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1 2018 11 月 県大会 第1学年5組 社会科(歴史的分野)学習指導案 指導者 福岡市立多々良中央中学校 教諭 福 岡 弘 道 1.単元名 「古代までの日本 日本列島の誕生と大陸との交流 ~考古資料から見る古墳時代までの日本~」 2.指導観 (1)単元設定の理由 本単元は,中学校学習指導要領解説社会科編(平成 29 3 月)歴史的分野 内容(1)「古代までの日本」()「日 本列島における国家形成」にあたり,東アジアの文明の影響を受けながら我が国で国家が形成されていったことを 理解させることをねらいとしている。本単元は人類の誕生と世界の古代文明を学んだ後の,本格的な日本史学習の 入り口にあたり,「古代までの日本」という大きなくくりの中から古墳時代までの歴史を独立させたものである。 古代以前(旧石器時代から古墳時代まで)の歴史を学ぶことは,自分たち自身のルーツについて学ぶことであり, さらには,日本古代史において顕著な,東アジアとの人的・物的交流とそれによる社会的・文化的変容の始まりを 学ぶことにつながる。時代の全体像を大きくとらえさせることが求められる中学校の歴史学習において,この時代 の学習は対外交渉の観点から古代までの歴史全体を俯瞰できるだけでなく,自国文化の理解と共に,アジアの玄関 口福岡市にあって諸外国と友好的な関係を築き,よりよい未来を切り開く人材の育成にもつながると考える。 また旧石器時代から古墳時代にかけての歴史は,文献史料の不足から主に考古学によって明らかにされる。考古 学は各地の遺跡から出土する遺物や遺構といった「考古資料」を研究対象とし,いわば「もの」から歴史を解き明 かす学問である。考古資料は,当時の人々が実際に使った資料として,時に文献資料以上に生き生きと当時の様子 を教えてくれる。また,その質感や重みは,数千年の時を越え現存するもの特有の感慨を与えてくれる。古代以前 において,すでに大陸との玄関口であった福岡市は,板付遺跡等の著名な史跡や数多くの貴重な考古資料に恵まれ ている。教材として借用可能なものも多く,身近な地域の歴史学習を通して歴史学習全体への興味・関心を高めや すい。そして考古資料を所蔵する博物館や埋蔵文化財センター等と連携(「博学連携」)することで,専門的知識や 教育資源を学校現場で活用できるだけでなく,生徒の文化財や史跡に対する関心や愛着を深めることができる。 (2)生徒の実態 本学級の生徒 33 名は小学校 3 年次と 5 年次に福岡市博物館で博物館学習を行い, 6 年次には, 『よいこの社会科』 (福岡県社会科研究協議会編)の「米づくりのはじまりと生活の変化」の単元で,卑弥呼の政治について探究活動 を行っている。また,アンケートの調査から,以下のような実態を把握している。まず,古代の歴史上の人物につ いては,9割以上の生徒がその人物名を覚えており,何をしたかについては 6 割程度の生徒が簡単に説明すること ができる。しかし身近な地域の歴史に関連付けて説明できる生徒は 1 割程度であり,古墳時代までの歴史を身近な 遺跡や文化財と関連付けて,自ら課題を立てて主体的に学習した経験はない。したがって,歴史的事象と現代に生 きる自分たちとのつながりを感じられず,ともすれば単調な知識の暗記に陥りがちであることが明らかになった。 一方で,高宮中学校は全校を挙げて構成的グループエンカウンターの実践を続けており,生徒たちは社会科も含 め,日ごろから協働的な学習の経験を積んでいる。社会科学習においても,さまざまな視点から考察し,対話を通 して理解を深めるような学習の場面は多く設定されている。 (3)単元の指導観 前述した課題と現状をふまえ,以下のように単元の学習指導を計画した。まず「古代までの日本」の導入と課題 設定にあたり,「中国をはじめとする東アジアとの交流によって,古墳時代までの社会はどのように変化したのか。」 という単元全体を貫く学習課題を提示し,各授業のめあて(中核の「問い」)と,各授業での発問(小さな「問い」) を構造化する。そして,東アジアとの交流と文化の変容を示す考古資料を調査し,その結果をポスターにまとめ, ポスターセッション形式で発表する学習を行う。実物資料を使うことで歴史の学習全体に対する関心を高め,各単 元末に時代を説明する学習を行う際の言語活動の一手法を習得することをねらいとする。その際,考古学的な手法 を用いて,資料を実際に手に取って調査させるとともに,資料相互の共通点と相違点,及び各資料の前後関係に注 目させ,東アジアからの文化の流入によって道具や人々の生活が変化していった様子に気付かせたい。 次に,課題探究の段階として,さらに多くの考古資料や集落のイラストなどから各時代の特徴と生活の変化をよ り深く考察させ,中国の史書を読み取ることで国家の形成についても考察させる。その際,金印や三角縁神獣鏡の レプリカなど,積極的に実物資料を活用するとともに,地域の歴史と関連付けながら諸資料を考察させる。 最後に,単元のまとめとして,古墳時代までの特色を振り返り,それを主題に作文を書かせる。その際,古代以 降の仏教伝来や,遣唐使などによる大陸との交流を意識付けすることで,次の単元の学習への接続をはかる。

