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○○ エンクローズ (CB CB

新築工事 エンクローズ溶接(CB工法) 施工要領書...CB工法設計・施工管理指針 CB工法協会 1.3 変更・疑義・協議 この計画書の中で、変更を必要とする場合、内容に応じて疑義の生じた場合、

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  • ○○新築工事

    エンクローズ溶接(CB工法)

    施工要領書

    平成 年 月

    監理者

    施工者

    CB 工法施工業者

  • 1

    目次

    第1章 総則 ・・・・・・・・・ 2

    1.1 適用範囲

    1.2 適用図書ならびに準拠図書

    1.3 変更・疑義・協議

    第2章 一般事項および管理体制 ・・・・・・・・・ 4

    2.1 工事概要

    第3章 溶接施工 ・・・・・・・・・ 5

    3.1 使用材料

    3.2 使用機器

    3.3 溶接準備

    3.4 溶接作業

    第4章 品質管理 ・・・・・・・・・14

    4.1 品質管理および検査

    4.2 溶接作業前の検査

    4.3 溶接作業後の検査

    4.4 不合格の場合の処置

    4.5 管理組織と役割

    4.6 検査記録

    第5章 安全管理 ・・・・・・・・・22

    5.1 一般事項

    5.2 基本遵守

    5.3 一般作業

    5.4 溶接作業

  • 2

    第1章 総則

    1.1 適用範囲

    本要領書は、「 」のうち、鉄筋のエ

    ンクローズ溶接<CB 工法>(以下 CB 工法という)の作業に適用する。

    CB 工法とは、JIS G 3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」(以下鉄筋という)の規

    格品である SD345、SD390 および SD490 の種類で呼び名 D19~D51 の鉄筋をセラ

    ミックス製の裏当てを用いて半自動アーク溶接による狭開先溶接を行う鉄筋

    溶接継ぎ手の工法である。CB 工法の適用鉄筋の範囲と継手の組合せを表-1.1.1

    および表-1.1.2 に示す。

    表-1.1.1 CB 工法適用鉄筋の範囲

    表-1.1.2 CB 工法継手の組合せ

    種類 JIS 記号 呼び名

    SD345 JIS G 3112 D19 D22 D25 D29 D32 D35 D38

    D41 D51

    SD390 JIS G 3112 D25 D29 D32 D35 D38 D41 D51

    SD490 JIS G 3112 D32 D35 D38 D41 D51

    D19+D19 D22+D22 D25+D25 D29+D29

    D32+D32 D35+D35 D38+D38 D41+D41 同径継手の組合せ

    D51+D51

    D19+D22 D22+D25 D25+D29 D29+D32 1 サイズ違い

    D35+D38 D38+D41 D41+D51

    D25+D32 D29+D35 D29+D38 D32+D38

    異形鉄筋

    の組合せ 2 サイズ違い

    D35+D41 D38+D51

    注)1サイズ違いまでの異種強度の鉄筋の接合を含む。

  • 3

    1.2 適用図書ならびに準拠図書

    1)適用図書 本工事の適用図書および優先順位は次の通りとする。

    1.質問回答書

    2.現場説明書

    3.特記仕様書

    4.設計図(図面)

    5.標準仕様書

    2)準拠図書

    1.鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試験方法およ

    び判定基準(JIS Z 3062) 日本工業規格

    2.鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説 日本建築学会

    3.異形鉄筋の溶接継手(CB 工法)BCJ-1349(追 2)

    (財)日本建築センタ-

    4. CB 工法設計・施工管理指針 CB 工法協会

    1.3 変更・疑義・協議

    この計画書の中で、変更を必要とする場合、内容に応じて疑義の生じた場合、

    または記載事項以外で重要と思われる問題が生じた場合、監理者と協議の上、

    承諾を得た方法により施工する。

  • 4

    第2章 一般事項および管理体制

    2.1 工事概要

    1)工事名称 :

    2)発注者 :

    3)設計・監理者 :

    4)施工者 :

    5)CB 工法施工業者 :

    6)工 期 :平成 年 月 日~平成 年 月 日

    7)建築面積 : ㎡

    8)延床面積 : ㎡

    9)構造規模 :

    表-2.1.1 CB 施工箇所

    鉄筋種類/径 施工箇所数

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

    SD /D +SD /D 箇所

  • 5

    第3章 溶接施工

    3.1 使用材料

    3.1.1 鉄筋

    1)種類

    鉄筋は JIS G 3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」に規定されたもののうち SD345

