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時:平成 25 年 5 ⽉ 24 ⽇(⾦)13:00〜14:40 場:東京⼤学農学部 弥⽣講堂 ⼀条ホール テーマ:東⽇本⼤震災からの復興における専⾨家の⽀援 <プログラム> はじめに 鳴海邦碩(防災・復興問題研究特別委員会委員⻑) 1)きたかみ震災復興ステーションの活動から (国交省補助の活動報告を含めて) 北原啓司(弘前⼤学⼤学院教授) 2)復興基礎調査と復興計画⽀援 (国の直轄調査参加を振り返って) ⼤沢昌⽞(⽇本⼤学理⼯学部准教授) 3)関⻄を中⼼とした⾃治体交流⽀援から 上原正裕(関⻄⽀部震災特別委員会委員⻑) 4)復興まちづくり記録整備の動き ⽵内直⽂(防災・復興問題研究特別委員会副委員⻑) 公益社団法人日本都市計画学会 防災・復興問題研究特別委員会 中間報告会

公益社団法人日本都市計画学会 防災・復興問題研究特別委員会 中間報告会 · 2013.01.09 第1 部会:意見交換会(石巻市役所) 2013.01.10 東日本大震災合同調査報告書編集会合

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Page 1: 公益社団法人日本都市計画学会 防災・復興問題研究特別委員会 中間報告会 · 2013.01.09 第1 部会:意見交換会(石巻市役所) 2013.01.10 東日本大震災合同調査報告書編集会合

⽇ 時:平成 25 年 5 ⽉ 24 ⽇(⾦)13:00〜14:40

会 場:東京⼤学農学部 弥⽣講堂 ⼀条ホール

テーマ:東⽇本⼤震災からの復興における専⾨家の⽀援

<プログラム>

はじめに

鳴海邦碩(防災・復興問題研究特別委員会委員⻑)

1)きたかみ震災復興ステーションの活動から

(国交省補助の活動報告を含めて)

北原啓司(弘前⼤学⼤学院教授)

2)復興基礎調査と復興計画⽀援

(国の直轄調査参加を振り返って)

⼤沢昌⽞(⽇本⼤学理⼯学部准教授)

3)関⻄を中⼼とした⾃治体交流⽀援から

上原正裕(関⻄⽀部震災特別委員会委員⻑)

4)復興まちづくり記録整備の動き

⽵内直⽂(防災・復興問題研究特別委員会副委員⻑)

公益社団法人日本都市計画学会

防災・復興問題研究特別委員会

中間報告会

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日本都市計画学会 防災・復興問題研究特別委員会関連経過報告

<2012 年度総会以降> 2012.06.10 第 11 回きたかみ復興サロン(講師:姥浦道生氏・遠藤新氏) 2012.06.11 8 学会合同調査報告書編集委員会(第 4 回) 2012.06.13 震災復興に関する日本都市計画学会・地域福祉学会連携会合開催 2012.06.18 第 2 部会会合 2012.07.02 第 4 部会会合 2012.07.03 本会・地域福祉学会連携シンポジウム開催 2012.07.03 本会・土木学会連携委員会によるシンポジウム開催 2012.07.03 本会・土木学会 地域基盤再構築連携委員会中間提言公開 2012.07.07 第 12 回きたかみ復興サロン(講師:三宅諭氏・早田宰氏) 2012.07.07 第 2 部会会合 2012.07.12 第 3 部会会合 2012.07.12 東日本大震災合同調査報告書編集会合 2012.07.25 第 3 部会会合 2012.07.27 東日本大震災関係功労者に対する国土交通大臣感謝状授与 2012.07.30 震災復興に関する日本都市計画学会・地域福祉学会連携会合開催 2012.07.30 東日本大震災合同調査報告書編集会合 2012.08.01 第 2 部会会合 2012.08.10 東日本大震災合同調査報告書編集会合 2012.08.23 日本学術会議学協会連携会合 2012.08.29 第 3 部会会合 2012.09.04 第 2 部会会合 2012.09.21 第 3 部会会合 2012.09.26 震災復興に関する日本都市計画学会・地域福祉学会連携会合開催 2012.10.04 震災復興に関する日本都市計画学会・地域福祉学会連携会合開催 2012.10.04 地域コミュニティを基点とした復興まちづくりの提案 第 2 次提言 2012.10.10 第 2 部会会合 2012.10.25 学会誌『都市計画』299 号発行【特集】東日本大震災からの復興と今後の防災 2012.11.06 第 2 部会会合 2012.11.07 建築関連団体災害対策連絡会 2012.11.10 大会時中間報告会「東日本大震災からの復興と新たな社会システムの展望」 2012.11.13 東日本大震災合同調査報告書編集会合 2012.11.21 第 4 部会会合 2012.11.26 第 13 回きたかみ復興サロン(講師:松村豪太氏) 2012.11.27 震災復興に関する日本都市計画学会・地域福祉学会連携会合開催 2012.11.27 第 4 部会:自治体アンケート発送 2012.11.29 学術会議フォーラム(本会代表:後藤会長) 2012.12.03 第 4 部会ヒアリング(対象:大西隆先生) 2012.12.14 理事会:原発事故復興部会(第 5 部会)新設承認 2012.12.20 第 2 部会会合 2012.12.22 第 1 部会:震災復興フォーラム(東北大学) 2012.12.26 第 1 部会会合(石巻)

