚
(リ・ユエ・タン:rì yuè tán) 標高750m)まで車で下る。日月譚は美しい湖で、
湖畔にサイクリングロードが良く整備されている。
長嶋さん他は台湾への航空輸送事故で破損した自転車の修理(結局メカ部
の損傷で修理不可、GIANT製のクロスバイクを購入)。 湖畔のホテルは湖
の遊覧船船着き場の隣で湖畔が美しい。
8日も晴れ。日月譚湖畔に設けられた美しいサイクリングロードを軽快
に走る。ここは世界で最も美しい自転車道ベスト10に選ばれている。
その後、集集(ジジ:jí jí)では「集集緑色サイクリングロード」を行く。
その後いくつもの急坂を経て二水までサイクリング。昼間の走行はとて
も暑く疲れる。走行距離50Km
日月譚湖(標高 750m)
松雪荘(標高 3,150m)
合歓尖山(標高 3,217m)
合歓山(標高 3,416m)
合歓尖山(標高 3,217m)
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二水から嘉北<嘉義ジイアベイ/ジアイ jiābēi/jiāyì>まで列車利用。列車を選び事前予約すると自転車を
折りたたまずに、先頭車の自転車専用置場や気動車後部の荷物室にそのまま持ち込めたので助かった。
嘉北駅は東アジアの最高峰玉山(ユイシャン:yù shān、日本名:新高山)のある阿里山方面へ向かう著
名な阿里山鉄道の拠点。
宿は駅の近く、夕食は大公園近くの飲食店街でとるが帰りにひどいスコール。たまたま明日の朝食を
買ったセブンイレブンの隣のダイソーでビニ傘を購入した。
9日は曇り。嘉北/嘉義(カギ)を出てサ
イクリングロードを朴子渓(プウズ
シ:Pú zĭ xī)を経て布袋(フータイ)までの
61Km。
道の周りにはバナナやパイナップル
の畑が続いている。一段上がった土手
の上の整備された道に自転車を持ち
上げたら、地元の教育委員会の視察団
と出会い日本からサイクリングに来
たと話が弾んだ。東屋からは沢山のシ
ラサキが舞うのが見える。
暑さの中で、地元の家族が集う大公園で飲んだ冷えた絞りたての西瓜ジュースが美味い。
牡蛎の加工場が続き牡蛎の貝殻がうず高く積まれている。
10日も曇り。布袋から七股塩山を経て台南(タイナン::tái nán)
まで71Km走行。
嘉義自行車環状道路(サイクリングロード)を行く。
途中大きな立派なお寺の前で40人位の同じユニフォームを着た大
サイクリストグループに出会う。
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長嶋さんが転倒したが幸い軽い怪我ですんだ。皆で片手運転はやめるよう申し合わせる。
すぐに台湾人の車が数台停まりいろいろ世話を焼いてくれた。
七股塩山では、博物館で台湾
での塩作りの歴史を見学して、
数十メートルの高さの塩山に
登った。
海岸沿いの道では素晴らしい
景観を楽しみながら走った。
台南から高雄(カオシオン:gāo
xióng)までは快適な列車利用。
高雄駅前のホテル泊。
11日は高雄から枋寮(ファンリアオ:fāng liáo)まで列車を利用。
枋寮から車城(チョチョン::chē chéng)まで快適な広い国道。片側自動車用2
車線、バイク用2車線、自転車用1車線と驚くほどの広い道であった。
車城で民宿を確保し、台湾南端の墾丁国立公園(ケンディンコンユア
ン:kěn dīng gōng yuán)へ向かう。海沿いの道で漁村や遊覧船乗り場
などもあり荷が軽いため快調に飛ばす。夕方時間切れで最南端まで行
けずに引き返した。本日の走行距離は98Km。途中の屋台でマンゴーを
購入。宿でも冷えたマンゴーを何度もいただく。
枋寮駅
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12日は晴れ。車城から枋寮まで早朝サイクリング38Km。まだ涼しくて快適な走り
枋寮から列車でついに東海岸の台東(タイトン:Táidōng)へ、台東から知本温泉(ヂーベン ウェンチュ
エン:Zhībĕn Wēnquán)へ25Kmのサイクリング。
知本温泉までの登りは暑くて厳しい。温泉街を抜けてもまだ登り道は続く、Informationの勧めで予約