    および SD390 とする。鉄筋は使用前に、各メーカーの発行する試験成績書、鉄

    筋が JIS の規定(表-3.1.1 化学成分と機械的性質)を満足していることを確

    認するものとする。

    表-3.1.1 化学成分と機械的性質

    2)外観および品質

    鉄筋には、割れ・端曲がり・表面キズその他溶接に有害と認められる材質的欠

    陥があってはならない。

    3.1.2 溶接材料

    1) 炭酸ガスアーク溶接用ワイヤ

    溶接ワイヤは JIS Z 3312「軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接用ソリッドワイヤ」に

    規定されたものを使用する。

    使用鉄筋と溶接ワイヤを表-3.1.2 に示す。また、使用溶接ワイヤの機械的性質

    を表-3.1.3 に示す。

    また、溶接ワイヤは使用する鉄筋種類に応じて選定する。

    機械的性質

    化 学 成 分 (%) 降伏点

    又は

    0.2%耐力

    引張強さ 伸び種類

    C Si Mn P S C+Mn/6 (N/㎡) (N/㎡) (%)

    SD345 ≦0.27 ≦0.55 ≦1.80 ≦0.04 ≦0.04 ≦0.50 343~441 ≧490 ≧18

    SD390 ≦0.29 ≦0.55 ≦1.80 ≦0.04 ≦0.04 ≦0.55 392~510 ≧560 ≧16

    SD490 ≦0.32 ≦0.55 ≦1.80 ≦0.04 ≦0.04 ≦0.60 490~625 ≧620 ≧12

  • 6

    表-3.1.2 鉄筋と溶接ワイヤ

    鉄筋種類 JIS 規格 ワイヤ径 製造社 銘柄

    YGW11 1.2 ○-50 SD345

    YGW21 1.2 ○-60

    SD390

    - 1.2 ○-70

    SD490 - 1.2 ○-80

    JIS Z 3312

    ※使用する鉄筋種類に応じて溶接ワイヤを選定する。

    表-3.1.3 溶接ワイヤの機械的性質

    継手引張試験 シャルピー衝撃値

    降伏点 引張強さ 伸び率 試験温度 銘柄

    (N/mm2) (N/mm2) (%) (℃) J

    備考

    490 N/mm2級 ○-50 490 570 30 -5 120

    ソリッドワイヤ

    590 N/mm2級 ○-60 590 670 28 -5 120

    ソリッドワイヤ

    690 N/mm2級 ○-70 610 720 26 0 94

    ソリッドワイヤ

    780 N/mm2級 ○-80 650 800 20 0 85

    ソリッドワイヤ

    2)炭酸ガス

    炭酸ガスアーク溶接に使用する炭酸ガスは JIS K 1106「液化炭酸」の 2種また

    は 3種規格品とする。

    3)CB セラミックス

    鉄筋径(呼名)に適合した裏当て材として CB セラミックスを使用する。作業

    状況に応じて使いわける。

  • 7

    3.2 使用機器

    3.2.1 溶接装置

    溶接装置は半自動アーク溶接機(溶接電源、ワイヤ送給装置、溶接トーチ、遠

    距離制御器)及び付属用具であるケーブル類構成される。さらに、炭酸ガスシ

    ールドアーク溶接用のガス供給装置(炭酸ガス(ボンベ)とガス調整器)が必

    要となる。

    図-3.2.1 溶接装置の基本構成

    表-3.2.1 溶接機の基本構成及び仕様

    構成 仕様

    定格入力(KVA) 18(3φ、200V、60A)

