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115 第 5 章 主ポンプの設計 関連条項〔基準 7、運用 7-1、7-2、基準 9、運用 9-1、9-2〕 5.1 台数割の決定 主ポンプの吐出し量と台数の組合せは、「3.2 揚水量の決定」の計画時及び常時等における各種 の揚水量について、最多頻度の揚水量をベースにして全体の変動域をどのように分割するかを検討 して主ポンプの台数を決定し、各分割幅の揚水量に対応する主ポンプの吐出し量を概定する。 次に、設計点実揚程と各主ポンプの吐出し量をもとに、主配管設備を想定して「5.3 全揚程の決 定方法」により全揚程を仮定し、「5.4 主ポンプ形式の決定」により主ポンプ形式を概定するもの とする。 なお、揚程の変動が特に著しい場合には、高揚程と低揚程の主ポンプに分割するのが一般には経 済的である。 (1) 留意事項 主ポンプの台数割の決定は、次の事項にも留意する必要がある。 ① 揚水量の変動に応じて効率的に運転し、運転経費の節減を図るためには、異なった主ポンプ の吐出し量の組合せとすることが有利である。 一方、主ポンプ設備費の低減及び主ポンプ運転時間の均等化を図るためには、同一の主ポン プ吐出し量とすることが有利な場合がある。 ② 主ポンプの台数は多いほど揚水量の変動等に応じて効率的に運転できるが、反面、ポンプ場 のスペースが大きくなり、配管等も複雑になるので工事費や用地費は割高になる。 ③ 揚水量変動への対応又は流入量への追従等については、原則として台数制御により対応する が、さらに円滑な対応を必要とする場合には、主ポンプの特性、導水路・送水路の特性及び制 御目標等を検討し、回転速度制御、羽根角度制御及び吐出し弁制御等の適切な制御方式を検討 する必要がある。 〔参 考〕 1.主ポンプ台数の概定 かんがい並びに排水ポンプの台数は、過去の実績からおおむね下記のとおりである。ポンプ場 の設計に当たっては、地域特性や運転条件等から主ポンプ台数、吐出し量を検討することが重要 である。なお、低揚程時の過大取水は、用水期間における期別取水量(水利使用規則)を上回る ことがないよう、吐出し弁開度や回転速度制御等により、流量制限する方法を検討する。 表-5.1-参 用水ポンプ場規模と主ポンプ台数 表-5.2-参 排水ポンプ場規模と主ポンプ台数 ポンプ場規模(m 3 /min主ポンプ台数 ポンプ場規模(m 3 /min主ポンプ台数 ~60 以下 2 ~300 以下 2 ~300 以下 2~3 ~600 以下 3~4 ~600 以下 3~4 600~ 4~6 600~ 4~5 注) 用水ポンプの設置台数は、長時間連続運転する等 で、故障や定期整備時の対応が必要な場合等は、 2 台以上とすることを検討する。 注)排水ポンプの設置台数は、危険分散から 2 台以 上とすることが望ましい、計画排水量の規模に応 じて台数を増加させる。なお、ポンプ台数の決定に ついては、遊水池容量を考慮する。

第5章 主ポンプの設計 - maff.go.jp...117 第5章 主ポンプの設計 ( i ) 回転速度制御 主ポンプは回転速度を上げると揚程と吐出し量は大きくなり、下げると小さくなる特性を有

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115

第 5章 主ポンプの設計

関連条項〔基準 7、運用 7-1、7-2、基準 9、運用 9-1、9-2〕

5.1 台数割の決定

主ポンプの吐出し量と台数の組合せは、「3.2 揚水量の決定」の計画時及び常時等における各種

の揚水量について、 多頻度の揚水量をベースにして全体の変動域をどのように分割するかを検討

して主ポンプの台数を決定し、各分割幅の揚水量に対応する主ポンプの吐出し量を概定する。

次に、設計点実揚程と各主ポンプの吐出し量をもとに、主配管設備を想定して「5.3 全揚程の決

定方法」により全揚程を仮定し、「5.4 主ポンプ形式の決定」により主ポンプ形式を概定するもの

とする。

なお、揚程の変動が特に著しい場合には、高揚程と低揚程の主ポンプに分割するのが一般には経

済的である。

(1) 留意事項

主ポンプの台数割の決定は、次の事項にも留意する必要がある。

① 揚水量の変動に応じて効率的に運転し、運転経費の節減を図るためには、異なった主ポンプ

の吐出し量の組合せとすることが有利である。

一方、主ポンプ設備費の低減及び主ポンプ運転時間の均等化を図るためには、同一の主ポン

プ吐出し量とすることが有利な場合がある。

② 主ポンプの台数は多いほど揚水量の変動等に応じて効率的に運転できるが、反面、ポンプ場

のスペースが大きくなり、配管等も複雑になるので工事費や用地費は割高になる。

③ 揚水量変動への対応又は流入量への追従等については、原則として台数制御により対応する

が、さらに円滑な対応を必要とする場合には、主ポンプの特性、導水路・送水路の特性及び制

御目標等を検討し、回転速度制御、羽根角度制御及び吐出し弁制御等の適切な制御方式を検討

する必要がある。

〔参 考〕

1.主ポンプ台数の概定

かんがい並びに排水ポンプの台数は、過去の実績からおおむね下記のとおりである。ポンプ場

の設計に当たっては、地域特性や運転条件等から主ポンプ台数、吐出し量を検討することが重要

である。なお、低揚程時の過大取水は、用水期間における期別取水量(水利使用規則)を上回る

ことがないよう、吐出し弁開度や回転速度制御等により、流量制限する方法を検討する。

表-5.1-参 用水ポンプ場規模と主ポンプ台数 表-5.2-参 排水ポンプ場規模と主ポンプ台数

ポンプ場規模(m3/min) 主ポンプ台数

ポンプ場規模(m3/min) 主ポンプ台数

~60 以下 2 ~300 以下 2

~300 以下 2~3 ~600 以下 3~4

~600 以下 3~4 600~ 4~6

600~ 4~5

注) 用水ポンプの設置台数は、長時間連続運転する等

で、故障や定期整備時の対応が必要な場合等は、 2

台以上とすることを検討する。

注)排水ポンプの設置台数は、危険分散から 2 台以

上とすることが望ましい、計画排水量の規模に応

じて台数を増加させる。なお、ポンプ台数の決定に

ついては、遊水池容量を考慮する。

116

技 術 書・ポ ン プ 場

2.現在までに国内で製作された主ポンプの上限の吐出し量

表-5.3-参 主ポンプの上限の吐出し量の実績

主ポンプ形式 軸 形 式 吐出し量(m3/min)

渦 巻 横軸(両吸込) 516( 8.6m3/s)

立軸(片吸込) 750(12.5m3/s)

軸 流 横 軸 600(10 m3/s)

立 軸 4,500(75 m3/s)

斜 流 横 軸 612(10.2m3/s)

立 軸 2,424(40.4m3/s)

渦 巻 斜 流 立 軸 3,000(50 m3/s)

チューブラ 横 軸 2,400(40 m3/s)

3.制御方式

主ポンプの制御方式として、ON-OFF 制御や回転速度制御(二次抵抗制御、インバータ制御)

等があるが、水利用の実態を踏まえて、 も効率のよい制御方式を検討する。

回転速度制御は大きな省エネルギー効果が期待できる場合があるが、選定に当たっては、機器

の更新時においては設置スペース等に留意する必要がある。

表-5.4-参 制御方式の比較

制御方式 項目 台数制御 1) 回転速度制御 羽根角度制御 吐出し弁制御

流量制御範囲

①流量の段階的な制御に限られ、任意の流量での制御はできない。

①全揚程に占める配管損失の割合が小さい場合は制御幅が狭くて制御しにくい。

②全揚程に占める配管損失の割合が大きい場合は広い。

①全揚程に占める配管損失の割合が小さい場合は広い。

②全揚程に占める配管損失の割合が大きい場合は若干狭い。

③羽根角度を大とし、 低揚程大水量域の吐出し量増加が可能である。

①吐出し弁に発生するキャビテーションによる制限がある。

②主ポンプの小水量運転領域の制限がある。

運 転 効 率

①配管損失が小さく台数切り替えによって得られる流量がポンプ設計点吐出し量に合う場合は総合効率が高い。

①全揚程に占める配管損失の割合が大きい場合が良い。(主ポンプの 高効率点の軌跡に沿った運転範囲)

②全揚程に占める配管損失の割合が小さい場合若干劣る。

③二次抵抗制御の場合は総合効率が悪くなる。

①全揚程に占める配管損失の割合が大きい場合、若干劣る。

②全揚程に占める配管損失の割合が小さい場合、良い。(主ポンプの 高効率点の軌跡に沿った運転範囲)

③軸動力一定制御により 大吐出し量運転が可能である。

①損失動力が大きい。

制御の応答性 ① も劣る。 ①優れている。 ①優れている。 ①やや劣る。

維 持 管 理 ①容易である。 ①制御設備が若干増える。

①制御設備が若干増える。

①容易である。

採用の目安

①必要揚水量の変動が小さく、1台毎の主ポンプの設計点吐出し量に合っている場合に適する。

②ON-OFFの頻度が多くなる場合には不向き。

①全揚程に占める配管損失の割合が大きいポンプ場に適する。

①全揚程に占める配管損失の割合が小さいポンプ場に適する。

②広範囲な吐出し量調 節が必要なポンプ場に適する。

③軸流、斜流ポンプの中規模以上のポンプ場に適する。

①小規模で設備費が安価なポンプ場に適する。

注 1) 台数制御は、ハンチングに留意すること。

117

第 5 章 主ポンプの設計

( i ) 回転速度制御

主ポンプは回転速度を上げると揚程と吐出し量は大きくなり、下げると小さくなる特性を有

している。この特性を利用して流量制御を行うのが、回転速度制御である。

主ポンプ特性(吐出し量、揚程、軸動力)は回転速度の変化に伴い次の式に従って変化する。

吐出し量=前の吐出し量×(回転速度/前の回転速度)

