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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託 平成24年3月 隈研吾建築都市設計事務所

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湯河原町

駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

報 告 書

平成2 4年 3月

隈研吾建築都市設計事務所

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託 報告書

もくじ

1. 計画の概要 ······························································································1

1-1 委託概要 1

1-2 業務の目的 1

1-3 業務の内容 1

1-4 成果品 2

2. 業務範囲 ··································································································3

3. 諸条件整理 ·····························································································43-1 上位計画等 4

3-2 課題および対策 5

4. 整備計画の検討 ····················································································6

4-1 整備検討 6

4-2 整備方針 18

4-3 28 年式による駅前広場面積の算定 19

4-4 (参考)98 年式による駅前広場面積の算定 21

5. 設計計画 ··································································································24

5-1 全体計画 24

5-2 手湯の配置検討 28

5-3 タクシー乗り場の検討 29

5-4 バス乗り場の検討 32

5-5 概算工事費 35

6. 駅前整備を推進する会 ·····································································376-1 駅前整備を推進する会の活動経過 37

6-2 駅前整備を推進する会名簿 38

7. パブリックコメント ··········································································39

7-1 パブリックコメントについて 39

7-2 意見等の概要及び町の考え方 39

YUGAWARA
鉛筆
YUGAWARA
鉛筆
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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所1

1. 計画の概要

1-1 委託概要委託業務名  湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

委託場所   神奈川県足柄下郡湯河原町土肥

       JR東日本東海道本線湯河原駅駅前広場

面積     都市計画決定面積 約 3,200㎡

       (都市計画道路 3・6・1 湯河原箱根仙石原線に含む)

履行日数   自)平成 23年 8月 1日 

       至)平成 24年 3月 23日

発注者    湯河原町

受注者    株式会社隈研吾建築都市設計事務所

1-2 業務の目的 湯河原町の玄関口として位置づけられ、また、多様な交通の集中が予想される湯河原駅前広場

において、鉄道と各種交通機関との乗り継ぎ、交通動線の円滑化及び高齢者を含めた駅利用者の

利便性の向上、観光案内標識等の整理、統合、美化を図り、さらには緑のある質の高い文化的環

境を有する空間の創出に配慮した整備構想を作成する上で必要な事項について調査・検討した駅

前広場整備構想(以下「22年度構想」という)が、平成 22年度に策定された。

 本業務は、22年度構想をふまえ、湯河原温泉まちづくり協議会(以下「協議会」という)と

調整のもと、駅前広場整備事業基本計画を策定することを目的とする。

1-3 業務の内容本業務は、以下の作業を実施するものとする。

(1)計画内容の検討

 22年度構想を協議会と再検討・協議するとともに、鉄道と各種交通機関との乗り継ぎ性、交

通動線の円滑化及び高齢者を含めた駅利用者の利便性の向上、温泉観光地の玄関口にふさわしい

空間の整備、観光案内標識等の整理、統合、美化について詳細検討を行う。

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所2

(2)基本計画図の作成

 計画内容に基づき、基本計画平面図、イメージ図、屋根・舗装・ストリートファーニチャー・

案内標識等のデザイン案、周辺部分の景観形成の基本的な整備プランを作成する。なお、詳細に

ついては町と協議し決定するものとする。

(3)概算工事費の算出

 整備に必要な概算工事費を算出する。

1-4 成果品設計(作業)項目 現状分析及び敷地分析、計画内容の検討、基本計画図の作成、概算工事費の

         算出

成果品      報告書 20部

         データ(図面、イメージ)CD-R 1枚

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所3

2. 業務範囲

 業務範囲は JR東日本東海道本線湯河原駅の駅前広場(都市計画道路 3・6・1 湯河原箱根仙石原

線に含む)とする。

駅前広場面積:約 3,200㎡

湯河原駅一日平均乗客数:6,065 人(平成 22年度、JR 東日本HPより)

