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第三章 SAP 人事・プロジェクト管理 ITライブラリー pdf 100冊) http://itlib1.sakura.ne.jp/ 一般社団法人 情報処理学会 正会員 腰山 信一 [email protected]

第三章 SAP人事・プロジェクト管理itlib1.sakura.ne.jp/test380/pdfichuran/0180/3-jinji.pdf · チェンジマネジメント活動(変革移行管理)です。 18

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第三章

SAP 人事・プロジェクト管理

ITライブラリー (pdf 100冊)http://itlib1.sakura.ne.jp/

一般社団法人

情報処理学会 正会員

腰山 信一

[email protected]

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他の章は下記をクリックして

PDF一覧からお入り下さい。

ITライブラリー (pdf 100冊)http://itlib1.sakura.ne.jp/

目次番号 180番 SAP 基本からSAP HANAまで

全9冊 800ページ

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激動の時代における戦略的人財情報システムとは

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「人事制度改革」、この言葉が聞かれるようになってかなりの年数が経過しました。 しかし、果たしてどれ程の企業が、この「改革」を成功させていると言えますでしょうか?

特にこの5~10 年の間、日本企業は様々な概念と手法を用いながら人事制

度の見直しや改訂を行ってきましたが、結果的に企業業績が好転していないばかりか、社員のモラールダウンを招いたり、コア人材が流出したり、またその一方でリストラが横行したりと、あまりいい話を聞きません。

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「企業再復興」の号令のもと、「いかに人材の能力を高め、成果を上げるか」がテーマであったはずの人事制度改革は、現在の厳しい日本経済を見れば、その効果や定着状況は決して芳しいとは言えないのではないでしょうか?

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ITをフル活用した「人財価値の最大化」の実現に向けて

企業を取り巻く環境が激変している時代にあって、継続的に競争優位を保ち続けるには、新しいビジネスモデルの構築や技術力の強化のみならず、それを支える「人財」という知的資産をいかに活用し、効果的にマネジメントするかが大きな課題の一つだと思います。

組織を構成する「人財」は、新たな付加価値を生み出し続けるという点で、他の経営資源以上に重要な財産だと思います。

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この「人財」価値の最大化を如何に推進して行くかが、企業業績の拡大ならびに企業価値の向上を実現していく鍵だと思います。

よって、人事情報システムの構築において、ERPなりパッケージを導入する前に、人事制度改革において、この「人財」が生み出す付加価値が、どのようなメカニズムで創出されているか、また阻害されているかを入念に分析するところから始めなければならないと思います。

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人事制度改革の方針

新たな人事制度の方針を策定する段階においては、一般的に下記のようなテーマが設定されることが多いです。

しかし、これらのテーマをただ掲げるだけでは何の意味も持ちません。

モチベーションの向上

適材適所の確立

成果主義の実現

能力主義の徹底

公正な人事評価

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これらはあまりに当たり前の抽象的概念であり、このまま制度改革を進めてしまっても、「総論賛成、各論反対」となるのは目に見えていると思います。

では、どんな方針を設定するのが効果的なのでしょうか? 問題となるのは、最終的に導き出された「言葉」の定義ではないと思います。

「今、何が問題で、今後どうすることが望まれるか、その先には何があるか」

を、より現実に即したメッセージとして、社員に納得してもらうのが鍵だと思います。

方向性を導き出す方法としては、経営側と社員側のそれぞれの観点から、組織/個人の双方にとって有益である方向性を、探求してみることが望ましいと思います。

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経営上の課題 方向性 個人の意識

組織業績の向上経営目標の達成

社員の動機付け(モチベーションの向上)

リーダーシップ醸成

後継者育成

適材適所

総人件費抑制

(人件費コントロール)

パフォーマンス・マネジメントの仕組み確立

意欲向上につながる真の成果主義の浸透

納得性の高い評価システム

成果を生み出す能力開発プログラム

能力開発キャリアプラン

/60歳になっても、他社からの引き合いの多い人材の育成。

/自社でしか通用しない人材は作らない!

