14
1 農林水産省 平成20年2月 BSE国内対策 飼料規制・死亡牛検査・牛トレーサビリティ 感染源及び感染経路報告書 関係 リスクコミュニケーション 情報や意見の交換 農林水産物等に関する リスク管理 農林水産省 厚生労働省 評価結果の通知、勧告 評価の要請 評価結果の通知、勧告 食品安全委員会 食品事業者、消費者等 食品衛生に関する リスク管理 リスク評価 評価の要請 食品安全行政の体制 食品安全行政の体制2003 2003( ( H15 H15 ) ) 7 7月~) 月~)

BSE国内対策 農林水産省...1 農林水産省 平成20年2月 BSE国内対策 飼料規制・死亡牛検査・牛トレーサビリティ 感染源及び感染経路報告書

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1

農林水産省

平成20年2月

BSE国内対策

飼料規制・死亡牛検査・牛トレーサビリティ

感染源及び感染経路報告書 関係

リスクコミュニケーション情報や意見の交換

農林水産物等に関する

リスク管理

農林水産省

厚生労働省

評価結果の通知、勧告

評価の要請

評価結果の通知、勧告

食品安全委員会

食品事業者、消費者等

食品衛生に関する

リスク管理

リスク評価

評価の要請

食品安全行政の体制食品安全行政の体制((20032003((H15H15))年年77月~)月~)

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1.原因(病原体) 異常プリオンたん白質

(たん白質の一種)

2.感受性動物 牛、水牛

3.症状 長い潜伏期間(BSE発病まで最短

潜伏期間は45か月)の後、行動異

常、運動失調などの神経症状を呈し、

発病後2週間から6か月の経過で死

に至る 治療法なし

4.診断法 脳から異常プリオンを検出

生前診断法なし

牛海綿状脳症(BSE)について

我が国は、全月齢の頭部

(舌、頬肉を除く)、せき柱、

せき髄、回腸遠位部(小腸

の一部)をSRMとして除去図示部位中の異常プリオンたん白質の分布割合の

合計:99.44% 3

眼球(0.04%)

脳(66.7%)(三叉神経節を含む) 背根神経節(3.8%)

(せき柱に含まれる)せき髄(25.6%)

回腸遠位部(3.3%)(小腸のうち最後の2m程度)

扁桃

出典:欧州委員会科学運営委員会(1999年12月)「食物を介したBSEのヒトへの暴露リスクに関する科学運営委員会の意見」

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3

0

200

400

600

800

1000

1200

(頭)

1992

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007(年)

EU(英国除く)

英国

アメリカ

カナダ

日本

イスラエル

世界のBSE発生件数の推移

37,280

世界のBSE発生件数の推移

0

3

3

0

49

39

94

2007 (※1)

10754230日本

0

5

1

114

199

329

2006

000100イスラエル

112(※2)000カナダ

100000アメリカ

2253436111,1441,20237,280英国

3275297721,0321,01036欧州

(英国除く)

5618781,3892,1792,21537,316全体

200520042003200220011992

出展:OIE World Health Situation※1 OIEのデータ更新は2008年1月8日現在だが、いくつかの国においては2007年

の最終累計が未だ報告されていない。※2 うち1頭はアメリカで確認されたもの。

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4

【目的】

BSEの発生予防・まん延防止

牛海綿状脳症対策特別措置法(2002(H14)年6月14日制定)

•安全な牛肉の安定的供給

•国民の健康保護

•酪農、牛肉生産、加工及び流通事業の

健全な発展6

【内容】

• 牛の肉骨粉等の飼料原料の給与規制等(5条)

• 死亡牛の届出及びBSE検査等(6条)

• と畜場におけるBSE検査等(7条)

• 牛に関する情報の記録等(8条)

牛海綿状脳症対策特別措置法(2002(H14)年6月14日制定)

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大臣確認制度による、チキンミール(H13.11)、魚粉(H16.1)、豚肉骨粉(H17.4)の鶏・豚用飼料等への使

用再開(飼料安全法)

2001.11~

配合飼料工場における反すう動物用飼料及びそれ以外の飼料の製造工程の分離を完全施行(飼料安全法)

2005. 4 (H17)

輸入飼料の原材料の届出、小売業者の届出の義務化(飼料安全法)

2005. 8

飼料としての肉骨粉等について、すべての国からの輸入、国内における製造・出荷の一時全面停止(飼料安全法)

2001.10 (H13)

反すう動物由来の肉骨粉等の反すう動物への飼料給与禁止(通知発出)

1996. 4(H8)

措 置 の 内 容年 月

飼料規制の経緯

反すう動物専用 43

製造ライン分離 35

反すう動物以外専用 59

注:数字は2005(H17)年4月時点

家畜用飼料工場の専用化状況

家畜用飼料工場137

分離 137

非分離 0

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牛用飼料と豚・鶏用飼料のライン分離(例)(飼料工場)