揚程=前の揚程×(回転速度/前の回転速度)2

軸動力=前の軸動力×(回転速度/前の回転速度)3

主ポンプ回転速度を N1から N2へ下げると、運転点は管路抵抗曲線に従って a から b 又は d

へと移動する(図-5.1-参の 1点鎖線又は 2点鎖線の曲線を移動する)。各回転速度における主

ポンプの 高効率点の位置は a から c(図-5.1-参の破線の曲線)へと移動する。そのため、全

揚程に占める配管抵抗の割合が大きい用水ポンプ場等では、運転点は a から b に移動し、運転

点と 高効率点との吐出し量の差が配管抵抗の割合が小さい場合に比べて小さく、各回転速度

で主ポンプ効率のより高い点で運転ができるため、主ポンプ軸動力が小さく経済的な運転が可

能となる(軸動力 e~f)。

一方、全揚程に占める配管抵抗の割合の小さい場合は、運転点が a から d へ移動し、配管抵

抗の割合が大きい場合に比べて、吐出し量の変化の割合が多くなり、主ポンプ効率が悪い運転

となる。

また、固定速度ポンプと並列運転で使用する場合等においては、運転範囲や主ポンプ比速度

によって締切運転状態あるいは少水量域での運転となり、振動や騒音を発生し長時間の運転に

は支障をきたす場合もある。このような場合には他の制御方式を採用するか、又はこの領域を

避けた制御を行う必要がある。

また、内燃機関における回転速度の制御範囲の目安は、以下のとおりである。なお、流量制

御範囲は、ポンプ特性及び設置条件(配管ロスを含む)に基づいた検討が必要である。

・回転速度範囲:ディーゼルエンジン:約 70~100%

ガスタービン :約 70~100%(2軸式の場合) 注)1 軸式は固定速となる。

N1 全揚程

N2 100

軸動力

0

N1

N2

d b

c

a

g f

0

100% 吐出し量

吐出し量

高効率点の移動曲線

管路抵抗曲線 (全揚程に占める配管抵抗の割合が大きい場合)

管路抵抗曲線 (全揚程に占める配管抵抗の割合が小さい場合)

e

100%

全揚程

軸動力

図-5.1-参 回転速度制御による運転点の変化(例)

118

技 術 書・ポ ン プ 場

(ii) 羽根角度制御

可動羽根ポンプは、特に排水ポンプ場における流量制御に適し、次のような特徴を有してい

る。

(a) 主ポンプ特性

羽根角度制御方式はその機構上、軸流ポンプ及び斜流ポンプの場合に適用され、羽根の取

付角度を変化させると、主ポンプの全揚程曲線は図-5.2-参、図-5.3-参に示すように、その

傾きが変化する。

図-5.2-参において、主ポンプの運転点は、羽根角度に応じて管路抵抗曲線に沿って a か

ら b の範囲で移動する。軸流ポンプの場合で計画吐出し量の 30%~110%程度の広い範囲で

流量制御が可能である。

したがって、全揚程に占める配管抵抗の割合が小さい排水ポンプ場等では、各羽根角にお

いて主ポンプ効率の高い点で運転できるため、主ポンプ軸動力が小さく経済的な運転が可能

となる(軸動力 c~d)。

(b) 軸動力一定制御

主ポンプ軸動力は全揚程と吐出し量で変化するため、原動機の能力を 大限発揮できるよ

うに全揚程の変化に対応させて、吐出し量を制御する軸動力一定制御が可能である。この場

合、原動機の 大出力ライン(図-5.3-参)に沿って軸動力が超過しないように、羽根角度を

制御することにより、主ポンプ吐出し量を 大にすることができる。

(c) 可能吐出し量の増加

超過洪水に対応させる場合等で、計画吐出し量よりも吐出し量を増大したい場合は、羽根

角度を計画角度よりもさらに大きく設定することにより、主ポンプ軸動力が許す範囲で吐出

し量を増大させることができる。図-5.3-参において、羽根角度制御ポンプの運転 a を b ま

で増加することが可能である。

図-5.3-参 羽根角度制御による軸動力一定特性(例)

軸動力一定ライン

吐出し量の増加 全揚程

100

0 100% 吐出し量

Ⅲ Ⅱ Ⅰ

a b

Ⅲ Ⅱ Ⅰ

吐出し量 0

軸動力

100%

全揚程

軸動力

図-5.2-参 羽根角度制御による運転点の変化

羽根をたてる

管路抵抗曲線

100 % b

a

全揚程

羽根をねかせる

Ⅲ ⅡⅠ

0 30% 100% 吐出し量

d

c

吐出し量 0

軸動力

30% 100%

全揚程

軸動力

119

第 5 章 主ポンプの設計

(iii)吐出し弁制御

吐出し弁の開度を変化させることにより、管路抵抗を調整し、流量を制御する方法である。

図-5.4-参において、吐出し弁を絞り込むことにより、管路抵抗が増加し運転点が a から b へ

移動する。

吐出し弁で損失を増加させて制御するため、吐出し量が少なくなっても主ポンプ軸動力は減

少せず c から d へ移動するだけである。また、流量を絞った場合に、吐出し弁本体で有害なキ

ャビテーションが発生しないような範囲で制御する必要がある。

この方式は運転効率が悪い方法であり、採用に当たっては、軸流ポンプでは不安定領域を有

することから回転速度制御が困難な場合や、渦巻ポンプのように羽根角度制御の採用が不可能

な場合等、他の制御方式で対応のできない領域や中小口径ポンプの場合、及び経済比較などに

よって安価である場合などに限定することが望ましい。

5.2 主ポンプの設計点吐出し量

主ポンプの吐出し量は、計画揚水量と台数の組合せにより決定する。

主ポンプ設計を行うための各主ポンプ 1台当たりの設計点吐出し量は、計画揚水量の変動等を考慮

し、基準の運用「9-2 主ポンプの設計」により決定する。

なお、洪水時排水ポンプの吐出し量は、平均所要排水量をすべての水位条件下において確保すれば

安全であるが、このようにすると、主ポンプの平均吐出し量が平均所要排水量を上回り不経済となる

ので、設計点実揚程を仮定して排水解析を行い、主ポンプの設計点実揚程を 適値にすることにより、

主ポンプの平均吐出し量(設計点吐出し量)と平均所要排水量を一致させるようにする。

図-5.4-参 吐出し弁制御による運転点の変化(例)

管路抵抗+吐出し弁絞りによる抵抗

管路抵抗曲線 b

a 100

全揚程

吐出し弁絞りに よる損失

100% 吐出し量

吐出し量

軸動力

d c

100%

全揚程

軸動力

120

技 術 書・ポ ン プ 場

5.3 全揚程の決定方法

全揚程の決定手順は、基準 9及び運用 9-2 によるが、諸損失水頭は次により求められる。

5.3.1 管路の摩擦損失水頭

(1) ダルシー・ワイズバッハ(Darcy・Weisbach)公式

ダルシー・ワイズバッハ公式は、比較的管路の短い場合(例えば、ポンプ場内の配管等)に広く

用いられている。

hf=・ D

L・

g

V

2

2 .......................................................... (5.1)

ここに、 hf :管路の摩擦損失水頭(m)

:摩擦抵抗係数 一般の鋳鉄管 ={ 0.02+1/( 2,000・D)}・1.5(1.5 は腐食を考慮した係数)

一般の鋼管 ={0.0144+9.5/(1,000・ V )}・1.5(1.5 は腐食を考慮した係数)

L :吸込管、吐出し管路長(m)

D :管路長 L に対応する管径(m)

V :管内流速(m/s) g : 重力の加速度(9.8m/s2)

(2) ヘーゼン・ウィリアムス(Hazen・Williams)公式

ヘーゼン・ウィリアムス公式は、比較的管路の長い場合(例えば、ポンプ場外のパイプライン等)

に広く用いられている。

LDC

hf ・・

10.67・=4.871.85

1.85Q .................................................. (5.2)

ここに、 hf :管路の摩擦損失水頭(m) Q : 流量(m3/s)

D :管径(m) L : 管路長(m)

C :流速係数(表-5.5による)

表-5.5 流速係数 C の値

管 種(内面の状態) 流 速 係 数 C

大 値 小 値 標 準 値

鋳 鉄 管(塗装なし) 鋼 管(塗装なし) 水道用液状エポキシ樹脂塗装管(鋼)注1) 800mm 以上 600~700mm 350~500mm 300mm 以下 モルタルライニング管(鋼、鋳鉄) 遠心力鉄筋コンクリート管 プレストレストコンクリート管 硬質塩化ビニール管注2) 硬質ポリエチレン管注2) 強化プラスチック複合管注2)

150 150 - - - - 150 140 140 160 170 160

80 90 - - - - 120 120 120 140 130 -

100 100

130 120 110 100 130 130 130 150 150 150

注1) 塗装方法は、JWWA–K 135 に準拠するものとし、塗装厚は0.5mm 以上が望ましい。 2) 呼び径 150mm 以下の管路では、C=140 を標準としてよい。 3) 全揚程を求めるために採用する流速係数(C)は標準値としてよい。

121

第 5 章 主ポンプの設計

5.3.2 流入による損失水頭

(1) 一般(開水路)の場合

g

Vfh ii

2=

2

2・ ................................................................ (5.3)

