2
文法解説 文法のまとめ 263 便 5 5 10 便 1 2 3 4 5 1 問題 106 学びを支える言葉の力 根拠を挙げて考えを述べる 235 234 5 15 10 10 15 20 25 5 使1 2 1 5 10 1年p.234「根拠げてえをべる3年p.262「文法のまとめてびき てびき てびき てびき 使この資料,令和3年度中学校教科書内容解説資料として,一般社団法人教科書協会「教科書発行者行動規範」 っておりま3 教 内容解説資料 ⑵

家庭学習のてびき - Tokyo Shoseki...1¯1ª せないか 、 上 がそれだけ で副詞になる 一 Í s w q ^ t x » B f O i Ð (様態の助動詞) ... Wi`h Ð GM t

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文法の窓

208ページ

文法のまとめ

文法解説

文法解説 文法のまとめ

263 262

基礎編

補助形容詞の「ない」

 補助形容詞の「ない」の上には、

形容詞・形容動詞・断定の助動詞

「だ」の連用形などが来る。

打ち消しの助動詞の「ない」

 打ち消しの助動詞の「ない」は

「ぬ(ん)」に置き換か

えられる。

舞台が遠すぎてよく見えぬ。

❶ 「ない」で終わる形容詞

あっけない・ぎこちない・

くだらない・さりげない・切ない・

だらしない・とんでもない・

はかない・はしたない・

みっともない・もったいない

など

ない

 •それだけで一文節になる

  

 形容詞(補助形容詞)

 •それだけでは一文節にならない

  •上に動詞の未然形がある

   

 打ち消しの助動詞

  •上に形容詞の一部がある

   

 形容詞の一部

郵便局は、歩いて行けるほど近くない。(補助形容詞)

上に「は・も」などを入れられる

舞ぶ

台たい

が遠すぎてよく見えない。(打ち消しの助動詞)

上が動詞「見える」の未然形

足もとをよく見て歩かないと危ない。(形容詞の一部)

形容詞「危ない」の一部

だ •上に形容動詞の語幹がある

  

 形容動詞の終止形の活用語ご

尾び

 •上に名詞か、助詞「の」がある

  

 断定の助動詞

 •上に動詞の連用形の音便がある

  

 

過去・完か

了りょう

・存続の助動詞「た」

の濁に

ったもの

林さんの計算はとても正確だ。(形容動詞の終止形の活用語尾)

上が形容動詞の語幹「正確」

私わたしが

常に心がけているのは努力だ。(断定の助動詞)

上が名詞「努力」

雑誌を買ってきてほしいと兄に頼た

んだ。(過去の助動詞)

上が動詞「頼む」の連用形の撥は

音おん

便びん

中学生らしい行動について考えましょう。(形容詞の一部)

「いかにも中学生らしい行動」と言える

中学生らしい人ひ

影かげ

が通り過ぎていった。(推定の助動詞)

「どうやら中学生らしい人影」と言える

らしい

 •「いかにも〜だ」の意味になる

  

 形容詞の一部

 •「どうやら〜だ」の意味になる

  

 推定の助動詞

元気に過ごすのがモットーだ。(形容動詞の連用形の活用語尾)

上が形容動詞の語幹「元気」

友情に勝ま

る宝はない。(格助詞)

上が名詞「友情」

家に着いてすぐに手紙を書いた。(副詞の一部)

「すぐ」だけで副詞になる

に •上に形容動詞の語幹がある

  

 形容動詞の連用形の活用語尾

 •上に名詞がある

  

 格助詞

 •

上と切り離は

せないか、上がそれだけ

で副詞になる

  

 副詞の一部

次回の会議には全員集まりそうだ。(様態の助動詞)

上が動詞「集まる」の連用形

次回の会議には全員集まるそうだ。(伝聞の助動詞)

上が動詞「集まる」の終止形

そうだ

 •�

上に動詞の連用形か、形容詞・形容

動詞の語幹がある

  

 様態の助動詞

 •上に用言の終止形がある

  

 伝聞の助動詞

510510

❹❺

形容動詞の語幹と名詞の識別

 「〜なこと(もの・人)」を付

けることができれば形容動詞の語

幹、できなければ名詞。

正確�

なこと(形容動詞の語幹)

努力�

なこと(名詞)

❹❺

その他の「だ」「に」

 推定・たとえの助動詞「ようだ」

の一部、様態の助動詞「そうだ」

の一部、伝聞の助動詞「そうだ」

の一部の場合もある。

午後からは晴れるようだ。

うれしそうに笑う。

●「でも」の識別

上に名詞がある

 •

「も」を取れる

  

格助詞「で」+副助詞「も」

歩きでも行ける。

 •

「も」を取れない

  

副助詞「でも」

ご飯でも食べよう。

上に動詞の連用形の音便がある

 

接続助詞「ても」の濁った

もの

呼んでも来なかった。

1

服装がだらしない。/この料理は高価でない。/彼か

の電話番号は知らない。

2

日本らしい風景。/次の大会は再来年らしい。/こんな場所で会うとはめずらしい。

3

京都に着くのは予定より早いそうだ。/京都に着くのは思ったより早そうだ。

4

長年住んだ家。/ヨットで世界を回る計画だ。/このロボットはとても精せ

巧こう

だ。

5

急に騒さ

ぎだした。/大いに期待している。/教わったようにやってみろ。/自動車に

乗り込こ

む。

1��

下の各文の傍ぼ

線せん

部は、それぞれ文法

上の性質が異なる。その違ち

いを説明

しよう。

問題

根こん

拠きょ

を挙げて

考えを述べる

一年

質問する・反論する

二年

合意を形成する

三年

論理的な言葉の力

議論する力

根こん

拠きょ

を挙げて考えを述べる

学びの扉と

びら

106ページ

学びを支える言葉の力

学びを支える言葉の力 根拠を挙げて考えを述べる

235 234

基礎編

独断と水かけ論

 推理ドラマなどで探た

偵てい

が最後に犯人を言い当てるとき、どう

してそのように推理できるのかを説明する。

 だけどもし、いきなり「この人が犯人です。」とだけ言って、

どうしてその人が犯人だと分かったのか、何の説明もないまま

にドラマが終わってしまったら、どうだろう。

 どうして根拠を挙げることがだいじなのだろうか。

考えよう根

拠を述べる

 発言が独断的にならないようにするには、自分の考えを述べ

るだけではなく、どうしてそう考えるのかを述べる必要がある。

 「どうしてそう考えるのか」は、その考えに対する根拠とよ

ばれる。

 根拠を挙げるのは考えに説得力を持たせるためである。また、

どうしてそう考えるのかを説明することで、自分の考えをもっ

とよく理解してもらえるようにもなるだろう。

 「ドラえもん」の主人公についての例では、どのような根拠

が考えられるだろう。例えばこんなやりとりが考えられる。

 こうして、互いに根拠を述べることで、相手がどういうこと

を考えているのかがよりよく分かるようになる。そのうえで、

例えば「タイトルは必ず主人公を表しているのだろうか。」の

ように、考えを更さ

に進めていくこともできるだろう。

 独断的に言い合うだけの水かけ論では、相手の考えをよりよ

く理解することも、議論を深めることもできない。

純平

 「ドラえもん」の主人公はドラえもんだよ。

詩織

 のび太が主人公でしょ。

純平

 何それ。ドラえもんにきまってるじゃない。

詩織

 違ちが

うよ。主人公は絶対のび太だと思う。

純�

 だってタイトルが「ドラえもん」なんだから、主人

公はドラえもんだよ。

詩�

 のび太の悩な

みや失敗が話の中心なんだから、のび太

が主人公だと思う。

 探偵の例であれば、推理の根拠として、証し

ょう

拠こ

を示したり、動

機を説明したりする必要がある。

 独断的だと、どうしていけないのかな?

「僕ぼ

はこう思う。」って言うだけじゃだめなの?

