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2003年6月27日;岩手大学 東北CAE懇話会 CAE懇話会・ http://www.cae21.org/ 理事長 田中豊喜 CAEを取り囲む現状と将来 CAE懇話会の位置づけ

CAEを取り囲む現状と将来 CAE懇話会の位置づけitsenryaku.cocolog-nifty.com/t3/files/caea.pdf · agenda 1.変化の時代と日米比較 2.製造業におけるit革命

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2003年6月27日;岩手大学

東北CAE懇話会

CAE懇話会・ http://www.cae21.org/理事長 田中豊喜

CAEを取り囲む現状と将来CAE懇話会の位置づけ

AGENDA

1. 変化の時代と日米比較

2. 製造業におけるIT革命3. IT時代のモノつくりとCAE4. ビジネスとは、知識とは 何か?

5. CAE懇話会について

ダーウィンの進化論?

• この世で、生き残るのは

• 力のある生物ではない、

• 賢い生物でもない、

• 変化に適応できる生物である。

• Change before you have to. J.Welch

変化、改革の時代(パラダイム・シフト)• 20世紀から21世紀へ• 工業化社会から知識(情報化)社会へ• LOCALからGLOBAL(ボーダレス)へ

• 環境、エネルギー、食糧、人口、宗教問題• 意識改革、構造改革• 政治、経済、産業、社会

• 産学官、コミュニティーの変革• NPOの役割大「ネクスト・ソサエティ」 ドラッカー

失われた10年

• 日本は IT 後進国(東大・月尾教授)• コンピュター普及率 19位(US/SWED/FIN)• 携帯電話の普及率 26位(FIN/AUST/TAIW)• InterNetの利用者 19位(CAND/SWED/NW)• E Commerceの活用 31位(FIN/ICE/US)• (2000年、人口当たり)

• まさに国難;危機意識の不足

日本の国際競争力

• IMD(Int.Institute for Management Development) スイス

• 2002年 30位/49 (1989~1993:1位)US,FIN,ルク、オランダ、シンガ、デン、スイスの順最下位:企業家精神、大学教育の寄与、開業のし易さ、株主の権利と責任の明確化

Cf. 日本国債の格付A2:チリ、ボスアナ以下

アメリカの活力

• DEFENSE CONVERSION• (ソ連崩壊による軍需から民需へ)• Virtual Reality, Flight Simulator,• 偵察衛星、インターネット、ソフト特許

• 電磁波による認識、GPS など

• インターネットの活用• ここ4,5年 GDP成長の30%はIT• 経営革新してITを活用• 従来のビジネスモデルを解体・再構築

アメリカの活力 その2

• 半導体分野に挙国一致体制• 国防に直結する最重要産業

• 日本に抜かれ、物凄い危機感

• コンピュータ、自動車、通信など

• 他産業への影響力大

• Ex. SEMATECH(産官学連携)• CIS(Center for Integrated• Systems, Stanford Univ.)

アメリカの活力 その3(三井物産戦略研・寺島実郎所長)

• IT:軍事技術のパラダイム変換エシュロン(America’s Spy in the Sky)を、商用にも活用

• De facto Standard化 アングロサクソン主導

• Black Box化 (アメリカのみ White Box)全世界の情報をコントロール

諜報傍受システム、逆探知ナビ

米 : 経営革新を伴うIT戦略事業構造の変革+ IT革命Restructuring、BPR、SCMCPC, Digital Engineering

日本:効率化のToolとしてのIT戦略事業構造は、そのまま経営者の意識不足、対応遅れ

日米の格差(産業界)

学ぶべき、日本の先達(IT活用)

織田信長

• 長篠の合戦

•• 徳川家康

• 関が原の合戦

鉄砲

南蛮甲冑

IT革命の落とし穴

• Real と Virtual との融合が、成否の分かれ目

EX. 流通業(SCM: 物と情報)金融業(マネーゲーム)

ITバブルの崩壊(実体と情報に差異)

製造業(Digital Engineering)

製造業におけるIT革命

デジタル・エンジニアリングの台頭(米国から)

CAD/CAM,CAE,PDMを活用し企画/設計から製造までの一貫した

コンカレント・WEBエンジニアリング

成功例:インクス(山田眞次郎)、

自動車産業

(株) インクス• 1990年創業: 2000年売上45,経常利益4.8億円• 社員 180人(内160人は20代)• 情報工業の創出

IT+MT(Manufacturing Tech.)• 知的産業革命(Virtual Engineering)東京・Technical Center: 3D・CAD金型設計川崎・Solid Reality Center: 光造形,RP蒲田・高速金型センター:金型製造