ここに、 hi :流入損失水頭(m)

V2 :流入後の断面の流速(m/s)

fi :流入損失係数(表-12.9による)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

(2) ベルマウスの場合

g

V'fh ii2

=2

2・ ............................................................... (5.4)

ここに、 hi :流入損失水頭(m)

V2 :流入後の断面の流速(m/s)

fi' :流入損失係数(鋼板製 0.3、鋳鉄製 0.15)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

(3) フート弁の場合(フート弁を採用する場合、ベルマウスの損失を計上しない)

g

V''fh ii2

=2

2・ ................................................................ (5.5)

ここに、 hi 流入損失水頭(m)

V2 流入後の断面の流速(m/s)

fi'' 流入損失係数(表-5.6参照)

g 重力の加速度(9.8m/s2)

表-5.6 フート弁損失係数(ストレーナ付きの場合)

口 径 φ (mm) 40~300 350 400 450 500

損 失 係 数 fi'' 2.5 2.2 1.9 1.6 1.3

(4) セミクローズ形吸込水槽の場合

hi=0.1m(規定吐出し量において) .......................................... (5.6)

ここに、hi:セミクローズ形吸込水槽損失水頭(m)

WL

吸込水槽損失の範囲

122

技 術 書・ポ ン プ 場

5.3.3 流出による損失水頭

g

Vfh

2=

2

00 ・ .................................................................. (5.7)

ここに、 h0 : 流出損失水頭(m)

V : 流出前の断面の流速(m/s)

f0 : 流出損失係数

g : 重力の加速度(9.8 m/s2)

流出損失係数は、吐出し水槽及び大気放流の場合は、一般に f0=1 としてよい。

なお、吐出し管出口における速度水頭は全部損失となるから、低揚程ポンプの場合には、この損

失を少なくするため、管端部分を広げることが望ましい。

5.3.4 断面変化による損失水頭

(1) 急拡(ボルダ Borda の式)

hse=g

V

2

2

1 ・

22

2

1 1

D

D - = f se・

g

V

2

2

1 ......................................... (5.8)

ここに、 hse :急拡損失水頭(m) A2 : 急拡後の管断面積(m2)

V1 :急拡前の流速(m/s) A1 : 急拡前の管断面積(m2)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

fse :急拡損失係数 (1-A1/A2)2 =(1-(D1/D2)

2)2

fseの計算値は、表-5.7による。

ただし、摩擦損失水頭を含まない。

V1 D1 D2 V2

急 拡

表-5.7 急拡損失係数 fse

D1/D2 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 (1.0)

fse 0.98 0.92 0.82 0.70 0.56 0.41 0.26 0.13 0.04 (0)

123

第 5 章 主ポンプの設計

(2) 漸拡(ギブソン Gibson の式)

221

2・=

g

VVfh gege

- .......................................................... (5.9)

ここに、 hge :漸拡による損失水頭(m)

fge :漸拡損失係数(≒0.011 1.22、 =7.5~35°の場合)

V1 :漸拡前の流速(m/s) : 漸拡角( °)

V2 :漸拡後の流速(m/s) g : 重力の加速度(9.8m/s2)

fge の大きさは、漸拡角の の大きさによって定まる係数で、一般に が 8~10°を超すと流線

が周囲の管壁から離れて渦を生ずるようになる。このような場合は、fge の値が急に増大するので、

を 8°以下に抑えるのが望ましい。

ただし、摩擦損失水頭を含まない。

注) D1、D2 は漸拡前後の管径(直近下位を取る)

図-5.5 漸拡損失係数 fge

124

技 術 書・ポ ン プ 場

(3) 急縮(ワイズバッハ Weisbach の係数)

hsc= f sc・g

V

2

2

2 ............................................................. (5.10)

ここに、 hsc :急縮による損失水頭(m ) fsc : 急縮損失係数(表-5.8による)

V2 :急縮後の流速(m/s ) g : 重力の加速度(9.8m/s2 )

ただし、hscには摩擦損失水頭を含まない。

V1 D1

D2 V2

急 縮

表-5.8 急縮損失係数 fsc

D2/D1 0.1 以下 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 (1.0)

fsc 0.50 0.49 0.49 0.46 0.43 0.38 0.29 0.18 0.07 (0)

(4) 漸縮(ガルデル Gardel の係数)

hgc= f gc・g

V

2

22 ............................................................. (5.11)

ここに、 hgc :漸縮による損失水頭(m) fgc : 漸縮損失係数(図-5.6 による)

V2 :漸縮後の流速(m/s) g : 重力の加速度(9.8m/s2)

ただし、hgcには摩擦損失水頭を含まない。

θ

注) A1、A2は漸縮前後の管断面積(直近下位を取る)

図-5.6 漸縮損失係数 fgc

125

第 5 章 主ポンプの設計

5.3.5 湾曲及び屈折による損失水頭

(1) 湾曲

hb= f b・g

V

2

2 .............................................. (5.12)

ここに、hb:湾曲による損失水頭(m)

V :管内流速(m/s)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

fb :湾曲の曲率半径の比(R/D)と偏角( )によって定まる損失係数

fbの値は、図-5.7(a)、(b)による。ただし、摩擦損失を含まない。

① R/D≧2の場合

(バジールスキ Wasielewski の簡略式)

bf

1=

α

π90・

180

・+

πα

D

Rlog e ............................................. (5.13)

ここに、=偏角( °)

f b

R D

図-5.7(a) 湾曲損失係数 fb(R/D≧2の場合)

D

1

126

技 術 書・ポ ン プ 場

② 0.5<R/D<2の場合

(ワイズバッハ・フューラ Weisbach・Fuller の式)

fb=

3.5

2 70.131+1.84

R

D・

0.5

90

.................................. (5.14)

ここに、=偏角( °)

図-5.7(a)、(b)において、該当する R/D の値が曲線上にない場合は直近下位の数値を採用する。

管水路の湾曲による損失水頭をできる限り小さくするために、図表の R/D を 4 程度以上にする

ことが望ましいが、ポンプ場内においては、主ポンプの配置により R/D が小さくなることもやむを

得ない。

R/D が 2未満の場合には、ワイズバッハ・フューラ(Weisbach・Fuller)の式を採用する。

偏 角(α)

湾曲

損失

係数(

f b)

図-5.7(b) 湾曲損失係数 fb(0.5<R/D<2の場合)

127

第 5 章 主ポンプの設計

(2) 屈折

hbe= f be・g

V

2

2 ............................................................. (5.15)

ここに、 hbe :屈折による損失水頭(m)

V :管内流速(m/s)

fbe :レイノルズ数(Re)と偏角( )によって定まる損失係数

g :重力の加速度(9.8m/s2)

fbeの値は、図-5.8による。ただし、摩擦損失を含まない。

図-5.8 屈折損失係数 fbe

1.2

1.1

1.0

0.9

0.8

0.7

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0.0

Re=2.5×105

湾曲損失係数(

f b)

偏 角() 10° 20° 30° 40° 50° 60° 70° 70° 90°

128

技 術 書・ポ ン プ 場

(3) 多節屈折(エルボ)(「技術資料 管路・ダクトの流体抵抗」(日本機械学会))

g

Vfh rb

2・=

2 ............................................................... (5.16)

ここに、hb :屈折による損失水頭(m)

V :管内流速(m/s)

fr :管径角度によって定まる損失係数

(管壁が粗い場合の係数)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

ただし、摩擦損失を含まない。

多節屈折管

表-5.9 多節屈折損失係数

多節屈折角度 () 22 30 20 45 22 30

屈 折 回 数 n 2 2 3 2 4 3

合計屈折角度 () 45 60 60 90 90 90

短直管/管内径 /D 1.17 1.23 1.06 1.42 2.37 1.63

損 失 係 数 fr 0.284 0.268 0.236 0.377 0.264 0.266

なお、90°連続エルボの損失係数について、つぎの実験式がある。

Re・( /D)1/2≦105では;

Re・( /D)1/2≧105では;

ここに、fr :損失係数(管壁が滑らかな場合)

Re :レイノルズ数

:短直管の長さ(m)

D :管内径(m)

R :連続エルボの中心線が形成する

正多角形の内接円の半径(m)

: =180°/(2n)

n :継目の総数

1 2 1 2

fr=38.70Re-0.394・0.303

2

θ

D

Rtan・ ...................................... (5.17)

fr=0.476Re・0.5

2

θ

D

Rtan・ .............................................. (5.18)

90 連続エルボ

129

第 5 章 主ポンプの設計

5.3.6 分流による損失水頭

直角分流による損失水頭は、ガルデル(Gardel)の式により求める。

H-H=f・g

Vα2

2

.......................................................... (5.19)

H-H=f・g

Vα2

2

........................................................... (5.20)

ここに、H:管 の全水頭(m)

H:管 の全水頭(m)

H :管 の全水頭(m)

f :管 への分流損失係数

f :管 への分流損失係数

V:分流前の管 の流速(m/s)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

ただし、摩擦損失を含まない。

損失係数 f 及び f は、式(5.21)、(5.22)により算定する。

ここに、 :本管と支管との交角( °)

:支管と本管との断面積比(A /A )

:支管と本管との接続部の面取り半径 r と本管口径 D との比(r/D)

q:支管と本管との流量比(Q /Q )。ただし、q>0とする。

一般に、パイプラインの分岐は T 字管を用いた直角分流であるので、=90°、=0.05 とすれ

ば、f 及び f は表-5.10並びに表-5.11、図-5.9となる。

=90°、=0.05

分 流

D

A

V

V

d

A

Q

Q

r

VQ

0.91-・

0.4-0.1+0.3

21.3・+1-0.95=

2

22

-θ

qq f βββ cot

0.03+0.26-0.58=2

ββγ qqf ............................................ (5.22)

