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1
付着と定着
d クラック
鉄筋の
引張り力
d
P
定着
付着
•付着破壊のメカニズム•補強筋の効果•付着の検定
必要付着長さ•構造規定
付着割裂
付着を確保することの意義
付着が健全:(a) のようにひび割れが分散し,部材の破壊は徐々に進行
付着のない梁:では,(b) のように,部材中央に引張破壊が集中し,無筋の梁とほぼ同様な破壊性状を示す。複合効果が得られない。
付着の検討
1)圧縮側コンクリートのせん断応力を鉄筋に伝えること(使用性・修復性の確保)
2)最終的に付着割裂破壊を起こさないこと
(安全性の確保)
荷重を受ける梁
モーメント図
M M+dM
曲げクラックの入った梁
jMT /dxdT
τ
:鉄筋の周長
jdMdT /
j
Q
jdx
dM
dx
dT
11
2
1)せん断応力を鉄筋に伝える
j
Q
jdx
dM
dx
dT
11af
af :許容付着応力度
長 期 短 期
上 端 筋 その他の鉄筋
異形鉄筋
cF15
1かつ
cF
75
29.0 以下
cF10
1かつ
cF
25
135.1 以下
長期に対する
値の 1.5 倍
丸 鋼 cF100
4かつ 0.9 以下 cF
100
6かつ 1.35 以下
[注]1) 上端筋とは曲げ材にあってその鉄筋の下に 300mm 以上のコンクリートが打ち込まれる場合の水平鉄筋をいう.
曲げ付着の検定
143
(145)
183
(145)
263
223
143
63
119
32
(66)
(24)CL
単位 kN・m()内はせん断力 kN
□内は柱軸方向力kN
(23)
(47)
90
11574
153
(41)
(67)
90
189
CL
2323
70 70
曲げ付着の検定曲げ付着の検討 補足説明
2G2
端部
350×750
675 部材有効せい
591 曲げ材の応力中心間距離
上 4-D25
下 2-D25145 Q L 図6(pXXX)から
47 Q E 図7(pXXX)から
192 Q S =Q L + Q E
長期 1.54
短期 2.31
320.0 4-D25(4×80mm)
長期 0.77
短期 1.02
OK < fa
梁 記 号
位 置
例題4から
式(23左)=145*1000/(320*591)=0.77 (長期)
式(230左)=192*1000/(320*591)=1.02 (短期)
表1(pXXX)による
長期せん力断 (kN)
短期せん断力 (kN)
地震時せん断力 (kN)
ψ (mm)
判 定
曲
げ付
着
Q/ψj
(N/mm2)
許容付着応力度(上端)
(N/mm2)
(mm)
(mm)
j (mm)
配 筋
db D
aLL
a fj
Q
ψτ 1 aS
ELa f
j
ψ
τ 1
4-D25付着割裂破壊
付着破壊のメカニズム
•付着 : ①接着、②摩擦、③かみ合い
•異形鉄筋 : ③かみ合いが主
正負繰り返し荷重下の付着応力- すべり曲線
3
破壊形式と補強筋の効果 多段筋の付着割裂破壊
2)付着割裂破壊させない
ld≧ldb+dここで、
ld :付着長さ=付着検定断面から鉄筋端またはフック
開始点までの長さ
付着検定断面①最大曲げモーメントとなる断面
②スパン内で鉄筋を減らす(カットオフ)場合に、その鉄筋(カットオフ筋)が計算上不要となる断面
ldb :必要付着長さ
d :部材有効せい
付加長さd
テンションシフト
斜めせん断ひびわれの発生等により、部材端から45°の領域での引張鉄筋の応力が、部材端と同じ大きさまで増大する現象
必要付着長さ
ldb=
σt:付着検定断面における鉄筋存在応力度
As:検定する鉄筋1本当たりの断面積
ψ:検定する鉄筋1本当たりの周長
fb:割裂用許容付着応力度(2段配筋は0.6倍)
K:鉄筋配置と横補強筋による修正係数
b
st
Kf
A
修正係数K
(長期荷重時)
(短期荷重時)
db:曲げ補強筋径
C:min(鉄筋間の開き、最小かぶり厚さ×3、
5×db)
