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型保管の適正化に向けた取り組み
景山産業株式会社
会社概要
社名:景山産業株式会社
代表者:代表取締役 景山 康夫
所在地:岡山県岡山市北区建部町吉田235岡山県岡山市北区建部町土師方1282
創業:昭和43年(1968年)
設立:昭和57年(1982年)
従業員数:24名
事業内容:鋳造用中子の製造
製品:自動車、建設機械、輸送機械、産業用ロボットなど
中子について
中空の鋳造製品を造り出すためには、・主型(上型と下型)・中子型が必要
中子型は主として砂を材料とした「砂型」が主
国外では中子の製造は鋳造業者で内製するケースが多いが、国内の鋳造工程では鋳造業者が中子業者に外注するケースが多い 出典:中小企業総合財団「シェルモールド中子造型に係る技術・技能」
製造プロセス
654
1 2 3主型に中子型をセットします 上型をかぶせます 注湯します
冷却させます 砂型をこわします 余分な箇所を切断します
×
主型(上型)
主型(下型)
中子型
サプライチェーンパターン1
加工業者
鋳造業者
メーカー
中子業者
金型業者
主型・中子型発注
加工発注
鋳物
主型・中子型発注
加工品納入
鋳物納入
中子納入
中子発注(中子型貸与)
主型・中子型納入
発注の流れ
モノの流れ
主型・中子型の資産はメーカーからの支払いが一括の場合はメーカーが、分割の場合は鋳造業者が保有
※弊社の理解する範囲で作成
サプライチェーンパターン2
加工業者
鋳造業者
メーカー
中子業者
金型業者
主型・中子型発注
素材(加工済の鋳物)発注
鋳物発注
素材納入鋳物納入
中子納入
中子発注(中子型貸与)
主型・中子型納入
発注の流れ
モノの流れ
主型・中子型の資産は①メーカーと加工業者の取引形態、または②加工業者と鋳造業者の取引形態により異なる①に於いて、メーカーからの支払いが一括の場合はメーカーが、分割の場合は加工業者が保有②に於いて、加工業者からの支払いが一括の場合は加工業者が、分割の場合は鋳造業者が保有
※弊社の理解する範囲で作成
当社の課題
型の管理台帳がない
型に刻印がなく識別が難しい
顧客と型保管に関する取り決めがない
型保管場所のルールがない
型保管問題に対する認識が薄い
顧客より預かった型、返却済みの型、図番が変更となった型等が「人の記憶」に委ねられている1つの製品が複数の部品(=複数の型)で構成されているケースがあるが、これも人の記憶に依存
敷地内の「すき間」を見つけ、型を置いている状態。保管場所は、型を使用する人が把握している
しばしば型が行方不明になることがある部品の生産し忘れがまれにある
プライオリティは納期遵守の生産作業であり、役員も現場作業に従事しているため、型保管業務に取り組む従業員を立てるのが難しい
型を使用したことのある作業者が、型の「外見」で製品を判断。
保管する型が増える一方となっているなあなあの関係で、とりあえず保管する状態が続いている。
使用経験のある作業者以外は識別できない
敷地内の至る所に型が放置されており収拾のつかない状態
上記の様々な問題を生む要因になっている
それにより何が起こっているか当社の状況課題
型保管用の棚には置ききれなくなり、機械の横など、何とかスペースを見つけて保管している。
型保管現状(屋内)
屋内に置ききれない型は、屋外にコンテナを設置し保管している。型保管現状(屋外)
当社の取り組み
型管理台帳の作成(2015年9月より稼働中)
簡易データベースソフトを導入し、独自に型管理データベースを構築。
構築後は、事務スタッフが運用。
金型預かり時に写真を撮影し、外見が識別できるように。また型の入出記録も入力
販売管理システムも同ソフトで構築しているため、今後は最終の注文から1年以上経過している製品(型)をアラート表示し、型返却の交渉に活用できないか検討中。
当社の取り組み
不要な型を返却
必要な型については保管料を請求
あくまで最終の交渉先はメーカーであるため、今後の返却交渉について、必要であればメーカーへの交渉に同行することも念頭におき活動する。
量産が終了したあるメーカーの製品について、金型を返却したい旨を顧客(鋳造業者)に打診。
➢ 顧客がメーカー側にその旨を伝えたところ、補給品として引き続き生産を行って欲しいとの回答。
➢ 補給品として金型を保管し、生産するのであれば金型保管料を請求させて頂きたいと伝えたところ、保管料については値下げの要望あったが応じて頂けた。
材料の高騰に伴い、製品単価の交渉をする必要が出てきた。
➢ 単価値上げの交渉に赴く際、製品一覧を作成し、それぞれの製品について量産品・補給品・生産終了品を確認し、終了品の型の返却を申し出たところ、応じて頂けた(抱き合わせで交渉を行ったことがポイントだったと考える)
➢ また(顧客の立場に立って)メーカー毎にリストを作成することで顧客がメーカーに交渉しやすいようにした。
成功事例
成功事例
※当社保管費用算出の考え方①スペース代のみ請求②同地域の倉庫代を参考に、金型サイズ500mmを約1,000円で設定。
当社の取り組み
同業者との連携
1社単独での交渉は難しいため、同業者と勉強会を開催。互いに連携をとり、客先に交渉をする方向へ。
2018年3月 全国の同業者の理事会にて型管理に関する情報を入手2019年9月 県内の同業者(中子工業会)の勉強会にて型管理に関するディスカッション2019年12月 県内の同業者の勉強会にて型管理に関するディスカッション
ディスカッションの内容としては、・金型保管について県内の中子工業会として文書を作成するか否か・保管料について・保管に関する覚書を、経済産業省の文書を参考に独自に作成してはどうか
等
同業者における共通の課題という認識を持ち、解決に向けて策を講じていく