    出力電流(A) 350

    出力電圧(V) 60

    外形寸法×幅×奥行×高さ(mm) 380×520×730 程度

    溶接電源

    重量(Kg) 70 程度

    ワイヤ径(mm) 1.2

    外形寸法;幅×奥行×高さ(mm) 185×436×305 程度 ワイヤ送給装置

    装置重量+ワイヤ重量(Kg) 10+20

    ケーブル長さ(m) 3 溶接トーチ

    重量(Kg) 3

    ガス調整器

    (流量計付) 流量計容量(L/min) 100

  • 8

    3.2.2 溶接関連用具

    1)溶接付属用具

    溶接作業に使用する付属用具は、下記の日本工業規格に適合する物でなければ

    ならない。

    ① JIS C 3404-78「溶接用ケーブル」

    ② JIS C 9302-85「溶接用ホルダ」

    ③ JIS T 8113-76「溶接用皮製保護手袋」

    ④ JIS T 8141-80「遮光保護具」

    ⑤ JIS T 8142-82「溶接用保護面」

    2)開先切断用機材

    鉄筋を切断する場合はカッター使用を原則する。施工上やむえない場合は承認

    を得てガス切断とする。その場合、切断後はバリをグラインダーで除去する。

    3)研削用機材

    開先面の研削等に使用する機材は日本工業規格品とする。

    ① JIS C 9611-76「電気ディスクグラインダー」

    ② JIS R 6212-86「レジノイド研削砥石」

  • 9

    3.3 溶接準備

    3.3.1 溶接機器の準備

    受電設備に電源入力側ケーブル(14 mm2以上)と接地ケーブル(14 mm2以上)

    の配線を行う。但し受電設備のブレーカと溶接装置のスイッチを消して配線を

    行う。

    3.3.2 溶接電流及びアーク電圧の設定

    溶接電流及び電圧の設定値を表に示す。表中の数値は、二次線に延長コード

    (30m 程度)を取り付けた場合の設定値である。溶接作業者は、本工事に先立

    ち、同一作業条件下で供試体を製作し、施工管理技術者が外観検査で確認して

    溶接電流及びアーク電圧の調整を行う。その溶接条件を CB工法溶接継手管理

    記録シートに記録する。

    表-3.3.1 溶接電流及び電圧の設定値

    下向き溶接 横向き溶接

    電 流 電 圧 電 流 電 圧

    高条件 低条件 高条件 低条件 鉄筋径

    (A)*2 (A)*3 (V) (A)*2 (A)*3 (V)

