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AIXバージョン 6.1 IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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IBM PowerVM WorkloadPartitions Manager for AIXV1.2

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IBM PowerVM WorkloadPartitions Manager for AIXV1.2

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お願い本書および本書で紹介する製品をご使用になる前に、 71ページの『特記事項』 に記載されている情報をお読みください。

本書は AIX バージョン 6.1 および新しい版で明記されていない限り、以降のすべてのリリースおよびモディフィケーションに適用されます。

お客様の環境によっては、資料中の円記号がバックスラッシュと表示されたり、バックスラッシュが円記号と表示されたりする場合があります。

 

原典: AIX Version 6.1

IBM PowerVM Workload Partitions

Manager for AIX V1.2

発行: 日本アイ・ビー・エム株式会社

担当: トランスレーション・サービス・センター

第1刷 2014.4

© Copyright IBM Corporation 2007, 2014.

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目次本書について . . . . . . . . . . . . . v強調表示 . . . . . . . . . . . . . . . . vAIX における大/小文字の区別 . . . . . . . . vISO 9000 . . . . . . . . . . . . . . . v

IBM PowerVM Workload PartitionsManager for AIX V1.2 . . . . . . . . 1IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIXV1.2 の新機能 . . . . . . . . . . . . . . 1WPAR マネージャーの概念 . . . . . . . . . 1

WPAR マネージャーのユーザー補助機能 . . . . 2WPAR マネージャー エージェント . . . . . . 3システム・プロファイル . . . . . . . . . 6サポートされる WPAR マネージャーのオペレーティング環境 . . . . . . . . . . . . . . 6メモリーおよびディスク・スペース所要量 . . . 7ロジカル・パーティション環境における WPAR 管理 . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

アプリケーション・モビリティー . . . . . . . 8システム互換性 . . . . . . . . . . . . 8WPAR の状態 . . . . . . . . . . . . 10再配置ドメインおよびシステム・プロファイル . 11人手による再配置 . . . . . . . . . . . 13ポリシー・ベースの再配置 . . . . . . . . 15ポリシー調整 . . . . . . . . . . . . . 17

アプリケーション・モビリティーの計画 . . . . . 18Role Based Access Control の計画 . . . . . . . 19WPAR マネージャーのインストール . . . . . . 19管理サーバーへの WPAR マネージャーのインストール . . . . . . . . . . . . . . . 19管理対象システムへの WPAR マネージャー・エージェントのインストール . . . . . . . . 20

WPAR マネージャーのアップグレード . . . . . 21WPAR マネージャーのデータベースの移行 . . . . 22

Apache Derby から DB2 への移行 . . . . . . 22DB2 から Apache Derby への移行 . . . . . . 23

WPAR マネージャーの構成 . . . . . . . . . 23異なるモードによる WPAR マネージャーの構成 23サイレント・モードによる WPAR マネージャーの構成 . . . . . . . . . . . . . . . 24WPAR マネージャー・エージェントの構成 . . . 24

アプリケーション・モビリティーのための環境の構成 . . . . . . . . . . . . . . . . 27LDAP 認証による WPAR マネージャーの構成 . 31別のエージェント・マネージャーを使用するための WPAR マネージャー エージェントの構成 . . 34WPAR 環境でのコンソールのセットアップ . . . 34

WPAR マネージャーの除去 . . . . . . . . . 36WPAR マネージャー DB2 データベースの除去 . . 36WPAR マネージャー・エージェントの除去 . . . . 36WPAR マネージャーによるワークロード・パーティションの管理 . . . . . . . . . . . . . . 37管理対象システム . . . . . . . . . . . 37WPAR の管理 . . . . . . . . . . . . 39WPAR ストレージ・デバイスの管理 . . . . . 47

WPAR マネージャーの管理 . . . . . . . . . 49管理スクリプト . . . . . . . . . . . . 50データベース ID 用のパスワードの変更 . . . . 50WPAR マネージャー・データベースのバックアップ . . . . . . . . . . . . . . . . 51WPAR マネージャー DB2 データベースの復元 51

WPAR マネージャーのセキュリティー . . . . . 52ユーザー認証 . . . . . . . . . . . . . 52権限ロールの構成 . . . . . . . . . . . 53SSL サポートの構成 . . . . . . . . . . 54ikeyman による証明書の管理 . . . . . . . 55WPAR マネージャー・エージェント・セキュア証明書 . . . . . . . . . . . . . . . . 56

WPAR マネージャーのトラブルシューティング . . 56ログ・ファイルの場所 . . . . . . . . . . 56エージェント・マネージャーがオンラインであることの検査 . . . . . . . . . . . . . 57WPAR マネージャーの問題判別 . . . . . . 58

チェックポイント・リスタート . . . . . . . . 62チェックポイント・リスタートの問題判別 . . . 63

WPAR マネージャーの用語集 . . . . . . . . 64

特記事項 . . . . . . . . . . . . . . 71プライバシー・ポリシーに関する考慮事項 . . . . 73商標 . . . . . . . . . . . . . . . . . 73

索引 . . . . . . . . . . . . . . . . 75

© Copyright IBM Corp. 2007, 2014 iii

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iv AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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本書について

IBM® PowerVM® Workload Partitions Manager™ for AIX®は AIX を稼働する管理対象システムのコレクション全体にわたって、workload partitionを管理するための中央制御ポイントを提供するプラットフォーム管理ソリューションです。

強調表示本書では、次の強調表示を使用します。

太字 コマンド、サブルーチン、キーワード、ファイル、構造、ディレクトリー、およびシステムによって名前が事前に定義されているその他の項目を示します。また、ユーザーが選択するボタン、ラベル、およびアイコンなどのグラフィカル・オブジェクトも示します。

イタリック体 ユーザーが実際の名前や値を指定するパラメーターを示します。

モノスペース 具体的なデータ値の例、画面に表示されるものと類似したテキストの例、プログラマーが作成するものと類似したプログラム・コードの例、システムからのメッセージ、または実際に入力する情報を示します。

AIX における大/小文字の区別AIX オペレーティング・システムでは、すべてケース・センシティブとなっています。これは、英大文字と小文字を区別するということです。例えば、ls コマンドを使用するとファイルをリストできます。LS と入力した場合は、システムはそのコマンドが「not found」であると応答します。同様に、FILEA、FiLea、および filea は、同じディレクトリーにある場合でも、3 つの異なるファイル名です。予期しない処理が実行されないように、常に正しい大/小文字を使用するようにしてください。

ISO 9000当製品の開発および製造には、ISO 9000 登録品質システムが使用されました。

© Copyright IBM Corp. 2007, 2014 v

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vi AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX (WPAR マネージャー) は、AIX オペレーティング・システムを稼働する管理対象システムのコレクション全体にわたって、workload partitions (WPAR) を管理するための中央制御ポイントを提供するプラットフォーム管理ソリューションです。

注: この情報は IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 にのみ適用されます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V2.0、V2.1、または V2.2 については、IBM Systems

Director 6.2 インフォメーション・センター (http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/director/v6r2x/topic/

com.ibm.director.wparmgt.helps.doc/wparlpp-kickoff.html) を参照してください。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V2.3 以降については、IBM Systems Director 6.3 インフォメーション・センター (http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/director/pubs/topic/

com.ibm.director.wparmgt.helps.doc/wparlpp-kickoff.html) を参照してください。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 の新機能IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX 1.2 のトピック集の新規情報または著しく変更された情報についてお読みください。

2012 年 11 月

以下の情報は、このトピック集に対して行われた更新の要約です。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX の V1.2 より後のバージョンに関する情報は、IBM

Systems Director のインフォメーション・センターで参照できます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V2.0、V2.1、または V2.2 については、IBM Systems

Director 6.2 インフォメーション・センター (http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/director/v6r2x/topic/

com.ibm.director.wparmgt.helps.doc/wparlpp-kickoff.html) を参照してください。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V2.3 以降については、IBM Systems Director 6.3 インフォメーション・センター (http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/director/pubs/topic/

com.ibm.director.wparmgt.helps.doc/wparlpp-kickoff.html) を参照してください。

新規情報または変更情報の参照方法

この PDF ファイルでは、左マージンに新規情報と変更情報を識別するリビジョン・バー (|) が表示される場合があります。

WPAR マネージャーの概念IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX (WPAR マネージャー) アプリケーションは、集中型の単一管理制御点を管理システムおよびアプリケーション AIX ワークロード・パーティションに提供します。

© Copyright IBM Corp. 2007, 2014 1

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WPAR マネージャー Web アプリケーションのユーザー・インターフェースにより、WPAR のための完全なライフ・サイクル管理サポート (ディスカバリー、作成、変更、削除、および除去) が提供されます。標準出力およびエラーを含めて、WPAR 上で実行されるすべてのアクションについて、完全なタスク履歴が使用可能になっています。管理対象システムおよび WPAR の両方のリソース使用に関するパフォーマンスを表すグラフィック報告書が提供されます。

WPAR マネージャーのいずれのバージョンにも、以下のフィーチャーが組み込まれています。

v ライフ・サイクル管理を含む WPAR のシステム間管理

v アプリケーション・モビリティーによるグローバル・ロード・バランシング

v 基本 WPAR 操作および拡張管理タスクの Web ベース管理

v WPAR パフォーマンス・メトリックのモニターおよびレポート作成

以下は WPAR マネージャーが提供する機能を要約したものです。これらの機能には WPAR マネージャー・エージェントのバージョン 1.2 以降が必要です。

改善されたライブ再配置再配置でのアプリケーションのダウン時間が大幅に削減されました。

バックアップおよび復元既存の WPAR のバックアップ・イメージを作成し、前に作成されたバックアップ・イメージからWPAR を復元します。

静的再配置静的再配置は、ファイルシステム状態を保持している状態での、起点ノード上の WPAR のシャットダウン、および宛先ノード上の WPAR のクリーン・スタートとして定義されます。システムWPAR の場合、静的再配置ではバックアップおよび復元機能が使用されます。

IP バージョン 6 環境のサポートIP バージョン 6 アドレスをもつワークロード・パーティションを構成、表示、変更します。

WPAR 特定経路のサポートWPAR 特定ルーティングを選択するか、またはグローバル・システムのルーティングを共用します。また、ワークロード・パーティションに特定のルーティング・テーブルも構成、表示、および変更できます。 WPAR 特定の経路は、IP バージョン 4 を使用するインターフェースに対しては、構成のみ行うことができます。

WPAR の同期化グローバル・システムとワークロード・パーティション間でソフトウェアを同期化します。

以下の新規機能は WPAR マネージャー・エージェント 1.2.1 のシステムに限定された機能です。

ストレージ・デバイス・サポートワークロード・パーティションにストレージ・デバイスを割り振ってエクスポートするためのサポートです。

クローン WPAR既存の WPAR をテンプレートとして使用して WPAR を作成するためのサポートです。

WPAR マネージャーのユーザー補助機能ユーザー補助機能は、運動障害または視覚障害など身体に障害を持つユーザーが情報技術プロダクトを快適に使用できるようにサポートします。

2 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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ユーザー補助機能

以下の項目は、WPAR マネージャーのユーザー補助機能です。

v キーボードだけを使用する操作

v 支援技術ソフトウェアを使用して、リモートの Microsoft Windows システムで Web ブラウザーから使用されるときに、通常、スクリーン・リーダーによって使用されるインターフェース

IBM システム・インフォメーション・センターおよびその関連資料はユーザー補助機能に対応しています。インフォメーション・センターのユーザー補助機能に関する追加情報については、「Viewinginformation in the information center (インフォメーション・センターの情報を表示する)」 >

「Accessibility and keyboard shortcuts in the information center (インフォメーション・センターのユーザー補助機能およびキーボード・ショートカット)」を順に選択します。

キーボード・ナビゲーション

本製品は Windows オペレーティング・システムを稼働するシステム上で Web ブラウザーから使用するときに、標準の Windows ナビゲーション・キーを使用します。

キーボード・ナビゲーションを使用して、「アクションの選択」コンボ・ボックスからアクションを選択する場合は、コンボ・ボックスにフォーカスを合わせて、 Alt+Down 矢印キーを使用してドロップダウン・リストを開き、上矢印または下矢印キーを使用して 1 つのメニュー・オプションを強調表示し、続いてEnter を押して強調表示されたオプションを選択します。

キーボード・ナビゲーションを使用して、 Internet Explorer の「アクション」メニューからアクションを選択する場合は、 Tab キーを使用して「アクション」メニューを強調表示し、Enter を押してメニューを展開して、アクションを選択するまで Tab キーをクリックします。 Firefox の場合、メニューを展開してからアクションに達するには、矢印キーを使用します。

インターフェース情報

WPAR マネージャーの一部の機能は、ユーザー・インターフェースで内容を動的に更新する場合に、非同期 JavaScript および XML (AJAX) を使用します。バージョン 8 より前の JAWS スクリーン・リーダーは AJAX をサポートしていません。

WPAR マネージャーで使用されるいくつかのユーザー・インターフェース・コンポーネントは、スクリーン・リーダーで適切に作動するように構成する必要があります。これらのコンポーネントは、「WPAR マネージャーの構成」 > 「ユーザー設定」ナビゲーション・リンクから「ユーザー補助」オプションを選択して構成します。ユーザー補助スクリーン・リーダー (読み上げソフトウェア) のサポートを必要としないユーザーは、この設定を「未チェック」のままにします。

コンテンツ・ページが再ロードされるときに、すべてのメッセージはフレームの先頭から読み取られて音声で通知されます。

IBM におけるユーザー補助

ユーザー補助に対する IBM のコミットメントについて詳しくは、 IBM Human Ability and Accessibility

Center を参照してください。

WPAR マネージャー エージェントWPAR マネージャー エージェントは、WPAR マネージャーが管理対象システムで操作するためのセキュア・インターフェースを提供する管理コンポーネントです。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 3

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WPAR マネージャー エージェントはすべての管理対象システムにインストールする必要があります。このエージェントは、以下の機能のサポートを使用可能にします。

v WPAR でリモート・オペレーションを実行すること (例えば、作成、開始、停止、除去など)

v 管理対象システムで自動再配置およびシステム状況の報告のためのパフォーマンス・メトリックを収集すること

v 管理対象システムの互換性プロファイルの決定、および再配置のために、この情報を WPAR マネージャーへ提供すること

異機種混合の WPAR マネージャー・エージェント環境WPAR マネージャーのアプリケーションは、異なる AIX テクノロジー・レベル、および異なるバージョンの WPAR マネージャー・エージェントの異機種混合環境にある、管理対象システムを管理するように設計されています。

最も完全なセットのフィーチャーおよび機能の場合、管理プールの管理対象システムにインストールされたすべてのエージェントは、最新の WPAR マネージャー・エージェントのバージョンおよび対応する AIX

テクノロジー・レベルでインストールするか、またはそれに移行する必要があります。 WPAR マネージャーのコンポーネントを最新の AIX テクノロジー・レベルに移行する場合は、特定の移行順序が必要です。初めに、WPAR マネージャーを移行します。 WPAR マネージャー・エージェントを同時に更新する必要はなく、その移行を段階的に終了できます。

WPAR マネージャー・アプリケーションのフィーチャーおよび機能を提供するための、4 つの連携するソフトウェア・コンポーネントがあります。これらの環境に含まれるものは、以下のとおりです。

v WPAR マネージャーの管理コンソールおよびサーバー

v AIX バージョン 6.1

v Metacluster チェックポイント・リスタート (MCR) カーネル・エクステンション

v WPAR マネージャー・エージェント

MCR カーネル・エクステンションのファイルセットは WPAR マネージャー・エージェント・イメージの一部であり、チェックポイント機能、リスタート機能、およびライブ再配置機能用として提供されます。MCR は AIX カーネル・エクステンションであるため、管理対象システムにデプロイされる AIX テクノロジー・レベルと密接に結合されます。これに対応して更新された AIX テクノロジー・レベルと MCR レベルの管理対象システムに最新バージョンの WPAR マネージャー・エージェントをインストールすると、最新の WPAR マネージャーのバージョンで提供された、新規サポートのすべての WPAR 属性および操作の管理が可能になります。

前のバージョンの AIX および WPAR マネージャー・エージェント:

管理対象システムにインストールされた前の AIX テクノロジー・レベルおよび WPAR マネージャー・エージェント・ソフトウェアのバージョンにおける操作では、最新バージョンの WPAR マネージャーで使用可能な新規の WPAR 属性および WPAR 機能 (静的再配置、WPAR 特定ルーティング、IP バージョン 6

ネットワーク・インターフェース、拡張 WPAR リソース制御など) を使用することができません。

下表は WPAR マネージャーを異なる AIX テクノロジー・レベル、MCR ファイルセット、および WPAR

マネージャー・エージェントのバージョンで使用可能な、サポート対象の構成の要点をまとめたものです。

4 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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表 1. 管理対象システム構成をサポートする WPAR マネージャー 1.2

AIX リリース MCR レベルWPAR マネージャー・エージェントのバージョン

AIX バージョン 6.1 4.1.8 1.1

AIX バージョン 6.1 (6100-01 テクノロジー・レベル適用)

4.1.10 1.1

AIX バージョン 6.1 (6100-02 テクノロジー・レベル適用)

4.2.0 1.1 または 1.2

AIX バージョン 6.1 (6100-03 テクノロジー・レベル適用)

4.2.1 1.1、1.2、または 1.2.1

更新済みテクノロジー・レベルの AIX で、下位レベルのエージェントを使用する構成がサポートされている間は、この構成で実行する必要はありません。管理対象システムのテクノロジー・レベルがアップグレードされた場合には、WPAR マネージャー・エージェントをサポートされている最新バージョンにアップグレードしてください。

混合エージェント環境:

混合エージェント環境で能力および機能性が低減される程度は、管理対象システムのエージェント環境が、理想的な WPAR マネージャー・エージェント 1.2.1 の構成 (AIX 6.1 (6100-03 適用)、MCR 4.2.1、WPAR

マネージャー・エージェント 1.2.1) と異なる程度、または管理プール内での異機種混合化の大きさによって決まります。

例えば、異機種混合のエージェント環境内での WPAR の再配置では、推奨される再配置先は類似の構成の管理対象システムに制限されます。 WPAR を WPAR マネージャー・エージェント 1.2 を実行中の管理対象システムから WPAR マネージャー・エージェント 1.1 を実行中の別の管理対象システムに再配置することはできません。同じレベルですべての WPAR マネージャー・エージェントを所有することにより、より同質性の高いエージェント集団を維持することで、再配置可能な宛先が増加する結果になります。

異機種混合の環境をサポートし、管理対象システムおよび WPAR の機能の特徴付けを支援するために、WPAR マネージャー 1.2 から以下の概念が導入されました。

エージェント・バージョン管理対象システムにインストールされるエージェント・ソフトウェアのレベルを説明するための管理対象システムの属性。

最小エージェント・バージョン指定の WPAR 用に定義された、すべての属性をサポートするために必要な最小エージェント・バージョン構成を説明する WPAR 属性。

例えば、拡張 WPAR マネージャー・エージェント 1.2 属性 (IP バージョン 6 ネットワーク・インターフェース、WPAR 特定ルーティング情報、または拡張リソース制御定義) が組み込まれないで作成されるWPAR には、最低限必要なエージェント・バージョン 1.1.1.0 が組み込まれています。バージョン 1.1.1.0

が組み込まれた WPAR では、 WPAR マネージャー・エージェント 1.1 または WPAR マネージャー・エージェント 1.2 構成のいずれかに WPAR をデプロイすることができます。 WPAR マネージャー 1.2 を使用し、 WPAR マネージャー・エージェント 1.2 に固有の属性を使用しないで WPAR を作成する場合は、WPAR をデプロイして、 WPAR マネージャー・エージェント 1.1 または 1.2 構成のいずれかで運用することが可能です。逆に言えば、定義済みの WPAR マネージャー・エージェント 1.2 属性を拡張したWPAR は、 WPAR マネージャー・エージェント 1.2 構成を実行中の管理対象システムのみにデプロイできます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 5

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管理対象システムのエージェント・バージョン 属性および指定された WPAR の最小エージェント・バージョン 属性について理解すると、異なる WPAR マネージャー・エージェントのバージョン・レベルで作成された WPAR 間の動作の相違を WPAR マネージャー 1.2 コンソールに表示して強調するだけでなく、 WPAR を管理プール内でデプロイまたは再配置することができる場所を理解することにも役立ちます。

システム・プロファイルシステム・プロファイルは実際の管理対象システムを表すのではなくて、特定の構成を表します。したがって、いつでも 1 つ以上の管理対象システムは同じシステム・プロファイルを共用できます。

前に登録されている既存のプロファイルに、既に登録済みのシステムと同じ特性が指定されている場合は、既存のプロファイルがそのシステムに割り当てられます。登録済みのシステムが固有セットのハードウェア属性を持っている場合は、新規プロファイルが作成され、そのシステムに割り当てられます。

WPAR マネージャーは、WPAR をある管理対象システムから別の管理対象システムへ再配置するために、システム間の互換性を考慮します。新規システムが登録されるときに、WPAR マネージャーはバックグラウンド・プロセスを起動して、以前に登録済みの各システムのハードウェア属性とソフトウェア属性の事前定義セットを比較します。このプロセスが完了すると、結果が WPAR マネージャーのデータベースに保管されます。そのあと、この結果は再配置されようとしている WPAR の必要性に基づいて、システム間に互換性があるかどうかを判別するために使用されます。このプロセスはバックグラウンドで行われるため、WPAR マネージャーは異なるシステム間の互換性状態を表示するまでに時間がかかる場合があります。WPAR マネージャーを使用してシステム属性を調べることにより、特定の管理対象システムの互換性の分析プロセスが完了したかどうかを判別することができます。

登録時点で管理対象システムに、既に作成済みの WPAR があれば、 WPAR マネージャーはそれらのWPAR を発見して、その構成をアプリケーション・データベースにロードします。 WPAR が発見されると、それらは WPAR マネージャーを通して作成されたかのように、この発見された WPAR 上で操作を行うことができます。

サポートされる WPAR マネージャーのオペレーティング環境WPAR マネージャーおよびアプリケーション・モビリティーは、 POWER4 またはそれ以降のプロセッサー・アーキテクチャーを基本にする IBM System p® システムでサポートされます。

WPAR マネージャー・サーバーの要件

WPAR マネージャー・サーバーは以下の環境をサポートします。

v AIX バージョン 6.1 以降

v データベース機能については、DB2® 9.5 for Linux、UNIX、and Windows または Apache Derby

WPAR マネージャー・エージェントの要件

WPAR マネージャー・エージェントは、POWER4 以降のシステムの物理サーバーまたはロジカル・パーティションで稼働する AIX バージョン 6.1、AIX バージョン 6.1 (6100-01 テクノロジー・レベル適用)、AIX バージョン 6.1 (6100-02 テクノロジー・レベル適用)、または AIX バージョン 6.1 (6100-03 テクノロジー・レベル適用) システムにインストールできます。WPAR マネージャーのバージョン 1.2.1 の新規機能のすべてを使用するには、AIX バージョン 6.1 (6100-03 テクノロジー・レベル適用) が稼働していなければなりません。

6 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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WPAR マネージャー・クライアントの要件

次の表は各オペレーティング・システムの WPAR マネージャー・クライアントによってサポートされるブラウザーです。

表 2. WPAR マネージャー・クライアントの要件オペレーティング・システム サポートされるブラウザーのバージョン

AIX バージョン 6.1 Firefox 1.5 またはこれ以降

Windows XPv Internet Explorer 6 またはこれ以降

v Firefox 1.5 またはこれ以降

注: Internet Explorer には Adobe が提供する SVG グラフィックス・プラグインが必要です。このプラグインはhttp://www.adobe.com/svg/viewer/install/ の Web サイトから入手できます。

メモリーおよびディスク・スペース所要量WPAR マネージャーのコンポーネントにはメモリーおよびディスク・スペースに関する要件があります。

次の表に WPAR マネージャーのアイドル時の標準的メモリー所要量を示します。ここで示す所要量には、ご使用のシステムで稼働している他のソフトウェアに必要な追加のメモリー所要量は含まれていません。

