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学習と社会に扉を開く全学共通情報基礎教育 学習と社会に扉を開く全学共通情報基礎教育 熊本大学総合情報基盤センター 熊本大学総合情報基盤センター 大学での充実した学習と,情報社会で の活躍を保証する「ライセンス」を, 熊本大学に学ぶすべての学生に取得さ せること。 目的 情報リテラシー =現代社会の基本ライセンス *「ライセンス」なしのネットワーク利用は, 無免許運転に例えられる。 +利用技術 +法的規制,マナー +緊急事態への対応 +運転技術 <技能試験> +交通法規,運転マナー <学科試験> +事故等への緊急対応 <学科試験> ライセンスには,上記すべての習得が必要。 まとめ 目標: 情報リテラシー「ライセンス」の全員 取得 到達点: 全学的支援体制に支えられ,目標が達 成されている。 教育課程の改善手法のみならず,その 教育効果自体が社会的な意味を持って いる。 LMSによる「学習と確認の連鎖」 確認テスト 受験 不満足 即時,自動採点 満足 再挑戦 期間限定:通常,面接講義後1週間程度 多数の問題から自動生成 学習者自 身による 自己判定 再学習 電子教材を 利用した 面接講義 統一的成績評価 *確認テストの最終成績と提出作品による総合 評価。(評価基準は,全クラス統一) *確認テスト:期間内の最高得点 提出作品: 作品の評価基準の統一 記述文法の自動採点 *総合評価 「優」  全ての項目を所定期限内に十分習得 「良・可」所定期間外を利用して習得 即ち,「合格者」=「ライセンス」取得者 独自開発教育用メールソフト: Seemit 通常は見ることのできないメール 受信動作,特に暗号化されない パスワードが送信されることを示 し,その危うさを教示する。 表計算ソフトによ るグラフ作成課題 面接講義の資料 自習時にも利用可 確認テストによ る理解度チェック 世界に通用する「ライセンス」 * 社会的に認知された高度な教育内容 =著作権分野が,昨年度JICAで英語教材化 * 独自教育用ソフトウェアの開発 =メールソフトSeemit 他大学での利用実績 海外からの利用要請 HSPコンテスト2003入賞 情報基礎B受講者のアンケート結果 (回答者数 1764名,内合格者数1728名) 9割の学生が,肯定的に捕らえている。 0% 50% 100% 著作権法や裁判に関する知識が必要と感じたか? ルール,ネットの危険性などを理解できたか? 上級生になって役に立つと感じたか? 新しい知識や技術を修得できたか? 積極的に勉強できたか? はい どちらかと言えばはい どちらかと言えばいいえ いいえ 将来展望 *情報基礎教育のいっそうの充実 教育用ソフトウェアの開発 コンテンツのデータベース化 (教材,例題,課題,確認テスト問題) *学内での情報基礎教育の徹底 FD分野,SD分野での利用 「初級アドミニストレータ」等資格取得支援 *地域貢献,特に高大連携への活用 *JICA等を通じての国際社会への貢献 確認テストにおける成績推移 1 5 10 15 20 25 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 1 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 2 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 5 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 1 5 10 15 20 25 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 1 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 2 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 5 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 1 5 10 15 20 25 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 1 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 2 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 5 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 1 5 10 15 20 25 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 1 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 2 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 5 0-20 20-40 40-60 60-80 80-100 http://www.gp.kumamoto-u.ac.jp/ シラバス(講義内容) 平成15年度情報基礎A (前期) 1. ログインと Windows の基本操作 2. 学務情報システム(SOSEKI)使用方法 3. 情報倫理1 (コンピュータウイルス等) 4. 電子メール1 (電子メールの基礎) 5. エラー対処, 文字コードと文字化け 6. ワードプロセッサ1 (レイアウト) 7. ペイント (イメージ画像作成, 編集) 8. 情報倫理(2)(知的所有権等) 9. スプレッドシート1 (数値, 式の入力) 10. スプレッドシート2 (作表と関数) 11. ドロー (作図, ギャラリ利用) 12. 情報検索 (検索エンジン等) 13. ワードプロセッサ2 14. プレゼンテーション 15. 情報倫理3 (不正アクセス等) 平成15年度 情報基礎B (後期) 1. エディタの使用法とフォルダ 2. HTML1 (HTML ファイルの作成と閲覧) 3. HTML2 (基本構造, 文字飾り, 箇条書) 4. HTML3 (画像, アニメーションGIF) 5. HTML4 (表, フレーム, メタ情報) 6. HTML5 (構文チェック, スタイルシート) 7. FTP によるアップロード 8. 電子メールのしくみ(SMTP, ヘッダ改竄) 9. ネットワーク社会での法的責任 (裁判事例) 10. JavaScript入門1 (基本構文, 演算子) 11. JavaScript入門2 (関数の基礎) 12. JavaScript入門3 (条件分岐, 繰返し) 13. JavaScript入門4 (イベントの応用) 14. JavaScript入門5 (サンプル集と実用例) 15. ツールによるHTMLファイル編集 情報収集 情報収集 基本アプリ 基本アプリ ネチケット ネチケット 情報発信 情報発信 法的責任 法的責任 しくみ しくみ (採択理由) この取組は熊本大学総合情報基盤センターにより、 既に7年間にわたって組織的に展開されており、着実 な成果を上げています。情報分野における基礎的な知 識と技能は、現代社会における「基本ライセンス」で あるとの認識に立ち、1年次の全学生1,800 名に対し て十分な実習環境を提供するとともに、周到に計画さ れた情報リテラシー教育を実践しています。センター が開発したオンライン学習システムを利用して、学生 たちは学習達成度を自己確認し、かつ満足のいくレベ ルまで高めています。専門教科集団は、講義テキスト と電子教材の作成と更新、教育内容の検討、評価基準 の統一などに取組んでおり、全体として整合性が取れ ています。情報教育に限定されない普遍的な教育内容 として、他の大学、短大の参考になり得る優れた取組 であるといえます。 今後、倫理的判断力やセキュリティ意識といった人 間形成面に係わる教育内容への充実を図り、また中等 教育との連携を強めることにより、更なる発展が期待 できます。 『平成16 年度「特色ある大学教育支援プログラム」採択取組の概要および採択理由』より *文学部,法学部,教育学部,理学部 工学部,医学部,薬学部 全学での教養教育科目 としての必修科目 *全学で,均一な教授内容,評価を実施 *総合情報基盤センター専任教官7名による 実施体制 =学内措置による改組の実現 *独自教育用ソフトウェアの開発 =メールソフトSeemitの開発 *学内のどこでも同じように利用できる 920台以上のコンピュータを整備 *上記コンピュータシステムを運用するための 専用教室(最大900名収容可能) *パスワード管理された全学約100箇所以上 の無線LANアクセスポイントの整備 *ラーニング・マネージメント・ システム(LMS)の積極的活用 *統一的管理運営: 電子教材の共同開発 統一的評価基準に基づく成績評価 *擬似個別学習: LMSを駆使した学習者自身による 「学習と確認の連鎖」の実現 全学科必修科目 専任教官による強固な教科集団 教育環境の全学的整備 e-Learningを用いた教育手法 情報基礎A 1年前期 情報基礎B 1年後期 全学必修科目