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2012.12.27 第 1 部会会合(北上) 2013.01.09 第 1 部会:意見交換会(石巻市役所) 2013.01.10 東日本大震災合同調査報告書編集会合 2013.01.17 第 3 部会会合 2013.01.25 防災・復興問題研究特別委員会運営委員会開催 2013.01.30 第 1 部会:ひと育て×まち育て大学第 2 回 2013.02.12 最終地域基盤再構築に関する日本都市計画学会・土木学会連携委員会開催 2013.02.14 地域づくり支援事業検討会合開催 2013.02.19 地域づくり支援事業検討会合開催 2013.02.27 第 5 部会会合 2013.03.21 東日本大震災合同調査報告書編集会合 2013.03.24 国交省直轄事業総括研究会(第 1 部会研究集会を兼ねる)開催(於、きたか

み震災復興ステーション) 2013.03.27-29 東日本大震災 2 周年シンポジウム関連団体報告会(本会:中井副会長) 2013.03.28 第 5 部会会合(「第 5 部会の構成と進捗状況」) 2013.04.10 復興まちづくり状況記録調査(仮)準備会合 2013.04.19 第 5 部会会合 2013.04.19 地域基盤再構築に関する日本都市計画学会・土木学会連携委員会開催 2013.05.15 復興状況記録調査(仮)会合

<今後の予定> 2013.11.09 学術研究論文発表会時中間報告会(法政大学) 2014.03 末 報告書原稿提出期限 2014.05 総会時最終報告会 2014 年度 東日本大震災合同調査報告書「都市計画編」刊行

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防災・復興問題特別研究委員会 中間報告会

第一部会(復興まちづくり)部会長 北原啓司

きたかみ震災復興ステーションの活動から

日本都市計画学会防災・復興問題研究特別委員会第1部会(復興まちづくり)

■検討テーマおよび部会ミッション復興まちづくりのあり方の提案と支援

・復興計画の支援体制づくり(広域協働復興組織)・市町村連携、広域支援、広報協力の体制

〇現地にて復興支援の拠点を関連主体及び建築学会、都市計画家協会等と協力して形成していく。

〇ここで形成する拠点は、誰もが自由に参加様々な情報が集まってくるプラットフォームとして構築していく必要がある

〇人と知恵を結集させたプラットフォームには、各現場から復興支援ニーズが寄せられてくることとなり、学会員にそれを発信する

〇各現場に入っている専門家、そして自治体が、情報を共有し合い、また新たな情報の収集や議論の場として、有効に機能するプラットフォームを構築する

〇北上市でNPOを中心に形成されつつある「いわて連携復興センター」を、建築学会と合同で立ち上げに向けた活動を展開する。それをベースに宮城、福島とのネットワークを強化して、広域的な支援拠点、情報収集拠点として「きたかみ震災復興ステーション」を構築する。

高橋市長に連携協力を依頼(2011.4.28)

2011.9.1 開駅式きたかみ震災復興ステーションの役割

市内の被災者のニーズと沿岸被災地のニーズを把握し、効果的な支援を実

施する。

情報・支援のネットワーク

内陸で避難者支援に取り組む民間団体と連携し、支援活動を

展開する

「きたかみ震災復興ステーション事業」以外は、連携団体が行っている事業。避難者生活支援事業(社協)

避難者世帯の巡回・見守り活動

避難者の生活支援

避難者生活相談窓口・ホットライン設置

生活再建事業

難者 職相談 支援 雇 協避難者の就職相談・支援(雇対協)

生活福祉資金貸付(社協)

避難者コミュニティ活動補助(市)

避難者移動(バス・タクシー)支援(市)

被災者職業技能資格取得補助(市)

沿岸地域復興支援事業仮設住宅運営支援事業(市)

沿岸自治体職員派遣事業(市)

震災ごみ受け入れ事業(市)

個人ボランティアバス事業(社協)

大槌町社協支援事業(社協)

被災者支援活動費補助(市)

復興ステーションの役割・内陸避難者の支援、交流拠点・各種支援活動の拠点・構成団体の情報共有拠点・支援者の後方支援拠点・事業展開サポート拠点

心身リフレッシュ事業(市)

避難者灯油補助(市)

きたかみ震災復興ステーション事業(協働体)

交流、活動拠点(きたかみ震災復興ステーション)の設置ふるさとカフェ。協働体MTG。復興サロンで情報共有し、各事業の展開サポート

内陸避難者への情報発信、内陸避難者と地域の交流各種支援事業の情報収集、発信。物資提供。コミュニティ形成支援。など

沿岸地域の復興支援、復興活動の支援各種団体・支援者の活動支援。仮設住宅での生活支援。学生ボランティアの支援。

専門家との協働事業

++

被災者 検 事 市沿岸被災者がん検診事業(市)