魅力あるインセンティブプランと報酬体系

個人業績の向上

組織への貢献度

目標達成意欲

(モチベーションの維持)

スキルの向上

国内・海外・他社 どこでも通用するスキルの取得

キャリアパス

自己実現

給与アップ

労働市場価格

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例えば、企業の総人件費を抑制したい場合、「高齢者のリストラ」、「賃金の一律カット」、「賞与月数の削減」等の施策だけでは、一方的に企業側の論理を押しつけているにすぎません。

社員側はモラールダウンするばかりで、その後の業績向上も期待できません。建て前上は「公平性」をうたっていても、そこに潜んでいるメッセージは「一方的」になってしまいます。

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社員側の論点に立てば、「業績の低迷が給与原資に影響を及ぼしている実態」と、「限られた原資を配分するパターン」の説明があれば、あとはより納得感のある方向性を自ら主体的に考えることもできます。

ポイントは、「問題点の共有」 と 「方向性の共有」であり、このことが社員一人ひとりのモチベーションを高め、強力に事業をバックアップする「組織風土」につながって行くと思います。

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人事制度改革の成功ポイント

人事ERPを導入する前に・・・・・・

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企業のミッション、ビジョンと「人材戦略」の方針が合致していますか?

企業にとって理想の人材戦略は、「個人のケイパビリティを高め、かつ高いインセンティブを提供できるような人事マネジメントの仕組みを確立すること」だと思います。

チェックポイント

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人事制度を新たに立案する場合、「業界内の最良事例」、「欧米諸国の先進事例」等、参考にすべき材料はいくつか考えられますが、ここで重要なのは、いかに企業のミッション(普遍的なもの) と ビジョン(将来的なもの)に即した方策を独自で考え抜くことができるか、だと思います。

極論を言えば、企業理念と個々の社員の気持ちがリンク していれば、

どんな 人事制度でも構わないし、だとすれば複雑な人事制度体系など要らず、共有

化されたシンプルな制度があれば十分だと思います。

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組織風土を生かした人事制度が策定されていますか?

人事制度を設計する場合、どんなポリシーを軸とするかは多くの議論を呼ぶ部分です。 職務・職責の大きさをベースとする「職務主義」、能力やスキルの高さを定義する「職能主義」、さらに近年では、高い業績を生み出す行動特性を意味する「コンピテンシー」が取り上げられています。

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時代背景、業界特性、あるいは企業文化の相違等によって、各ポリシーの持つメリット/デメリットが問われ、その都度人事政策を転換する企業が目につきます。

その実態がどんなものであれ、組織風土として定着しているならば、それらを生かす方向で人事制度を策定するのが最善だと思います。

しかし、どのポリシーが適しているかは、個々の企業によって異なるはずです。企業独自のカルチャー(組織文化)は、トップの経営方針や、管理職のリーダーシップスタイル、また人材育成の考え方等に大きく依存します。

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運用・定着を支援する チェンジマネジメント(変革移行管理)が効果的に行われましたか?

人事制度の改革は、その改革内容が重要であるのみならず、改革すること自体に意義がある場合も多いです。

その目的は、人事制度を変えることで社員の意識を高め、組織が新しく生まれ変わるという認識を持たせることにあります。その際に最も重要な鍵を握るのが、チェンジマネジメント活動(変革移行管理)です。

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新しく変えた仕組みや制度を運用し、定着させていく為には、想像以上の努力が必要です。単に「新人事制度概要」の冊子を作成し、全社に広報するだけでうまく行きません。 このチェンジマネジメントは、コミュニケーションプランを基軸としますが、実際の活動は”Plan - Do - See”を繰り返す、まさに人事マネジメントそのものです。

これが効果的に行われなければ、どんなに立派な制度を作り上げても機能せず、活用されるには至らないと思います。

ハード面での制度や仕組みを変えるだけでなく、その運用プロセスや支援体制を

通じて、ソフト面での社員の意識改革がなされ、結果として新たな企業文化が醸成 されていくことが望ましいと思います。

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人事制度は、社員一人ひとりが最大限の力を発揮し、企業に付加価値を与え、経営貢献することをサポートする為の仕組みです。