第1学年5組 社会科(歴史的分野)学習指導案 - Fukuoka...1 2018 年 11 月 県大会 第1学年 5 組 社会科(歴史的分野)学習指導案 指導者 福岡市立多々良中央中学校

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1

2018 年 11月 県大会

第1学年5組 社会科(歴史的分野)学習指導案

指導者 福岡市立多々良中央中学校

教諭 福 岡 弘 道

1.単元名 「古代までの日本 日本列島の誕生と大陸との交流 ~考古資料から見る古墳時代までの日本~」

2.指導観

(1)単元設定の理由

本単元は,中学校学習指導要領解説社会科編(平成 29 年 3 月)歴史的分野 内容(1)「古代までの日本」(イ)「日

本列島における国家形成」にあたり,東アジアの文明の影響を受けながら我が国で国家が形成されていったことを

理解させることをねらいとしている。本単元は人類の誕生と世界の古代文明を学んだ後の,本格的な日本史学習の

入り口にあたり,「古代までの日本」という大きなくくりの中から古墳時代までの歴史を独立させたものである。

古代以前(旧石器時代から古墳時代まで)の歴史を学ぶことは,自分たち自身のルーツについて学ぶことであり,

さらには,日本古代史において顕著な,東アジアとの人的・物的交流とそれによる社会的・文化的変容の始まりを

学ぶことにつながる。時代の全体像を大きくとらえさせることが求められる中学校の歴史学習において,この時代

の学習は対外交渉の観点から古代までの歴史全体を俯瞰できるだけでなく,自国文化の理解と共に,アジアの玄関

口福岡市にあって諸外国と友好的な関係を築き,よりよい未来を切り開く人材の育成にもつながると考える。

また旧石器時代から古墳時代にかけての歴史は,文献史料の不足から主に考古学によって明らかにされる。考古

学は各地の遺跡から出土する遺物や遺構といった「考古資料」を研究対象とし,いわば「もの」から歴史を解き明

かす学問である。考古資料は,当時の人々が実際に使った資料として,時に文献資料以上に生き生きと当時の様子

を教えてくれる。また,その質感や重みは,数千年の時を越え現存するもの特有の感慨を与えてくれる。古代以前

において,すでに大陸との玄関口であった福岡市は,板付遺跡等の著名な史跡や数多くの貴重な考古資料に恵まれ

ている。教材として借用可能なものも多く,身近な地域の歴史学習を通して歴史学習全体への興味・関心を高めや

すい。そして考古資料を所蔵する博物館や埋蔵文化財センター等と連携(「博学連携」)することで,専門的知識や

教育資源を学校現場で活用できるだけでなく,生徒の文化財や史跡に対する関心や愛着を深めることができる。

(2)生徒の実態

本学級の生徒 33 名は小学校 3 年次と 5 年次に福岡市博物館で博物館学習を行い,6 年次には,『よいこの社会科』

(福岡県社会科研究協議会編)の「米づくりのはじまりと生活の変化」の単元で,卑弥呼の政治について探究活動

を行っている。また,アンケートの調査から,以下のような実態を把握している。まず,古代の歴史上の人物につ

いては,9割以上の生徒がその人物名を覚えており,何をしたかについては 6 割程度の生徒が簡単に説明すること

ができる。しかし身近な地域の歴史に関連付けて説明できる生徒は 1 割程度であり,古墳時代までの歴史を身近な

遺跡や文化財と関連付けて,自ら課題を立てて主体的に学習した経験はない。したがって,歴史的事象と現代に生

きる自分たちとのつながりを感じられず,ともすれば単調な知識の暗記に陥りがちであることが明らかになった。

一方で,高宮中学校は全校を挙げて構成的グループエンカウンターの実践を続けており,生徒たちは社会科も含

め,日ごろから協働的な学習の経験を積んでいる。社会科学習においても,さまざまな視点から考察し,対話を通

して理解を深めるような学習の場面は多く設定されている。

(3)単元の指導観

前述した課題と現状をふまえ,以下のように単元の学習指導を計画した。まず「古代までの日本」の導入と課題

設定にあたり,「中国をはじめとする東アジアとの交流によって,古墳時代までの社会はどのように変化したのか。」

という単元全体を貫く学習課題を提示し,各授業のめあて(中核の「問い」)と,各授業での発問(小さな「問い」)