表 3. WPAR マネージャーのメモリーおよびディスク・スペース所要量アプリケーション メモリー所要量 ディスク・スペース所要量

WPAR マネージャー 125 MBv / に 5 MB

v /var には最小 180 MB 必要。この値にはマネージャー (66 MB)、エージェント・マネージャー (61 MB) およびランタイム・ログ (45 MB) が含まれています。

v /opt に 61 MB 必要

DB2 サーバー注: DB2 はオプションです。組み込みデータベースの Apache Derby を使用すると、スペースの使用量は少なくなります。

256 MB /home に 200 MB (ユーザーのホーム・ディレクトリーを保持するディレクトリーでもよい)

/opt に 500 MB

エージェント・マネージャー アイドル時で 60 MB /var に 65 MB

WPAR エージェント アイドル時で 45 MB /var に 110 MB

ロジカル・パーティション環境における WPAR 管理WPAR マネージャーで使用可能な管理対象システムは、 AIX および WPAR マネージャーに登録されたWPAR マネージャー・エージェントを実行する実システムまたは仮想システムです。

WPAR マネージャーは HMC または Integrated Virtualization Manager (IVM) を認識しません。 HMC または環境を管理する IVM を使用していて、かつ、対象のシステムのロジカル・パーティション内にWPAR を作成した場合は、 WPAR マネージャーから環境全体を表示することができなくなります。ロジカル・パーティションは、以下の理由で表示可能にならないことがあります。

v ロジカル・パーティションで AIX 以外のオペレーティング・システムが稼働されている。

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v ロジカル・パーティションに WPAR マネージャー・エージェント・ソフトウェアがインストールされていない。

v ロジカル・パーティションが対象の WPAR マネージャー・サーバーに登録されていない。

アプリケーション・モビリティーアプリケーション・モビリティーとは、AIX バージョン 6.1 以降で稼働している 2 つの異なる物理サーバーまたは LPAR 間で WPAR を再配置するプロセスのことです。

WPAR マネージャー・エージェント 1.2 以降がインストールされているサーバー間での再配置には、2 つのタイプ (ライブと静的) が可能です。 WPAR マネージャー・エージェント 1.1 がインストールされている場合の再配置オプションは、ライブ再配置のみです。

ライブ・アプリケーション・モビリティーライブ・アプリケーション・モビリティーとは、アプリケーション・スタックの状態を保持させながら WPAR を再配置するプロセスのことです。アプリケーション・モビリティーが存続している間に、WPAR は起点サーバーから宛先サーバーへ、アプリケーションのダウン時間が最小で、活動状態のトランザクションを失うことなく再配置されます。

静的アプリケーション・モビリティー静的アプリケーション・モビリティーは、ファイルシステム状態を保持している状態での、起点ノード上の WPAR のシャットダウン、宛先ノード上の WPAR のクリーン・スタートとして定義されます。システム WPAR の場合、静的再配置ではバックアップおよび復元機能が使用されます。

システム互換性システム互換性は再配置タイプと強く関連しています。

ライブ・アプリケーション・モビリティーとは、アプリケーション・スタックの状態を保持させながらWPAR を再配置するプロセスのことです。静的アプリケーション・モビリティーは、ファイルシステム状態を保持している状態での、起点ノード上の WPAR のシャットダウン、宛先ノード上の WPAR のクリーン・スタートとして定義されます。ライブ再配置では、静的再配置よりも広範囲の互換性テストが必要になります。したがって、2 つのシステムの間で、静的再配置では互換性があっても、ライブ再配置では非互換になる可能性があります。

互換性は以下の基準に関して評価されます。

v ハードウェア・レベル (2 つのシステムには同一プロセッサー・タイプが搭載されている必要があります)

v インストールされているハードウェア・フィーチャー

v インストールされているデバイス

v オペレーティング・システム・レベルおよびパッチ・レベル

v オペレーティング・システムに付属してインストールされたその他のソフトウェアまたはファイルシステム

v 追加のユーザー選択テスト

アプリケーション・モビリティーのための互換性テスト互換性テストには、クリティカル・テストとオプショナル・テストがあります。システムが登録されるたびに、WPAR マネージャーはバックグラウンド・プロセスを開始し、新しいシステムの属性を以前に登録済みのすべてのシステムのシステム属性と比較します。

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これらの互換性テストは、対象の管理対象システムから別の管理対象システムへ WPAR を再配置することが可能かどうかの判別に役立ちます。再配置タイプ (ライブまたは静的) ごとに、一方の管理対象システムが他方の管理対象システムと互換性があると判断するためにパスしなければならない、一連のクリティカル・テストがあります。静的再配置のクリティカル・テストはライブ再配置のためのテストのサブセットです。

ライブ再配置の場合は、クリティカル互換性テストで、以下の互換性基準について検査します。

v オペレーティング・システムのタイプは、宛先システムと起点システムで同じでなければならない。

v オペレーティング・システムのバージョンとレベルは、宛先システムと起点システムで同じでなければならない。

v 宛先システムのプロセッサー・クラスは起点システムのプロセッサー・クラスと少なくとも同じであるか、またはそれより高くなければならない。

v bos.rte ファイルセットのバージョン、リリース、モディフィケーション、および修正レベルは、宛先システムと起点システムで同じでなければならない。

v bos.wpars ファイルセットのバージョン、リリース、モディフィケーション、および修正レベルは、宛先システムと起点システムで同じでなければならない。

v mcr.rte ファイルセットのバージョン、リリース、モディフィケーション、および修正レベルは、宛先システムと起点システムで同じでなければならない。

v bos.rte.libc ファイルは、宛先システムと起点システムで同じでなければならない。

v 起点システムのストレージ・キーの数は、宛先システムの場合と少なくとも同じか、またはそれより多く存在していなければならない。

注: 静的再配置の場合の唯一のクリティカル・テストは、bos.rte.libc ファイルが宛先システムと起点システムで同じでなければならないことです。

上記のクリティカル・テストに加えて、互換性を判別するために追加のオプショナル・テストを選択することもできます。これらのオプショナル・テストは、再配置を計画している WPAR のための WPAR グループ・ポリシーの一部として選択され、両方のタイプの再配置を考慮に入れます。 2 つの管理対象システムでは、一方の WPAR とは互換性があっても、他方のものとは互換性がない場合があります。これは、WPAR がどの WPAR グループに属しているか、およびどのオプショナル・テストが WPAR グループ・ポリシーの一部として選択されたかによります。クリティカル・テストは、WPAR が、どの WPAR グループに属しているかには関係なく、互換性の判別には必ず適用されます。

オプショナル・テストを選択して、以下の互換性基準を確認することができます。

v NTP は宛先システムと起点システムで使用可能になっていなければならない。

v 宛先システムの物理メモリー量は、少なくとも起点システムのメモリー量と同等でなければならない。

v 宛先システムのプロセッサー速度は、少なくとも起点システムのプロセッサー速度と同じか、またはそれより速くなければならない。

v xlC.rte ファイルセットのバージョン、リリース、モディフィケーション、および修正レベルは、宛先システムと起点システムで同じでなければならない。

互換性状態互換性テストの結果に応じて、互換性状態は、「互換性あり」、「警告付きで互換性あり」、または「互換性なし」となります。静的再配置のクリティカル・テストとライブ再配置のクリティカル・テストは異なります。 2 つのシステムが、ライブ再配置では互換性がなくても、静的再配置では互換性がある場合があります。

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互換性には以下の状態があります。

互換性あり指定された再配置タイプについて、起点システムのシステム属性と宛先システムのシステム属性を比較する、すべてのクリティカル・テストおよびユーザー選択テストに合格しています。起点システムから宛先システムに WPAR を再配置することは可能であり、宛先システムから起点システムへ再配置することも可能です。

警告付きで互換性あり指定された再配置タイプについて、クリティカル・テストまたはユーザー選択テストのうちの少なくとも 1 つは、起点システムまたは宛先システムのいずれかで、要求されたシステム属性が収集されなかったためにスキップされています。残っているすべてのクリティカルおよびユーザー選択テストに関しては、失敗は記録されません。すべてのテスト・ケースが実施されたとは限らないので、WPAR を起点システムから宛先システムへ再配置することができない、あるいは宛先システムから起点システムへ戻すことができないといったリスクがあります。

互換性なし指定された再配置タイプについて、互換性テストでは WPAR を安全に起点システムから宛先システムへ再配置できないこと、または宛先システムから起点システムへ戻すことができないことを示します。

一部のテスト・ケースの規則は不等式をベースにしているので、宛先システムは少なくとも起点システムと同等のプロセッサー・クラスを持っている必要があります。 1 方向だけが失敗する可能性もあります。しかし、WPAR を両方向に安全に再配置することができないため、管理対象システム間の互換性状態は「互換性なし」と記録されます。

2 つの管理対象システム間の互換性状態が「互換性なし」と報告される場合に、 WPAR を非互換システムへ移動しようとすると失敗する可能性がありますが、ケースによっては、再配置が成功する可能性もあります。

不明 起点サーバーがその状態を「不明」に変更された直後であるか、または宛先サーバーがオフラインになっているかのどちらかであるために、互換性分析が行われなかったことを示します。

取り消しエラーまたはサーバー・プロファイルが不一致状態であるため、互換性テストは完了されませんでした。以下に可能性のある状態を示します。

プロファイルの更新が必要管理対象システムに対する互換性テストは、宛先サーバーの登録失敗のために取り消されたことを示します。

削除完了互換性テストは管理対象システムが削除されたため取り消されたことを示します。

ランタイム・エラー管理対象システムに対する互換性テストが、予期しないランタイム・エラーの結果として取り消されたことを示します。

WPAR の状態WPAR のライフ・サイクルは、 WPAR の現在の状態によって特性を示されます。

このライフ・サイクルの期間に、WPAR は、以下の状態のうちのどれかになっています。

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定義済みWPAR は管理対象システムに存在していますが、現在は活動状態ではありません。 WPAR を開始すると、活動状態に移ります。定義済み状態は lswpar コマンドを実行すると D で示されます。

活動中 WPAR は管理対象システムにデプロイされていて、正常に実行しています。活動状態は lswpar コマンドを実行すると A で示されます。

一時停止WPAR はチェックポイント中断状態になっています。現在は実行していませんが、再開または一時停止解除は可能です。一時停止状態は lswpar コマンドを実行すると P で示されます。

凍結 WPAR はチェックポイントの操作が開始されていて、プロセスは静止されていますが、プロセスの状態は保存されていません。 WPAR は再開可能であるか、またはチェックポイント指定が可能です。凍結状態は lswpar コマンドを実行すると F で示されます。

ロード済みWPAR はサーバーにデプロイされ、カーネルへのロードは完了しているが、活動状態のプロセスはありません。ロード済みの WPAR は開始することができます。

遷移 管理操作が進行中です。ワークロード・パーティションは、「作成中」、「開始中」、「停止中」、または「構成中」のいずれかのプロセスにあります。

中断 管理操作が失敗して、このワークロード・パーティションは使用不可能な状態になっています。

削除済みワークロード・パーティションおよびワークロード・パーティションについての WPAR マネージャー・データベースでの定義は削除されています。

アンデプロイ済みワークロード・パーティションは WPAR マネージャー・データベースに定義されていますが、管理対象システムにデプロイされていません。

移動中 WPAR は、そのメモリー内容を他のマシンに転送中です。メモリー転送が完了すると、WPAR は停止され、システムから除去されます。

再配置ドメインおよびシステム・プロファイル再配置ドメインとは、作成する管理対象システムのグループのことです。再配置ドメインは同じ目的でサービス提供するシステムのグループを特定して、システム・プロファイルを生成する場合に使用されます。

再配置ドメインはそれぞれ、再配置ドメイン内にある管理対象システムの異なるハードウェア構成用に、個別のシステム・プロファイルを持っています。異なる目的に使用される複数の管理対象システムがある場合、そのシステムの機能と一致する再配置ドメインにそれぞれのシステムを結びつけ、同じ再配置ドメインには同種のシステムを結びつけます。 1 つの管理対象システムは 1 つの再配置ドメインに所属し、すべての管理対象システムは作成されるときにデフォルトの再配置ドメインに追加されます。

WPAR グループを作成して、そのグループをポリシー・ベースの再配置を持つように指定すると、システム・プロファイルは WPAR の再配置先となるシステムにランク付けするために使用されます。以下の規則はシステム・プロファイルに適用されます。

v システム・プロファイルは再配置ドメイン・タグおよび管理対象システムのハードウェア特性に基づいて生成される。

v システム・プロファイルには複数の管理対象システムの割り当てが可能である。

v 異なる再配置ドメイン内の管理対象システムは同一プロファイルに属することはできない。

v 異なるハードウェア構成をもつ管理対象システムは同一プロファイルに属することはできない。

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下の図は再配置ドメイン・タグを以下のシナリオで管理対象システムに適用することにより、プロファイルがどのように生成されるかについて説明するものです。

v デフォルトの再配置ドメインには 9 つの管理対象システムがある。

v 管理対象システムは人事、バンキング、およびバックアップ機能をサポートする。

v 管理対象システムには 2 つの異なるハードウェア構成がある。

v 管理対象システムには異なるオペレーティング・システムとリソースがある。

v それぞれの機能領域 (人事、バンキング、およびバックアップ) に個別の再配置ドメインを作成する。

v 異なるハードウェア構成に対して、それぞれの再配置ドメイン内にシステム・プロファイルを作成する。

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人手による再配置WPAR マネージャー バージョン 1.2 は、人手による再配置のための静的再配置方式およびライブ再配置方式をサポートします。人手により選択されたサーバーへの人手による再配置は、ポリシー・ベースの再配

図 1. 再配置ドメイン・タグを管理対象システムに適用することによるプロファイル生成のされ方についての説明

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置が使用可能にされた WPAR グループのメンバーである WPAR 上で行うことができます。 WPAR マネージャーは、 WPAR グループを管理しているポリシーの詳細に基づき、別のシステムに突然に介入して、再度の再配置を試みます。

WPAR を再配置する場合は、以下の作業を完了させておく必要があります。

v 環境が再配置をサポートする要件を満たしていることを確認する。

v モバイル WPAR を作成することができるように環境を適切に構成する。

v 再配置できる WPAR を作成する。

この前提条件を満たしたら、再配置する WPAR とその再配置先の管理対象システムを決定します。使用状況とシステムの互換性に基づいてワークロード・パーティションの移動先システムを選択する際に、最も適したシステムの選択に役立つ WPAR マネージャーを使用します。再配置先のシステムの決定には 2 つの方法があります。

自動選択自動選択は WPAR が所属する WPAR グループに指定されたポリシー、すなわち、そのポリシーで指定されたシステム・プロファイルと一致する現在のシステム使用状況、および WPAR の現在のリソース使用状況を基本にします。システムの選択では、現行システムと候補のシステムとの間の互換性状態も基本にします。完全に互換性のあるシステムが WPAR をホスティングするための候補と見なされます。

ポリシーに指定された同じ再配置ドメインに属する管理対象システムが分析され、 WPAR に対して、使用可能な対象の中で再配置に最も適したシステムが選択されます。 WPAR マネージャーが適切な候補のシステムを識別できない場合は、引き続き、「WPAR 再配置」ダイアログを使用して、ユーザーがシステムを手動で選択することができます。

注: ポリシー・ベースの再配置に対して使用可能になっていた WPAR グループに属しているWPAR を人手により再配置するときに、この WPAR の人手による再配置が、WPAR マネージャー・ポリシーのサブシステムが WPAR の最適なロケーションであると判断したものと矛盾している可能性があるとして、人手による再配置の後に WPAR を、再度、再配置することも試行できます。

人手による選択人手によるシステム選択により、ユーザー用の WPAR を WPAR マネージャーに選択させる代わりに、WPAR の再配置先となる特定のシステムを選択できます。システムはその互換性状態によってクラス分けされます。この互換性状態は管理対象システムが登録されるときに実行される、一連のハードウェアおよびソフトウェア・テストによって決まります。優先オプションで完全な互換システムが選択されているときは、互換性に関係なくシステムを選択することができます。

可能性のある宛先システムの互換性状態は、「WPAR 再配置」ダイアログの「ブラウズ」ボタンを選択して表示できます。システムの互換性状態は、実行している再配置のタイプ、状態 (静的またはライブのいずれか) によって決まります。

再配置プロセスを開始するには、最初に再配置したい WPAR を選択します。次に、「アクション」メニューから「再配置」を選択します。続いて、「WPAR の再配置」ダイアログには、宛先システムと実行する再配置のタイプを選択するためのプロンプトが出されます。

関連概念:

27ページの『アプリケーション・モビリティーのための環境の構成』アプリケーション・モビリティーをサポートする環境のセットアップには制約事項があります。ライブおよび静的再配置には、異なる制約事項があります。

14 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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34ページの『WPAR 環境でのコンソールのセットアップ』IBM Systems Director Console for AIX は、デフォルトでは各 WPAR にインストールされません。WPAR 内の AIX インスタンスに対してシステム管理を使用可能にするには、 wparConsole.sh ユーティリティーを使用する必要があります。

ポリシー・ベースの再配置ポリシー・ベースの再配置は、チェックポイントを指定することができる WPAR に対してのみ使用可能です。

再配置ポリシーには、セットに含まれる各メトリックの重みづけをして、WPAR に対する単一パフォーマンス状態値を導出するために、他のメトリック値を使用した平均値をどのように算出するかについても指定します。次に、WPAR グループのパフォーマンス状態を導出するために、個別の WPAR のパフォーマンス状態が結合されます。グループ・パフォーマンス状態が指定されたしきい値を外れたときに、モビリティー・イベントが生成され、グループ内の WPAR の 1 つが再配置されることになります。 WPAR マネージャーは WPAR グループ内のモビリティー・イベントを一度に 1 つ生成して処理します。 WPAR グループ全体の状態については、各イベントの後で再分析され、 WPAR の余分な再配置または再配置の繰り返しを確実に発生させないようにします。

WPAR グループ全体のパフォーマンス状態、個別の WPAR のパフォーマンス状態、および WPAR グループに関連した管理対象システムのパフォーマンス状態に基づき、 WPAR マネージャーのポリシーに従って、以下の修正アクションの 1 つを実行できます。

スケールアップWPAR をより能力の高いマシンに再配置する。

スケールダウンWPAR をより能力の低いマシンに再配置する。

スケールアウトWPAR を専用マシンに再配置する。

スケールインWPAR を他の WPAR と一緒に共用マシンに統合する。

再配置ポリシー定義の最初のステップは、標準メトリック・プロバイダーから収集した各種パフォーマンス・メトリックを選択することです。すべてのメトリックは、あとの報告書作成のために WPAR マネージャー・データベースへ保管します。再配置ポリシーにはメトリック属性とグループ属性も含まれます。

関連概念:

40ページの『WPAR グループの管理』WPAR グループは共通の再配置ポリシー設定によって規制される WPAR の定義済みグループです。

メトリック・ポリシー設定サーバーのパフォーマンス状態を判別するために、 WPAR マネージャーはすべてのポリシー・メトリックの加重平均を計算します。メトリックは 2 つの異なるファミリー (使用率メトリックとレート・メトリック) にクラス分けできるので、制限についての考え方として、すべてのポリシー・メトリックをパーセンテージで表すことができるようにする必要があります。

使用率メトリックは、プロセッサーまたはメモリーなどの、いくつかのリソース使用率に関するパーセンテージです。レート・メトリックは、プロセス・カウント、アプリケーションの応答時間、ディスク・スループットなどの、上限を明確に定義できない、いくつかの状態値に関する測定項目です。

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メトリック・ポリシー設定には、以下の項目があります。

制限 メトリックをパーセンテージで表すために使用される正規化因子であり、各タイプのメトリックごとに、以下のうちの 1 つで表されます。

使用率メトリック使用率メトリックは使用率のパーセンテージとして事前に定義されていますので、制限属性の値については、そのデフォルト値から変更できません。

レート・メトリック最大期待値であり、レートまたはカウント・メトリックを期待される最大値に対するパーセンテージに変換することが可能です。

重み 再配置ポリシーにおいて、他のメトリックと比べてメトリックの相対強さを定義します。この設定の最小値はゼロですが、少なくとも 1 つのメトリックはパフォーマンスの状態値を計算できるように、ゼロより大きい重みにする必要があります。 WPAR マネージャーは再配置ポリシーでメトリックの加重平均を計算し、その結果を使用してパフォーマンス状態を示します。すべてのメトリックの重み属性がゼロの場合、加重平均計算では常にゼロが返されます。

最大 個別のメトリックの値が WPAR グループに対する加重平均されたパフォーマンス状態をオーバーライドする上限値を指定します。グループ内のどれかの WPAR のどれかのメトリックがこの最大値を上回り、グループの平均パフォーマンス状態がこの値より小さい場合、グループのパフォーマンス状態はこの最大値を超えているメトリックの現在値に引き上げられます。この結果、WPAR 再配置が起こる可能性が高くなります。

最小 個別のメトリックの値が WPAR グループに対する加重平均されたパフォーマンス状態をオーバーライドする下限値を指定します。グループ内のどれかの WPAR のどれかのメトリックがこの最小値を下回り、グループの平均パフォーマンス状態がこの値より大きい場合、グループのパフォーマンス状態はこの最小値を下回っているメトリックの現在値まで引き下げられます。この結果、WPAR 再配置が起こる可能性が高くなります。

グループ・ポリシー設定グループ・ポリシー設定では、WPAR マネージャーが WPAR グループ内のすべての WPAR インスタンスのパフォーマンス状態をどのように解釈するかについて定義します。これらの設定は、WPAR のコレクション内にデプロイされたアプリケーションの要求の差異に応じて、再配置を起動するために使用される高水準ポリシーを定義します。

以下のグループ・ポリシー設定が必要になります。

最大しきい値WPAR インスタンスのパフォーマンス状態により「hot」トリガーがスローされる上限値を定義します。この状態はシステム・リソースの割り当てが現在の要求に対して不十分であることを示します。この最大設定値は、WPAR グループの平均パフォーマンス状態がビジー過ぎること、およびWPAR を再配置するだけの正当な理由がありそうなことを指摘する、グループ状態分析を行う場合にも使用されます。

最小しきい値WPAR インスタンスのパフォーマンス状態により「cold」トリガーがスローされる下限値を定義します。この状態はシステム・リソースの要求が現行システムの供給可能な量より、はるかに下回っていることを示します。この最小ポリシー設定値は、WPAR グループの平均パフォーマンス状態がビジーでないこと、および WPAR を再配置するだけの正当な理由がありそうなことを指摘する、グループ状態分析を行う場合にも使用されます。

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平均期間WPAR グループのパフォーマンス状態を分析するときに、メトリックを平均化するために使用される時間枠です (分で表す)。 WPAR インスタンスがトリガー・カウントを違反すると、 WPAR マネージャーは、その WPAR グループを分析します。すべての WPAR の現在のパフォーマンス状態は、平均期間に収集されたメトリックを平均することによって判別されます。次に、これらのメトリックは、それぞれの WPAR ごとに、その WPAR グループに対する再配置ポリシー設定を使用して、正規化および集約されます。次に、この操作から導出されたパフォーマンス状態値は平均され、グループの最大値および最小値と比較されます。この計算結果が最大値を超えるか、または最小値を下回ると、WPAR 再配置が指示されます。

平均期間を調整することにより、WPAR マネージャーが負荷の急上昇または急降下に対して、どれくらいの反応をすべきかについて、ユーザーの調整を可能にします。平均期間が短いと、平均するためのメトリック値の数が少なくなり、負荷の急上昇または急降下の感度が増します。平均期間が長くなればなるほど、パフォーマンス状態の計算に使われるメトリックのサンプリング数が多くなり、一時的な負荷に対する感度は低くなります。

ポリシー調整WPAR マネージャーの再配置ポリシーは、アプリケーションのパフォーマンス状態が主要なパフォーマンス・メトリックと強く相関関係があるという前提に基づいています。