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所4

3. 諸条件整理

3-1 上位計画等 本業務は平成 18~ 22年度に策定された 5つの報告書に基づいて行なうものであり、その中

で本計画地である湯河原駅駅前広場の整備にかかる方針は以下のように位置づけている。

(1)ゆがわら 2011 プラン湯河原町新総合計画 平成 23年 3月

・本計画は、本町の重要な玄関口である駅前周辺について、「湯河原駅周辺地区市街地総合再生

基本計画」を踏まえ、温泉観光地にふさわしい湯けむりの感じられる空間としての整備を地域や

企業と協力して計画的に進める。

(2)湯河原町都市マスタープラン 平成 21年 3月

・本計画は、湯河原町を取り巻く社会環境を踏まえ、概ね 20年後の 2025(平成 37)年を展望し、

都市づくりの基本理念として「“湯河原らしさ ”を大切にした都市づくり、“豊かさと快適さ ”を

実感できる都市づくり、“町民主体 ” の協働の都市づくり」を掲げ、街の目指すべき将来都市像・

地域像やその実現化方策を内容として策定されたものである。

・駅前広場については、鉄道とバス・タクシー・自家用車との乗り継ぎ性や、交通動線の円滑化、

高齢者を含めた駅利用者の利便性向上をねらい、広場内施設の改良整備に務めるとしている。

・玄関口としてふさわしい場として、緑のある質の高い文化的環境を有する都市空間を創出する

ため、駅前広場の修景整備に努めるとともに、駅舎の建替えを促進するとしている。

(3)湯河原町景観計画 平成 19年 3月

・本計画は、県や周辺地域の景観関連の動向を見据えながら、相乗的な効果が得られるよう関連

する計画と整合・調整を図り、町の多彩な資源を最大限活かし、「景観法」に基づく計画を策定

したものであり、湯河原町全域を景観計画区域とし、良好な景観の形成に関する方針や景観の骨

格などを定め、各地区の特性に応じた具体的な規制・誘導などを行なうものである。

・駅前広場については、湯河原町の玄関として特色ある自然・歴史・文化を表すとともに、出会

いの場として賑わいを演出する景観形成を図る拠点と位置づけている。

(4)湯河原町駅前広場整備構想策定業務委託報告書 平成 22年 3月

・本計画は、湯河原駅駅前広場の現状について把握するために、現地踏査を行なうとともに既存

資料の分析や関係各課とのヒヤリング等を行い、今後対応すべき課題を整理し、整備構想を立案

したものである。

・駅前広場について、48年式により必要規模の算定を行い現況面積では小さいと判断しつつ、本

業務のベースとなるタクシーロータリーを縮小し、“町民・来訪者広場 ”を駅前広場の中央に配

置する案が提案されている。

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所5

(5)湯河原町駅前広場整備構想策定業務委託事業報告書 平成 23年 3月

・本計画は、前年度業務をふまえ湯河原温泉まちづくり協議会との調整のもと、具体的な整備イ

メージを策定したものである。

・駅前広場について、「観光客も住民も気軽にくつろげるまちの縁側のような駅前広場」、「木

のぬくもりと湯けむりを感じるあたたかな広場」、「四季の彩りを感じる癒しの空間」の 3 つ

をコンセプトに掲げ整備案を示している。本業務はこの整備案を軸に検討を進めるものとする。

3-2 課題および対策 前項を踏まえ、現況における課題および対応を整理する。

 なお、整備にあたっては、地域特性を十分に活かすことを念頭におきながら、各課題の関連性

を考慮し、整合性や統一性を持たせ進めるものとする。

(1)地域性

課題:「湯のまち」の趣を活かしたおもてなし空間の確立

対応:湯のまちの雰囲気に十分に配慮するとともに、温泉を想起させる設備を検討する。

(2)上屋

課題:庇の長さが不十分でバス・タクシー乗降時に利用者が降雨にさらされている。

対応:趣のある意匠とするとともに、庇の長さを充分に確保する。

(3)舗装材

課題:アスファルトやタイルが混在し統一感がないうえ、湯のまちの風情に乏しい。

対応:湯のまちにふさわしく、平坦で滑りにくい素材を検討する。

(4)サイン

課題:様々な種類・サイズのサインが混在し、湯のまちの趣に乏しい

対応:趣があり、また統一感のあるデザインコードを検討する。

(5)パークアンドライド

課題:自家用車の停車スペースがなく、バス・自家用車とも円滑な走行が困難である。

対応:コインパーキングを取り止め、自家用車の送迎スペースを検討する。また、それにともな

う代替駐車場を検討する。

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

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4. 整備計画の検討

4-1 整備検討 前項までの課題および対策から、具体的な整備計画の検討を行なう。

(1)手湯の検討

 現況の駅前広場は湯河原の「かお」となる風情に乏しいことから、温泉観光地にふさわしい設

備が求められており、駅前広場の中央に湯けむりを発生させる装置として手湯を設置することが、

駅前整備を推進する会(第 6章参照)で決定された。手湯を設置している駅および駅前広場は、

下記写真の別府駅・下呂駅のほか天あ ま が せ

ヶ瀬駅等でもみられるが、足湯に比べると事例は少なく目新

しいという点が評価された。

 手湯への温泉引込方法は、敷地西側の御嶽神社付近に温泉管が埋設されているので、そこから

第1駐車場を経由して駅前広場に引き込む予定としているが、詳細については来年度以降の設計

段階で検討することとする。

下呂駅(JR 東海高山本線)別府駅(JR 九州日豊本線)

手湯の設置例

手湯のサイズイメージ

長さ 9.0m

幅 0.8m

高さ 0.7m

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所7

手湯の湯けむりは来訪者に「湯のまち」を感

じさせ、湯河原のかおになります。

四季を感じさせる植栽が、駅舎にうるおいを

もらたします。

横断歩道への動線空間と、手湯(滞留空間)