を構造化する。そして,東アジアとの交流と文化の変容を示す考古資料を調査し,その結果をポスターにまとめ,

ポスターセッション形式で発表する学習を行う。実物資料を使うことで歴史の学習全体に対する関心を高め,各単

元末に時代を説明する学習を行う際の言語活動の一手法を習得することをねらいとする。その際,考古学的な手法

を用いて,資料を実際に手に取って調査させるとともに,資料相互の共通点と相違点,及び各資料の前後関係に注

目させ,東アジアからの文化の流入によって道具や人々の生活が変化していった様子に気付かせたい。

次に,課題探究の段階として,さらに多くの考古資料や集落のイラストなどから各時代の特徴と生活の変化をよ

り深く考察させ,中国の史書を読み取ることで国家の形成についても考察させる。その際,金印や三角縁神獣鏡の

レプリカなど,積極的に実物資料を活用するとともに,地域の歴史と関連付けながら諸資料を考察させる。

最後に,単元のまとめとして,古墳時代までの特色を振り返り,それを主題に作文を書かせる。その際,古代以

降の仏教伝来や,遣唐使などによる大陸との交流を意識付けすることで,次の単元の学習への接続をはかる。

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3.目標

○考古資料に関心をもち,古墳時代までの日本について意欲的に探究しようとする。 【関心・意欲】

○考古資料や中国の史書などをもとに,古墳時代までの日本の歴史を東アジアとの交流という観点から考察するこ

とができる。 【思考・判断・表現】

○さまざまな資料を活用して,古墳時代までの日本の特色についてまとめることができる。 【技能】

○古墳時代までの日本の生活や文化,政治機構などの特色と変遷について理解することができる。 【知識・理解】

4.単元計画(5時間)

時 学習活動・内容 手だて(留意点)

評価

規準

2

1.「考古資料を調査し,ポスターを作ろう」

(1)ポスターの作り方,考古資料の扱い方説明

・考古資料(福岡市埋蔵文化財センターより)

深鉢(縄文時代),甕(弥生時代),

小児用甕棺(弥生時代),須恵器(古墳時代)

打製石鏃(縄文時代),磨製石鏃(弥生時代)

(2)ポスター作り

<役割分担>

・スケッチ ・外見の特徴 ・発表原稿作り

・資料で調べる(使用時期,名称,用途など)

2.【本時】

「ポスターセッションを通して,各考古資料の共

通点と相違点,前後関係を探ろう。」

(1)ポスターセッション

・前半3班,後半3班で2回ずつ発表する。

・1発表4分間。

(2)教師の講評と時系列の解答,解説。

〇班(6 人)ごとに考古資料を配布。

〇正しい考古資料の扱い方(腕まくり,両手で

扱い,浮かせすぎない等)を習得させる。

〇資料を実際に手に取り,多角的に観察させる。

〇スケッチに,気付いたことを矢印で書き入れ

させる。

〇発表する際のポイント(話す速さ,声のボリ

ューム,目線と指示)を解説する。

〇考古資料を前に,ポスターセッション形式で

調査結果を発表させる。

〇自分の班の資料との共通点と相違点,各資料

の時系列をワークシートに記入させる。

〇考古資料が変化した画期に,大陸・半島から

の文化の流入があったことに気付かせる。

関①

技①

2 3.「考古資料から分かる各時代の生活」

(1)班で調べ学習

<役割分担>

・旧石器時代~弥生時代の生活

・縄文時代と弥生時代の集落比較

(2)調べたことを班内,学級で発表。

4.「東アジアとの交流と,大和政権の誕生」

(1)政治,対外交渉に関する資料を読み取る。

・金印と奴国

・史書の記述と先史時代の日本

「漢書」地理誌,「魏志」倭人伝など

〇前時で作った時系列を活用し,釣り針や金属

器などの考古資料を加えて,文化の流入と,

それによる生活・祭祀の変化を捉えさせる。

〇導入で九州国立博物館の貸し出しキット「き

ゅうパック」を活用。金印,三角縁神獣鏡のレ

プリカを提示し,関心を高める。

〇「ムラ」が「クニ」に発展し,奴国,邪馬台国,

大和政権と展開していく様子を,各時代の考

古資料や,中国の史書を用いてとらえさせる。

知①

知②

1

5.「単元のまとめ」

(1)意見作文(400 字以内)を作成する。

「中国をはじめとする東アジアとの交流によっ

て,古墳時代までの社会はどのように変化し

たのか。」

(2)まとめ「古代の学習に向けて」

〇旧石器時代から古墳時代までの流れを振り返

るとともに,遣隋使,遣唐使の派遣や,聖徳太

子の対等外交,シルクロードを通しての文化

交流など,次時以降の古代史につなげるまと

めを行う。

○優秀作品を表彰する。

思①

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5.問いの構造図

中核の「問い」(めあて)

① 考古学ではどのような資料を研究しますか?