2

・1

1+・1-・0.4+θ

βqβq cot

....................................... (5.21)

130

技 術 書・ポ ン プ 場

表-5.10 f の値( =90°、 =0.05)

q 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

f 0.03 0.01 0.001 0.004 0.019 0.045 0.083 0.132 0.193 0.266 0.350

表-5.11 f の値( =90°、 =0.05)

q 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

0.1 0.95 1.31 1.90 2.70 3.74 4.99 6.47 8.17 10.1 12.2 14.6

0.2 0.95 1.04 1.22 1.49 1.84 2.28 2.81 3.42 4.12 4.91 5.78

0.4 0.95 0.918 0.920 0.959 1.03 1.14 1.28 1.46 1.67 1.93 2.21

0.6 0.95 0.880 0.837 0.821 0.829 0.866 0.928 1.02 1.13 1.28 1.44

0.8 0.95 0.863 0.798 0.759 0.744 0.753 0.786 0.844 0.925 1.03 1.16

1.0 0.95 0.852 0.778 0.728 0.701 0.698 0.718 0.764 0.832 0.925 1.04

注)支管と本管との面取半径(r)は管種によっては設けないものもあるが、一般に分流損失水頭は他の損失に比して小さいので、

すべての管種に=0.05 を用いて計算してよい。ただし、無視し得ない場合には別途計算による。

図-5.9 直角分流の損失係数( =90°、=0.05)

131

第 5 章 主ポンプの設計

5.3.7 合流による損失水頭

合流による損失水頭は、ガルデル(Gardel)の式により求める。

g

VfHH γαγα2

・=-2

........................................................... (5.23)

g

VfHH γβγβ2

・=-2

.......................................................... (5.24)

ただし、摩擦損失を含まない。

上式中の係数値は、

+0.031.94-・-0.62-1・1.622.59+・-=2 q

θρqf ββα φ-φ

φ-

cos ............ (5.25)

φ-

φφ-

φ

1

φ

2.92-・0.92+・1+ 

・1-1-+0.8-1・1.2-・-=2

2

ββ

ββ

q q

θ

θ ρqf

coscos

ここに、V :管 の平均流速(合流後の流速)(m/s)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

f : 管の合流損失係数

f : 管の合流損失係数

:本管と支管との交角( °)

:本管と支管との断面積比 (A /A )

:支管と本管との接続部面取り半径 r と本管 D との比 r/D

q:支管と本管との流量比 (-Q /Q )。ただし、q <0とする。

合 流

r

Q

Q QD

.................................... (5.26)

132

技 術 書・ポ ン プ 場

5.3.8 T 字形分流(90°、90°)、合流(180°、90°)による損失水頭

(「技術資料 管路・ダクトの流体抵抗」(日本機械学会))

(1) T 字形分流 (90°、90°)による損失水頭捕

g

Vfh

2・=

21

1313 ............................................................. (5.27)

ここに、 h13 :T 字形分流による損失水頭(m)

f13 :T 字形分流の損失係数(図-5.10による)

V1 :分流前の平均流速(m/s)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

ただし、摩擦損失を含まない。

(2) T 字形合流(180°、90°)による損失水頭

g

Vfh

2・=

23

1313 ............................................................. (5.28)

ここに、 h13 : T 字形合流による損失水水頭(m)

f13 : T 字形合流の損失係数(図-5.11による)

V3 : 合流後の平均流速(m/s)

g : 重力の加速度(9.8m/s2)

ただし、摩擦損失を含まない。

図-5.10 T 字形分流(90°;90°)の場合の損失係数 図-5.11 T 字形合流(180°;90°)の場合の損失係数

注)m:面積比、Re:レイノルズ数

(右目盛り)

1.0

1.5

0.5

0

V

V

r r

V

T 字形分流

(90°、90°)

VV

r r

VT 字形合流

(180°、90°)

133

第 5 章 主ポンプの設計

5.3.9 弁による損失水頭

hν= fν・g

V

2

2 ............................................................. (5.29)

ここに、hν:弁による損失水頭(m) V:管内流速(m/s)

fν:弁の損失係数 g:重力の加速度(9.8m/s2)

弁の損失係数 fνの値は、表-5.12によるが、特別仕様の弁については特性を調査して決定する。

表-5.12 各 種 弁 の 損 失 係 数

種類

口径

(mm)

逆 止 め 弁

フラップ弁 仕 切 弁 バタフライ弁 スィング式

(自閉式)

スィング式

(急閉式)

リフト式

(スプリング式)

50 1.39 1.37 8.12 0.175

65 1.37 1.35 7.86 0.172

80 1.35 1.33 7.65 0.170

100 1.32 1.30 7.32 0.164

125 1.29 1.28 6.98 0.155

150 1.27 1.25 6.63 0.145

200 1.21 1.20 5.95 0.103

250 1.16 1.15 5.27 0.047

300 1.11 1.10 4.58 0.000 1.00

350 1.05 1.05 3.90 0.75

400 1.00 1.00 0.60

450 0.99 0.95 1.05 0.54

500 0.98 0.90 1.02 0.50

600 0.96 0.80 0.99 0.44

700 0.94 0.70 0.96 0.39

800 0.92 0.60 0.92 0.36

900 0.90 0.50 0.89 0.33

1,000 0.88 0.40 0.85 0.30

1,200 0.78 0.26

1,350 0.73 0.24

1,500 0.68 0.22

1,650 0.62 0.20

1,800 0.57 0.20

2,000 0.50 0.20

角形 以上 1800×2600

0.50

注 1) スィング式(自閉式)は、口径 400mm までが1枚弁、450mm 以上は 2 枚弁の参考値である。

2) 口径 2,000mm を超えるバタフライ弁の損失係数は、それぞれ 2,000mm と同じ値とする。

3) スィング式(急閉式)は、カウンターウェイト及びスプリングを使用しない弁座傾斜式の損失係数の参考値を示す。

134

技 術 書・ポ ン プ 場

5.3.10 管内クーラによる損失水頭

g

Vfh cc

2・=

2 ................................................................ (5.30)

ここに、hc :管内クーラによる損失水頭(m)

fc :管内クーラの損失係数(表-5.13参照)

V :管内流速(m/s)

g :重力の加速度(9.8m/s2)

ただし、摩擦損失を含まない。

表-5.13 管内クーラの損失係数 fc

口径(mm) fc 口径(mm) fc 口径

(mm) fc

350 0.63 900 0.42 2,000 以上 0.35

400 0.60 1,000 0.39

450 0.58 1,200 0.36

500 0.55 1,350 0.35

600 0.52 1,500 0.35

700 0.47 1,650 0.35

800 0.44 1,800 0.35

135

第 5 章 主ポンプの設計

5.4 主ポンプ形式の決定

5.4.1 主ポンプの分類

表-5.14は、主ポンプの形式と吐出し量及び比速度の関係についてまとめたものである。低揚程ポ

ンプについては主ポンプ形式によって吐出し管形式との組合せが異なり、この組合せの詳細につい

ては、表-5.15(a)、(b)に示すとおりである。

表-5.14 主ポンプ形式と吐出し量及び比速度の関係

注1) 標準比速度:軸流ポンプNs=1,500・斜流ポンプNs=900

高比速度 :軸流ポンプNs=2,000・斜流ポンプNs=1,300である。

2) 高流速は主ポンプ吐出し口径部の流速を4m/s程度まで高流速化させた主ポンプである。

3) 水中モータポンプについては、「5.4.4.4 水中モータポンプ」を参照のこと。

4) 地下ダムなどでは、深井戸用水中ポンプが使用されている事例がある。

5) 吐出し量600超~1,800m3/min以下の立軸軸流・斜流形の高比速度ポンプ・高流速クローズピット形吸込水槽の場合

は、「高Ns・高流速ポンプ設備 計画設計技術指針」を参照する。

(1) 低揚程ポンプの形式

低揚程ポンプの形式は、主ポンプの比速度及び吐出し口径部の流速で表すものとし、ポンプ設備

やポンプ室の計画・設計に必要な諸元決定のための基本となるものである。

主ポンプ吐出し口径部の流速と比速度の組合せを示す記号として、Ⅰ型、Ⅱ型及びⅢ型ポンプ(Ⅲ

型ポンプは立軸ポンプのみ、以下同じ)の三種類を定める。表-5.15(a)、(b)に、低揚程ポンプの型

式Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型ポンプと吐出し管形式タイプ 1、2、3の組合せについての概要を示す。基本的

にⅠ型は設計点吐出し量における主ポンプ吐出し口径部の流速が 3m/s 程度で、標準的な比速度を

採用した主ポンプ全般をいい、Ⅱ型は主ポンプ吐出し口径部の流速を 4m/s 程度まで高流速化させ、

さらに主ポンプの比速度を高比速度化することによりⅠ型の口径部寸法より小口径化した主ポン

プをいう。

また、立軸ポンプにおいては、主ポンプ吐出し口径部の流速を 4m/s 程度まで高流速化させ、キ

ャビテーションや主ポンプ効率等の検討結果から標準的な比速度を採用した主ポンプをⅢ型という。

136

技 術 書・ポ ン プ 場

なお、横軸ポンプはインペラの位置が水面より上にあるため、高比速度化のⅡ型で検討を行うと、

有害なキャビテーションが発生しやすくなる傾向にあるので、標準的な比速度を採用した横軸ポン

プⅠ型に 1 ランク小さい吐出し管を接続し、吐出し管の流速を 4m/s 程度まで高流速化させた吐出

し管形式タイプ 3を検討できるようにしている。

Ⅲ型ポンプは、立軸ポンプの場合、揚水管部で口径の調節を行い高流速化を図れるのに対し、横

軸ポンプの場合は構造上調節が不可能である。よって、横軸ポンプは、Ⅲ型を設けず、吐出し管形

式タイプ 3とし、この場合の主ポンプはⅠ型ポンプを採用する。

横軸ポンプ及び立軸ポンプのⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型ポンプ並びに吐出し管形式タイプ 1、2、3の採用