 根拠なしに犯人を決めつけたら、たいへん

なことになるね。

5

15

10

10152025

5

 そんなふうに決めつけるだけでは、誰だ

も納な

得とく

しないだろう。

どうしてそう考えるのかを説明しないで、ただ自分の考えを言

うだけの場合、その発言は独断的といわれる。

 別の例を見よう。「ドラえもん」の主人公は誰なのかで意見

が分かれたとする。

 この例では、純平さんと詩織さんが互た

いに独断的な発言を繰く

り返して、議論が先に進まなくなってしまっている。このよう

な議論は水かけ論といわれる。

自分の考えを述べるときには、

どうしてそう考えるのかを説明しよう。

ポイント

どうしてそう考えるのか

根拠

考え

一年

名前

練習問題

  

次の発言の中で、根拠を挙げて自分の考えを述べているものはどれだろうか。

㋐ 我わ

が家では、新年が明けたら、まだ暗いうちに近くの神社に初は

詣もうで

に行く。だから、

元日の昼間は家でのんびり過ごしているよ。

㋑ 草そ

太た

君は、甘あ

いものが好きなんだと思う。この前、スーパーでクッキーとチョコ

レートを買っているのを見たから。

㋒ 自転車は免め

許きょ

なしで誰だ

でも乗ることができるけれど、自動車のように免許制にし

たほうがいいと思う。

㋓ 京都は、歴史のあるお寺など見どころが多いから、観光客が大勢やってくるよね。

㋔ 日本語のほうが意味が通じやすいのだから、やたらとカタカナ語を使うのはやめ

たほうがいいと思う。

  

次の考えの根拠として、どのようなことが考えられるだろうか。

⑴ 高校の入学試験はあったほうがよい。

⑵ だいじな手紙は手書きで書くのがよい。

⑶ 公園でボール遊びをするのはやめてほしい。

12

根こん

拠きょ

を挙げて考えを述べる

論理的な言葉の力

議論する力

文法解説

補ほ

充じゅう

三年

名前

  

次の各組の傍ぼ

線せん

部はそれぞれ文法上の性質が異なる。その違ち

いを説明しよう。

⑴ 

ア 定規がなければ、貸してあげよう。

  

イ けが人が出なければいいのだが。

  

ウ 人が少なければ、呼んでくればいい。

⑵ 

ア 彼か

女じょ

の服装は、明るい色合いで春らしい。

  

イ 道路が開通するのは、来年の春らしい。

⑶ 

ア この車には五人まで乗れるそうだ。

  

イ 練習すれば一輪車にも乗れそうだ。

  

ウ 親と引き離は

された子犬がかわいそうだ。

⑷ 

ア 仕事に打ち込こ

む顔は真し

剣けん

だ。

  

イ 向こう岸まで必死に泳いだ。

  

ウ 商売で大切なのは信用だ。

  

エ 予定が早まったようだ。

⑸ 

ア 鳴き声がかすかに聞こえてくる。

  

イ 応援を励は

みにして頑が

張ば

った。

  

ウ 火はすぐに燃え広がった。

  

エ 料理はおいしそうに見えた。

1

文法のまとめ

学びを支える言葉の力 根拠を挙げて考えを述べる

235

基礎編

根拠を述べる

 発言が独断的にならないようにするには、自分の考えを述べ

るだけではなく、どうしてそう考えるのかを述べる必要がある。

 「どうしてそう考えるのか」は、その考えに対する根拠とよ

ばれる。

 根拠を挙げるのは考えに説得力を持たせるためである。また、

どうしてそう考えるのかを説明することで、自分の考えをもっ

とよく理解してもらえるようにもなるだろう。

 「ドラえもん」の主人公についての例では、どのような根拠

が考えられるだろう。例えばこんなやりとりが考えられる。

 こうして、互いに根拠を述べることで、相手がどういうこと

を考えているのかがよりよく分かるようになる。そのうえで、

例えば「タイトルは必ず主人公を表しているのだろうか。」の

ように、考えを更さ

に進めていくこともできるだろう。

 独断的に言い合うだけの水かけ論では、相手の考えをよりよ

く理解することも、議論を深めることもできない。

純�

 だってタイトルが「ドラえもん」なんだから、主人

公はドラえもんだよ。

詩�

 のび太の悩な

みや失敗が話の中心なんだから、のび太

が主人公だと思う。

 探偵の例であれば、推理の根拠として、証し

ょう

拠こ

を示したり、動

機を説明したりする必要がある。

 独断的だと、どうしていけないのかな?

「僕ぼ

はこう思う。」って言うだけじゃだめなの?

 根拠なしに犯人を決めつけたら、たいへん

なことになるね。

5

15

10

2025

自分の考えを述べるときには、

どうしてそう考えるのかを説明しよう。

ポイント

どうしてそう考えるのか

根拠

考え

1年p.234「根拠を挙げて考えを述べる」

3年p.262「文法のまとめ」

家庭学習のてびき

「基礎編」で、確かな言葉の力を習得する

てびき

「資料編」で、更に深い学びを実現する

てびき

言葉をきっかけに、学習の意欲をかき立てる

てびき

「基礎編」で、確かな言葉の力を習得する

てびき

基礎編「学びを支える言葉の力」は、

生徒が一人で読んでも理解しやすく、

家庭での予習として扱うこともでき

ます。

ウェブページには、「学びを支える

言葉の力」全十八教材の練習問題を

用意しました。授業の復習に活用で

きます。

「文法解説」末尾の「問題」やウェ

ブページにある補充問題など、多く

の問題に取り組むことで、苦手な文

法の克服につながります。

「新しい国語」は、考えました。

 

使用料はかかりません

が、インターネットの通信

費は自己負担になります。

学びを支える言葉の力

文法解説

この資料は,令和3年度中学校教科書の内容解説資料として,一般社団法人教科書協会「教科書発行者行動規範」に則っております。3教 内容解説資料 ⑵

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古典 枕草子・徒然草

121 120

枕まくらの

草そう

子し

・徒つ

れづれ然

草ぐさ

 

古典

 見聞きしたことや経験したこと、感じたことや考えたことなどを、自由な形式で書き記

した文章を、随ず

筆ひつ

といいます。例えば、「手紙の効用」(14ページ)や「字のない葉は

書がき

(30ページ)も随筆です。創作ではなく、自分の体験をもとに書きつづるものなので、筆

者の個性やものの見方、考え方がよく表れている場合が多く、小説とはまた異なる魅み

力りょく

備えています。

 古典の中にも、随筆と見なしてよい作品があります。とりわけ、平安時代に清せ

少しょう

納な

言ごん

よって書かれた「枕草子」と、鎌か

倉くら

時代の末に兼け

好こう

法ほう

師し

によって書かれた「徒然草」が有

名です。初めに、「枕草子」の第一段を読んでみましょう。

・・・・5・・・

 古典の随ず

筆ひつ

には、筆者のど

のようなものの見方・考え方

が表れているんだろう。

 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山や

際ぎは

、少し明あ

かりて、紫

むらさきだ

ちたる雲の細

くたなびきたる。

明け方

だんだん

ヨウ

ヨウ

ギワ

明るくなって

紫がかった雲が

たなびいている(のがよい)

 夏は夜。月の頃こ

はさらなり、闇や

もなほ、蛍ほ

たる

の多く飛びちがひたる。また、ただ

一つ二つなど、ほのかにうち光りて行ゆ

くもをかし。雨など降るもをかし。

 秋は夕暮れ。夕日の差して山の端は

いと近ち

うなりたるに、烏か

らす

の寝ね

所どころ

へ行くとて、

三み

つ四よ

つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて、雁か

などの連ねたるが、

いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入い

り果てて、風の音お

、虫の音ね

など、はた言

ふべきにあらず。

 冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜し

のいと白きも、またさ

らでも、いと寒きに、火など急ぎおこして、炭持も

て渡わ

るも、いとつきづきし。昼

になりて、ぬるくゆるびもていけば、火ひ

桶をけ

の火も、白き灰がちになりてわろし。

月の(明るい)頃は言うまでもない(ことで)、闇(夜の頃)もやはり

飛び交か

っている(のがよい)

