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第13回 学園一貫教育研究集会 報告書 日本女子大学附属高等学校 日本女子大学附属中学校 日本女子大学附属豊明小学校 日本女子大学附属豊明幼稚園 2010年6月24日

第13回 学園一貫教育研究集会 報告書 - JWU...資料2 附属中学校における「国際化」 1.「国際化」へ向けての現状 1)教科内容 各教科での活動

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第13回 学園一貫教育研究集会

報告書

日 本 女 子 大 学

日本女子大学附属高等学校

日本女子大学附属中学校

日本女子大学附属豊明小学校

日本女子大学附属豊明幼稚園

2010年6月24日

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目 次

プ ロ グ ラ ム ……………………………………………………………………… 2

1 「学園改革」 ………………………………………………………………………… 3

2 「語学教育」 ………………………………………………………………………… 13

3 「国際人教育」………………………………………………………………………… 17

4 「環境教育」 ………………………………………………………………………… 20

5 「平和教育」 ………………………………………………………………………… 26

6 「社会連携」 ………………………………………………………………………… 34

参 加 申 込 者 数 ……………………………………………………………………… 37

参加申込者名簿 ……………………………………………………………………… 38

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《第13回学園一貫教育研究集会》

日 時 2010年6月24日(木)午後2:00~5:45 場 所 西生田キャンパス テーマ「国際化から学園を考える」 プログラム 1:00~2:00 受付(西生田成瀬講堂) 2:00~3:10 「全体会」(西生田成瀬講堂)(参加予定者342名) (2:00~2:10)学長挨拶「いま学園が取り組むべきこと」 (2:10~3:00)基調講演「学校教育における国際化」 モンテ・カセム(Monte Cassim)先生 学校法人立命館副総長、立命館アジア太平洋大学前学長。 (3:00~3:10)「学園国際化における学生リーダーの育成について」鵜養美昭教授(心理学科) 3:10~3:25 移動(15分) 3:25~4:55 「分科会」(九十年館教室) 1学園改革(参加予定者77名→35番教室) 世話人 小山副学長、永田教授、田中中高校長、澤中学校教諭

2語学教育(参加予定者53名→31番教室) 世話人 西山文学部長、白井教授、野本中高副校長、中村中学校教頭、功力小学校長、小川幼稚園教諭

3国際人教育(参加予定者56名→32番教室+42番教室43番教室) 世話人 佐藤家政学部長、レウルス教授、菅間高等学校教頭、下村中高副校長、黒瀬幼稚園教頭

4環境教育(参加予定者69名→34番教室) 世話人 今市理学部長、平田准教授、黒沢教授、辻小学校教頭

5平和教育(参加予定者49名→33番教室) 世話人 五関教授、杉山高等学校教諭、永田幼稚園園長

6社会連携(参加予定者37名→36番教室) 世話人 片桐人間社会学部長、平舘教授、久東准教授、松澤小学校教諭

4:55~5:05 移動(10分) 5:05~5:45 「全体会」(参加予定者342名→10番教室) 1学園改革 学園の国際化のために何をすべきか、何から着手し何ができるかについて話し合い国

際化された本学園のイメージを構築し共有することを目的とする。 2語学教育 幼・小・中・高・大の各発達段階における英語教育の在り方について情報交換し英語

教育日本女子大学スタンダードの構築を目指す。 アジアの国々を視野に入れた教育カリキュラムを、語学教育を含め検討する。

3国際人教育 国際人として活躍できる学生を育てるための教育の在り方を検討する。 4環境教育 グローバル社会における環境問題への本学の問題意識の確認と各発達段階での環境教

育の可能性と課題を検討する。 5平和教育 複雑化する国際社会への理解を深めると同時に創立者の理念をどう継承していくか、

各校園の取り組みだけでなくWILPF等の活動も含め考えていく。 6社会連携 国際連携を視野に入れた教育体制の在り方を一貫教育のつながりのなかでいかに構築

していくか学内プロジェクトおよび実績から考えていく。

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分科会1学園改革

1.参加者 77名

2.世話人(敬称略)

附属中学・澤達大 Aグループ 附属高校・田中若代 Bグループ

理学部・永田三郎 Cグループ 人間社会学部・小山高正 Dグループ

3.分科会記録

(1)趣旨説明

はじめに小山副学長より、本分科会の参考資料として、2010 年 3 月 1 日に発表された中・長期計画

における国際化への対応が提示された。(資料1 参照)

資料1 【学内報・学校法人日本女子大学 中・長期計画-2009 年度見直しに基づいて】より

Ⅱ 教育・研究推進のための主要課題

主要 9 課題のうち、以下の 4 項目を今後早急に取り組むべき重点課題とする。

1.学部・学科の再編・新設と大学院像 2.通信教育課程の整備

3.国際化への対応 4.一貫教育体制の充実

3.国際化への対応

進展する国際化社会に的確に対応していくため、本学の教育・研究をいかした特色のある国際化政策

を立案し、国際社会で活躍できる女性を育成する。また、アジア関係諸国の女子教育を支援する。

(1)国際交流の活性化

①国際交流センターの設置およびこれによる「国際交流支援ネットワーク」の整備

②外国語教育の充実

③外国人教員の招聘

④留学生向け日本語講座の充実および留学生の外国語教育への参加

⑤新泉山館国際交流センター施設の柔軟な活用

⑥国際学術交流基金の拡充及びコンファレンス・シンポジウム等の企画・開催

⑦ e-learning 等による教育の提供・研究の展開および海外分校・拠点の設置の検討

(2)留学制度等の充実

①留学生の質の確保と受け入れ体制の整備充実

②アジア関係諸国との連携の推進

③学生の短期海外留学制度の拡充

④学生・教職員の海外研修の機会拡大

(3)外国人留学生の学生生活支援の整備

①渡日前から帰国後に至る体系的な留学生支援体制の確立

②奨学金制度や留学中の授業料軽減等の導入

③経済的支援の充実(学内アルバイト、廉価な留学生宿舎の提供等)

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(2)世話人より各校における国際交流の現状と今後望まれる方針・事業の報告

*中学の国際交流の現状と今後望まれる方針や事業など (附属中学 澤) 資料2 参照

*高校の国際交流の現状と今後望まれる方針、事業など (附属高校 田中) 資料3 参照

*大学の国際交流の現状 (人間社会学部 小山) 資料4 参照

*大学の国際交流のあるべき姿 (理学部 永田) 資料5 参照

資料2 附属中学校における「国際化」

1.「国際化」へ向けての現状

1)教科内容

○各教科での活動 英語に特化せず全教科を満遍なく学習するカリキュラム

○総合的な学習 中 2 後期テーマ 国際理解

昨年:アフガニスタン復興支援

アフガニスタン関係の講演・映画鑑賞・パネルディスカッション

○クラブ活動 インターナショナルクラブなどの活動(大使館見学等)

2)海外帰国子女入試

○第 53 回生(13 年前)より実施

帰国子女が他の生徒に与える良い影響(特に英語)

一般入試の 2 回実施(2 月 1 日・3 日)以降、1 日に入試日を変更

定員 10 名程度 1 クラス 1~2 名程度(入学者人数は景気により上下動する)

3)学校行事

○オーストラリアホームステイ研修プログラムの導入 第 54 回生(12 年前)

他校の状況と比較して国際化に向けたプログラムとして開発

同時多発テロの発生や現地の受け入れ状況の変化 → 4年で中止へ

2.今後の課題 国際化に向けた人材育成のために

1)教育内容の国際化

○PISA型学力を育成する教育の方向性

読解力、表現力、資料等活用能力の育成 (伝統的3Rとの共存と転換)

○欧米型授業への転換のためにハード面の改革の必要性

少人数クラス・分割授業の編成 → 教員増・教室の増築などの必要性

2)国際的な催しへの生徒の積極的な参加

3)教員の資質向上

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資料3 附属高等学校の現状

1.海外留学生の動向

短期留学 長期留学 短期受け入れ 長期受け入れ

年度 人数 留学先 人数 留学先 人数 出身国 人数 出身国

1998 2 AUG(2) 8 USA(4),AUG,ITA,ENG,SGP 2 AUG(2)

1999 3 THA(2),CHN 9 USA(5),AUG(3),GBR

2000 1 USA 10 USA(6),AUG,GBR,CAN,BRA

2001 1 USA 2 FRA,AUG

2002 5 USA(2),AUG(3) 2 USA,MCO

2003 3 NZL(2),THA 2 BRA,NZL

2004 1 CAN 3 USA(2),ITA 1 PHI

2005 1 AUG 7 USA(5),DEU,CAN 1 USA

2006 4(3) USA(2),AUG,FRA

2007 3(2) USA(2),BRA 1 USA

2008 3(2) USA(2),DEN 1 USA

2009 3(3) USA(2),DEU 1 CHN

2010 2 CHN(2) 3(2) USA,BRA,ITA

※2003 年度より単位認定制度開始

2.語学研修

年度 人数 留学先 備考

1992 27 NZ

1995 22(3 年 14、2年 8) NZ

1997 11(3 年 5、2年 6) NZ

1999 13(3 年 4、2年 9) NZ

2000 34(3 年 4、2年 30) UK

2001 23(3 年 8、2年 15) NZ

2002 UK テロのため中止

2003 NZ SARS のため中止

2004 13(3 年 4、2年 9) UK

2005 21(3 年 4、2年 17) NZ

2006 14(3 年 1、2年 13) NZ

2007 21(3 年 3、2年 18) NZ

2008 19(3 年 2、2年 17) NZ

2009 NZ 新型インフルエンザのため中止

2010 NZ 新型インフルエンザのため中止

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資料4 大学の国際交流の現状

1.協定大学留学

学内選考を経て派遣。修業年限に 1 年算入、30 単位を上限に卒業単位に認定、学費は大学負担*、留学経費のみ自己負担。

地域 国 大学名 派遣,受入 (人)

2010 2009 2008 2007 2006

アジア

中国 中華女子学院 0,0 0,0 0,0

韓国 梨花女子大学 1,1 1,1 0,1 0,2 3,2

アフガニスタン カブール大学 * * *

豪州 オーストラリア メルボルン大学 1,0 0,0 0,0 0,0 2,0

北米 米国

マウント・ホリヨーク・カレッジ 0,0 0,0 0,0 0,0 1,0

オレゴン大学 6,0 2,0 5,2 1,2 6,2

ウェルズリー・カレッジ 1,2 1,2 2,2 1,2 2,2

カナダ マギル大学 0 0 1 0 0

ヨーロッパ 英国

ブリストル大学 3 1 1 2 2

ランカスター大学 0 1 1 1 1

ノッティンガム大学 4 4 2 1 5

ウォリック大学 0 1 1 2 1

ヨーク大学 0 0 0 1 0

スロベニア リュブリャナ大学 未定/2 4,2 2,2 2,1 2,2

*交換留学の場合は、本学学費と留学先滞在費を本人が負担(ウェルズリー・カレッジは留学先学費を負担)。

2.認定大学留学

本学の承認を得て、志望する海外の大学に留学。自分で留

学先に出願し、選考審査を受ける。留学経費は自己負担だが、

留学中に本学に納める授業料は半額免除。

3.大学公認海外短期研修

長期休暇を利用して行われる大学公認の海外研修。本学学生のためのオーダーメイドプログラム、語学研修(単位認定あり)のほ

か、専門性に特化した研修もある。

国 研修名 実績

2009 2008 2007 2006 2005

フランス フランス文化・語学研修旅行 28 29 42 29 30

(複数国を周遊) イタリア文化研修旅行 19 18

中国 中国語研修 16 休止 20 19 14

韓国 韓国語研修 12

台湾 海外日本語教育実習 休止 6 7

* ヨーロッパ服飾文化研修旅行 40 33

米国 北米の社会福祉制度と実践を学ぶ旅 8 9

台湾 日・台ハウジングワークショップ 19

* ヨーロッパハウジング・インテリア・建築研修旅行 32 休止 32 11 28

2010 年 2009 2008 2007 2006

未定 1 1 0 4

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資料4 大学の国際交流の現状(続き)

4.外国人留学生

なお、本学では、外国人留学生の中に、以下の学生を含みます。

(1)正規生(学位取得を目的に在学する学生)

その中には、①学部/大学院、②国費/私費、③在留資格「留学」/「その他」が含まれます。

(2)非正規生(交換留学生、短期留学生、研究生・科目等履修生)

2010年5月1日現在 合計46人で、内訳は下表の通り

家政学部 文学部 人間社会学部 理学部

東アジア(中国、韓国) 12 13 14 0

その他のアジア(ミャンマー、ベトナム) 5 1 0 0

北米(アメリカ合衆国、カナダ) 0 0 0 0

ヨーロッパ(ポーランド) 0 1 0 0

その他 0 0 0 0

(学部生のみの人数 在留資格「留学」以外の学生および研究生・科目等履修生は除く)

※2010年度は、ウェルズリー・カレッジからの交換留学生の国籍が韓国とベトナムなので、アメリカ国籍の

学生はおりません。

5.教員の海外研修(最近 6 カ年)

2009 2008 2007 2006 2005 2004

東アジア 2

その他のアジア

北米 1 1 1 1

欧州 1 2 1 1 4 3

その他(豪州) 1

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資料5 大学の国際交流のあるべき姿 国際化された大学のイメージと実現に向けての課題

1. 本学に多くの留学生が在籍あるいは滞在する:学生の2割が外国人学生であれば雰囲気は変わる

a.交換留学他制度の拡充、特に AA 各国学生受入れ制度

b.奨学金含む経済支援制度、滞在施設等

c.留学に価する教育(4)

2. 本学から多くの学生が世界各地の大学に留学する、あるいは教育、研究活動のために滞在する:例

えば 1年間の留学を卒業のための条件にする

a.交換、認定他、留学制度拡充、

b.授業単位認定(受けた授業全てを単位認定)

c.奨学金など経済的支援

e.大学院生の海外渡航、滞在、留学支援(経済的、制度的)

f.国際的視野を育てる教育(4)

3. 外国人教員の採用、長期、短期滞在促進と専任教員の国外研修、出張支援

a.人事制度改革(学科教員の3割以上を外国人とする)

b.滞在施設等

c.教育・研究活動の「国際化」(4)

d.研修制度柔軟化(期間、授業補完)