に当たっては、ポンプ設備の設備費用及び、運転時間などから算出される運転経費等の総合的経済

性の検討を行う必要がある。

また、渦巻ポンプは比速度の範囲が幅広いと同時に、比速度を特定できないことから、主ポンプ

型式(Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型)を規定しない。

図-5.12 低揚程横軸ポンプの配管方法

注 1) 吐出し管形式タイプ 1 及びタイプ 2 は、主

ポンプの吐出し口径に同じ管径の吐出し管を

接続する。 2) 吐出し管形式タイプ 3 は、片落ち管+主ポ

ンプより 1 ランク小さい管径(Ⅱ型ポンプの

吐出し口径に同じ)の吐出し管を接続する。 c.吐出し管形式タイプ 3(Ⅰ型ポンプ)

Ⅰ型ポンプ 吐出し管 Ⅱ型ポンプ 吐出し管

a.吐出し管形式タイプ 1(Ⅰ型ポンプ)

主ポンプ

b.吐出し管形式タイプ 2(Ⅱ型ポンプ)

吐出し管

(片落管)

Ⅰ型ポンプ 吐出し管

WL

WL

WLWL

WL WL

主ポンプ

主ポンプ

137

第 5 章 主ポンプの設計

主ポンプ

吐出し管(片落管)

主ポンプ主ポンプ

表-5.15(a) 横軸ポンプの型式と吐出し管形式の組合せ

注)総合的な経済評価の検討を行うとき、その場合の主ポンプ効率は表-6.14~表-6.15の機種ごとの効率表及び注記を参照のこと。

吐出し管 形式

項 目 タイプ 1 タイプ 2 タイプ 3

吸込・吐出し

管略図

(吐出し管は、片落ち管+Ⅱ型と同

じもの。)

主ポンプの 型 式

Ⅰ 型 Ⅱ 型 Ⅰ 型

主ポンプの 比速度

標準比速度 軸流 Ns=1,500 斜流 Ns=900

高比速度 軸流 Ns=2,000 斜流 Ns=1,300

標準比速度 軸流 Ns=1,500 斜流 Ns=900

主ポンプの 吸込性能

回転速度が遅いので吸込性

能に優れている。

回転速度が早いので吸込性

能が劣っている。

回転速度が遅いので吸込性能

に優れている。 (タイプ1と同じである。)

主ポンプの 全揚程

配管の損失水頭が小さいた

め、全揚程は低い。

配管の損失水頭が大きいた

め、タイプ1より大きく、タイプ

3とほぼ同じである。

配管の損失水頭が大きいた

め、タイプ1よりは大きく、タイ

プ2とほぼ同じである。

主ポンプの 効 率

高い。 (Ⅰ型ポンプはⅡ型より高い)

低い。 (Ⅱ型ポンプはⅠ型より低い)

高い。 (Ⅰ型ポンプはⅡ型より高い)

吸込管流速 設計点における 大流速は 3m/s 程度である。(すべてのタイプとも吸込管径は同じである。)

吐出し管及び 吐出し弁流速

設計点における流速は3m/s程度を目安とする。

設計点における流速は4m/s程度を目安とする。

設計点における流速は4m/s程度を目安とする。

フラップ弁 流 速

設計点における流速は2m/s程度を目安とする。

設計点における流速は3m/s程度を目安とする。

設計点における流速は3m/s程度を目安とする。

配管の 損失水頭

吸込・吐出し管内流速が遅い

ため、小さい。

吐出し管内流速が速いため、

タイプ1より大きく、タイプ3と

ほぼ同じである。

吐出し管内流速が速いため、

タイプ1より大きく、タイプ2と

ほぼ同じである。

主原動機の 出 力

全揚程が小さく、主ポンプ効

率が高いため原動機出力は小

さい。

全揚程が大きく、主ポンプ効

率が低いため、タイプ1より大

きく、タイプ3とほぼ同じであ

る。

中間である。 (全揚程はタイプ2にほぼ同じ

であり、主ポンプ効率はタイプ

1に同じである)

主ポンプの 質 量

重い。 (Ⅱ型ポンプより重い)

軽い。 (Ⅰ型ポンプより軽い)

重い。 (Ⅱ型ポンプより重い)

吸込・吐出し管

及び弁の質量 吐出し管及び弁口径が、タイ

プ2、3より大きいため重い。 タイプ1より軽く、タイプ3と

ほぼ同じである。 タイプ1より軽く、タイプ2と

ほぼ同じである。

138

技 術 書・ポ ン プ 場

表-5.15(b) 立軸ポンプの型式と吐出し管形式の組合せ

注) 総合的な経済評価の検討を行うとき、その場合の主ポンプ効率は表-6.16~表-6.17の機種ごとの効率表及び注記を参照のこと。

吐出し管 形式

項 目 タイプ 1 タイプ 2 タイプ 3

吸込・吐出

し管略図

主ポンプの 型 式

Ⅰ 型 Ⅱ 型 Ⅲ 型

主ポンプの 比速度

標準比速度 軸流 Ns=1,500 斜流 Ns=900

高比速度 軸流 Ns=2,000 斜流 Ns=1,300

標準比速度 軸流 Ns=1,500 斜流 Ns=900

主ポンプの 吸込性能

回転速度が遅いので吸込性

能に優れている。 回転速度が速いので吸込性

能に劣っている。 Ⅰ型ポンプと同じである。

主ポンプの 全揚程

吐出し管の損失水頭が も

小さいため、全揚程は低い。

吐出し管の損失水頭が大き

いため、全揚程はタイプ1より

高く、タイプ3とほぼ同じであ

る。

タイプ2とほぼ同じである。

主ポンプの 効 率

高い。 (Ⅱ・Ⅲ型ポンプより高い)

低い。 (Ⅰ・Ⅲ型ポンプより低い)

中間である。 (Ⅰ型ポンプより低く、Ⅱ型ポ

ンプより高い)

吐出し管及

び 吐出し弁流

設計点における流速は3m/s程度を目安とする。

設計点における流速は4m/s程度を目安とする。

設計点における流速は4m/s程度を目安とする。

フラップ弁 流 速

設計点における流速は2m/s程度を目安とする。

設計点における流速は3m/s程度を目安とする。

設計点における流速は3m/s程度を目安とする。

配管の 損失水頭

吐出し管内流速が遅いため、

小さい。 吐出し管内流速が速いため、

大きい。 タイプ2とほぼ同じである。

主原動機の 出 力

全揚程が小さく、主ポンプ効

率が高いため、原動機出力は小

さい。

全揚程が大きく、主ポンプ効

率が低いため、原動機出力は大

きい。

中間である。 (Ⅰ型ポンプより大きく、Ⅱ型

ポンプより小さい)

主ポンプの 質 量

重い。 (Ⅱ・Ⅲ型ポンプより重い)

軽い。 (Ⅰ・Ⅲ型ポンプより軽い)

中間である。 (Ⅰ型ポンプより軽く、Ⅱ型ポ

ンプより重い)

吐出し管及

び弁の質量 吐出し管及び弁口径が、タイ

プ2、3より大きいため重い。 タイプ1より軽く、タイプ3と

ほぼ同じである。 タイプ1より軽く、タイプ2と

ほぼ同じである。

139

第 5 章 主ポンプの設計

(2) 主ポンプの用途による分類

主ポンプにはかんがい用と排水用があり、かんがいポンプは高揚程、排水ポンプは低揚程が多く、

一般的には次のように分類される。

a.高揚程ポンプ(全揚程 9m~300m)

高揚程ポンプは、一般的に吐出し量は小さいが、揚程が高く、主ポンプ形式には渦巻ポンプ及

び斜流ポンプが多く採用されている。主ポンプの吐出し量及び全揚程は、図-5.18(a)、(b)に示す

高揚程渦巻ポンプ適用線図及び図-5.19 に示す高揚程立軸斜流ポンプ適用線図による。また、主

ポンプ寸法図、構造図及び主要部材料については、「5.4.4.3 主ポンプの概略寸法〔参考〕」及び

「5.6 主ポンプの構造と材料」によるものとする。

なお、本技術書で取り扱う高揚程ポンプの形式は、次のとおりである。

① 横軸片吸込単段渦巻ポンプ

② 横軸片吸込多段渦巻ポンプ

③ 横軸両吸込単段渦巻ポンプ

④ 横軸両吸込多段渦巻ポンプ

⑤ 立軸片吸込単段渦巻(斜流)ポンプ

⑥ 立軸斜流ポンプ

b.低揚程ポンプ(全揚程 1.5m~9m)