趣おもむきが

ある

たいへん近くなった頃に

チコウ

(帰って)行くというので

急いで飛んでいくのまでもしみじみと心ひかれる

列を作って(飛んで)いるのが

見えるのは

また

言うまでもない(ほど趣がある)

早朝

言うまでもない(ことで)

そうでなくても、たいへん寒いときに

炭を持っていくのも

似つかわしい

だんだん暖かくなって(寒さが)緩ゆ

んでいくと

オケ

白い灰ばかりになってみっともない

・10 ・・・・5・・・・

6

清少納言 生せ

没ぼつ

年ねん

未み

詳しょう

。父は歌

人の清き

原はらのもと元輔す

7

兼好法師 一二八三年頃ご

〜一三

五七年頃 鎌倉時代末期から南北

朝時代にかけての歌人。

9

山際 空の、山と接する辺り。

9

紫 ここでの紫は、赤みを帯び

た紫色。

2

随 ズイ

7

鎌 かま

9

紫 シ

 むらさき

3

山の端 山の、空に接している

ところ。「山際」の対つ

4

雁 カモ目も

の水鳥の総そ

称しょう

。ガン。

秋に日本へ渡わ

ってくる。

7

さらでも ここでは、雪や霜が

なくても。

9

火桶 木製の丸ま

火ひ

鉢ばち

1

蛍 ケイ

 ほたる

7

霜(ソウ)

 しも

社会(歴史)