したYY旺という温泉宿は一番奥だった。到着時には皆力尽きてまず巨大アイスクリームをほおばって
体を冷やした。
ここは川沿いに広い温泉と広い温泉プールがあり最高のロケーション。夕陽が沈むまで温泉をのんび
り堪能し、頼んでおいた夕食(弁当)を食べる。(この急坂を再び下って下の町で食事や買い物には到
底行けない)(温泉は水着と帽子着用)
知本温泉着
知本温泉への登りに疲れて
知本温泉への急登に疲れて
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13日は4:00起床で宿が準備してくれたパンと紅茶を持って真っ暗な道
をライトをつけて5:10に出発。
坂道を快適に下る。台東市街は道が難しい。走行26Km
台東から蘇澳新まで輪行袋に収納して列車移動。蘇澳新から礁渓温泉(ジ
ャアオシー ウェンチュエンJiāoxī Wēnquán)までサイクリング。走行34Km。
途中初めて激しいスコールに会うが丁度雨宿り出来濡れずに済んだ。
駅近くのホテルを探す。
14日は、青木さんに1時間も早く起こされ3:30に起床。
礁渓(ジャオン)駅から福隆(フウロン - Fú long)駅へ列車利用。福隆から
基隆(ジーロンJī long)までは東海岸の快適なサイクリングロード。
そして奇抜な海岸の風景を楽しみながら国道をサイクリング。台北に近
いからか大型トラック、トレーラーの通行が多くサイクリングは多少緊
張する。特に、点在するトンネルには自転車レーンがない為とても危険
で恐ろしい思いをした。走行距離40Km。
基隆駅から桃園(タオユエン)駅まで輪行袋に収納して列車利用。
桃園駅から桃園空港近くのホテルまでは通行量の多い道をナビを使っ
てサイクリング。走行距離15Km。
福隆駅着、自転車組み立て
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ようやく10日間の台湾一周無事完了、ホテル前で5人で記念撮影。総走行距離は485Km。
右の写真は出会った香港からの台湾一周サイクリスト2人と記念撮影。我々の年齢を聞いて驚いていた。
明日の帰国のための自転車パッキング準備をして、ユニオンツール社の津坂さん、遠藤さん夫妻と久々
の日本料理店(花月)で報告会。
15日は4:30起床、5:30にワゴン車で近くの桃園空港まで行き、無事全員超過料金なしでトランスエ
アーのチェックイン完了。
3時間半ほどのフライトで12:20に成田空港着し解散。お疲れ様!
今回、台風9号、10号の影響で現地の天気予報はほぼ雨だったが、実際は台風10号は台湾の西へ去り、
9号は台南にいるうちに台北をかすめて北へ行ったので、ほぼ晴れか曇りでたった一度だけスコールで
20分ほど雨宿りしただけで雨カッパも使うことなく本当にラッキーだった。
無事 桃園空港そばのホテル着 香港からの台湾一周サイクリストと
桃園空港でチェックイン 成田への トランスエアー機
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走り終えて
自転車を持参するか、現地でレンタルするかは難しい判断だった。
今回メンバーの一人は往路の飛行機にチェックインした自転車のメカ部分が大破。一人は小破で修理2
回。その他メンバーもへこみ・キズなどかなりの輸送被害があった。幸い帰路は全く問題なし。
現地では多くの海外からのサイクリストが、レンタル車を利用していた。26インチ、24段変速、サイ
ドバック付きが20日間2万円という安さであった。
列車での自転車の輸送は、輪行袋に収納必要なくそのまま載せられる
特急・急行もあり先頭車や気動車に8台程度載せられる。その他の列
車は畳んで輪行袋に入れれば持ち込み可能。どの駅もInformationや
駅員、車掌とも親切でエレベータや渡り廊下へ誘導してくれた。
台湾はサイクリング王国と言うだけあって、世界の多くの自転車が台
湾OEMで作られている。“GIANT”という自転車で世界屈指の台湾メー
カーの店が主要な町にありメンテナンスの心配はない。道路もバイ
ク・自転車専用 (緩行) レーンが整備されているので、余り車を期にせず快適にサイクリング出来る。
また、一般道とは別に各地にサイクリング専用道が整備されている。