避難者特定健診等実施事業(市)避難者特定健診等実施事業(市)

被災転入幼児図書購入援助事業(市)被災転入幼児図書購入援助事業(市)

被災転入 学用品等購入援助事業被災転入生学用品等購入援助事業

活再建住 支援事業(市)生活再建住宅支援事業(市)

沿岸被災校支援活動事業費補助金

貸研究工場棟被災地企業利用補助金

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★交流・研究ステーション機能

<交流・研究オフィスの構築>

多くの団体・研究者の拠点、交流と情報収集・発信の場を提供

「きたかみ復興サロン」の継続的開催

①2011.10.04 北原啓司(弘前大学)

「東日本大震災からの市街地復興手法検討委員会で、いま何を議論しているのか」

国土交通省都市局が実施中の直轄調査の内容とその問題点について、その最新のデータを披露しながら、復興へと直接結びつかない調査の限界と、津波被害は受けずとも大きなダメージを受けた福島県内陸部の話題を提供

②2011.10.22 姥浦道生(東北大学)

「各地の復興計画の策定状況と課題~石巻・名取・塩釜~」

復興計画委員として、一昨年来仕事を続けている立場からの現場レポート

③2011.11.03

鈴木雅之(千葉大学)「生活支援と地域価値向上のコミュニティビジネス」

本来は違法となってしまう仮設住宅におけるDIY行為が、仮設居住者が生き甲斐を見出すことにどのようにつながっていくのか。あるいは、そんな居住支援がコミュニティビジネスとして成立する可能性について、千葉NTでの実践を紹介

天野玉記(兵庫県立大学)「花と緑による震災支援活動」

阪神・淡路大震災時に話題となった仮設住宅における孤独死と向き合った経験から生まれた、園芸セラピーによる仮設居住者の支援を解説

④2011.11.15 安田侃(彫刻家)

「復興と向き合うアートの力」各地の復興計画で、非居住地域と指定されたために、震災のメモリアル公園という名の下に、あまり議論されることなく公園が計画されていく中での、アートの力による「空間から「場所」形成への可能性

⑤2011.11.29 中井検裕(東京工業大学)

「復興計画の主な論点と課題~陸前高田から~」多大な被害を受けた陸前高田市の復興に向けた重要な論点と現実的な課題の整理

⑥2011.12.09 城所哲夫(東京大学)

「東日本大震災後の国土計画のあり方と三陸広域連携ビジョンの研究」

本来考えるべきであった国土計画の方向性、三陸と内陸部とがつながる形での広域的な連携ビジョンの必要性

⑦2012.01.29 日本建築学会復旧・復興支援部会

「復興支援フォーラムin北上」高橋敏彦(北上市長)、森傑(北海道大学)、真野洋介(東京工業大学)らの実践報告をもとに、復旧から復興へとつながる局面の様々な課題を提起

⑧2012.02.04 佐藤隆雄(安全・安心な社会創造研究所)

「大船渡市における復興の現状と災害復興まちづくり支援機構による支援」

震災発生後、故郷の大船渡市にいち早く入って、独自に復興支援活動を始めた佐藤隆雄氏が、その後の復興の現状と災害復興まちづくり支援機構が果たす復興支援の実態を解説

⑨2012.03.17 日本建築学会まちづくり支援建築会議

「復興住宅フォーラムin北上」仮設住宅から復興住宅へのシフトが本格的に議論される時期を迎え、三井所清典(アルセッド建築研究所)、饗庭伸(首都大学東京)らが、復興公営住宅計画の論点と可能性を整理

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⑩2012.03.19 陳両全(台湾大学)

「東日本大震災の復興に活かす台湾での経験」台湾の大震災を経験して、日本の教訓を復興に活かす中心人物であった陳氏が、その後、中越・中越沖の復興にも関係する中で、今回の東日本大震災からの復興に対する熱い思いを語った

⑪2012.04.08 大方潤一郎・窪田亜矢(東京大学)

「大槌の復興まちづくりから考える震災復興の課題」町長を始めとして行政の中枢に大きな被害のあった大槌町に独自に入り込んで活動をしている東京大学チームが、現場と向き合いながら支援しているコミュニティの再生計画について報告

⑫2012.05.01 吉田樹(福島大学)

「被災地地域の移動の足の確保~持続可能な公共交通へ」

被災地の復興計画において大きな問題となる公共交通の確保は、震災前から各地域で問題となっていたことであり、この震災を機会に真剣に考えなければならない局面となっているということを解説

⑬2012.05.19 市古太郎(首都大学東京)・野澤康(工学院大学)・河村信治(八戸高専)

「野田村の復興まちづくり」複数の大学の協同プロジェクトとして野田村の復興まちづくりに関わりを持っている3名の研究者が、学生シャレットワークショップの成果を含めた、野田村の復興まちづくりの現状と課題を紹介

⑭2012.06.10 遠藤新(工学院大学)・姥浦道生(東北大学)