4. 国際的視野に立つ教育・研究

a.日本文化、外国文化教育の充実(日本での就職、海外就職)

b.外国語の授業拡充(各授業系列の 3割程度を外国語とし、同程度を必修とする)

c.世界のトップクラスの研究水準

5.大学運営の国際化

a.海外分校開校:例えば各大陸に開校、アジアには複数

b.国際的大学教育ネットワーク

c.グローバルな通信教育:中身(4)

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(3)4グループに分かれての討議

Aグループ

*海外への支援、特にアジアへの支援を学園全体として行えるといいかと思う。

*家政学部共通の科目として国際科というものを作っても良いかと思う。児童学科では海外での幼稚園

ボランティアを長期でできるプログラムを設けている。

*英文学科ではネイティブの教員が3名いるが、英文学科・文学部の仕事ができていない状況である。

もちろん学部・学科の仕事で貢献できるような場を提供しないと疎外感を持つと思う。中学高校の報告

を聞いて、外国語習得や留学だけでなくすべての教科でグローバルな教育をしている点は安心した。

*日本の大学は規模が小さい。韓国の梨花女子大でも 3 万人いる状況で本学は 6000 人程度。卒論以外

にも TOEFL で 550 点以上とらないと卒業できないなど、ハードルも高い。何とか本学も他大学と提携

するなどして規模を大きくするかあるいは差別化をはかる等の手を打たないとならないだろう。

*通信教育でグローバルなものが何かできないか、考えている。

*留学生の集会に出席してきたが、日本の文化がきちんと育っていないと、留学しようと思わないので

は。日本の文化が注目されるように育っていないと留学生は来ないかもしれない。比較するためには、

大学に来てもらうことも大事だが、質の高いものを開発する必要があるだろう

*毎年学生を連れて中国に実地研修の引率に行っている。20 日間で 22~23 万円の経費がかかるが、

近は元の切り上げで多少苦しくなっている。大学が海外留学受け入れを本格的にやるのなら、追い風に

なると思う。中国では自費で 4 年間留学させることができる家庭も増えてくるであろう。日本は中国の

若い学生にとって魅力的で、特にサブカルチャー(マンガやゲーム)は幼少期から親しんでいる。

*1 年生対象の心理学科の授業で、心理学は欧米からが主流ということで進めている。授業時間が増え

れば日本の心理学史もできて、元気を得た学生も多い。国際化と学園が言っているが、学生が日本人で

あるというアイデンティティを持つことが大事だと思う。

*留学生受け入れの場合、奨学金と滞在施設が問題になってくる。特に滞在施設という点では、寮を活

用した方が良い。かつて本学は地方の子女を寮で受け入れて発展してきた。それの世界版ということで

寮は絶対必要と思われる。例えば北京などの海外に現地事務所を置くなどして、そういった施設がある

ことを発信しないとダメだと思う。

*食物学科では、以前ウェイ先生の影響でベトナムとのつながりがある。そこで実感したのは、栄養指

導や知識などの専門性を、アジアの国々からとても求められていることである。ベトナムでは国民栄養

調査がなく、管理栄養士の資格もない。奨学金制度などの何らかの対応が必要と思われる。

*人間社会学部で、通年で日本事情の授業を行っている。授業で課題になるのは日本文化にどう触れて、

日本文化をどう学ばせるかということであるが、例えばそういう施設にフィールドワークに出かけるに

しても、西生田キャンパスの使い勝手の悪さがあり、また、休日に行うとなると制約が多く、なかなか

やりたいことができない状況である。

*国際化といわれているが、何のための国際化か、送り出すための国際化か受け入れのための国際化か、

項目を整理し、どういうところに優先順位を置くか、精選すべきであると思う。そういう中で、イベン

ト型の国際交流はもういいと思う。日常的に理解できる国際化ということで、例えば E-LEARNING で

情報化を推進したり、図書館の施設も開館時間を増やしたりと、授業や学習環境を整えることが大事。

*グローバリゼーションが進む中で人的交流も活発に行いたいが、学生の経済的な制約を考えると、も

っとネットを活用して交流を進められるとよい。例えばネット利用の会議システムで定期的に韓国など

の他大学と学生レベルで交流すれば、安価で簡単に行えると思う。

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*海外の学生で、日本への留学を希望する学生が、日本の大学で英語を使用していると勘違いしていた

ことがあった。確かに日本の大学で英語を使った授業が少なく、それを推進する大学も増えてくるだろ

うが、学生たちが果たしてついて行けるのかが不安だし、逆に英語での授業がないと、留学生受け入れ

も難しいと思う。日本女子大として国際化についてどの部分に力を入れるのか、学部としてどの国に対

して得意分野を持つかというカラーを出してもいいかと思う。

*国際化に向けての学園改革なら、大学としてどういう指導・支援ができるのか、考えた方が良い。

視点としては ①国際化に向けてどういう学生を育て輩出するのか

②受け入れとしてどういう留学生への支援があるのか

③教員を中心に大学として、アジアにできることは何か、どういう活動をするのか

といった点である思う。その中で、本学ならではの支援ができるのではないか。

*今や韓国・中国などアジアのパワーはすごいものがある。国際化の推進を日本女子大だけでやるのは

無理。ケタが違いすぎる。銀行と一緒で、緩やかな連合女子大で力を合わせてすすめないと太刀打ちで

きないと思われる。

*日本女子大は就職率がいいから、逆にスケールの小さな学生が集まっているかと思う。留学といって

も学生そのものに問題があり、3 年で就職 4 年で卒業となると、短期留学なんてとんでもないというこ

とになる。科目の中に教養科目でネイティブの授業を入れたりして、国際化に対応出来る学生を育てる

ことが大事と思われる。

*学生の学力、特に英語力は是非伸ばしてもらいたい。例えば就職の際に TOEIC が重要視されるが、

その点を卒業までにとる目標の点数を定め、第 2外国語にも力を入れられるたりするとよいと思われる。

Bグループ

*小・中学生の日本語の手当、サポートにどのように関わっていくか。2 割(1000 人)以上の留学生は

多いが、本学の 2 ケタはいかにも少ない。

*大学院では 6 人中 3 人が外国人(インド、中国、韓国)奨学金その他の面でのサポートが不十分。チ

ューター制度も昨年からなくなってしまうというのをお願いして継続してもらったが、月 5000 円と少

ない。受け入れにも十分な制度が必要。

*留学しようと思っていた学生も、就活や単位の面でうやむやになってしまった。

*アジアに向かうのはとても良い。教員が海外に行くとなるとほとんど欧米。50 歳を過ぎた人よりも若

い人が研修というイメージがある。もし行くとしたらアジアに行くのも良い。理学部は外国人が来ると

いうレベルには行っていないのは残念。魅力不足。まずは理科離れと言うことで日本人にも魅力がない

のかも。それを改善すべき。

*職員(特に図書館)の方々の国際研修について考える。欧米とは同じ仕事をしていながら、仕事に対

するイメージが違う。学生については、大学が国際化といっても仕方ない。受け入れられる環境を作ら

なければいけないと思う。学生が入れる学部をつくらなければいけない。

*何のための国際化なのか、正直まとまらない。好き嫌いに関わらず、やらなければ行けないことをは

っきりさせたい。外国人など、外国語が話せる人が各部署にいると、論文を書いたり、また留学生への

ケアができるのかなと思う。

*教員間での交流をはかる(分野をこえて)

*国際化というときに、どんな独自性を出すのかということが必要。受験生にとってどんな国際化が魅

力なのか考えるべき。受け皿を作ることを考える。学生や職員について・・・1~2 週間か長期(1 年)

という期間だけでなく、短期(半年とか 3 ヶ月)という選択肢があってもいいのではないか。

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*英語の授業を英語でやるということだけでなく、大学院は国際学会に出て行くなど研究者を育てる。

*何を目的にしているのか、海外で生活するメリットがない(モチベーションが低い) 学生、外国と

交流しているよりも、その間に就活したり、社会に出た方にメリットを感じているようだ。アフガニス

タンの学生を受け入れて、非常に苦労した。こちらも向こうに対する理解が薄い。帰りたくない→帰る

間に新しい奥さんがいる など、向こうの事情にも理解が必要。

*「国際化を進める」ということについて、定義がない中で、何を話すのかよく分からない。一つの提

案として、人の流れを考える上で、寮を何とかしてほしい。東アジアの人を受け入れて寮に入ってもら

う。地方出身の学生が減ったのも、それが原因と思われる。緊急時に寮へ避難とかできるのではないか。

*なぜ国際化を推奨しているのかと考える。99%はアジアの留学生を狙っている。今は来ているが、

中国のめざましい発展を考えると、これからどうなるのか不透明。中高の国際化と大学の国際化は違う

し、文学部と理系ではまた違う。

*高校も一緒にできることとして、寮を何とかしましょう。

*中高教員が研修に出る制度はあっても、実際に行くとなったらすごく難しい。学会すらも難しい。

中~大までの学業を充実させる必要がある。

*寮に入ることを、留学生自体が断ったことがある。市価に比べて寮費が高く、TVは共通場所のみで

自転車も認められていない。学寮のあり方を見直さないと、何のメリットもない。

*国際化というのは何かということが、全く分かっていない。ただ上からの指示でやるというだけなの

か。留学生を受け入れて定員を確保したいという経営戦略が見え隠れする。受験生にとって魅力的なこ

とは語学教育だろうか。

*高校では毎年アフガニスタンと交流していることが魅力といって受験する子もいる。

Cグループ

*小学校の総合学習では、国際理解で 20 人 1 クラスに英語教育を行っている。Native の先生が歌など

の遊びを中心に行っている。その他に韓国の踊りを体験したり、ハロウィンなどの行事を行っている。

小学校の抱えている課題として、保護者が海外に赴任した生徒の帰国後の扱い(学習の遅れや集団への

溶け込み)である。あと、小学校では外国人に対する違和感がないような態度形成をはかっている。

*東アジアの北京大学で研修に出させてもらったが、五感を通じて異文化を体感することの重要性を認

識した。そういった経験で国際交流での講演をしてみたいと思う。中国は大学で語学に関する自前の教

育機関がある。そういう面も参考にできればと思う。

*学内で国際交流を主に取り扱う「国際交流センター」の組織を作ることが必要だと思われる。

*前任校では1~2 割が留学生だった経験がある。どういう学生を入学させてゆくのかをはっきりさせ

た方がよい。

*高校では数学を担当している。若手研究者を発掘する

*本学は大学としては小規模である。その点を考え、どのくらい国際理解に力を注げるかを考えた方が

良い。特に時代的に「選択と集中」が求められている点で、何をやり何をやらないのか、やるものにつ

いて集中的に行うことがあってもよい。国際交流センターの設置については賛成である。

*国際交流について、ミクロな部分とマクロな部分とに分けて、無理なく行うにはどうしたらいいか考

えていく必要がある。3 割を外国人教員にすることも考えていいのでは。定評ある外国雑誌に投稿して

いること。学内再編で「国際学部」を作ってみてはどうか。

*「国際化」の定義を明らかにする必要がある。

*学内の学生をみて、留学が少なくなっていることが気になる。その留学も語学研修程度になっている。

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*他の方と同じように国際化の定義が分からないのではっきりさせてほしい。また、国際化で一番必要

なのは日本文化をしっかり知り、理科や数学教育もきちんとすること、さらには日本語教育も充実させ

ることが求められると思う。

*自身が 10 ヶ月ほどアメリカへ語学ボランティアに行ったが、生活全般機能を含めて全面的にサポー

トして頂いた経験がある。逆に大学で留学生を受け入れる場合、ホスピタリティに日本女子大らしさが

あっても良いと思う。

*幼稚園では遊びを通じて英語に触れている。お弁当の時間などからも交流をすすめている。

*以前韓国からの留学生を、JICAの文部科学省プログラムの一貫として、家庭科の学生研修で受け

入れた。その時感じたのは、教育がプログラムに積極的に関わっていくことが重要と思った。

D グループ

*日文では留学生を増やしたい。大学の国際化は、私費留学生をどのように支援できるかにかかってい

るだろう。国際化はお金がかかるもの。

*高校から見ると日本女子大学は内向きというイメージ。女子の留学生だけとうこともあるので。毎年

アフガニスタンから女子高生を受け入れていることは高校全体にとってプラスになっている。ただし、

2 週間の滞在のために寮の部屋を確保しておかなければならないのは大変。

*中学校は休止状態である。国際化という問題に中学は向かないのではないか。

*食物では留学生は受け入れたいが学費が高い。金銭的支援体制の整備。

半年以上の留学はよい経験になるので、チャレンジするのをバックアップしてあげなくてはいけない。

むしろ親が怖がっている傾向がある。西生田には留学生が集う場所がない。

*アルバイトでなかなか授業に来られない学生がまだいる。留学生を受け入れる際にどう考えるのか。

続けるためのサポートをどうするか。

*卒業後、教員になって小学校の国際クラスをもつ子がいる。日本語教員養成講座を受講する学生が 16

名程度いる。

*学園改革と国際化という話題がどう結びつければよいのかがわからない。西生田で日本事情を担当し

ているが、留学生がいる場所がない。日本女子大学は持続性がない。重点化資金で e-learning のプログ

ラムを開発した。内容を更新していかなければいけないが、受け入れ担当部署がないので一人で細々と

やらなくてはならない。e-learning は大学の方針として始めたのではなかったのか。

*留学年次の問題がある。現状では 3 年次の秋から 4 年次の夏に帰国のプログラムだが、就職活動の問

題でモティベーションが冷え込む。留学しやすくする。短期研修の充実も必要になるだろう。

語学研修で韓国へ行ってきたが、交換学生がなぜ来ないのか。こちらから出かけていって派遣するくら

いやってもよいのではないか。それでも宿舎の整備が必要。

*学園全体で交換留学生の確保に力を入れる必要がある。留学生は寮で日本の学生と混ぜて住まわせる。

今後の学園改革のキーワードが国際化である。もっと多くの学生がそれを享受できるようにシステム整

備を進めていく。

以上

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13

第2分科会「語学教育」

世話人:西山力也(大学)、白井洋子(大学・司会)、野本昌子(高校・記録)中村礼子(中学)

功力俊文(小学校)、小川賀子(幼稚園)、議事録:植野貴志子(英文)