ホスティングしているロジカル・パーティションで使用可能な全リソースのコンテキストについて分析する場合、これらのメトリックは WPAR 内で実行しているプロセスによるリソース要求が高いか低いかを正確に示すことができます。例えば、WPAR の分析で、ホスティングしているロジカル・パーティション(LPAR) のプロセッサー総量の 20% を現在消費している場合、その WPAR 内にデプロイされたサービスはハイ・デマンドではないと考えられます。しかし、その LPAR 上の他のプロセスがプロセッサーの 80%

を消費している場合は、 WPAR には、もう使用可能なプロセッサーがありません。 WPAR マネージャーは WPAR の外部からのプロセスによるリソースの使用に配慮して、WPAR のプロセッサーの有効使用率を 100% で報告します。 WPAR マネージャーによって使用されるメトリックの有効使用率を決める計算は、以下のように表されます。

(WPAR 使用率)/(1-(LPAR 使用率 -WPAR 使用率))

この例では、この式は LPAR のプロセッサー・サイクルを消費しているプロセスが他にない場合のみ 20%

となります。これにより、WPAR マネージャーは、デプロイされたアプリケーションまたはホスティングLPAR を計測しないで、特定の WPAR について、リソースが制約を受ける時期を正確に判別できます。WPAR グループのポリシー設定に基づいてモニターすべきメトリックを選択する場合に、主として考慮されるものは、特定パフォーマンス・メトリックの値とアプリケーション・パフォーマンスに関するいくつかの主要な測定項目との間の線形相関の大きさです。

アプリケーションのパフォーマンスに関する最も一般的な測定項目は、アプリケーション応答時間 (ART)

です。 WPAR マネージャーは WPAR グループ内にデプロイされる同種アプリケーションを管理するように設計されています。この結果、WPAR グループの ART 測定は複数の WPAR グループにまたがらない(トラバースしない) ソース・トランザクションから集まります。この意味することは、WPAR グループ内にデプロイされた、アプリケーション・サーバー・クラスターによって生成された動的内容がテスト・トランザクションに含まれる場合、その生成された内容は異なる WPAR グループ内にデプロイされたデータベースから取り出されたデータに依存するものであってはいけないということです。それに対して、アプリケーション・サーバーの WPAR グループのテスト・トランザクションは、生成された内容をローカル・ファイルシステムから取り出すことができるようにセットアップする必要があり、データベース WPAR グループの ART を判別するには、個別のテスト・トランザクションを使用する必要があります。個別の WPAR

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再配置ポリシーは 2 つの WPAR グループに作成する必要があり、これにより、それぞれ独立して管理できるためにアプリケーション・スタックの計測の必要がありません。

グループの平均化WPAR マネージャーはエンタープライズ・アプリケーションの各グループを別々の WPAR グループに分離して個別に管理します。 WPAR マネージャーは、これらのグループの平均パフォーマンスを使ってWPAR を再配置すべきかどうかを判断します。

通常、共通エンタープライズ・アプリケーションは複数のアプリケーション・インスタンス全体にデプロイされ、一般的に 「tiers (層)」 と呼ばれています。さらに、ハイ・デマンドのアプリケーションは、それぞれの層にあるアプリケーション・インスタンスを 1 つに集めることができます。以下に示す表は、層別にされたアプリケーション環境でグループおよびポリシーがどのように機能するかという例です。

表 4. 3 個の層別エンタープライズ・アプリケーションのグループおよびポリシー構造アプリケーション層 再配置ポリシー

トランザクション・サーバー グループ 1 ポリシー

アプリケーション・サーバー グループ 2 ポリシー

データベース・サーバー グループ 3 ポリシー

アプリケーション層の WPAR グループ再配置ポリシーには、 WPAR インスタンス内にデプロイされたアプリケーションのパフォーマンス状態の解釈方法について、所属するグループのパフォーマンス状態の解釈方法も含めて定義します。 WPAR マネージャーは、定期的な間隔ですべての WPAR グループのパフォーマンス状態を分析します。この分析の結果として、特定グループ内のすべての WPAR インスタンスの平均パフォーマンス状態がグループ・ポリシーの最大値を超えているか、または最小値を下回っていると、リソースが使用可能な場合は、モビリティー・イベントが生成されます。グループの平均化により、関連したすべての WPAR インスタンスの状態が、アプリケーション・パフォーマンスが期待した範囲を外れたことを示す場合のみ、モビリティー・イベントが確実に生成されるようになります。

アプリケーション・モビリティーの計画アプリケーション・モビリティーについて計画を立てる場合は、使用する環境内での管理対象システムの互換性と WPAR を再配置するときの目標を考慮する必要があります。

WPAR の互換性については、以下の情報を考慮してください。

v 管理対象システムが相互に互換性を高めるほど、再配置先となる可能性が高くなります。

v まずハードウェアの互換性を考慮します。使用している管理対象システムが同一のハードウェアまたは類似のハードウェアであれば、そのシステム間で WPAR を再配置することは容易なことです。

v 使用しているすべての管理対象システムを、AIX の同じテクノロジー・レベルおよびバージョンに更新することを試みます。

v すべての WPAR マネージャー・エージェント・ソフトウェアを同じバージョンに更新します。

互換性に加えて、起点システムと宛先システムの両方について、現行ワークロードも考慮する必要があります。再配置の目標がアプリケーション・パフォーマンスを改善することであれば、プロセッサーおよびメモリー・リソースについて、現行システム以上に使用可能であるサーバーを見つける必要があります。反対に、目標が、需要が減ったことによりワークロードを少数のサーバーへ統合することであれば、より少ないリソース使用量のサーバーを見つけることは、それほど重要なことではないと言えます。 WPAR マネージャーは管理対象システムのパフォーマンス・メトリックを追跡して、宛先となりうるシステムをランク付けするときに、現在のリソース使用量を考慮します。

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Role Based Access Control の計画ユーザーに認可されるロールおよび特権に基づき、AIX サービスに対して高度に細分化されたアクセスの制御を提供するには Role Based Access Control (RBAC) を使用します。

RBAC は、ロールを通して管理タスクを権限委譲することを可能にするフレームワークです。それぞれのユーザーには 1 つ以上のロールが割り当てられ、割り当てられたユーザーはスーパー root ユーザーでなくとも複数の管理タスクを実行できるようになります。通常のユーザーが特権タスクを実行することを許可するために、RBAC はシステム特権に大きく依存しています。特権とは、プロセスに、システム呼び出しにおいて強化された機能を認可するために使用される仕組みのことです。

システム WPAR では、グローバル・パーティションで許可されている特権操作のすべてを否認するように制限することができます。 WPAR に割り当てられた特権は WPAR 特権セット (WPS) を使用して制御できます。 WPS はシステム WPAR の内側で実行中のいずれのプロセスに対しても、特権のハード・セットを判別します。 WPAR 内のプロセスは、どの時点でも WPS に制限されます。 WPAR マネージャーはWPAR が作成されるときに、割り当てられたデフォルトの WPS を検討して変更するための機能を提供します。ユーザーはグローバル・パーティション内で使用可能な追加特権を認可すること、またはデフォルトWPS の一部として認可済みの特権を除去することができます。

注: デフォルトの WPS に指定された特権または WPAR 内のプロセスを除去すると、正しく機能させるための十分な特権を持てなくなる可能性がありますから注意してください。

特権は管理対象システム間で異なることがあるため、 WPAR マネージャーは、各管理対象システムで使用可能なすべての特権、および WPAR が作成されるときに使用する必要があるデフォルトの WPS について、その記録を保持します。デフォルトの WPS は /etc/wpars/secattrs 構成ファイルから取得されます。このファイルの内容は、管理対象システムが登録されるときに WPAR マネージャーにロードされます。登録後にこのファイルが変更されると、ユーザーはシステム・プロファイルの更新を起動して、その変更がWPAR マネージャーに反映されるようにしなければなりません。これを行うには「管理対象システム・リソース」ビューに進んで、「システム・プロファイルの更新」タスクを使用します。

WPAR マネージャーのインストールWPAR マネージャーのインストール処理には、管理サーバーとして使用されるシステムへの WPAR マネージャーのインストール、および各管理対象システムへの WPAR マネージャー エージェントのインストールが含まれます。

管理サーバーへの WPAR マネージャーのインストールAIX バージョン 6.1 またはそれ以降を実行している IBM System p システムには WPAR マネージャーをインストールする必要があり、少なくとも 1.5 GB の RAM を備えていなければなりません。

注: 既存の WPAR マネージャー・エージェント 1.1 のところにインストールする場合は、下の手順に従います。しかし、すべてのファイルセットおよび必要な構成ファイルは lslpp -h wparmgt.mgr コマンドの実行で返されたときに、WPAR マネージャー・エージェント 1.2 に移行されています。 lslpp コマンドにより、インストールされたファイルセット (複数の場合あり) の更新に関する情報が表示されます。

1. root ユーザーとしてシステムにログインします。

2. メディアからインストールする場合は、WPAR マネージャーが収められているメディアをメディア・ドライブに挿入します。

3. 以下のコマンドを使用してメディア・ドライブをマウントします (/mnt はメディア・ドライブのマウント・ポイント)。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 19

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/usr/sbin/mount -v cdrfs -p -r /dev/cd0 /mnt

4. installp コマンドを以下のように実行して、 WPAR マネージャーをインストールします。

# installp -acXYgd <MOUNT_POINT>/installp/ppc wparmgt.mgr

WPAR マネージャー・データベースのインストールWPAR マネージャーは、DB2 V9.5 データベースまたは Apache Derby データベースを使用するように構成できます。Apache Derby は組み込みデータベースであり、追加の構成手順を行う必要はありません。DB2 データベースを使用する場合は、追加の構成が必要になります。

DB2 データベースをインストールするには、以下の手順を実行します。

1. root ユーザーとして管理サーバーにログインします。

2. メディアからインストールする場合は、WPAR マネージャーが収められているメディアをメディア・ドライブに挿入します。

3. 以下のコマンドを使用してメディア・ドライブをマウントします (/mnt はメディア・ドライブのマウント・ポイント)。

/usr/sbin/mount -v cdrfs -p -r /dev/cd0 /mnt

4. WPAR マネージャーの DB2 データベース・ファイルセットをインストールするには、次のコマンドを実行します。

installp -acqgXd <MOUNT POINT>/installp/ppc wparmgt.db

5. WPAR マネージャー・データベースをインストールして構成するには、以下の DB2Install.sh スクリプトを実行します。

# /opt/IBM/WPAR/manager/db/bin/DBInstall.sh ¥-dbinstallerfile <MOUNT POINT>/db2-v9.5fp1_aix64_limited_use.tar.gz ¥-dbpassword <db2wmgt_user_password>

6. 以下のコマンドを使用してインストール・スクリプトを実行します。

./DBInstall.sh -dbpassword your_password -dbinstallerdir /mnt/db2

注: 使用されるデフォルト値は、db2wmgt (DB2 ユーザー)、/home/db2wmgt (DB2 ホーム・ディレクトリー)、50000 (DB2 ポート) です。

関連タスク:

22ページの『Apache Derby から DB2 への移行』WPAR マネージャーの Apache Derby データベースを DB2 データベースへ移行する場合は DBMigrateスクリプトを使用します。

管理対象システムへの WPAR マネージャー・エージェントのインストールWPAR マネージャー・エージェントは管理対象システム上で実行し、 WPAR の管理、パフォーマンス・メトリックの収集、および互換性テストのための情報の収集用として、WPAR コマンドを実行するためのセキュア・インターフェースを提供します。

WPAR マネージャー・エージェント 1.2.1 のインストールでは、以下のファイルが前提条件になっています。

v Java5.sdk バージョン 1.5.0.0

v bos.wpars バージョン 6.1.3.0

20 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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WPAR マネージャー・エージェントは、一組の AIX installp ファイルセットとしてパッケージされています。 WPAR マネージャー CD には、以下の WPAR マネージャー・エージェント・ファイルセットが収められています。

v wparmgt.agent.rte

v cas.agent

v tivoli.tivguid

v mcr.rte

インストールにはすべてのファイルセットが必要です。

WPAR マネージャー・エージェントを installp コマンドでインストールするには、管理対象システムからroot ユーザーで以下のコマンドを実行します。

# installp -acqgYXd <MOUNT_POINT>/installp/ppc wparmgt.agent

<MOUNT_POINT> は WPAR マネージャーの installp ファイルセットのロケーションで置き換えます。このロケーションは、メディア・ドライブのディレクトリーまたは管理対象システム上のローカル・ディレクトリーのいずれかです。

WPAR マネージャーのアップグレードWPAR マネージャー 1.1 または 1.2 は 1.2.1 へアップグレードできます。以下の手順は、WPAR マネージャーの管理サーバーと WPAR マネージャー・エージェントの両方をアップグレードします。

前提条件:

v WPAR マネージャー・エージェント 1.2.1 は、AIX バージョン 6.1 (6100-03 テクノロジー・レベル適用) またはそれ以降のシステムにインストールすることができます。 AIX 6.1 (6100-02 適用) では、WPAR マネージャー・エージェント 1.2 が推奨エージェントです。それより前のバージョンの AIX 6.1

の場合は、WPAR マネージャー・エージェント 1.1 が推奨エージェントです。

考慮事項:

v WPAR マネージャー 1.1 または 1.2 から WPAR マネージャー 1.2.1 へのアップグレードの一部としてWPMConfig.sh スクリプトを再実行する必要はありません。既に構成済みの設定はすべてアップグレードの過程で保持されます。

v WPAR マネージャー 1.1 または 1.2 から 1.2.1 へのアップグレードの一部として DBInstall.sh スクリプトを再実行する必要はありません。 WPAR マネージャー 1.2.1 は、引き続き、既存の DB2 データベースを使用することができます。

v WPAR マネージャー・エージェント 1.1 から WPAR マネージャー・エージェント 1.2.1 へ移行する場合、WPAR マネージャー・エージェントとの通信に使用されるポートは、 WPAR マネージャー・エージェント 1.1 のデフォルト・ポート (8211) から WPAR マネージャー・エージェント 1.2.1 のデフォルト・ポート (9510) に変わります。エージェントのポートが変わると、その管理対象システムが WPAR

マネージャー・コンソール内でオフラインとなります。 WPAR マネージャー・コンソール内で WPAR

マネージャー・エージェントとの接続を復元するには、「管理対象システム」ビューで「発見(Discover)」をクリックしてください。

WPAR マネージャー 1.2.1 へアップグレードするには、下の手順を実行します。

1. 以下のコマンドを実行して、WPAR マネージャーとエージェント・マネージャーのファイルセットをアップグレードします。

# installp -acXYgd <MOUNT_POINT>/installp/ppc tivoli.tivguid wparmgt.cas.agentmgr wparmgt.mgr

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 21

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2. Web ブラウザーで以下のアドレスを指定し、そこからコンソールにログインして WPAR マネージャーにアクセス可能であることを検証します。

http://<wpar-manager-hostname>:<public_port>/ibm/console

3. WPAR マネージャー・エージェント 1.2.1 にアップグレードするには、それぞれの管理対象システムで以下のコマンドを実行します。

# installp -acXYgd <MOUNT_POINT>/installp/ppc mcr.rte tivoli.tivguid wparmgt.agent

4. アップグレードを完了するには、以下のコマンドを実行して WPAR マネージャー・エージェントがインストールされているシステムを再始動します。

# shutdown -Fr

必要な後処理: アップグレードが完了したら、WPAR マネージャー・インターフェースを使用する前に、必ずブラウザーのキャッシュをクリアしてください。

WPAR マネージャーのデータベースの移行WPAR マネージャー 1.2.1 は、Apache Derby データベースおよび DB2 データベースに対するサポートを提供します。それぞれのデータベースからデータを移行するプロセスを単純化するために、あるデータベース・タイプから別のデータベース・タイプへすべてのデータを移行するためのユーティリティーが提供されています。

データベースを移行する場合、DBMigrate スクリプトは以下のように使用します。

DBMigrate -dbtype {derby|db2} [...]-dbtype データベース・タイプ (必須)-dbhost データベース・ホスト名 (DB2 のみ)-dbport データベース・ポート (DB2 のみ)-dbuser データベース・ユーザー名 (DB2 のみ)-dbpass データベース・パスワード (DB2 のみ)-dbname データベース名 (DB2 のみ)

Apache Derby から DB2 への移行WPAR マネージャーの Apache Derby データベースを DB2 データベースへ移行する場合は DBMigrateスクリプトを使用します。

Apache Derby データベースから DB2 データベースへデータを移行するには、以下の手順を実行してください。

1. WPAR マネージャーの DB2 データベースをインストールして構成します。

2. 以下のコマンドを実行して、WPAR マネージャーを停止します。

# wparmgr stop

3. DB2 データベース用の設定値を指定して、以下の DBMigrate コマンドを実行します。

# /opt/IBM/WPAR/manager/bin/DBMigrate ¥-dbtype db2 ¥-dbhost <ホスト名> ¥-dbport <ポート (デフォルト: 50000)> ¥-dbuser <ユーザー名 (デフォルト: db2wmgt)> ¥-dbpass <パスワード> ¥-dbname <データベース名 (デフォルト: WPARMGT)>

4. 以下のコマンドを実行して、WPAR マネージャーを始動します。

# wparmgr start

関連タスク:

22 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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20ページの『WPAR マネージャー・データベースのインストール』WPAR マネージャーは、DB2 V9.5 データベースまたは Apache Derby データベースを使用するように構成できます。Apache Derby は組み込みデータベースであり、追加の構成手順を行う必要はありません。DB2 データベースを使用する場合は、追加の構成が必要になります。

DB2 から Apache Derby への移行WPAR マネージャーの DB2 データベースを Apache Derby データベースへ移行する場合は DBMigrateスクリプトを使用します。

DB2 データベースから Apache Derby データベースへデータを移行するには、以下の手順を実行してください。

1. 以下のコマンドを実行して、WPAR マネージャーを停止します。

# wparmgr stop

2. 以下の DBMigrate コマンドを実行します。

# /opt/IBM/WPAR/manager/bin/DBMigrate -dbtype derby

3. 以下のコマンドを実行して、WPAR マネージャーを始動します。

# wparmgr start

WPAR マネージャーの構成WPAR アプリケーション・モビリティーの環境を構成して、インストール後に追加のカスタマイズを行うことができます。

異なるモードによる WPAR マネージャーの構成WPAR マネージャーは、WPMConfig.sh コマンドを使用してグラフィック・モードまたはコンソール・モードのいずれかで構成できます。

WPMConfig.sh コマンドは、グラフィック・モードまたはコンソール・モード・モードのいずれかで自動的に開始されます。このコマンドは X11R6 環境が AIX およびアクセス・システムの両方に存在している場合は、グラフィック・モードで実行します。 AIX システムの X11 DISPLAY 環境変数には、アクセス・システムの IP アドレスまたはアクセス・システムのホスト名を設定する必要があります。 X11 環境がないと、構成ウィザードはコンソール・モードで開始します。

グラフィカル・モードグラフィカル・モードを使用して WPAR マネージャーを構成するには、以下の手順を実行します。

1. X11 DISPLAY 環境変数を指定して、以下のコマンドを実行します。

# /opt/IBM/WPAR/manager/bin/WPMConfig.sh

2. プロンプトに従ってフィールドに情報を入力します。フィールドにはデフォルト値が入っています。これらのデフォルト値を使用すれば、WPAR マネージャー・エージェント登録用のパスワードを指定するだけですみます。

コンソール・モードコンソール・モードを使用して WPAR マネージャーを構成するには、以下の手順を実行します。

1. 以下のコマンドを実行します。

# /opt/IBM/WPAR/manager/bin/WPMConfig.sh -i console

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 23

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2. プロンプトに従ってフィールドに情報を入力します。フィールドにはデフォルト値が入っています。これらのデフォルト値を使用すれば、WPAR マネージャー・エージェント登録用のパスワードを指定するだけですみます。

サイレント・モードによる WPAR マネージャーの構成いずれの入力にもプロンプトが出されることを望まない場合は、 WPAR マネージャーをサイレント・モードで構成できます。必要となるすべての情報は構成ファイルから取り出されます。

WPAR マネージャーをサイレント・モードで構成するには、以下の手順を実行します。

1. 以下のコマンドを実行して、オリジナルの応答ファイルを保存します。

# cp /opt/IBM/WPAR/manager/config/wpmInstall.properties ¥/opt/IBM/WPAR/manager/config/wpmInstall.properties.orig

2. お客様の環境に合うように /opt/IBM/WPAR/manager/config/wpmInstall.properties を編集します。デフォルトのインストールを使用する場合は、以下の設定が必要です。

v AM_REG_PASSWD=<エージェントの登録に使用されるパスワード>

v AM_REG_PASSWDV=<エージェントの登録に使用される確認用パスワード>

3. 構成を完了するには、以下のコマンドを実行します。

# /opt/IBM/WPAR/manager/bin/WPMConfig.sh -i silent ¥-f /opt/IBM/WPAR/manager/config/wpmInstall.properties

WPAR マネージャー・エージェントの構成WPAR マネージャー・エージェントのインストール後は、これを WPAR マネージャーで使用するために構成する必要があります。 WPAR マネージャー・エージェントの構成には、 /opt/IBM/WPAR/agent/bin/

configure-agent スクリプトを使用します。

インストール中に WPAR マネージャーのポートがデフォルト値から変更されなかった場合は、以下のconfigure-agent スクリプトを root として実行します。その際、WPAR マネージャーのホスト名と WPAR

マネージャー構成で提供されるエージェントの登録パスワードを指定してください。

# /opt/IBM/WPAR/agent/bin/configure-agent -amhost <wpar-manager.yourdomain.com> ¥-passwd <agent_registration_password>

-help コマンドの使用方法に関する情報を表示します。

-options <file_name>構成ファイルが指定されたコマンドへの入力として提供します。

-promptエージェント・マネージャーの登録パスワードについてプロンプトを出します。

-force 以前に構成されたエージェントを構成します

-name 共通エージェントの名前 (デフォルト: localhost)

-port <port_number>共通エージェントのポート番号 (デフォルト: 9510)

-jport <port_number>無停止サービスのための JVM ポート番号 (デフォルト: 9514)

-nport <port_number>無停止サービスのための固有ポート番号 (デフォルト: 9515)

24 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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-wport <port_number>HTTP トランスポート・ポート (デフォルト: 使用不可)

wsport <port_number>HTTPS トランスポート・ポート (デフォルト: 使用不可)

-unmanagedエージェント・マネージャーによって管理されない共通エージェント

-amhost <host_name>エージェント・マネージャーのホスト名 (デフォルト: AgentManagerServer)

-amport <port_number>エージェント・マネージャーの公開ポート (デフォルト: 9513)

-ctxrootエージェント・マネージャーのコンテキスト・ルート (デフォルト: /AgentMgr)

-passwd <password>エージェントの登録パスワード

-noinstall自動始動するためのサービスを作成しません。さらに、共通エージェントも開始しません。

-nostart構成後に共通エージェントを開始しません。

-hostname amhost

エージェント・マネージャーのホスト名 (必須)

-pubportポート

-Agent Manager Public Port(デフォルト: 9513)

-contextroot url

エージェント・マネージャーのコンテキスト・ルート (デフォルト: /AgentMgr)

-agentport port

エージェント・ポート (デフォルト: 9510)

-force 以前に構成されたエージェントを構成します

WPAR マネージャー・エージェントのホスト名を指定する場合は、最低限 -amhost フラグを指定し、エージェントの登録パスワードを指定する場合は、最低限 -passwd フラグまたは -prompt フラグのいずれかを指定します。エージェントが既に別のエージェント・マネージャーに構成済みの場合は、エージェントを再構成するには -force フラグを指定します。

構成スクリプトはエージェントの登録パスワードのために対話式でプロンプトを出します。エージェント・マネージャーを構成するときに、このパスワードを指定します。

WPAR マネージャー エージェントの構成は、以下の状態では失敗します。

v 構成プロセスが指定されたホスト、ポート、またはコンテキスト・ルートでエージェント・マネージャーに到達できない。エージェント・マネージャーがオフラインまたは到達不能であるか、あるいはホスト名、共通ポート、またはコンテキスト・ルート・パラメーターの指定が誤っている場合に、この状態になります。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 25