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学習と社会に扉を開く全学共通情報基礎教育学習と社会に扉を開く全学共通情報基礎教育熊本大学総合情報基盤センター熊本大学総合情報基盤センター

大学での充実した学習と,情報社会で

の活躍を保証する「ライセンス」を,

熊本大学に学ぶすべての学生に取得さ

せること。

目的情報リテラシー   =現代社会の基本ライセンス  *「ライセンス」なしのネットワーク利用は,  無免許運転に例えられる。

+利用技術

+法的規制,マナー

+緊急事態への対応

+運転技術       <技能試験>+交通法規,運転マナー       <学科試験>+事故等への緊急対応       <学科試験>

       

       

       

ライセンスには,上記すべての習得が必要。

まとめ

目標:情報リテラシー「ライセンス」の全員取得

到達点:全学的支援体制に支えられ,目標が達成されている。

教育課程の改善手法のみならず,その教育効果自体が社会的な意味を持っている。

LMSによる「学習と確認の連鎖」

確認テスト  受験

不満足

即時,自動採点

満足

再挑戦

期間限定:通常,面接講義後1週間程度

多数の問題から自動生成

学習者自身による自己判定

再学習

電子教材を利用した面接講義

統一的成績評価

*確認テストの最終成績と提出作品による総合 評価。(評価基準は,全クラス統一)

*確認テスト:期間内の最高得点 提出作品: 作品の評価基準の統一       記述文法の自動採点

*総合評価「優」  全ての項目を所定期限内に十分習得「良・可」所定期間外を利用して習得

 即ち,「合格者」=「ライセンス」取得者

独自開発教育用メールソフト:Seemit

通常は見ることのできないメール受信動作,特に暗号化されないパスワードが送信されることを示し,その危うさを教示する。

通常は見ることのできないメール受信動作,特に暗号化されないパスワードが送信されることを示し,その危うさを教示する。

表計算ソフトによるグラフ作成課題

面接講義の資料自習時にも利用可

確認テストによる理解度チェック

世界に通用する「ライセンス」

* 社会的に認知された高度な教育内容  =著作権分野が,昨年度JICAで英語教材化

* 独自教育用ソフトウェアの開発  =メールソフトSeemit 他大学での利用実績   海外からの利用要請   HSPコンテスト2003入賞

情報基礎B受講者のアンケート結果(回答者数 1764名,内合格者数1728名)

9割の学生が,肯定的に捕らえている。

0% 50% 100%

著作権法や裁判に関する知識が必要と感じたか?