古典 書き手の肖像―清少納言と兼好法師

291 290

資料編

 「枕

まくらのそう草

子し

」と「徒つ

れづれ然

草ぐさ

」、古典文学を代表する随ず

筆ひつ

と問われれば、多くの人がこの二つの作品の名を挙げる

ことでしょう。どちらも個性的なものの見方にあふれる、

魅み

力りょく

的な作品ですが、それぞれの筆者である清少納言と

兼好法師の生き方は、実はとても対照的なのです。

 清少納言は、平安貴族たちの最さ

盛せい

期であった十世紀末、

時の一い

条じょう

天皇の后き

さき

である定て

子し

に仕えた女に

ょう

房ぼう

でした。定子

の父親である藤ふ

原わらのみち道

隆たか

は、最愛の娘む

すめ

のために優ゆ

秀しゅう

な女房

をそろえることで、后にふさわしい環か

境きょう

を整えようとし

ました。清少納言も、そうして集められた女房の一人で

す。いわば、宮中という大企き

業ぎょう

に就職した、平安時代の

ワーキングウーマンといったところです。

 宮中に仕える女房は、主人の身の回りの世話に加え、

来訪する男性貴族への応対も重要な役割でした。清少納

言は持ち前の知性と明るさで、定子の周囲に華は

やかな雰ふ

囲い

気き

をもたらしました。「枕草子」をひもといて、少し

彼かの

女じょ

の活か

躍やく

の様子をのぞいてみましょう。

 中ちゆう

納な

言ごん

参りたまひて、御お

ほん

扇あふぎ

奉たてまつら

せたまふに、「隆た

家いへ

そいみじき骨は得てはべれ。それを、張らせてまゐらせ

むとするに、おぼろけの紙はえ張るまじければ、求めは

べるなり。」と申したまふ。「いかやうにかある。」と問

ひきこえさせたまへば、「すべていみじうはべり。『さら

にまだ見ぬ骨のさまなり。』となむ人々申す。まことに

かばかりのは見えざりつ。」と、言こ

高くのたまへば、「さ

ては、扇のにはあらで、海く

げ月のななり。」と聞こゆれば、「こ

れは隆家が言にしてむ。」とて、笑ひたまふ。

チュウ

オオンオウギ

イエ

ヨウ

ジュウ

 姉である定子のもとにやってきた弟の中納言隆家が、

「扇用の、すばらしい骨を手に入れました。この骨に張

るのにふさわしい紙を探しているところです。」と話し

かけます。どうすばらしい骨なのですかという定子の問

いかけに対して、隆家は本当に見たこともないほどだと

声こわ

高だか

に言葉を続けます。興奮していたのか、全く具体的

なよさを語らない隆家に対し、清少納言が「誰だ

も見たこ

とのない骨なら、海月の骨ですね。」と小気味よい冗じ

ょう

談だん

を言うと、隆家は一本取られたと言わんばかりに、「そ

れは私が言ったことにしてしまおう。」とおどけてみせ

ました。男性貴族と堂々と渡わ

り合い、ウィットに富んだ

せりふで場を明るく盛り上げようとした、清少納言の性

格が伝わってくるエピソードですね。

 清少納言が生きた時代から三百年以上たった鎌か

倉くら

時代

末期に活躍したのが、兼好法師です。彼か

は出家後も修し

行ぎょう

のみに生きるのではなく、多くの人と交遊し、関係を築

いていきました。宮中をはじめとした貴族社会、大小さ

まざまな寺院、鎌倉を中心とした武士の世界、そして都

に暮らす多様な人々と、複数のコミュニティーを自由自

在に行き来しながら活躍した記録が残っています。現代

でいえば、特定の企業には就職せず、自分の才覚と人脈

を使って活躍するフリーランスですね。今度は「徒然草」

から、兼好法師の着眼点が光る話を読んでみましょう。

 高かう

名みやう

の木登りといひし男を

のこ

、人をおきてて、高き木に登の

せてこずゑを切らせしに、いと危あ

ふく見えしほどは言ふ

こともなくて、降お

るるときに、軒の

長たけ

ばかりになりて、「誤

ちすな。心して降りよ。」と言葉を掛か

けはべりしを、「か

ばかりになりては、飛び降るるとも降りなん。いかにか

く言ふぞ。」と申しはべりしかば、「そのことにさうらふ。

目くるめき、枝危ふきほどは、己お

のれ

が恐お

れはべれば申さず。

誤ちはやすきところになりて、必ずつかまつることに

さうらふ。」と言ふ。

 木登りの名人が、弟で

子し

を高い木に登らせ、枝を切らせ

ていました。高く危なそうなときは声を掛か

けなかったの

に、飛び降りても大だ

丈じょう

夫ぶ

なほど低い所に来たときになっ

て初めて、「気をつけて降りなさい。」と注意しました。

このことを不思議に思った兼好法師がその訳を尋た

ねると、

「高い所にいるときは、自分でも怖こ

いと思っているので、

コウミョウ

オノコ

ウ⑦

ソウ

ソウ

・・・・5・・・・10・・・・・・・・5・・・・10・・・・15・・・・20

15・・・・20・・・・25・・・・・25・・・・30・・・・35・・・

書き手の肖し

ょう

像ぞう

︱清せ

少しょう

納な

言ごん

と兼け

好こう

法ほう

師し

 中なか

野の

貴たか

文ふみ

「枕

まくらのそう草

子し

・徒つ

れづれ然

草ぐさ

」(120

ページ)と併あ

せて読み、二つの作品やそれぞれの筆者の人物像について理解を深めよう。

古典

2年p.120「枕草子・徒然草」

3年p.37「百科事典少女」

3年p.268「風の唄」

2年p.290「書き手の肖像―清少納言と兼好法師」

読む|文学一 百科事典少女

37

 アーケードにやってくるお客さんの中で、最

も長い時間をそこで過ごしたのは、私わ

たし

がひそか

に〝紳し

士し

おじさん〟とあだ名をつけた男性だっ

た。彼か

はすらりとした背せ

かっこうにスーツがよ

く似合い、物も

腰ごし

が柔や

らかく、目もとが理知的で、

子供の私が思い描え

く紳士の雰ふ

囲い

気き

を全て備えて

いた。ちなみに私の紳士像形成に大きな影え

響きょう

与あた

えたのは、孤こ

児じ

のジュディを陰か

から支え続け

たお金持ちのあしながおじさんだった。

 紳士おじさんが訪お

とず

れるのは、アーケードのい

ちばん奥お

、中庭の西角にある読書休き

ゅう

憩けい

室と決

まっていた。そこは買い物に疲つ

れたお客さんが

ひと休みしたり、連れの子供たちが暇ひ

をつぶし

たりするための部屋で、百冊ほどの本と魔ま

法ほう

瓶びん

に入ったホットレモネードが用意され、アー

ケードのお店のレシートを見せれば誰だ

でも好き

なだけ利用できる仕組みになっていた。

 その仕組みを考えたのは父だった。事務所兼け

倉庫兼住宅の、たいして役に立っていなかった

一階倉庫部分に手を加え、本ほ

棚だな

を作り、娘む

すめ

の絵

本を並べるところからスタートして少しずつ蔵

書を増やしていった。私が十一歳さ

の頃こ

の話だ。

 読書休憩室のあるアーケード。この発想に父

は満足していた。もちろん私も大喜びだった。

乱雑に段ボールが積み上げられた薄う

暗ぐら

い倉庫よ

りも、本の並ぶ小部屋のほうがずっとおしゃれ

で居い

心ごこ

地ち

がよかった。それにもともと、二階に

住んでいるのだから、私にとっては自分の本棚

9

あしながおじさん ア

メリカの作家ジーン・

ウェブスターの小説「あ

しながおじさん」の登場

人物。主人公ジュディが

大学で学べるように匿と

名めい

で資金援え

助じょ

を続けた。

14

魔法瓶 お湯などの温

度を長時間維い

持じ

して保存

するための瓶。ポット。

15

ホットレモネード レ

モン汁じ

を砂糖などで甘あ

し、お湯で割った飲み物。

5

理知的

3

紳 シン

11

憩 ケイ

 いこい

(いこう)