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v エージェント・マネージャーの登録パスワードが正しくない。

v WPAR マネージャー・エージェントは、既に WPAR マネージャー・エージェントを使用するように構成されている。 WPAR マネージャー・エージェントを再構成する場合は、-force フラグを使用します。

v WPAR マネージャー・エージェントが使用するように指定されたすべてのポート (-port、-jport、-nport、-wport、-wsport) が異なっており、未使用である。

WPAR マネージャー・エージェントの開始および停止WPAR マネージャー・エージェントを開始、停止、再始動、およびのエージェントの現在の状況を照会するには、/opt/IBM/WPAR/agent/bin/wparagent コマンドを使用します。

WPAR マネージャー・エージェントを開始するときに、まだセキュア証明書を受け取っていない場合、または証明書の有効期限が切れようとしている場合、 WPAR マネージャーは、エージェント・マネージャーからセキュア証明書を取得することを試みます。セキュア証明書が最新の状態であることが確認されると、WPAR マネージャー・エージェントは、エージェントが正常に開始したことを示す状況報告をエージェント・マネージャーに送信します。開始時にエラーが発生すると、エラー・メッセージがシステムの/var/opt/tivoli/ep/logs/error-log-0.xml ファイルに記録されます。

WPAR マネージャー・エージェントを開始、停止または再始動するには、以下のコマンドを実行します。

v WPAR マネージャー・エージェントを開始するには、 wparagent start コマンドを実行します。

v WPAR マネージャー・エージェントを停止するには、 wparagent stop コマンドを実行します。

v WPAR マネージャー・エージェントを再始動するには、 wparagent restart コマンドを実行します。

WPAR マネージャー・エージェント・ロギングの構成WPAR マネージャー・エージェントは、重要なトラブルシューティング情報を /var/opt/IBM/WPAR/agent/

logs/ ディレクトリーのログ・ファイルに記録します。ロギングについてはwparagent_logging.properties ファイルに構成します。

WPAR エージェントに付けて出荷されるデフォルトの構成設定は、 wparagent_logging.properties ファイルに含まれており、内容は以下のとおりです。

################################## WPAR Agent Logging Properties ################################### Enable or disable WPAR Agent logging.log.enabled = true# Whether to append to existing logs or create new log files.log.append = false# Number of log files to keep.log.count = 5# Logging level - one of ERROR/WARNING/INFO/VERBOSE/FINE/FINER/FINESTlog.level = INFO# File size limit of each log file in bytes.log.limit = 1000000

WPAR マネージャー・エージェント・ロギングのデフォルト設定を変更する場合は、以下の手順を実行します。

1. テキスト・エディターで /etc/opt/IBM/WPAR/agent/wparagent_logging.properties ファイルを開きます。

2. 変えたい属性を変更します。

3. wparagent restart コマンドを使用して、WPAR マネージャー・エージェントを再始動します。

26 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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アプリケーション・モビリティーのための環境の構成アプリケーション・モビリティーをサポートする環境のセットアップには制約事項があります。ライブおよび静的再配置には、異なる制約事項があります。

以下の制約事項は、アプリケーション・モビリティーの両方のタイプをサポートするための環境の構成に適用されます。

v モビリティーのために起点および宛先システムとして使用される管理対象システムは、同じサブネット内に存在していなければならない。

v 起点および宛先サーバーは互換性のあるハードウェアで実行されているだけでなく、互換性のあるソフトウェアがインストールされていなければならない。

v IP バージョン 6 ネットワークには NFSv4 が必要である。 NFSv4 をサポートするには、すべてのシステム (WPAR マネージャー、WPAR エージェント、NFS サーバー、など) も同じローカル NFS ドメイン内に存在していなければならない。

システム WPAR およびアプリケーション WPAR には、再配置タイプによって異なる特定の追加の制約事項があります。

関連概念:

37ページの『WPAR マネージャーによるワークロード・パーティションの管理』システム、WPAR および WPAR グループを管理する場合は、 WPAR マネージャーを使用します。

13ページの『人手による再配置』WPAR マネージャー バージョン 1.2 は、人手による再配置のための静的再配置方式およびライブ再配置方式をサポートします。人手により選択されたサーバーへの人手による再配置は、ポリシー・ベースの再配置が使用可能にされた WPAR グループのメンバーである WPAR 上で行うことができます。 WPAR マネージャーは、 WPAR グループを管理しているポリシーの詳細に基づき、別のシステムに突然に介入して、再度の再配置を試みます。

関連タスク:

41ページの『ライブ再配置をサポートする WPAR の作成』ライブ再配置は WPAR 内で実行しているアプリケーション・スタックの状態を失うことなく、WPAR を別のシステムへ再配置する機能です。

システム WPAR 用のアプリケーション・モビリティーの構成WPAR マネージャー 1.2 は WPAR の静的再配置およびライブ再配置をサポートします。静的再配置は、ファイルシステム状態を保持している状態での、起点ノード上の WPAR のシャットダウン、および宛先ノード上の WPAR のクリーン・スタートとして定義されます。ライブ再配置では、アプリケーション・スタックの状態が宛先システムに保持されます。

アプリケーション・モビリティーの指定タイプを構成するには、以下の情報を検討してください。

関連タスク:

38ページの『管理対象システム属性の表示または変更』WPAR マネージャーを使用すると、アプリケーションに登録済みの管理対象システムに関する、構成の詳細および物理属性の表示および変更が可能になります。 WPAR マネージャーの使用により、管理対象システムに割り当てられた記述ドメインおよび再配置ドメインを変更できます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 27

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システム WPAR 用のライブ・アプリケーション・モビリティーの構成:

システム WPAR 用のライブ・アプリケーション・モビリティーを使用可能にするには、/、/var、/home、および /tmp ディレクトリーのルート・マウント・ポイントとなるリモート・ディレクトリーを指定する必要があります。

静的再配置モビリティーについては、WPAR のファイルシステムに関する制限はありません。しかし、WPAR の静的再配置のときに生成される一時バックアップ・イメージを保管するために、起点サーバーおよび宛先サーバーの両方からアクセス可能な共用ファイルシステムを作成して構成しておく必要があります。リモート /usr ディレクトリーおよびリモート /opt ディレクトリーは、ネットワークを通してアクセスされるため、ローカル・ディスク・アクセスの場合よりパフォーマンスが悪くなることがあります。これらのリモート・ディレクトリーは、専用の /usr ディレクトリーおよび専用の /opt ディレクトリーが必要な場合のみ使用してください。

システム WPAR 用のアプリケーション・モビリティーを構成するための下の手順では、以下のネットワーク・トポロジーを想定しています。

wparagent1.yourdomain.comWPAR マネージャーで使用するためにインストールおよび構成される、 WPAR マネージャー・エージェント

wparagent2.yourdomain.com

WPAR マネージャーで使用するためにインストールおよび構成される、もう 1 つの WPAR マネージャー・エージェント

wparhostname.yourdomain.com再配置可能 WPAR として作成した、システム WPAR のホスト名

nfssrv1.yourdomain.comWPAR リモート・ファイルシステムをホスティングする共用ファイルシステムを保管するためのNFS サーバー

システム WPAR 再配置のための環境を構成するには、以下の手順を実行します。

1. システム WPAR 用のリモート・ファイルシステムをホスティングするためのファイルシステムをnfssrv1.yourdomain.com NFS サーバーに作成します。 例:

crfs -v jfs2 -m /wparsfs -A yes -a size=1G -g rootvg

注: このステップは既存のファイルシステムを使用する場合には、スキップしてください。

2. 以下のコマンドを実行して、作成したファイルシステム (または使用することを予定している既存のファイルシステム) をマウントします。

mount /wparsfs

3. 以下のコマンドを実行して、wparhostname という名前のディレクトリーを nfssrv1.yourdomain.com に作成します。

mkdir /wparsfs/wpars/wparhostname

4. すべての WPAR マネージャー・エージェントおよび WPAR ホスト名に対して、新規ファイルシステムへの書き込み root アクセス権限を持たせるために、以下のコマンドを実行してディレクトリーをエクスポートします。

# mknfsexp -d /wparsfs/wpars/wparhostname -r wparagent1,wparagent2,wparhostname -B

注: IP バージョン 6 アドレスで構成された WPAR は、NFSv4 を使用する必要があります。 NFS バージョンを指定するには、-v フラグを使用します。

28 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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5. NFS サーバーを使用する WPAR および拡張インターフェースまたは「WPAR の作成」ウィザードのいずれかを使用して指定したルート・ディレクトリーを作成します。

システム WPAR 用の静的アプリケーション・モビリティーの構成:

静的再配置モビリティーについては、WPAR のファイルシステムに関する制限はありません。しかし、WPAR の静的再配置のときに生成される一時バックアップ・イメージを保管するために、起点サーバーと宛先サーバーの両方からアクセス可能な共用ファイルシステムを作成して構成しておく必要があります。共用ファイルシステムに対する root アクセス権をグローバル WPAR マネージャー・エージェントに認可する必要があります。

以下の手順は NFS ファイルシステムを使用していること、およびご使用のシステムが次のようなネットワーク接続形態になっていることを前提にしています。

wparagent1.yourdomain.comWPAR マネージャーで使用するためにインストールおよび構成される、 WPAR マネージャー・エージェント

wparagent2.yourdomain.com

WPAR マネージャーで使用するためにインストールおよび構成される、もう 1 つの WPAR マネージャー・エージェント

nfssrv1.yourdomain.comWPAR リモート・ファイルシステムをホスティングする共用ファイルシステムを保管するためのNFS サーバー

システム WPAR 静的再配置のための環境を構成するには、以下の手順を実行します。

1. この例では /sfs という名前のファイルシステムを nfssrv1.yourdomain.com NFS サーバーに作成します。このサーバーには一時 WPAR のバックアップ・イメージが静的再配置のときに保管されます。以下に例を示します。

# crfs -v jfs2 -m /sfs -A yes -a size=1G -g rootvg

注: このステップは既存のファイルシステムを使用する場合には、スキップしてください。

2. 下のコマンドを実行して、作成したファイルシステムまたは既存のファイルシステムをマウントします。

# mount /sfs

3. すべての WPAR マネージャー・エージェントに新規ファイルシステムへの書き込み root アクセス権限を持たせるために、以下のコマンドを実行してディレクトリーをエクスポートします。

# mknfsexp -d /sfs -r wparagent1,wparagent2 -B

4. 以下のコマンドを実行して、すべての WPAR マネージャー・エージェント・システム (ステップ 3 のwparagent1 および wparagent2) にファイルシステムをマウントします。

# mknfsmnt -f /var/adm/WPAR -d /sfs -h nfssrv1 -B

注: /var/adm/WPAR ディレクトリーはデフォルトのマウント・ポイントです。別のマウント・ポイントを使用したい場合は、そのマウント・ポイントを新規の共用ファイルシステムのロケーションとして使用するように、WPAR マネージャーを構成する必要があります。この変数を設定するには、「WPAR マネージャー設定」 > 「アプリケーション構成」の順に選択して、すべての WPAR マネージャー・エージェント・システムの共用ファイルシステムへのパスを共用ディレクトリー・フィールドに指定します。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 29

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アプリケーション WPAR 用のアプリケーション・モビリティーの構成WPAR マネージャー・エージェント 1.2 以降の場合、ライブ再配置には制約事項はありません。また一方WPAR マネージャー・エージェント 1.1 がインストールされていると、 WPAR マネージャーには共用ファイルシステムを作成して構成する必要があります。

ユーザーは共用ファイルシステムに対する root アクセス権を WPAR マネージャー・エージェントとWPAR ホスト名に認可する必要があります。静的再配置には制約事項はありません。

アプリケーション WPAR 用のライブ・アプリケーション・モビリティーを構成するための下の手順では、以下のネットワーク接続形態を想定しています。

wparagent1.yourdomain.comWPAR マネージャーで使用するためにインストールおよび構成される WPAR マネージャー・エージェント

wparagent2.yourdomain.com

WPAR マネージャーで使用するためにインストールおよび構成される、もう 1 つの WPAR マネージャー・エージェント

wparhostname.yourdomain.com再配置可能 WPAR として作成したアプリケーション WPAR のホスト名

nfssrv1.yourdomain.comWPAR リモート・ファイルシステムをホスティングする共用ファイルシステムを保管するためのNFS サーバー

ライブ・アプリケーション WPAR 再配置のための環境を構成するには、以下の手順を実行します。

注: (再配置は、基本的には宛先システム上で WPAR を再デプロイしています。)

1. この例では /sfs という名前のファイルシステムを nfssrv1.yourdomain.com NFS サーバーに作成します。このサーバーにはアプリケーション WPAR の状態が、チェックポイント・リスタート操作のときに保管されます。 このファイルシステムは、システム WPAR 用のリモート・ファイルシステムをホスティングするファイルシステムと同じである必要はありません。 例:

crfs -v jfs2 -m /sfs -A yes -a size=1G -g rootvg

2. 以下のコマンドを実行して、作成したファイルシステム (または使用することを予定している既存のファイルシステム) をマウントします。

mount /sfs

3. すべての WPAR マネージャー・エージェントおよび WPAR ホスト名に対して、新規ファイルシステムへの書き込み root アクセス権限を持たせるために、以下のコマンドを実行してディレクトリーをエクスポートします。

# mknfsexp -d /sfs -r wparagent1,wparagent2,wparhostname -B

注: IP バージョン 6 アドレスで構成された WPAR は、NFSv4 を使用する必要があります。 NFS バージョンを指定するには、-v フラグを使用します。

4. 以下のコマンドを実行して、すべての WPAR マネージャー・エージェント・システム (ステップ 3 のwparagent1 および wparagent2) にファイルシステムをマウントします。

# mknfsmnt -f /var/adm/WPAR -d /sfs -h nfssrv1 -B

注: /var/adm/WPAR ディレクトリーはデフォルトのマウント・ポイントです。別のマウント・ポイントを使用したい場合は、そのマウント・ポイントを新規の共用ファイルシステムのロケーションとして使用するように、 WPAR マネージャーを構成する必要があります。この変数を設定するには、「WPAR

30 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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マネージャー設定」 > 「アプリケーション構成」の順に選択して、すべての WPAR マネージャー・エージェント・システム上の共用ファイルシステムへのパスを「状態ファイルのルート・ディレクトリー」フィールドに指定します。

LDAP 認証による WPAR マネージャーの構成LDAP サーバーは WPAR マネージャー・ホスト・システムのローカル・ユーザーを使用するよりユーザー認証のための柔軟性を高めます。例えば、ユーザーは認証のために使用する WPAR マネージャーの複数インスタンスに対して、単一の LDAP サーバーをセットアップすることができます。

LDAP を使用するもう 1 つの理由は、セキュリティー上の問題から、ユーザーが WPAR マネージャーの管理者ユーザーにホスト・システムの root パスワード (または別の非 root ユーザー・パスワード) を知らせたくないということです。

LDAP 認証を所有する WPAR マネージャーを構成するには、以下の手順を実行します。

1. 新規の属性ファイルを /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf/overrides/ ディレクトリーに作成します。

2. 次の設定を新規の属性ファイルに入力します。

com.ibm.lwi.security.jaas.jaasindex = Jaas2.Ldapcom.ibm.lwi.rolemanagerfragment = com.ibm.lwi.security.rolemanagers.ldap.RoleManagerLdap

下表には LDAP サーバーのインストールの際に構成され、LDAP サーバーの管理者が提供しなければならない属性の設定値が含まれています。

表 5. LDAP 属性ファイルの設定設定値 説明

com.ibm.lwi.LDAPHost LDAP サーバーのホスト名を指定します。

om.ibm.lwi.LDAPPort LDAP サーバー用に定義されたポートを指定します。 LDAP のデフォルト・ポートは 389 です。 SSL が LDAP サーバー上で使用可能になっている場合のデフォルト・ポートは 636 です。

com.ibm.lwi.LDAPAdminUser LDAP サーバー用に定義された管理者 DN を指定します。 IBM

Tivoli® Directory Server のデフォルトは cn=admin です。

com.ibm.lwi.LDAPAdminPassword LDAP サーバー用に定義された管理者ユーザーの暗号化されたパスワードを指定します。注: 平文パスワードについては、/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/

bin: lwiencoder.sh -filename /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf/

overrides/security.properties -keylist

com.ibm.lwi.LDAPAdminPassword パス変数内にある、lwiencoder.sh コマンドを使用して、ユーザーが暗号化する必要があります。オプションの詳細については、lwiencoder.sh -help

と入力します。

com.ibm.lwi.LDAPBase LDAP サーバー用に定義されたベース (ルート) DN を指定します。

com.ibm.lwi.searchfilter LDAP サーバー上で検索照会に使用するユーザー検索フィルターを指定します。

次の例は、LDAP サーバーに対するユーザー検索照会のための検索フィルターの例です。

Microsoft Active Directory:(&(sAMAccountName=%v)(objectcategory=user))IBM Tivoli Directory Server:(&(uid=%v)(objectclass=account)

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 31

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表 5. LDAP 属性ファイルの設定 (続き)

設定値 説明

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.filters.usergroup グループ・オブジェクトについて LDAP サーバー上で検索照会に使用される検索フィルターを指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するグループの検索フィルターの例です。

Microsoft Active Directory:(|(objectCategory=group)(objectCategory=groupOfNames))IBM Tivoli Directory Server:(|(objectclass=groupOfNames)(objectclass=groupOfUniqueNames))

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.filters.users ユーザー・オブジェクトについて、LDAP サーバー上で検索照会に使用される検索フィルターを指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するユーザーの検索フィルターの例です。

Microsoft Active Directory:(|(objectCategory=person)(objectCategory=user))IBM Tivoli Directory Server:(objectclass=person)

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.names.memberAttribute ディレクトリー内のグループ・オブジェクトのメンバー属性名を指定します。複数の属性値がある場合は、値をコンマで区切る必要があります。

次の例は、LDAP サーバーに存在するユーザーの検索フィルターの例です。

Microsoft Active Directory: memberIBM Tivoli Directory Server: member

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.names.loginName ディレクトリー内のユーザーのログイン ID 属性名を指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するユーザーのログイン ID 属性の例です。

Microsoft Active Directory: sAMAccountNameIBM Tivoli Directory Server :uid

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.attributes.user.fullName ディレクトリー内のユーザー・オブジェクトのフルネーム属性ID を指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するユーザーのフルネーム属性ID の例です。

Microsoft Active Directory: displayNameIBM Tivoli Directory Server: displayname

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.attributes.user.email ディレクトリー内のユーザー・オブジェクトの E メール属性名を指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するユーザーの E メール属性名の例です。

Microsoft Active Directory: mailIBM Tivoli Directory Server: mail

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.attributes.user.description ディレクトリー内のユーザー・オブジェクトの説明属性名を指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するユーザーの説明属性名の例です。

Microsoft Active Directory: descriptionIBM Tivoli Directory Server: description

32 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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表 5. LDAP 属性ファイルの設定 (続き)

設定値 説明

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.attributes.group.description ディレクトリー内のグループ・オブジェクトの説明属性名を指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するグループの説明属性名の例です。

Microsoft Active Directory: descriptionIBM Tivoli Directory Server: description

com.ibm.lwi.rolemanager.ldap.attributes.user.icon ディレクトリー内のユーザー・オブジェクトのアイコン属性名を指定します。

次の例は、LDAP サーバーに存在するユーザーのアイコン属性名の例です。

Microsoft Active Directory: thumbnailPhotoIBM Tivoli Directory Server: photo

lwiMapRole.sh 目的とする LDAP ユーザーを管理者ロールにマップします。デフォルトでは、root ユーザー ID は WPAR マネージャーのための管理者ロールにマップされます。

次の例は、LDAP サーバー上で管理者ロールを別のユーザー ID

にマップする例です。

lwiMapRole.sh-add -role administrator -user <user id>lwiMapRole.sh-add -role WPARAdministrator -user <user id>

次の例は、必要な場合に、管理者ロールに関する root ユーザー・マッピングを除去する例です。

lwiMapRole.sh-remove -role administrator -user rootlwiMapRole.sh-remove -role WPARAdministrator -user root

下表には LDAP サーバーへのセキュア SSL 接続を WPAR マネージャーから使用可能にする場合のみ必要とされる、属性の設定値が含まれています。

表 6. SSL 属性の設定設定値 説明

com.ibm.lwi.ldap.ssl.enable=true SSL を使用することを指定します。

com.ibm.lwi.ldap.ssl.keyStore 生成されたクライアントの鍵ストア・ファイル・パスを指定します。パスは、WPAR マネージャーのコア・ディレクトリー(/opt/WPAR/manager/lwi/runtime/core) への相対パスでなければなりません。以下に例を示します。

/../../security/keystore/clientKeyStore.jks

com.ibm.lwi.ldap.ssl.keyStorePassword 鍵ストアの暗号化パスワードを指定します。

com.ibm.lwi.ldap.ssl.trustStore 生成されたクライアントのトラストストア・ファイル・パスを指定します。パスは、WPAR マネージャーのコア・ディレクトリー (/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/runtime/core) への相対パスでなければなりません。以下に例を示します。

/../../security/keystore/clientTrustStore.jks.