低揚程ポンプは、一般的に吐出し量が大きいが、揚程が低く、主ポンプ形式には軸流ポンプ、

斜流ポンプ及びチューブラポンプが多く採用されている。主ポンプの吐出し量及び全揚程は、図

-5.20~図-5.23に示す軸流ポンプ、斜流ポンプ適用線図による。また、主ポンプ寸法図、構造図

及び主要部材料については、「5.4.4.3 主ポンプの概略寸法〔参考〕」及び「5.6 主ポンプの構

造と材料」によるものとする。

① 立軸及び横軸軸流ポンプ

② 軸流チューブラポンプ

③ 立軸及び横軸斜流ポンプ

④ 斜流チューブラポンプ

140

技 術 書・ポ ン プ 場

5.4.2 主ポンプ形式の決定手順

主ポンプ形式の決定手順を、図-5.13 及び図-5.14に示す。主ポンプの設置条件、運転・管理の容

易性等も併せて検討し、主ポンプ形式を決定する必要がある。

5.4.2.1 主ポンプ形式の決定手順

(1) 高揚程ポンプ

「第 3章 基本設計」参照

「第 5章 主ポンプの設計」参照

図-5.18(a)、図-5.18(b)及び図-5.19参照

全揚程概定は、概略の損失水頭を実揚程に加算する

「第 5章 主ポンプの設計」参照

「第 5章 主ポンプの設計」、「第 9章 弁類の設計」、

「第 8章 吸込管及び吐出し管の設計」、

「第 12章 吸込水槽及び吐出し水槽の水理設計」、

「第 16章 建屋の設計」参照

「第 5章 主ポンプの設計」参照

「第 5章 主ポンプの設計」参照

「第 5章 主ポンプの設計」参照

「第 6章 主原動機の設計」参照

「6.2 主原動機の回転速度及び出力」参照

図-5.13 高揚程ポンプ形式の決定手順

1 台当たりの設計点吐出し量及び 設計点実揚程の決定

設計点(=計画)全揚程を概定し、 適用線図により主ポンプ形式概定

主ポンプ据付高さの検討

主ポンプ、弁、管の配置

設計点(=計画)全揚程の決定 (各種損失水頭の計算)

主ポンプの据付高さと回転速度の

決定

主原動機回転速度の決定 (減速機等介在の検討)

主原動機出力の決定

主ポンプ及び主原動機の諸元決定

適用線図により主ポンプ形式の決

141

第 5 章 主ポンプの設計

(2) 低揚程ポンプ

主ポンプ設計点 吐出し量の決定

軸形式を横軸に仮定

吐出し管形式タイプ2に仮決

吸込水槽形式の検討

主ポンプ設計点(=計画)全

揚程の仮決定

吸込性能検討

主ポンプ設計点(=計画)全

揚程の仮決定

吐出し管形式タイプ 3で検討

立軸ポンプで検討 吸込性能検討 NO NO

YES YES

「5.4.2.2 主ポンプの形式」参照

「5.4.4 主ポンプの適用線図及び参考寸法」参照

*:表-5.16-参 仮全揚程決定のため

の損失水頭参照

主原動機回転速度の決定 (減速機等介在の検討)

主ポンプ設備費の総合的な

経済性の評価

主原動機の出力仮決定

吐出し管形式タイプ 1、2、 3 の決定 Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型の決定

主ポンプ設計点(=計画)全

揚程の決定

主ポンプ及び主原動機の諸

元決定

「6.2 主原動機の回転速度及び出力」参照

「第 5章 主ポンプの設計」参照

注)吐出し管形式タイプ 2 又は 3 が選定できた

場合でも、タイプ 1 との総合的な経済(建設

費、運転経費等)比較を必ず行うものとする。 したがって、あらかじめタイプ 1 における

吸込性能を検討しておく。

「第 6章 主原動機の設計」参照

注)

図-5.14 低揚程ポンプ形式の決定手順

142

技 術 書・ポ ン プ 場

〔参 考〕主ポンプの仮全揚程決定のための損失水頭

主ポンプの仮全揚程のための損失水頭を概定するために、吐出し管形式による損失水頭と主ポン

プの吸込水路形状の損失水頭を、表-5.16-参に示す。

表-5.16-参 仮全揚程決定のための損失水頭

軸形式

吸込水槽形式

計 画 実 揚 程 に 加 算 す る 仮 損 失 水 頭

吐出し管形式タイプ 1 吐出し管形式タイプ 2 吐出し管形式タイプ 3

吸込側 損失水頭

吐出し側 損失水頭

損失 水頭 合計

吸込側 損失水頭

吐出し側 損失水頭

損失 水頭 合計

吸込側 損失水頭

吐出し側 損失水頭

損失 水頭 合計

横軸 標準流速

オープン形

主ポンプ廻り損失水頭(2.5m)+送水管損失水頭

立軸

主ポンプ廻り損失水頭(1.5m)+送水管損失水頭

横軸

標準流速・高流速オープン形 0.1m 0.5m 0.6m 0.1m 0.9m 1.0m 0.1m 0.9m 1.0m

立軸

標準流速・高流速オープン形 0.5m 0.5m 0.9m 0.9m 0.9m 0.9m

セミクローズ形 0.1m 0.5m 0.6m 0.1m 0.9m 1.0m 0.1m 0.9m 1.0m

注1) 600m3/min 超の主ポンプで、クローズピット形吸込水槽を採用する場合の水路損失水頭は別途検討する。

2) 横軸ポンプの場合、吸込管の点検や交換時に作業性が悪いため、セミクローズ形吸込水槽は採用しないものとする。

・低揚程ポンプ(立軸、横軸)のポンプ範囲と損失水頭

a) 立軸ポンプ

b) 横軸ポンプ

ポンプ範囲 (ポンプ効率範囲)

吐出し側損失水頭

吸込側損失水頭 (吸込配管)

吐出し側損失水頭 ポンプ範囲 (ポンプ効率範囲)

