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独自の評価シートを用いたフットケア診療向上への取り組み
医療法人社団 茨腎会 太田ネフロクリニック
看護部 〇小野寺真美 藤田綾 小沼しのぶ
技術部 山中祐治 二階堂剛史
診療部 上野智敏 酒井伸一郎
【背景】
•当院では、維持透析患者に定期的なフットケアを行っていたが、コメディカル間で評価に差が生じていた
•そこで、フットケア診療・処置技術の向上と標準化を目的に、当院独自のフットケアシートを作成し実臨床
への導入を行った
【対象・期間】
・対象患者当院維持血液透析患者251名 (男性154名 女性97名)
平均年齢66.3±12.1歳平均透析歴6.0±6.2年DM45.8%
・期間2016年1月~現在
35.7%
45.8%
12.3%6.2%
糖尿病性腎症
(H29年5月現在)
慢性腎炎
その他腎硬化症
【方法】
①フットケア、リスク評価表を用いて
視診・触診・問診を行う(1回/月)
②有所見例に対し、下肢血流評価を行う
(ABI・SPP・下肢動脈エコー・FMD)
③フットケア専用カルテを個別に作成し、
経時的変化を追う
【足病変における連携】
ABI測定・SPP測定
下肢動脈エコー・FMD
基幹病院に紹介
フットトケアリスク評価表
薬物療法
フットケア・栄養管理
運動リハビリ
アンギオグラフィーEVT・SR・ampLDL-A至適透析
フットケア専用カルテ
(1回/月)
③
②
①
【フットケア風景①】
【リスク評価表記入①】
症状を記入することで、細かく気づくことがある
【有所見検査②】
ABI測定
下肢動脈エコー
SPP測定
FMD測定
【フットケア専用カルテ③】
処置部位を記入
処置部位と状態の変化がわかるように記入
写真にて経過が一目でわかるようにしている
処置内容を記入処置の統一化を図る
【症例報告】
日付 症状 ABI SPP 下肢エコー FMD 治療
H28.8.8 下肢のしびれ(左右)
冷感、皮膚色不良
R=1.11
L=0.52
R=71
L=41ピークフローの減少
(左下肢)
EVT
ステント留置
H28.12.28 左1趾水泡形成 R=1.08
L=0.48
R=68
L=36ピークフローの減少
(左下肢)
LDL-A
(10回)
H29.1.18 左1趾水泡部潰瘍形成 他院にてABI低下
EVT
H29.5
現在肉芽形成 R=57
L=662.1 ワセリン保護
のみ
M.K(81歳)男性 腎硬化症透析歴 11年下肢動脈コレステロール塞栓症
【処置経過】
ヨウ素含有軟膏
プロスタグランジン軟膏
ワセリン軟膏
ヨウ素含有軟膏
SPP 41
SPP 66
【結果】
•シートに沿った経過観察をすることで、コメディカル間で評価に差がなくなった
•下肢病変が重症化する前段階で、基幹病院へのコンサルトを延べ21例可能した。
•下肢血管拡張術による血流改善例が増え、うち17例が
重症化(切断など)を免れた
*251名中
【今後の展開として】
•写真を用いて説明することや、患者と共に観察をす
ることで下肢病変に関心を持ってもらえるよう促し、
フットケアの必要性を理解してもらう
•家族にも足の状態や足病変を起こしやすい体の状況の理解を促すことが重要であり、協力を得るために
家族への指導を実践していく
日本下肢救済・足病学会COI開示
筆頭発表者 小野寺真美
演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業などはありません