はじめに

「語学教育」分科会世話人会は今回の研究集会の準備にあたり、国際化の基礎としての英語教育に

焦点を当てた。分科会のテーマ「幼小中高大の各発達段階における英語教育の在り方について情報

交換し、英語教育日本女子大学スタンダードの構築を目指す」に基づき、小学校、高校、大学(目

白キャンパス)からの英語教育実践報告、質疑応答、討論が行われた。なお、世話人会は、研究集

会に向けての事前準備資料として、幼稚園から大学における英語教育カリキュラム(大学は基礎科

目英語カリキュラム)を参加予定者全員に配布した。分科会参加登録者数53名。

報告1.「豊明小学校の英語」大越 保(附属豊明小学校)

豊明小学校の英語教育は、開校5年目の 1911(明治 44)年に開始された。2度の中断の後、1999

年には総合的学習の時間に英語活動が始まり、2009年からは文学部英文学科の協力により、海崎百

合子客員教授作成の新カリキュラムを実施した。

今年度からは正式に英語科が発足した。1~3年生は隔週1時間。1学級を20人ずつの2組に

分け、アメリカ人講師が情報の授業と裏表で行っている。4~6年生は週1時間。1学級を20人

ずつの2組に分けて、日本人講師が2人、同時並行で授業を行っている。

豊明小学校の英語科では、自分に伝わってくる情報を子どもが一生懸命に聴き、見て、わかる事

柄が多くなることに喜びを感じることができるように授業を展開している。聞かせること、やりと

りはたくさん行うが、授業中に英語で発話できることを目標とはしない(会話の訓練ではない)。

文法項目は子どもたちに説明して理解させるのではなく、それが使われている場面をなるべく多く

提示していく。教師は説明せず、和訳せずに、子どもたちの気づきを促すような提示の仕方をして

いく。その蓄積を通して、子どもは考えながら自分の中に英語のルールを構築していく。即ち、子

どもは母語を習得するときと同様のプロセスを経験することになる。

中学校の授業内容の先取りはしない。小学校で聞き慣れ、それなりに理解してきたことが、中学

校に行ってから系統的に説明され、整理されることで、理解が深まっていけばよいと考えている。

スペリングを覚えさせることもしない。

豊明小学校の英語教育は、英文学科の協力によって大きく前進することが出来た。また、英文学

科の早期英語教育講座の学生が豊明小学校の授業を参観したり、実習したりということも定期的に

行われている。こうした相互の協力関係を今後も大切にしていきたい。

報告2.「英語教育日本女子大学スタンダードの構築を目指して」 吉田章人(附属高校)

今回の発表は、2007年度から 3年間にわたり、日本女子大学総合研究所より助成を受け、開始さ

れた研究課題 36「本学園の高等学校・大学における一貫したカリキュラム・シラバスの開発」の概

要を紹介したものである。

一貫した英語教育を考える際に必要なことは、目的論・教材論・授業論・評価論の 4つの柱を軸

に、それぞれのつながりを重視しながら一貫性を持たせることである。これまでの学園一貫教育研

究集会の分科会等では、「一貫した教材を開発しよう」、「お互いの授業を参観し合おう」などの

教材論や授業論のレベルで有益な意見交換が行われたことはあった。しかし、一番の川上に位置す

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る目的論について議論されたことは記憶にない。つまり幼 大までの英語教育に携わる教員が、ど

のような 終ゴールを目指して英語教育を行うかという議論はあまり行われて来なかったのではな

いだろうか。そこで本研究では、幼 大までの一貫した英語教育を実現するための基礎研究という

位置づけで高・大の英語教育の一貫した目的論の構築を試みた。

目的論には、幼 大まで同じ記述の「教育理念」、児童・生徒・学生の各学年の発達段階を考慮

して記述された「教育目標」、そして達成すべき言語能力を具体的に記述した「教育指標」の3段

階が存在する。本学園の高・大間については、第1の教育理念と第2の教育目標にはある程度一貫

した記述が存在した。しかし、第3の教育指標に関しては、個々の授業担当教員がそれぞれの立場

で考えて行っていることも明らかになった。

そこで、本研究では、この第3の教育指標として世界で も汎用性の高い Common European

Framework of Reference for Language (CEFR)と互換性を持たせた教育指標を「日本女子大学英語

教育 Standard 」として、本学園の実状に合わせた形で開発し、提案した。

報告3.「目白キャンパスにおける基礎英語教育改革の現状と問題点」佐藤和哉(英文学科)

基礎英語カリキュラムの現状は、英文学科をのぞく目白地区3学部9学科について、1コマ90

分の授業を週に2コマ、必修として行っている。1つは、英語の「読み」「書き」能力の涵養に重

点を置いたもので、もう1つは、TOEIC を中心とする資格対策やネイティブ・スピーカーの教員に

よって、総合的な会話力の涵養に重点を置いている。

基礎英語関連科目については、これまで行われたいくつかの学生アンケートの結果などに鑑みて、

2009年度よりカリキュラム改革を行った。内容は、プレイスメント・テストのより厳密な適用、教

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科書のレベルの標準化、成績・評価の平準化などである。

しかし、改革を進めていく過程で浮き彫りになった問題点もある。第一に、クラス・サイズが大

きすぎる。現状では1クラスは 35名を超えることが多く、昨今の語学教育においては、「少人数」

といえる人数ではない。第二に、プレイスメント・テストを行っても、まだ学生の学力には大きな

幅があり、とくに下位クラスにおいて顕著である。また、入試形態の多様化や入試科目の変更に伴

って、その差は拡大しているように思われる。早晩、本学の語学教育においてもレメディアル教育

が必要とされるようになるかもしれない。いずれにせよ、これらの問題の根底には、クラス数の絶

対的な不足があり、単に基礎英語の担当者の努力だけではすまないところまで来ていると考えられ

るので、早急な改善策が望まれる。

また、今後の検討課題としては、学科でなされている英語の訓練との関連性をどのように担保し

ていくか、また基礎英語の目指す英語が「一般向けの英語」であるべきか、「学術目的の英語」で

あるべきか、などの問題が挙げられる。また、本学の目指す「国際化」との関連性もどのように考

えていくべきか、という点も今後の課題としたい。これらの点については、全学的な取り組みとし

ての英語教育改革を呼びかけていきたい。

質疑・討論:

- 大学センター試験の附属高生平均点は?(大)←附属高はセンター試験受験結果データを持っ

ていない。附属高では必ずしもセンター試験その他での高得点取得を目標としていない。

- CEFR(Common European Framework of Reference for Language)の英語力評価基準は?(大)←

CEFR はヨーロッパ諸言語母語話者の英語力を評価するものであり、コミュニケーションが円滑

にできるかどうかが評価基準になっている。

- 大学の基礎英語教育と国際化との関連性は?(大)←今後の課題としている。

- 大学の能力別クラス分けによる評価の平準化について、授業は異なるレベルで行い、試験のみ

共通問題実施にしてはどうか?(大)←検討してはいるが具体化していない。

- 大学学科別に教材の内容を変えているのか(大)←現状では変えていない。

- 豊明小学校の英語教育、大学との連携により授業内容が大きく改善された。外部のネイティブ

の先生への委託では、連絡、連携がとりにくい状況にある。(小)

- 小学校 4~6年生担当の海崎先生の教育方針は、良い英語を聴かせ、母語習得と同じ過程での英

語習得にある。1~3年生への授業の検討が必要ではないか。(大)

- 早期英語教育に関心をもつ学生が増加している。開講 2 年目の今年度、「早期英語教育教授法」

(海崎)履修者は 93名。(大)

- 幼稚園では派遣のネイティブの先生と担任教諭が連携を取り、遊びに英語を取り入れる無理の

ない形で行っている。(幼)

- 中学校入学時には豊明小学校出身者が主導的な役割を果たしているが、徐々に差はなくなる。

今後は、小中の連携を考えていく必要もある。(中)

- 学園の国際化、保護者の学園への期待に応えることを目的として取り組む必要がある。そのた

めには小中高大の成果を統合できるような組織化を図ることが必要。(小)

- 幼~大の相互の連携の上に、全体の統合を目指すことが重要である。本校の学生の特質や傾向

を配慮したプランが必要である。(例えば、作文力が強い傾向があるので、writing の力を伸ば

すなど。)(高)

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- 一貫教育に関連した情報を共有したい。西生田キャンパスでは、学生間のバラつきが大きい。

早期から英語教育を受けてきた学生とそうでない学生との差があるのではないか。(大)

上記の質疑に加え、吉田教諭の報告を受けて、この基礎研究を軸に、本学における幼 大までの一

貫した英語教育カリキュラムを今後何らかの形で実地に構築すべきだとの提案がフロアからなされ

た。

おわりに

分科会は全体として和やかに、かつ活発な質疑討論が交わされるなかで進められた。英語教育に

おける一貫教育のメリットはどこにあるのか。参加者はみな、この大きなテーマを念頭に置きつつ

参集したのではないかと思われる。小大、高大の連携はまだ日が浅いとはいえ、少しずつ成果が見

えてきているようである。小中、中高の連携は、教員の授業参観、カリキュラム等にその下地がで

きていると言えるのではないか。国際化に英語教育の果たす役割が大きいことは確かである。しか

し、教育の根っ子となる豊かな人間性の育成という点では、本校園がこれまで培ってきた作文力、

表現力を養う教育は国際化の時代にいよいよ必要とされるのではないだろうか。英語教育の少人数

クラスの実現は現在、本学の生徒、学生、保護者、そして教員が、強く期待し、求めるところとな

っている。そのことは、フロアから提示された「本学における幼 大までの一貫した英語教育カリ

キュラム」の構築を実現していくためにも大事なことと思われる。(文責・白井)

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分科会 3.国際人教育

世話人 佐藤家政学部長、レウルス教授、菅間高等学校教頭、下村中高副校長、黒瀬幼稚園教頭

まず話合いの糸口として、人間社会学部のレウルス先生から「仏語・文化研修旅行」の報告をし

ていただいた。その後、5 つのグループに分かれて話し合い、 後に各グループから話し合いのよ

うすを発表してもらった。

5 つのグループの記録は簡単に記すが、分科会の後の全体会で、世話人 佐藤家政学部長がまと

めた内容は次のとおりである。

「学園が一貫教育の中で取り組むべき課題は、国際化を体感できる機会を、児童、生徒、学生に

多くあたえることである。国際化に対する垣根となっているのは、語学だけではない。自分の意見

をきちんと述べて自己を表現できる力の育成が必要である。

留学生は国際化における財産である。その留学生と在校生が交流の機会をもてるようにしていか

なければいけない。そのためには、学園の財政的支援とともに、国際人とは何かに対する思いを我々

が共有していくことが大切である。」

1 グループ 話し合いのまとめ

○外国語恐怖症

高校ではニュージーランドホームステイへの参加希望者も多く、アフガニスタンの先生による数学

の授業もおこなわれた。

小学校では韓国の方からお話を伺い、英語だけでない国際理解をすすめている。

大学では学生の外国語恐怖症が多い。外国人恐怖症はないのになぜだろう。自分の意見を言いなれ

ていないことにまず原因があるのか。

○人と接することの大切さ

語学力の向上が国際人につながるのではない。意欲、母語にたいする関心の深さ、人と何かを一緒

に体験し生活することが異文化理解の第一歩と思われる。

国際人となるためには、言語習得も大切だが、机を離れて実際にその国を訪れ、そこに暮らす人と

の交流をすすめることが大切である。小、中、高、大と一貫したカリキュラムは難しくとも、実物

教育を重視し、目を外へ向けさせていく機会を増やしていきたい。

2 グループ 話し合いのまとめ

○各校の現在の教育を話し合うなかで、国際人教育として4つの側面が必要であることを再確認し

た。

1.文化交流=異文化を知ること、理解すること。

2.語学教育=コミュニケーション手段・自己表現のスキルを身につけること。

3.体験教育=実際に海外での生活を経験すること。

4.国際人としての自覚=同時にまた、日本固有の文化を知ってこそ、国際人たり得る。

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○特に上記の4については、徒にナショナリズムを助長するのではなく、国際的な視野のもとに日

本文化の独自性を確認し、日本の歴史を踏まえた上で現代の日本人として、国際社会で果たすべき

役割を自覚することが大切である。

3 グループ 話し合いのまとめ

○国際人教育についてどんなイメージを持っているのか

教育がめざすのは自己解決能力を身につけた人であって、指示待ち人間であってはならない。国と

国との交流ではなく個人と個人の交流であることが大切である。現代は国際人でなければ何もやっ

ていけない状況といえる。

○心配な内向き傾向

欧州を研修中に思ったことは、旅行をする日本人が少ないことだった。中学では英語に対する関心

は開きがある。アフガニスタンについて 2 年生は一年間をかけて学び、アフガニスタンの先生との

交流から、女性であることや学ぶ意義について考えた。内向きな生徒や学生が、他者を受け入れる

ことができるような人になれるよう、学園として考えていかなければならない。

○国際人教育のために

さまざまな価値観を理解するためには、日本だけで完結せずに生きる機会を、段階的に持つ必要が

あるのではないか。一貫教育の中で、小さいときは「体感的」に、成長にしたがってより具体的な

経験をさせたい。その垣根になっているのは、語学力だけではなく、自らの意見をきちんと述べる

人であるか否かであろう。交流の機会として、たとえば留学生を受け入れるシステムの構築など、

財政的支援がなければ動いていくことはない。学園全体で「国際人とは何か」を共有していきたい。

4グループ 話し合いのまとめ

○国際人教育は、言語教育ではない。

国際人の基礎は、日本人がきちんとした日本語で日本を紹介することである。また、自分の考えを

表現できるのは母国語であり、通訳はいくらでもいる。

幼稚園でも、英語教育として、現在はカナダ人の方に、週 1 日いらしていただいているが、違う文

化に触れることが目的であり、園児たちは言葉が通じなくても、なんとかコミュニケーションをと

ろうとしている。まず日本語の獲得を基本にしている。

中学では、総合学習で国際教育というものがあるが、社会科だけではなく、アフガニスタンの方と

の交流を通じ、アフガニスタンを知ることから始めて、大きな視点で捉え、文献を読むなどして、

理解を深めている。アフガニスタンの学生が保健室に来ることもあり、保健室との交流もある。(保

健室があるのは、韓国と日本のみである。)