②自分の班の考古資料は,いつ,誰が,何に使った道具ですか?

③ そのように考えた根拠は何ですか?

①自分の班の考古資料との共通点・相違点は何ですか?

②各班の考古資料を時系列で並べると,どのような順になりますか?

③考古資料の変化から,どのような時代の変化が分かりますか?

①各時代の代表的な遺物を時系列に並べると,どのような順になりますか?

②縄文時代と弥生時代の集落のちがいは何ですか?

③旧石器時代から古墳時代までの中で,大きく生活が変化した時期はどこですか?

④その時期に生活が大きく変化した理由は何ですか?

①銅鏡や金印は弥生人にとってどのような道具でしたか?

②中国の史書には何という国々が登場しますか?

③史書には,それぞれの国の特徴がどのように書かれていますか?

①古墳時代までの社会は,生活・文化,政治・外交面でどのように変化しましたか?

②古墳時代までの社会は,生活・文化,政治・外交面で,東アジアの国々からどのような影響を受けましたか?

③日本列島の社会は,飛鳥時代以降どのように変化していきますか?

④東アジアの国々との関係は,飛鳥時代以降どのように変化していきますか?

歴史的分野  第2章 古代までの日本第2節 日本列島の誕生と大陸との交流 「問い」の構造図

授業を構成する小さな「問い」(発問)

中国をはじめとする東アジアとの交流は、

日本の社会にどのような影響

を与えたのだろうか?

(1)それぞれの考古資料はどのような道具なのだろうか?

(2)それぞれの考古資料の共通点と相違点,前後関係はどのようなものだろうか?

(3)東アジアとの交流を通して,人々の生活はどのように変化したのか?

(4)東アジアとの交流を通して,どのように王権が誕生したのか?

(5)中国をはじめとする東アジアとの交流によって,古墳時代までの社会はどのように変化したのか?

単元を貫く大きな「問い」

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6.本時 平成 30 年 11 月 16 日(金) 校時 第 1 学年5組教室にて

(1)本時の指導観

前時で生徒たちは,班ごとに種類の異なる考古資料を受け取り,実際に手に取って観察し,調査結果をポスター

にまとめた。本時では,そのポスターを使ったポスターセッションを通して,それぞれの考古資料の共通点と相違

点を探り,時代の変化に伴う考古資料の変化に気付かせることをねらいとする。そのためにまず,本時のめあてを

提示し,発表をする際・聴く際のポイントについてふれた後,各自聴きたい班のポスターセッションに参加させる。

その際自分の班の考古資料と比較して共通点と相違点を見つけさせ,考古資料相互の前後関係を推測させる。次に,

教師による講評を聴き,後々の単元で再び行うポスターセッションに向けて課題を整理するとともに,各考古資料

について一層理解を深めさせる。その際埋蔵文化財センター提供の「情報カード」を使って解説し,専門家の目か

ら見る考古資料の一面に気付かせる。さらに,前後関係の解答・解説をしながら,東アジアからの文化流入に伴う

道具の変化をとらえさせる。最後に,単元の終わりに「中国をはじめとする東アジアとの交流によって,古墳時代

までの社会はどのように変化したのか。」という主題で作文することを予告し,次時以降につなげる。

(2)主眼 考古資料の共通点と相違点を探り,考古資料の変化から当時の社会の変化を読み取る。

(3)準備 ①考古資料(福岡市埋蔵文化財センター所蔵)②ポスター③ワークシート④発表用紙⑤情報カード

(4)過程

学習活動・学習内容 準備 手だて(○)と評価(◇) 形態 配時

1.前時の振り返りと本時のめあて提示

(1)前時の振り返り

(2)めあての提示

(3)本時の流れ,発表のポイント確認

・話す速さ,声量,目線,考古資料を指示しなが

ら説明すること

○発表を円滑に行うために,前時に説明し

た発表のポイントを再確認する。

一斉

5 分

2.ポスターセッション

<発表内容>

・資料の名称

・何に使った道具か

・外見上の特徴,気付き

・その他,資料についての特徴

<聞く側が注目する点>

・自分の班の考古資料との共通点や相違点

・自分の班の考古資料との前後関係

〔生徒が調べた福岡市出土の考古資料 6種類〕

深鉢(縄文時代) 甕(弥生時代)

