29
第98回JCA技術ゼミ 種鶏の減耗対策 於:新潟グランドホテル 2014年4月16日 ㈱日本チャンキー 田中康之

第98回JCA技術ゼミ 種鶏の減耗対策...良好なCV ①10-19週齢の増体遵守 ②(やや時期異なるが) 初期15週齢まで15 確保 事例⑥10.0(生涯)→ 4.5%(28週齢現在)

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

第98回JCA技術ゼミ

種鶏の減耗対策

於:新潟グランドホテル2014年4月16日

㈱日本チャンキー田中康之

減耗率の各要因

育成•餌付け不良

•不均一給餌

•ブドウ球菌症

成鶏•脚弱

•代謝障害

餌付け前日には、温度、湿度が安定していますか?

鶏舎内が暖かいとガス点火時間短く、床温度が不十分ではありませんか?

尿酸沈着は起きていませんか?

水温24℃近くで餌付け出来ていますか?

外気の影響を受けない環境にしていますか?

餌付け初期、発育不良淘汰を出さない管理

餌付け初期、発育不良淘汰を出さない管理

給餌トレーの配置(敷紙除去以降)

・給餌トレーを集中的に配置。・育雛スペースが拡がっても、トレーを集中的に配置することで、飼料摂取のバラツキを防ぐ

・正方形のトレー(樋)配置継続すると、全体のCV改善と、発育不良鶏が出にくくなる

イメージ図

加齢後、育雛スペースが鶏舎前後に拡がっても、トレー位置は、

それに合わせて拡散し過ぎないこと

給餌トレー

確実なグレーディング実施確実なグレーディング実施全ての鶏を体重基準で2-3区分に分けて、

特に小群の発育不良淘汰ゼロをめざしましょう!

育成 均一給餌 ○

発育不良の出やすい不均一給餌 ×

均一配餌で発育不良淘汰を無くしましょう!

一周で止める運転方法では、均一配餌は難しい

このタイミングでは給餌機を止めない事!

1、発症要因

①給餌/給水管理

・不均一給餌 → 栄養不足 → 腱・靭帯発育不全

・給餌/給水スペース不足 → 引っ掻き傷

・配餌が遅い → 走り回る → 脚への余計な負荷

・厳しい制限給餌/給水 → 強いストレス

・給餌方法の変更(敷き紙→樋) → ストレス

・汚染のない清潔な飼料/水

・最初の6週間にしっかりした骨格形成

ブドウ球菌症の脚弱対応

週齢

1、発症要因

②環境管理

・適度な運動が必要

・床管理 → 湿りすぎず、乾きすぎずが良い

・鶏群を興奮させすぎない(音・囲い方など)

→ 傷の元

・換気不良 → 呼吸器官感染?

・POXワクチン接種時に注意

ブドウ球菌症の脚弱対応

2、発症後の対応

・給餌中によく観察し、早期発見

・脚関節が熱を持って腫脹

→抗菌剤投薬(用法・用量遵守)

例、ペニシリン系(アンピシリン、アモキシシリン

など)

・抗菌剤は薬剤感受性試験を行い、最も有効な薬剤を選択

ブドウ球菌症の脚弱対応

減耗率の各要因

育成•餌付け不良

•不均一給餌

•ブドウ球菌症

成鶏•脚弱

•代謝障害

脚弱対策に、育成体重遵守を強調しました~ 第97回技術ゼミ弊社発表より ~

温度、床、光線管理の重要性も強調~ 第97回技術ゼミ弊社発表より ~

現在の生産期♀脚弱発症状況

昨年までは、8月餌付け以降の鶏群に、脚弱発症目立った。

今年は、発症件数と率も大幅に低下。

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月

脚弱%

餌付け月

生産期♀脚弱 鶏群年次推移2011 2012 2013

更新日:14年3月31日

「表の見方」 野外例の育成管理比較

12年(生涯)→13年(3月末現在)餌付け群の脚弱%

0

5

10

15

20

25

30

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28

鶏舎内最低温度(℃)

体重(g)

週齢

野外例 育成♀体重と鶏舎内温度

体重指標 12年体重 12年温度

13年体重 13年温度 12年CV

13年CV

♀体重

♀CV値

鶏舎内最低℃

コメント:餌付け月、育成中の床状態、鶏舎タイプなど

事例① 8.8(生涯)→ 1.0%(27週齢現在)

条件:両群-8月餌付け、床良好/やや塊り程度 WDL鶏舎

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28

鶏舎内最低温度(℃)

体重(g)

週齢

育成♀体重と鶏舎内温度

体重指標 12年体重 12年温度

13年体重 13年温度 12年CV

13年CV

②23週齢以降の急激な増体を避けた体重

③育成中は前年より高く、最低温度約17℃確保

④約10%に抑えたCV値

①9~21週齢間のスムーズな体重曲線

事例② 10.0 (生涯) → 0.5% (29週齢現在)

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28

鶏舎内最低温度(℃)