大学のキャンパスに留学生を見かけることが少ないので、もっと留学生を増やすことでグローバル

化が進むのではないか。

○他者を尊敬する、他者との違いを受け入れることが、大切である。

日本と日本以外とに分けるのではなく、世界の中に日本を当てはめる。

国際社会の中にある「日本」というものを意識すべきで、他文化を同等のものと認めるべきである。

国際化には、自己の変容が求められる。

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日本人の常識が世界の国々の常識とは違うことを自覚すべきである。

○日本社会が多様であることを認めることが大切である。

日本は多民族国家である。(アイヌ民族など)

5 グループ 話し合いのまとめ

○国際交流から考える留学生

現在在籍する留学生がなかなか見えてこない。文学部では交流の場がなく、互いに接する機会が無

く留学生は留学生のみで授業をしている。学生と留学生が接する機会を増やすべきである。人間社

会学部では、中国からの留学生が日本語の授業にまざっている。留学生はバイタリテイがあり、自

然な交流がうまれている。しかし情報は少なく、交流の機会も少ない。留学生が来ている実情が見

えにくい。来ていることがわかりにくい。

○女子大としてできること

幼稚園児は異文化にたいする抵抗は少ない。中学生も国際交流や異文化に対し興味をもっているの

で、機会をつくってあげたい。

学園は海外に対してもっとアピールして、留学生を増やす努力をし、留学生同士のコミュニテイを

作れるようにする。留学生が履修できる科目も増やす。更に言葉でないコミュニケーションもでき

るのだから、一般学生と共に学ぶチャンスをつくる。

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分科会: 4.環境教育

世話人 今市理学部長、平田准教授、黒沢教授、辻小学校教頭

初に、本テーマの世話人代表である今市涼子理学部長より本テーマの主旨について説明があった。地

球規模の環境問題の国際的取り組みとしては、京都議定書が発効され、日本は地球温暖化の防止策とし

て CO2削減を目指している。これらの環境問題を解決するには、環境教育面では、環境に対して豊かな

感受性をもった見識ある人間を育成していくことが重要である。学園一貫教育研究集会ではこれまでに

国際化の観点からは本テーマを取り扱ってはいなかった。従って、どこまで実りある討論にできるかは

わからないが、まずはそれぞれの所属部署で環境教育についてどのように対応しているかを報告してい

ただき、現状を把握し、認識したうえで、本学の環境教育をどう進めていくかを本日の議題目標とした

い。これがこの分科会世話人一同の主旨であると説明がなされた後、司会の黒澤格理学部教授より、環

境教育の背景として、地球人口の増加変遷、地球温暖化の統計グラフの掲示により地球環境の危機につ

いての説明やそれに関連して本学の省エネ取り組みについてふれたのち、各部署からの現状説明が以下

のようにあった。

1.幼稚園:吉岡しのぶ教諭

自然環境に触れる機会を取り入れている。

・ 樹木や花を植えることで、実がなり虫がくる。自然のサイクルを体感させる。

・ 栽培(野菜・花)、飼育(ウサギ・魚・昆虫)を体験させる。

・ 季節の変化を体感させる。

・ 園外の施設利用(目白台運動公園・西生田・遠足など)

これらのことから生命の尊さも含め、園児の生活を取り巻く環境から様々なことを感じ・学び、

興味・関心を持つきっかけを提供している。

環境問題への取り組みとして園内の日常生活で行っていること。

・ ゴミの分別

・ 資源を無駄にしない。

・ リサイクル(廃材利用・使える物の再利用 など)

・ 地球温暖化や環境汚染に触れる。

これらのことを日常生活で繰り返し行い、積み重ねることによって、環境問題等を把握する基盤となる

知力の基礎作りを培っている。

【いもほり】 【落ち葉遊び】 【牛乳パックでつくった電車】

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2.小学校:辻 誠治教諭

小学校では環境教育について明確な位置づけや体系化は行われていないが、各教科、領域、諸活

動の中に該当、関連する内容がある。各教科のねらいを次に示す。

・ 国語、道徳

読書、講和等を通して、自然の大切さや環境問題についての認識を深め、愛育の念を育てる。

・ 生活、理科

観察、飼育、栽培などの具体的な活動を通して、繰り返し自然に接し、そのすばらしさ、お

もしろさなどを実感しながら理解を深め、自然を愛する心情を培う。

・ 社会、家庭

現地学習や資料を調べるなどの活動を通して、環境問題に目を向け、関心を深める。

・ 総合、児童会活動、生活指導

身近なエコの実践:食べ物を残さない、ゴミの分別、ゴミ拾い、節電、リサイクル(紙、エコ

キャップ他)

これらの教科教育全体を通しての理念は

・ 小さなことでも、具体的な活動を大切にする。知識先行にしない。

・ 本物に触れる。

・ 自然のおもしろさ、美しさ、すばらしさを繰り返し体感して、自然を好きになってもらう。

・ いきなり矛盾から入るのでは自然愛護の心情は育めない。

ということをスライドで示しながら説明された。実践活動として示した写真の一部を示す。

【エコキャップ集め】 【朝顔の支柱づくり】 【池の平植物観察】

3.中学校:森田 真教諭

中学校も小学校と同様で環境教育について明確な位置づけや体系化は行われていないが、次のような

ことを実施している。

・ 西生田敷地を生かした自然観察を実施している。

・ 総合的学習として多摩研究にて森の保全や落ち葉かき(掻き)を実施している。

・ 2年生の校外授業では白川郷見学を行い、自然と人間の共生を体感させている。

4.高等学校:大塚康弘教諭

仕組みだった科目はないが、各教科及び活動での取り組みを次に示す。

①.授業での取り組み

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○地歴公民科

・1年地理(必修):気候の単元で環境問題(熱帯林減少、砂漠化など)に触れている。

・3年戦後日本史(選択):公害問題(高度経済成長のひずみ)を2~3時間扱っている。

○外国語科

・英語教科書3年リーディング:チンパンジー研究者ジェーン・グドール博士の話から、動物の

生息地保護・環境保護について扱った。

・3年選択リーディング:自動車による地球温暖化への影響、熱帯雨林の破壊がファーストフー

ドにも原因があることなどを扱った。

○国語科

・授業で扱う作品中の動植物を説明する際に、本校にある植物や校地にやってくる動物などを例

に挙げ、より実感を伴った理解ができるようにしている。

・「生田の森調査」プロジェクトと協力して校地の樹木にゆかりのある和歌・短歌・俳句のプレ

ートを設置、自然と文学との関連性について、授業外でも周知を図っている。

○家庭科

・食物(理論)では食料自給率や食品ロス率を学ぶことにより、ゴミ問題、地球温暖化の持つ意

味を勉強している。

・調理実習では食材を 後まで捨てずに使い切ることの実践をしている

○理科

・化学Ⅰ:炭化水素を扱う際、石油について、その他化石燃料について学習する。また、石けん・

合成洗剤についての項目でも1970年代の公害の話などをしている。

・生物:必修生物(理科総合B、生物Ⅰ)で生態学の基礎を扱っている。通常12月頃に校地林

を歩きながら森林の構造、栄養段階、食物網(食物連鎖)、フェノロジー(季節学)などの講義をし

ている。

生物Ⅱ(選択)では更に専門的に生態学を学んでいる。環境問題も地球温暖化、オゾン層破壊、

酸性雨、砂漠化、種多様性の維持など多岐にわたり扱っている。

②.自治会活動

○総務・経済部共同で

・ペットボトル、ふた

・ゴミの分別(空き缶、古紙)

定期的に立ち番を決めて回収作業をしている。

○総務主催で秋から冬に山林ボランティアとして希望者を募り、校地林内の落ち葉掻き、下草刈り

の作業を行っている。

○園芸部

バラ花壇、クラス花壇、実用花壇に分かれて花や作物を育てている。

このうち実用花壇では冬場は校地内の落ち葉を集め、腐葉土を作り、作物の植え替え時に利用し

ている。

5.大学(食物学科):新藤一敏教授

実践はむずかしいが、授業の中に環境を取り入れているのでそれらの科目を紹介する。

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【食物学科が提供している科目】

・ 食生活と環境(1年):食料自給率、フードマイレージ、環境汚染微生物

・ 社会・環境と健康(2年):公害、地球温暖化、ダイオキシン類、ゴミ、上下水

・ 食糧経済(2年):気候変動と食料、遺伝子組み換え食料、食料自給率

・ 公衆栄養学Ⅰ(3年):食糧問題、食環境の変化

・ 食品衛生学(3年):農薬、食品添加物、カビ毒

・ 地球温暖化と食物

・ 化学物質(汚染)と食物

・ 生活・環境と化学(教養科目)

【食物学科以外の家政学部で、環境教育に関連する科目】

・ 【児童学科】子供と環境-Ⅰ,Ⅱ:遊ぶ、学ぶ

・ 【住居学科】大都市の拡張と環境、住環境のサステナビリティ

・ 【被服学科】被服と環境-1,2

・ 【家政経済学科】環境と社会政策-1,2

これらを紹介したのち、地球温暖化に関する統計的グラフを示した。その一部を次に示す。

また、生活・環境と化学(担当:新藤一敏教授)の授業では農薬や殺虫剤、PCB、ダイオキシンにつ

いて取り上げ、公害としてはカネミ油症事件と水俣病について説明している。それらのスライドの

一部を示す。

6.大学(物質生物科学科):宮崎あかね准教授

理学部が提供している環境を取り込んだ授業科目とその授業内容の一部を紹介した。

【教養科目】

地球の自然と資源、環境と生態系、生物の起源と進化

そのうち地球の自然と資源(担当:白木正規非常勤講師(元気象庁予報官、元気象大学校校長))

では

・太陽系の一惑星である地球を大気圏・水圏・地圏・生物圏からなる地球システムとして捉

える。

・近年の人類活動で生じた環境問題について学ぶ。

【学部共通科目】

生物学概論 II、地学 I、II、地学 I 実験

農薬5-1.除草剤実用化された除草剤の第1号は2,4-Dである。

この化合物はイネ科植物には害が少なく、しかも他の雑草を駆除することから、水田の除草に広く用いられた。本物質の作用機序はホルモン作用阻害である。最近では毒性の低さに力点が置かれ、植物のみが生合成できる分枝アミノ酸(Val, Ile等)の生合成阻害を作用機序とする

スルホニルウレア系の化合物(ベンスルフロンメチル等)が良く使用される。

2, 4-D ベンスルフロンメチル

5-2.殺虫剤現在利用される主な殺虫剤としては、神経機能のかく乱(アセチルコリンエステラーゼ阻害)を作用機序とする有機リン酸系(フェ二トロチオン等)や毒性の少ない性フェロモン剤も広く使用されるようになった。

O

Cl

Cl

COOH SO2

NH

NH

O

N

N

COOCH3

OMe

OMe

【温暖化の影響―1】 【温暖化の影響―2】 【農薬、殺虫剤】

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生物学概論 II(担当:宮本武典教授・深町昌司准教授)の授業の一部として次の写真を紹介した。

【学科提供科目】

環境科学概論、環境化学 I、II、環境分析化学実験、生態学 I、II、保全生物学、環境生物学実験

・環境生物学実験(担当:海老原淳非常勤講師)の授業の一部を紹介した。

植物の多様性理解の基礎である植物分類法を学び、各植物群を実際に手に持ち、観察し実物を知

ることを修得させようとする授業である。その一例として 2009 年5月の八王子城跡での写真を

示す。

・環境分析化学実験(担当:宮崎あかね准教授)の授業の一部を紹介した。

【その他】

西生田の自然に関する卒業研究、スクーリング科目「物理が拓いた世界」、「化学が拓いた世界」

河川水中のCOD測定 食用色素の分離•定量

分離した色素の測定結果

・河川水中の陽イオンの定量陰イオンの定量COD測定

・自動車排気ガス中の窒素酸化物の定量

・大気浮遊粉塵中の鉛、カドミウムの定量

・食用色素の簡易分離

実験テーマ

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などでも環境を取り上げている。

以上のような報告の後、他の部署や追加報告を求めたところ、人間社会学部田中雅文教授(教育学科)か

らは以下のような報告があった。

環境教育というキーワードのカリキュラムは過去にはあったが、現在はない。しかし、総合研究所の

研究プロジェクトに「西生田キャンパスの森の保全に関する研究(2009-2011)」の研究活動があり、そ

の中に落ち葉集めなどがあり、学生募集をして実施している。また、人間社会学部に「自然探偵団」と

称する部があり植物の観察などを行っている。これらが連携しているが、現時点では、学生への知名度

は低い。学生への関心を高めるにはカリキュラムに含まれることがよいが、自然保護と活用に発展して

いければよいがと思っている。との報告がなされた。

その後には次のような発言がなされた。

・ カリキュラム変更による影響もあるためか、総務の自治活動の一貫として学生参加を募って環境保

全活動が行われている。

・ 西生田校舎近隣住民より自然の森散策の希望があったが、近年、変質者の出現も考慮して要望をそ

のまま受理するのは厳しいのが現状である。しかし、緑地保護の観点では近隣住民と大学との関係

は友好的であり、近隣住民との友好のもとに、この自然の森を守りながら、学生にも教育及び実践

を推奨したい。

・ 自然を愛することはすばらしいと実践で教育している。ではマイナス面である環境問題については

どの段階で教育するのかという質問が出された。

・ 幼稚園、小学校では自然のすばらしさ、大切さを繰り返し、しっかりと教育して、環境を守ろうと

する精神を培っている。環境問題についての情報は社会、家庭、マスコミなどから自然に個々に入

ってきて認識しているようである。高校の生物の教科書では 後に環境問題が掲載されている。こ

のように環境問題は生物、自然の学習の集大成とした扱いであるようである。

・ 大学においても自然を愛し、本来の地球の姿を認識させるために、データの正しい見方を理解する

よう教育して、環境問題を浄化した未来を課題としたい。

以上のように、本学では、環境教育は体系化までには至ってはいないが、幼小では実践を中心として

自然愛護、環境保全の精神を培う教育がなされ、高校、大学では実践を踏まえて環境問題や環境保全へ

の正しい理解を深めさせ、実践、理論の見識を育成している。これらの現状を認識しあうことができた。

今後は、環境教育を分野・所属に関係なく学内に広く普及させ体系化させたいと考えるが、現時点では、

まず、できるところから始めよう!ということで閉会した。

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第5分科会 平和教育

「複雑化する国際社会への理解を深めると同時に創立者の理念をどう継承していくか、各校園の取り

組みだけでなくWILPF等の活動も含め考えていく」

世話人 五関正江(大学) 杉山昌謙(高等学校) 永田陽子(幼稚園)