「釜石市および宮古市の復興計画」岩手県三陸沿岸の2つの都市の復興現場からの報告と、現時点で浮かび上がってくる復旧から復興への問題点を、2都市を比較しながら議論

⑮2012.07.07 三宅諭(岩手大学)・早田宰(早稲田大学)「山田町と気仙沼市の復興計画」

各都市の復興計画の現場から、それぞれの現状と課題を語っていただくサロンとして実施。山田町での防災集団移転を支援するガイドブック、気仙沼市に代表される港湾都市の復興が抱える問題を紹介。

⑯2012.07.08 中村政人(東京芸術大学)

「わわプロジェクトについて」芸術家がネットワークをつくりながら、被災地の活動をフォローしつつ、アートからの復興を目指す活動の内容と目標像を語っていただき、我々の活動とのコラボレーションの道を探った

⑰2012.07.13 森傑(北海道大学)

「気仙沼・小泉地区の防災集団移転」防災集団移転というドラスティックな復興手法を、地域住民とワークショップを重ねながら進めてきた経験を解説。岩手県復興局との連携により、釜石市に沿岸市町村の復興担当者および復興庁、NPO関係者を集める形で開催。

⑱2012.11.06 臂徹(おらが大槌夢広場)真野洋介(東京工業大学)

「地域住民と向き合う持続可能なまち育てとは」大槌町と石巻市で二人が実践する、地域住民と向き合った復興まちづくりの手法が、本当の意味での持続可能なまち育てにつながるということを確認し合う

⑲2012.11.26 松村豪太(ISHINOMAKI2.0)、真野洋介(東京工業大学)、北原啓司(弘前大学)臂徹(おらが大槌夢広場)

「石巻をあたらしく『つくる』」石巻で展開されている多様な人々による復興の活動の紹介と、大槌町の地域活動グループとの交流

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⑳2013.02.14 多田一彦(NPO法人遠野まごころネット)

「遠野まごころネットのこれまで・これから」遠野市でいち早く被災地支援に動いた遠野まごころネットの多田一彦理事長から、その活動を振り返っていただくとともに、伴走型サポートのあり方について議論した

※復興サロンの動き国の復興施策の紹介

↓各被災地の復興の現状と課題

↓復興を支える担い手の育成とまちづくり支援

自律的な復興を目指した活動をどう支援していくか!

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★復興支援ステーション機能

沿岸被災地仮設住宅運営支援事業対象:大船渡市のすべての仮設住宅団地マネージャー17名、支援員70名を北上市が雇用平成23年9月より事業開始

学会・研究者の役割仮設市街地支援ボード

〇団地を訪問して、マネージャーや支援員の話を直接お聞きする

〇阪神・淡路や中越での経験を踏まえた支援員を対象にした研修会を支援

復興まちづくりにとって、真に必要なもの→ 地域住民の前向きの眼差し

払拭したい先入観〇仮設住宅の住民は、庇護される人々〇いずれは出て行く、仮住まいの人々

前を向こうとしている彼らとともに、復興させていく!自分たちの地域を何とかしたいと考える人々

↓自分たちの「場所」を持ちたいと考える人々

28

仮設住宅から始まる「まち育て」

弘前大学 北原啓司(きたかみ震災復興ステーション)

29

たとえ、所有をしていなくても自分たちの生活にとってかけがえのない「場所」

だから、自分たちで育てていきたいのです

いずれは、仮設住宅から次の「空間」に移ります

その「空間」も、また自分たちで「場所」に変えるんです↓

だから、今から練習を始めましょう!

大槌ひと育て×まち育て大学設立運営プロジェクト

町民が主体的に「まち育て」に関わる作法を磨き、文化を創成する

2011年11月に設立されたおらが大槌夢広場では、おらが大槌復興食堂の運営や、ボランティアツーリズムの企画・運営、地域の子どもが町の将来を考える「こども議会」など様々な事業に取り組んでいます。今回、あらたに「大槌ひと育て×まち育て大学」事業を始めるにあたって、右腕を募集します。対象は、復興まちづくりの担い手となる大槌町民および、都市部のソーシャルな人材です。オープン講座を次々と企画運営し、町民を主体とした創造的なプロジェクトを創発する町民大学を開講します。大槌町民に対しては、復興関係の会議やワークショップに参加する作法を身につけ、自身が育まれた大槌という地域について深く学び郷土愛を高めるためのきっかけを作ります。

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ゼロからの「まち育て」

-(1)「まち育て」ってなに?-

弘前大学 北原啓司(きたかみ震災復興ステーション)

大槌ひと育て×まち育て大学

32

ゼロからの「まち育て」

-(2)ワークショップってなに?-

弘前大学 北原啓司(きたかみ震災復興ステーション)

大槌ひと育て×まち育て大学

33

ゼロからの「まち育て」-(3)創発からまち育てへ-

弘前大学 北原啓司(きたかみ震災復興ステーション)

大槌ひと育て×まち育て大学

(1)震災復興アーカイブの収集・整理および分析各被災地域における復興プロセスに関する様々な資料を収集し、客観的に分析対象とするための整理を行う

(2)被災地の復興プロセスをつなぐ北上で継続実施している「復興サロン」を、大槌釜石・大船渡等を中心にして、被災地で実施し、これからの復興プロセスにおいて情報を共有するとともに、計画支援につなげていく

(3)新たなつながりの拡大基盤整備プロセスから生活像提案プロセスに移行する時に必要な視点とは?