・・・・5・・・・10・・・・

15・・・・20・・・・25・・・

百科事典少女

 小お

川がわ

洋よう

子こ

読む

文学一

 34ページの「言葉の力

 作

品を批評する」で学んだこと

を踏ふ

まえて読んでみよう。

38

が充じ

ゅう

実じつ

するのと同じことなのだった。

 誕生日とクリスマス、父は必ず本を

プレゼントしてくれた。「小公女」「ニ

ルスのふしぎな旅」「太陽の戦士」「グ

リム童話選」「青い鳥」そして「あし

ながおじさん」。リボンを解くと私は

すぐにそれを読書休憩室の本棚に並べ

た。新しい本を一冊、棚の奥にすっと

滑すべ

り込こ

ませる感か

触しょく

が私は好きだった。

それを読むのと同じくらいの、胸の高

鳴りを覚えた。一冊分の厚みだけ自分

の世界が広がったようで、なぜかしら

誰にともなく自じ

慢まん

したい気分になった。

 父が仕事をしている間(大お

家や

という

のがどういう仕事なのか私には分から

なかったのだけれど)、私はずっと読

書休憩室にいた。背もたれにチュー

リップの絵が描か

いてある塩化ビニール

の椅い

子す

に腰かけ、一心に本を読んで過

ごした。路面電車が走り過ぎてガラス

・・・・5・・・・10・・・・15・・・・20

3「小公女」……「青い

鳥」 いずれも「あしな

がおじさん」と同様、児

童文学の名作として知ら

れる。

19

椅 イ

268

 雪が降ってきた。

 顔を上げ、ふと見やった窓の外を白いものがふわりと

よぎったのだ。雪が降ってきたと思った。

 まさかな。

 東あ

ずま真

はまばたきし、もう一度、今度はゆっくりと、窓

の外に視線を巡め

らせてみた。秋の盛さ

りの光が、部屋に満

ちている。窓辺に飾か

ってある青磁の花か

瓶びん

とコスモスの影か

が、くっきりと床ゆ

に落ちていた。柿か

の実をつつきに来た

のか、モズの甲か

高だか

い声が聞こえる。スズメたちもにぎや

かにさえずっていた。

 まだ、秋だ。雪が降るはずがない。鳥の羽う

毛もう

でも、見み

間ま

違ちが

えたのだろう。昔から、鳥の多い家だった。飼って

いるわけではない。祖母の奈な

緒お

子こ

が野鳥を好きで庭に餌え

場ば

を作っていること、実をつける庭木が幾い

本ほん

かあること、

すぐそばまで山が迫せ

っていること、それだけ条件がそろ

えば、自然と野鳥も集まってくる。

 キィーキィーとモズが鳴く。耳み

障ざわ

りなようでどこか哀か

しげな声だ。

 大お

ばあちゃんを迎む

えに来ているんだろうか。

 そんなことを思う。それから、そっと指を広げてみた。

さっき、曽そ

祖そ

母ぼ

の松ま

恵え

の手首に触ふ

れた指だ。手首はまだ

僅わず

かなぬくもりがあった。だけど、指は……冷たかった。

とても、冷たかった。思わず息を止めていた。氷とか、

冬の空気の冷たさとはまるで違う。東真の皮ひ

膚ふ

にぴたり

とくっついて、どんどん体温を奪う

っていくような冷たさ

だった。底のない冷たさ。それに触れて初めて、東真は

曽祖母が死んでいくのだと実感できた。

 そうか、人ってあんなふうに死んでいくものなんだ。

・・・・5・・・・10・・・・

15・・・・20・・・・25・・・

風の唄う

 あさのあつこ

人物どうしの関係に着目して読んでみよう。

読む

読む 風の唄

271

資料編

「今、亡な

くなったで。」

「うん。」

「あんた、大ばあちゃんと、お別れしたんやな。」

「うん、まあ……。」

「そうか。ならええけど。」

 ふっと短い息が、祖母の口からこぼれた。

「眠ね

るみたいにすうっと逝い

ったわ。唇

くちびるが

乾いてたから、

ぬらしてあげたら、口を動かしてな……水が欲ほ

しいんや

なて思うて、ちょこっと含ふ

ませてあげたら、こくんて飲

み込んでな、笑わ

うたんや。」

「笑わ

った?」

「そう、ほんまにうれしそうに笑いなさった。水がおい

しかったんやろな。それで、そのまま。大往生やね。」

 祖母が出ていき、ドアが閉まる。再び光が戻も

り、窓ガ

ラスが輝か

がや

いた。そのガラスに額をつけてみる。ひやりと

冷たい。

 柿の木が見えた。今年は例年より、実の数が少ないと

聞いたけれど、実そのものは大お

粒つぶ

で、細い枝など実の重

量にしなり、折れそうなほど危あ

うく見えた。

 美しい。

・・・・5・・・・10・・・・15・・・・20

「資料編」で、更に深い学びを実現する

てびき

2言葉をきっかけに、学習の意欲をかき立てる

てびき

3

「文法の窓」は、文法学習の導入と

してゲームで学べます。更に、ゲー

ムはウェブページ上にも用意されて

おり、家庭での予習・復習にも活用

できます。

資料編には、本編の教材と関連して読み比べたり、読み広げたりして、発展的・

補充的な学習に取り組める教材が豊富に用意されています。

「読む」教材末尾の「広がる言葉」に取り組むことで、語感を磨き語彙を豊か

にすることができます。資料編「言葉を広げよう」では、中学生に知ってほし

い言葉をカテゴリーごとに分類し、例文とともに示しました。

本編の「読書への招待」のほかにも、

資料編には、著名人が推薦する本を

紹介したり、テーマごとの本棚を設

けたりするなどの工夫があります。

言葉 

333 332

資料編

人物像を表す言葉

45ページ

よい特とくちょう徴

を表すことが多い言葉

哀あわ

れみ深い

捨て犬を放っておけない〜人。

生き字引

父は車については〜だ。

偉い

大だい

ガリレオは〜な科学者だった。

一芸に秀ひい

でた

彼かれ

は走そう

塁るい

の〜選手だ。

一いっ

騎き

当千

敵は〜のつわものぞろいだ。

器うつわ

が大きい

社長には〜人がふさわしい。

打てば響ひび

〜ような受け答えをする人。

英えい

傑けつ

一代の〜が世に現れる。

エキスパート

その分野の〜に話を聞く。

おおらか

物事にこだわらない〜な人。

奥おく

ゆかしい

彼かれ

の〜心配りに感心する。

温おん

厚こう

篤とく

実じつ

〜な部長は皆みな

に慕した

われている。

穏おん

和わ

母は〜でめったに怒おこ

らない。

快活

〜で行動力のある人が欲ほ

しい。

気き

概がい

に満ちた

新事業を起こそうという〜人。

鬼き

才さい

推理小説の〜とよばれる作家。

気さく

誰だれ

とでも話せる〜な人ひと

柄がら

巨きょしょう匠

映画界の〜が新作を制作する。

謹きん

厳げん

実直

〜な人は結局信しん

頼らい

される。

勤勉

〜な働きぶりが評価される。

口が堅かた

姉は〜から安心して話せる。

屈くっ

託たく

のない

〜笑え

顔がお

を見せる幼おさな子ご

賢けん

人じん

徳がない人は〜とはよべない。

高潔

坂さか

本もと

龍りょうま馬

は〜の士だと思う。

豪ごう

傑けつ

弁べん

慶けい

は歴史上有名な〜だ。

好こう

々こう

爺や

怖こわ

い社長も孫の前では〜だ。

孤こ

高こう

周りに流されない〜の人。

心優やさ

しい

〜兄が幼い弟をかわいがる。

才気煥かん

発ぱつ

話しぶりから〜さが分かる。

爽さわ

やか

〜で、気持ちのよい青年だ。

しとやか

彼かの

女じょ

は立ち居振ふ

る舞ま

いが〜だ。

社交的

〜な母は人と話すのが趣しゅ

味み

だ。

淑しゅくじょ女

古風といえるほどの〜。

殊しゅしょう勝

手伝いが大好きという〜な子。

純じゅんぼく朴

〜で親切な、近所のお兄さん。

上品

お花の先生の〜さを見習う。

思し

慮りょ

深い

〜人は軽々しく騒さわ

ぎ立てない。

紳しん

士し

落ち着いた物もの

腰ごし

のりっぱな〜。

辛しん

抱ぼう

強い

選手の成長を待つ〜監かん

督とく

誠実

丁てい

寧ねい

な手紙から〜さが伝わる。

清せい

廉れん

潔白

〜な生き方に共感する。

先せん

駆く

時代の〜たらんと奮起する。

先せん

賢けん

古代の〜に多くを学ぶ。

造ぞう

詣けい

が深い

先生はオオカミ信しん

仰こう

に〜。

第一人者

イルカ研究の〜に話を聞く。

大たい

家か

画が

壇だん

の〜として誰だれ

もが認める。

大器

昔は未完の〜と評された選手。

タフ

試合に出続ける〜な選手。

母は芝しば

居い

に関しては〜だ。

慎つつし

み深い

決して自じ

慢まん

をしない〜人。

天真爛らん

漫まん

彼かの

女じょ

は子供のように〜だ。

篤とく

志し

多額の寄付をしている〜。

情け深い

〜からと彼かれ

に甘あま

えてはだめだ。

博識

知らぬことはないほどの〜だ。

腹の据す

わった

彼かれ

は気弱そうに見えて〜人だ。

ひょうきん

一見もの静かだが実は〜な人。

品行方正

〜な彼かれ

が生徒会長に適任だ。

懐ふところ

が深い

反対意見も受け入れる〜人。

骨のある

〜人は最後までやり遂と

げる。

無む

垢く

子供のような〜な心を持つ。

虫も殺さない

兄は〜ような優やさ

