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社会福祉原論 第6回 神戸医療福祉大学 藤田益伸

社会福祉原論 - FC2fyoshi.web.fc2.com/lecture/swprinciples/2006swprinciples.pdf · •トピックが最後にある •トピックが最初にある •説明してまとめ、説明してまとめ、と各々

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  • 社会福祉原論第6回

    神戸医療福祉大学

    藤田益伸

  • テキストの使い方•テキスト=書籍や本に書かれている文章

    •教科書だけではない

    •雑誌やネットで文字は読めるけど…

    •字が小さいし、言い回しが難しいので、読む気にならない

    •大学での学習・レポート・研究でテキストを読む場合には、文字を目で追うだけでは頭に入ってこない

  • テキストを読む前に

    •書名の確認•講義名=書名とは限らない

    •目次の確認•目次を見れば、テキストに書かれている大まかな内容と、どのような順序で書かれているかという構成がわかる

    •いわば「あらすじ」

    •まえがき(はしがき)の確認•執筆の意義や目的が書かれている

    •どんな立場で、どんな内容を書いたか

    •テキスト全体の鳥瞰図を与える

  • 鳥瞰図(ちょうかんず)

    •上空から斜めに見下ろしたような形式の図

    •自分が今どこにいるか(=どの部分を学習しているか)がひと目でわかる

  • 読み方にも種類がある

    1.スキミング•すばやく文章全体に目を通して、ざっと意味をすくい取って理解する

    2.スキャニング•特定の情報を狙い、重点的にすばやく読む

    3.クリティカル・リーディング•内容を理解した上で、その内容を分析し、自分の意見や考えをもつ

    •時には批判的に読む

    下読み

    分析読み

  • 分析読みを身につける

    •最初から分析読みは難しい

    •読む回数を増やしても、同じ読み方をしていては理解が深まらない

    •最低2回、テキストを読む習慣

    •下読み → 分析読み

  • 第1ステップ-下読み•どんな種類の文章か?

    •どんな内容が書いているか?

    •自分にとってどのくらい難しいか?

    •とりあえず目を通す

    •内容は理解できなくて構わないが、•読み方・意味のわからない語句をチェック

    •図表もチェック

    •太字のワードをチェック

    (片っ端から調べる必要はまだない)

  • 第2ステップ-分析読み

    •マーキング•「大切だなぁ」と思うところに下線を引く

    •理解の強度を高める

    •復習の際、効率を高める

    •注意点•マーキングの部分が多くなりすぎないよう

    •1ページの分量を100%とするならば、せいぜい30%程度にとどめる

  • 文章構成にも決まった型がある

    •テキストのトピック(著者が一番主張したいこと)がどこにあるのか

    •トピックが最後にある

    •トピックが最初にある

    •説明してまとめ、説明してまとめ、と各々にトピックがある

    •トピックは原則、1つの段落の中に1つ

    •科学的文章はトピックを明確にすべし

  • より深いリーディングのために

    •テキストを読んで、要約する技法を身につける

    •読書を通じて、自分の意見や考えをもつ

    •要約•文章全体として「何がもっとも言いたいことか」というテーマをつかむ

    •読書力を伸ばすのに欠かせない力

    •リーディングの仕上げ

  • 要約のプロセス

    •要点をつかむ•話の中心は何なのか?