複雑化する国際社会で創立者成瀬仁蔵が教育目標の1つとした世界恒久平和の具現化に寄与する人材

育成にどう取り組んでいくか、カリキュラムとしての一貫教育より広義の意味で幼・小・中・高・大と

学園各段階での実践・事例報告(3つの話題発表)、その後グループに分かれ討議が行われた。

3つの発表とグループ討議のまとめは以下の通りである。

Ⅰ 創立者・成瀬仁蔵の教育理念と実践

生野 聡(小学校)

日本女子大学における平和教育を語る時、その源泉は、いうまでもなく学園の創立者、成瀬仁蔵に求

められます。創立当時、女性は法的権利もなく低い社会的地位に甘んじなければならない時代でした。

が、成瀬先生は、女性の人格を男性と平等に考え、女子高等教育の必要を世に訴えたのでした。また、

女性は世界平和の担い手であるとし、社会的国際的活動において、女性へ大きな期待を寄せていました。

このような教育者、成瀬によって創立された日本女子大学校は、人格教育を重視した、日本 初の女子

高等教育校と言えるでしょう。成瀬先生の強い平和への信念と女性への大きな期待は、成瀬の一般社会

での講演や学内での「実践倫理」等の講話あるいは文部省等への諸提案等々によって、今日、知る事が

出来ます。

(1) 成瀬の平和への信念

・平和の心(1906年、講演『自愛と他愛及び愛国心と博愛心』)

従来主張されて来た愛国心は...帝国主義...われわれの愛国心は世界的平和を目的とし、敵国に

対する正義...換言すれば、世界文明、人類の安寧を期するものである。

・平和実現のための責任

しからば、何を以てか永久平和を致す事を得べき。之他ならず学問に於て、教育に於て、道徳に於

て、宗教に於て...換言すれば、精神的戦争に於いて、永久の平和を購うにあり

・日本の今後の方向 (1914年『新時代の教育』)

刻下の急務たるは、東西文明の調和に力むべき事、平和的進歩主義を主張する事、物質的文明の弊

害に対する救済運動を興す事、世界の経済的勢力の均衡のために努力すべき事、東洋の開発に努力

し、特に婦人の教化を急務とする事、万国交通を簡便ならしむべき諸機関の発達を促進する事に存

すべし...

・第一次大戦とその後の国際社会における願望

ドイツは平和の撹乱者・軍国主義者...この戦争は、単に兵力の争いではなく、人間の野心と世界

の大勢との戦いである。侵略主義と共同主義、利己主義と人道主義、物質主義と精神主義、覇道と

王道の戦いである...連合軍の目的は永久平和にある。人道主義の主張、国際道徳の確立、国際同

盟、こおれらはこの戦捷のよって着手せらるべき今後の実行問題

(2) 女子教育への期待:女性自身が平和構築の役割を担う事への期待 ( 『今後の女子教育』 )

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第一に、人として、第二に、婦人として、第三に、国民として、教育することである。云々。このため

に、世界の平和を目的として列強の仲間入りをせねばならぬ...この世界的平和の仲間入りするまで我

が国を進むるものは、商工業でない、全ての物質的事業でない、実に教育の力である。教育の中でも、

特に根本的の女子教育の力である。云々...世界の婦人は宇内的正義の下に永久の平和克服のために貢

献しうるものでなければならない。世界の平和、人類の幸福をかち得るものは決して挟益なる利己主義、

横暴な権力意志ではなく、転地の行動に基づく道徳意志である。しかもこの信念を以て国際的大憲法を

建設し、世界的良心を養うものは霊性に豊かな婦人の使命であり責任である。

(3) 成瀬の教育における実践

・国際理解と国際感覚の涵養

英文雑誌 LIFE & LIGHT の刊行( 1910年から約1年、6号まで )、新渡戸稲造と浮田和民が編集協力

をし、上代タノが実務協力をした。東西文明の平和的バランスをどのようにするかの論文を成瀬も掲

載、他に、諸国から優れた論文を収録し、若者たちの教育に資する。

・ フレンド平和奨学金への協力

日米の平和推進のための資金がハワイと米国本土で集められ、日本の青年男女を両地へ留学させる

企画が、新渡戸と成瀬にもたらされ、成瀬は日本側委員となった。本学学生も留学した。

・「実践倫理」における女子学生へのメッセージ: ( 日露戦争後、「実践倫理」の講話 )

「 婦人の天職である...この社会心を養い、犠牲の精神を広め、平和の神となって、社会を融和する

と言うがごとき働きをなすには、男子に数倍する道徳、同情、犠牲の精神というものが出来なければ

到底言うべくして行われない事である。今日、世界の形勢を見ると、決して平和ではない、我が国は

決して安全な地位にいるものではない、人種的、宗教的の偏見は未だ悉く取り去られぬ。彼等の利己

的野心は決して薄らいだのではない...我々日本国民は、平和の戦いを続け、商工業に、教育に、宗

教に、文学に、美術によって、世界の為になす所があらねばならぬ...第二に維新という事は、革命

ではない、戊辰の戦争でもない、実に婦人の天性であるところの、平和の戦争である、人の心の中に

衝突している所の、自愛心、他愛心との調和を計ることである。」

自らを高めながら、女性の天性、女性の天職としての平和運動への参画を勧めている。

(4)WILPFとの関係 WILPFからの要請へ応える

婦人国際平和自由連盟,Women’s International League for Peace and Freedom=WILPF

平和と平等を求めて結成された世界初の女性国際 NGO で、第一次世界大戦中に欧米諸国の女性たちが

中立国オランダに参集し、戦争の即時中止と戦後の恒久平和機構の創設および女性参政権の実現を訴え

結成された。日本とWILPFとの関係は遠い昔に始まり、成瀬仁蔵先生のWILPF創設時の事務局との交信に

はじまり、新渡戸稲造夫妻、井上秀、上代タノを始めとする歴代の本学関係教育者の平和への熱意によ

り支えられた。以来、第二次世界大戦を耐え、戦後いち早く活動を開始して今日に至っている。日本支

部は、現在成瀬先生の居宅、成瀬記念館分館に事務所を置き活動をし、今も平和と平等を求める女性た

ちの平和活動は続いている。

(5)現在の平和教育のプロジェクトについて

2007年度から2008年度にかけての2年間に実施した「日本女子大学の一貫教育における実践的平和教

育」このプロジェクトにおいて、まず、これまでの学園の平和教育を振り返り、報告会を開催すること

によって、実践内容の共有をはかった。これに基づき、一貫教育の中で目指すべき平和教育の在り方を

研究するために、実践的平和教育の講習会(小学生~大学生・大学院生の参加)、異年齢集団での意見交

流を通して平和を考える宿泊型のサマースクール(小学生~大学生参加)を実施し、児童・生徒・学生

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の実態を通して、各学校段階をつなぐ視点や平和教育の体系化に必要な問題について研究した。この研

究と実践の結果これからの平和教育のあり方についてさらに研究を進め、平和教育のカリキュラム化を

考えていくという課題が生まれた。「平和の具現化」を日本女子大学の社会的使命として捉え、平和活動

を明晰にし、創立者・成瀬の平和思想が女子教育の一貫教育を通して、それが行動と実践を生む平和教

育運動として展開できる諸層を研究し、それを実践していくためにも、この研究をさらに深めていく必

要性を見出した。そこで、今年度も、「Education About Peace」「Education For Peace」「Education In

Peace」の3つの視点での教育を実現すべく、全研究員での研究会に加え、以下の7つの分科会に分かれ

て研究及び活動を行っている。

*「About Peace」 従来の平和教育、いわゆる戦争体験を聞くなど「戦争と平和について」等の学習。

戦争はこんなに悲惨なものなのだという、時代を超えてその痛みを自分の感性で理解し、社会でも家

庭、地域においても「二度と戦争を起こさない。」「悲惨なものをなくしたい。」というような自分自身

の平和への責任を培うような教育。

*「For Peace」 個々が平和のために出来ることを考え、行動が出来る自分自身になるための必要な

力をつけていくための教育。平和という視点を持ちながら行う、幼児期からの発達段階に応じた教育。

さまざまな問題を分析し解決に導くための能力の育成や、コミュニケーションスキルの訓練、自分の

内面を見つめ安定した状態にもどすための方法をさぐるメソッドなどを行う教育。また、異年齢での

グループ活動や、ディベートを行うことで身につく、集団の中で自分を生かし、他人を認め、受け入

れていくための訓練なども行う。

*「In Peace」 自然の中や、日常生活の中に平和を深く実感し、多角的に平和へアプローチする場を

生徒や学生に提供していく教育。地球や生命の営みを感じ、 自然との「対話」、社会、環境、歴史、

他者、そして自分自身との「対話」ができる命の尊さを改めて感じる等の体験、実物教育ができる環

境を提供する。

① 講演会開催(平和集会など)のためのプロジェクトチーム

◎学園一貫教育研究集会にて、小笠原サマースクールの報告

◎第7回「平和集会」を開催

児童・生徒・学生の参加型の一斉集会を企画した。昨年は、幼稚園からは絵画を展示、小学校のヴォ

ーカルクラブによる平和の歌の演奏、中学生の英語による平和へのスピーチ、高校生の自治活動の様子

や、アフガニスタン人女子高校生招聘の報告、大学生の平和の取り組みへの発表、大学院生のオバマ米

大統領によるプラハ演説とノーベル平和賞受賞演説についての所感、平和に関する行動に関心をもって

いくことの大切さを発表してもらい、WILPFや桜楓会や総合研究所の本研究の活動報告に加え、お2人の

卒業生に講演していただいた。

・新妻香織さん 「よみがえれフー太郎の森」 ~エチオピアで希望を植えよう~

内容:エチオピア大冒険、フー太郎(フクロウにフー太郎と名付ける)との旅、森に木を植えるNPO

・工藤裕美さん「小さな幸せを振りまく小さな人」~半径 2 メートルの世界を平和にする活動内容:

マザーテレサとの出会い、マザーテレサの生涯 、成瀬先生とタゴールとガンディとマザ

◎第8回「平和集会」を開催予定2010年12月21日(火)14:00~

◎チーム・ビルディング研修会。2010年4月6日(火) 13:00~16:30

② 目白祭で学生を支援するためのプロジェクトチーム

大学生の有志(JWU PEACE UNION)によるパネル展示・映画上映に協力。大学生による大学生のため

の憲法展示に資料を提供した。「日本の青空」の上映をし、多くの方に来ていただくことができた。今年

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度は、アーサービナード氏の講演会の予定。

③ 大学生協に推薦図書を紹介するためのプロジェクトチーム

日頃から生協を利用している方々が、コーナーの設置をきっかけに平和そのものに関心を深めてもら

う目的で、2010年3月まで日本女子大学生協のご協力のもと、総合研究所研究42研究員による推

薦書籍の販売コーナーを目白キャンパス内生協購買部に設置した。販売コーナーには12種類の平和関

連書籍を置いていただき、研究員の手書きによる推薦カードを添えた。半年に一度、入れ替えをしなが

ら、新たな書籍を推薦し、引き続き生協にて紹介させていただいている。

④ コミュニケーションスキルの訓練・開発教育や心の安定をはかるためのプロジェクトチーム

平和教育活動と関連させて、コミュニケーション能力育成に何ができるかを話し合い、ワークショッ

プを企画中である。ワークの種類については、○自己肯定感の増進 (ほめる、ほめられる体験)○気

持ちを言葉にする ○言葉にしたものを受け入れられる体験 などと中心として構成を考えることとし、

それぞれの狙いを実現できるようなプログラムを考え、全学の教職員を対象として、数種類の分科会形

式で開催していきたい。

(題目) 「園児・児童・生徒・学生の理解のためのコミュニケーション能力の育成」

(参加対象者) 幼・少・中高・大学の教員・職員

(ねらい) 『平和』をキーワードにコミュニケーション能力の重要性について再確認する。

(形式) 3~4種の分科会形式

⑤ 小笠原サマースクール実行のためのプロジェクトチーム

2010年度に第2回「小笠原サマースクール」7月29日(木)から8月3日(火)を開催する。

今回は、前回の反省を踏まえ、事前学習に力を入れ、より一層参加者に、平和の意識が高まるようなサ

マースクールにしていきたいと、以下の計画を立てた。

参加者・小学校6年:4名・中学校1年:4名 同2年:9名・高校1年:2名・大学1年:2名

事前・事後 学習会

◇第1回 5月15日(土) 西生田中高校舎 13:00~

① ワークショップ(チーム・ビルディング) ② 健康調査票についての話

③ グループ研究の課題設定※学年ごとにグループにし、小笠原についての研究課題を持ち帰る。

◇第2回 6月19日(土) 豊明小学校 14:00~

① グループ研究発表会 ② ワークショップ(トランセッド・メソッド)奥本京子先生

◇第3回 7月10日(土) 西生田中高校舎 13:00~ (高校生以下は保護者同伴)

①持ち物・諸注意 ②養護担当より ③おがさわら丸での過ごし方など(小笠原観光協会より)

◇第4回 9月4日(土) 西生田中高校舎 13:00~

⑥ 本研究の取り組みの模様をホームページなどで公開するためのプロジェクトチーム

他大学や、研究機関から平和教育について、小笠原サマースクールの取り組みに対しての問い合わせ

も出てきていることを鑑みて、ホームページにて公開をし、平和教育を研究されている方へ研究内容を

共有する機会をつくりたい

⑦ 平和教育のカリキュラム化に向けてのプロジェクトチーム

日本女子大学という学園における「一貫教育」組織において、「平和教育をカリキュラム化」するため

に必要な情報収集と望ましい基礎研究を開始し、2010年度には、第一段階の報告をまとめられるよ

う努める。今後は、カリキュラム化における問題や課題を整理しながら研究を進めたい。

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Ⅱ 高等学校自治会総務平和係の活動について

―高校での取り組みについてー

梶田由紀子(高等学校)