ルール,ネットの危険性などを理解できたか?

上級生になって役に立つと感じたか?

新しい知識や技術を修得できたか?

積極的に勉強できたか?

はい どちらかと言えばはい どちらかと言えばいいえ いいえ

将来展望

*情報基礎教育のいっそうの充実  教育用ソフトウェアの開発  コンテンツのデータベース化   (教材,例題,課題,確認テスト問題)

*学内での情報基礎教育の徹底 FD分野,SD分野での利用 「初級アドミニストレータ」等資格取得支援

*地域貢献,特に高大連携への活用

*JICA等を通じての国際社会への貢献

確認テストにおける成績推移

1 5 10 15 20 250

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400受験回数の分布

受験回数

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最終成績

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受験回数

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最終成績

得点

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受験回数

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最終成績

得点

1 5 10 15 20 25 0

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400受験回数の分布

受験回数

人数

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得点

人数

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2回目

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最終成績

得点

http://www.g

p.kumamoto

-u.ac.jp/

シラバス(講義内容)平成15年度情報基礎A (前期)1. ログインと Windows の基本操作2. 学務情報システム(SOSEKI)使用方法3. 情報倫理1 (コンピュータウイルス等)4. 電子メール1 (電子メールの基礎)5. エラー対処, 文字コードと文字化け6. ワードプロセッサ1 (レイアウト)7. ペイント (イメージ画像作成, 編集)8. 情報倫理(2)(知的所有権等)9. スプレッドシート1 (数値, 式の入力)10. スプレッドシート2 (作表と関数)11. ドロー (作図, ギャラリ利用)12. 情報検索 (検索エンジン等)13. ワードプロセッサ214. プレゼンテーション15. 情報倫理3 (不正アクセス等)

平成15年度 情報基礎B (後期)1. エディタの使用法とフォルダ2. HTML1 (HTML ファイルの作成と閲覧)3. HTML2 (基本構造, 文字飾り, 箇条書)4. HTML3 (画像, アニメーションGIF)5. HTML4 (表, フレーム, メタ情報)6. HTML5 (構文チェック, スタイルシート)7. FTP によるアップロード8. 電子メールのしくみ(SMTP, ヘッダ改竄)9. ネットワーク社会での法的責任 (裁判事例)10. JavaScript入門1 (基本構文, 演算子)11. JavaScript入門2 (関数の基礎)12. JavaScript入門3 (条件分岐, 繰返し)13. JavaScript入門4 (イベントの応用)14. JavaScript入門5 (サンプル集と実用例)15. ツールによるHTMLファイル編集

情報収集

情報収集

 基本アプリ

 基本アプリ

  ネチケット

  ネチケット

情報発信

情報発信

 法的責任

 法的責任

  しくみ

  しくみ

(採択理由)

この取組は熊本大学総合情報基盤センターにより、既に7年間にわたって組織的に展開されており、着実な成果を上げています。情報分野における基礎的な知識と技能は、現代社会における「基本ライセンス」であるとの認識に立ち、1年次の全学生1,800 名に対して十分な実習環境を提供するとともに、周到に計画された情報リテラシー教育を実践しています。センターが開発したオンライン学習システムを利用して、学生たちは学習達成度を自己確認し、かつ満足のいくレベルまで高めています。専門教科集団は、講義テキストと電子教材の作成と更新、教育内容の検討、評価基準の統一などに取組んでおり、全体として整合性が取れています。情報教育に限定されない普遍的な教育内容として、他の大学、短大の参考になり得る優れた取組であるといえます。今後、倫理的判断力やセキュリティ意識といった人間形成面に係わる教育内容への充実を図り、また中等教育との連携を強めることにより、更なる発展が期待できます。

『平成16 年度「特色ある大学教育支援プログラム」採択取組の概要および採択理由』より

熊本大学における情報リテラシー教育実施体制

*文学部,法学部,教育学部,理学部 工学部,医学部,薬学部   全学での教養教育科目   としての必修科目*全学で,均一な教授内容,評価を実施

*総合情報基盤センター専任教官7名による 実施体制  =学内措置による改組の実現*独自教育用ソフトウェアの開発  =メールソフトSeemitの開発

*学内のどこでも同じように利用できる 920台以上のコンピュータを整備*上記コンピュータシステムを運用するための 専用教室(最大900名収容可能)*パスワード管理された全学約100箇所以上 の無線LANアクセスポイントの整備

*ラーニング・マネージメント・ システム(LMS)の積極的活用*統一的管理運営:  電子教材の共同開発  統一的評価基準に基づく成績評価*擬似個別学習:  LMSを駆使した学習者自身による  「学習と確認の連鎖」の実現

全学科必修科目

専任教官による強固な教科集団

教育環境の全学的整備

e-Learningを用いた教育手法

情報基礎A 1年前期情報基礎B 1年後期 全学必修科目

全学合意に基づく支援体制の確立