    D19,D22 200~300 150~200 20~34 180~300 150~200 20~34

    D25,D29 200~300 150~200 20~34 180~300 150~200 20~34

    D32~D51 200~320 150~200 20~36 180~320 150~200 20~36

    *2 溶込みの深い溶接を行うときの電流

    *3 クレーターの処理を行うときの電流

    3.3.3 炭酸ガス流量

    炭酸ガスシールドアーク溶接の炭酸ガス流量は 20~25L/min を標準とする。し

    かし、作業環境の条件に応じ適宜増量する。

    3.3.4 溶接作業時の条件

    原則として降雨時及び降雪時の溶接作業は行わない。但し降雨、降雪対策の場

    合は、溶接部周辺と溶接材料の乾燥、感電防止対策及び溶接雰囲気の水分量の

    増加防止等を施した本工事と同一作業条件下で供試体を作成し、施工管理技術

    者が外観検査で確認し、監督者の承認を得た場合は行うことができる。

    また、風が強い場合で適切な防風処置を行っても手元の風速が 5m/sec 以下と

    ならない場合は溶接作業を行わない。

  • 10

    3.3.5 予熱

    気温が0℃以下の時は溶接部をバーナー等で 10秒~20 秒予熱したのち、溶接

    を開始する。但し、溶接部の温度の上限は鉄筋が熱によって変形するとされる

    1400℃とする。

    3.3.6 溶接部の清掃

    溶接に先立ち、開先部の水分・ペイント・油脂・セメントペースト・浮き錆等

    の付着物はウェス・ワイヤブラシ・グラインダー等で除去する。

    3.3.7 溶接ワイヤの確認

    溶接ワイヤは吸湿しないように、乾燥した場所に保管された物を使用する。但

    し錆及び水分の付着した溶接ワイヤであっても、上層のスプロールを取り除く

    ことにより錆、水分が認められない物は使用できる。また、指定の規格及び銘

    柄であることを確認しなければならない。

    3.3.8 開先精度

    1) 開先面のあらさ

    溶接を行う開先面は、平滑であることを原則とする。ガス切断で切断した場合

    は、グラインダー等で平滑にする。

    2) ルート間隔

    溶接作業前に鉄筋溶接部の開先とルート間隔を確認しなければならない。

    表-3.4.2 開先形状とルート間隔

    ルート間隔 継手鉄筋径の

    組合せ 溶接姿勢 開先形状

    R.G

    D19~D41 下向き、横向き I 形 7~17mm

    ※ルート間隔は溶接施工に問題がなければこの限りでない。

  • 11

    ルート間隔を確認するため、隙間ゲージを使用する。

    ルート間隔は、隙間ゲージで確認後、鉄筋ホルダーで確保する。

    もしくは、調整可能な鉄筋ホルダーを使用し、ルート間隔を確保する。

    PC 部材等の位置の移動が困難なため、所定の開先間隔を保持できない場合は、

    鉄筋を 150mm以上の間隔で切断しグラインダー等で開先を処理した後、所定

    の開先寸法が得られる長さの鉄筋を使用し、両側を溶接する。

    3.3.9 防風冶具

    手元における風速が 5m/sec 以上の時には、シート等で防風処置を行うか、また

    は防風冶具を用いる。

  • 12

    3.4 溶接作業

    3.4.1 溶接作業フローチャート

    施工の流れと各段階の作業責任者を図-3.4.1 に示す。

    図-3.4.1 溶接作業フローチャート

    3.4.2 冶具類の取り付け

    1)CB セラミックスの確認

    CB セラミックスは溶接する鉄筋径に適合していること、水分・ペイント・油脂

    等の汚れがないこと、割れ等の損傷がないことを使用前に確認する。

    NG

    OK

    NG

    OK

    NG

    OK

    CB工法施工業者の施工範囲

    検査記録の確認

    検査記録の作成

    超音波探傷検査

    溶接作業前検査

    鉄筋組立

    鉄筋再加工

    作業終了

    自主検査

    溶接作業

  • 13

    2)冶具の取り付け

    CB セラミックスは鉄筋径に応じた CB ホルダーによって確実に溶接部に固定す

    る。取り付けは鉄筋支持機で固定し、ルート間隔及び偏心量を規定値以内に調

    整し、CB セラミックスを取り付け、その後 CB ホルダーを取り付ける。取り付

    け順序を図-3.4.2 に示す。

    ① 開先の加工、開先の整合

    ② CB鉄筋ホルダーによる固定

    ③ CBホルダーによるCBセラミックスの固定

    図-3.4.2 治具の取り付け

  • 14

    第4章 品質管理

    4.1 品質管理および検査

    CB 工法の、現場における品質管理および検査は、下記に示す事項について確認

    する。

    4.2 溶接作業前の検査

    溶接作業前検査は責任技術者もしくは溶接技術者および溶接作業者が以下の項目

    について治具または目視によって行う。検査は全数検査とする。

    ① 鉄筋のルート間隔、開先角度について規定の寸法、形状か検査する。

    ② 溶接端面に溶接に有害な異物の付着等の有無を確認する。

    4.3 溶接作業後検査

    溶接作業後検査は、溶接作業者が自主検査(外観検査)を行った後、責任技術者

    もしくは溶接技術者および超音波探傷検査技術者が以下の項目について行う。

    溶接作業後の継手の検査は「全数外観検査と抜取りによる超音波探傷検査」、また

    は「全数外観検査と抜取り試験片の引張試験による破壊検査」を行うものとする。

    4.3.1 外観検査

    外観検査は、溶接部のスラグ・スパッタを除去した後、責任技術者または溶接技

    術者が目視によって行う。必要に応じノギス・スケール等を使用する。折れ曲が