W:横補強筋の効果を表す係数
(ただし、W≦2.5 db)
4.03.0 bd
CK
4.03.0
bd
WCK
4
横補強筋の効果を表す係数W
Ast:想定される付着割裂面を横切る1組の
横補強筋全断面積
s :1組の横補強筋間隔
N:想定される付着割裂面における主筋本数
Ns
AW st
80
どこで付着割裂の検定をするか
鉄筋が抜け出さないために
モーメントが最大のところ
鉄筋の本数を少なくしたところ
必要長さは抜け出さないことだけでなく、モーメントの大きさによっても決まる
カットオフ筋:モーメント分布 作用するモーメント
水平力作用時のモーメント図
単位 kN・m()内はせん断力 kN
CL
(22)
(47)
89
11573
153
(41)
(67)
89
188
鉛直荷重時のモーメント図
149
(144)
187
(144)
単位 kN・m()内はせん断力 kNCL
257
219
149
61126
30
(69)
(23)
187 220
(55)147(75)
梁のモーメント
鉛直荷重時
水平力作用時
187 219
長期荷重時
187 219
220
短期
33
407
断面算定(1)
梁配筋計算表 コメント
外端 中央
上 -187 -
下 - 219
220 0 図から
上 -407 -
下 33 219
仮定断面
注1)
応力中心間距離 j =(7/8)d
2G2
断 面 j (mm)
b (B )×D (mm)
d (mm)
350×750
675
591
位 置
Y1
長期+水平時
水平荷重時M (kNm)
長期M(kNm)
図から
短期M(kNm)
ラ ー メ ン
梁 記 号
±
5
断面算定(2)
上 1439 - 注2)
下 - 1685
上 1997 -
下 162 1075 a t > 0.004bd 0.004bd =945
上 4-D25 2-D25下 2-D25 4-D25
上 2028 1014
下 1014 2028
上 0.86 0.43
下 0.43 0.86長期 下 - 0.81短期 上 1.32 -
p tb
算定断面
長期 a t
(mm2)
短期 a t
(mm2)
配 筋
設定断面 a t
(mm2)
p t (%)
図による。p t がp tb 以下であることを確
認。 注4)
p t =a t /bd
実際に配置した鉄筋の断面
端部下端、中央部上端の鉄筋は、2本以上とする。注3)
jf
Ma
tt
カットオフ
図 対象建物
8000
4000
4000
手すり
手すり
中央部端部 端部
4
4
42
2 2
付着検定断面
4本必要2本必要
カットオフ長さ・赤線から必要定着長さ・緑線からd以上延長
のうち長いほう
算定例(カットオフ長さ)梁付着計算例 コメント
2G2
端部
350×750
675 部材有効せい
591 曲げ材の応力中心間距離
上 4-D25
下 2-D25
上 2028
下 1014
上 1.2
下 1.5
43 かぶり厚さ50mm、あばら筋10mm、主筋25mm
14 =80・143/200・4
1.09
1675
2350 l db +d
2400
(mm)
(mm)
梁 記 号
位 置
鉄筋 Σa s
(mm2)実際の鉄筋断面積
j (mm)
配 筋 例題4から
短期許容付着
応力度(N/mm2)表1による
K
l db (mm )
必要付着長さ+d
設計値 (mm)
カッ
ト
オ
フ
筋
C (mm )
W (mm )
db D
802.109.1
507345
b
stdb
Kf
Al
4.025
14433.04.03.0
bd
WCK
定着
接合部への鉄筋定着
定着の検定
接合部の定着破壊
6
接合部への鉄筋定着 外柱への定着
投影定着長さは,仕口部材
断面全せいの0.75倍以上
最上階での定着 上部に突出がある場合
定着の検定
la≧lab
la :定着長さ
lab :必要定着長さ
定着長さlaは、仕口面から鉄筋端までの長さ
必要定着長さ
lab=
ft:鉄筋の短期許容応力度
db:鉄筋径
fb:許容付着応力度(その他の鉄筋の値)S:側面かぶり厚さtcによる修正係数