新たな専門家との連携、岩手→宮城→福島

★きたかみ震災復興ステーションが目指す次の局面

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復興基礎調査と復興計画支援(国の直轄調査参加を振り返って)

日本大学理工学部土木工学科

准教授 大沢昌玄[email protected]

2013.5.24

作業監理委員について作業監理委員について

・国土交通省都市局直轄調査「東日本大震災の被災状況に対応した市街地復興パターン検討調査」

・作業監理委員:学識経験者(大学、自治体OB)

・市町村毎に、作業監理委員、国交省地区担当チーム(官・補佐級1名+企画専門官・補佐級2名)、地元自治体等から構成されるメンバーにより復興計画立案を支援

・作業監理委員として、学識経験者は、専門的観点からアドバイスを実施

引用:国土交通省「津波被災市街地復興手法検討調査(とりまとめ)」http://www.mlit.go.jp/common/000209868.pdf

津波被災市街地復興手法検討調査津波被災市街地復興手法検討調査 作業監理委員のその後作業監理委員のその後

・作業監理委員期間:

平成23年度(平成23年6月~平成24年3月)

・平成24年度以降

各市町村毎に対応が分かれる

→23年度でアドバイスの終了

→市の委員として継続的にアドバイス

・日本都市計画学会と土木学会の連携委員会において、作業監理委員より復興計画策定上の課題や悩みをアンケート及びヒヤリングを通じて把握

→以後、連携委員会の活動について報告

日本都市計画学会・土木学会日本都市計画学会・土木学会地域基盤再構築に関する連携委員会地域基盤再構築に関する連携委員会

・復興方策について、生活再建、生業再建、安全再建の視点から総合的に調査分析し、地域基盤再構築の方向性や具体方策を提言すること

・2011年4月29日~5月7日実施の日本都市計画学会・土木学会共同派遣の地域基盤再構築総合調査団から実質的活動を開始

・2011年6月~2013年2月まで8回の委員会とシンポジウム(2012年7月)を開催

・都市計画学会10名、土木学会10名、計20名で構成

連携委員会活動内容連携委員会活動内容・国土交通省直轄調査作業監理委員から復興計画推

進上の課題アンケート調査(2回)

・作業監理委員との意見交換(2回)

→現場の問題点の共有化

・国土交通省からの復興進捗状況、制度手法ヒヤリング

⇒速やかな東日本大震災復興に向けた制度改正等の提案

⇒3連動地震(東海・東南海・南海)、首都圏直下地震を意識した課題の整理

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Page 11: 公益社団法人日本都市計画学会 防災・復興問題研究特別委員会 中間報告会 · 2013.01.09 第1 部会:意見交換会(石巻市役所) 2013.01.10 東日本大震災合同調査報告書編集会合

シンポジウムの開催シンポジウムの開催・日本都市計画学会・土木学会 地域基盤再構築に関

する連携委員会主催シンポジウム「しなやかで力強い国土の形成と速やかな復興に向けて」中間報告および中間提言・パネルディスカッション

・平成24年7月3日 13:15-17:00 129名出席

作業監理委員の先生方へのアンケート作業監理委員の先生方へのアンケート

第1回アンケート:平成23年7月実施

第3回委員会(平成23年8月7日)にて結果報告と議論

12都市+2都市の状況報告

第2回アンケート:平成24年3月実施⇒今回報告

第7回委員会(平成24年4月24日)にて結果報告と議論

19都市の状況報告

日本都市計画学会と土木学会の連携委員会において、現地支援に赴かれている方々(作業監理委員)へ復興計画及び事業推進上の問題点に関するアンケート調査及び意見交換会を行い、情報共有する活動を実施

アンケート項目アンケート項目

Q1:復興基本計画策定状況/空間計画作成状況

Q2:復興空間計画を実現する上での課題

Q3:復興を実現する空間計画以外の要素

Q4:東日本大震災復興特別区域法・復興交付

金制度改善事項

Q5:復興計画実施体制

Q6:情報共有したいこと

Q7:望まれる学会活動(ハード、ソフト)

Q2Q2..復興空間計画を実現する上での具復興空間計画を実現する上での具体的課題体的課題

◇合意形成◇合意形成

・合意形成(事業・全壊半壊混在地域)及びそれを進める構想力、コンサルタントのセンス 8

・広い被災地、業務量が多すぎる、技術者の不足 4

・事業手法の違いによる被災者対応の差(利子補償の問題、自己再建者の問題) 3

・アンケートの低回収率、住民意識の揺れ、浸水区域における新築・改築物件の増加 2

・国の予算措置の不明瞭さ

復興空間計画を実現する上での具体的課題(続き)復興空間計画を実現する上での具体的課題(続き)