を明確にゾーニングし、混雑を緩和します。

手湯の素材は、湯河原の風土に適した石材(安

山岩等)とします。

現況

計画

□手湯整備イメージ

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鬼怒川温泉駅(東武鉄道鬼怒川線)

□足湯整備イメージ

 22年度構想では、手湯でなく足湯が提案されていたが、足湯の設置にはコインロッカーやタ

オル販売所といった付帯施設が必要であり手湯に比べ運用・管理上の手間がかかること、他の駅

で設置されている事例が多数(30程度)あることから目新しさがないとの意見が駅前整備を推

進する会であがり、手湯を候補とすることとなった。

由布院駅(JR 九州久大本線)

熱海駅(JR 東日本東海道本線) 木津温泉駅(北近畿タンゴ鉄道宮津線)

足湯整備イメージ

足湯の設置例

摩周駅(JR 北海道釧網本線)道後温泉駅(伊予鉄道城南線)

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平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所9

□ドライミスト整備イメージ

 手湯・足湯とも人の滞留の動機となる可能性があることから、ドライミストが提案された。ド

ライミストは温湿度の影響を受けにくく、手湯・足湯に比べ安定してミストを発生させることが

可能であるが、温泉水の利用ができないため温泉街の風情という点では手湯・足湯が優れており、

手湯の補助として用いるか継続して検討が必要である。

玉川高島屋(東京都世田谷区)設計:隈研吾建築都市設計事務所

東京ミッドタウン(東京都港区) 六本木ヒルズ(東京都港区)

ドライミスト整備イメージ

ドライミストの設置例

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

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現況

計画

全体的に薄暗く、ひさしの出が小さいため

バス・タクシー乗降時に雨に濡れます。

透明素材と木製垂木により、木のぬくもりの

ある明るい大屋根となります。

緩勾配の大屋根が湯のまちを象徴します。

(2)上屋の検討

 現況の上屋はトップライトが設けられているにも関わらず全体的に薄暗く、その形状や素材は

温泉街の風情に乏しい。湯のまちを象徴する大屋根を検討する。

馬頭広重美術館設計:隈研吾建築都市設計事務所

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所11

計画(断面図)

大きなひさしにより雨に濡れずに

乗降できます。

□鳥瞰イメージ

必要に応じて垂木を切り欠き、開放感の

ある大屋根とします。現況

計画

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(3)舗装材の検討

 広場の舗装材として土舗装・石舗装・コンクリート平板舗装を提案し、現況のアスファルト舗

装を加え 4種類の舗装材を比較検討する。歩行者にとって歩きやすい舗装とは、滑りにくい平坦

な舗装であり、その点ではアスファルトや土系の舗装が適しているが、石系やブロック系の舗装

も多くの敷設の実績がある現状を考慮すれば大きな差はないと思われる。計画地は温泉街の風情

が求められており、舗装材もこれに準じたものとする必要がある。この観点からは自然素材であ

る土系や石系の舗装が優れているといえる。

 このように舗装材については、どの効果を優先するかによって大きく優劣が分かれるかたちと

なるが、意匠性・地域性を優先し土舗装および石舗装を中心として計画を進めるものとする。

※歩行の快適性は目地の有無、滑りにくさから判断しています。

舗装材の比較一覧

コンクリート

平板舗装

土舗装

アスファルト

舗装(参考)

石舗装

×

×

歩行の快適性※

耐候性・耐久性

意匠性・地域性

経済性

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□舗装材の検討 土舗装

古より使われてきた土舗装は、湯河原の歴史を想起させます。

環境に配慮した素材で、土により路面温度の上昇が抑制できます。

舗装材は純粋な土ではなく固化材を混入(ソイルバーン等)し、管理車両の乗り入れが可能です。

土舗装整備イメージ

土舗装の事例

ソイルバーン(愛知県常滑市)

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□舗装材の検討 石舗装

趣のある石舗装は、温泉街の風情をつくります。

石の種類は、耐候性の高い安山岩・花崗岩等を検討します。

石の表面は、滑りにくいバーナー仕上げ、ビシャン仕上げ等を検討します。

本小松石(安山岩)