○ 自治会総務平和係

附属高等学校では自治活動は教科学習と同じように重要なものと考えられています。全校生徒が何ら

かの役割を負って活動しており、その中心となるのが自治会総務です。自治会総務はもともと議長・渉

外・会計等の担当者によって構成されていますが、そのような役割とは別に、毎年自主的にいくつかの

係を総務内に設置し、活動しています。平和係はこの何年間か必ず活動している係の1つです。

平和係の活動目的は、世界の様々な場所で起こっていることを一般生徒に知らせることで、視野を広

げて、より充実した高校生活を送ってもらい、やがてはともに視野の広い大人に成長しよう、というこ

とです。活動の種類としては、様々な地域の文化を紹介すること、国際情勢は現在どうなっているのか

を知らせて問題意識を持ってもらうこと、世界平和のためにできることを考えようと呼び掛けることな

どです。

平常時、つまり「アフガニスタン人女子高校生招聘プログラム」の実施のあるなしに関係なく行って

いる活動は:

・総務平和係機関紙『平和だより』の発行:「アフガニスタン人女子高校生招聘プログラム」の第 1

回実施の翌年に創刊され、2・3ヵ月に1度発行。前回のアフガニスタン人女子高校生招聘の実施直前の

号では現地の言葉ダリ語の紹介なども。

・生徒トイレでの啓蒙ポスター掲示

・「本学有志教職員・有志生徒による平和集会」への参加:毎年平和係生徒が高校生代表として出席し、

スピーチを大変高く評価していただいている。

・ 文具・楽器をタイの山村に送る活動:全校生徒に呼び掛けて使わない文具、ピアニカや縦笛など

の楽器を回収し、NPOネットワークハーモニーの活動に協力。

・ グローバルフェスタ:日比谷公園で毎年11月の週末に開催される催し。世界各国の在日 大使館や

NPOなどが展示や特産品・グッズ販売、各地の食べ物の実演販売を実施。私たちはアフガニスタン

大使館のお手伝いがてら、本校での活動についての報告や募金参加を求めるチラシの配布などを

行う。

・平和を考えるテーマの映画の上映会

・ 在日アフガニスタン人の有識者を招いての交流会:昨年来ていただいたバシール・モハ バットさ

んは現在臨時駐日アフガニスタン大使に。とても親密な雰囲気の中、気さくに生徒の質問に答え

ていただくなど、充実した楽しい時を過ごすことができた。

・ もみじ祭でのアフガニスタン関係の展示及びチャリティーバザー・募金

・ アフガニスタン人女子高校生招聘の実施時は、全校規模での受入の企画・広報・実施を行う。

○ アフガニスタン人女子高校生招聘プログラムについて

日本女子大学では、アフガニスタンの女性に対する教育や教育活動全般の支援のために、2002年以来

毎年、アフガニスタン人女性教諭の視察訪問を受け入れてきました。この経験を元に、アフガニスタン

人女子高校生を招聘し、本校での学習や自治生活を体験してもらうことで、現地の女子教育に貢献する

ことがこの招聘プログラムの目的です。

これを始めるにあたっては、「自治の力を活用して何か始めたい」という生徒の思いがまずあり、この

プログラムのその後の実施においても大きな原動力となっています。

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プログラムの実現にあたっては、お茶ノ水女子大学教授の内海成治先生をはじめとする各方面から大

きなご協力をいただいています。初回は2006年度11月上旬の2週間、第2回の2008年度は1月11日~

24日の2週間に実施しました。今年度は第3回実施にあたり、11月6日~19日を予定しています。招聘

対象は、今回までは、以前生徒同士が手紙のやり取りを行ったことのある、カブールの私立学校、マリ

ヤム女学校で、毎年招聘先については検討し直しています。人数は高校生2名と引率の女性教諭1名で

す。費用は学園関係者を中心とする寄付で全額を賄っており、この資金等の準備もあって、隔年の実施

という形で定着してきています。

総務平和係はこの招聘プログラムにおいて、留学生の学校生活に関し大きな役割を担います。授業参

加の準備や宿泊のお世話などは教員で行いますが、それ以外の歓迎行事はほとんど平和係を中心とした

総務で準備・広報・実施をしますし、留学生用の特別時間割に従っての移動教室の際のお世話係の指導

も平和係がしたりすることもあるのです。

通学開始後すぐに講堂大ホールでの歓迎会があり、その後の 2 週間の間に生徒との交流会、アフガニ

スタン料理を留学生と一緒に調理室で作って試食する会、このキャンパスの山のボランティア清掃で集

めた落ち葉で焼き芋大会、などがあり、その他にも昼食を一緒に食堂で食べる集い、当番で留学生用の

お弁当をお母さんに作ってもらって留学生に日替わりで食べてもらう、という企画もありました。お別

れの間際にはもちろん送別会があります。

わずかな人数、期間での実施ではありますが、アフガニスタン人留学生自身はもとより、本校生徒へ

の影響は計り知れません。本校滞在中、留学生は本校の楓寮に滞在し、学校では理数系教科、実技・実

習科目や英語を中心に、なるべく多くのクラスに参加し、一般生徒と机を並べます。また昼休みや放課

後は自治会総務平和係が中心となって企画した、先ほどお話しした関連行事に加わるわけです。ですか

ら、従来本校で受入れている諸外国からの留学生に比べてはるかに多くの本校生徒と、彼女たちは接し

ます。それはそれだけ大勢の本校生徒がアフガニスタン人留学生と直接交流する機会を得ているという

ことでもあります。留学生の民族衣装や、英語を話すときのダリ語訛りに新鮮な驚きを感じる一方で、

普段の服装は日本でみんなが着ているものと変わりないことを知ります。

留学生を囲んでの交流行事では両方の文化の多くの違いが顕れます。先生など目上の人への接し方、

勉強を楽しいと感じるか義務と感じるか、そして将来の自分についてのビジョン、などについての話題

の合間に、例えばイスラムの信仰についての話題が出て、留学生にとってはいかに信仰というものが自

然に生活に溶け込んでいるか、ごく当たり前のこととなっているかが伝わってきました。

一方では、「同じ女子高校生」としての共通点を実感する場面もあるわけで、友達の増える嬉しさ、何

かを一緒にすることの喜び、英語というお互いにとっての外国語で気持ちの通じ合ったときの感激など、

「要するに普通の人だよね」という実感がすばやく彼女たちの間に浸透します。参加者全員の視野が広

がり、遠く離れた地域に住む人たちへの親近感を覚える貴重な機会になるわけです。

○ 今後の展望

総務平和係に関しては、あくまで生徒主体での活動ということが何よりも大切ですから、教員が一定

の方向に誘導するような指導は今後も避けて指導していきます。そしてアフガニスタンの友人たちへの

思いが途切れないように支える一方で、だからといってアフガニスタンだけに捕らわれるのでもなく、

生徒たちが世界中を広い視野で見ていかれるような関わり方を続けたいと思います。

またアフガニスタン人女子高校生招聘プログラムについては、とにかく継続したいです。本当は、戦

乱の状態が本当の意味で収まった暁には、相互の交流が理想ですが、現地の状況もさることながら、ニ

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ュージーランドやイギリスへの語学研修派遣さえ、新型インフルエンザやら国際情勢やらのためにまま

ならない状況ですので、現状ではかなり遠い夢と言わざるを得ません。とにかく招聘継続実施のため、

できることから取り組んでまいります。

学園一貫での国際協力活動、特にアフガニスタン人女性への教育支援から始まったことが、学内外の

皆様の様々な形でのご協力をいただいてこのように花開いたことは、非常に感慨深いです。今後もでき

る限り持続できるよう、努力してまいります。今後とも様々な点においてご協力をいただくことがある

かと思いますがどうぞよろしくお願い致します。

Ⅲ 一貫教育だからできること

成瀬仁蔵先生の平和思想へのアプローチー

久保 淑子(理学部 数物科学科)

成瀬仁蔵は「新婦人訓」の総論「予の観たる現代の婦人」の冒頭において「20世紀は婦人の世紀である・・・

この深い暗示は婦人を覚醒し、婦人に20世紀における 大の使命を負わせ、婦人自身もまたこれを果た

すのに足る力を有することを自覚してきた・・・」と述べ12カ国の婦人代表者が集まってオランダのヘ

ーグで開かれた平和会議の様子と、それに就いて我が日本へも5名の代表者の外に20名の会合を希望し

てきたことを紹介している。有力な婦人が万国の婦人と共同して、平和人道のために挙げた叫び声を評

価するとともに日本の女性たちに国際的な活躍を期待するにはまだ力不足であることを指摘している。

それから100年、21世紀は圧倒的大量殺戮兵器(核兵器)と圧倒的高速大量情報量(コンピュータ、イ

ンターネット)をもたらし、その存在は環境破壊、格差問題を引き起こし世界的な人類平和実現への道

のりは遠く厳しい。女性たちが力をつけると同時に力のある女性の寄与が不可欠であることは 100 年前

と変わらない。高度化した科学技術およびグローバル化は100年前以上に専門的知識を必要としている。

専門的知識の根底には基礎的学力があり、その根源は学習に対する姿勢、学ぶことに対する好奇心や自

立心がある。専門的知識・幅広い教養の獲得と同時に人間として道徳、見識、理解力を備え天命を自覚

する女性、社会人の育成が本学の変わらない使命であることは言うまでもない。

そのために、学習過程において例えば「かわいそうなゾウ」、「ガラスのうさぎ」、「俘虜記」などを教

材としてとりあげ平和学を教養科目で開設し、総合的学習の機会を通して、被爆者の話を聞く、広島を

訪れる、など体験学習も行われている。学園各部署におけるカリキュラムの相互理解、情報交換ととも

に、いわゆる学習過程のカリキュラムではないが本学園が年齢層をこえて取り組んできている「平和」

に焦点をあてて本学の一貫教育の実を考えたい。

ここでこの数年、目白祭と平和集会で行われてきた取り組みを紹介する。

目白祭について(目白祭実行委員会あるいは学生団体と教員有志との共催の自主活動)

2005年度 テーマ「今だからこそ、日本国憲法を考える」

東京大学名誉教授篠原一先生による講演会

映画「ベアテの贈り物」上映

2007年度 テーマ「今、見いだそう憲法9条―その意義と存在―」

婦人国際平和自由連盟(WILPF)事務局長 スージー・スナイダー氏講演

慶応義塾大学名誉教授・歌人 三浦冨美子氏講演

2008年度 総合研究所「平和プロジェクト」小笠原サマースクール報告、WILPF活動報告展示

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2009年度 WILPF活動、オバマ大統領のプラハ演説紹介、 映画「日本の青空」上映

平和集会について

2003年12月22日に自衛隊イラク派兵を契機として日本女子大学教職員を中心とした関係者が集まり、

派兵反対の決議を行ったことが第1回平和集会となった。それ以降毎年12月に日本女子大学関係者が

集まり本学が取り組んでいたアフガニスタン女性教育支援の報告、改定がしばしば話題になっている憲

法9条および教育基本法について勉強会を行った。2004年の第4回から小学生、中学生、高校生の参加

が始まり学園全体としての取組が教職員だけでなく児童・生徒・学生参加の会となっていった。2005年

には総合研究所の「平和プロジェクト」もスタートし幼稚園児たちの絵(世界の子どもたち)、小学生の

オープニング・コーラス、中学生の活動報告、高校の自治会活動報告、大学生の発表、と形式が整って

きた。昨年2009年の第7回集会においてはフー太郎の森基金の新妻香織さんの刺激に満ちたエチオピア

での実践活動の紹介、マザーテレサの娘と呼ばれる工藤裕美さんからのメッセージなど充実した内容に

なっている。

成瀬先生旧宅におかれている婦人国際平和自由連盟日本支部の存在は成瀬先生の時代からのかかわり

から本学にとって重要な意味があり本学には活動を維持していく使命と責任がある。また、平和集会は

毎回前学長・現学長もご出席くださり、幼稚園から大学院生までだけでなく教職員、桜楓会、LLC, WILPF

幅広い層での活動は本学ならではの特色ある活動であり本学の使命の具現化にもかかわって大事に育て

ていくべき活動の1つと思う。

〈討議のまとめ〉

* 大学になると活動にブレーキがかかってしまっている現状

中学と高校では2 3年生が引き継ぎながら主体的に活動し平和教育が行われており、中学校での取

り組みが高等学校の活動へとうまくつながっている。大学では個々が忙しくなるなど、活動を続けてい

くこと自体が難しいこともある。しかし学生が希望するのであれば、大学でも2年間活動出来ればそれ

を引継いでいくことが可能であるため、高校から引き続き、もしくは新たに活動したいと考えている学

生が所属する場や話し合いが持てる場はあった方がよいと思われる。ただし、教員主体にするのではな

く、学生が自主的に活動できるようにするには、ひとまず既存の組織や活動があることをもっと宣伝し、

興味を持っている学生に対し、そういった活動に参加できることを周知することができればよいと考え

られる。

*平和集会について

とてもよい企画だが、全学に周知されておらず、日程(12月)も参加しづらい

学園一貫教育研究集会の1つの分科会として本学における「平和」への取り組みに関する柱が設けら

れ、49人のメンバーが集い、発題、情報交換、意見交換が行われたが時間的な制約もあり今後の継続

が望まれる。

以上

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6 社会連携

世話人 片桐(人間社会学部長・教育学科・司会) 平舘(日本文学科) 松澤(附属小学校) 久東

(心理学科・記録) 29名出席 36番教室

この分科会では、社会連携のうち国際的な連携に焦点を当て、学内で国際連携・交流に関わる教育的

な取組を行っている2つの事例について発表報告があり、その後、全体討論を行った。

1 附属豊明小学校・音楽専科 松澤令子先生 「韓国の文化紹介」を中心とした国際理解教育の取組・

実践に関する発表

豊明小学校では国際理解教育の目標を「異文化を知り、自他の文化を共に尊重する態度を育てること

によって、国際平和の心を願い実現できる児童の育成を図る」と定め、総合的学習の枠の中で多様な活

動を行っている。

その一つの柱は、様々な外国文化に触れる活動である。保護者からの紹介や本学留学生課の協力で、

平成 10 年度から韓国、中国、台湾、モンゴル、ミャンマー、フィジー、オーストラリア、メキシコ、

アメリカ、カナダ、フランス、イギリス、モロッコなど世界各地からの方々を迎え、それぞれの生活習

慣・言語・芸術文化などについて 3 年生以上の児童がお話をうかがったり、体験したりする機会を設け

てきた。

本報告では、特に「韓国の文化紹介」を中心に、ビデオ映像を交えて、取組の様子が紹介された。

豊明小学校では、古くは、明治 44年より「国際理解教育」の一環として英語教育が行なわれ、大正 2

年、子どもたちを対象に異文化を知り理解する活動が行われていたとのことである。

現在は、3年生から 6年生に向けて諸国の文化紹介などが行われ、今回の報告では、2008年にビデ

オ化された 30分の映像により、ご父母のご協力で実現した「韓国の文化紹介」の授業の様子をご紹介

いただいた。

まず、子どもたちに、韓国は、日本と近い国でありながら知らないことも多く、韓国の衣装(チマチ

ョゴリ)、食事の仕方や器、韓国語の語順など、身近なテーマで、日本との類似点、相違点を実感させ

ている。また、事前に調べてきたことを発表させたり問いかけをしたりしながら、子どもたちの積極的

な反応を引き出しながら、興味を引き出しつつ授業が進められていることがうかがえた。

さらに、子どもたちの興味をそらさないよう、韓国の音楽と踊り、カネ、タイコ、チャングなどの楽

器が紹介され、途中から子どもたちにも参加させて、一緒に賑やかに歌ったり踊ったり、といった生き

生きとした活動の様子も紹介されている。

その他、イギリスの暮らしの紹介、ミャンマーの留学生による料理の紹介なども行われていることが

報告された。

2 日本文学科 江田すみれ先生 日本語教育実習における国際的な取組・実践に関する発表

まず、日本語教員養成講座受講学生のうちの希望者が台湾の南台科技大学において日本語教育実習を

実施した様子が紹介された。この海外研修は 2007年度から始まり、これまでに2度行われている。対

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象となる学年の受講生は1学年 20名前後とのことだが、2007年は、7名の実習生が、選択外国語で日