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 33

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表 6. SSL 属性の設定 (続き)

設定値 説明

com.ibm.lwi.ldap.ssl.trustStorePassword トラストストアの暗号化パスワードを指定します。平文パスワードを暗号化するには、次のコマンドを使用します。

/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/bin/lwiencoder.sh -filename

security.properties -keylist com.ibm.lwi.ldap.ssl.keyStorePassword,

com.ibm.lwi.ldap.ssl.trustStorePassword

注: トラブルシューティングには、次のように lwilog.sh コマンドを使用して、 Light Weight InfraStructure

(LWI) コンポーネントへのログインを使用可能にします。

lwilog.sh -addlogger com.ibm.lwi.security FINEST

別のエージェント・マネージャーを使用するための WPAR マネージャーエージェントの構成特定のエージェント・マネージャーを使用するために WPAR マネージャー エージェントを構成してから、別の特定エージェント・マネージャーを使用するための WPAR マネージャー エージェントを構成しようとすると失敗します。元のエージェント・マネージャー構成をオーバーライドするには、-force フラグを指定する必要があります。

このフラグを使用すると、WPAR マネージャー エージェントは、現在のエージェント・マネージャーから登録抹消されます。その後で、新規エージェント・マネージャーに接続する場合は、 WPAR マネージャーエージェントを構成します。

別のエージェント・マネージャーを使用するために WPAR マネージャー エージェントを構成するには、以下のように構成スクリプトを実行します。

configure-agent -hostname agent_manager_hostname -force

関連情報:

61ページの『管理対象サーバーのディスカバリーの失敗』WPAR マネージャーがエージェントのディスカバリーに失敗しました。

WPAR 環境でのコンソールのセットアップIBM Systems Director Console for AIX は、デフォルトでは各 WPAR にインストールされません。WPAR 内の AIX インスタンスに対してシステム管理を使用可能にするには、 wparConsole.sh ユーティリティーを使用する必要があります。

次のように実行すると、新規に作成されたすべてのシステム WPAR に IBM Systems Director Console for

AIX がインストールされます。

#/opt/pconsole/bin/wparConsole.sh -e

システム WPAR 内のコンソールのインストールを使用不可にするには、次のように実行します。

#/opt/pconsole/bin/wparConsole.sh -d

WPAR 内のルート・ファイルシステムのデフォルト・サイズでは、コンソールには十分な大きさではありません。 WPAR を作成するときにファイルシステムのサイズを増やすには、 mkwpar コマンドに次のパラメーターを受け渡します。

#mkwpar -M directory=/ size=128M

34 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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システム WPAR が既に作成済みの場合は、 chfs コマンドを使用してルート・ファイルシステムのサイズを手動で増やすことができます。コンソールがサイズを増加する以前にアクセスされている場合は、sysmgt.pconsole.* ファイルセットを WPAR に再インストールしなければならない場合があります。WPAR 上でコンソールを使用可能にしたり、使用不可にする作業は、将来作成される WPAR にのみ影響を及ぼします。 syncwpar コマンドの詳細情報については、「WPAR の同期化」トピックを参照してください。

プロキシー・サーバー

WPAR 環境でコンソールの開始リソースを削減するために、コンソールは接続が試行されるまで開始されません。コンソールに対するすべての HTTP 要求は、要求をコンソールに転送する前に、(必要であれば)

コンソールを開始することになるプロキシーに経路指定されます。プロキシー・サーバーがシステムに構成済みかどうかについて確認するには、以下のコマンドを入力します。

#lssrc -g pconsole

プロキシー・サーバーがあるシステムの場合は、2 つの行が表示されます。 1 行目は pconsoleProxy サブシステム用、もう 1 つの行は pconsole サブシステム用です。さらに、/etc/inittab ファイルには pconsole

の代わりに pconsoleProxy サブシステムを始動するためのエントリーが含まれています。既に IBM

Systems Director Console for AIX をインストール済みのシステム上で pconsoleProxy を手動で使用可能にするには、次のコマンドを実行します。

#/opt/pconsole/bin/pconsole_config -enable

コンソールがシステム・ブートで開始されるようにプロキシーを使用不可にするには、以下のコマンドを実行します。

#/opt/pconsole/bin/pconsole_config -disable

プロキシーを構成するときに、コンソールはポート 5337 および 5338 を使用するように構成されます。一方プロキシーは 5335 および 5336 を使用します。これらの値は /pconsole/lwi/conf/overrides/

port.wpar.properties ファイル、 /pconsole/lwi/conf/webcontainer.properties ファイル、および/opt/pconsole/bin/pconsole_config ファイルを編集して変更できます。

注: プロキシーへの最初の接続に対する応答は、コンソールが開始されるまで、大幅に遅延されます。その後の要求は遅延されません。

関連概念:

13ページの『人手による再配置』WPAR マネージャー バージョン 1.2 は、人手による再配置のための静的再配置方式およびライブ再配置方式をサポートします。人手により選択されたサーバーへの人手による再配置は、ポリシー・ベースの再配置が使用可能にされた WPAR グループのメンバーである WPAR 上で行うことができます。 WPAR マネージャーは、 WPAR グループを管理しているポリシーの詳細に基づき、別のシステムに突然に介入して、再度の再配置を試みます。

関連タスク:

46ページの『WPAR の同期化』システム WPAR にインストールされたソフトウェアは、グローバル AIX システム内のソフトウェアと同期化することができます。更新を管理対象システムに適用した場合、または WPAR を再配置した場合は、WPAR を同期化する必要があります。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 35

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WPAR マネージャーの除去WPAR マネージャーは installp コマンドを実行して、使用しているシステムから除去できます。

WPAR マネージャーを除去するには、 以下の手順を実行します。

1. root ユーザーで WPAR マネージャーがインストールされているシステムにログインします。

2. 以下のように installp コマンドを実行して、 WPAR マネージャーおよびエージェント・マネージャーを除去します。

installp -ug wparmgt.mgr wparmgt.cas.agentmgr

WPAR マネージャー DB2 データベースの除去WPAR マネージャー DB2 データベースは DBUninstall.sh スクリプトを実行して、使用しているシステムから除去できます。

WPAR マネージャー DB2 データベースを除去するには、以下の手順を実行します。

注: WPAR マネージャーのためのデータベースとして Apache Derby を使用している場合は、データベースの除去のために必要になる追加ステップはありません。データベースは wparmgt.mgr.rte ファイルセットが除去されるときに除去されます。

1. root ユーザーで WPAR マネージャーのデータベースがインストールされているシステムにログインします。

2. 以下のコマンドを実行して、ディレクトリーを /opt/IBM/WPAR/manager/db/bin ディレクトリーへ変更します。

cd /opt/IBM/WPAR/manager/db/bin

3. 以下のコマンドを使用して、DBUninstall.sh スクリプトを実行します。

./DBUninstall.sh -a

4. 以下のように installp コマンドを実行して、データベースの除去を完了します。

installp -ug wparmgt.db

WPAR マネージャー・エージェントの除去WPAR マネージャー・エージェントは、 installp コマンドを実行して、使用しているシステムから除去できます。

以下のファイルセットを除去する必要があります。

v wparmgt.agent.rte

v mcr.rte

WPAR マネージャー・エージェントのすべてのファイルセットを除去するには、以下のように installp コマンドを実行します。

installp -u wparmgt.agent.rte mcr.rte

注: cas.agent ファイルセットおよび tivoli.tivguid ファイルセットは、システム上の他のプロダクトで使用中である可能性のある共用コンポーネントであり、 WPAR マネージャー・エージェントと一緒にインストールされます。これらのファイルセットは、システム上の他のプロダクトによって使用されないのであれば、システムからアンインストールすることも可能です。他のプロダクトがこれらのファイルセットに依存

36 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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している場合に、 installp -u cas.agent tivoli.tivguid コマンドを実行すると、このコマンドは失敗します。これらのファイルセットおよび何らかの他の依存性を除去するには、 installp コマンドに -g フラグを指定します。

関連タスク:

39ページの『管理対象システムの除去』管理対象システムを除去するときに、 WPAR マネージャーは、そのシステムにデプロイされているWPAR を処理するためのオプションを提供します。

WPAR マネージャーによるワークロード・パーティションの管理システム、WPAR および WPAR グループを管理する場合は、 WPAR マネージャーを使用します。

WPAR マネージャーを使用するには、事前にご使用のブラウザーで JavaScript を使用可能にする必要があります。 WPAR マネージャーをインストールして構成すれば、Web ブラウザーで http://<wpar-manager.yourdomain.com>:<public_port>/ibm/console を入力することによりアクセスできます。WPAR マネージャーのデフォルトの公開ポートは 14080 です。ログインするためのプロンプトが表示されたら、WPAR マネージャー・システムの root ユーザーの名前とパスワードを使用してください。

WPAR マネージャーのインターフェースにアクセスするために Internet Explorer を使用する場合は、Adobe 社の SVG グラフィックス・プラグインがインストールされていなければなりません。このプラグインは、Adobe 社の Web サイト (http://www.adobe.com/svg/viewer/install/) からダウンロードできます。

関連概念:

27ページの『アプリケーション・モビリティーのための環境の構成』アプリケーション・モビリティーをサポートする環境のセットアップには制約事項があります。ライブおよび静的再配置には、異なる制約事項があります。

管理対象システム管理対象システムは、WPAR マネージャー・エージェントがインストールされて、構成済みの AIX のロジカル・パーティション (LPAR) です。

管理対象システムには、以下のいずれかのシステム・タイプがあります。

物理システムWPAR サポート機能のある AIX が稼働されている POWER4 システムおよびこれ以降のシステムです。サーバーが ハードウェア管理コンソール (HMC) または Integrated Virtualization Manager

によって管理されていなくても、ファームウェアにはフル・システム・パーティション または工場出荷時デフォルト構成 が定義されていますので、システムにはシステム・リソースのすべてを使用している 1 つのロジカル・パーティションとして現れます。

仮想システムAIX がインストールされて稼働している POWER4 システムまたはこれ以降のシステム上の LPAR

です。

管理対象システムの定義管理対象システムが WPAR マネージャーに登録されるときに、エージェントから取り出されたシステムのハードウェアおよびソフトウェア特性に基づいて、システム・プロファイルが管理対象システムへ自動的に割り当てられます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 37

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AIX サーバーまたは LPAR を管理対象システムとして WPAR マネージャーの管理環境に加えるには、以下の手順を実行します。

1. WPAR をサポートする AIX のバージョンでシステムが稼働されていることを確認します。使用するシステムが WPAR をサポートしている場合に、lslpp -lq bos.wpars コマンドを実行すると、ファイルセットに関する基本情報が返されます。使用するシステムが WPAR をサポートしていない場合は、ファイルセットがインストールされていないことを示すメッセージが表示されます。

2. WPAR マネージャー・ソフトウェアのインスタンスがインストールおよび構成されていることを確認します。

3. WPAR マネージャー・エージェントをシステムにインストールします。

4. WPAR マネージャー・サーバー・ソフトウェアを使用してエージェントを登録し、エージェントを開始します。

WPAR マネージャー・エージェントが管理対象システムにインストールされている場合は、この管理対象システムはシステムとの通信を行うために、WPAR マネージャーによって発見されなければなりません。新規の管理対象システムを WPAR マネージャー内で発見するには、「管理対象システム・リソース」ビューで「発見」ボタンを選択します。管理対象システムは正常に発見されて登録されると、 WPAR マネージャーに表示され、「オンライン」状態になります。

管理対象システム属性の表示または変更WPAR マネージャーを使用すると、アプリケーションに登録済みの管理対象システムに関する、構成の詳細および物理属性の表示および変更が可能になります。 WPAR マネージャーの使用により、管理対象システムに割り当てられた記述ドメインおよび再配置ドメインを変更できます。

システムの属性を変更または表示するには、以下の手順を実行してください。

1. ナビゲーション領域の「リソース・ビュー」セクションに進みます。

2. 「管理対象システム」を選択します。

3. 管理対象システムの表で、システムの名前をクリックします。

関連概念:

27ページの『システム WPAR 用のアプリケーション・モビリティーの構成』WPAR マネージャー 1.2 は WPAR の静的再配置およびライブ再配置をサポートします。静的再配置は、ファイルシステム状態を保持している状態での、起点ノード上の WPAR のシャットダウン、および宛先ノード上の WPAR のクリーン・スタートとして定義されます。ライブ再配置では、アプリケーション・スタックの状態が宛先システムに保持されます。

管理対象システムのプロファイルの更新システムを初めて登録する場合、WPAR マネージャーは、管理対象システムに固有のハードウェアおよびソフトウェア構成パラメーターを保管します。 etc/wpars/secattrs に指定されている WPAR 特権セット(WPS) を含む、システムの構成変更が行われるときは、常に、管理対象システムに割り当てられているシステム・プロファイルが無効になり、それを更新する必要があります。

システム・プロファイルを更新すると、再配置の宛先を推奨するために使用される互換性分析が起動され、管理対象システム用の WPAR 特権セットをリフレッシュします。

注: 管理対象システムはそのシステム・プロファイルを介して WPAR グループに割り当てられます。したがって、構成変更の結果として、管理対象システムが別のプロファイルに割り当てられた場合、その管理対象システムは自動再配置のための宛先から除外される可能性があります。

1. ナビゲーション領域の「リソース・ビュー」セクションに進みます。

38 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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2. 「管理対象システム」を選択します。

3. 管理対象システムの表から、「選択」列の対応するチェック・ボックスを選択して、管理対象システムを選択します。

4. 「システム・プロファイルの更新」を選択します。

管理対象システムのパフォーマンス・メトリックの表示両方の管理対象システムと WPAR に関して、選択したパフォーマンス・メトリックに対する現在データおよび履歴データを表示することができます。

パフォーマンス・メトリックの表示は、システムを使いすぎているのか、または使い方が足らないのかの判断に役立ちます。この情報は使用している WPAR の管理のあり方について決める場合に役立てることができます。例えば、WPAR の新規追加がパフォーマンスに影響を及ぼすかどうか、あるいは、WPAR を他の管理対象システムへ再配置するとパフォーマンスが改善されるのかどうかについて、判断して決定する場合に役立てることができます。

管理対象システムおよび WPAR のパフォーマンス・メトリックを表示するには、以下の手順を実行します。

1. WPAR マネージャーの「管理対象システム」ビューに進みます。

2. 1 つのシステムを選択します。

3. 「パフォーマンス・メトリック」を選択します。 「パフォーマンス・メトリック」ページが開きます。

「パフォーマンス・メトリック」ページから、以下の情報を表示できます。

v 選択したメトリックに関する最近のパフォーマンスの傾向

v 長期的な履歴パフォーマンス・データ

管理対象システムの除去管理対象システムを除去するときに、 WPAR マネージャーは、そのシステムにデプロイされているWPAR を処理するためのオプションを提供します。

WPAR マネージャーのデータベースに対して WPAR のデータベース定義を削除または保存することは可能であり、管理対象システムが除去されるときに、その WPAR をシステムからアンデプロイすることも可能です。

管理対象システムが WPAR マネージャーから除去されると、最初の登録は取り消され、管理対象システムにインストールされたエージェントは、もうアプリケーションとは通信することができなくなります。管理対象システムは WPAR マネージャーから除去されると、これ以降はモニターされません。また、WPAR

マネージャーのユーザー・インターフェースにも表示されません。しかし、WPAR マネージャー・エージェント・ソフトウェアはシステム上で継続して実行されます。

関連タスク:

36ページの『WPAR マネージャー・エージェントの除去』WPAR マネージャー・エージェントは、 installp コマンドを実行して、使用しているシステムから除去できます。

WPAR の管理WPAR マネージャーにより、 WPAR の作成、開始、および停止などの基本管理タスクを実行できます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 39

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WPAR グループの管理WPAR グループは共通の再配置ポリシー設定によって規制される WPAR の定義済みグループです。

ポリシー・ベースの WPAR 再配置の利点を生かすために、WPAR グループを作成し、アプリケーションの親和性に基づいて WPAR を割り当てます。例えば、ホテル予約のアプリケーションでは、以下の 3 つの WPAR グループでの構成が考えられます。

v Web サーバー・グループ: Web サーバーをホスティングする、すべての WPAR が含まれる。

v アプリケーション・サーバー・グループ: アプリケーション・サーバーをホスティングする、すべてのWPAR が含まれる。

v データベース・サーバー・グループ: データベースをホスティングする、すべての WPAR が含まれる。

それぞれの WPAR グループは、そのグループ内の一組の WPAR が、 1 つの集団にまとめられたアプリケーションをホスティングする、ホテル・アプリケーション・スタック内の 1 つの層として作動します。

WPAR グループの定義には、グループに属している WPAR のリストだけでなく、各種ワークロード関連のメトリックに応じた WPAR の自動再配置を規制するポリシーの定義も含まれています。 WPAR グループを作成するには、「ガイド付きアクティビティー」 > 「WPAR グループの作成」の順に選択します。下図には、WPAR グループの一般的な構成が描かれています。

関連概念:

15ページの『ポリシー・ベースの再配置』ポリシー・ベースの再配置は、チェックポイントを指定することができる WPAR に対してのみ使用可能で

図 2. WPAR グループの一般的な構成

40 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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す。

WPAR の作成WPAR マネージャーにより、複数システム全体にわたって WPAR の作成および管理を行うことができます。

WPAR マネージャーを使用して WPAR を作成するときに、オプションのセットから選択して WPAR を特定システムへデプロイすることができます。 WPAR をデプロイしない場合、その構成は後で使用するために WPAR マネージャー・データベースに保管されます。システムにデプロイされない WPAR はアンデプロイ状態になります。この状態はアプリケーションにより制御される管理対象システムのいずれのWPAR にも、割り振られるリソースがないことを示しています。アンデプロイ状態の WPAR は、必要になれば、後でデプロイすることも可能です。

注: WPAR マネージャーは同じネットワーク構成で複数の WPAR を使用することを制限していませんが、注意してください。新規 WPAR を、そのネットワーク構成が別の WPAR で、既に使用されている管理対象システムへデプロイする場合、そのデプロイメント・タスクは失敗します。一方、WPAR が、同一ネットワーク構成で WPAR をホスティングしているシステムとは異なるシステムへデプロイされる場合は、エラーにはならないで、2 つの WPAR は同一ネットワーク・アドレスを共用することになります。

WPAR を作成するには、「ワークロード・パーティションの作成」ウィザードまたは拡張インターフェースのうちのどちらかを使用します。 WPAR マネージャーにワークロード・パーティションを初めて作成する場合は、「ワークロード・パーティションの作成」ウィザードの使用をお勧めします。

「ワークロード・パーティションの作成」ウィザードを使用して WPAR を作成するには、以下の手順を実行します。

1. root ユーザーとして、WPAR マネージャーがインストールされているシステムにログインします。

2. 「ガイド付きアクティビティーの選択」 > 「ワークロード・パーティションの作成」の順に選択します。

3. 「次へ」を選択してウィザードを開始します。

4. 各ページの指示に従ってウィザードを完了させます。

拡張インターフェースを使用して WPAR を作成するには、以下の手順を実行します。

注: WPAR マネージャーでのワークロード・パーティションの作成プロセスに精通している場合のみ、拡張インターフェースを使用してください。

1. root ユーザーとして、WPAR マネージャーがインストールされているシステムにログインします。

2. 「ガイド付きアクティビティーの選択」 > 「ワークロード・パーティションの作成」の順に選択します。

3. 「ワークロード・パーティションの作成」ページで、「拡張インターフェースの使用」を選択します。

4. 各ページでアスタリスク (*) のマークを付けられたすべての必須フィールドを入力します。

ライブ再配置をサポートする WPAR の作成:

ライブ再配置は WPAR 内で実行しているアプリケーション・スタックの状態を失うことなく、WPAR を別のシステムへ再配置する機能です。

ライブ再配置をサポートする WPAR を作成するには、使用している WPAR を以下のように構成する必要があります。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 41

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v ライブ再配置をサポートするには、 WPAR のチェックポイント・オプションが使用可能に設定されていなければなりません。この設定は WPAR が「Enable checkpoint (チェックポイントを使用可能にする)」オプションにより作成されるときに指定できます。チェックポイント・オプションが使用可能にされた WPAR では、構成が類似する別のシステムに復元する目的で、WPAR 内で実行している各アプリケーションの内部状態をそのアプリケーションにより保存できます。

v 有効なネットワーク構成を指定します。ネットワーク接続されていない WPAR を再配置することはできません。 使用している WPAR の名前が有効なネットワーク・ホスト名を解決している場合、 WPAR

は自動的にネットワークに接続されます。使用している WPAR の名前が有効なネットワーク・ホスト名を解決していない場合は、接続情報を提供する必要があります。

注: WPAR マネージャーは WPAR の名前が有効なネットワーク・ホスト名を解決しているかどうかについて、検査して確認しません。

v チェックポイントを使用可能にされた WPAR のすべてのファイルシステムは、 NFS マウントとして指定する必要があります。 ただし、/usr ファイルシステムおよび /opt ファイルシステムは除きます。これらのファイルシステムは管理対象システムから読み取り専用の namefs ファイルシステムとしてマウントできます。 NFS ファイルシステムについては、読み取り/書き込みアクセス権限、WPAR ホスト名への root アクセス権限、起点システムのホスト名、および宛先システムのホスト名を指定してエクスポートする必要があります。

関連概念:

27ページの『アプリケーション・モビリティーのための環境の構成』アプリケーション・モビリティーをサポートする環境のセットアップには制約事項があります。ライブおよび静的再配置には、異なる制約事項があります。

43ページの『/、/tmp、/var、および /home ファイルシステムのマウント』モバイル WPAR の場合は、 NFS を使用して読み取り/書き込みファイルシステムとして、リモート側で /

ファイルシステム、 /tmp ファイルシステム、/var ファイルシステム、および /home ファイルシステムをマウントする必要があります。

/opt ファイルシステムおよび /usr ファイルシステムのマウント:

モバイル WPAR は、 /usr ファイルシステムおよび /opt ファイルシステムを、 NFS を使用してネットワークを介してマウントするか、または namefs の使用により読み取り専用ファイルシステムとしてマウントします。

リモート /usr ファイルシステムおよびリモート /opt ファイルシステムの指定による WPAR の作成は大規模の操作になるため、それらは読み取り専用ファイルシステムとしてローカル側にマウントすることをお勧めします。ファイルシステムをローカル側にマウントすると、WPAR のファイルシステムをホスティングすることになる NFS サーバーのファイルシステム・サイズの所要量も軽減されます。例えば、ローカル/usr ファイルシステムおよびローカル /opt ファイルシステムを使用して作成される WPAR には、 NFS

サーバーに少なくとも約 450 MB が必要ですが、これはその他のファイルシステムをホスティングするためのものです。 /usr ファイルシステムおよび /opt ファイルシステムがリモート側で構成される場合、必要となる最小スペースは約 2 GB に増えます。これらのファイルシステムをローカル側にマウントする場合の利点はありますが、 WPAR はそれ自体のプログラム・セットをインストールしておく必要があり、かつ、専用 /usr ファイルシステムおよび専用 /opt ファイルシステムも必要な場合、ローカル側で読み取り専用ファイルシステムを使用することは不可能です。このようなケースでは、/usr ファイルシステムおよび /opt ファイルシステムは、 NFS を使用して読み取り/書き込みファイルシステムとしてリモート側でマウントする必要があります。

42 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

Page 51: AIXバージョン 6public.dhe.ibm.com/systems/power/docs/aix/61/nl/ja/...IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 の新機能 IBM PowerVM Workload Partitions Manager

/、/tmp、/var、および /home ファイルシステムのマウント:

モバイル WPAR の場合は、 NFS を使用して読み取り/書き込みファイルシステムとして、リモート側で /

ファイルシステム、 /tmp ファイルシステム、/var ファイルシステム、および /home ファイルシステムをマウントする必要があります。

これらの各ファイルシステムは、「Preserve file system (ファイルシステムの保存)」オプションが使用されていない場合は、空にしておく必要があります。

NFS サーバーの標準的なディレクトリー構造として、以下の例があります。

/parent-dir/wparname

/home/tmp/var

関連タスク:

41ページの『ライブ再配置をサポートする WPAR の作成』ライブ再配置は WPAR 内で実行しているアプリケーション・スタックの状態を失うことなく、WPAR を別のシステムへ再配置する機能です。

コマンド行から作成された WPAR の処理:

コマンド行から作成された WPAR は、 WPAR マネージャーによって発見されます。

発見された WPAR の構成は、アプリケーションの WPAR マネージャー・データベースに保管されます。WPAR が発見されると、それらは WPAR マネージャーを通して作成されたかのように、この発見されたWPAR 上で操作を行うことができます。

関連情報:

IBM AIX ワークロード・パーティション内のシステム WPAR の構成

IBM AIX ワークロード・パーティション内のアプリケーション WPAR の構成

WPAR 属性の表示または変更WPAR マネージャーは、アプリケーションによって管理される WPAR の構成を表示または変更する能力を提供します。

WPAR が管理対象システムにデプロイされていない場合、WPAR マネージャーにより WPAR の属性のすべてを変更することが可能です。現在、WPAR が管理対象システムにデプロイされている場合、 WPAR

の構成に対して選択された属性だけが、WPAR の状態に応じて変更できます。

WPAR の「属性」ページを表示するには、ナビゲーション領域の「リソース・ビュー」セクションに進み、「ワークロード・パーティション」を選択します。管理対象システムの表で、「属性」ページへのリンクである WPAR の名前をクリックします。あるいは、「選択」列のチェック・ボックスを選択して、WPAR を選択し、続いて「属性の表示/変更」を選択します。

AIX コマンドで変更された WPAR による処理:

WPAR マネージャーは WPAR の構成を変更するためのユーザー・インターフェースを提供していますが、コマンド行を使用して変更することも可能です。コマンド行による変更が完了すると、わずかの遅れでWPAR マネージャーが変更を見つけて、新しい構成を反映するために WPAR マネージャーのデータベースが更新されます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 43

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WPAR のデプロイWPAR を管理対象システムに作成する場合は、データベース内の WPAR の定義を使用します。

WPAR のデプロイは WPAR のタイプに応じて異なる処理になります。システム WPAR がデプロイされるときに、リソースがターゲット管理対象システムに割り振られても、デプロイメント・オプションの一部として指定されなければ、その WPAR は開始されません。システム WPAR は、ユーザーによってシステムから除去されなければ、「アンデプロイ済み」状態に戻りません。一方、アプリケーション WPAR については、 WPAR がシステムにデプロイされると、すぐに開始されます。 WPAR 内で実行するアプリケーションが完了すると、 WPAR の有効期間も完了することになります。 WPAR は、もはやサーバーに存在していないことになるため、 WPAR マネージャーは WPAR の状態をアンデプロイに戻します。

管理対象システムへ WPAR をデプロイするには、以下の手順を実行します。

1. デプロイする WPAR を見つけます。ナビゲーション領域で「リソース・ビュー」を展開し、「ワークロード・パーティション」を選択します。すべての定義済みワークロード・パーティション (「デプロイ済み」および「アンデプロイ済み」の両方) の表形式ビューが表示されます。