また一方で、企業は社員の夢や自己成長を支援し、やりがい/生きがいを提供できる ことが理想です。

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このように、両者の関係が Win/Win であり続ける組織を実現することが、企業 経営に携わる者達の目標です。

「今何を変えることが 新たな価値創出につながるか」 という観点から、アイディアをどんどん捻出し、より理想形に近い「独自の」企業モデルを構築支援できる人事情報システムが重要だと思います。

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「成果主義」の考え方が日本に浸透し始めたのは、1990 年代の半ばです。

ちょうど、バブル崩壊後に企業業績が悪化し、コスト削減の嵐の中で真っ先に人件費の圧縮が叫ばれた頃です。

既にこの頃の日本では、年功序列型の賃金は見直されつつあり、「能力主義」あるいは「実力主義」のもと、能力の高い社員に高い給与を支払うべきとする風潮がありました。

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しかし、更にメリハリのある処遇(→業績の高い社員と低い社員に大きく差をつける)を実現することで、結果として全体の人件費を抑制することを狙ったわけです。

「成果主義」という言葉は、このような状況下で必然的に使われ始めたのです。

企業側の論理としては、当然の策といえるかもしれません。このことを背景に、「最終結果としての業績の良し悪しで、給与にもっと格差をつけるべきだ。

いくら能力が高くても、それが使われなければ全く意味がない」という声が、人事の世界において一気に広まりました。

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「成果主義」は、その言葉の定義が各企業によって微妙に異なる中で、人件費削減の為の「表」のスローガンとして 広まっていった感があります。

そして、この「成果主義」を展開していく上で、一般的によく使われる

手段が、「目標管理制度」 です。

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「成果主義を徹底するには、まず個人の目標(成果責任)を明確にし、それがどの程度達成されたかで評価するべきだ」 という論理です。

しかし、実はこの「目標管理制度」 の仕組みや運営方法に問題があり、成果主義がうまく機能していないケースが多いと思います。

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成果主義の落とし穴 事例

■目標として設定した仕事しかしなくなり、地味なルーチンワークがおろそかになる。

■失敗を気にしすぎて、チャレンジングな仕事に取り組もうとしなくなる。

■長期的な業務に取り組もうとせず、短期的に結果の出る仕事を優先するようになる。

■自分の守備範囲を限定し、他人の仕事に協力しなくなる。

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■実際の貢献度の高さよりも、単なる達成度のみで判断してしまう。

■状況や環境の変化による、目標内容の変更や難易度の変化等に対応しづらい。

■目標設定した業務以外に行った仕事の成果を評価しづらい。

制度としての落とし穴

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これらは、いわゆる人事考課の難しさ (人が人を評価する上で、どうしても残る数々の問題点) に起因するものではありません。

なぜならば、これらは全て目標管理制度の導入よって 顕在化したものばかりだからです。

社員から見ると、会社による、ただの「ノルマ管理」 と

受け取られてしまっても不思議でありません。

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これからの「成果主義」とは?

多くの企業が抱えている問題の原因は、それが「成果主義」ではなく「結果主義」に なっている為であると思います。

もちろん、目標管理制度そのものを否定するつもりはありません。

問題は、「何をもって成果と定義するか?」 だと思います。

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本来「成果主義」が意図するのは、「業務の遂行によって生み出された成果を正当に評価し、それを処遇にも反映させることで、個人のモチベーションを高め、更に新たな価値の創出をはかっていくこと」だと思います。

社員一人ひとりが頑張った結果 として、当初の目標以外の、

場合によっては目標以上の成果が生まれているはずです。

「成果」とは、「目標達成度」だけではないはずです。

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また、当初の目標は達成できなくとも、そのプロセス過程で十分評価に値する成果が他に出ていることも多いです。

個人の役割や目標を厳密に定義 してしまうことの弊害 が、

目標管理制度 によって露呈されたと思います。

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企業のミッション/ビジョン 経営戦略 事業計画

業務目標/役割

期待される貢献活動

実際の行動

望ましい 成果

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事業計画から展開された個人目標を追わせるだけでは、本来望まれる価値行動を奨励することは困難だと思います。