143

第 5 章 主ポンプの設計

5.4.2.2 主ポンプの形式

主ポンプの形式は、軸形式、機種形式、据付形式等の組合せで表され、この組合せの中から用

途、規模、環境面、敷地スペース等の立地条件や全揚程、吸込性能、信頼性、維持管理性及び経済

性等を総合的に評価して適切なものを選定する。

(1) 軸形式

軸形式は主ポンプの軸方向を表したもので、「横軸形」、「立軸形」、「斜軸形」に分けられるが、一

般に「横軸形」、「立軸形」が多い。

軸形式の一般的な比較を、表-5.17に示す

表-5.17 軸 形 式 の 比 較

形式項目 横 軸 立 軸

機 場 面 積 立軸より大きい。 横軸より小さい。

満 水 インペラが吸込水位より上にあるので必要である。

インペラが吸込水位より下にあるので不要である。

吸 込 性 能 インペラが吸込水位より上にあるので立軸形に比べて不利である。

インペラが吸込水位より下にあるので横軸形に比べて有利である。

始 動 性 立軸よりやや複雑である。 横軸より容易である。

内 部 点 検 上部ケーシングを取り外せば点検可能である。

主ポンプ全体を引上げて分解した上で点検する。

ク レ ー ン 容 量 立軸より小さい。 横軸より大きい。

建 屋 高 さ 立軸より低い。 横軸より高い。

設 備 費 立軸より安価である。 横軸より高価である。

(2) 機種形式

主ポンプの軸形式と機種形式は、表-5.18に示す組合せとなる。

表-5.18 軸形式と機種形式

主ポンプの揚程

軸形式 低揚程ポンプ 高揚程ポンプ

横軸ポンプ 軸流形、斜流形、チューブラ形 渦巻形

立軸ポンプ 軸流形、斜流形 斜流形、渦巻形

144

技 術 書・ポ ン プ 場

〔参 考〕

参考 1. 主ポンプ形式選定のための概略全揚程

主ポンプの概略的な全揚程を、表-5.19(a)、(b)-参に示す。

表-5.19(a)-参 低揚程ポンプの概略全揚程

注1) 表の数値は、一般的なポンプ場において、有害なキャビテーションが発生しない設計点(=計画点)全揚程の概略値

を示す。

2) 運転範囲によっては、上表の数値より小さくなる場合がある。

3) 吸込・吐出し管の損失水頭は、表-5.16-参による。

表-5.19(b)-参 高揚程ポンプの概略全揚程

注) 表の数値は、概略の設計点(=計画点)全揚程を示す。

主ポンプ軸形式 横軸ポンプ 立軸ポンプ

吐出し管形式 タイプ 1 タイプ 3 タイプ 2 タイプ 1 タイプ 3 タイプ 2

主ポンプ型式 Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅰ型 Ⅲ型 Ⅱ型

軸流ポンプ 3m 以下 2.5m以下 5m 以下 4m 以下

斜流ポンプ 5m 以下 4m 以下 9m 以下 8m 以下

軸形式

機種形式 横軸ポンプ 立軸ポンプ

斜流ポンプ - 20m以下

渦巻ポンプ 15m以上 15m以上

145

第 5 章 主ポンプの設計

参考 2. 主ポンプの特性

主ポンプの形式における特性を、表-5.20-参に示す。

表-5.20-参 主ポンプの特性比較

形式

項目 渦巻ポンプ 斜流ポンプ 軸流ポンプ 可動羽根軸流・斜流ポンプ

揚水量と揚程 Q-H

Q に対するHの変化

は少なく、締切揚程

は設計点全揚程の

110~140%である。

渦巻ポンプと軸流ポン

プの中間である。

Qに対するHの変化が

大きく、締切揚程は設

計点全揚程の 200~

300%である。

各々の羽根角度における

Q-H 曲線は固定羽根と同

じ。羽根角度の増減に従っ

て任意に水量調節ができ

る。

軸 動 力 Q-L

締切軸動力は、 高

効率点の 40~80%で

漸次増加し、 高効

率点を過ぎると、100

~120%となる。

Q の変化にかかわら

ずほぼ一定である。

締切軸動力は、 高効

率点の 200~250% で漸次低下し、 高効率

点を過ぎてもさらに

低下する。

揚程の変化に応じて羽根

を操作し、水量を増減させ

て、軸動力一定の運転がで

きる。

効 率 Q-

Q の変化に対して効

率の変化は少ない。

渦巻ポンプと軸流ポン

プの中間である。

も急峻な山型の効

率曲線であるので、効

率の低下が大きい。

軸動力一定の羽根操作を

行うことによって、Q-曲線は斜流ポンプと同じ程

度の曲線となる。

選定上の注意

吸込性能が良く、キ

ャビテ-ションは起

こりにくい。締切運

転可能である。また、

Q の運転可能範囲が

広い。

Ⅰ・Ⅲ型は締切運転は

可能であるが、長時間

は避ける。Ⅱ型は締切

運転時の軸動力が大き

くなるため、一般的に

締切運転を行わない。

締切運転は、軸動力が

大きくなるため行わ

ない。キャビテーショ

ンは起こりやすい。

H の運転可能範囲が

狭い。

低揚程大容量ポンプの水

量調節や揚程変化の大き

い排水ポンプに適する。羽

根をねかせて運転できる

ため、締切時の軸動力が小

さくなり、締切運転可能で

ある。

注)可動羽根軸流・斜流ポンプ選定上の注意

・軸流ポンプ、斜流ポンプの標準比速度(Ns)と異なる場合があるため、注意が必要である。

・可動羽根ポンプの採用に伴い、機器荷重が増加するため、注意が必要である。

なお、機器荷重の増加分は+10~20%程度が目安となるが、ポンプの仕様(口径、ポンプ長さ等)や可動羽根の方式、スラ

スト荷重の支持位置等により荷重が異なるため、詳細設計に当たっては確認が必要である。

146

技 術 書・ポ ン プ 場

(3) 据付形式

軸形式と規模により主ポンプ据付状態を表す据付形式が決定されるが、主ポンプを支持するポン

プ場本体の構造により、「一床式」、「二床式」がある。一般に、かんがいポンプに多く採用される横

軸渦巻ポンプ及び排水ポンプに採用される横軸軸流・斜流ポンプは「一床式」が多く、また、排水

ポンプに多く採用される立軸ポンプには、「一床式」及び「二床式」の 2種類がある。

据付形式は、施工性、耐久性、経済性等を総合的に評価して決定するものとする。表-5.21 に、

立軸ポンプの据付形式の比較を示す。

表-5.21 立軸ポンプの据付形式の比較

床形式 項目 一 床 式 二 床 式

適 用 吐 出 し 量

① 325m3/min 以下(Ⅰ・Ⅲ型ポンプ)及

び 400m3/min(Ⅱ型ポンプ)以下に適す

る。 ② 255 超~325m3/min 以下(Ⅰ・Ⅲ型ポ

ンプ)及び 255 超~400m3/min 以下(Ⅱ

型ポンプ)は、ポンプ一床、原動機二床

が適する。この形式を半二床という。

① 325m3/min 超(Ⅰ・Ⅲ型ポンプ)及び

400m3/min 超(Ⅱ型ポンプ)に適する

が、吐出し量の小さい場合にも可能で

ある。土木構造の簡素化のため、

600m3/min 以下まで一床式を採用して

いる事例もある。

土 木 構 造 ① 二床式に比べ単純である。 ① 一床式に比べ複雑である。

保 守 性

① 二床式とほぼ同一、しかし吐出し量が

大きい場合はやや難点がある。減速機や

原動機の点検用にグレーチングなどで

点検床を設置している場合もある。

① 一床式とほぼ同一である。

147

第 5 章 主ポンプの設計

〔参 考〕各主ポンプ形式の据付(例)

主ポンプの据付形式の参考例を、図-5.15-参に示す。

主ポンプ

a.横軸渦巻ポンプ

主ポンプ

主原動機 減速機

b.一床式(半二床式)立軸ポンプ

c.二床式立軸ポンプ

渦流防止板

主原動機 減速機

主ポンプ

d.横軸ポンプ

主ポンプ

e.チューブラポンプ

図-5.15-参 主ポンプの据付例

WL

WL

主ポンプ

減速機

主ポンプ

WL

主原動機

減速機 主ポンプ

WL

主原動機

WL

WL

減速機

主ポンプ

WL

主原動機

渦流防止板

主ポンプ

148

技 術 書・ポ ン プ 場

5.4.3 主ポンプの性能

主ポンプの性能は、要求される吐出し量、全揚程を満足し、かつ運転範囲内で有害なキャビテー

ションを発生しないものでなければならない。

5.4.3.1 主ポンプの特性

主ポンプの特性は、主ポンプ形式によって異なる。渦巻ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプ、可動

羽根軸流ポンプの一般的な特性曲線を、図-5.16(a)、(b)、(c)、(d)に示す。

渦巻ポンプ(NS=300)

図-5.16(a) 主ポンプの特性曲線(100≦ Ns ≦650 のうち、Ns=300 の場合)

(b-1)軸流ポンプ(NS=1,500) (b-2)軸流ポンプ(NS=2,000)

図-5.16(b) 主ポンプの特性曲線

149

第 5 章 主ポンプの設計

(c-1)斜流ポンプ(NS=900) (c-2)斜流ポンプ(NS=1,300)

図-5.16(c) 主ポンプの特性曲線

可動羽根軸流ポンプの軸動力一定特性

図-5.16(d) 主ポンプの特性曲線

Q

q q

H

P

P

150

技 術 書・ポ ン プ 場

可動羽根斜流ポンプの軸動力一定特性

図-5.16(e) 主ポンプの特性曲線

100 吐出し量 Q(%)

全揚程H(%)

100

q0 q1

0

0 100 吐出し量 Q(%)

軸動力P(%)

100軸動力一定

151

第 5 章 主ポンプの設計

5.4.3.2 主ポンプのサイホン形成可否の検討

落水の現象は、吸込水位より高い位置に設置されている吸上げ式の主ポンプ(一般には横軸ポン

プ)において、主ポンプ始動時はもちろん、運転状態でも負圧の状態を保てないとき、すなわち、

サイホン形成ができない場合に起こる。またこの現象は、立軸ポンプの場合にも発生することがあ

る。この現象が起こるとポンプ場としての機能が低下することに加えて、主ポンプや主原動機に支

障をきたすことになるので、ポンプ場の計画段階で配慮することが必要である。

(1) 横軸斜流ポンプ

横軸斜流ポンプにおいては、一般に吐出し弁全閉にて満水を行い、主ポンプ始動後に吐出し弁を

開くが、配管形状によっては主ポンプ内の水が落水し、サイホンが形成されない場合がある。この

ような落水が生じる原因としては、吐出し弁と下流側配管端との距離が比較的短く、かつ、吐出し

弁の開閉速度が速いことがあげられる。このような場合は、吐出し弁開閉速度を遅くしたり、吐出

し弁全開での満水を行うなどの対策が必要である。

吐出し弁全閉で満水を行い、サイホンを形成するには、主ポンプ始動時に、図-5.17(a)に示す HI

(=HS+U)の値を主ポンプ全揚程(H)の 130%以下とする必要がある。主ポンプ始動時に吐出し

弁下流側管路内の空気を水とともに排出できる吐出し流速を確保する必要があり、一般的には HI

を主ポンプ全揚程(H)の 130%以下とすることにより、必要流速が得られる。

したがって、主ポンプ始動時の吐出し弁の条件は、次のとおりである。

HI≦1.3×H の場合:サイホン形成可能→吐出し弁全閉の条件

HI>1.3×H の場合:サイホン形成不可→吐出し弁全開の条件

この条件により、主ポンプ内を満水とするための真空ポンプの容量を決定する必要がある。

なお、負圧部からの空気流入によってもサイホン形成が不可能あるいは崩壊する場合があるので、

空気流入を防止することが必要である。

(2) 立軸ポンプ

立軸軸流・斜流ポンプは、サイホンが形成されないと吐出し量が少ない状態の運転になる。した

がって、サイホン形成の可否を検討する必要がある。一般的に、サイホン形成に必要な流速は、HI

が主ポンプ全揚程(H)の 130%以下の吐出し量(Q1)以上の場合で得られる。

図-5.17(a) 横軸ポンプの主配管図

HH

▽ ▽H

I

始動水位

Q0 0

Q

H

H

LWL

130%

Hs

Q1

設計点

注) U 寸法は、表-5.59参照

152

技 術 書・ポ ン プ 場

HI≦1.3×H の場合:サイホン形成可能

上記の条件を満たさない場合の対策としては、主ポンプ据付床レベルを低くしたり、主ポンプ全

揚程を高くするなどの検討を行う。

始動水位

130%

LWL

H

Qo設計点

H

QQ1

U:表 9.2 参照

UH

s

H1

▽HI

始動水位

0 Q

H

H

LWL

130%

Hs

U

図-5.17(b) 立軸ポンプの主配管図

注) U 寸法は、表-5.59参照

Q0 Q1

設計点

153

第 5 章 主ポンプの設計

5.4.4 主ポンプの適用線図及び参考寸法

5.4.4.1 主ポンプの適用線図

設計点における吐出し量と、全揚程から主ポンプ適用線図により主ポンプ形式を決定することが

できるが、使用条件や配置条件によっては、さらに詳細な比速度等の検討を行うことにより、より

条件に合致した主ポンプ形式等を選定できる。適用線図において、計画点(設計点吐出し量又は計

画吐出し量と設計点全揚程又は計画全揚程の交点)が主ポンプ区分線上に設定された場合は下位の

主ポンプを選定する。また、適用線図は低揚程領域(軸流:2.5m 以下、斜流:3.2m 以下)では揚

程が低くなるほど主ポンプ吐出し量が減少していく傾向にある。したがって、主ポンプ吸込水槽寸

法、主ポンプ荷重、主ポンプ効率、ポンプ場寸法など吐出し量(流量範囲)を基準とした選定表を

使用する場合には、ポンプ適用線図において流量範囲を確認の上使用する。

なお、主ポンプ形式と主な用途を、表-5.22に示す。

表-5.22 主ポンプ形式と主な用途の組合せ

主 ポ ン プ 形 式 主 な 用 途 適 用

軸形式 機 種 形 式

横軸・立軸 渦巻ポンプ(50Hz)