    りは目視により、また偏心については圧接用外観検査治具を利用し、測定、検査

    する。図-4.3.1 は溶接表面欠陥の例であり、図-4.3.2 は鉄筋接合部の欠陥例であ

    る。

    A 検査項目

    ① 有害と認められる欠陥の有無

    ② 溶接部の形状・寸法

    ③ 鉄筋中心軸の偏心・折れ曲がり

    B 合否判定

    不合格項目を次に示す。

    ① スラグの巻き込み・ピットおよび溶け込み不足のあるもの

    ② 余盛高さが鉄筋径より低いもの

    ③ 0.5mm 以上の深さのアンダーカットのあるもの

    ④ 割れのあるもの

    ⑤ 偏心が 3mm を超えるもの、あるいは鉄筋径(呼び名)の 1/10 をこえるもの

    ⑥ 継手部の角折れ勾配が 1/10 を超えるもの

  • 15

    アンダーカット クレーター

    割れ

    不溶接

    図-4.1.1 溶接表面欠陥の例

    図-4.1.2 鉄筋接合部の欠陥例 4.3.2 超音波探傷検査

    超音波探傷検査は超音波探傷検査技術者が行う。検査方法は抜取り検査とする。

    特に指定のない場合は、施工継手数 100 本を 1 検査ロットとし、1 検査ロットの30%の個所の継手を検査するものとする。

    A 検査方法 超音波探傷検査は 「JIS Z 3062 鉄筋コンクリート用棒鋼ガス圧接部の超音波探傷検査方法および合否判定基準」による。

    B 合否判定 検査ロットより抜き取った個所の全てが合格の場合にその検査ロットは合格とす

    る。そのロットの中の 1 個所が不合格の場合は、さらにその検査ロットより倍数の個所を抜き取り、全ての個所が合格の場合、その検査ロットを合格とする。抜

    き取った個所の 2個所以上が不合格の場合には、その検査ロットを不合格とする。 3)引張試験による破壊検査 破壊検査は抜取り検査とする。特に指定のない場合は、施工継手数 100 本を 1 検査ロットとし、検査ロットあたり 3個所の継手を検査するものとする。

    ②③

    1 10

    e≦3

  • 16

    4.4 不合格の場合の処置 1)外観検査不合格 表-4.4.1「外観検査不合格の場合の処置」に基づいて補修を行う。

    2)監理技術者との協議 不合格の場合の処置については、原則として監理技術者と協議の上決定する。

    3)検査不合格ロットの処置 検査不合格ロットは残り全数について超音波探傷検査を行い、不合格継手は全て

    切除後、開先加工を行った後、再溶接する。再溶接された継手は、超音波探傷検

    査によってその品質を確認する。 4)補修溶接 A 溶接ワイヤ

    補修溶接は、継手溶接に使用した溶接ワイヤと同種のものを使用する。 表-4.4.1 外観検査不合格の場合の処置の一例

    欠陥の種類 処置

    スラグ巻き込み、ピット 溶け込み不足

    欠陥を削除後、補修溶接を行う。

    余盛高さ不十分 鉄筋径を超えるまで補修溶接を行う。

    深さ0.5mm以上のアンダーカット 補修溶接を行う。

    割れ 溶接部を切除し、開先加工を行った後、再 溶接を行う。

    3mmあるいは鉄筋径の1/10を超 える偏心、勾配1/10 以上の角折れ

    溶接部を切除し、開先加工を行った後、再 溶接を行う。

  • 17

    4.5 管理組織と役割

    CB 工法は、以下の①~⑥に示す組織あるいは各担当者により管理される。各担

    当者の説明および管理内容を以下に示す。施工管理体制図を図-2.2.1 に示す。

    ① 監理技術者

    管理内容について責任技術者と協議し決定するものをいう。

    ② 責任技術者

    鉄筋工事等を管理し、かつ CB 工法施工要領書を熟知したものをいう。

    ・ 溶接技術者を指導する。

    ・ CB 工法施工業者を選定する。

    ・ 検査機関および検査技術者を選定する。

    ・ 検査結果を確認・保管する。

    ・ 検査結果を監理技術者に報告する。

    ③ 溶接技術者

    溶接の知識を有し、かつ CB 工法施工要領書を熟知したものをいう。

    責任技術者が兼務の場合もある。

    ・ 溶接作業者の溶接を管理、指導する。

    ・ 施工前試験等、溶接作業者の技量を確認する。

    ・ 検査の記録および検査結果を判断する。

    ④ 溶接作業者

    JIS Z 3841-1979「半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準」に

    規定された基本級または専門級のいずれかの有資格者で、かつ CB工法協会が

    実施する「CB 工法溶接技術検定試験」に合格した有資格者をいう。

    ・ 溶接資機材の安全点検および管理をする。

    ・ 溶接電流アーク電圧及びガス流量などを調整する。

    ・ 溶接作業前に鉄筋端面、開先間隔、開先角度および異物の付着の有無を

    確認し、処置する。

    ・ 溶接作業をする。

    ・ 溶接後の表面のアンダーカット、余盛、割れ及びクレーター、鉄筋の接

    合に対して偏心及び角折れの確認をし、その結果を自主判定し、外観検

    査シートに記録すると共に不合格部位を手直しする。

    ・ 溶接作業管理シート及び外観検査シートを記録し、溶接施工日ごとに施

    工管理技術者に提出する。

    ⑤ 超音波探傷検査技術者

    溶接部の超音波探傷検査を行う、第三者機関

    ⑥ 検査機関

    抜き取り試験片の検査を行う、公的検査機関または大学。

  • 18

    ①監理技術者

    報告 承認

    ②責任技術者

    ③溶接技術者

    ⑤超音波探傷検査技術者

    ⑥検査機関

    検査報告

    施工報告 施工管理

    指導

    ④溶接作業者

    報告

    資格証交付 検査報告

    検定試験

    CB工法協会

    施工者

    監理者

    第三者機関

    溶接作業者

    (有資格者)