石舗装の事例

馬頭広重美術館設計:隈研吾建築都市設計事務所

石舗装整備イメージ

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コンクリート平板舗装の事例

□舗装材の検討 コンクリート平板舗装

コンクリートでできた耐候性の高い素材で、比較的安価で補修も容易です。

表面の細かい溝により滑りにくくなり、歩行者の安全性を高めます。

THE SCAPE設計:隈研吾建築都市設計事務所

コンクリート平板舗装整備イメージ

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(4)サインの検討

 現況のサインは様々な種類・大きさのサインが混在し煩雑な印象をあたえ、同時に交通案内サ

インが見えにくくいため改善が必要である。またデザインコードの制定が必要と考えられる。

手湯の近くに案内サインを設けることで、地

域住民と来訪者が案内サインをみながら、交

流・情報交換できます。

案内サインはユニバーサルデザインの考えに

基づき、できるだけ多くの人が利用可能なデ

ザインとします。

交通サインは基本的に動線を阻害しない、視

認性の高い吊りサインとします。現況

計画

触地図事例低い視線に配慮したサイン高さ

大きい文字・ピクト(絵文字)・点字・触地図を検討し、

日本語・英語・中国語・韓国語の 4 ヶ国語を表記します。

視認性の高い吊りサイン

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

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(5)パークアンドライド 

 自家用車駐車場の不足を補うため近隣駐車場の利用を推奨することが、駅前整備を推進する会

で決定された。駅近隣には現状 2ヶ所の駐車場(臨時第 1駐車場、臨時第 3駐車場)が存在し、

臨時第 1駐車場はタクシーの待機所としての利用も考えられる。

湯河原駅臨時第 1駐車場(宮下 653-11)

現状:時間貸駐車場

30 分ごとに 100 円(最高限度額 1,000 円 / 日)

(最初の 30 分のうち駐車開始後 15 分までは無料)

湯河原駅臨時第 3駐車場(土肥 1-7-24)

現状:時間貸駐車場

30 分ごとに 100 円(最高限度額 1,000 円 / 日)

(最初の 30 分のうち駐車開始後 15 分までは無料)

第 3駐車場

第 1駐車場

歩行者

歩行者

湯河原駅

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

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4-2 整備方針以上までの検討内容をまとめ、整備方針を以下のように提案する。

(1)地域性

・湯のまちを象徴する湯けむりを発生させる設備として、手湯を駅前広場中央に設置する。

・手湯の素材や意匠は、湯のまちの趣と景観に充分に配慮したものとする。

(2)上屋

・上屋は湯のまちの趣と景観を配慮するとともに、明るい透明感のある勾配屋根とする。

・ひさしは、バス・タクシーの乗降時に濡れにくい大きさとする。

(3)舗装材

・舗装材は湯のまちの趣に配慮するとともに、平滑で滑りにくい素材とする。

・土舗装と石舗装を候補とし、経済性を考慮したうえで設計段階で最終決定するものとする。

(4)サイン

・交通系のサインは、視認性が高く動線を阻害しない吊りサインとする。

・案内サインは、ユニバーサルデザインの考えに基づき多くの人が利用可能なデザインとする。

(5)パークアンドライド

・自家用車のコインパーキングを取り止め、乗降専用のバースを設ける。

・近隣駐車場利用を推奨する。

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所19

4-3 28 年式による駅前広場面積の算定 この算定式は、「都市計画による駅前広場の造成についての建設省(旧)・日本国有鉄道(旧)

申合わせ」において採用されていた式であり、一日平均乗降客数を算定基準式に代入して駅前広

場面積を求める方法である。

手湯を新たに設置できる面積上の余裕があるか、この算定式を用いて判定する。

・駅前広場計画指針(建設省都市局都市交通調査室監修)における「駅前広場は、他の交通施設

と同様、将来(おおむね 20年後)の需要を満足するよう計画する。」ことから、目標年次人口に

ついて湯河原町都市マスタープラン(平成 21年3月)の数値より人口伸び率を計算する。

基準年次人口(平成 23年) 27,269 人(平成 23年版湯河原町統計要覧)

目標年次人口(平成 37年) 28,000 人(平成 21年湯河原町都市マスタープラン)

・人口伸び率

平成 37年湯河原町人口推計値 /平成 23年湯河原町人口

= 28000/27269 ≒ 1.03

・将来一日平均鉄道乗降人数

JR湯河原駅資料から 12,130 人 / 日

目標年次における年間平均一日鉄道乗降人数(平成 37年)

将来一日平均乗降客数=一日平均乗降客数×人口伸び率

= 12130 × 1.03 ≒ 12,494 人

・駅前広場面積の算定

以上より得られた一日平均乗降客数を算定式に代入し、広場面積を求める。

A: 総面積(㎡)

x: 年間平均1日鉄道乗降人数(人) 12,494 人 / 日

※乗降人口 100,000 以上の大都市駅の設計は、本基準式を用いず特殊設計とする。

標準式A= 0.119x(x ≦ 73,000) ∴ 0.119 × 12494 = 1,486.79㎡

A= 0.0259x + 25.09 √ x(x > 73,000※)

上 限A= 0.128x(x ≦ 73,000) ∴ 0.128 × 12494 = 1,599.23㎡

A= 0.0277x + 26.85 √ x(x > 73,000)

下 限A= 0.088x(x ≦ 73,000) ∴ 0.088 × 12494 = 1,099.47㎡

A= 0.0189x + 18.30 √ x(x > 73,000)

