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人間本位の産業を目指して 2017 Copyright Robot Revolution Initiative, All Rights Reserved. “Connected Industries” New vision for the future of Japanese industries 参考資料1 第1回IoTツール募集イベント概要

第1回IoTツール募集イベント概要 - jmfrri.gr.jp · ①事例集の策定 ②費用対効果算定のための定量化モ デル作成 ③システムインテグレータの育成

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人間本位の産業を目指して

2017 Copyright Robot Revolution Initiative, All Rights Reserved.

“Connected Industries”New vision for the future of Japanese industries

参考資料1第1回IoTツール募集イベント概要

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人間本位の産業を目指して

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中堅・中小企業サブ幹事会での検討

(主な意見)

• どこから手をつければ良いのかわからない企業が多いが、例えば、人材不足や労働事故の削減など経営課題を解決する視点から、IoT活用を論じることが重要。

• 中小企業には「関係ない話」という意識を払拭するため、とにかく身近な事例創出を1つでも積み重ねることが近道。

• IoTだからといって壮大なものを作る必要は無い。現場にとっての使いやすさといった観点からも、安いセンサーを使った単純な装置等、受け入れやすいものからやっていけばいいのではないか。

• 何かやろうと思ったときに取組める仕組みが大切。地域のコミュニティのリーダーが動いてみようと思った時に支援ができるように。

• 効率化や労働力問題は勿論だが、一番はどう会社を存続させるかが課題となっている。金属加工や鋳造など、なくなってしまうと我が国の国力の衰退に繋がる。

• 気付いている人たちは、ベンダーに頼んで一から作るのではなく、如何にして、家庭用のセンサーや別目的のアプリなどを使ってできないか考えている。課題の多くは、既存品を探して、組み合わせることで解決できる。

• 中小企業1社毎では無理でも、中小企業「群」ととらえ、10社、50社、地域や業界で集まればできるのではないか。

• IoTは、経営や生産現場の課題を解消するためのツールだが、「高度で手の届かないツール」との認識は不要。それぞれの企業の身の丈に合った活用方法がある。

• 一方、「製品や工程の質が使っている機械のブランドで判断される」ように、IoT導入が「頼れる企業」の前提条件になり得ることを全ての中堅・中小企業が留意すべき。

ロボット革命イニシアティブ協議会WG1 IoTによる製造ビジネス変革WGの傘下に中堅・中小企業に特化した検討の場としてサブ幹事会を設置。

「経営課題」に応じ、「解決手段」や「課題とボトルネック」を整理(⇒次ページ)した上で、それぞれの対策を検討。

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第1段階Ⅰ.課題がわからない

第3段階Ⅲ.取引先からの要請に応えたい

第2段階Ⅱ.生産性を向上させたい

第4段階Ⅳ.売上を向上させたい

(1)統一的な参照先の不存在・事例集が無く、地域にも参考にすべき企業がいない・導入モデルケースがない・相談できる場所がない

経営課題 解決手段 課題とボトルネック

A.課題を発見する

(2)既存の機器からのデータ取得・追加投資に対する効果が定量化できない・必要なセンサーのスペックや配置数、箇所等の具体的なイメージがわからない・機器メーカーに機器の稼働データを取られる恐れがあるB.機器情報の見える化

(ボトルネックの発見)

C.人の作業の見える化(技能レベル向上、技術伝承)

F.継続的なコストダウン活動(コスト)

G.トレーサビリティを確保する(品質)

I.顧客満足度向上(付加価値を高める)

(8)原材料や部品・中間品、製品など生産現場のロット管理・センサーやバーコード、システム構築のコストが高く、ロット管理を行っていない・システムへの手入力や紙媒体でロット管理を行っている

(10)設計と生産の連携・3D CAD/CAMやシミュレーションツールを導入していない・部品表の管理等、設計と生産で連携が取れていない・設計ツールや設計生産連携ツールの利用のためのトレーニングの機会不足

(9)現物と情報の紐付け(現品管理)・RFID等、紐付けの為のタグや刻印等のコストが高く、現品管理を行っていない・システムへの手入力や紙媒体で現品管理を行っている

(12)中小企業の優れた技術が世界と繋がるための仕組みづくり・自社技術の価値がわからない・異業種、ベンチャー企業との協業によりアイディアを欲しているが人脈がない・中小1社では思い切った提案や投資ができない

(3)機器データの統合的管理・機器ごとにデータのフォーマットや通信方式が異なっている・取得したデータが漏洩するセキュリティリスクを排除できない

(4)データの蓄積・解析・データは取れているが活用の方法が分からず、捨てている・どんなデータ解析ツールを使えば良いかわからない・(ベンダー側)どんなデータ解析ツールのニーズがあるかがわからない

(5)作業のデータ化・マニュアル化(形式知化)・データ化・マニュアル化の方法がわからず、技術伝承に課題を抱えている・ノウハウ流出を懸念し、データ化・マニュアル化に踏み切れない

(7)無駄な工数の削減・FAXや電話などのやりとりに基づき紙媒体で管理している・生産実績などを社内システムに手入力している

(11)販売後の製品データ取得・解析・販売後データを収集するセンサー、モジュールのコストが高い・どんなデータ解析ツールを使えば良いかわからない・(ベンダー側)どんなデータ解析ツールのニーズがあるかがわからない・特にB2Bにおいて、ユーザー側が利用データを開示しない(データ所有権問題)