◇計画の広域調整◇計画の広域調整

・広域調整 2

・人口フレームの設定、人口減少を踏まえた計画作り 2

・住宅以外のゾーニングの必要面積が決められない

・市町村合併された地域の作業が遅れている

◇広域インフラに関わる課題◇広域インフラに関わる課題

・鉄道の復旧、復興に関わる問題 4

・防潮堤整備計画との調整、公園緑地や道路との一体的デザイン 4

・防潮堤が効かない場合の防災避難計画と土地利用規制の連動

・復旧、管理の主体、道筋が決まらない(幹線道路・大規模公園) 2

復興空間計画を実現する上での具体的課題(続き)復興空間計画を実現する上での具体的課題(続き)

◇高台移転・防災集団移転事業・区画整理の課題◇高台移転・防災集団移転事業・区画整理の課題

・高台移転の問題(用地確保、人口分散、中間の高さの土地の活用) 3

・災害危険区域指定地の今後の取り扱いと立地誘導機能の選択 2

・防災集団移転事業の地価、土地買い上げ価格の決定 2

・防災集団移転事業における住宅地以外の土地の取り扱い(当初対象で現在は対象外)

・被災時に事業中であった区画整理の取り扱い

・区画整理における施行者単費の発生

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復興空間計画を実現する上での具体的課題(続き)復興空間計画を実現する上での具体的課題(続き)

◇農林水産業・基幹産業との関係◇農林水産業・基幹産業との関係

・農村集落の再生(農水省との関係・公営住宅活用の仕方) 2

・水産拠点の復興の具体的プラン(津波避難ビル)、産業復興との関連 2

・農業用地の転用問題

◇その他◇その他

・災害公営住宅の建設プロセス、計画プランが十分練られていない 2

・地盤沈下対策

Q5.Q5.復興計画実施体制復興計画実施体制◇被災自治体レベル◇被災自治体レベル

・支援技術者(OB、まちづくり支援要員、区画整理技術者も含む)の増員 9

・市町村内での総合的な調整、横断的部局の設置と権限の付与、復興監の必要性 4

◇国レベル◇国レベル

・広域調整の仕組み、広域行政機関の関与、国による参謀本部(作戦司令部) 3

・国の担当者は複数にすべき、地域的ばらつきが見られる

・多数の都市で復興を一気に進める体制づくり

・横並びの復興状況の情報発信

復興計画実施体制(続き)復興計画実施体制(続き)

◇業務内容◇業務内容

・業務作業の簡略化

・計画深度化のための技術、手続きのデザイン検討

◇その他◇その他

・復興まちづくり会社など民間組織の活用

・行政が行ってきた事務の民間委託に関する制度整備

・住民の組織化

・周辺都市からの転入転出に関する情報

・情報開示と住民説明

Q7Q7.望まれる今後の学会活動.望まれる今後の学会活動◇ハード◇ハード

・広域インフラの取り扱いなど長期的な地域づくりの議論をリードする場の設営 2

・復興計画技術基準、技術マニュアル 2

・かさ上げ道路の設計基準、費用対効果

・盛土における安全な建築の適用範囲

・自動車による避難を可能とする避難道路の計画と運用

・次の大震災への予防原則の適用に向けての指針作り

・マルチハザードへの対応

・高齢化予測と対応の研究

・防災集団移転に特化しすぎていないか横並びで再検討

望まれる今後の学会活動(続き)望まれる今後の学会活動(続き)

◇ソフト◇ソフト

・客観的記録の収集保管管理、復興誌の作成、アーカイブス、復興計画のレビューと見直し 4

・次の災害に備える制度提案、3連動が起こったときの実務実施体制の事前検討 2

・国土形成計画法の改定

・復興支援活動のプラットホームづくり

・中立的な立場の人による合意形成を図る教材、手引きの開発と普及

・まちづくり支援要員とそのサポートのための中間支援組織

2012年7月3日

しなやかで力強い国土の形成と

速やかな復興に向けて(概要版)

しなやかで力強い国土の形成と

速やかな復興に向けて(概要版)