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湯河原町 駅前広場整備事業基本計画策定業務委託

平成 24年 3月 隈研吾建築都市設計事務所20

歩道B

歩道A

約 300㎡

約 700㎡

バス乗り場 約 1,400㎡

タクシー乗り場

合 計

約 800㎡

約 3,200㎡

現況広場面積-駅前広場基準面積(上限)

= 3200 - 1599.23 = 1,600.77㎡

現状の広場面積は 28年式の算定面積(上限)より、約 1,600㎡ゆとりがあり、手湯の用地を十

分に確保することが可能であることが示された。

□現況駅前広場面積の算定

タクシー乗り場:約 800㎡

バス乗り場:約 1,400㎡

歩道 A:約 700㎡

歩道 B:約 300㎡

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4-4 (参考)98 年式による駅前広場面積の算定 広場面積の算定式は前出の 28年式のほか、小浪式、48年式、98年式等があり、ここでは一

般的に利用されている最新の 98年式(建設省(旧)指針)を用いて、広場面積を算定する。

【1交通空間基準面積の算定】

1)バス乗降場に関わる計画交通量と施設数

BIB:バス乗車バース数 4

BOB:バス降車バース数 1

NBW:バス待ち滞留客の計画交通量

NBW =ピーク時バス乗車客数×バスサービス時間÷ 60

= 358※ 1 × 5※2 ÷ 60 ≒ 30 

2)タクシー乗降場に関わる計画交通量と施設数

BIT:タクシー乗車バース数 2

BOT:タクシー降車バース数 2

NTW:タクシー待ち滞留客の計画交通量

NTW =ピーク時タクシー乗車客数×タクシーサービス時間÷ 60

= 11※1 × 5※2 ÷ 60 ≒ 1

3)車道に関わる計画交通量

CC:車道に関わる計画交通量

CC =(ピーク時バス利用者数÷バス 1台あたり平均乗降客)× 1.7 +(ピーク時タクシー利用

者数÷タクシー 1台あたり平均乗車人員)+(ピーク時自家用車利用者数÷自家用車平均乗車人

数)

=(945※1 / 40)× 1.7 +(52※1 / 1.4)+(195※1 / 1.3)

≒ 227.3

※ 1 21年度整備構想報告書より、

ピーク時バス利用者数:945 人(乗車客数 358 人、降車客数 587 人)

ピーク時タクシー利用者数:52人(乗車客数 11人、降車客数 41人)

ピーク時自家用車利用者数:195 人

※ 2 バスサービス時間又はタクシーサービス時間の 5分は参考値

【2施設原単位の設定】

aB:バス乗降場 70㎡ / 台

aBW:バス乗降客の滞留空間 1㎡ /人

aT:タクシー乗降場 20㎡ / 台

aTW:タクシー乗降客の滞留空間 1㎡ /人

aC:自家用車乗降場 20㎡ / 台

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aPT:タクシー駐車場 30㎡ / 台

DW:歩行者密度 27人 / 分 ・m

LC:計画車道延長 0.4CC + 36.1

LC = 0.4CC + 36.1 = 0.4 × 227.3 + 36.1 ≒ 127.0

LW:平均歩行延長 0.009 ×(歩道面積以外の広場面積)+ 82.4

LW = 0.009A0+82.4 = 0.009 × 2200※ 3 + 82.4 = 102.2※ 3 A0 は広場面積 3200㎡の内歩道 1000㎡を除いた 2200㎡とする。

WC:計画車道幅員 5.5m

【3交通空間基準面積の算出】

①バス乗降場関連面積

(乗車バース数(台)+降車バース数(台))×バス乗降場施設原単位(㎡/台)+滞留客の計画

交通量(人)×バス乗客 1人当たりの滞留空間(㎡/人)

=(BIB + BOB)× aB + NBW × aBW=(4+ 1)× 70+ 30× 1

= 380㎡

②タクシー乗降場関連面積

(乗車バース数(台)+降車バース数(台))×タクシー乗降場施設原単位(㎡/台)+滞留客の

計画交通量(人)×タクシー乗客 1人当たりの滞留空間(㎡/人)

=(BIT + BOT)× aT + NTW × aTW =(2+2)× 20+ 1× 1= 81㎡

③自家用車乗降場関連面積

乗車バース数(台)×自家用車施設原単位(㎡/台)

= BC × aC = 6※4 × 20 = 120㎡※ 4 バース数は自家用車 4台に旅館など送迎用 2台を追加し 6台とする。

④駐車場関連面積

タクシー駐車台数の計画交通量(台)×タクシー駐車施設原単位(㎡/台)

= PT × aPT = 20※5 × 30 = 600㎡

※ 5 タクシーの駐車台数は 20台とする。

⑤歩道面積

(歩道に関わる計画交通量÷歩行者密度(人/分・m))×平均歩行延長(m)

=(3173※6 / 60 ÷ DW)× LW =(3173 / 60 ÷ 27)× 102.2 ≒ 200㎡

※ 6 21年度整備構想報告書より、歩道に関わる計画交通量は 3173 人。

⑥交通処理のための車道面積

計画車道延長(m)×計画車線幅員(m)