本来の「成果主義」の考え方をベースとすれば、個人の業績を評価する際に、

結果として生み出された多くの「成果」を、組織(企業)への貢献度の 観点から評価 することがまず求められると思います。

業務活動を通してOutput された成果を、経営組織上いかにValuable であるかで評価する軸が必要だと思います。

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この場合、絶対的な判断基準(どの程度の貢献内容であれば、どのように評価する、という尺度)を明確に設定しておくのが望ましいと思います。

このように評価制度を設計していくと、最終的な「結果」だけでなく、あらゆる部分に「成果」の種が潜んでいることに気づきます。

また、あらかじめいくつかの貢献度要素を指標として用意しておき、その中から社員が自主的に取り組めるようなガイドラインを(目標としてではなく)設けておく、という手法も考えられと思います。

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あらゆる部分に潜んでいる「成果」の種を表面化及び育てる事ができる

人事情報システムが 今こそ求められていると思います!

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評価対称となる区分

資質・能力 意欲・姿勢 具体的行動 中間成果(プロセス)

最終成果(結果)

成果/Performance

能力評価/スキル評価

熱意評価

コンピテンシー評価/行動アセスメント

プロセス評価/貢献度評価

業績評価/パフォーマンス評価

「中長期的な観点で、会社に利益をもたらすかどうか」が評価のポイント

評価の種類

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米国のTPP離脱問題をはじめ、ますます不透明になった現代、企業が業績を上げる為に、ドラスチックな人材戦略を打ち出すのは当然といえば当然です。

潜在的に埋もれている社員の能力とセンス を、引き出すことが

できる人事情報システムが今こそ必要だと思います。

しかし、それで社員がやる気をなくしてしまっては、どうしようもないと思います。

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今後のビジネスの発展と成長が、一人の社員のわずかな成果から目が出ることもあるとすれば、それを見つけ出すような上司がいるかどうか、それをモニターするような仕組みがあるかどうか、これがまさに運命の分かれ目だと思います。

「真の成果主義」とは、それを促していくポリシーそのものだと思います。

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SAP HR (人事管理)

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御紹介

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HR (人事管理)

HR (人事管理) におけるデータ入カブロセスは、採用から退職までの従業員のライフ・サイクルのすべての局面にわたります。

これらのプロセスには、リクルーティング、トレーニング、転勤、ジョブ・ディスクリプション(仕事内容の変更)、ロール(仕事内での役割、ポジション)、報酬、契約、時間管理、ジョブの変更 等が含まれます。

また、企業の再編成やリストラが頻繁になるにつれて、 M&Aなどで使える給与の一括変更などにも対応しています。

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人材管理

HR (Humen Resources:ヒユーマン・りソース) は、人事管理用のモジュールです。 HCM (Human Capital Management) は、人事資本管理用のモジュール、つまり従業員を資本と考え、資本価値を上げたり増やしたりするための管理をします。