    所長

    担当者

    CB工法施工業者

    図-4.5.1 施工管理体制

  • 19

    溶接作業者の JIS Z 3841 半自動溶接技術証明および CB工法溶接技術資格証一覧

    溶接作業者の資格一覧

    JIS Z 3841 CB 工法 氏 名

    証書番号 資格番号

    溶接作業者

    資格証コピー

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    4.6 検査記録 1)検査記録 検査の記録は次の事項について行い。その保管は責任技術者が行う。

    ① 年月日 ② 工事名 ③ 施工業者 ④ 溶接作業者氏名 ⑤ 検査員氏名 ⑥ 鉄筋の種類および呼び名 ⑦ 継手番号 ⑧ 検査結果および補修内容

    表-4.3.1に「検査一覧表」を、添付資料-2に「CB工法検査記録表」を示す。 2)総合判定 総合判定は提出された検査記録に基づいて溶接技術者が判定する。

    表-4.3.1 検査一覧表

    検査 部位 項目 数 治具 検査員

    溶接前 鉄筋端面 ルート間隔 開先角度 異物の付着

    全数 ゲージ 目視

    溶接表面

    アンダーカット 余盛 割れ クレーター

    目視 外観

    鉄筋の接合 折れ曲がり 偏心

    全数

    ゲージ 目視

    責任技術者 または 溶接技術者

    非破壊検査 溶接部中央 ブローホール スラグ巻き込 み

    超音波 探傷検 査

    超音波探傷 検査技術者

    溶接後

    破壊検査 溶接部 強度

    抜取り

    引張試 験機

    検査機関

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    CB工法検査記録表

       年  月  日

       年  月  日

    判定鉄筋径種類

    溶接作業者

    溶接技術者

    検査技術者

    溶接前検査

    超音波探傷検査

    KEY PLAN

    外観検査

    溶接部表面 鉄筋接合番号部位

    施工場所

    非破壊検査

    溶接前検査

    外観検査

    工事名

    CB工法検査記録表

       年  月  日

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    第5章 安全管理

    5.1 一般事項

    溶接作業中は安全に十分注意し、電撃、墜落、火災等が発生しないよう、安定

    した姿勢で作業ができるような処置をとる。また、溶接作業にあたっては、労

    働安全衛生規則、高圧ガス取締法、その他関連法規に従うものとする。

    5.2 基本遵守事項

    1) 現場の安全規則を遵守する。

    2)現場入場時は、全員に「新規入場時教育」を受講させる。

    3)使用器具・工具類は使用前に点検を実施する。

    4)作業終了時の後片付け・清掃を作業員に徹底させる。

    5.3 一般作業

    1)作業責任者は、作業に先立ち足場の点検を行う。また、不完全な足場の状態で

    は絶対に作業させない、立ち入らせないことを徹底させる。

    2)全作業員に命綱の携行・使用および各種保護具の使用を徹底させる。

    3)機械工具・機器類は定期的に点検し、常に正常な状態で使用する。

    4)現場における安全衛生組織に加入し、安全作業を遵守することにより、作業者

    の労働災害を防止する。

    5.4 溶接作業

    1)溶接機に付いている電撃防止器が正常に作動しているか必ず点検し、漏電又は

    電撃に対して十分注意する。また、溶接機アースは確実にとる。

    2)溶接機二次側のキャブタイヤケーブルは 38mm2以上で安全な絶縁被覆のものを

    使用する。

    3)溶接箇所の近くには、引火性および可燃性のものは置かないようにし、また、

    火花などの落下により火災の生じることのないよう必要に応じて受け箱・シー

    トなどで保護する。

    4)溶接機等は、原則として専用架台に設置し移動する。

    5)通風が悪い箇所での溶接作業は、適当な換気を行う。

    6)溶接作業近傍に消火器を設置する。

    7)溶接作業あるいは切削作業などを行う場合は、あらかじめ上下作業とならない

    ように打合せを十分に行う。