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= LC ×WC = 105.3 × 5.5 ≒ 579㎡

⑦付加的施設の面積

手湯 200㎡

交通空間基準面積:総計(①②③④⑤⑥⑦計)

380 + 81+ 120 + 600 + 200 + 579 + 200 = 2,160㎡

車道部面積:上記から歩行空間(⑤、NBW × aBW、NTW × aTW)を除いた面積

2160 - 200 - 30 × 1- 1× 1= 1,929㎡ 

【4環境空間面積の算出】

標準的な環境空間比 0.5(「駅前広場計画指針」)を用いて算定をおこなう。

環境空間面積=車道部面積= 1,929㎡

【5駅前広場基準面積の算出】

交通空間基準面積 2,160㎡

環境空間面積   1,929㎡

駅前広場基準面積 2160 + 1929 = 4,089㎡ > 3,200㎡(現状広場面積)

∴現況駅前広場面積は、駅前広場基準面積を満たしていない。

前項で算定した 28年式とは異なり、手湯用地として 200㎡を現状の広場面積約 3,200㎡で確保

することは難しいことが示された。駅前広場用地の新たな取得は難しいため、近隣駐車場の利用、

環境空間面積を縮小するなど面積に留意しながら進める必要がある。

【参考 駅前広場基準面積の算出(手湯用地を計上しない場合)】

交通空間基準面積:総計(①②③④⑤⑥計)

380 + 81+ 120 + 600 + 200 + 579 = 1,960㎡

車道部面積:上記から歩行空間(⑤、NBW × aBW、NTW × aTW)を除いた面積

1960 - 200 - 30 - 1= 1,729㎡(=環境空間面積)

駅前広場基準面積 1960 + 1729 = 3,689㎡ > 3,200㎡(現状広場面積)

となり、手湯を取り止めても必要規模を満たしていないことが示された。

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5. 設計計画

5-1 全体計画(1)湯河原駅前広場整備事業の規模

 駅前広場整備の基本計画検討に係る規模は次に示すとおりである。自家用車の現況駐車場(コ

インパーキング)は取り止め、キス・アンド・ライドを想定した乗降バースを設ける。また、幅

の広い身障者優先の乗降バースも設けることとする。

※ 1 括弧内数字は最大限確保した場合の予想台数。

※ 2 整備前はコインパーキングの駐車台数、整備後は乗降場の台数を示す。

タクシー

バス

自家用車※2

自家用車(身障者優先)※2

送迎バス

バース乗車場 2台

現況

2台

計画

降車場 2台 2台

1~ 2台 1~ 2台

約 34 台 18(21)台※1

9 台 2 台

乗車場 4台 4台

- 2 台

降車場 1 台 1台

1~ 2台 1~ 2台

バース

プール(バースを含む)

プール

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※ 3 現況諸元は 21 年度整備構想報告書による。

構内車路(バス)

構内車路(一般車)

路肩

停車帯(バス)

停車帯(旅館等送迎車)

停車帯(タクシー・一般車)

駐車帯(タクシー・一般車)

自転車歩行者道

駐車場車路

シェルター・上屋

歩道

植樹帯(並木)

3.0 以上3.0(計画指針原単位)

3.0(計画指針原単位)

3.25 × 12.0(計画指針原単位)バース間:6m

2.25 × 5.0(計画指針原単位)バース間:3m

現況諸元※ 3一般値:m

現況値

計画諸元

3.0 以上 現況値

-0.5(道路構造令)

6.0(道路構造令)

3.5(道路構造令)

4.0(道路構造令)

2.0(道路構造令)

1.5(道路構造令)

2.25 × 5.0(道路構造令)

0.5

2.25 × 5.0(タクシー約30 台、一般車 9台)

2.25 × 5.0(タクシー約 18 台)

2.25 × 18(乗車 2バース)2.25 × 13(降車 2バース)

2.25 × 13(乗車 2バース)2.25 × 13(降車 2バース)2.5 × 13.4(一般車 2台)3.5 × 13.4(身障者 2台)

3.5 ~ 5.0 3.5 ~ 20.0

4.0 × 12.0(乗車 1バース)4.0 × 22.0(乗車 2バース)4.0 × 28.0(乗降 2バース)

現況値

-

3.5 ~ 5.0

-

3.5 ~ 20.0

-- 2.5 × 12.0

3.5 ~ 5.0

3.5 ~ 5.0

3.5 ~ 20.0

現況値

(2)湯河原駅前広場整備事業の計画諸元

 駅前広場整備の基本計画検討に係る計画諸元(駅前広場における交通処理施設の規格等)は次

に示すとおりである。

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計画

現況

(3)動線計画 平面図

 改札前エリアの幅を現況の 2倍以上に拡張し、横断歩道への歩行者動線と手湯を配置する。バ

スとタクシーの動線はともに現況を踏とうしゅう

襲したかたちであるが、自家用車の乗降バースは右寄せ駐

車であるためさらなる検討が必要である。 

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改札前エリアの巾を倍以上拡張すること

で、安全でゆとりのある広場となります。

横断歩道への動線空間と、手湯のある滞

留空間を明確にゾーニングすることで、

混雑を緩和します。

動線空間

動線空間

動線空間滞留空間

滞留空間

改札前エリアの巾が狭く、バス・タクシー

を待つ滞留空間と、横断歩道へ向かう動線

空間が混在している。

手湯

計画

計画(全景イメージ)