走行速度は平地は時速20~25Km位だが、信号や休憩を含めると時速15Km位になる。
親切な台湾人
多くの台湾人が暖かく接してくれ、また、道を探している時、困っ
た時には声をかけて助けてくれた。長嶋さんがが転倒して軽い怪我
をした時も乗用車2台とバイク1台がすぐに止まって救助を申し出
てくれた。その1台の車の若い夫婦は後から買った薬を持って追いか
けて来て怪我の手当てをしてくれ本当に感激した。また、あちこち
で若い人でもカタコトの日本語を話す人が多いので驚いた。
宿と食事
初日と最終日の台北桃園空港近くのホテル(城市商旅/City Suites
Gateway Hotel)と、山小屋が2軒しかない合歓山のホテル(松雪荘)
のみ事前に予約し、それ以外は現地でホテルか民宿を探した。
ただ、台湾では男同士であってもダブルベッドを2人で使う前提なの
で、チェックイン時に一人一台のベッドが必要と説明するのが大変
で断られたこともあった。宿泊費は朝食付きで一人5,000円位。
今回のメンバー
平均68歳のシニア5名だったが、皆それぞれ中国語やその他ユニーク
なスキルがあり、その知識・情報収集・データ整理・企画・現地関
係者人脈などが今回の計画に大きく寄与した。現地ではいくつかの
トラブルに会いながら無事全員ゴール出来て本当に良かったと思う。
ちなみに総費用は皆の尽力で11日間目一杯楽しみ、毎日美味い中華
を堪能して約14万円位と格安となった。
帰国後東京で畠さんを迎えて報告会を盛大に実施した(右写真)。
以上
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台湾一周サイクリング 走行記録(2015年7月5~15日)
①7/5台北(桃園) 着 宿まで車
翌日の出発に向けた準備② 7/6 台北(桃園)=合歓山
1.車で移動 (所要時間、約7H)
途中、寄り道を予定
2.時間があれば、近くを散策
③ 7/7 合歓山=埔里=日月潭
(1)5大サイクリング道路-1
難路で携行荷物多いため車で下山
日月潭サイクリングロード下見(9Km)
④ 7/8 日月潭~集集~二水=嘉北(嘉義)
(1)5大サイクリング-2 (日月潭半周)
日月潭サイクリングロードを反時計周りに
世界でもっとも美しい自転車道ベ゙スト10。
(2)集集まで下り、更に二水までサイクリング
計49Km
⑤ 7/9 嘉北(嘉義)~朴子渓~布袋
(1)嘉北から朴子渓を経て布袋まで61kmを
サイクリング。この間、朴子渓は25kmで
美しい田園風景が見られる専用道路。
⑦ 7/11高雄=枋寮~車城~墾丁国家公園~車城
(1)高雄=枋寮は電車移動
(2)50m以下のほぼ平坦な道路を走る。(63Km)
車城の民宿に荷物を預け、その先墾丁国家
公園方向へ南下(往復35Km)
⑧ 7/12 車城~枋寮
電車で・・枋寮=台東~知本温泉
車城より枋寮まで38Km、
枋寮から知本の一つ先の台東まで電車に乗る。
台東駅から知本温泉まで25km。登り、150m程。
知本温泉で宿泊
⑨ 7/13知本温泉~台東=蘇澳新~礁渓温泉
(1)知本温泉~台東
26kmを自転車走行して台東駅まで
(2)台東(8:53)=花蓮(乗継)=蘇澳新
電車で移動 蘇澳新着; 14:38
(3)蘇澳新~礁渓温泉
海岸線をホテルまで自転車で34Km移動
⑥7/10 布袋~七股塩山~台南=高雄
(1)5大サイクリング-3
布袋~北門~七股塩山~台南
若干、観光地化されている嫌いもある。
七股塩山の文化遺跡を経て台南市まで
の71kmを走るコース。
(2)台南=高雄は電車移動
⑪ 7/15台北(桃園)発⇒東京
8:10発の飛行機
ホテルを近くへ・・
⑩ 7/14礁渓=福隆~基隆=桃園~桃園空港
(1)礁渓(7:27)=福隆
電車で移動
(2)福隆~基隆
約40kmの景色の良い海岸線を自転車で
走行して基隆駅まで
(3)基隆=桃園 電車で移動
1時間に3本、所要時間1時間半
(4)桃園駅~桃園空港近くのホテル(15Km)
①
④
⑥
⑦
③
⑪
②
⑤
⑧
⑨
⑩
電車移動
車移動
サイクリング
スマホに搭載したランタスティック(Runtasutic)ソフトの GPS データによる記録
合計 距離 471Km 74 時間.30 分 21,700 Cal 登り 4,100m 下り 5,000m