しい性格だ。

名手

ああ見えて叔お

父じ

は尺八の〜だ。

明朗闊かっ

達たつ

〜で誰だれ

からも好かれる人ひと

柄がら

礼れい

儀ぎ

正しい

後こう

輩はい

にも敬語を使う〜人。

悪い特とくちょう徴

を表すことが多い言葉

飽あ

きっぽい

弟は〜性格で長続きしない。

あさましい

利益を求めるだけの人は〜。

厚かましい

許可なく食べるとは〜人だ。

威い

圧あつ

上司が〜だと部下は萎い

縮しゅくす

る。

意地汚きたな

一円でも得をしたいとは〜。

意志薄はくじゃく弱

兄は〜ですぐ誘ゆう

惑わく

に負ける。

陰いん

気き

無口だと〜に見られがちだ。

横おう

柄へい

新人なのに敬語も使わず〜だ。

おせっかい

何にでも口を出す〜な人。

大人げない

些さ

細さい

なことで怒おこ

る〜人。

気難しい

〜人なので話すのに気を使う。

口が軽い

〜ので彼かれ

には秘密は話せない。

口が減らない

妹は〜のでよく口論となる。

軽けい

薄はく

〜な人は結局信しん

頼らい

されない。

高圧的

あの人は目下に対しては〜だ。

厚こう

顔がん

無む

恥ち

あまりに〜な客に立腹する。

業ごう

突つ

く張り

〜で少しも損をしたがらない。

腰こし

巾ぎんちゃく着

彼かれ

は生徒会長の〜だ。

事なかれ主義

私の上司は〜で摩ま

擦さつ

を避さ

ける。

斜しゃ

に構える

誰だれ

に対しても〜、素す

直なお

でない人。

性しょうわる悪

わざと怒おこ

らせるとは〜だ。

ずぼら

姉は〜でいつも時間に遅おく

れる。

怠たい

惰だ

家で全く勉強しない〜な人。

高飛車

〜な態度で断られた。

つんけん

〜して感じの悪い店員だ。

言葉を広げよう

 たくさんの言葉を知ることで、考えを深め、表現の幅は

を広げることができる。さまざま

な言葉に触ふ

れ、文章を読んだり書いたりするときに生かそう。

本編の「広がる言葉」に取り組む際に、活用しよう。また、「書くこと」(171

/199

ページなど)の学習で参考にするのもよい。

言葉

でくのぼう

〜と言われ、試合で見返す。

鉄てつ

面めん

皮ぴ

ずうずうしくてまさに〜だ。

鈍どん

感かん

〜な人には皮肉も通じない。

泣き虫

〜の弟の面めん

倒どう

を見る。

猫ねこ

をかぶる

彼かの

女じょ

は先生の前では〜。

恥はじ

知らず

そんなことを言うとは〜だ。

ひきょう

すぐに問題から逃に

げる〜な人。

非常識

彼かれ

の〜さにはあきれる。

引っ込こ

み思案

社会に出ても〜が直らない。

無ぶ

愛あい

想そ

あの大工は〜だが腕うで

はいい。

不誠実

約束を守らないとは〜だ。

ふてぶてしい

その態度では〜と思われるよ。

偏へん

屈くつ

人気者を必ず嫌きら

う〜な人。

傍ぼうじゃく若無ぶ

人じん

権けん

威い

を笠かさ

に着ての〜ぶり。

間ま

抜ぬ

こんな失敗をするとは〜だ。

みえっぱり

うわべはりっぱだが〜な人。

身勝手

自分のことしか考えない〜な人。

三日坊ぼう

主ず

彼かれ

は何をやっても〜だ。

無節操

意見がころころ変わる〜な人。

無鉄てっ

砲ぽう

単身敵地に乗り込こ

むとは〜だ。

ものぐさ

〜なので整理整せい

頓とん

は苦手だ。

優ゆうじゅう柔不断

〜で選ぶのに時間がかかる。

欲張り

〜な人は何でも欲ほ

しがる。

礼れい

儀ぎ

知らず

先せん

輩ぱい

から〜だと叱しか

られる。

冷れい

淡たん

思いやりが見られない〜な人。

その他

あけっぴろげ

〜で陽気な人ひと

柄がら

で知られる。

うたぐり深い

〜人に矛む

盾じゅん点を指し

摘てき

される。

内気

妹は〜で人見知りをする。

奥おく

手て

〜で異性への関心が薄うす

い。

押お

しが強い

彼かれ

は〜ので意見がよく通る。

おっとり

〜していてけんかをしない子。

おとなしい

私は小学生の頃ころ

は〜子だった。

おませ

〜な子が化け

粧しょうのまねをする。

我が

が強い

弟はめったに謝あやまらないほど〜。

駆か

け出し

〜の新聞記者が現場を回る。

寡か

黙もく

〜な父が珍めずらしくよく話した。

頑がん

固こ

彼かの

女じょ

は〜で意見を譲ゆず

らない。

肝きも

が太い

非難されても動じない〜人。

口が達者

〜だと得をすることも多い。

口下手

妹は〜で誤解を受けやすい。

潔けっ

癖ぺき

〜で汚よご

れに敏びん

感かん

な人。

厳格

彼かの

女じょ

は〜な親に育てられた。

腰こし

が低い

あの先生は誰だれ

に対しても〜。

子煩ぼん

悩のう

〜な父を近ちか

頃ごろ

は煙けむ

たく思う。

地じ

獄ごく

〜で何でもよく知っている人。

したたか

姉は〜で全くへこたれない。

シャイ

彼かれ

は〜で人前で話せない。

ストイック

俗ぞく

世間とは無む

縁えん

の〜な人。

早熟

〜で大人びたことを言う子。

血の気が多い

〜人どうしが言い争う。

照れ屋

彼かの

女じょ

は〜ですぐ目を伏ふ

せる。

貪どん

欲よく

真理の追究に〜な学者。

ナイーブ

〜な性格で傷つきやすい人。

内向的

姉は〜でよく思し

索さく

にふける。

涙なみだ

もろい

〜母はドラマを見てよく泣く。

晩成

老ろう

齢れい

でデビューした〜の作家。

風ふう

来らい

坊ぼう

彼かれ

は旅から旅の〜だ。

筆不ぶ

精しょう

〜な私でも年賀状は書く。

筆まめ

〜な母はすぐに返事を書く。

ベテラン

入社十五年ならもう〜だ。

弁が立つ

〜友人に応おう

援えん

演説を頼たの

む。

凡ぼん

人じん

これは〜には分からぬ小説だ。

真面目

〜な彼かの

女じょ

は復習を欠かさない。

無口

〜な祖父が珍めずらしく口を開いた。

無む

邪じゃ

気き

〜な人は思うままに話をする。

もの静か

〜な彼かれ

らしく趣しゅ

味み

は読書だ。

律りち

儀ぎ

全ての質問に〜に答える。

若手

〜の成長が著いちじるしい会社。

比ひ

喩ゆ

的に使われる言葉

63ページ

名詞

アキレス腱けん

左投手不足がチームの〜だ。

足がかり

問題解決の〜を得る。

足あし

踏ぶ

計画どおり行かず〜の状態だ。

暗雲

二人の仲に〜が立ち込こ

める。

糸口

彼かの

女じょ

との会話の〜を探す。

上うわ

塗ぬ

名めい

誉よ

挽ばん

回かい

ではなく恥はじ

の〜だ。

遅おそ

咲ざ

六十歳さい

で成功した〜の人だ。

温おんしょう床

その制度が不正の〜となった。

開花

才能の〜に目を見張る。

風当たり

失敗続きで周囲の〜が強い。

空から

振ぶ

新規事業の提案が〜に終わる。

教科書

人生の〜となりうる作品だ。

雲行き

会議の〜が怪あや

しくなってきた。

斜しゃ

陽よう

かつて栄えた産業が〜になる。

終止符ふ

長年続いた論争に〜を打つ。

縮図

学校は社会の〜である。

潤じゅんかつ滑油

手て

土み

げ産が会話の〜になった。

処方箋せん

語ご

彙い

力不足の〜は読書だ。

隙すき

間ま

親友との間に〜が吹ふ

く。

裾すそ

野の

愛好者の〜が広いスポーツ。

スパイス

平へい

凡ぼん

な日常生活の〜となる。

脱だつ

帽ぼう

彼かれ

のりっぱな態度には〜だ。

綱つな

渡わた

〜の状態で計画を進める。

峠とうげ

夏の暑さも〜を越こ

した。

等身大

〜の中学生を描えが

いた映画。

特効薬

現段階でこの問題に〜はない。

隣とな

り合わせ

この仕事は常に危険と〜だ。

土ど

俵ひょうぎわ際

〜でふんばり事業を立て直す。

扉とびら

古典文学の世界の〜を開く。

背景

高支持率を〜に事を進める。

白銀

翌朝、外は〜の世界だった。

風化

災害の記き

憶おく

の〜を防ぐ。

萌ほう

芽が

近代文明の〜が見られる。

骨ほね

抜ぬ

法案が裏工作で〜にされる。

摩ま

擦さつ

与よ

野や

党とう

間の〜が激化する。

満身創そう

痍い

彼かれ

は皆みな

から非難されて〜だ。

見切り発車

〜で、成功の確信がない。

道筋

未解決事件の〜を確かめる。

その反応なら、まだ〜はある。

免めん

疫えき

失敗に対する〜ができる。

雪解け

両国間に〜の兆きざ

しが見える。

羅ら

針しん

盤ばん

夢をかなえるための〜を持つ。

枠わく

組ぐ

委員長は計画の〜を説明した。

動詞

仰あお

彼かれ

は叔お

父じ

を師と〜。

温まる

家庭的なドラマを見て心が〜。

歩み寄る

両者は互たが

いに〜気がない。

輝かがや

美術の時間に彼かれ

の才能が〜。

飾かざ

式典の最後を〜演奏。

くたびれる

履は

き方が荒あら

くてすぐに靴くつ

が〜。

332

人物像を表す言葉

45ページ

よい特とくちょう徴

を表すことが多い言葉

哀あわ

れみ深い

捨て犬を放っておけない〜人。

生き字引

父は車については〜だ。

偉い

大だい