用水(高揚程) 規定しない 渦巻ポンプ(60Hz)

立軸 斜流ポンプ

横軸

軸流ポンプ

排水(低揚程)

吐出し管形式タイプ1、2、3と主ポンプ型式(Ⅰ・Ⅱ型ポンプ)との組合せ 斜流ポンプ

斜流チューブラポンプ

軸流チューブラポンプ

立軸 軸流ポンプ

排水(低揚程) 吐出し管形式タイプ 1、2、3 と主ポンプ型式(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ型ポンプ)との組合せ 斜流ポンプ

注) 吐出し管形式タイプ 1、2、3は表-5.15(a)、(b)を参照のこと。

渦巻ポンプには、斜流羽根を採用した渦巻斜流ポンプを採用しても良い。

(1) 高揚程ポンプ(全揚程 9~300m)

高揚程ポンプの適用線図を、図-5.18(a)、(b)~5.19に示す。

横軸片吸込単段渦巻ポンプ(50Hz) (A ゾーン)

横軸片吸込多段渦巻ポンプ(50Hz) (B、E ゾーン)

横軸両吸込単段渦巻ポンプ(50Hz) (C ゾーン) ···· (図-5.18(a))

立軸片吸込単段渦巻ポンプ(50Hz) (C ゾーン)

横軸両吸込多段渦巻ポンプ(50Hz) (D ゾーン)

横軸片吸込単段渦巻ポンプ(60Hz) (A ゾーン)

横軸片吸込多段渦巻ポンプ(60Hz) (B、E ゾーン)

横軸両吸込単段渦巻ポンプ(60Hz) (C ゾーン) ···· (図-5.18(b))

立軸片吸込単段渦巻ポンプ(60Hz) (C ゾーン)

横軸両吸込多段渦巻ポンプ(60Hz) (D ゾーン)

立軸斜流ポンプ(50Hz、60Hz) ···························· (図-5.19)

154

技 術 書・ポ ン プ 場

注1)

本図は

かんが

い用

とし

て適

用さ

れる

各種

渦巻

ポン

プの

適用

範囲

を示

す。

2)

本図により

選定

され

た主

ポン

プ吸

込口

径は

標準

を示

す。

3)

電動機出力

決定

の詳

細は

、「第

6章

原動

機の

設計

」に

よる

4)

本図におい

て、

設計

点吐

出量

と設

計点

全揚

程の

交点

が境

界線

上に

きた

場合

は下

位の

ものを

選定する

5)

以下の場合

、メ

ーカ

資料

等で

確認

する

もの

とす

る。

・Cゾー

ン(

単段

)と

Dゾ

ーン

(多

段)

との

境界

は、

押込

みの

場合

、Cゾ

ーン

が広

くな

ること

がある。

・A

ゾーン

(単

段)

とB

ゾー

ン(

多段

)と

の境

界線

は、

A ゾ

ーン

が広

くな

るこ

とがある

6)

押込みの場

合は

、本

図で

選定

され

た口

径よ

り小

さく

なる

こと

があ

る。

7)

設計

点吐

出し

量35

m3/

min、

設計

点全

揚程

41

m に

おけ

る主

ポン

プ形

式、

主ポ

ンプ

の吸込

口径は

、次のと

おりと

なる。

主ポ

ンプ

形式

:横

軸両

吸込

単段

渦巻

ポン

プ、

主ポ

ンプ

の吸

込口

径:

500

mm

図-5.18(a) 高揚程渦巻ポンプ適用線図(50H

z)

(m)

(m)

主ポ

ンプ

の吸

込み

口径

(m

m)

吐出

し量

(m

3/

min)

D横

軸両吸込

多段

E横

軸片

吸込

多段

C横軸両

吸込単

立軸片吸

込単段

B横軸片

吸込

多段

A o

r B

A横

軸片

吸込

単段

155

第 5 章 主ポンプの設計

) 適

用条

件は

、図

-5.18(a) の

注1)

~7)

を参

照と

する

図-5.18(b) 高揚程渦巻ポンプ適用線図(60H

z)

(m)

(m)

主ポ

ンプ

の吸

込み

口径

(m

m)

吐出

し量

(m

3/

min)

D横

軸両吸込

多段

E横

軸片

吸込

多段

C横軸両

吸込単

立軸片吸

込単段

B横軸片

吸込

多段

A o

r B

A横

軸片

吸込

単段

156

技 術 書・ポ ン プ 場

注 1) 本図により選定された口径は標準を示す。

2) 本図において、設計点吐出し量と設計点全揚程の交点が境界線上にきた場合は下位のものを選定する。

3) 設計点吐出し量 35m3/min、設計点全揚程 15m における主ポンプの吐出し口径は下記のようになる。

主ポンプの吐出し口径:500mm 図-5.19 高揚程立軸斜流ポンプ適用線図(50・60Hz 兼用)

(2) 低揚程ポンプ(全揚程 1.5~9m)

低揚程ポンプの適用線図を、図-5.20~5.23に示す。

低揚程軸流ポンプ(Ⅰ型ポンプ)適用線図

立軸及び横軸軸流ポンプ

軸流形チューブラポンプ

低揚程軸流ポンプ(Ⅱ・Ⅲ型ポンプ)適用線図

立軸及び横軸軸流ポンプ(Ⅱ型)

立軸軸流ポンプ(Ⅲ型)

軸流形チューブラポンプ

低揚程斜流ポンプ(Ⅰ型ポンプ)適用線図

立軸及び横軸斜流ポンプ

斜流形チューブラポンプ

低揚程斜流ポンプ(Ⅱ・Ⅲ型ポンプ)適用線図

立軸及び横軸斜流ポンプ(Ⅱ型)

立軸斜流ポンプ(Ⅲ型)

斜流形チューブラポンプ

注 1) Ⅲ型ポンプは立軸ポンプに適用する。

2) 軸流・斜流形チューブラポンプのⅡ型ポンプは、主ポンプの寸法は減速機や電動機によって決定されるため、

荷重はⅠ型ポンプと同じである。

········ (図-5.23)

······· (図-5.21)

·············· (図-5.20)

············· (図-5.22)

157

第 5 章 主ポンプの設計

注1)

本図

によ

り選

定さ

れた

主ポ

ンプ

吐出

し口

径は

標準

を示

す。

2)

本図

にお

いて

、設

計点

吐出

し量

と設

計点

全揚

程の

交点

が境

界線

上に

きた

場合は下位

のもの

を選定す

る。

3)

チュ

ーブ

ラポ

ンプ

は吐

出し

量36

m3/

min

超に

適用

する

4)

全揚

程が

2.5

m以

下の

場合

は、「

5.4.4.1〔

参考

〕主

ポン

プ選

定上

の注

意」を

参照の上

、選定

する。

図-5.20 低揚程軸流ポンプ(Ⅰ型ポンプ)適用線図

mm

in

mm

m

158

技 術 書・ポ ン プ 場

注1)

本図

によ

り選

定さ

れた

主ポ

ンプ

吐出

し口

径は

標準

を示

す。

2)

本図

にお

いて

、設

計点

吐出

し量

と設

計点

全揚

程の

交点

が境

界線

上に

きた場

合は下位

のもの

を選定す

る。

3)

Ⅲ型

ポン

プは

立軸

ポン

プに

適用

する

4)

チュ

ーブ

ラポ

ンプ

は吐

出し

量36

m3/

min

超に

適用

する

5)

全揚

程が

2.5m

以下

の場

合は

、「5.4.4.1〔

参考

〕主

ポン

プ選

定上

の注

意」を

参照の上

、選定

する。

図-5.21 低揚程軸流ポンプ(Ⅱ・Ⅲ型

ポンプ)適用線図

mm

in

mm

m

m

159

第 5 章 主ポンプの設計

注1)

本図

によ

り選

定さ

れた

主ポ

ンプ

吐出

し口

径は

標準

を示

す。

2)

本図

にお

いて

、設

計点

吐出

し量

と設

計点

全揚

程の

交点

が境

界線

上に

きた

場合は下位

のもの

を選定す

る。

3)

チュ

ーブ

ラポ

ンプ

は吐

出し

量36

m3/

min

超に

適用

する

4)

全揚

程が

3.2

m以

下の

場合

は、「

5.4.4.1〔

参考

〕主

ポン

プ選

定上

の注

意」

を参照の上

、選定

する。

図-5.22 低揚程斜流ポンプ(Ⅰ型ポンプ)適用線図

mm

in

mm

m

m

160

技 術 書・ポ ン プ 場

mm

in

mm

m

m

206

注1)

本図

によ

り選

定さ

れた

主ポ

ンプ

吐出

し口

径は

標準

を示

す。

2)

本図

にお

いて

、設

計点

吐出

し量

と設

計点

全揚

程の

交点

が境

界線

上に

きた

場合

は下

位の

もの

を選

定す

る。

3)

Ⅲ型

ポン

プは

立軸

ポン

プに

適用

する

4)

チュ

ーブ

ラポ

ンプ

は吐

出し

量36

m3/

min

超に

適用

する

5)

全揚

程が

3.2

m以

下の

場合

は、「

5.4.4.1〔

参考

〕主

ポン

プ選

定上

の注

意」

を参

照の

上、

選定

する

図-5.23

低揚

程斜

流ポ

ンプ

(Ⅱ

・Ⅲ

型ポ

ンプ

)適

用線