J.新たな販路の開拓(顧客を増やす)

対処方針

①事例集の策定

②費用対効果算定のための定量化モデル作成

③システムインテグレータの育成

④IoT導入コンサルタントの活用促進

E.自動化等による人の作業の削減(無駄な作業を減らす)

H.設計変更への柔軟な対応(納期)

⑤ツール情報の一元化

⑥大企業にも共通する問題(データのセキュリティ確保、機器間通信のための共通インターフェース確保等)

⑦必要なツール開発

⑧国による資金支援

⑨データ所有権ルールの明確化

⑩中小企業間のネットワーク化

⑪中小企業が参加できる規格やルールづくり

D.サプライチェーンの見える化(企業間の連携)

(6)企業をまたいだ標準化・企業間でデータをやりとりする際の形式が異なる・どのような情報を共有化すれば良いかわからない

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(参考)サブ幹事会で整理した対処方針

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第1回IoTツール募集イベント実施概要

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対処方針の「⑤ツール情報の一元化」の対応策としてIoTツール募集イベントを実施。

中堅・中小製造業がより簡単に、低コストで使える業務アプリケーションやセンサーモジュール等のツールについて、7つのユースケース(目的)をテーマに収集。

中小製造企業の経営者の目線にて審査委員会を実施した上で公表。

公募 7月27日(水)~8月26日(金) 審査委員会 9月6日(火) 結果公表 10月4日(火)

【開催テーマとした7つのユースケース】

【左記のケース毎、以下のカテゴリに分類】

No.

1

2

3

4

5

6

7

自社製品をIoT化するためのツール

データの活用全般に関わるツール

人材育成の観点で活用できるツール

グローバル化に伴い、海外で展開するために役に立つツール

ユースケース

生産現場における課題を解決するためのツール

工場や企業の間で情報連携をする際の課題を解決するためのツール

事務における課題を解決するためのツール

No. カテゴリ ツール例

A 電力等の省エネ エネルギー監視システム

B 故障予知、設備診断 IoTセンサーパック

C 稼動監視、遠隔稼動監視 移動式ネットワークカメラ

D 現場等の見える化全般 騒音可視化・通知ツール

E IoT導入お試し、IoT製品試作 IoTスターターキット

F 生産業務の効率化 個別受注生産対応 工程管理、生産管理システム

G 製品開発リードタイム短縮 設計情報/技術情報管理システム

H 簡易システム開発 Contexer(コンテキサー)

I 従業員の作業補助、ミス防止 音声物流システム

J 事務等の管理効率化 ビーコン在席管理システム

K その他 ティーチレスロボットコントローラー

⇒募集の結果、106件を「スマートものづくり応援ツール」として公表。

https://www.jmfrri.gr.jp/info/314/⇒審査委員たる、中小製造企業の経営者の評価コメントも掲載(15件)

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(主な事例①)スマートフォンなどの廉価な情報端末の活用事例

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【スマートフォンを利用した機械動作情報収集装置 ・・・武州工業(株)】

〇スマートフォンなどの端末に内蔵されている加速度センサーとWebサーバー上のプログラムを連動させることにより、作業状況の見える化を行うもの。

〇端末を動作収集を行う機械の摺動部(①)に、両面テープなどを用いて端末を貼り付け(②)、端末をWebプログラムに接続し、表示プログラムにアクセスすることで(③)、機械の摺動情報をグラフ化でき、生産性の見える化を簡単に実現(④)。更に、データをCSVファイルとして出力し、EXCELでの詳細分析も可能。

※端末は5年ほど前の旧機種でも快適に動作するためコスト数千円/台での導入が可能。

③ 定

オレンジ色の線は上述の「達成すべき本数」を示しています。青の線は「実績」を示しています。

この時点より生産性悪化が発生。原因究明、カイゼンが可能に。

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(主な事例②)写真や動画を活用した効率化の事例

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【Teachme Biz・・・(株)スタディスト】

〇スマホやタブレットなどの身近なディバイスで、簡単にマニュアル作成・共有ができ、機械化、自動化できないノウハウの伝承に役立つクラウドサービス。 ※20,000円/月~

〇製造現場や間接部門での多様な業務手順を①写真や動画を撮影し、並べる。②強調したい点を画像内にマーキングする③説明文を記入する④共有するの4ステップで簡単に作成・共有することができ、マニュアルの“四重苦”(作成、配布、更新、管理)の解消が可能。(図1)

〇また、写真や動画主体となるため、特定言語に依存しない(非言語化)が可能となり、海外展開時または外国人スタッフの受け入れ時にも有効。

〇新サービスとしてセンサーと組み合わせ、異常検知とともに点検、復旧対応マニュアルを呼び出す仕組みも開発。(図2) 検知した異常内容に応じたマニュアルを

表示、アナログな人の作業を支援。

図1:Teachme Bizはたった4ステップでマニュアルを作成・共有できる

図2:異常検知後の点検、復旧マニュアル表示

共有するだけ。