ガリレオは〜な科学者だった。

一芸に秀ひい

でた

彼かれ

は走そう

塁るい

の〜選手だ。

一いっ

騎き

当千

敵は〜のつわものぞろいだ。

器うつわ

が大きい

社長には〜人がふさわしい。

打てば響ひび

〜ような受け答えをする人。

英えい

傑けつ

一代の〜が世に現れる。

エキスパート

その分野の〜に話を聞く。

おおらか

物事にこだわらない〜な人。

奥おく

ゆかしい

彼かれ

の〜心配りに感心する。

温おん

厚こう

篤とく

実じつ

〜な部長は皆みな

に慕した

われている。

穏おん

和わ

母は〜でめったに怒おこ

らない。

快活

〜で行動力のある人が欲ほ

しい。

気き

概がい

に満ちた

新事業を起こそうという〜人。

鬼き

才さい

推理小説の〜とよばれる作家。

気さく

誰だれ

とでも話せる〜な人ひと

柄がら

巨きょしょう匠

映画界の〜が新作を制作する。

謹きん

厳げん

実直

〜な人は結局信しん

頼らい

される。

勤勉

〜な働きぶりが評価される。

口が堅かた

姉は〜から安心して話せる。

屈くっ

託たく

のない

〜笑え

顔がお

を見せる幼おさな子ご

賢けん

人じん

徳がない人は〜とはよべない。

高潔

坂さか

本もと

龍りょうま馬は〜の士だと思う。

豪ごう

傑けつ

弁べん

慶けい

は歴史上有名な〜だ。

好こう

々こう

爺や

怖こわ

い社長も孫の前では〜だ。

孤こ

高こう

周りに流されない〜の人。

心優やさ

しい

〜兄が幼い弟をかわいがる。

才気煥かん

発ぱつ

話しぶりから〜さが分かる。

爽さわ

やか

〜で、気持ちのよい青年だ。

しとやか

彼かの

女じょ

は立ち居振ふ

る舞ま

いが〜だ。

社交的

〜な母は人と話すのが趣しゅ

味み

だ。

淑しゅくじょ女

古風といえるほどの〜。

殊しゅしょう勝

手伝いが大好きという〜な子。

純じゅんぼく朴

〜で親切な、近所のお兄さん。

上品

お花の先生の〜さを見習う。

思し

慮りょ

深い

〜人は軽々しく騒さわ

ぎ立てない。

紳しん

士し

落ち着いた物もの

腰ごし

のりっぱな〜。

辛しん

抱ぼう

強い

選手の成長を待つ〜監かん

督とく

誠実

丁てい

寧ねい

な手紙から〜さが伝わる。

清せい

廉れん

潔白

〜な生き方に共感する。

先せん

駆く

時代の〜たらんと奮起する。

先せん

賢けん

古代の〜に多くを学ぶ。

造ぞう

詣けい

が深い

先生はオオカミ信しん

仰こう

に〜。

第一人者

イルカ研究の〜に話を聞く。

大たい

家か

画が

壇だん

の〜として誰だれ

もが認める。

大器

昔は未完の〜と評された選手。

タフ

試合に出続ける〜な選手。

母は芝しば

居い

に関しては〜だ。

慎つつし

み深い

決して自じ

慢まん

をしない〜人。

天真爛らん

漫まん

彼かの

女じょ

は子供のように〜だ。

篤とく

志し

多額の寄付をしている〜。

情け深い

〜からと彼かれ

に甘あま

えてはだめだ。

博識

知らぬことはないほどの〜だ。

腹の据す

わった

彼かれ

は気弱そうに見えて〜人だ。

ひょうきん

一見もの静かだが実は〜な人。

品行方正

〜な彼かれ

が生徒会長に適任だ。

懐ふところ

が深い

反対意見も受け入れる〜人。

骨のある

〜人は最後までやり遂と

げる。

無む

垢く

子供のような〜な心を持つ。

虫も殺さない

兄は〜ような優やさ

しい性格だ。

名手

ああ見えて叔お

父じ

は尺八の〜だ。

明朗闊かっ

達たつ

〜で誰だれ

からも好かれる人ひと

柄がら

礼れい

儀ぎ

正しい

後こう

輩はい

にも敬語を使う〜人。

悪い特とくちょう徴

を表すことが多い言葉

飽あ

きっぽい

弟は〜性格で長続きしない。

あさましい

利益を求めるだけの人は〜。

厚かましい

許可なく食べるとは〜人だ。

威い

圧あつ

上司が〜だと部下は萎い

縮しゅくす

る。

意地汚きたな

一円でも得をしたいとは〜。

意志薄はくじゃく弱

兄は〜ですぐ誘ゆう

惑わく

に負ける。

陰いん

気き

無口だと〜に見られがちだ。

横おう

柄へい

新人なのに敬語も使わず〜だ。

おせっかい

何にでも口を出す〜な人。

大人げない

些さ

細さい

なことで怒おこ

る〜人。

気難しい

〜人なので話すのに気を使う。

口が軽い

〜ので彼かれ

には秘密は話せない。

口が減らない

妹は〜のでよく口論となる。

軽けい

薄はく

〜な人は結局信しん

頼らい

されない。

高圧的

あの人は目下に対しては〜だ。

厚こう

顔がん

無む

恥ち

あまりに〜な客に立腹する。

業ごう

突つ

く張り

〜で少しも損をしたがらない。

腰こし

巾ぎんちゃく着

彼かれ

は生徒会長の〜だ。

事なかれ主義

私の上司は〜で摩ま

擦さつ

を避さ

ける。

斜しゃ

に構える

誰だれ

に対しても〜、素す

直なお

でない人。

性しょうわる悪

わざと怒おこ

らせるとは〜だ。

ずぼら

姉は〜でいつも時間に遅おく

れる。

怠たい

惰だ

家で全く勉強しない〜な人。

高飛車

〜な態度で断られた。

つんけん

〜して感じの悪い店員だ。

言葉を広げよう

 たくさんの言葉を知ることで、考えを深め、表現の幅は

を広げることができる。さまざま

な言葉に触ふ

れ、文章を読んだり書いたりするときに生かそう。

本編の「広がる言葉」に取り組む際に、活用しよう。また、「書くこと」(171

/199

ページなど)の学習で参考にするのもよい。

言葉

読む|構成・展開 オオカミを見る目

69

新出漢字一覧

306ページ

言葉を広げよう 

印象を表す言葉

329ページ

 広がる言葉

ⓐ�

 「オオカミを見る目」には、「賢い」(64・1

)や「ずる

賢い」(62・8

)のようなよい印象・悪い印象を表す言葉

が用いられている。ほかに、オオカミのよい印象・悪い

印象を表す言葉を、文章中から探そう。

ⓑ�

  �

を参考に、1〜3の生き物の印象を表す言葉を考

えよう。

   

 クラゲ   美しい 危険 など 

 1 猫ね

     

 2 熊     

 3 チョウ   

例例

ⓓ�

 次の印象を表す言葉のリストから一つ選び、その言葉

を使った短文を作ってみよう。

臆おく

病びょう

  爽さ

やか  凛り

とした  はかない  華は

やか�

頼たの

もしい  無ぶ

粋すい

  ずるい  甘あ

ったるい�

鮮せん

烈れつ

  エレガント  元気が出る  俗ぞ

っぽい  �

力強い  不真面目  好ましい  つまらない

ⓒ�

 次の( )に入る言葉として、ア・イのどちらのほう

が適切だろうか。また、その言葉を選んだのはなぜだろ

うか。

 1 高原の山さ

荘そう

で( )朝を迎えた。

  

ア すがすがしい  

イ まがまがしい

 2 彼か

は( )リーダーで、人望が厚い。

  

ア 締し

まりがない  

イ 風格がある

25

臆 オク

25

爽 ソウ

 さわやか

26

粋 スイ

 いき

27

俗 ゾク

5�10

25

15

20

 3 先生に( )服装を注意される。

  

ア だらしない  

イ やぼったい

 4 今の時代に和服を着るなんて( )だね。

  

ア はで  

イ おつ

1年p.69「オオカミを見る目」

170

24

憤 フン�

(いきどおる)

26

悦 エツ

新出漢字一覧

316ページ

言葉を広げよう 

喜怒哀楽を表す言葉

334ページ

 広がる言葉

ⓐ�

 「走れメロス」には、喜怒哀楽を表す言葉が多く用い

られている。例えば、書きだしは「メロスは激怒した。」

(152・1

)である。もしこれが「メロスは怒お

った。」だっ

たら、どのように印象が変わるかを考えてみよう。また、

「メロスは逆上した。」ではどうだろうか。

ⓑ�

 喜怒哀楽を表す言葉の一つに「笑う」がある。「笑う」

に関する言葉を、「走れメロス」の文章中からも含ふ

めて、

五つ以上書き出してみよう。

ⓒ�

  �

を参考に、「走れメロス」の中の1~3の文につい

て、傍ぼ

線せん

部の意味に近い喜怒哀楽を表す言葉を、「言葉

を広げよう 喜怒哀楽を表す言葉」(334ページ)から一つ以

上選ぼう。その際、喜怒哀楽の感情の強さ、そのときの

人物の気持ちなどに注意しよう。

   

 花嫁は、夢見心地でうなずいた。(158・8

    舞ま

い上がる

例例

5�1015

2025

 1�

 「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁した。

(154・9

)   

 2�

 メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕日ば

かりを見つめていた。(165・5

)   

 3�

 メロスは目に涙を浮かべて言った。(167・9

)   