体重(g)

週齢

育成♀体重と鶏舎内温度

体重指標 12年体重 12年温度

13年体重 13年温度 12年CV

13年CV

条件:両群9月餌付け 開放鶏舎

①10週齢以降、15℃確保

②床の状態は、湿り過ぎから程よい状態へ改善

事例③ 4.0 (生涯) → 0.8% (31週齢現在)

条件:両群8月餌付け 開放鶏舎

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28

鶏舎内最低温度(℃)

体重(g)

週齢

育成♀体重と鶏舎内温度

体重指標 12年体重 12年温度

13年体重 13年温度 12年CV

13年CV

①10週齢以降、約17℃確保へ

事例④ 3.0 (生涯) → 0.0% (31週齢現在)

条件:両群8月餌付け 開放鶏舎

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28

鶏舎内最低温度(℃)

体重(g)

週齢

育成♀体重と鶏舎内温度

体重指標 12年体重 12年温度

13年体重 13年温度 12年CV

13年CV

③育成全期間、良好なCV

①初期~中期のスムーズな体重曲線

②23週齢以降の急激な増体を避けた体重

事例⑤ 1.5 (生涯) → 0.0% (34週齢現在)

条件:12年10月、13年8月餌付け 開放鶏舎

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28

鶏舎内最低温度(℃)

体重(g)

週齢

育成♀体重と鶏舎内温度

体重指標 12年体重 12年温度

13年体重 13年温度 12年CV

13年CV

③5週齢以降、良好なCV

①10-19週齢の増体遵守

②(やや時期異なるが)初期15週齢まで15℃確保

事例⑥ 10.0 (生涯) → 4.5% (28週齢現在)

条件:両群9月餌付け 開放鶏舎

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28

鶏舎内最低温度(℃)

体重(g)

週齢

育成♀体重と鶏舎内温度

体重指標 12年体重 12年温度

13年体重 13年温度 12年CV

13年CV

①前年よりも体重コントロール失敗

②10週齢以降10℃以下で推移は前年よりも低い。

発症鶏群に見られる傾向と対策当6事例以外の発症鶏群ヒアリング含む

育成期に過度な増体と、S字曲線

20週齢以降の急激な増体が、誘発したと思われる例がある

鶏舎内の最低温度が、17℃確保出来ていない

育成期の床乾燥/湿りによるホコリ由来で発症例もある

初期数週間、体重超過としない増量プログラムとする

配雄/移動後は緩やかな増量とする

ビニル囲いなど、最大限の保温とする

適度な床湿りで育成する

【 傾向 】

【 対策 】

開放鶏舎:5時間以上の初回光線UPは避ける

ブラックアウト → 開放鶏舎5月移動の対応例

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

155 169 183 197

最初の光線UP

4時間UPが最大限の対応

最大日照時間に合わせ16時間

2週間おきにUP

・育成期に短すぎる(8-9)時間点灯としない

・最初の光線UPを5時間未満に抑え、その後は2週間毎UPとし、過度の刺激を抑える

光線管理が可能な鶏舎、又は5月以外の鶏群では、最初の光線UPを2時間とする事も選択肢

第97回技術ゼミ弊社発表スライド

代謝障害 脱肛・(ポックリ)対応の取り組み事例-点灯時間

前回(12年9月群)

今回(現在58週齢群)

育成期 11hr 育成期 11hr

22週齢 14hr 移動~2週間 13hr

23週齢 15hr 10日間 14hr

24週齢 16hr 10日間 15hr

25週齢~ 17hr 以降 16hr

急激な点灯アップを避け、緩やかなUPに変更

緩やかな点灯アップ

代謝障害 脱肛・(ポックリ)対応の取り組み事例-♀飼料増量プログラム

産卵%/鶏群 前回 g(12年9月群)

今回 g(現在58週齢群)

5% 135 126

10% 138 128

20% 142 132

30% 146 137

40% 151 142

50% 156 148

60% 162 155

70% 168 162

80% 172 170

5%産卵時の増量を緩やかにし、給餌量を減らした

緩やかな増量

0102030405060708090100110120130140150160170180190

05

101520253035404550556065707580859095

100

22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64

育成、産卵率

(%)

2月導入

代謝障害解決で生存率改善

光線と増量プログラム組み合わせで、生存率が大幅に改善中

0102030405060708090100110120130140150160170180190

05

101520253035404550556065707580859095

100

22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64

育成、産卵率

(%)

2月導入

代謝障害解決で生存率改善

光線と増量プログラム組み合わせで、生存率が大幅に改善中

58週齢現在、対前群+3.2%

35週齢時点、対前群+1.8%

まとめ

ブドウ球菌症1

•均一給餌/給水でストレス軽減と、最適処置へ

生産期♀脚弱2

•引き続き、育成期の体重コントロールと、鶏舎内最低温度の遵守が効果的か

代謝障害3

•緩やかな♀光線/増量プログラムで最小限化へ