戦略的な従業員開発プロセスとして、採用、キャリア管理、後任管理、企業ラーニング、従業員の勤怠管理、報酬管理といった機能があります。

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後任管理

後継者育成と同意で、企業の中で次のリーダーに使えそうな人材のスキル検索、要求能力とのマッチング機能があります。

単純にお気に入りだからという理由で昇進させようとすると、そのスキルギャップが表面化するかもしれません。

人材管理

異動または従業員のステータス変更など、従業員管理の詳細機能を提供します。

人材管理の情報をほかのSAPビジネスアプリケーション、特に財務会計および ロジスティクスに統合します。

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採用

採用ソリユーション(SAP E-リクルーティング)を提供します。

これにより、企業は潜在能力のある人材をリストアップしておき、必要に応じて採用活動へ繋げることができます。

応募者と人材紹介会社からの候補者が、ネットを通じて自分の (あるいは候補者の) 情報を自ら登録し、更新することが含まれます。

採用担当者には、候補者の検索機能、候補者との通信履歴、レポート機能が提供されます。

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キャリアマネジメント

各従業員は、セルフサービス機能もしくはマネージャと自分の将来像の計画を立てた結果により、自分のキャリアパスと希望情報を管理することができます。

ポジションに求められるスキルと自分とを比較することで、ギャップを判断します。

それを教育計画に直接結び付けることで、必要な資格を目標とすることができます。

構造化されたキャリアパスを導入することで、キャリアアップのガイダンスが行えます。

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企業研修

研修、教育、知識を従業員に提供することで、職務を効果的に行うためのスキルと知識を身につけることができます。

開発計画、個別目標、従業員スキル情報との統合により、ニーズと戦略に合った学習が提案されます。

提供される機能は、情報の配信、eラーニング(自己ペースまたは同期型)、集合研修を構築、提供、記録するほかに、ナレッジトランスファー(仕事の中で得た知識の継承)と共同学習です。

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従業員のパフォーマンスマネジメント

従業員の意識を高めて企業目標を達成したり、従業員評価を標準化したり、成果主義報酬プロセスを簡素化します。

企業全体のコミュニケーションの向上を図り、企業の生産性に寄与することを目指します。

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報酬管理

パフォーマンスベース および コンピテンシーベースの賃金、変動賃金計画、長期インセンティブなどの報酬戦略を管理します。

社内外のデータを使って、報酬制度の比較分析もします。 会社の給与方針に従った、企業の報酬規程のガイドラインを設定できます。

ガイドラインは、企業の規程変更に応じて変更できます。

固定および変動の報酬コンポーネントを 組み合わせて利用することができるので、様々な従業員、部門、ユニットを各種の報酬計画で扱うことができます。

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また、予算作成機能を介して、予算や組織構造に則った予算階層の登録もできます。

補足:

コンビテンシーベース:役割や職務における、効殿的ないし優れた行動を評価すること。

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人事管理プロセスの管理

基本的な人事管理プロセスの合理化と統合として、従業員管理、組織管理、グローバル従業員マネジメント (世界中の支店にいる従業員を一括管理する)、 福利厚生管理、勤怠管理、給与・法規レポート、HRプロセスとフォームといった機能があります。

グローバル従業員マネジメント

海外赴任者に対する機能、給与・法規とは各国で規定されている労働時間やその他法律で決まっている規定を設定、レポートを出すことです。

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HRプロセスとフォームとは、採用、退職、育児休業といった特定書式を要するプロセスを自動化するものです。

組織管理

組織の構造と規定に関する情報を一括管理し、関係者に伝達することができます。

組織のモデルを構築して維持するためのツールがあり、組織構造の理解を深めるのに役立たせます。

人件費計画、報酬管理、人材開発と採用管理、SAPCRM、およびSAP SEMの各活動をサポートするほか、組織計画とシミュレーション、組織開発、活動分析、職務分析を含む組織開発機能もあります。

集中または分散処理による組織変更案の作成や、組織変更前の組織モデルからのシミユレーション、分析も実行できます。

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福利厚生管理

セルフサービスで従業員別の福利厚生管理が提供されます。 企業は、財形貯蓄から団体生命保険、持株会などあらゆるタイプの福利厚生計画を定義し、管理することができます。

福利厚生担当者は、従業員別または従業員グループ別の福利厚生も作成できます。

勤怠管理

従業員の労働時間と活動の計画、管理、評価のプロセスを最適化します。集中型または分散型の勤怠管理をサポートしています。

従業員グループの勤怠データを管理し、従来の勤怠登録システムからモバイルパソコンや携帯電話などのデバイスを使ったセルフサービスアプリケーションが使用できます。

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従業員は自分で休暇データの入力、管理会計とロジスティクスの業務プロセスで使用される労働時間の記録、および休暇登録、残休日数を確認できます。