(公益社団)日本都市計画学会・(公益社団)土木学会

地域基盤再構築連携委員会 中間提言案

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前文前文しなやかで力強い国土を形成するためには、災害経

験を共有する教育を行うほか、事前に復興計画づくり

に取り組むなど、日頃から防災に対する意識を高める

ことが必要である。また、地域基盤施設のアセットマネジメント、多重

ネットワークと広域的な相互支援体制の確保、都市計画のデータプラットホーム(都市計画GIS)の構築もあらかじめ実現しておかなければならない。

我々はこうした施策を前提としつつ、東日本大震災

からの復興の現状を踏まえて、さらに以下のような施

策を早急に実現することを提言する。

しなやかで力強い国土の形成に向けてしなやかで力強い国土の形成に向けて

1. 非常時に向けて常に準備を怠らないこと

2. 広域災害に対する国の復興支援体制を確立すること

3. 大規模災害からの復興に関する基本的な制度体系を確立すること

4. 東日本の復興の知見を活かして全国の防災地域づくりを推進すること

速やかな復興に向けて速やかな復興に向けて

1. 広域的な復興計画の調整を行うこと

2. 産業復興との連携措置をより一層充実させること

3. 市町村間の広域的な復興情報交流を実現すること

4. 復興事業推進のための人的資源を確保すること

5. 速やかに復興事業を実施するための制度を充実させること

6. 復興支援調査をより一層有効に活用し、そのフォローアップを実現すること

しなやかで力強い国土の形成に向けてしなやかで力強い国土の形成に向けて

1. 非常時に向けて常に準備を怠らないこと

2. 広域災害に対する国の復興支援体制を確立すること

3. 大規模災害からの復興に関する基本的な制度体系を確立すること

4. 東日本の復興の知見を活かして全国の防災地域づくりを推進すること

結び結び

なお、上記のような取組に加えて、原発事故の影

響を強く受けている地域の復興については、未だに

道筋がよく見えない多くの課題が残されている。

引き続き粘り強く除染を進めるとともに、短期・

中期・長期にわたる様々な複合的な取り組みを強化

する仕組みを用意することが必要である。

以上

速やかな復興に向けて速やかな復興に向けて

・2013年3月10日:被災市街地復興推進地域の建築制限の期限⇒計画策定から事業化への本格化

・移転跡地の活用方策の検討

・事業者(施行者と施工者)の確実な確保と執行管理

◇課題をクリアし、早急に目に見える復興の形を示し、被災地に活力を与えることが重要

◇被災地は忘れられることを一番恐れている!

忘れない!持続的な支援を!