トウモロコシ・

大豆かす等

牛用ライン

配合タンク

製品タンク

出荷計量・

ミキシング

ペレット加工

粉砕

圧扁

牛用原料タンク

製品タンク

豚・鶏用ライン

配合タンク

粉砕

圧扁

豚・鶏用原料タンク

分 離

計量・ミキシング

出荷豚肉骨粉等 10

○○×鶏

○○×豚

×××牛肉

鶏豚牛

給与飼料

我が国の飼料規制

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飼料規制の実効性確保の取り組み

輸入飼料の規制の徹底

飼料の販売業者における規制の徹底

農家における規制の徹底

飼料工場における規制の徹底

指導・監視

国・都道府県

立ち入り検査サンプル分析 等

12

• 24か月齢以上の死亡牛の届出を義務化

•死亡牛のBSE検査開始

2003. 4 (H15)

•全ての都道府県において死亡牛検査体制が

完全に整う

2004. 4(H16)

•サーベイランスの拡大(約4,500頭/年)• と畜牛の全頭検査開始(約130万頭/年)

2001. 9(H13)

• BSE発生報告の義務化

•サーベイランス(家畜保健衛生所に搬入された

病畜を対象としたBSE検査)の開始

1996. 4 (H8)

措 置 の 内 容年 月

BSEサーベイランスの経緯

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農場でのサーベイランス

24か月齢以上の死亡牛等

農場におけるBSE検査の対象

14

594,74920062007

(4~11月)

200520042003年度

うち陽性(頭)

48,416検査頭数(頭)

162,552

395,244298,656

死亡牛検査の実績

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【目的】

• BSEのまん延防止措置の的確な実施

• 国産牛肉に対する信頼確保

牛トレーサビリティ制度

BSEの患畜発生時、迅速かつ的確に関連牛を特定し、所在を把握

国産牛肉の個体識別情報の提供などにより、牛肉の生産過程の透明性を確保

16

出生輸入

異動 とさつ 枝肉

管理者(輸入者)

と畜者

耳標装着(取り外し禁止)

((独独))家畜改良センターに家畜改良センターに届出届出

出生・輸入異動(転入・転出・死亡)

とさつ

生産段階 (2003(H15)年12月~)

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枝肉 部分肉 精肉など

と畜者 販売業者など

個体識別番号の表示

取引の記録・保存

とさつ

サンプル採取(DNA鑑定)

流通段階 (2004(H16)年12月~)

18

牛個体の情報

管理者の情報

出生年月日、種別など

すべての管理者の氏名、飼養施設の所在地など

⇒管理者の氏名など個人情報を除き公表

(同意がある場合は公表)

個体識別台帳個体識別台帳

とさつの情報 とさつの年月日、と畜場

個体識別番号

牛の個体識別情報のデータベース

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http://www.nlbc.go.jp/

携帯電話用:http://www.id.nlbc.go.jp/mobile/

インターネットでの検索の方法

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牛の個体識別情報の表示例

21

XXXXX

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パックラベル表示例

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料理店での表示例

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○○○○○

○○●●● ○○○○●○○○○●

A群(95・96年生)

C群(99~01年生)

○○○●●

肉骨粉

○○○○●

油脂(注1)

プリオン

異常プリオン

飼料

代用乳(注2)

注2:代用乳とは、哺育期の子牛に母乳の代わりに給与する液状の飼料

注1:オランダの疫学調査結果(日本向け動物性油脂の製造工場で牛のたん白質が混入した確証はない)、EFSAのリスク評価(動物性油脂が感染源になることを否定)

13頭 15頭

飼料等

通知による飼料規制(反すう→反すうの禁

止の実施)

2002年4月以降生まれの牛からは陽性牛は出ていない

24

BSE感染源及び感染経路に関する調査報告書(2007(H19)年12月公表)

飼料規制(動物→反すうの禁止、反すう動物肉骨粉の

利用を禁止)を法制化

通知による飼料規制(反すう→反すうの禁止)の実施

32例までのBSE感染牛を発生地域・出生時期別

に分類し感染源等を分析

25

1996年 2001年

A 群

北海道関東

B群 熊本(1頭)

C 群

北海道

D群

栃木兵庫

ポストD 群

長崎

(1頭) (13頭) (15頭) (2頭)

プレA群

(0頭)

飼料規制(動物→反すうの禁止、反すう動物肉骨粉の利用禁止)を法制化SRM焼却を法制化

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A 群:共通の飼料工場で製造された代用乳が原因の可能性

しかし、科学的知見によりオランダ産油脂を感染源

として合理的に説明することは困難

B 群:1999年に輸入されたイタリア産肉骨粉が汚染してお

り、飼料工場で交差汚染した可能性

C 群:共通の飼料なし

A群が汚染原因となった可能性

D 群:2001年生まれの事例は、孤発性の可能性(非定型)

2002年生まれの事例は、飼料規制の法制化前に生産

された飼料が原因の可能性

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