本語を学ぶ学生対象の「初級日本語」の授業で日本語と文化紹介の実習を行い、2008年は、6名の実習

生が応用日本語学科で、中級日本語の実習を行った。参加実習生は 2班に分かれ、1班 3名で、応用日

本語学科で日本語を学ぶ学生役 30名を対象に、2週間で 60コマの授業を行ったとのことであった。

2008年の例をあげれば、この実習では、台湾の学生に 4、5名のグループを作ってもらい、日本語に

よるアンケート調査を企画させ、実施、集計・分析、発表原稿の作成、発表までを行わせた。この作業

には、班でのテーマの決定、アンケート用紙の作成、アンケート活動での依頼、原稿作成などの多くの

場面で日本語を使うことが要求される。本学の学生は台湾の学生が日本語を使ってこうした一連の作業

をするのを側面から支持した。

この実習の成果として、本学の学生は台湾の学生たちの興味・関心を知ることができた。台湾の学生

達は作業をしながら自然に日本語を使うことに慣れ、日本語が上達した。事後アンケートでは、「日本

語で話すことが上達した」「物を考える能力が伸びた」というコメントが複数の学生から出された。本

学の学生にとっては、台湾の同年代の学生がコンピュータの操作やインターネットの活用技能に優れて

おり、日本のことをよく知っていることがわかった。そして、学生同士の交流が進み親近感が得られた

ことなどが挙げられるとのことである。

次に、リュブリアナ大学(スロベニア)の 2名の学生が、本学との交流協定に基づき本学を訪れ、学

生たちと交流した様子を報告いただいた。スロベニアの学生たちが学習歴は短くても上手に日本語を使

いコミュニケーションできること、日本の若者文化(ゴスロリやコスプレ)に関心が高いことなど、興

味深い発見があったとのことである。

また、2010年度からカリフォルニア大学の夏期日本語研修講座(6週間)を受け入れることになった

が、国際交流課が学生にサポーター募集の呼びかけを行い、本学の学生から大きな反響があったことの

発表がなされた。説明会には 90名以上の志願者が集まった。サポーターたちには、班を作って実施で

きる案を考え、具体的に計画を作成し、実施、報告書を作成するなど多くの活動を要求したが、80名の

学生が計画書を提出した。また、目白、西生田合わせて、うち 50名が参加し、この取組への学生の関

心の高さがうかがわれるとのことである。

学生たちは、こうした活動を通して様々なことを学んでいること、このような活動の実現には学内の

多くの支援が必要であることが述べられた。

3 まとめ

2つのご発表に対して、次のような質問や意見が出された。

○カリフォルニア大学の例からも、目白の学生たちの活動の方が盛んに思えるが、西生田の学生の参加

も推進するには、どのようにしたらよいか。

○目白の方が外国が近い感じがするが、西生田でも高校時代にアフガニスタンに留学し日本語教員養成

のチュータをしたり、附属高校では短期・長期の留学生を受け入れている例がある。

○川崎・多摩区役所で日本語ボランティアクラスを行っており、川崎には外国人が多いのではないかと

思う。

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○政府では、現在、留学生30万人計画があり(20年前は 10万人計画であったが)、個別の実践が、