企業または法律によって義務付けられたすべての労働時間規程を処理します。 ライセンスユーザーは勤怠計算書などを参照できます。

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給与管理および法対応

あらゆる給与計算プロセスを処理し、現在の法的規制や労働協約要件をサポートし、法改正への対応を保証します。

給与計算、税金、社会保険、旅費経費管理、インセンティブ賃金、会計への転記等、様々なレポートを備えています。

給与計算機能には、給与計算機能、口座振込および振替、特別支給給与計算、調整給、平均値計算、勤怠データの評価、ローン、年末調整処理をサポートします。

セルフサービス機能を使用することで、従業員は住所変更、銀行情報の追加/変更、給与明細情報の表示と印刷などを行うことができます。

なお、給与計算と勤怠管理の機能は、50か国以上のバージョンが用意されています。

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HRブロセス&フォーム、HCMプロセス&フォーム

入社、退職、異動、休職など従業員関連のプロセスを自動化するのが、HRプロセス&フォームと HCMプロセス&フォームです。

これらのワークフローテンプレートにより、企業独自の人事管理プロセスを定義し、従業員、マネージャ、人事担当者などすべての関連するビジネスロールをプロセスに直接組み込むことができます。

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人員配置

人員配置に関するものとしてプロジェクト資源の計画、要員およびプログラム管理、コールセンタスタッフ、リテールスケジユールといった機能があります。

プロジエクト資源計画

社内SE、法務、経理などのプロフェッショナル組織向けのスケジュールアプリケーションで、主に配置に関する問題に対処します。

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要員およびプログラム管理

プロジェクトに参加している要員やプロジェクトー覧表の管理が提供されます。

コールセンタースタッフ

電話の量の予測とシフトスケジュールに基づいて、コールセンタースタッフケジュールを作成します。

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リテール・スケジユール

顧客の、シフトスケジュール、スタッフのスキルに基づいてリテール・スタッフ(店舗店員等)のスケジュールを作成します。

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PS (プロジェクト管理)

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PS (プロジェクト管理)

PS (ブロジェクトシステム)は、ブロジェクト責任者をサポートするモジュールです。

工場建設などの大規模なブロジェクトでも展示会のような小規模なプロジェクトでも、関連する数多くのタスクを漏れなく計画する必要があります。

プロジェクト責任者は必要な資源と資金を必要な時に必要なだけ使用できることを確認して、ブロジェクトが効率的に、時間通りに、そして予算内で確実に実行できるようにします。

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プロジエクトの構成 ワークパッケージ

プロジェクト管理用のモジュールがPS (Project System) です。

プロジェクトは、企業の中で発起するプロセスです。

あらゆる部門を対象にしたプロジェクトの組織の作業をPSを通じて行うことで、すべてのタスクが管理できます。

目標、計画、監視、管理を明確にして組織化することこそ、プロジェクトの成否の肝になります。

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そのプロジエクトは、2つの観点から構成します。 1つはワークパッケージです。

ワークパッケージは、個別の活動を定量と定性とに記述します。

それぞれのタスクがどの程度達成できているかが説明されるわけです。

ただ、プロジェクトシステムの中で、個別の機能でもありませんし、データオブジェクトでもありません。

したがってWBS要素によってバッケージを登録します。

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ワークパッケージには、次のような特徴があります。

開始 と 終了日付が含まれる。

実行する作業に関したテキストが含まれる。

責任原価センタが含まれる。

プロジェクトを実行する原価センタが含まれる。

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プロジェクトの構成 WBS

プロジエクトのもう 1つの観点、WBS (Work Breakdown Structure)につきまして。

WBSは、プロジェクトの実施する作業を階層構造で表したモデルで、全体の概要を把握するのに役立つツールです。

プロジェクトの編成と調整作業の基礎となり、全体の作業、所要時間、原価が表されます。

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WBSはプロジェクト計画から以降のステップ、つまり原価計画、日程計画、所要量計画、プロジェクト管理などを進める上で使われます。

プロジェクトの構造は、

・フェーズ・機能・オブジェクト

といった基準を使い、個別の要素(WBS要素と言います) として表すことができます。

実行に必要なレベルに達するまで、段階的に細かく要素を分けます。

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プロジェクトのサイクル

この2つの構成によって、SAP ERPではプロジェクト管理を行います。 ですが、ここでプロジェクト運営の主体について説明します。

プロジェクトを管理するために、9つのマネジメントを紹介しています。 管理の基準に よってはもっと、増えたり減ったりするかもしれませんが、基本としては9つです。

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不確正要素に伴う遅延や追加要員について、すべてを算出することは難しいのですが、類似業務や作業に合わせて仮定します。