• 受託(設計・製造)、教育、コンサル、光造形(3D Systems)

ソリッドモデルによる設計

製品モデル

ポート流れ解析

湯流れ・凝固解析

機械加工

型表面

モノつくりにおける3次元CAD/CAM/CAEの流れ

NIKKKEI DIGITAL ENGINEERING 2000.2より トヨタ自動車の例

3次元CADを中心とした製品開発・生産プロセスの効率化システム

NIKKKEI DIGITAL ENGINEERING 2000.2より 米Ford Mortor社の例

デジタルモックアップによる組み付け状態の事前検討

3次元CADモデル

CAEの歴史CAEの歴史

1956年 : Turner、Clough、Martin航空機の翼構造解析

1960年 : 有限要素法 Clough

60年代後半~70年代 : NASTRAN、ANSYS(汎用構造解析)

1980年 : CAE、SDRC社 J.LemonDYNA(衝撃)、FIDAP(流体)

1990年代 : CAD/CAE連携、統合Isight、Optishape(最適化)

ニュートン力学(基礎力学)

有限要素法

流体力学

(応用力学)

構造力学電磁気学

F E Mプリポスト処理

最適化

データベース

CG

知識DB

C A E

アプリケーション

アプリケーション アプリケーション

CAE要素技術の広がり

構造力学 ・・・ 弾性、弾塑性,粘弾性、複合材、ゴム

流体力学 ・・・ 層流、乱流,粘性流,非圧縮性

機械力学 ・・・ 振動工学、機構解析、衝撃解析

電磁気学 ・・・ 電磁現象、磁束、過電流、電磁力応用

熱工学 ・・・ 熱伝導、熱伝達、反応、熱効率

音響工学 ・・・ 音の伝播、音響振動、音圧

その他 ・・・ 原子力工学、建築・土木工学、航空・宇宙工学

化学工学、船舶工学、環境工学、生体工学

CAE(FEM) APPLICATIONS

線形ー非線形問題、 静的ー動的問題、 連成問題

モノつくりとは?

プロダクトやプロセスに、価値を作り込む行為。

性能、品質、低コスト、スピード、サービスが要求される。

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一国の繁栄は、その国の優れた生産技術にかかっている(Made in America・・・MIT産業調査委員会)

モノ創りとCAE

新製品開発

知的財産 Winner takes All

競争優位 Only One

CAEの時代 到来

経営戦略の重点がDeliveryからProductへ

モノつくりに、価値を高める = モノ創り

CAEは、モノ創りのツール (役割)

変化の時代(ピータ・ドラッカー)• 20世紀から21世紀へ

• 工業化社会から知識(情報化)社会へ

• LOCALからGLOBAL(ボーダレス)へ

• 雇用の変化• 知識労働者のニーズ増 ex.CAE技術者• 知識労働者の継続教育が重要

• 企業の変化• 知識が資本:知のレベルが決め手、アウトソーシング

• 新ビジネスモデル: 知の経営 知のM&A• コミュニティ(社会)の変化 NPO存在価値・高

CAE懇話会の概要

CAE懇話会理事長関東CAE懇話会会長(兼務)

田中豊喜

設立の趣旨・経緯• 趣旨:

CAE技術者の交流と技術向上及び社会的位置づけの向上を図るとともに、CAEの両輪としてのユーザー・ベンダー間の新しい関係を構築すること。産・官・学の三位一体

• 経緯:小寺(京大),辰岡(IBM)の発案をもとに、田中(当時・東レ)を会長とし、現・理事(平野(ダイキン工業),森脇(松下電器),三木(菱友技術),西浦(積水化学),仲町(大阪工業大学),前川(大阪産業大学)が集合して企画し、2000年2月17日に発足した。その後、2002年5月にNPO化した。

CAE懇話会(2002年5月発足)

理事長: 田中 副理事長: 小寺

理事:平野、三木、森脇、辰岡、仲町、前川

福森、日比、河原

監事:西浦

関西CAE懇話会

(2000年2月発足)

会長;平野 副会長;三木

幹事;高田、末廣、徳田、藤原、細川、高野、杉本、小村、山内、吉田、長坂

中部CAE懇話会(2002年6月発足)

会長;福森 副会長;日比

幹事;河原、岩田、村田、囲、後藤、長谷川、滝、濱手、宮沢

東北CAE懇話会(2003年6月27日発足)

支部という名称を使わず、地域懇話会として名称を定義

NPO法人

関東CAE懇話会

(2003年6月7日発足)

なぜ懇話会を作ったか(目的・背景)• CAEの技術はどうやって習得するか?