現況

(4)動線計画 断面図

 現況の改札前エリアの幅は約 8.0m程と狭い上、タクシー乗り場・バス乗り場・待合が並列し

ている。拡幅し手湯を配置した際、駅前空間の性質上人の滞留に配慮が必要であるが、滞留空間

が明確に動線と区分されているため安全性は確保されるものと考えられる。

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5-2 手湯の配置検討 手湯は改札を出て最初に目にする広場の中央に配置したいが、手湯は人の滞留の動機となり動

線を阻害する可能性があることから、広場の半分を滞留空間とし手湯を配置する。また、地域住

民と来訪者が交流・情報交換できるよう、手湯近きんぼう

傍に案内サインを設ける。

現況

計画0 5

N

10m

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5-3 タクシー乗り場の検討 タクシーは、乗車バース 2台(現況 2台)、降車バース 2台(現況 2台)とする。待機台数は

乗車バースを含めて 18台を最低限確保するものとし、21台配置可能か測量の後(設計時)詳細

に検討するものとする。

0 5

N

10m

現況

計画

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 タクシープールの待機台数を最大限

確保するため、レーンのレイアウトを

検討した。タクシープールと県道との

間ある植栽を取り止め、その面積をタ

クシーの待機スペースとして利用する

ことを検討したところ、県道と直交す

る A・B案は待機台数が増えず、C案

は安全面で問題があることが示され、

前頁案を最終案とすることとなった。

□タクシープールのレイアウト検討

A 案 待機台数 15(17※)台※()内数字は要検討

B案 待機台数 14(16※)台

C案 待機台数 17(24※)台

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□現タクシー乗り場のバス乗り場への変更検討 タクシープールの台数不足を補うた

め、タクシー乗り場とバス乗り場を逆

にする検討を行った。降車専用バース

は設けず、乗車バース 4つの配置を検

討したところ、いずれの案も運用面・

安全面ともに問題があり、乗り場を逆

にすることは不可能であり、バス乗り

場は現況のままとすることが決定され

た。

イ案

ロ案

ハ案

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5-4 バス乗り場の検討 前頁の検討通り、バスのバースは乗車 4台・降車 1台と現況のままとし、道路巾もほぼ現況通

りであるため、運用上問題はないと考えられる。自家用車のバースは進行方向をバスの進行方向

にあわせると右寄せ駐車となるため、安全面に対する検討が課題として残る。

現況

計画

0 5

N

10m

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□土肥実平像

 土肥会※創立 50 周年記念という像の建立の経緯を鑑みて、土肥実平像は残す方向とすること

が駅前整備を推進する会で決定された。また、像のライトアップ、土台の改修を検討する。※昭和 5年に発足した、湯河原郷土の英雄土肥実平の事蹟を顕彰し、後世に伝えて行こうとする団体

現況

計画

計画

現況

バスが停車していると、ポケットパークが

見えない。

立ち入りできない芝生舗装

樹木に囲まれた落ち着いた

ロータリー広場

広場全面を歩くことができ

る舗装材

屋根高さを上げることで、バス停車時にも

屋根とバスの間から樹木を見ることができ

ます。

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現況

計画(昼景)

計画

計画(夜景)

動線を阻害しない埋込型のアッパーライ

トにより像をライトアップします。

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5-5 概算工事費  概算工事費は計画の駅前広場面積を求め、舗装材別に算出する。

□計画駅前広場面積の算定

□各舗装材共通

上屋(撤去・新設) 220 千円1,500㎡

1㎡当たりの単価数量

330,000 千円

概算費用

手湯(温泉管引込)

ロータリー舗装(AS舗装 撤去・新設)

ロータリー広場(改修)

小計 ①

1,700㎡

1,000 千円30㎡ 30,000 千円

9千円 15,300 千円

40 千円250㎡ 10,000 千円

385,300 千円

タクシー乗り場:約 500㎡

手湯:約 30㎡

バス乗り場:約 1,200㎡歩道 A:約 900㎡

歩道 B:約 350㎡

ロータリー広場:250㎡

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□土舗装の場合

歩道整備(土舗装)

合計(①+②)

10 千円1,500㎡

1㎡当たりの単価数量

15,000 千円

概算

400,300 千円

□石舗装の場合

歩道整備(石舗装)

合計(①+③)