その後はプロジェクトの進捗にわせて予算の消費状況を管理(コスト管理)します。

① コストマネジメント

全体のコストがどれくらいになるのか、各ステップのコストを列挙 (コストの積み上げ) し、それを足していくことで予算を設定します。

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② タイムマネジメント

このプロジエクトで、どの業務の改善を行うか決める(作業定義)ことです。

定義に外れたモノについては着手しません。 どうしても気になる、あるいは大きな問題として発覚した場合は、次プロジエクトで改めて設定することにします。

改善テーマが決まったら要件を定義するためのヒアリングやレポートの作成など、大まかな作業から細かなものまでタスクを列挙し、優先順位を決めます(作業順序設定)。

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社内のリソース(人員、会議室等)をタスクに割り当て(資源の見積り)、リソースの可能稼働時間、例えば 8時間/日を 100% として時間軸でどのくらい必要か検討します (作業期間見積り)。

ところが1日あればできる仕事と思っても、通常業務や繁忙期には半分しかプロジエクトに時間が費やせなければ、2日にわたり 50%ずつ割り当てることになります。

そこにもう1つタスクを与えれば、1日に30%の割り当てしかできず、3日かけても終わらない計算になります(スケジユール作成・管理)。もちろん、プロジェクトが開始したら進捗管理も必要になります。

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③ 組織マネジメント

プロジエクトを成功させるために、要員を集めなければなりません (要員調達)。しかしこの要員はこのプロジエクトの知識があるとは限りません。

例えばSAP ERPの導入を行う場合、要員のすべてがSAPの知識を持っているのは希です。 教育をして(要員育成)、プロジェクトの要所で活躍してもらいます(要員管理)。

プロジエクト発足メンバーは、そのまま実務に就くわけではないので、どのタイミングでナレッジを継承するか、いつ解散するかを決めておきます(プロジエクト組織計画)。

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④ リスクマネジメント

全てのリスクがなくなればいいのですが、費用や時間などの制限により、リスクが残る場合がほとんどです。

問題はリスクに自をつぶらず残りスクとして列挙しておくことです (リスク特定、リスク定量化)。

ただしリスクは、組織が、育ってきたり、システムの運用が順調になったりするにつれて縮小、もしくは無視できるレベルが想定できます (リスク管理計画)。

リスクが起きにくい様に、また起きてしまった場合を想定して、連絡網や情報発信担当を決めておきます、(対応策策定、リスク管理)。

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⑤ コミュニケーションマネジメント

定例会議やメーリングリスト、作業進捗管理ツール等、コミュニケーションのスケジュール(コミュニケーション計画)とツール類の更新頻度や閲覧頻度を決めます (情報の配賦、進捗の共有)。

リスク管理やタスクの責任者は計画通りにコミュニケーションが図れているかを管理していきます (コミュニケーション管理)。

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⑥ 調達マネジメント

まず、プロジェクトで必要なヒト・モノ・情報を列挙して、どのタイミング何が必要か線を引きます (購入・取得・契約の計画)。

次にスケジュールに合わせて業者に相見積りをとり (引きは合い)、発注先を決めます (発注先の確定)。

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さらにプロジェクトが進むにつれ、購買したものや受託先に問題がある場合早急に対応して、スケジュール遅延の責任の所在を決めたり、必要であれば別の業者を用意するために費用を業者から捻出します (契約の管理)。

また、無事プロジェクトが終了しても瑕疵対応など、アフターケアを取り決めて契約を完了します。

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⑦ 総合マネジメント

プロジェクトは、立ち上げてお金を入れれば、いつかは終わるものです。問題は、その意義や投資効果、プロジェクトマネージャの采配を通じた企業と人員の育成です。

次に繋がるプロジェクトを立ち上げ、完成することができれば、より成長が見込めます。

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⑨品質マネジメント

品質計画、品質保証、品質管理を行います。

⑧スコープマネジメント

スコープ算出、スコープ定義を行い、WBSを作成します。さらに成果物を検収した後、スコープ変更・管理も行います。

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