① 知っている人に直接あって教えてもらう(インターネットも使えるけど細部のことは分からないから、会って教えてもらうのが一番)

② ソフト・ハードの情報の一括入手を実現したい。ユーザー会議が儀式化し本当の技術の取得の場所ではない、そんな場所がほしい

③ 学会が行う講義ではなく、実学としてのCAE理論・技術の習得の機会の提供

・ユーザー・ベンダー間の効率のよい情報交換の場兼 営業の場の提供; CAEの有効活用

(新しいユーザー・ベンダーとの関係;車の両輪としての活動)④ 1ライセンスのユーザーでも沢山集まれば大ユーザーと同程度の関係をソフト・ハード会社と構築できる、そのようなユーザーの集団の構成

⑤ ユーザーとソフト・ハード会社の人の情報交換・1対N、N対1の営業・情報受発信の場の提供ユーザーとベンダーはCAEに従事する同じ技術分野における仲間でありどっちがどうと言う差別化はない。 新しい協力関係の構築

・新しいビジネスの創生⑥ 輸入に頼らず国内のソフトの流通とノウハウの提供の新たなビジネスチャンスの創生

CAE懇話会の運営と組織

• すべては理事会が運営し、総会で議決する

• NPOはあくまで目的と責任を持った集団であり、その設立経緯における趣旨・目的・思想を守り継承することで、存続する

• 各地方に支部を置くが、活動を活発にするために、CAE懇話会(**支部)という呼称を使わず、支部のことを「**CAE懇話会」と呼ぶ。

CAE懇話会:交流会の位置づけ

• 設立の目的にあるように、個々に知り合うことにより、技術的な課題の解決方法や各種情報の交換が可能になる。そのための機会として交流会を開催し、参加費のほとんどはそれに費やしている。(当日の講師にも謝礼は払わない;例えノーベル賞受賞者でも)

• 組織の壁を越え、自由闊達な意見交換の中から新たな課題や企画の抽出を行い、CAE従事者の志を高める。

• 営業の場・団体交渉の場である1対N、N対1

CAE懇話会の事業

• 解析塾の開催;社会人になってから本当に勉強したい,また,日頃の疑問を解決するために、月1回7~10ヶ月の半日講習会;集中講義もやっている;受身の講習会ではないので出席者個々のレベル応じた集団個人塾

• 実験とCAEの関係やCAEプレゼンテーションなどの技術講習会と意見交換会

• ビジネスとCAEに関する意見交換・情報交換・レベルアップを目指した講習会

CAE懇話会の事業(続)

• 技術別・分野別分科会 ex.医工学• CAEの啓蒙・宣伝活動;今後、中小企業を対象にCAEの使い方や可能性の宣伝・講習会;継続と問題解決の実現が重要

• 懇話会時に解析コンペや相互教育の実施によるレベル向上

• ネットワークを用いた最新情報の発信およびCAEに関するQ&A;企画中

• 懇話会の開催;懇話会は平日に行う。会社・組織に認めてもらえる活動にしていく

会員になると

• 正会員;会の運営に参画できる;3000円/年• 賛助会員;様々な事業に参加できる2000円/年;解析塾に参加するには会員にならないとだめ

• 会員になると懇話会(どの支部のでも参加可能)に1000円安く参加できる;2回でると元が取れて3回出ると得をする。

• CAE懇話会に出席しての仲間が沢山できる

今 後

解析塾;基礎編・非線形・マルチフィジクス

講師が今の解析塾の講師なら、土曜日に開催;ノートPCを利用してソフトは借用(有償)、場所はできれば固定化したいが?探しています

次回懇話会;教育・技術交流・特定技術分野の内緒話等のパラレルセッションと、面白楽しくかつ参考になる特別講演の実施。

NPO法人 CAE懇話会キーワード:

21世紀、変化、知識、IT、コミュニティー、Open、ホンネ、Boundary-less、自由闊達、共存共栄、面白楽しく、Face to Face、Heart to Heart、仲間つくり、交流、モノ創り、熱き思い(CAEは、天からの贈り物)等

NPO法人 CAE懇話会

http://www.cae21.org/

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