2. デプロイされていない WPAR を選択し、「デプロイ」を選択します。「ワークロード・パーティションのデプロイ」ページが表示されます。

3. 「ワークロード・パーティションのデプロイ」ページからデプロイメントのための宛先システムを入力し、「了解」をクリックして、選択された WPAR をデプロイします。

WPAR のバックアップWPAR マネージャーにおけるバックアップ操作では、選択したファイルがバックアップ・イメージ・ファイルにバックアップされます。

この機能は mkwpardata コマンドの後に savewpar コマンドを続けて実行する場合と同じです。その結果のバックアップ・イメージは、restwpar コマンドまたは WPAR マネージャーのユーザー・インターフェースを使用して WPAR を再作成するために使用できます。

この操作には、以下の制限があります。

v バックアップできるのは、定義済み状態またはアクティブ状態になっているシステム WPAR だけである。その他の WPAR については、「バックアップ」メニュー・オプションが使用不可になります。

v AIX ファイルへのバックアップのみが可能である。 CD-ROM、DVD、またはテープにバックアップするには、管理対象システムにログオンし、 mkwpardata および savewpar コマンドにそれぞれ必要なオプションを指定して、これらのコマンドを使用します。

ワークロード・パーティションを管理対象システム上のイメージ・ファイルにバックアップするには、以下の手順を実行します。

1. デプロイする WPAR を見つけます。ナビゲーション領域で「リソース・ビュー」を展開し、「ワークロード・パーティション」を選択します。すべての定義済みワークロード・パーティション (デプロイ状態およびアンデプロイ状態の両方) の表形式ビューが表示されます。

2. バックアップしたい WPAR を選択し、「アクション」ボタンをクリックして、「バックアップ」を選択します。

3. 「WPAR のバックアップ」ページで、バックアップ・ディレクトリーのロケーションおよびその他のバックアップ・オプションを指定します。

4. 「了解」をクリックしてバックアップを完了します。

44 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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WPAR の復元WPAR は WPAR マネージャーまたは savewpar コマンドを使用して作成されたバックアップ・イメージ・ファイルから復元できます。

ワークロード・パーティションのバックアップ・イメージには、image.data ファイルと WPAR 名の特性を設定するために使用されるワークロード・パーティション仕様ファイルが含まれています。

バックアップ・イメージからワークロード・パーティションを復元するには、以下の手順を実行します。

1. デプロイする WPAR を見つけます。ナビゲーション領域で「リソース・ビュー」を展開し、「ワークロード・パーティション」を選択します。すべての定義済みワークロード・パーティション (デプロイ状態およびアンデプロイ状態の両方) の表形式ビューが表示されます。

2. 「アクション」ボタンをクリックして、「復元」を選択します。

3. 「WPAR の復元」ページから、バックアップ・イメージが作成された管理対象システムの完全ホスト名、およびバックアップ・イメージへのパスを指定します。その他のオプションは「同期」タブまたは「その他のオプション」タブを選択して指定できます。

4. 「了解」をクリックしてタスクを完了します。

システム WPAR の開始WPAR が作成されると、 WPAR のインフラストラクチャーのみ残されます。 WPAR はユーザーが開始する必要があります。

パーティションが開始される前は、ファイルシステムはマウントされていない状態で、ネットワーク構成は活動状態になっていないため、プロセスは実行されていません。 WPAR を作成してから開始することを指定しないと、 WPAR は定義済み状態になり、開始されるまで使用できません。システム WPAR を開始できるのは、定義済み状態の場合だけです。このアクションを実行できるのはシステム WPAR に対してのみです。アプリケーション WPAR は、システムにデプロイされると、ただちに開始されるため、そのまま定義済み状態になることはありません。

システム WPAR を開始するには、以下の手順を実行します。

1. ナビゲーション領域から、「リソース・ビュー」 > 「ワークロード・パーティション」の順に選択して、 WPAR のビューを開きます。

2. 開始する必要のある「定義済み」状態の WPAR を 1 つ以上選択します。ドロップダウン・メニューから、「開始」を選択します。

WPAR の停止システム WPAR およびアプリケーション WPAR は、管理対象システムで活動状態になっている場合に停止できます。

WPAR のタイプによって、停止操作の処置は異なります。システム WPAR およびアプリケーションWPAR のいずれも、停止操作により実行中の WPAR は非活動状態になります。システム WPAR はそのままシステムに残りますが、WPAR の状態は「定義済み」に変更されます。アプリケーション WPAR が停止されると、 WPAR の構成はシステムから除去され、状態は「アンデプロイ済み」に変更されます。

WPAR を停止するには、以下の手順を実行します。

1. 「活動状態の WPAR」を選択します。これを行うには、「リソース・ビュー」 > 「ワークロード・パーティション」の順に選択します。

2. 停止したい 1 つ以上の WPAR を選択します。ドロップダウン・メニューから、「停止」を選択します。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 45

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WPAR の一時停止WPAR マネージャーを使用すると、管理対象システムにデプロイされる WPAR を一時停止することが可能になります。

チェックポイント・オプションが有効であれば、 WPAR を一時停止することのみ可能です。 WPAR が一時停止されると、そのプロセスはすべて凍結され、プロセスの状態のスナップショットがディスクに採取されて、ネットワーク・トラフィックは停止され、 WPAR は「一時停止」状態に変えられます。あとで、この保存された状態を使用して、一時停止されたポイントから WPAR での操作を再開できます。 WPAR が一時停止されるときに活動状態のネットワーク接続がある場合、 WPAR が長い間一時停止されたままになっていると、その接続はタイムアウトになります。

WPAR を一時停止するには、以下の手順を実行します。

1. 「活動状態の WPAR」を選択します。これを行うには、「リソース・ビュー」 > 「ワークロード・パーティション」の順に選択します。

2. 一時停止させたい 1 つ以上の WPAR を選択します。ドロップダウン・アクション・メニューから、「一時停止」を選択します。

WPAR の再開一時停止状態または凍結状態の WPAR は WPAR マネージャーを使用して再開できます。

WPAR を再開すると、 WPAR 用のすべてのプロセスは実行を続行します。また、WPAR のネットワーク接続も有効期限が切れていなければ再開されます。

WPAR を再開するには、以下の手順を実行します。

1. 「活動状態の WPAR」を選択します。これを行うには、「リソース・ビュー」 > 「ワークロード・パーティション」の順に選択します。

2. 一時停止状態または凍結状態の 1 つ以上の WPAR を選択します。ドロップダウン・メニューから、「再開」を選択します。

WPAR の同期化システム WPAR にインストールされたソフトウェアは、グローバル AIX システム内のソフトウェアと同期化することができます。更新を管理対象システムに適用した場合、または WPAR を再配置した場合は、WPAR を同期化する必要があります。

同期化ページでオプションを選択して、installp ファイルセット、RPM ファイルセット、またはインストール済みソフトウェアのすべてを同期化することができます。また、バックアップ・イメージから WPAR

を復元するときにも、同期化が用意されています。同期化ページはアンデプロイされた WPAR またはアプリケーション WPAR には使用不可です。

WPAR を同期化する場合は、以下の手順を実行します。

1. 管理対象システムにデプロイされるシステム WPAR を選択します。これを行うには、「リソース・ビュー」 > 「ワークロード・パーティション」の順に選択します。

2. 表から、同期化したい WPAR を 1 つ以上選択します。

3. ドロップダウン・メニューから、「同期化」を選択します。

関連概念:

34ページの『WPAR 環境でのコンソールのセットアップ』IBM Systems Director Console for AIX は、デフォルトでは各 WPAR にインストールされません。WPAR 内の AIX インスタンスに対してシステム管理を使用可能にするには、 wparConsole.sh ユーティリ

46 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

Page 55: AIXバージョン 6public.dhe.ibm.com/systems/power/docs/aix/61/nl/ja/...IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 の新機能 IBM PowerVM Workload Partitions Manager

ティーを使用する必要があります。

WPAR プロセスの終了一時停止状態にある WPAR は、通常の停止手段では管理対象システムから停止できません。終了プロセスを使用する必要があります。

一時停止状態にある WPAR を停止する必要がある場合は、「プロセスの終了」アクションを使用しなければなりません。 WPAR 上でのプロセスの終了は、 WPAR の停止に類似していますが、これは一時停止状態にある WPAR に対してのみ機能します。 WPAR のタイプに応じて、「プロセスの終了」アクションは異なる処置になります。両方の WPAR タイプでは、「プロセスの終了」アクションにより一時停止されたWPAR の実行は強制的に非活動化されます。しかし、システム WPAR はシステムに残されますが、その状態は「定義済み」に変更されます。アプリケーション WPAR のプロセスが終了すると、 WPAR はシステムから除去され、その状態は「アンデプロイ済み」に変更されます。

一時停止された WPAR のプロセスを終了させるには、以下の手順を実行します。

1. 一時停止された WPAR を選択します。これを行うには、「リソース・ビュー」 > 「ワークロード・パーティション」の順に選択します。

2. 1 つ以上の一時停止状態の WPAR を選択し、ドロップダウン・メニューから「プロセスの終了」を選択します。

WPAR の除去WPAR を除去する場合は、特定の管理対象システムから WPAR を除去するのか、あるいは管理対象環境から WPAR を完全に除去するのかを決める必要があります。

WPAR をシステムから除去しても、その構成は WPAR マネージャーのデータベースに残され、その状態は「アンデプロイ済み」に変更されます。「アンデプロイ済み」状態になっている WPAR の除去を試みるか、または WPAR の定義を除去することを選択すると、WPAR は WPAR マネージャー・データベースから除去されます。

現在、管理対象システムにデプロイされている WPAR は除去できます。 WPAR 用に割り振られたすべてのリソースは、WPAR をホスティングしている管理対象システムに解放されます。 WPAR が削除アクションを要求されたときに活動状態であれば、最初にその WPAR が停止されます。

システム WPAR の場合、 WPAR によって使用されるファイルシステムを保存する必要がある場合は、追加のオプションが用意されています。このオプションは、WPAR が再度デプロイされる場合、および新規のファイルシステムを作成する代わりに、同じファイルシステムを再度使用する場合に役立ちます。

WPAR ストレージ・デバイスの管理WPAR マネージャーを使用すると、ストレージ・デバイスを workload partitionに割り振ったりエクスポートしたりすることができます。ストレージ・デバイスは、デバイスを WPAR に割り当てたときに、そのWPAR に割り振られます。ストレージ・デバイスは、WPAR が開始したとき、あるいは、開始済みのWPAR にストレージ・デバイスを割り振ったときは自動的に、その WPAR にエクスポートされます。ストレージ・デバイスが正常にエクスポートされるまでは、WPAR はそのストレージ・デバイスを使用することはできません。

ストレージ・デバイスを WPAR にエクスポートする前に、以下の前提条件と制約事項をご確認ください。

v ストレージ・デバイスは、ストレージ・エリア・ネットワークを介して管理対象サーバーに接続されていなければなりません。

v ストレージ・デバイスは、管理対象システムである WPAR に対してのみ割り振ることができます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 47

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v ストレージ・デバイスは、チェックポイントが有効になっている WPAR に割り振ることはできません。

v ストレージ・デバイスは、グローバル環境で使用中の WPAR にエクスポートすることはできません。

v ストレージ・デバイスを複数の WPAR にエクスポートすることはできません。

ストレージ・デバイスを新規の WPAR にエクスポートするには、「ワークロード・パーティションの作成」ウィザードを使用します。それ以外の場合は、「WPAR の変更 (Modify WPAR)」を使用して、既存の WPAR にストレージ・デバイスをエクスポートしてください。

既存の WPAR へのストレージ・デバイスのエクスポート既存の workload partition (WPAR) にストレージを割り振るには、WPAR マネージャーの「WPAR の変更(Modify WPAR)」を使用します。

ストレージ・デバイスを既存の WPAR にエクスポートするには、「WPAR の変更 (Modify WPAR)」アクションを使用します。この作業を行うには、以下の手順を実行します。

1. root ユーザーで WPAR マネージャーがインストールされているシステムにログインします。

2. 「WPAR マネージャーによるワークロード・パーティションの管理 (Managing workload partitionswith WPAR manager)」 > 「WPAR の管理 (Managing WPARs)」 > 「WPAR 属性の表示または変更 (Viewing or modifying WPAR properties)」の順に選択します。

3. 「WPAR の変更 (Modify WPAR)」を選択します。

4. 「デバイス」タブで、「追加」をクリックします。 「エクスポートするデバイスの追加 (Add Devicesfor Export)」ページが表示されます。このページには、管理対象システムで使用可能なストレージ・デバイスが表示されます。このページに表示される情報は、デバイス・タイプ、デバイス名、デバイスID、このデバイスが WPAR にエクスポート済みか否か、およびこのデバイスが割り振られているWPAR の数です。

5. WPAR にエクスポートする各デバイスの横にあるチェックボックスを選択します。

6. 「OK」をクリックすると、選択したストレージ・デバイスが WPAR に割り振られ、さらに「エクスポートするデバイスの追加 (Add Devices for Export)」ページが閉じられます。

「WPAR の変更 (Modify WPAR)」アクションが「定義済み (Defined)」状態の WPAR で実行されると、デバイスがその WPAR に対して割り振られます。 WPAR で「開始 (Start)」アクションを実行すると、管理対象システムの割り振り済みストレージ・デバイスを当該 WPAR にエクスポートしようとします。該当のデバイスがグローバル環境で使用されていない場合、あるいは別の WPAR で使用中でない場合は、それらのデバイスはこの WPAR 内で使用可能になります。デバイスが他で使用されていると、WPAR は正常に開始されますが、エラー・メッセージが表示されます。

開始済みの WPAR で「WPAR の変更 (Modify WPAR)」アクションが実行されると、他で使用中でない限りデバイスは自動的にエクスポートされます。開始済みの WPAR にエクスポートされたデバイスについては、cfgmgr コマンドをその WPAR 内で実行しなければこれらのデバイスは使用可能になりません。cfgmgr コマンドは、WPAR が開始されたときに自動的に実行されます。

新規の WPAR へのストレージ・デバイスのエクスポートストレージ・デバイスを新規の workload partitions (WPAR) にエクスポートするには、WPAR マネージャーで「ワークロード・パーティションの作成」ウィザードを使用します。

ストレージ・デバイスを新規の WPAR にエクスポートするには、以下の手順を実行します。

1. root ユーザーで WPAR マネージャーがインストールされているシステムにログインします。

2. 「ガイド付きアクティビティー」 > 「ワークロード・パーティションの作成」の順に選択します。

48 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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3. 「次へ」をクリックしてウィザードを開始します。

4. 各ページで示される指示に従います。

5. 「デバイス」タブで、「追加」をクリックします。 「エクスポートするデバイスの追加 (Add Devicesfor Export)」ページが表示されます。このページには、管理対象システムで使用可能なストレージ・デバイスが表示されます。このページに表示される情報は、デバイス・タイプ、デバイス名、デバイスID、このデバイスが WPAR にエクスポート済みか否か、およびこのデバイスが割り振られているWPAR の数です。

6. WPAR にエクスポートする各デバイスの横にあるチェックボックスを選択します。

7. 「OK」をクリックすると、選択したストレージ・デバイスが WPAR に割り振られ、さらに「エクスポートするデバイスの追加 (Add Devices for Export)」ページが閉じられます。

8. 必要に応じてウィザードの残りのページを完了します。

9. ウィザードでの作業が完了したら、「終了 (Finish)」をクリックしてウィザードを閉じます。

選択したデバイスが WPAR に割り振られて「定義済み (Defined)」状態となった新規 WPAR が作成されます。WPAR で「開始 (Start)」アクションを実行すると、管理対象システムの割り振り済みストレージ・デバイスを当該 WPAR にエクスポートしようとします。該当のデバイスがグローバル環境で使用されていない場合、あるいは別の WPAR で使用中でない場合は、それらのデバイスはこの WPAR 内で使用可能になります。デバイスが他で使用されていると、WPAR は正常に開始されますが、エラー・メッセージが表示されます。

WPAR のストレージ・デバイスの表示WPAR マネージャーには、管理対象システムで使用可能なストレージ・デバイスを表示する全体ビューが用意されています。

管理対象システムのストレージ・デバイスのインベントリー情報すべてを表示するには、以下の手順を実行します。

1. root ユーザーで WPAR マネージャーがインストールされているシステムにログインします。

2. ナビゲーション領域の「リソース・ビュー」セクションに進みます。

3. 「管理対象システム」を選択します。

4. 管理対象システムの表で、システムの名前をクリックします。

5. 「デバイス」タブをクリックします。 管理対象システムに割り振られたデバイスに関して、以下の情報が表示されます。

v タイプ (Type) – ディスク、テープ、または CD-ROM など、デバイスのタイプを表します。

v デバイス (Device) – グローバル環境に構成済みのデバイスの名前を表します。

v デバイス ID (Device ID) – ディスクの固有 ID を表します。これは、タイプがテープまたはCD-ROM のデバイスには当てはまりません。

v エクスポート済み (Exported) – これまでにデバイスがエクスポートされた WPAR の名前を表します(存在する場合)。

v 割り振り済み (Allocated) – 現在デバイスが割り振られている WPAR の数を表します (存在する場合)。

WPAR マネージャーの管理WPAR マネージャーの環境は、データベースのバックアップ、パスワードの変更、WPAR マネージャーの停止および開始、および診断トレースの使用可能化を行うスクリプトを使用して管理することができます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 49

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管理スクリプトスクリプトを実行して、有用な管理用タスクを実行します (例えば、実行中のアプリケーション内でトレース・ユーティリティーを動的に使用可能あるいは使用不可にする、ユーザーまたはグループを WPAR マネージャーによって定義された J2EE ロールにマップする、または WPAR マネージャー・データベースのオフライン・バックアップを実行する)。

注: これらのスクリプトが実際にあるロケーションは、インストールのときにデフォルトのインストール・ロケーションがオーバーライドされたかどうかによって異なります。

表 7. 管理スクリプトの情報スクリプト 説明 デフォルトのロケーション

lwilog.sh 実行中のアプリケーションで、トレース・ユーティリティーを動的に使用可能または使用不可にします。

v トレース・ユーティリティーを使用可能にするには、以下を実行します。

lwilog -addLogger -name package_name -level ¥package_level

v トレース・ユーティリティーを使用不可にするには、以下を実行します。

lwilog -removeLogger -name package_name

情報は /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/logs/trace-log-#.html

ファイルと /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/logs/error-log-

#.html ファイルに記録されます。ここで、# は数字で置き換えられます。ゼロ (0) の場合は、書き込まれた最新のトレース・ログ・ファイルを表します。

/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/bin/lwilog.sh

lwiMapRole.sh ユーザーまたはグループを WPAR マネージャーによって定義された J2EE ロールにマップします。このスクリプトは、WPAR マネージャーへログインすることを許可されているユーザーまたはグループ、および各ユーザーまたはグループのロールを変更する場合に使用できます。

使用法について表示する場合は、このスクリプトをパラメーターの指定なしで実行します。

/opt/IBM/WPAR/lwi/bin/lwiMapRole.sh

wparmgr start

wparmgr stop

wparmgr restart

wparmgr status

WPAR マネージャーを開始、停止、再始動するか、または状況を提供します。

/opt/IBM/WPAR/manager/bin/wparmgr

db-offline-

backup.sh

WPAR マネージャー・データベースのオフライン・バックアップを実行します。オフライン・バックアップ とは、バックアップの際にそのデータベースを使用しているアプリケーションがないということです。

/opt/IBM/WPAR/manager/db/bin/db-

offline-backup.sh

db-offline-

restore.sh

前にバックアップされた WPAR マネージャー・データベースのコピーをリストアします。

/opt/IBM/WPAR/manager/db/bin/db-

offline-restore.sh

データベース ID 用のパスワードの変更WPAR マネージャーのデータベースに接続するために使用するユーザー ID とパスワードは変更することができます。

データベース ID のパスワードを変更するには、以下の手順を実行します。

1. wparmgr stop コマンドを使用して、WPAR マネージャーを停止します。

50 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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2. /var/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf/overrides/wpmcfg.properties ファイルのバックアップを取ります。

3. ユーザー ID を変更する場合は、/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf/overrides/wpmcfg.properties ファイル内の dswparmgt.dbuser 属性を見つけて、その値を新しいユーザー ID に変更します。

4. この新規ユーザー ID のパスワードを変更する場合は、以下の手順を実行します。

a. /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf/overrides/wpmcfg.properties ファイル内のdswparmgt.dbpassword 属性を見つけます。

b. パスワードの値をデータベースをアクセスするための新しい平文パスワードで置き換えます。

c. lwiencoder.sh スクリプトを使用して、以下のコマンドを実行し、暗号化したパスワードをファイルに生成します。

/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/bin/lwiencoder.sh ¥-f /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf/overrides/wpmcfg.properties ¥-keylist dswparmgt.dbpassword

5. wparmgr start コマンドを使用して、WPAR マネージャーを再始動します。

WPAR マネージャー・データベースのバックアップWPAR マネージャーは、データベース・エンジンとして IBM DB2 Database for Linux、UNIX、およびWindows バージョン 9 (DB2 バージョン 9) を使用します。

バックアップは $INSTHOME/sqllib/backup ディレクトリーに保管されるように構成されます (ここで、$INSTHOME 環境変数は /home/username ディレクトリーに設定されています)。ファイル名は以下のようになります。

* WPARMGT.0.DB2.NODE0000.CATN0000.2007022792703.001

それぞれの全バックアップに必要なディスク・スペースは 80 MB から 110 MB です。

WPAR マネージャー DB2 データベースのバックアップWPAR マネージャー・データベースをバックアップするには、 db-offline-backup.sh スクリプトを使用します。

WPAR マネージャー・データベースをバックアップするには、以下の手順を実行します。

1. su コマンドを使用し、DB2 インスタンス・ユーザーとしてログインします。 例えば、ユーザー名がdb2wmgt の場合は、次のコマンドを実行します。

su - db2wmgt

2. $INSTHOME ディレクトリーがエクスポートされていることを検査します。

3. 以下のコマンドを実行して、ディレクトリーを WPAR マネージャーのホームへ変更します。

cd /opt/IBM/WPAR/manager/db/bin

4. db-offline-backup.sh スクリプトを実行して、全バックアップを実行します。

WPAR マネージャー DB2 データベースの復元db-restore-backup.sh スクリプトは、最後の全バックアップと増分バックアップの組み合わせを使用して、 WPAR マネージャー DB2 データベースを復元します。

重要: バックアップ・データベースの復元は、既存のデータベースを完全に置換します。

WPAR マネージャーのデータベースを復元するには、以下の手順を実行します。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 51

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1. 以下のコマンドを実行して、ディレクトリーを WPAR マネージャーのホームへ変更します。

cd /opt/IBM/WPAR/manager/db/bin

2. db-restore-backup.sh スクリプトを実行します。

WPAR マネージャーのセキュリティーWPAR マネージャーは、いくつかのセキュリティー・フィーチャーを提供します。その中には、ローカル・オペレーティング・システムのユーザー認証、各種アプリケーション構成体およびアクションへのアクセスに対するロール・ベースの制御、および Web ブラウザーとサーバー間通信のための SSL サポートが含まれます。

関連タスク:

53ページの『権限ロールの構成』WPAR マネージャーのための権限ロールは、「コンソール・ユーザー権限」ウィンドウまたはlwiMapRole.sh スクリプトを使用して構成することができます。

ユーザー認証アプリケーション・ウィンドウへのユーザー・アクセスおよび WPAR マネージャーに対する管理アクションは、ユーザー ID とロール・マッピングによって制御されます。

WPAR マネージャーは、以下の 4 つのアプリケーション・ロールをサポートします。

管理者 指定されたユーザー ID が lwiMapRole.sh スクリプト (/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/bin ディレクトリーに配置されている) を使用して、ユーザー ID からアプリケーションへのロール・マッピングを作成することができるかどうか、あるいはユーザーが、ユーザー・インターフェースを使用して、「設定」 > 「コンソール・ユーザー権限」の順に選択することができるかどうかを決めます。また、このロールは他の管理ウィンドウへのアクセス権限も持っています。このウィンドウはIntegrated Solutions Console の一部ですが、WPAR マネージャーによって使用されません (例:

「Global Refresh (グローバル・リフレッシュ)」ウィンドウおよび「Credential Store (クレデンシャル・ストア)」ウィンドウ)。

WPAR の管理者すべての WPAR マネージャー・ウィンドウおよび管理アクションへのアクセス権限を提供します。

WPAR のユーザーすべての基本 WPAR アクションへのアクセス権限を提供します (例えば、作成、変更、開始、停止、およびデプロイ)。このロールは以下の高水準管理用タスクのいずれにもアクセス権限を提供しません。

v 管理対象システムのディスカバー

v 管理対象システムの変更または削除

v 再配置ポリシーの作成または変更

v WPAR の一般設定の変更

WPAR のモニターすべてのアプリケーション構成体 (例えば、管理対象システム、WPAR、および WPAR グループ)

への読み取り専用アクセス権限は提供しますが、環境へのいかなる変更についても許可しません。

WPAR マネージャーのインストールの際に、管理者ロールおよび WPAR 管理者ロールが root ユーザーへマップされます。その他にインストールで構成されるロール・マッピングはありません。あとで追加のロー

52 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

Page 61: AIXバージョン 6public.dhe.ibm.com/systems/power/docs/aix/61/nl/ja/...IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 の新機能 IBM PowerVM Workload Partitions Manager

ルを既存の AIX ユーザー ID へマップするには、 lwiMapRole.sh スクリプトを実行するか、または「コンソール・ユーザー権限」 ウィンドウを使用します。

WPAR マネージャーは WPAR マネージャーへのユーザー認証のために、ローカル AIX ユーザー・リポジトリーを使用します。 WPAR マネージャーのアプリケーションをホスティングする、ローカル AIX システム上のユーザー ID とパスワードをもつユーザーは、 WPAR マネージャーに対して認証できますが、インターフェースで使用可能なアクションはユーザーに割り当てられたロールによって異なります。ユーザー ID が 4 つのアプリケーション・ロールのいずれにもマップされない場合、そのユーザーは管理コンソールに対して認証することが可能ですが、特定の情報を表示したり、何らかのアプリケーション・アクションを実行したりすることはできません。

権限ロールの構成WPAR マネージャーのための権限ロールは、「コンソール・ユーザー権限」ウィンドウまたはlwiMapRole.sh スクリプトを使用して構成することができます。

ユーザー ID の権限ロールの構成を可能にするには、root ユーザーでログインして、 WPAR マネージャーがインストールされているシステムに必要なすべての ID を作成します。

ユーザー ID を作成したあと、その ID に対してアクセスに適したロール・マッピングを作成できます。root ユーザーがユーザー ID およびロール・マッピング権限を別のユーザー ID に権限委譲する場合、そのユーザー ID は管理者ロールにマップされていなければなりません。これを行うには、「コンソール・ユーザー権限」ページまたは lwiMapRole.sh スクリプトを使用します。

「コンソール・ユーザー権限」ページにアクセスするには、「ナビゲーション領域」に進み、「設定」 >

「コンソール・ユーザー権限」の順に選択します。

lwiMapRole.sh スクリプトは、AIX グループのアプリケーション・ロールへのマッピング、ロール・マッピング・インフラストラクチャーの照会、またはロール・アクセスの削除をするための仕組みを提供します。このスクリプトはデフォルトで /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/bin ディレクトリーにインストールされます。このスクリプトを実行するには、管理者権限が必要です。

lwiMapRole.sh スクリプト使用法の記述は、lwiMapRole.sh スクリプトを追加のパラメーターなしで呼び出して表示できます。その例を以下に示します。

# lwiMapRole.shlwiMapRole -add -role roleName [-user user1,user2,...] [-group group1,group2,...]lwiMapRole -remove -role roleName [-user user1,user2,...] [-group group1,group2,...]lwiMapRole -purge -role roleName lwiMapRole -query criteriaここで、criteria は以下のうちのいずれかです。

getRolesgetRolesByUser userNamegetRolesByGroup groupNamegetUsersByRole roleNamegetGroupsByRole roleNamegetRolesByApplication appName

ユーザー ID ロールのマッピングを管理コンソールに対して使用可能にするには、 lwiMapRole.sh スクリプトの実行後に、 WPAR マネージャー・サーバーを再始動する必要があります。「コンソール・ユーザー権限」ウィンドウで行われた変更は、即時に有効になります。

関連概念:

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 53

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52ページの『WPAR マネージャーのセキュリティー』WPAR マネージャーは、いくつかのセキュリティー・フィーチャーを提供します。その中には、ローカル・オペレーティング・システムのユーザー認証、各種アプリケーション構成体およびアクションへのアクセスに対するロール・ベースの制御、および Web ブラウザーとサーバー間通信のための SSL サポートが含まれます。

SSL サポートの構成SSL プロトコル・サポートは、インストールおよび構成の際に HTTPS プロトコル接続をサポートするために、デフォルトの自己署名証明書と秘密鍵を使用して WPAR マネージャー・サーバー認証、データ・プライバシー、およびデータ保全性を支援する目的で提供されます。

SSL サブシステムは、信頼できる認証局 (CA) によって署名された証明書をインストールして、異なる秘密鍵を生成することにより構成することができます。これを行うには、標準 Java™ keytool コマンド行インターフェース、または ikeyman グラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用します。これらのツールは、たいていの AIX システムでは、 /usr/java5/jre/bin ディレクトリーにあります。

インストールのときにデフォルトで構成された証明書により、クライアントとサーバー間の通信は SSL で暗号化できますが、サーバー名は認証できません。サーバー認証を使用可能にするには、証明書の「Common Name (共通名)」フィールド、またはその後にインストールされた CA 署名付き証明書に、完全修飾ドメインとしてサーバーのホスト名を指定する必要があります。最初にクライアントのブラウザーがHTTPS 接続を試みたときに、自己署名証明書であるために署名者が承認されないこと、および証明書の「共通名」が URL で入力されたホスト名と一致しないために、サーバーを認証できないことを示すメッセージがブラウザーに返されます。

証明書の受け入れを選択することはできますが、この証明書は実稼働環境では適正なレベルのセキュリティーを提供しません。デフォルトの証明書を本人の自己署名または CA 署名付き証明書で置き換える場合はikeyman を使用してください。デフォルトの鍵ストア・パスワードもデフォルト (ibmpassw0rd) 以外の値に変更してください。 ikeyman を使用して、定期的に有効期限が切れた証明書を更新することもできます。

関連情報:

Secure Sockets Layer Introduction and iKeyman User's Guide

webcontainer.properties ファイルの編集デフォルトの鍵ストアにあるデフォルト証明書は、ikeyman を使用して他の SSL 構成設定に影響を及ぼさないで、新しい証明書をデプロイして置き換えることができます。ただし、鍵ストアのパスワードを変更するか、または新規鍵ストア・ファイルをデプロイしたい場合は、webcontainer.properties ファイルの設定を変更する必要があります。

webcontainer.properties ファイルは、/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf ディレクトリーにあります。以下の行は webcontainer.properties ファイルに含まれているデフォルト属性です。

com.ibm.ssl.keyStorePassword.14443=[xor] 9MW08GTL+uut1b0¥=com.ibm.ssl.clientAuthentication.14443=falsecom.ibm.ssl.trustStorePassword.14443=[xor] 9MW08GTL+uut1b0¥=com.ibm.ssl.trustStore.14443=/../../security/keystore/ibmjsse2.jtscom.ibm.ssl.keyStore.14443=/../../security/keystore/ibmjsse2.jks sslEnabled=true

keyStorePassword 属性値および trustStorePassword 属性値は暗号化されます。したがって、このファイルの内容は読み取りできません。

54 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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鍵ストアパスワードを変更する場合、または新規の鍵ストア・ファイルをデプロイする場合は、以下の手順を実行してください。

1. 既存の webcontainer.properties ファイル、トラスト・ファイル、および鍵ストア・ファイルのバックアップを作成します。

2. sslconfig という名前のファイルを /opt/IBM/WPAR/manager/lwi/conf ディレクトリーに作成するには、 webcontainer.properties ファイルの内容を sslconfig ファイルにコピーします。

3. 新しい設定を sslconfig ファイルに指定します。

4. webcontainer.properties ファイルを除去します。

5. sslconfig ファイルから sslEnabled=true 行を除去します。

6. WPAR マネージャーを再始動します。 再始動すると、新規の webcontainer.properties ファイルがsslconfig ファイルの設定を使用して作成され、sslconfig ファイルが除去されます。

この例では、conf/sslconfig ファイルに以下の行が入っています。

com.ibm.ssl.keyStorePassword.14443=mynewpasswordcom.ibm.ssl.keyStore.14443=/../../security/keystore/mynewkeystore.jkscom.ibm.ssl.clientAuthentication.14443=falsecom.ibm.ssl.trustStorePassword.14443=mynewpasswordcom.ibm.ssl.trustStore.14443=/../../security/keystore/mynewkeystore.jts

この例では、keyStore 属性および trustStore 属性は同じファイルを指します。クライアント認証はデフォルトでは使用可能ではありません。したがって、Web コンテナーが信用する署名者証明書を含めることができる trustStore 属性は実際には使用されません。しかし、WPAR マネージャーの Web コンテナーには、 trustStore 属性が許可された値に設定されることが必要です。デフォルトの keyStore のパスワードは ibmpassw0rd です。

ikeyman による証明書の管理WPAR マネージャーで認証局 (CA) 署名付き証明書を使用するための要求を作成する場合に、ikeyman を使用できます。 CA 署名付き証明書を鍵ストアにインポートする場合も ikeyman を使用できます。

実稼働環境での優先セットアップは証明書を付けてサーバーを構成するためのものであり、その証明書の「共通名」フィールドには、サーバーのホスト名 (サーバー認証を使用可能にするため) が記載されています。そして、証明書は信頼のおける第三者機関の認証局 (CA) によって署名されます。実稼働使用のための CA 署名付き証明書を生成するには、認証要求を作成して、CA に対してその証明書への署名要求を送信し、署名された証明書を鍵ストアに受け取ります。

ikeyman により証明書を管理するには、以下の手順を実行します。

1. ikeyman を開始します。 ikeyman コマンドは usr/java5/jre/bin ディレクトリーにあります。

2. 以下の手順で鍵ストアを開きます。

a. メニュー・バーから「Key Database File (鍵データベース・ファイル)」 > 「Open (開く)」の順に選択します。

b. 「Browse (参照)」ボタンを使用して、/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/security ディレクトリーの下に配置されている鍵ストアを見つけます。

c. 「了解」をクリックします。 鍵ストアのパスワードについてプロンプトが出されます。

3. 以下の手順で認証要求を作成します。

a. メニュー・バーから「作成」 > 「新規認証要求」の順に選択します。

b. 「鍵ラベル」に説明文字列を入力します。

c. 「共通名」に完全修飾ホスト名を入力します。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 55

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d. その他のフィールドには適切な値を入力します。

e. 認証要求を保管するためのファイル名を入力します。 このファイルは CA へ送信することになります。

4. 署名用の認証要求ファイルを CA へ送信します。

5. 署名された証明書を受け取り、以下の手順を実行します。

a. 「鍵」データベースのコンテンツ領域で、「Personal Certificates (個人証明書)」をクリックします。

b. 「Receive (受信)」ボタンを選択します。 署名付き証明書の場所について、プロンプトが出されます。

c. 署名付き証明書の場所を入力します。

d. 「了解」をクリックします。 署名付き証明書が鍵ストアに追加されます。

6. CA の公開鍵をクライアント・ブラウザーのトラストストアに追加します。 たいていのブラウザーには、そのブラウザーのトラストストアに既知の CA の CA 公開鍵が入っていますので、通常、このステップは不要です。このステップが必要な場合は、対象の CA が手順を提供する必要があります。

WPAR マネージャー・エージェント・セキュア証明書WPAR マネージャー・エージェントは /var/opt/IBM/WPAR/cas/agent/runtime/agent/cert_to/var/opt/

tivoli/ep/runtime/agent/cert ディレクトリーに配置されているセキュア証明書と追加のセキュリティー・ファイルを保守します。

以下のファイルがディレクトリーにあります。

amRevocationList.crlこのファイルには取り消された証明書リストが収められています。このリストはエージェント・マネージャーによりすべてのエージェントに配布されます。

agentKeys.jksこのファイルはエージェント・マネージャーによってエージェントに発行された公開鍵ストアおよび秘密鍵ストアです。

agentTrust.jksこのファイルはエージェント・マネージャーからダウンロードされたトラストストアです。

pwd このファイルにはエージェント証明書をロックするために使用される、無作為に生成されたパスワードが収められています。

WPAR マネージャーのトラブルシューティングWPAR マネージャーのトラブルシューティングを行う場合は、ログ・ファイルと問題判別手順を使用できます。

ログ・ファイルの場所問題のトラブルシューティングを行う場合は、各種の WPAR マネージャーのログ・ファイルを使用できます。

WPAR マネージャーのログ

下表は WPAR マネージャーのログのロケーションと説明です。

56 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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表 8. WPAR マネージャーのログログ・ファイル 説明

/var/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/logs/error-log-* WPAR マネージャーのログ・ファイル

/var/opt/IBM/WPAR/manager/lwi/logs/trace-log-* WPAR マネージャーのトレース・ログ・ファイル

var/opt/IBM/WPAR/manager/logs/policy.log WPAR マネージャーのポリシー・ログ

/var/opt/IBM/WPAR/manager/logs/install/*.log WPAR マネージャー

エージェント・マネージャーのログ

下表はエージェント・マネージャーのログのロケーションと説明です。

表 9. エージェント・マネージャーのログログ・ファイル 説明

/var/opt/IBM/WPAR/cas/agentmgr/logs/error-log-* エージェント・マネージャーのログ・ファイル

/var/opt/IBM/WPAR/cas/agentmgr/logs/trace-log-* エージェント・マネージャーのトレース・ログ・ファイル

WPAR マネージャー・エージェント・ログ

下表は WPAR マネージャー・エージェント・ログのロケーションと説明です。

表 10. WPAR マネージャー・エージェント・ログログ・ファイル 説明

/var/opt/IBM/WPAR/agent/logs/WPARAgent.* WPAR マネージャー・エージェント・ログ・ファイル

/var/opt/tivoli/ep/logs/error-log-* 共通のエージェント・ログ・ファイル

/var/opt/tivoli/ep/logs/trace-log-* 共通のエージェント・トレース・ログ・ファイル

ライブ再配置ログ・ファイル

ライブ再配置のときに、 WPAR マネージャー・エージェントは起点および宛先システムにログ・ファイルを作成します。これらのログ・ファイルはライブ再配置の失敗をトラブルシューティングするために使用します。ログ・ファイルのロケーションは WPAR マネージャー・エージェント 1.2 で変更されました。

表にリストされたログ・ファイルのロケーションについては、 wparname を WPAR の名前に、state_path

を WPAR の状態ファイルのルート・ディレクトリーの構成済みロケーションに、 departure_hostname を起点システムのホスト名に置き換えます。

表 11. ライブ再配置ログログ・ファイル 説明

/var/opt/IBM/WPAR/agent/logs/mcr/wparname.log WPAR マネージャー・エージェント 1.2 ログ・ファイル

/wpars/wparname/state_path/wparname/departure_hostname/

mcr.log

WPAR マネージャー・エージェント 1.1 のシステム WPAR ログ・ファイル

/state_path/wparname/departure_hostname/mcr.log WPAR マネージャー・エージェント 1.1 のアプリケーションWPAR ログ・ファイル

エージェント・マネージャーがオンラインであることの検査エージェント・マネージャーは構成情報を非セキュアの HTTP ポートを介してクライアントに提供します。この情報は、問題判別においてエージェント・マネージャーがオンラインであり、操作可能であることを検査する場合に役立ちます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 57

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エージェント・マネージャーの構成を表示するには、以下の Web ページにアクセスします。

http://agent_manager_hostname.yourdomain.com:agent_manager_public_port/context_root/Info

context_root 変数はエージェント・マネージャー用のコンテキスト・ルートにしてください。デフォルトのコンテキスト・ルートは /AgentMgr ディレクトリーです。例えば、エージェント・マネージャーがデフォルトの構成で am.austin.ibm.com にインストールされている場合は、以下の Web ページを使用してエージェント・マネージャー構成をアクセスしてください。

http://am.austin.ibm.com:9513/AgentMgr/Info

WPAR マネージャーの問題判別WPAR マネージャーについて、既知の問題とその解決策を見つけることができます。直面している問題と一致する症状を探して、推奨されている修正処置を実行します。

ライブおよび静的再配置の失敗ライブおよび静的再配置の失敗には各種のトラブルシューティング方式があり、これらは WPAR マネージャー・エージェントのバージョンによって決まります。

WPAR マネージャー・エージェント 1.2 以降におけるライブ再配置の失敗

起点システムと宛先システムで WPAR マネージャー・エージェント 1.2 以降を使用している場合、WPAR の状態について、ライブ再配置では中間状態ファイルをディスクに保管する必要はなく、2 つのシステム間を直接転送する高度な方式が使用されます。

ライブ再配置を WPAR マネージャー・エージェント 1.2 以降で実行しているときに、次のような再配置に関する問題が発生することがあります。

v 宛先システムは起点システムとの接続性がない。宛先システムは状態転送を開始するために起点システム上のポートに接続できなければなりません。

v 起点および宛先システムは WPAR と同じネットワーク・サブネット上に存在していなければなりません。

v 起点システム上の WPAR によって使用されるバイナリーまたは共用ライブラリーのチェックサムが宛先システムのチェックサムと一致しなければ、再配置が失敗する可能性があります。これらの問題を解決するには、チェックサム・テストに失敗したファイルに関する詳細情報について、再配置用に指定した/opt/IBM/WPAR/agent/logs/mcr/wparname.log ログ・ファイルを調べます。 lslpp -w /path/to/filenameコマンドを使用すると、特定ファイルを含むファイルセットを検索できます。このファイルセットは起点システムと宛先システムの両方にインストールされていて、バージョンが一致していることを確認します。

v ライブ再配置で、デバイスの非互換性および起点システムと宛先システム間でクロックの同期がずれていることを含めて、別の障害が発生する可能性があります。起点管理対象システムと宛先管理対象システムの両方で、MCR /opt/IBM/WPAR/agent/logs/mcr/wparname.log ログ・ファイルを表示して、再配置が失敗した理由を判別します。

WPAR マネージャー・エージェント 1.1 におけるライブ再配置の失敗

WPAR マネージャー・エージェント 1.1 は WPAR の状態を起点システム上の共用ファイルシステムに保存し、宛先システムで WPAR を復元するときに、この共用ファイルシステムを使用します。

ライブ再配置を WPAR マネージャー・エージェント 1.1 で実行しているときに、次の再配置に関する問題が発生することがあります。

58 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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v 再配置のために指定された共用ファイルシステムは、起点システムのホスト名、宛先システムのホスト名、および再配置されている WPAR のホスト名に認可されている root 特権により、同じロケーションの起点システムおよび宛先システムにマウントされていることを確認します。

v 起点システムと宛先システム間のソフトウェアのバージョンが非互換。起点システム上の WPAR によって使用されるバイナリーまたは共用ライブラリーのチェックサムが宛先システムのチェックサムと一致しなければ、再配置が失敗する可能性があります。これらの問題を解決するには、チェックサム・テストに失敗したファイルの詳細について、ログ・ファイルを調べます。ログ・ファイルは次のロケーションにあります。

– システム WPAR には /wpars/wparname/state_path/wparname/source_hostname/mcr.log を使用します。

– アプリケーション WPAR には /state_path/wparname/source_hostname/mcr.log ログ・ファイルを使用します。

lslpp -w /path/to/filename コマンドを使用すると、特定ファイルが含まれているファイルセットを検索できます。このファイルセットは起点システムと宛先システムの両方にインストールされていて、バージョンが一致していることを確認します。

v ライブ再配置で、デバイスの非互換性および起点システムと宛先システム間でクロックの同期がずれていることを含めて、別の障害が発生する可能性があります。管理対象システム上の MCR ログ・ファイルを表示して、再配置が失敗した理由を判別します。

静的再配置の失敗

静的再配置は、システム WPAR の場合はバックアップおよび復元操作で構成され、アプリケーションWPAR の場合は停止およびデプロイ操作で構成されます。

静的再配置を実行しているときに、次の再配置に関する問題が発生することがあります。

v システム WPAR の静的再配置には、WPAR のバックアップ・ファイルを保管するための共用ファイルシステムのロケーションが必要です。共用ファイルシステムが起点システムと宛先システムの同じロケーションに適切な特権をもってマウントされないと、静的再配置は宛先システム上での WPAR の復元に失敗します。

v WPAR にネットワーク・インターフェースが定義されている場合は、起点システムと宛先システムがWPAR ネットワークと同じサブネット上にあることを確認します。そのようになっていない場合、WPAR は宛先システム上でのデプロイに失敗する可能性があります。

管理対象システムの欠落管理対象システムがサーバー・リストに表示されません。

推定原因

WPAR マネージャー・エージェント・ソフトウェアが実行していないか、または管理対象システムで適切に構成されていません。

処置1. root ユーザーとして管理対象システムにログインします。

2. エージェント・マネージャーがオンラインであることを確認します。エージェントが実行していない場合は、エージェントを再始動します。

3. 登録のエラー・メッセージについて、/opt/IBM/WPAR/manager/logs ディレクトリーのログ・ファイルを調べます。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 59

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4. WPAR マネージャーで、「Managed Systems (管理対象システム)」ページの「Discover (ディスカバー)」をクリックします。

関連タスク:

20ページの『管理対象システムへの WPAR マネージャー・エージェントのインストール』WPAR マネージャー・エージェントは管理対象システム上で実行し、 WPAR の管理、パフォーマンス・メトリックの収集、 および互換性テストのための情報の収集用として、WPAR コマンドを実行するためのセキュア・インターフェースを提供します。

許可権が誤りであるための WPAR のデプロイメント操作の失敗再配置可能 WPAR でのデプロイメント操作がメッセージ AKMWA0002E で失敗しました。ターゲット・システムで、コマンドの実行に失敗しました。

「Operations Details (操作の詳細)」ページの「Error (エラー)」タブに、以下の出力が表示されます。

mkwpar: Creating filesystems...

mount: access denied for <NFS server="">:<filesystem>mount: giving up on:<NFS server="">:<filesystem>Permission deniedFailed to mount the ’/wpars/<wpar name="">’ filesystem.

推定原因

NFS ファイルシステムが、管理対象システムおよび WPAR ホスト名に対して、ルート許可権を使用してエクスポートされませんでした。

処置1. ルート許可権を使用して、NFS ファイルシステムを管理対象システムおよび WPAR ホスト名にエクスポートしてください。

2. WPAR マネージャーからデプロイメント・タスクを再試行します。

オフラインとマーク付けされた管理対象システム管理対象システムはエージェントが実行しているときにオフラインのマークが付けられます。

推定原因

WPAR マネージャーは管理対象サーバーにインストールされた WPAR マネージャー・エージェントと通信することができません。

処置

注: 以下の手順を順々に実行します。前のステップが望む結果にならなかった場合のみ、この手順の次のステップを実行します。

1. WPAR マネージャーがエージェントの HTTP ポート (デフォルトは 9510) と通信することができて、ファイアウォールによってブロックされないことを確認します。

2. 「管理対象システム」ビューに進んで管理対象システムを選択し、「更新」をクリックします。

3. /opt/IBM/WPAR/agent/conf/wparagent_logging.properties ファイルの log.level 値を 「FINEST」に設定して、エージェントを再始動します。トレースおよびデバッグ情報が /opt/IBM/WPAR/agent/logs

ディレクトリーのエージェント・ログ・ファイルに追加されます。

60 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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4. 以下のコマンドで、DB2 インスタンスのホーム・ディレクトリー・ファイルシステムが満杯でないことを確認します。

df -m /home/db2wmgt

5. エージェントをアンインストールしてから再インストールします。

「タスク詳細」ページでのタスクの失敗タスクが「タスク詳細」ページで失敗すると、このタスクのための操作は何も作成されません。

推定原因

WPAR マネージャーは管理対象システムへのセキュア接続の確立に失敗しました。

処置

ファイアウォールにより、WPAR マネージャーから管理対象システムへの通信がブロックされていないことを確認します。

管理対象サーバーのディスカバリーの失敗WPAR マネージャーがエージェントのディスカバリーに失敗しました。

推定原因

WPAR マネージャー・エージェントが正しくない WPAR マネージャーのホスト名または無効な登録パスワードを指定して構成されています。

処置1. /opt/IBM/WPAR/agent/bin/wparagent status コマンドを実行して、エージェントが管理対象システムで開始されたことを検査します。

2. 登録に関連したエラー・メッセージすべてについて、/opt/IBM/WPAR/agent/cas/logs/trace-log-0.xml

ファイルを調べます。例えば、登録パスワードが無効な場合は、ログには以下のエラー・メッセージが記録されています。

SEVERE: BTC5074E The common agent registration failed. The failure was caused byexception: Agent Manager returned: CTGEM0020E An agent registration request from<ip_address> was rejected because the password is not correct. The passwordthat was specified is *****.