    •必要なものは残し、不要なものは捨てる

    •捨てられるもの•前置き、具体例、引用、説明、繰り返し、装飾、言い換え

    •残すもの•意見、主張、まとめ

  • 書くために読む

    •リーディングスキルの本質は、書いたり話したりするために読むこと

    •つまり、自分の考えや意見を根拠づけるために読む

    •感想文ですらない文章•面白かった、つまらなかった

    •良かった、悪かった

  • 感想・意見をもつ

    •読んで感じたことをまとめる•心に残った文章(主張や場面など)を抜き出し、その理由を述べる

    •「もし自分だったら」、「こういう状況では」などと仮定して考える

    •読者の側から、文章に向かって問いかけたり、疑問を出してみたりする

    •どこか印象に残る箇所はないか、目に留まる箇所はないか、と頭を使いながら読み進めること

  • まとめ

    •下読み・分析読みを区別する

    •とりあえず、目を通す

    •最初から理解しようとしない

    •何度か読んでいて「わかる」感覚がわかるようになる

  • テキスト「現代社会と福祉」

    •本巻では、福祉と福祉政策をキー概念として用い、

    •それらの存在基盤となる現代社会の特徴を明らかにしながら、

    •21世紀における社会福祉のありようについて包括的かつ体系的に展望する。

  • はじめに(段落ごとに要約)

    1.福祉サービスの専門職確保が重要課題

    2.本書はSW・PSWの専門書

    3. SW16万5584人

    4.専門職と認められるには要件がある

    【ヒント】

    断定表現、「重要な」「要するに」などの表現、数字などに着目

  • はじめに(2ページ目)

    •専門職としての要件

    •外在的要件•①社会的承認、②労働条件、③労働環境の整備、④組織と運営の民主化、⑤研究・研修体制の整備

    •内在的要件•①体系的な理論と技術、②専門職的権威、③固有の価値規範、④専門職団体の組織化

    •最も重要な要素は、体系的な理論と技術

  • はじめに(2ページ目後半)

    1.生活問題や福祉ニーズの多様化・複雑化・高度化に対応

    2.保健・医療・更生保護・就労支援・住宅などの関連社会サービスとの連携・調整

    •その意味で科目名称に「社会福祉」が冠されていない

    =筆者によれば、従来の「社会福祉」より守備範囲が大きくなった

  • はじめに(3・4ページ)

    •福祉・福祉政策をキー概念として明示

    •各章の簡単な紹介(目次を見た方が良い)

    •第3版の特徴は、東日本大震災が投げかけた課題に対応したこと

    •2度の政権交代があった

    •機会があれば見直しをしたい

    •要約しにくい悪文ですが、一言でいえば

    •本書は福祉・福祉政策を体系的に伝える

  • Contents(目次)その1

    序章.視点と枠組み

    1.社会の変化と福祉

    2.福祉と福祉政策

    3.福祉の思想と哲学

    4.社会政策と福祉政策

    5.福祉政策の発展過程

    6.少子高齢化時代の福祉政策

    7.福祉政策における必要と資源

  • Contents(目次)その2

    8.福祉政策の理念・主体・手法

    9.福祉政策の関連領域

    10.社会福祉制度の体系

    11.福祉サービスの提供

    12.福祉サービスと援助活動

    13.福祉政策の国際比較

    14.福祉政策の課題と展望

    •福祉と福祉政策、社会福祉制度、福祉サービスは違う言葉なのかなあ?

  • Index(索引) p360

    •ある書物の中の語句や事項などを、容易に探し出せるように抽出して一定の順序に配列し、その所在を示した表

    •裏を返せば、Indexに掲載される語句や事項は、重要な用語といえる•福祉用語辞典などで調べる

    •キーワードをGoogle等で検索する

  • Contents(目次)ⅸページ下

    •本書では、学習の便宜を図る目的として、学習上、特に重要と思われる語句についてゴチック体で明示しています。

    •また、補足説明等は脚注として収載しました。

    •脚注•本文の下の方につける注記

    •本文に入れると長々と読みづらくなる。抜けていると理解しにくくなる。そんな時に、「別の所で説明します」という形で使用する

  • 序章 視点と枠組み

    • 2012年から、社会福祉士の教育課程が変更

    •旧課程にあった「社会福祉原論」という教科目に変わり、「現代社会と福祉」という科目になった。

    •本学では、「社会福祉原論」という科目名を継続している

  • 序章 視点と枠組み(p2)

    •社会福祉士の業務の拡大•連絡、調整の追加

    •新設科目の追加

    •相談援助関係の時間数の増加

    •社会福祉の地域福祉としての展開

    •「現代社会と福祉」は新養成教育課程の脊柱をなすものである

  • 2用語の整理(p3)