ⓓ�

 次の喜怒哀楽を表す言葉のリストから一つ選び、その

言葉を使った短文を作ってみよう。

憤ふん

慨がい

する  涙ぐむ  躍り上がる  笑い転げる�

目め

頭がしら

を押さえる  嘆な

く  相そ

好ごう

を崩く

す  上気する�

怒いか

り心頭に発する  肩を落とす  悦え

に入い

2年p.170「走れメロス」

2年p.332「言葉を広げよう」

3年p.121「曖昧な文・分かりづらい文」

 曖あ

昧まい

な文・分かりづらい文  

謎なぞ

の予告状

文法の窓1

詳くわ

しくは……

文法解説

260ページ

文法の窓1 曖昧な文・分かりづらい文

121

 そのとき、封ふ

筒とう

からもう一枚紙が出てきた。

 この紙をもとに予告状を解か

釈しゃく

して、正しい

警備方針を刑事たちにアドバイスしよう。

202530

 来月、ある博物館の名品をいただく。標

的は、白い女め

神がみ

像がある博物館だ。

 実行予定日は五の倍数の日だが、全ての

五が付く日が予定日ではない。

怪盗X

◌白い煙え

突とつ

のある家は、煙突だけ黒い。

◌全ての窓が四角ではなく、どれも丸い。

考えよう

 ヒントが次のようなもの

だったら、正しいアドバイス

はどうなるだろうか。

1�

 白い煙突のある家は、

屋根も壁か

も黒い。

2�

 全ての窓が四角では

なく、丸い窓もある。

怪かい

盗とう

Xから、ある博物館の名品を盗ぬ

という封ふ

書しょ

が警察に届いた。しかし、

予告状の傍ぼ

線せん

部が曖昧で、刑け

事じ

たちは

困っている。

ヒント

51015

 北博物館には玄げ

関かん

前に白い女

神の石像があるぞ。ターゲット

は北博物館か。

 五の付く日は実行しないと

言っているのだから、十、二十、

三十の三日だけ警け

戒かい

すればいい

だろう。

 

刑事A

 北博物館は黒っぽい建物じゃ

ないか。白いのは南博物館だぞ。

展示室には女神のブロンズ像も

ある。

 五の付く日といっても、五、

十五、二十五日のどれかが分か

らない。五の倍数の日は、いち

おう全部警戒しなくちゃだめだ。

刑事B

本編

本編

資料編

資料編

広がる言葉/言葉を広げよう

読む/古典

文法の窓 (Dマークコンテンツ)

読書案内

3年p.288「本の世界を楽しもう」 3年p.287「私のおすすめの本」

「読書への招待」(86

/172

/214

ページ)や、次ページからの「本の世界を楽しもう」と併あ

せて読み、自分が読みたい本を見つけよう。

読む

私わたし

のおすすめの本

読 書 案 内

読む 

287

資料編

 中学時代、いろいろな本を読んだのを覚えて

います。SFから推す

理り

小説、宇宙やタイムトラ

ベル、果ては相対性理論についての本まで。特

に読書家だったわけではありませんが、興味を

持った本は、手当たり次し

第だい

に読みました。

 本は、いろいろなことを考えさせてくれる

きっかけになったり、想像を膨ふ

らませてくれた

りするものです。私わ

たし

の場合、この本が宇宙飛行

士になるきっかけの一つになりました。初期の

頃ころ

の宇宙飛行士が、宇宙に行って何を感じたか、

興味深く読みました。自分も宇宙に行ってどう

感じるか見てみたいという思いが芽生えました。

 分野を限る必要はありません。興味のある本

を読んでください。皆み

さんの人生を決める助け

になるような、すてきな本に出会えますように。

 さまざまなシェイクスピア作品を上演してき

たが、特に心に残る作品は「マクベス」である。

人間の中にある欲望、人間が生きることを、い

ちばん直接的に描え

いていると思う。

 将軍マクベスは、三人の魔ま

女じょ

の予言により

眠ねむ

っていた野心が呼び覚まされ、王となり、王

座を守るため殺さ

戮りく

を繰く

り返す。魔女の有名なせ

りふに「きれいは汚き

たな

い、汚いはきれい」という

ものがあるが、これは物事には必ず二面性があ

るということだ。例えば、私わ

たし

たちの生活の中で

も便利さの裏には危険な側面があり、正なる財

産と同時に負の遺産が生まれる。人間への警告

を込こ

めたのではないだろうか。古典でありなが

ら、今こ

日にち

性を失わない作品だと思う。

 二〇二〇年五月、国際宇宙

ステーション(ISS)の船

長を務める。

星ほし

出で

彰あき

彦ひこ

宇宙飛行士

 国際連合広報センターの所

長を務める。

根ね

本もと

かおる

国際連合職員

 私わ

たし

は大のアート好きで、見たい絵、行きたい

美術館、画家ゆかりの土地を中心に旅行を組み

立てます。時空を超こ

え、戦乱を生きぬき、今に

受け継つ

がれた名作を前にすると、絵画からいろ

いろなメッセージが立ち上って自分に語りかけ

てくるように感じます。学芸員の経験のある原

田マハさんには画家や美術関係者にまつわる著

書が多数あります。モネ、マティス、ドガ、セ

ザンヌを描え

いた短編集の本作では、丹た

念ねん

に調べ

た事実関係に小説家の特権であるイマジネー

ションが加わり、画家たちが「偉い

人じん

」ではなく

血の通った存在としていきいきと立ち上ります。

アートの楽しみ方を広げてくれる一冊です。ち

なみに私はこの本に促う

なが

され、マティスが暮らし

た南な

仏ふつ

のニースに行きました!

 二〇二〇年東京オリンピッ

ク・パラリンピックで開会式・

閉会式の総合統と

括かつ

を務める。

野の

村むら

萬まん

斎さい

狂きょう

言げん

新訳

 マクベス

ウィリアム・シェイクスピア

ジヴェルニーの食し

ょく

卓たく

原はら

田だ

マハ

立たち

花ばな

 隆たかし

宇宙からの帰き

還かん

読 書 案 内

本の世界を楽しもう

言葉の海へ

友情!

 青春!

異世界を旅する

288

はてしない物語

ミヒャエル・エンデ

一冊の本を開く

ことから始まる

冒ぼう

険けん

ギヴァー

 記き

憶おく

を注ぐ者

ロイス・ローリー

制せい

御ぎょ

できない記

憶を分かち合う

ことこそが愛。

獣けもの

の奏そ

者じゃ

上うえ

橋はし

菜な

穂ほ

子こ

胸が痛むほど

まっすぐな、生

き物への思い。

影かげ

との戦い

アーシュラ・K・ル=グウィン

ゲドと影、対決

のときがやって

きた。

落語と私わ

たし

桂かつら

 米べ

朝ちょう

上かみ

方がた

落語の名人

が分かりやすく

教える落語の話。

すてきなひとりぼっち

谷たに

川かわ

俊しゅん

太た

郎ろう

一人でそっと開

きたい詩集。

春や春

森もり

谷や

明あき

子こ

十じゅう

七しち

音おん

が若き心

を揺ゆ

り動かし、

縁えん

をつなぐ。

舟ふね

を編む

三み

浦うら

しをん

広く深い言葉の

海にこぎいでて、

辞書を作る。

幕が上がる

平ひら

田た

オリザ

何のために演じ

るかなんて考え

なくてもいい。

一いっ

瞬しゅん

の風になれ

佐さ

藤とう

多た

佳か

子こ

速くなる。ただ

それだけを目指

して。

15歳さ

の短歌・俳句・川せ

柳りゅう

 

①愛と恋こ

黒くろ

瀬せ

珂か

瀾らん

・編

僅わず

か数文字の

情熱。愛なの

か、恋なのか。

 心に響ひ

く言葉の調べ。心で感じ

る言葉の温度。添そ

えられた解説が

作品をより身近に感じさせてくれ

る。あなたは何を思

い浮う

かべるだろう。