3. WPAR マネージャー・エージェントが configure-cas スクリプトに渡されるホスト名の IP アドレスを解決できることを検査します。

4. 登録のエラー・メッセージについて、/opt/IBM/WPAR/manager/logs ディレクトリーのログ・ファイルを調べます。

関連タスク:

34ページの『別のエージェント・マネージャーを使用するための WPAR マネージャー エージェントの構成』特定のエージェント・マネージャーを使用するために WPAR マネージャー エージェントを構成してから、別の特定エージェント・マネージャーを使用するための WPAR マネージャー エージェントを構成しようとすると失敗します。元のエージェント・マネージャー構成をオーバーライドするには、-force フラグを指定する必要があります。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 61

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IP アドレスの誤りによるデプロイメント操作の失敗WPAR のデプロイメント操作がメッセージ AKMWA0002E で失敗しました。ターゲット・システムで、コマンドの実行に失敗しました。

「操作の詳細」ページの「エラー」タブに、次のエラーが表示されます。

Failed to determine the appropriate interface for address <ip address="">.

推定原因

WPAR に割り当てられた IP アドレスが、管理対象サーバーの IP アドレスと同じサブネットの範囲内に入っていません。

処置1. 「ワークロード・パーティション」ビューに進みます。

2. 「WPAR」を選択してその属性を表示し、続いて 「ネットワーク」タブを選択します。

3. 無効な IP アドレスをもつネットワーク・インターフェースを選択してから、「変更」を選択します。

4. WPAR がデプロイされる管理対象サーバーと同じサブネット内の IP アドレスを入力します。

5. 「完了」をクリックします。

6. WPAR マネージャーからデプロイメント・タスクを再試行します。

チェックポイント・リスタートチェックポイント・リスタート機能は WPAR マネージャーにライブ・アプリケーション・モビリティーをインプリメントする場合に使用されますが、コマンド行からチェックポイント・リスタート・コマンドを実行して、 WPAR を再配置しないで WPAR 操作を一時停止および再開することも可能です。

チェックポイント・リスタートにより、複数の物理システム全体にわたってシステム WPAR またはアプリケーション WPAR で実行する 32 ビットおよび 64 ビット・アプリケーションの最適化および保護を行うことができます。 WPAR について、障害を防止するため、または実動場所におけるシステム全体のロード・バランスを取るために、チェックポイント・リスタートすることができます。チェックポイント・リスタートは、以下のアプリケーション・タイプに対して使用できます。

v マルチプロセスおよびマルチスレッドの 32 ビット・アプリケーション

v マルチプロセスおよびマルチスレッドの 64 ビット・アプリケーション

v 静的リンク・アプリケーション

v 動的リンク・アプリケーション

v 出荷待ちのアプリケーションおよびカスタム・アプリケーション

チェックポイント・リスタートはアプリケーション・レベルで透過的に作動し、以下の項目を含むアプリケーション・メモリーのすべてのコンテキストを取り込みます。

v リソース

v プロセス階層

v 状態

v シグナル

v プロセス間通信パイプ

v セマフォー

v 共用メモリー

62 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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v オープン・ファイル

v TCP/IP ソケット

操作のチェックポイント部分はバイナリー・レベルでのみ対話します。したがって、変更はソース・コードには行われません。そしてアプリケーションの再コンパイルまたはアプリケーションのリンクは必要ありません。次に、実行していた元の WPAR は保管チェックポイントから再始動されます。 WPAR は同一物理システムまたは別の互換システムで再始動できます。

チェックポイント・リスタートの問題判別チェックポイント・リスタートに関する既知の問題とその解決策を見つけることができます。直面している問題と一致する症状を探して、推奨されている修正処置を実行します。

システム WPAR の再始動の失敗システム WPAR の再始動は、「無効な WPAR 名」のエラーで失敗します。 mcr.log ファイルは作成されません。

推定原因

再始動は WPAR 内からではなく、必ずグローバル環境から処理されなければなりません。

処置1. WPAR にログオン済みの状態で再始動を実行していないことを確認します。

2. ステップ 1 で問題が解決されなかった場合は、再始動させる WPAR が使用しているサーバーに構成済みであることを確認します。 WPAR が存在していて、定義済みの状態 (D) であることを確認します。

3. WPAR が定義済み状態になっていない場合は、名前、ネットワーク、およびチェックポイントをとるWPAR の作成に使用されるマウント設定などの指定を保管し、それらの指定を使用してシステムWPAR を再作成します。

システム WPAR の再始動の終了システム WPAR の再始動は始まりますが、「Restart コマンドが失敗しました」のエラーで終了します。

推定原因

指定したチェックポイント・ディレクトリーが存在していません。

処置1. メッセージ - mcr: could not restart WPAR mywpar from /mydirectory: invalid statefile - について、標準出力に表示されたトレースを調べます。

2. 存在しているチェックポイント・ディレクトリーを指定します。

システム WPAR のチェックポイントの失敗システム WPAR のチェックポイントは、無効な WPAR 名のエラーで失敗しました。 mcr.log ファイルは作成されません。

推定原因

チェックポイントは WPAR 内からではなく、必ずグローバル環境から処理されなければなりません。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 63

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処置1. チェックポイントは、WPAR にログインした状態で実行されていることを検査します。チェックポイントは WPAR 内からではなく、必ずグローバル環境から処理されなければなりません。

2. ステップ 1 が問題を解決しなかった場合は、チェックポイントを実行している WPAR が使用しているサーバーに存在しているかどうかを確認します。必ずサーバーに存在していて、活動状態になっていなければなりません。

チェックポイント・ディレクトリーの理由によるシステム WPAR のチェックポイントの失敗システム WPAR のチェックポイントは、無効な状態ファイルのエラーで失敗しました。

次のメッセージについて mcr.log ファイルを確認します。 - Pathname of statefile must be visible

inside and outside the WPAR -

推定原因

指定したチェックポイント・ディレクトリーはチェックポイントを指定する WPAR からアクセス可能ではありません。

処置

チェックポイント・ディレクトリーがグローバル環境および WPAR 内部から到達可能であることを確認します。そうでなければ、チェックポイントは失敗します。

WPAR マネージャーの用語集一部の用語は WPAR マネージャー環境に固有のものです。

A

アクティブ状態 (Active state)管理対象システムにデプロイされ、正常に実行している WPAR の状態。

エージェント (agent)WPAR マネージャーの WPAR マネージャー・エージェント・マネージャー・コンポーネントと通信し、管理対象システム上でアクションを実行する、管理対象システム上で実行するソフトウェア。

エージェント・マネージャー (agent manager)管理対象システム上のエージェント・ソフトウェアと通信して、その状況を WPAR マネージャー・サーバーに伝える WPAR マネージャーのコンポーネント。

エージェント・バージョン (agent version)管理対象システム上にインストールされた WPAR マネージャー・エージェントのソフトウェア・バージョンこのエージェント・バージョンは同時に出荷された WPAR マネージャーのバージョンおよびリリース・レベルに対応する (1.1.0.0, 1.2.0.0 など)。管理対象システムにインストールされたエージェント・ソフトウェアが現行の WPAR マネージャー・サーバーより前のレベルである場合、新規のアクションおよび属性はその管理対象システム上の WPAR に対して使用できない可能性がある。

アプリケーション WPAR (Application WPAR)AIX 上の WPAR の 2 つある基本タイプのうちの 1 つ。アプリケーション WPAR では、システ

64 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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ム WPAR が提供する高度な仮想システム環境は提供されない。それよりも、アプリケーションとそのリソースを分離するための環境が提供される。これらの環境は、適切に構成された WPAR に対して、チェックポイント・リスタートを使用して動的に再配置されるか、または互換性のある管理対象システム間で停止と再デプロイを行うことで静的に再配置されます。アプリケーションWPAR のシステム・リソースに関するオーバーヘッドは少なく、システム WPAR に比べて重みが軽くなっている。アプリケーション WPAR には、それ自体のシステム・サービスのインスタンスは必要にならない。

宛先システム (arrival system)WPAR が再配置されるターゲットまたは宛先として指定された管理対象システム。

B

WPAR のバックアップ (back up WPAR)クリティカル WPAR データをバックアップ・ファイルにコピーすること。

中断状態 (broken state)WPAR での管理操作が失敗して、この WPAR が使用不可能になっている状態。

C

チェックポイントを指定する (checkpoint)活動中の WPAR の状態 (プロセス状態を含む) を保存して、あとで、同じシステムまたは別のシステムでその WPAR を再始動すること。 WPAR を作成するときに、 WPAR のチェックポイントを指定することが将来必要になる場合は、チェックポイント・サポートを指定する必要がある。

互換性 (compatibility)WPAR を一方から他方へ問題なく再配置できるようにする、2 つの管理対象システムの類似性。 2

つのシステムでは、いくつかの必須属性について同じ値でなければならず、またオプションのすべてのユーザー指定属性についても同じ値でなければならない。

互換性ポリシー (compatibility policy)管理対象システム間で互換性を判別するために使用されるテスト・ケースのセット。このセットにはすべてのクリティカル・テスト・ケースとユーザーがオプションで選択したテスト・ケースが含まれる。

クリティカル・メトリック (critical metric)クリティカル・メトリックとは、その値が指定された最大値または最小値を外れた場合に、ポリシー・ベースの再配置が使用されていれば、管理対象システムを即時に他のシステムへ再配置すべきであることを指示するためのメトリック。

D

定義済み状態 (defined state)管理対象システムに存在しているが、現在は活動状態になっていない WPAR の状態。 WPAR を開始すると、活動状態に移る。これはシステム WPAR だけに適用される。

起点システム (departure system)再配置される前に WPAR がデプロイされる管理対象システム。

デプロイ (deploy)WPAR マネージャー・データベースに保管された定義または仕様から WPAR を管理対象システムに作成すること。アプリケーション WPAR はデプロイされて、すぐに開始されるが、システムWPAR はデプロイされても開始されない。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 65

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ディスカバリー (discovery)WPAR マネージャーが発見して登録する新規管理対象システムを環境内で検索すること。ディスカバリーは「管理対象システム」ビューの「発見」ボタンを選択すると開始する。

E

避難 (evacuate)管理対象システムにデプロイされたすべての WPAR を他のシステムへ再配置すること (自動避難は現在サポートされていない)。

L

制限 (limit)パフォーマンス・メトリックに関して、制限は、リソース使用量の異なる計測値の正規化を可能にするために使用される。

ライブ再配置 (ライブ・アプリケーション・モビリティー) (live relocation (live application mobility))実行中のプロセスの状態を保存することを試みる再配置の方式であり、サービスの中断を最小にして、再配置しているときでも、アプリケーション WPAR またはシステム WPAR の実行が継続しているように見える。

ロード済み状態 (Loaded state)サーバーにデプロイされ、カーネルへのロードは完了しているが、活動中のプロセスを実行していない WPAR の状態。この状態では、WPAR では操作を行うことはできない。チェックポイント属性をサポートするように作成された WPAR だけが、この再配置方式を使用して再配置されることが可能になる。

M

管理対象システム (managed system)WPAR マネージャー・サーバーに登録済みの AIX および WPAR マネージャー・エージェント・ソフトウェアを実行している、サーバーまたはロジカル・パーティション。管理対象システムは「管理対象システム」ビューに表示される。 WPAR は、WPAR マネージャーを使用して、管理対象システムに作成すること、およびある管理対象システムから別の管理対象システムに再配置することができる。

管理対象システムのプロファイル (Managed system profile)エージェントによって管理対象システムから収集されたシステム属性のセット。

最低限必要なエージェント・バージョン (最小エージェント・バージョン、最小バージョン) (minimumrequired agent version (minimum agent version, minimum version))

特定の WPAR の定義済み属性をサポートすることができる、エージェント・ソフトウェアの最も古いレベルを指定する WPAR の関連属性。この値 (指定された WPAR の定義済み属性をプログラムでテストして判別される) で、デプロイメントのための可能な宛先である管理対象システムを決定する。指定された WPAR について、管理対象システムは、WPAR をそのシステムにデプロイするために、少なくとも必要最小エージェント・バージョンで稼働していなければならない。

モビリティー (mobility)WPAR をある管理対象システムから別の管理対象システムへ再配置する能力。チェックポイント指定不可の WPAR が WPAR マネージャー・エージェントを 1.2 レベルで実行している管理対象システムにデプロイされる場合は、それらを WPAR マネージャー 1.2 に再配置することができます。

66 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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乗数 (multiplier)WPAR のハードウェア・プロファイルのランクを高めるときに、限界値に適用される乗数。これにより、トランザクション・レート使用のメトリックについて、必要であれば、使用可能なハードウェア・リソースに比例させることができる。

O

操作 (operation)タスクを完了させるための一部として、WPAR マネージャーが実施するアクション。タスクはいくつかの操作の結果といえる。

P

一時停止 (アクション) (pause (action))WPAR マネージャーにチェックポイントをとらせるためのアクションであり、この後で、WPAR

内のプロセスがロックされる。

一時停止状態 (paused state)チェックポイントが中断された WPAR の状態。現在は実行していないが、再開 (開始) または一時停止解除 (停止) することができる。

パフォーマンス・メトリック (performance metric)WPAR または管理対象システムのパフォーマンスの尺度。 WPAR マネージャーが使用する 2 つのメトリックとして、プロセッサー使用およびメモリー使用がある。

R

レート・メトリック (rate metric)カウントまたは比率で表されるパフォーマンス・メトリック (プロセッサーまたはメモリー使用のパーセンテージなどの「使用率メトリック」と対比)。レート・メトリックの例として、プロセス数、スレッド数、またはページ不在数などがある。

リカバリー (recovery)管理対象システムまたは WPAR で操作を行っているときに、エラーが検出されて起動される一種のマネージャー。リカバリーのデフォルトの目標は、管理対象システムと WPAR の実際の状態に合わせて WPAR マネージャー・データベースの情報を同期化することである。再配置操作に失敗すると、失敗後に WPAR マネージャーは、起点システムと宛先システムを分析して、 WPAR を使用できる状態に戻すために、可能なことはすべて実施する。よくあるアクションとして、環境を再配置の開始前の状態に復元する試みの中で、起点システムで WPAR を再始動すること、および宛先システムで WPAR のすべてのトレースを除去することがある。

再配置 (relocate)WPAR をある管理対象システムから別の管理対象システムへ移すこと (時には、マイグレーションとも呼ばれる)。再配置では、WPAR で実行しているすべてのプロセスについて、チェックポイントの実施、一時停止、起点システムから宛先システムへのコピー、および再始動が必要になる。

再配置ドメイン (relocation domain)サーバー・プロファイルが WPAR グループに割り当てられるときに、動的再配置ドメインが作成される。プロファイルが一致するすべてのサーバーは、自動的に WPAR グループの動的再配置ドメインの一部になる。より静的な再配置ドメインが必要な場合は、再配置ドメインの一部とすべき各サーバーに対して再配置ドメイン・サーバー属性タグを設定する必要があり、さらに、指定された再配置ドメイン・タグを付けて、すべてのプロファイルを WPAR グループに追加します。ここで留意すべきことは、再配置に対して最良の使用可能なサーバーは、WPAR が属している WPAR

グループの再配置ドメインから必ず選択されることです。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 67

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再配置ポリシー (relocation policy)WPAR を再配置しなければならない時点を判別するメトリックおよび規則のセット。 WPAR マネージャー 1.2 には、 WPAR の静的再配置および改良されたライブ再配置の両方に対するサポートがある。静的再配置では、ファイルシステム状態を保持させながら、宛先システムで WPAR は停止され、再始動される。ライブ・モビリティーでは、アプリケーション・スタックの状態が宛先システムに保持される。

WPAR の除去 (remove WPAR)WPAR を管理対象システムから削除すること。オプションで、WPAR マネージャー・データベース内の WPAR の定義も削除される。

リソース制御 (resource controls)WPAR が使用できる管理対象システムのリソース量を制限したり、 WPAR に対するシステム・リソースの最小限の共用を保証したりする設定。 WPAR のリソース制御は AIX ワークロード・マネージャーの概念に基づく。

再始動 (restart)チェックポイントをとってから WPAR の操作を再開すること。

WPAR の復元 (restore WPAR)管理対象システム上のバックアップ・ファイルに保存されたクリティカル情報から WPAR を再作成すること。

再開 (resume)一時停止された WPAR のプロセスのロックを解除して、 WPAR が一時停止されたポイントから操作を再開すること。

Role Based Access Control (RBAC)許可済みユーザーのシステム・アクセスを制限するためのフレームワーク。 WPAR マネージャーはデプロイメント・システムを照会して、デフォルト特権と同様にシステム特権のセット全体をリトリーブする。 WPAR をデプロイするときに、特権のデフォルト・セットとカスタマイズされた特権セットのいずれを WPAR に割り当てるかを選択できる。

S

静的再配置 (static Relocation)静的アプリケーション・モビリティーは、ファイルシステム状態を保持している状態での、起点ノード上の WPAR のシャットダウン、宛先ノード上の WPAR のクリーン・スタートとして定義される。システム WPAR の場合、静的再配置ではバックアップおよび復元機能が使用される。

WPAR の同期化 (synchronize WPAR)システム WPAR にインストールされたソフトウェアを、グローバル AIX システムにインストールされているソフトウェア (デプロイされたもの) と同じレベルにすること。

システム WPAR (system WPAR)AIX 上の WPAR の 2 つある基本タイプのうちの 1 つ。システム WPAR は、独自の専用ルート・ファイルシステム、ユーザーおよびグループ、ログイン、ネットワーク・スペース、および管理ドメインを持つ、自律型の仮想システム環境である。たいていの従来型システム・サービスは、WPAR レベルで仮想化され、各 WPAR 内で単独で使用され管理される。システム WPAR 環境の大部分が区画に分割され、分離されている場合、読み取り専用ファイルシステムは WPAR 間で共用することが可能であり、アプリケーション・データおよびテキストの共用を容易にする。

68 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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T

タスク (イベント) (Task (event))ポリシー・ドリブン・トリガー・イベントに応じて、WPAR マネージャーのユーザーまたはWPAR マネージャーのいずれかによって開始された、重要な WPAR 管理タスク。タスクは、その処理の一部として、追加のタスクまたは下位のワークロード管理の操作を開始することができる。

遷移状態 (Transitional state)管理操作が進行中である WPAR の状態。 WPAR には、「作成中」、「開始中」、「停止中」、または「構成中」のプロセス状態がある。

U

「アンデプロイ済み」状態 (Undeployed state)WPAR マネージャーのデータベースには定義されているが、現在は管理対象システムにデプロイされていない WPAR の状態。 WPAR をデプロイすると、管理対象システム上の WPAR を作成し、これをオプションで開始できる。

使用率メトリック (Use metric)総使用量をパーセンテージまたは比率で表すパフォーマンス・メトリック。使用率メトリックにはプロセッサー使用とメモリー使用がある。レート・メトリックと対比。

W

WPAR マネージャー・エージェント (WPAR マネージャー agent)「エージェントの定義」を参照。

ワークロード・パーティション (WPAR) (Workload partition (WPAR))WPAR は、オペレーティング・システムの単一インスタンス内にある仮想オペレーティング・システム環境である。 WPAR は他の仮想化ツール (例えば、ロジカル・パーティション (LPAR)) を補完する。 WPAR は比較的オーバーヘッドが少なく、システム・ファームウェアではなくオペレーティング・システムを基本としている点で LPAR とは異なる。 WPAR には 2 つのタイプ、すなわちシステム WPAR とアプリケーション WPAR がある。

WPAR グループ (WPAR group)管理者によって定義され、共通の再配置ポリシー設定で管理される WPAR のグループ。デフォルトでは、作成する WPAR は、別のグループに再割り当てする場合を除いて、デフォルトの WPAR

グループに割り当てられる。

IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2 69

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70 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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特記事項

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この文書に含まれるいかなるパフォーマンス・データも、管理環境下で決定されたものです。 そのため、他の操作環境で得られた結果は、異なる可能性があります。一部の測定が、開発レベルのシステムで行われた可能性がありますが、その測定値が、一般に利用可能なシステムのものと同じである保証はありません。さらに、一部の測定値が、推定値である可能性があります。 実際の結果は、異なる可能性があります。お客様は、お客様の特定の環境に適したデータを確かめる必要があります。

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著作権使用許諾:

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72 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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software/info/product-privacy) を参照してください。

商標IBM、IBM ロゴおよび ibm.com は、世界の多くの国で登録された International Business Machines Corp.

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and trademark information」をご覧ください。

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Microsoft および Windows は、Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標です。

UNIX は、The Open Group の米国およびその他の国における登録商標です。

Linux は、Linus Torvalds の米国およびその他の国における商標です。

特記事項 73

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74 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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索引日本語, 数字, 英字, 特殊文字の順に配列されています。なお, 濁音と半濁音は清音と同等に扱われています。

[ア行]アプリケーション・モビリティー計画 18

構成 27

インストール 19

エージェント 20

エージェントインストール 20

構成 24

エージェント・マネージャー 58

構成 34

[カ行]開始 45

WPAR エージェント 26

管理証明書 55

管理対象システム属性 38

定義 38

問題判別 59, 60, 61, 62, 63, 64

計画アプリケーション・モビリティー 18

WPAR マネージャー・エージェント 4

構成アプリケーション・モビリティー 27

エージェント 24

エージェント・マネージャー 34

ロギング 26

SSL 54

WPAR エージェント 26, 34

WPAR マネージャー・サーバー 23, 24

互換性テスト 9

[サ行]再配置人手による 14

除去 36

WPAR マネージャー・エージェント 36

属性管理対象システム 38

[タ行]チェックポイント・リスタート 62

状態 10

データベースバックアップ 51

復元 51

停止 45

WPAR エージェント 26

[ハ行]バックアップデータベース 51

人手による再配置 14

復元データベース 51

ポリシー調整 17

ポリシー・ベースの再配置 15

グループの平均化 18

グループ・ポリシー設定 16

調整 17

メトリック・ポリシー設定 15

[マ行]モビリティー互換性 8, 10

問題判別オフライン 60

管理対象システム 59, 60, 61, 62, 63, 64

ディスカバリー 61

管理対象システムの欠落 59

再始動 63

セキュア接続 61

チェックポイントを指定する 63, 64

デプロイ 62

デプロイメント操作 60

[ヤ行]ユーザー補助 3

[ラ行]ロジカル・パーティション 7

© Copyright IBM Corp. 2007, 2014 75

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Iikeyman 55

SSSL 54

Wwebcontainer.properties ファイル 54

WPAR

状態 10

WPAR エージェント 4

開始 26

構成 26, 34

セキュア証明書 56

停止 26

WPAR グループ 40

WPAR マネージャー 19

WPAR マネージャー・エージェント計画 4

除去 36

76 AIXバージョン 6.1: IBM PowerVM Workload Partitions Manager for AIX V1.2

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