40 千円1,500㎡

1㎡当たりの単価数量

60,000 千円

概算

445,300 千円

□コンクリート平板舗装の場合

※全て数量、単価とも概算です。(昼間の工事として算出、諸経費を含む。)

※夜間工事の場合や工期により大幅に変更になる可能性があります。

歩道整備(コンクリート平板舗装)

合計(①+④)

12 千円1,500㎡

1㎡当たりの単価数量

18,000 千円

概算

403,300 千円

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6. 駅前整備を推進する会

6-1 駅前整備を推進する会の活動経過 湯河原駅駅前広場において整備構想を作成するため平成 22年 3月に「湯河原町駅前広場整備

構想」を策定し、平成 23年 3月に策定された湯河原町新総合計画「ゆがわら 2011 プラン」に

おいて観光立町の推進に向けた施策が示され、駅前周辺について温泉観光地にふさわしい空間整

備を計画的に進めることとなった。平成22年11月に設立された「湯河原温泉まちづくり協議会」

の専門部会として「駅前整備を推進する会」を発足させ、平成 23年 4月 4日から平成 24年 1

月 23日まで計 4回の「駅前整備を推進する会」で検討を行った。以下に活動経過を示す。

1)第 1回駅前整備を推進する会 平成 23年 4月 4日

○町の玄関口としてふさわしい駅前空間を実現するため、平成 21年の 7月に専門業者に委託を

し、同年9月に町の関係各課、JR、小田原土木事務所、観光協会、商工会、バス、タクシー関係

者の意向調査を実施し、その検討経過等について意見交換を行なう

○主な意見として「バスやタクシーを利用する際に上屋の長さが不十分で雨に濡れる」、「温泉街

の玄関口として、ふさわしい環境と景観にしたい」、「開放的な空間が不足」等があった

○改札前の広場をタクシー乗り場側に広げ、町民・来訪者広場を中央に配置する案(21年度構想)

で方向が決定

○隈研吾建築都市設計事務所にイメージ図の作成等を委託(平成 23年 1月)

2)第2回駅前整備を推進する会 平成 23年 6月 20日

○小田原土木事務所、バス会社、タクシー組合、JRが参画

○駅前整備構想案について、タクシー待機台数の検討要請あり

○駅前広場に足湯の配置を検討

○県道向かいのポケットパークの整備を提案

○土肥実平像は、記念碑という建立の経緯から残す方向を決定

3)第 3回駅前整備を推進する会 平成 23年 11月 22日

○足湯の設置イメージを検討するが、人の滞留、タオル等の販売、ロッカーの設置などが懸案と

なり、足湯代替案として手湯とドライミストの 2パターンを提案

○待機台数を最大限確保できるようタクシー乗り場の配置を検討

○バス乗り場の配置パターンについて検討

○自家用車の乗降バース、近隣駐車場について提案

○舗装材について石、土、コンクリート平板の 3パターンを提示、仕様決定は設計段階を予定

4)第 4回駅前整備を推進する会 平成 24年 1月 23日

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会長

副会長

委員

オブザーバー

行政関係

事務局

石 倉 幸 久

高 杉 尚 男

原 田 伸 一

柏 木 忠 彦

西 山 正 一

石 田 浩 二

室 伏   学

原 田   洋

土 屋 誠 一

露 木 寿 雄

佐 藤   恵

松 本 好 行

永 田 尚 也

杉 山 文 男

古 川 清 一

福 井 英 夫

山 本 一 郎

近 藤 充 志

森 本 真 純

柏 木   晃

力 石   剛

湯河原町 まちづくり部 都市計画課

○手湯の整備イメージを検討し、手湯の方向を決定

○タクシー乗り場に自家用車の乗降バース配置を検討

○自家用車の乗降バースについて、身障者優先帯位置を横断歩道付近に移動

○サインは基本的に吊りサインを採用する

○土肥実平像のライトアップを提案

6-2 駅前整備を推進する会名簿(平成 24年 1月 23日現在、敬称略・順不同)

湯河原町商店街連合会 会長

湯河原町商工会 福祉事業委員長

湯河原町商工会前青年部長・明店会役員

湯河原町商店街連合会 副会長

社団法人湯河原温泉観光協会 副会長

社団法人湯河原温泉観光協会 専務理事

湯河原温泉旅館協同組合 専務理事

湯河原町議会議員

湯河原町議会議員

湯河原町議会議員

湯河原町議会議員

JR東日本 湯河原駅 駅長

箱根登山バス株式会社 湯河原営業所 副所長

湯河原ハイヤー組合 組合長

湯河原駅・真鶴駅タクシー輸送組合 組合長

クレアーレ熱海ゆがわら工房

湯河原温泉まちづくり協議会 会長

小田原土木事務所 道路維持課 課長

湯河原町 まちづくり部 部長

湯河原町 まちづくり部 観光課 課長

湯河原町 企業部 温泉課 課長