小児用甕棺(弥生時代) 須恵器(古墳時代)

打製石鏃(縄文時代) 磨製石鏃(弥生時代)

3.教師による講評

・各班のポスター及び発表の講評

・各考古資料の補足説明と価値づけ

・各考古資料の前後関係,答え合わせ。

〇前半(3 班),後半(3 班)に分けて発表

させる。1 発表 5 分で,前半後半それぞれ

2 回ずつ発表させる。(発表 2 分,質問 2

分,入れ替わり 1 分)

○発表者の技能向上と聞く側の理解促進の

ため,発表は 2回とも同じ生徒にさせる。

○発表を聞く生徒には,ワークシートを持

参させ,記入しながら聞かせる。

〇全ての班の発表が終わった後,ワークシ

ートの完成や,他班の考古資料を再度見

に行くのにあてるため,時間を与える。

◇発表を聴き,ワークシートに考古資

料の共通点と相違点,時系列を記入

することができる。

<ワークシート分析>

〇「情報カード」を使って各考古資料の解説

をし,関心を高める。

〇考古資料の変化と,東アジアからの文化

の流入の関係に気付かせる。

個人

一斉

30分

10分

4.本時のまとめ

○単元のまとめの作文を見越して,次時以

降の学習を進めるよう予告する。

一斉 5 分

【めあて】 ポスターセッションを通して各考古資料の共通点と相違点,前後関係を探り,社会の変化を読み取る。

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7.評価基準表

次 時 学習活動・内容 評価規準

<評価方法>

評 価 基 準

A B

1 2 1 考古資料を調査し,ポスタ

ーと発表原稿を作成する。

・資料のスケッチ

・特徴の観察

・資料の読み取り

・見やすいポスターのレイア

ウト

・分かりやすい発表原稿作り

関① 考古資料に関

心をもち,調査をす

ることができる。

<様相観察>

様々な角度から

資料を観察し,一つ

でも多くの外見的

特徴を発見すると

ともに,分かりやす

くまとめようとし

ている。

資料の外見的特

徴を発見し,ポス

ターにまとめよう

としている。

2 ポスターセッションを行

い,自分の班の考古資料と他

班の資料との共通点,相違点

を見つける。

・発表

・共通点と相違点を見つける

・各考古資料の前後関係を推

測する。

技① 発表を聴き,ワ

ークシートに考古

資料の共通点と相

違点,時系列を記入

することができる。

<ワークシート分析>

発表を聴いて,各

考古資料の前後関

係を考えながら,複

数の共通点と相違

点を書き出すこと

ができる。

発表を聴いて,

各考古資料の共通

点と相違点を書き

出し,時系列に並

べ る こ と が で き

る。

2 2 3 生活,文化について,班で

分担して調べ,発表する。

・各時代を代表する考古資料

と生業,祭祀の変遷

・縄文時代と弥生時代の集落

の違い

知① 旧石器時代,縄

文時代,弥生時代,

古墳時代それぞれ

の生活,文化の違い

について理解する

ことがきる。

<定期考査分析>

それぞれの時代

の生活,文化の違い

を,代表的な考古資

料,集落の変化を理

解することができ

る。

それぞれの時代

の生活,文化の違

いを理解すること

ができる。

4 政治,対外交渉に関する資

料の読み取りと,ワークシー

トの記入。

・金印と北部九州の国々

・中国の史書と,邪馬台国,

大和政権

知② 史書を読み取

り,日本列島におけ

る国々の成長と中

国との交渉を理解

することができる。

<定期考査分析>

史書から,奴国,

邪馬台国,大和政権

それぞれの特色と,

朝貢した目的を理

解することができ

る。

史書から国々の

成長を大まかに理

解することができ

る。

3 1 5 旧石器時代から古墳時代

までの各時代の特色や変化

の様子について意見作文を

作成する。

・主題「東アジアとの交流によっ

て,古墳時代までの日本列島

の文化はどのように変化し

たのか。」

思① 根拠に基づいて各

時代の特色や変化の様

子を記述することがで

きる。

<意見作文分析>

考古資料や中国

の史書から得た情

報を根拠とし,各時

代の特色や,変化の

様子,きっかけとな

る出来事について

自分の言葉で記述

できる。

各 時 代 の 特 色

や,変化の様子,き

っかけとなる出来

事について,自分

の言葉で記述でき

る。

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【 生徒が制作したポスター 】

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