点→線→面へのつながりを持てればよいと思う。戦前の中国との関わりなども踏まえ、国際交流につ

いて組織的な工夫をすべきである。

○2つのご発表とも、素晴らしい実践である。また、いかに良質な留学生を確保するかを考え、積極的

に本学に来てもらえるようにすべきである。また、留学生は、日本での生活費を調達するのが大変で

あり、専門的な技能を学べる学習センターなどを作ってはどうか。

○大学だけでなく、小学校でも多くの交流を図っており、感銘を受けた。しかし、現実には、来る学生、

行く学生とも減っている。やはり、個別の交流を組織的に連携させ、積極的に取り組むべきで、大学

説明会なども行い、良い留学生を獲得すべきである。

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2010.6.4現在

参加申込者 1 2 3 4 5 6 欠席等 計

学   長 1 1

家 政 学 部 75 19 3 13 26 7 7 3 78

  児童学科 14 8 0 2 1 1 2 2 16

  食物学科 22 4 0 5 9 4 0 0 22

  住居学科 14 2 0 2 6 1 3 0 14

  被服学科 14 2 1 2 8 0 1 0 14

大   家政経済学科 11 3 2 2 2 1 1 1 12

文 学 部 36 8 14 10 1 0 3 15 51

  日本文学科 14 5 1 5 1 0 2 0 14

  英文学科 19 3 12 3 0 0 1 4 23

  史学科 3 0 1 2 0 0 0 11 14

人 間 社 会 学 部 61 26 8 9 2 5 11 15 76

  現代社会学科 12 3 3 3 1 2 0 2 14

  社会福祉学科 14 5 2 0 0 2 5 1 15

  教育学科 10 7 0 0 0 0 3 4 14

  心理学科 14 6 1 2 1 1 3 0 14

学   文化学科 11 5 2 4 0 0 0 8 19

理 学 部 38 9 2 5 15 5 2 8 46

  数物科学科 17 2 1 4 6 4 0 7 24

  物質生物科学科 21 7 1 1 9 1 2 1 22

カウンセリングセンタ/教職教育開発センタ 2 0 0 0 0 2 0 1 3

計 212 62 27 37 44 19 23 42 254

高 等 学 校 45 8 7 5 7 15 3 5 50

附 中 学 校 35 3 6 5 10 8 3 1 36

属 小 学 校 34 1 11 7 5 4 6 2 36

校 幼 稚 園 12 2 2 2 2 2 2 0 12

計 126 14 26 19 24 29 14 8 134

3 1 0 0 1 1 0 0 3

342 77 53 56 69 49 37 50 392合   計

事 務 職 員

第 13 回  学 園 一 貫 教 育 研 究 集 会 参 加 申 込 者 数

37

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所属 職 氏  名 分科会 備考

00学長 0学長 蟻川 芳子 0全般

01常務理事 若林 元 0全般

02事務局長 松井 正子 0全般

11児童学科 1教授 岩崎 洋子 1学園改革

11児童学科 1教授 吉澤 一弥 1学園改革

11児童学科 1教授 川上 清子 1学園改革

11児童学科 2准教授 石井 光恵 1学園改革

11児童学科 3講師 請川 滋大 1学園改革

11児童学科 4助教 今田 由香 1学園改革

11児童学科 4助教 澤田 美砂子 1学園改革

11児童学科 5助手 阿部 淳子 1学園改革

12食物学科 2准教授 飯田 文子 1学園改革

12食物学科 3講師 永井 竜児 1学園改革

12食物学科 3講師 松井 貞子 1学園改革

12食物学科 5助手 山口 敬子 1学園改革

13住居学科 1教授 石川 孝重 1学園改革

13住居学科 1教授 鈴木 賢次 1学園改革

14被服学科 1教授 佐々井 啓 1学園改革

14被服学科 1教授 増子 富美 1学園改革

15家政経済学科 1教授 天野 晴子 1学園改革

15家政経済学科 2准教授 首藤 若菜 1学園改革

15家政経済学科 2准教授 秋元 健治 1学園改革

21日本文学科 1教授 高野 晴代 1学園改革

21日本文学科 1教授 清水 康行 1学園改革

21日本文学科 1教授 倉田 宏子 1学園改革

21日本文学科 1教授 谷中 信一 1学園改革

21日本文学科 2准教授 大谷 康晴 1学園改革

22英文学科 1教授 ソーントン不破直子 1学園改革

22英文学科 1教授 松森 晶子 1学園改革

22英文学科 2准教授 佐藤 達郎 1学園改革

31現代社会学科 1教授 阿部 隆 1学園改革

31現代社会学科 1教授 遠藤 知巳 1学園改革

31現代社会学科 1教授 関根 康正 1学園改革

32社会福祉学科 1教授 岩田 正美 1学園改革

32社会福祉学科 1教授 北西 憲二 1学園改革

32社会福祉学科 1教授 木村 真理子 1学園改革

32社会福祉学科 2准教授 増田 幸弘 1学園改革

32社会福祉学科 2准教授 圷  洋一 1学園改革

33教育学科 1教授 吉崎 静夫 1学園改革

38

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33教育学科 1教授 森田 伸子 1学園改革

33教育学科 1教授 真橋 美智子 1学園改革

33教育学科 1教授 田部 俊充 1学園改革

33教育学科 1教授 澤本 和子 1学園改革

33教育学科 2准教授 丸林 実千代 1学園改革

33教育学科 2准教授 村上 祐介 1学園改革

34心理学科 1教授 岡本 安晴 1学園改革

34心理学科 1教授 小山 高正 1学園改革 ☆委員

34心理学科 1教授 鳥居 登志子 1学園改革

34心理学科 1教授 飯長 喜一郎 1学園改革

34心理学科 2准教授 金沢  創 1学園改革

34心理学科 2准教授 石黒 格 1学園改革

35文化学科 1教授 山田 忠彰 1学園改革

35文化学科 1教授 田中 久文 1学園改革

35文化学科 1教授 馬渕 明子 1学園改革

35文化学科 2准教授 三田 明弘 1学園改革

35文化学科 3講師 木村  覚 1学園改革

41数物科学科 1教授 濵部 勝 1学園改革

41数物科学科 5助手 西田 玲子 1学園改革

42物質生物科学科 1教授 永田 三郎 1学園改革 ☆委員

42物質生物科学科 1教授 宮本 武典 1学園改革

42物質生物科学科 2准教授 関本 弘之 1学園改革

42物質生物科学科 2准教授 佐藤 香枝 1学園改革

42物質生物科学科 2准教授 林  久史 1学園改革

42物質生物科学科 3講師 市川 さおり 1学園改革

42物質生物科学科 4助教  佐々木 直樹 1学園改革

60高等学校 7教諭 永松 知雄 1学園改革

60高等学校 7教諭 高橋 直紀 1学園改革

60高等学校 7教諭 松田 繁 1学園改革

60高等学校 7教諭 竹下 要人 1学園改革

60高等学校 7教諭 添谷 陽子 1学園改革

60高等学校 7教諭 田代 孝一 1学園改革

60高等学校 7教諭 田中 若代 1学園改革 ☆委員

60高等学校 7教諭 渡辺 明子 1学園改革

70中学校 7教諭 町  妙子 1学園改革

70中学校 7教諭 飯髙 名保美 1学園改革

70中学校 7教諭 澤  達大 1学園改革 ☆委員

80小学校 7教諭 乘田 令子 1学園改革

90幼稚園 7教諭 羽路 久子 1学園改革

90幼稚園 7教諭 日下部 弘美 1学園改革

99職員 8部課長 菅原 彰子 1学園改革 入学課

39

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14被服学科 1教授 細川 幸一 2語学教育

15家政経済学科 3講師 後藤 敏行 2語学教育

15家政経済学科 5助手 大塚 麗紗 2語学教育

21日本文学科 2准教授 田辺 和子 2語学教育

22英文学科 1教授 佐藤 和哉 2語学教育

22英文学科 1教授 三神 和子 2語学教育

22英文学科 1教授 川端 康雄 2語学教育 ☆委員

22英文学科 1教授 大場 昌子 2語学教育

22英文学科 1教授 島田 法子 2語学教育

22英文学科 1教授 藤井 洋子 2語学教育

22英文学科 1教授 白井 洋子 2語学教育 ☆委員

22英文学科 2准教授 高梨 博子 2語学教育

22英文学科 2准教授 坂田 薫子 2語学教育

22英文学科 3講師 内山 加奈枝 2語学教育

22英文学科 4助教 植野 貴志子 2語学教育

22英文学科 5助手 増田 和香子 2語学教育

23史学科 1教授 西山 力也 2語学教育 ☆委員

31現代社会学科 1教授 尾中 文哉 2語学教育

31現代社会学科 3講師 和泉 広恵 2語学教育

31現代社会学科 4助教 高橋 順子 2語学教育

32社会福祉学科 1教授 久田 則夫 2語学教育

32社会福祉学科 4助教 野田 博也 2語学教育

34心理学科 4助教 福島 里美 2語学教育

35文化学科 1教授 宮本 絢子 2語学教育

35文化学科 1教授 杉山 直子 2語学教育

41数物科学科 1教授 宮原 恒昱 2語学教育

42物質生物科学科 5助手 山北 奈美 2語学教育

60高等学校 7教諭 岩井 咲也子 2語学教育

60高等学校 7教諭 吉田 章人 2語学教育

60高等学校 7教諭 相澤 美希 2語学教育

60高等学校 7教諭 中谷 恵子 2語学教育

60高等学校 7教諭 薄  由美 2語学教育

60高等学校 7教諭 野本 昌子 2語学教育 ☆委員

60高等学校 7教諭 由井 一成 2語学教育

70中学校 7教諭 塩沢  祥子 2語学教育

70中学校 7教諭 松永 恵理子 2語学教育

70中学校 7教諭 竹村 彩 2語学教育

70中学校 7教諭 中村 礼子 2語学教育 ☆委員

70中学校 7教諭 中尾 有子 2語学教育

70中学校 7教諭 野中 友規子 2語学教育

80小学校 7教諭 久加天 大 2語学教育

40

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80小学校 7教諭 鏡  政代 2語学教育

80小学校 7教諭 功力 俊文 2語学教育 ☆委員

80小学校 7教諭 山邊 美紗子 2語学教育

80小学校 7教諭 松澤 杏 2語学教育

80小学校 7教諭 沼田 亜希子 2語学教育

80小学校 7教諭 新井 理夏 2語学教育

80小学校 7教諭 深澤 裕美 2語学教育

80小学校 7教諭 川副 理美 2語学教育 非常勤

80小学校 7教諭 大越 保 2語学教育

80小学校 7教諭 田畑 英子 2語学教育

90幼稚園 7教諭 山口 舞 2語学教育

90幼稚園 7教諭 小川 賀子 2語学教育 ☆委員

11児童学科 1教授 川端 有子 3国際人教育

11児童学科 1教授 坪能 由紀子 3国際人教育

12食物学科 1教授 丸山 千壽子 3国際人教育

12食物学科 1教授 佐藤 和人 3国際人教育 ☆委員

12食物学科 3講師 佐古 隆之 3国際人教育

12食物学科 5助手 荒木 理沙 3国際人教育

12食物学科 5助手 枝  真実 3国際人教育

13住居学科 1教授 篠原 聡子 3国際人教育

13住居学科 4助教 鈴木 真歩 3国際人教育

14被服学科 1教授 佐川 賢 3国際人教育 特任教授

14被服学科 1教授 小笠原 小枝 3国際人教育

15家政経済学科 1教授 堀越 栄子 3国際人教育

15家政経済学科 3講師 額田 春華 3国際人教育

21日本文学科 1教授 源  五郎 3国際人教育

21日本文学科 1教授 坂本 清恵 3国際人教育

21日本文学科 1教授 石井 倫子 3国際人教育

21日本文学科 1教授 福田 安典 3国際人教育

21日本文学科 4助教 鈴木 美穂 3国際人教育

22英文学科 1教授 加藤 雅子 3国際人教育

22英文学科 4助教 大場 久恵 3国際人教育

22英文学科 5助手 佐藤 佳子 3国際人教育

23史学科 1教授 高頭 麻子 3国際人教育

23史学科 1教授 北村 暁夫 3国際人教育

31現代社会学科 1教授 金子 マーティン 3国際人教育

31現代社会学科 3講師 近森 高明 3国際人教育

31現代社会学科 4助教 西村 一之 3国際人教育

34心理学科 1教授 鵜養 美昭 3国際人教育

34心理学科 5助手 宇野 儀子 3国際人教育

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35文化学科 1教授 Bernard P.Leurs 3国際人教育 ☆委員

35文化学科 1教授 及川 茂 3国際人教育

35文化学科 4助教 岩村 麻子 3国際人教育

35文化学科 5助手 淵江 律子 3国際人教育

41数物科学科 1教授 吉井 彰 3国際人教育

41数物科学科 1教授 大枝 一男 3国際人教育

41数物科学科 2准教授 島田 良子 3国際人教育

41数物科学科 2准教授 立花 厚子 3国際人教育

42物質生物科学科 2准教授 深町 昌司 3国際人教育

60高等学校 7教諭 遠間 倫世 3国際人教育

60高等学校 7教諭 柴田 笑美 3国際人教育

60高等学校 7教諭 菅間 博之 3国際人教育 ☆委員

60高等学校 7教諭 日朝 秀宜 3国際人教育

60高等学校 7教諭 尾形 翔子 3国際人教育

70中学校 7教諭 下村 由紀子 3国際人教育 ☆委員

70中学校 7教諭 菅家 隆子 3国際人教育

70中学校 7教諭 中原 裕子 3国際人教育

70中学校 7教諭 渡會 早苗 3国際人教育

70中学校 7教諭 本木 綾子 3国際人教育

80小学校 7教諭 戸谷 秀一 3国際人教育

80小学校 7教諭 山﨑 華子 3国際人教育

80小学校 7教諭 市原 優子 3国際人教育

80小学校 7教諭 篠原 真澄 3国際人教育

80小学校 7教諭 小高 敦子 3国際人教育 非常勤

80小学校 7教諭 小野寺 才逸 3国際人教育

80小学校 7教諭 木村 文子 3国際人教育

90幼稚園 7教諭 稲葉 愛子 3国際人教育

90幼稚園 7教諭 黒瀬 優子 3国際人教育 ☆委員

11児童学科 1教授 内野 紀子 4環境教育

12食物学科 1教授 新藤 一敏 4環境教育

12食物学科 1教授 川澄 俊之 4環境教育

12食物学科 1教授 大越 ひろ 4環境教育

12食物学科 1教授 本間 健 4環境教育

12食物学科 2准教授 藤井 恵子 4環境教育

12食物学科 2准教授 木本 万里 4環境教育

12食物学科 3講師 髙橋 京子 4環境教育

12食物学科 5助手 伊藤 美穂 4環境教育

12食物学科 5助手 大澤 絢子 4環境教育

13住居学科 1教授 飯尾 昭彦 4環境教育

13住居学科 2准教授 平田 京子 4環境教育 ☆委員

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13住居学科 3講師 薬袋 奈美子 4環境教育

13住居学科 4助教 小池 孝子 4環境教育

13住居学科 4助教 小板橋 恵美子 4環境教育

13住居学科 5助手 大村  薫 4環境教育

14被服学科 1教授 多屋 淑子 4環境教育

14被服学科 1教授 島崎 恒藏 4環境教育

14被服学科 1教授 島津 大宣 4環境教育

14被服学科 4助教 成田 千恵 4環境教育

14被服学科 4助教 谷 祥子 4環境教育

14被服学科 4助教 藤本 浩一 4環境教育

14被服学科 5助手 美谷 千鶴 4環境教育

14被服学科 5助手 福原 衣麻 4環境教育

15家政経済学科 1教授 植田 敬子 4環境教育

15家政経済学科 3講師 伊ヶ崎 大理 4環境教育

21日本文学科 5助手 白石 美鈴 4環境教育

31現代社会学科 3講師 山下 陽子 4環境教育

34心理学科 2准教授 青木 みのり 4環境教育

41数物科学科 1教授 黒沢 格 4環境教育 ☆委員

41数物科学科 1教授 今井 元 4環境教育

41数物科学科 1教授 上川井 良太郎 4環境教育

41数物科学科 4助教 駒井 友紀 4環境教育

41数物科学科 4助教 小澤 あつみ 4環境教育

41数物科学科 5助手 加々見 薫 4環境教育

42物質生物科学科 1教授 今市 涼子 4環境教育 ☆委員

42物質生物科学科 1教授 浅岡 守夫 4環境教育

42物質生物科学科 2准教授 宮崎 あかね 4環境教育

42物質生物科学科 2准教授 武村 裕之 4環境教育

42物質生物科学科 4助教 小川 京子 4環境教育

42物質生物科学科 4助教 牧  久恵 4環境教育

42物質生物科学科 5助手 今泉 幸子 4環境教育

42物質生物科学科 5助手 山田 陽子 4環境教育

42物質生物科学科 5助手 竹中 惠子 4環境教育

60高等学校 7教諭 青木 ゆりか 4環境教育

60高等学校 7教諭 大塚 泰弘 4環境教育

60高等学校 7教諭 竹村 佳那子 4環境教育

60高等学校 7教諭 中村 道子 4環境教育

60高等学校 7教諭 塚田 和子 4環境教育

60高等学校 7教諭 藤井 恵子 4環境教育

60高等学校 7教諭 平井 俊成 4環境教育

70中学校 7教諭 横溝 修二 4環境教育

70中学校 7教諭 宮地 潤子 4環境教育

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70中学校 7教諭 工藤 純 4環境教育

70中学校 7教諭 高橋 幹輝 4環境教育

70中学校 7教諭 森田 真 4環境教育

70中学校 7教諭 西山 由美子 4環境教育

70中学校 7教諭 石井 靖子 4環境教育

70中学校 7教諭 大越 佳子 4環境教育

70中学校 7教諭 竹下 有沙 4環境教育

70中学校 7教諭 鈴木 幹子 4環境教育

80小学校 7教諭 勝地 美奈子 4環境教育

80小学校 7教諭 大石 円 4環境教育

80小学校 7教諭 辻  誠治 4環境教育 ☆委員

80小学校 7教諭 田中 栄太郎 4環境教育

80小学校 7教諭 平田 文子 4環境教育 非常勤

90幼稚園 7教諭 吉岡 しのぶ 4環境教育

90幼稚園 7教諭 金子 真美 4環境教育

99職員 9事務員等 増田 一美 4環境教育 シス企画課

11児童学科 1教授 福本 俊 5平和教育

12食物学科 1教授 五関 正江 5平和教育 ☆委員

12食物学科 5助手 丸山 里枝子 5平和教育

12食物学科 5助手 岩崎 裕子 5平和教育

12食物学科 5助手 今井 敦子 5平和教育

13住居学科 1教授 小谷部 育子 5平和教育 ☆委員

15家政経済学科 5助手 渡辺 佳代 5平和教育

31現代社会学科 1教授 Dagfinn Gatu 5平和教育

31現代社会学科 1教授 馬場 哲雄 5平和教育

32社会福祉学科 1教授 幸津 國生 5平和教育

32社会福祉学科 2准教授 小泉 秀信 5平和教育 客員准教授

34心理学科 5助手 山内 美恵子 5平和教育

41数物科学科 1教授 久保 淑子 5平和教育

41数物科学科 1教授 林  忠一郎 5平和教育

41数物科学科 1教授 髙橋 雅江 5平和教育

41数物科学科 5助手 赤池 由紀子 5平和教育

42物質生物科学科 1教授 金子 堯子 5平和教育

50カウンセリングセンター 6研究員 尾崎 かほる 5平和教育

50カウンセリングセンター 6研究員 北島 歩美 5平和教育

60高等学校 7教諭 安藤 慶子 5平和教育

60高等学校 7教諭 梶田 由紀子 5平和教育

60高等学校 7教諭 九鬼 逸子 5平和教育

60高等学校 7教諭 山田 真里 5平和教育

60高等学校 7教諭 柴田 直美 5平和教育

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60高等学校 7教諭 小宮 恭子 5平和教育

60高等学校 7教諭 小島 幹子 5平和教育

60高等学校 7教諭 杉山 昌謙 5平和教育 ☆委員

60高等学校 7教諭 西澤 詠子 5平和教育

60高等学校 7教諭 石井 直子 5平和教育

60高等学校 7教諭 中村 礼子 5平和教育

60高等学校 7教諭 田岡 令子 5平和教育

60高等学校 7教諭 渡邉 智子 5平和教育

60高等学校 7教諭 内田 美和子 5平和教育

60高等学校 7教諭 日下部 初瀬 5平和教育

70中学校 7教諭 山﨑 昭子 5平和教育

70中学校 7教諭 市川 美奈 5平和教育

70中学校 7教諭 石田 尚子 5平和教育

70中学校 7教諭 長野 しのぶ 5平和教育

70中学校 7教諭 椎野 秀子 5平和教育

70中学校 7教諭 鈴木 秀一 5平和教育

70中学校 7教諭 國澤 恒久 5平和教育

70中学校 7教諭 髙木 紀子 5平和教育

80小学校 7教諭 桑原 正孝 5平和教育

80小学校 7教諭 山口 博子 5平和教育

80小学校 7教諭 生野 聡 5平和教育

80小学校 7教諭 石井 里奈 5平和教育

90幼稚園 7教諭 永田 陽子 5平和教育 ☆委員

90幼稚園 7教諭 柳原 希未 5平和教育

99職員 8部課長 河村 尚美 5平和教育 シス企画課

11児童学科 1教授 西村 陽平 6社会連携

11児童学科 2准教授 岡本 吉生 6社会連携

13住居学科 1教授 定行 まり子 6社会連携

13住居学科 2准教授 佐藤 克志 6社会連携

13住居学科 3講師 片山 伸也 6社会連携

14被服学科 1教授 大塚 美智子 6社会連携

15家政経済学科 2准教授 高増 雅子 6社会連携

21日本文学科 1教授 江田 すみれ 6社会連携

21日本文学科 1教授 平舘 英子 6社会連携 ☆委員

22英文学科 1教授 新見 肇子 6社会連携

32社会福祉学科 1教授 沈 潔 6社会連携

32社会福祉学科 1教授 林 浩康 6社会連携

32社会福祉学科 2准教授 永井 暁子 6社会連携

32社会福祉学科 2准教授 小山 聡子 6社会連携

32社会福祉学科 2准教授 中谷 陽明 6社会連携

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33教育学科 1教授 岩木 秀夫 6社会連携

33教育学科 1教授 田中 雅文 6社会連携

33教育学科 1教授 片桐 芳雄 6社会連携 ☆委員

34心理学科 1教授 岩立 志津夫 6社会連携

34心理学科 2准教授 塩崎 尚美 6社会連携

34心理学科 2准教授 久東 光代 6社会連携 ☆委員

42物質生物科学科 1教授 今城 尚志 6社会連携

42物質生物科学科 1教授 和賀  祥 6社会連携

60高等学校 7教諭 三上 順子 6社会連携

60高等学校 7教諭 平井 貴子 6社会連携

60高等学校 7教諭 明石 英人 6社会連携

70中学校 7教諭 小林 浩平 6社会連携

70中学校 7教諭 森本 奈央 6社会連携

70中学校 7教諭 峯岸 憲一 6社会連携

80小学校 7教諭 稲子 智幸 6社会連携

80小学校 7教諭 岩野 里智子 6社会連携

80小学校 7教諭 宮城 和彦 6社会連携

80小学校 7教諭 松澤 令子 6社会連携 ☆委員

80小学校 7教諭 神山 智之 6社会連携

80小学校 7教諭 川合 洋子 6社会連携

90幼稚園 7教諭 依田 浩美 6社会連携

90幼稚園 7教諭 遠藤 奈津子 6社会連携

99職員 8部課長 遠藤 英男 9事務担当

99職員 8部課長 黒田 文子 9事務担当

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