(1~0.6)
b
bt
f
dSf
8
7
付着・定着に関する設計上の注意
①カットオフ鉄筋は,計算よりd以上延長
②引張鉄筋の1/3以上は部材全長に連続
③引張鉄筋の付着長さは300mm以上
④柱梁の出隅部分の鉄筋には末端に必ず標準フック
⑤投影定着長さは、8dbかつ150mm以上
直線定着の場合は300mm以上
⑥梁主筋の柱への投影定着長さは仕口部材断面全せいの0.75倍以上、接合部パネルゾーン側へ曲げる
⑦フック面までの最小側面かぶり厚さの制限
H26 2級建築士試験問題梁主筋の定着長さとして最も不適切な物を選べ
柱梁接合部 柱梁接合部
水平力を受けたときに大きな力を受ける
極めて希に生じる地震時の安全性の検証を行う
柱梁接合部の応力Qc
T+ C
T+ C
Qc
(a)水平力を受けるラーメンのモーメント図 (b)接合部の応力状態 (c)柱のモーメントのイメージ図
(d)圧縮力の流れ (e)引張力と付着力
図22 水平力を受けるラーメンの柱梁接合部に作用するせん断力と柱梁接合部内に生じる力
Qc
Qc
CC
C
C T
T
T
T
C C
C
C
C T
T
T
T
柱梁接合部の応力
Qc
QcTL
TRCL
CR
8
柱梁接合部に作用するせん断力
曲げモーメントで表すと、Qj=MbR/j+MbL/j-Qc=ΣMb/j-Qc
TR=CR =M/jQc
QcTL
TRCL
CR
接合部上部Qj=TR+CL-Qc
柱梁接合部に作用するせん断力
均等なラーメンの場合
LDH
MQ b
c /1
1
/1 j
M
LDH
M
j
MQ
bbbj
LD
HMb
LDM
DL
LM bb /1
1
2/2/
2/
柱せん断力Qcを使うと、 /1 cj QQ
接合部せん断力は
接合部に作用する力と抵抗力
圧縮力 引張り→付着
柱梁接合部の許容せん断力
QAj=κA(fs―0.5)bjD
κA:接合部の形状による係数κA=10(十字形接合部)
κA=7(T形接合部)κA=5(ト形接合部)κA=3(L形接合部)
bj:接合部の有効幅 =bb+ba1+ba2
fs:コンクリートの短期許容せん断応力度
例題
2F梁G2と1F柱C2の、接合部せん断検討
127
(125)160
(125)
CL
223
190
127
52108
26
127
(125)160
417kN(125)
単位
()内はせん断力 kN
長期荷重時
CL
223
190
127
52108
26
(59)
(20)
6.5 m
3.5m
141kN
kN・m地震時
CL
(48)
(93)
158
186114
275
(78)
(132)
158
300
3.5m
短期許容せん断力
接合部せん断検定例 コメント
柱せいD (mm )はり幅 b b (mm )
D/4b1/2b2/2
柱せいの1/4、柱とはりの隙間の半分のうち小さいほう
bj (mm ) b j=b b +b 1/2+b 2/2
Q Aj (kN ) Q Aj=κA(fs ―0.5)bjD
柱記号 1C2
方向 x
短期許容せん断力
550350
137.55050
450
755
接合部形状 ┣形状係数κA 5.0
9
設計用せん断力と設計柱高さH (mm )梁長さL (mm )
はり平均応力中心距離j (mm )
ξ =591/4000/(1-550/8000)柱からのせん断力
Q E (kN )上下の柱の設計用せん断力の平均値(2Fを215kNとする)
Q Dj1 (kN ) =250*(1-0.159)/0.159判定
梁鉄筋(mm2) 4-D25梁M y (kNm) =0.9・2028・345・675
Q Dj1 (kN) =425/0.591×(1-0.159)判定
最小鉄筋比の制限値
補強筋間隔 x =a w /(b ・p w )配筋0.2%
D10@100
OK
設計用せん断力
40008000
591
0.159
605425
250
1323NG
2028
柱梁接合部への定着配筋
接合部配筋
長期荷重時
187 219
短期
33
407
短期