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2012 年 7 月 3 日

日本都市計画学会・土木学会 地域基盤再構築連携委員会 中間提言

「しなやかで力強い国土の形成と速やかな復興に向けて」

しなやかで力強い国土を形成するためには、災害経験を共有する教育を行うほか、事前に復興計画づくりに

取り組むなど、日頃から防災に対する意識を高めることが必要である。

また、地域基盤施設のアセットマネジメント、多重ネットワークと広域的な相互支援体制の確保、都市計画

のデータプラットホーム(都市計画 GIS)の構築もあらかじめ実現しておかなければならない。

我々はこうした施策を前提としつつ、東日本大震災からの復興の現状を踏まえて、さらに以下のような施策

を早急に実現することを提言する。

<しなやかで力強い国土の形成に向けて>

○非常時に向けて常に準備を怠らないこと

不測の災害発生に対して、緊急に対応可能な復旧・復興準備調査費を予備費として毎年度予算計上

するべきである。

また、都市計画コンサルタント協会やUR都市再生機構など関連学業団体と先行調査隊派遣等の協

定を結び、被災時に迅速な調査実施を可能にする体制をあらかじめ準備すべきである。

○広域災害に対する国の復興支援体制を確立すること

複数の都道府県が同時被災するような広域的な災害に対しては、国が自ら率先して、被災状況調査

や市町村の復興計画の前提となる広域的な観点からの復興計画調査を実施すべきである。

そのためにも、国は復興調査・復興計画立案支援や復興事業の実施主体としてUR都市再生機構を

積極的に活用する仕組みを構築すべきである。

○大規模災害からの復興に関する基本的な制度体系を確立すること

災害対策基本法・災害救助法と同様に大規模災害からの復興についても基本的な考え方を示す制度

体系をあらかじめ確立すべきである。具体的には、省庁によって異なっている対応を復興関連施策

として集約し、復興手続きの簡素化及び総合的な事業の速やかな運用を実現する基礎を整えるべき

である。

○東日本の復興の知見を活かして、全国の防災地域づくりを推進すること

今後も津波をともなう東海・東南海・南海地震などが危惧されている。東日本大震災からの復興で

目指している地域づくりには、各地で被災前になすべき「防災地域づくり」に活かすことができる

様々な知見がある。同じ轍を繰り返さない防災の取り組みこそ、しなやかで粘り強い国土の形成の

基礎である。

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<速やかな復興に向けて>

○広域的な復興計画の調整を行うこと

これまで市町村単位での計画立案が中心であったため、現時点では広域的な調整の体制、仕組みが

十分機能しているとはいえない。人口減少下、コンパクトなまちづくりを実現するためにも、誘致

すべき機能や広域インフラの取り扱いなど、より積極的に県間及び市町村間の広域調整を図る仕組

みを早期に実現することが必要である。

○産業復興との連携措置をより一層充実させること

今回の被災地においては生業及び被災者の雇用の場である産業の早期復活が非常に重要な課題とな

っている。津波被災地における産業復興と連携した基盤整備を実現するために、民間主体と一体と

なった復興事業をより一層優先する取組みが必要である。

また、復興計画と一体となった民間投資の優遇措置を拡充するとともに、複合的な効果をもたらす

公共施設整備の事業評価システムについても災害復興に対応させた再検討が必要である。

○市町村間の広域的な復興情報交流を実現すること

各地で工夫されている復興プロセス・合意形成などの事例を共有するとともに、高台開発と低地の

嵩上げなど市町村を越えた広域的な土量バランスの確保や瓦礫の広域的活用を図るために、国が中

心となって県を超えた各地の復興情報・事業情報を交流させる広域情報ステイション機能を強化す

べきである。

○復興事業推進のための人的資源を確保すること

復興計画の実現のためには、大量の発注作業・事業実施が必須であることから、引き続き全国各地

から技術者派遣などの支援を行うことが必要である。

その際には行政 OB 技術者の活用も検討すべきで、国は積極的にその調整を図るべきである。

○速やかに復興事業を実施するための制度を充実させること

現行制度では復興予算を組むのに時間と手間がかかりすぎる。緊急時こそ手続きの簡素化を図るべ

きで、今後、現場における変更などが多数生じることも考慮すれば、事後清算で処理できる運営シ

ステムを検討すべきである。

また、復興計画推進に向けて迅速な意思決定ができる仕組みを強化すべきである。

○復興支援調査をより一層有効に活用し、そのフォローアップを実現すること

国が実施した復興支援調査については貴重な知見が多数含まれている。今後、積極的にデータを公

開し、情報の共有と一層の活用を図るべきである。また、これからも各地の復興プロセスに関する

情報を収集・整理して広く共有するとともに、フォローアップの調査についても実施すべきである。

なお、上記のような取組に加えて、原発事故の影響を強く受けている地域の復興については、未だに道筋が

よく見えない多くの課題が残されている。引き続き粘り強く除染を進めるとともに、短期・中期・長期にわ

たる様々な複合的な取り組みを強化する仕組みを用意することが必要である。 以上

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「東日本大震災への関西からの支援について」(2013.5.24)

都市計画学会関西支部 東日本大震災復興

都市づくり特別委員会 委員長 上原 正裕

関西支部の取組み

報告の概要

1 被災自治体のマンパワー不足

・犠牲になった自治体職員の事例(南三陸町と大槌町)

2 被災自治体への職員派遣

(1)派遣元自治体

・地方公共団体から被災県への派遣職員数(2012.10 総務省)

・関西広域連合ヒアリング調査の概要(2013.1)

(カウンターパート方式の支援)

・兵庫県ヒアリング調査の概要(2013.1)

・神戸市ヒアリング調査の概要(2013.3)

・西宮市ヒアリング調査の概要(2013.2)(阪神チーム派遣)

・宝塚市ヒアリング調査の概要(2013.4)(阪神チーム派遣)

・川西市ヒアリング調査の概要(2013.3)(阪神チーム派遣)

・尼崎市ヒアリング調査の概要(2013.4)

(2)派遣先自治体

・名取市ヒアリング調査の概要(2013.3)

・南三陸町ヒアリング調査の概要(2013.3)

(3)派遣職員

・派遣者ヒアリング調査の概要(2013.4)(宝塚市と尼崎市)

3 被災住民団体への専門家派遣

(1)兵庫県専門家派遣制度

・兵庫県専門家ヒアリング調査の概要(2013.1)

(東日本大震災に係るひょうご専門家派遣事業の仕組み)

(阪神・淡路大震災に係るまちづくり支援の仕組み)

・派遣専門家ヒアリング調査の概要(2013.1)(神戸NPO)

(2)国土交通省人材バンク

・国土交通省ヒアリング調査概要(2013.3)

(復興まちづくり人材バンク活用の流れ)

4 今後への提言

(阪神・淡路大震災との比較)

・今後への提言

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復興まちづくり記録整備の進め方

県市町村 都市計画協会

• 体系的なフォーマットの整備

• 専門家バンクの整備

• 体系的なフォーマットの整備

• 専門家バンクの整備

東日本大震災復興記録整備委員会••市町村窓口

連携

相談→記録整備事業の周知→サポート体制の周知 専門家バンクの整備

• 記録整備の進捗確認、課題対応等

専門家バンクの整備

• 記録整備の進捗確認、課題対応等••県主体のアーカイブ事業との連携•• 記録整備実施主体

助言

連携→サポ ト体制の周知

連携

相談

••人的支援

都市計画学会専門家派遣要請

専門家派遣

コンサルタント等

•• 記録整備事業受託者業 務 委 託

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東日本大震災復興記録整備委員名簿(案)  

所 属  

氏 名

 日本大学理工学部教授

 岸井 隆幸

 日本大学理工学部准教授

 大沢 昌玄

 法政大学デザイン工学部教授

 高見 公雄

東日本旅客鉄道㈱総合企画本部ターミナル計画部担当部長

(前 国土交通省都市局都市計画課都市計画調査室長)

 渡邉 浩司

 国土交通省都市局都市計画課都市計画調査室長

 中村 英夫

 国土交通省住宅局住宅総合整備課宅地整備調整官

 呉 祐一郎

 岩手県県土整備部都市計画課総括課長

 横山 俊夫

 宮城県土木部都市計画課長

 櫻井 雅之

 福島県土木部都市計画課長

 鈴木 典弘

 (公社)日本都市計画学会副会長

 竹内 直文

 (一社)都市計画コンサルタント協会副会長

 松原 悟朗

 (公財)都市計画協会業務執行理事

 荻原 達朗

 

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