    •社会福祉という用語がほとんど姿を消した

    •広義の社会福祉、狭義の社会福祉

    •目的概念・実体概念としての社会福祉

    •社会保障、社会政策、ソーシャルポリシー、ソーシャルサービス、社会サービスなどという用語を用いてきた

  • 2用語の整理(p3-4)

    •福祉•目的概念を意味する用語として位置づける

    •内容として狭義の社会福祉を盛り込む• 社会福祉の理念、価値、思想

    • 安心、安全、安念、公正、公平、尊厳など

    •福祉政策•一定の範囲の政策、制度、援助を指す実体概念を指す用語として用いる

    •狭義の社会福祉を基軸に、福祉ニーズの充足・軽減・緩和を図るために動員される施策群とその運用の過程に留意する用語

  • 3 社会福祉・福祉政策・社会政策の位置づけ(p4)

    •福祉政策の位置づけ•広義の社会福祉?

    •社会政策と同義?

    •広義の社会福祉や社会政策(ソーシャルポリシー)だと、福祉以外の多様な施策も含まれるので、福祉政策として扱うことには無理がある

    •福祉政策は、狭義の社会福祉を前提にしつつ、広義の社会福祉や社会政策とは別の内容をもつ用語として位置づける

  • 定義の重要性

    •「大人はしっかりしている」

    •「大人になったらお酒が飲める」

    •「大人は金持ちだ」

    •あなた:大人=社会人

    •相手:大人=20歳

    →話が噛み合わなくなる

  • 社会福祉のL字型構造(p39)

  • 社会福祉のL字型構造(p6)

    •社会福祉を社会政策を構成する多様な個別施策の1つであって、しかも他の社会サービスのいずれにも吸収され得ない独自の領域とアプローチをもつ固有な施策の体系として把握する

    •社会福祉に固有のアプローチは、個別性、包括性と総合性、媒介性と調整性としてこれを特徴づけることができる

  • 福祉政策のブロッコリー型構造(p45)

  • 福祉政策のブロッコリー型構造(p7)

    •社会福祉を基軸に多様な社会サービスを動員、活用して個人、家族その他の福祉ニーズを解決、軽減、緩和する施策展開の状況

    •立体的、力動的

    •分野横断的、連携的なアプローチを表現

  • 社会福祉の三位一体的公正(p8)

    •社会福祉を政策的な側面と援助活動としての側面を分割し、別々の領域として認識しようと提案されることがある

    •社会福祉の実体は、三位一体の統合体•ソーシャルポリシー

    •ソーシャルワーク

    •ソーシャルアドミニストレーション

    (制度の運営・管理・開発)

  • 社会福祉のシステム構成(p8)

    •図序-1を参照(p9)

    •価値、対象、施策、利用支援、社会行動という5つのサブシステムが相互に影響しあい、規定しあいながら社会福祉全体のありようを方向づけている

    •法律・制度・サービスと相談援助、利用者などが影響を与えあっている位の理解でよい

  • 社会福祉のシステム構成(p10)

    •図序-2を参照(p11)

    •施策システムの3つのサブシステム•政策、制度、援助

    •運用システムは、上記3つを取り込む形•社会福祉を一体化するにあたって要の位置を占める

    •社会福祉事業を構成する要素として4つ•権限、情報、要因、財源

    •いわゆる(社会資源)

  • まとめ

    •今回の内容は難しくてよくわからないと思います

    •本科目の別の回、または他の科目でも同じような内容が繰り返し出てきます

    •ただ、一回読んでから学習するのと、初めて学習するのとでは、頭への定着度が異なるので、「わからないなりに読む」習慣は大切です

  • 課題

    •指定されたURLへ、入力したことをもって、出席したことを確認します。

    •本日の課題

    「授業で学習・考察したこと」

    •締切 毎週水曜日23:59まで