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加熱・せん断粉砕による米澱粉の非晶化技術の開発とグルテ ンフリー食品への応用 誌名 誌名 応用糖質科学 ISSN ISSN 21856427 著者 著者 西岡, 昭博 香田, 智則 津吹, 幸久 齋藤, 友里 西, 清貴 巻/号 巻/号 8巻1号 掲載ページ 掲載ページ p. 63-69 発行年月 発行年月 2018年2月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

加熱・せん断粉砕による米澱粉の非晶化技術の開発とグルテ …加熱・せん断粉砕による米澱粉の非晶化技術の開発とグルテ ンフリー食品への応用

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  • 加熱・せん断粉砕による米澱粉の非晶化技術の開発とグルテンフリー食品への応用

    誌名誌名 応用糖質科学

    ISSNISSN 21856427

    著者著者

    西岡, 昭博香田, 智則津吹, 幸久齋藤, 友里西, 清貴

    巻/号巻/号 8巻1号

    掲載ページ掲載ページ p. 63-69

    発行年月発行年月 2018年2月

    農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

  • 応用糖質科学第 8巻第 1号 63-69(2018) G-

    A-si

    .J

    .-1._-Development of Shear and Heat Milling Method for Amorphousization of Rice Starch and Application for Gluten Free Food*

    加熱・せん断粉砕による米澱粉の非晶化技術の開

    発とグルテンフリー食品への応用*一受賞論文一

    西岡昭博1,**'香田智則\津吹幸久2, 齋藤友里2, 西 、、主宇3/ 自 貝(にしお9かあきひろ,こうだとものり,つぶ く ゆきひさ,さいとうゆり,にしきよたか)

    Akihiro Nishioka,1** Tomonori Koda,1 Yukihisa Tsubuku,2 Yuri Saito,2 and Kiyotaka

    Nishi3

    1山形大学大学院有機材料システム研究科

    992-8510山形県米沢市城南 4-3-16

    2株式会社セイシン企業開発部

    151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-34-7

    3有限会社ウエスト

    940-0016新潟県長岡市宝 2-2-27

    1 Graduate School of Organic Materials Science, Yamagata University 4-3-16 Jonan, Yonezawa, Yamagata 992-8510, Japan

    2 Seishin Enterprise Co., Ltd. 5-34-7 Sendagaya, Shibuya-ku, Tokyo 151-0051, Japan

    3 West Co., Ltd. 2-2-27 Takara, Nagaoka, Niigata 940-0016, Japan

    要旨 :「小麦粉でパンを焼くことはできるが米粉ではパンを焼くことはできない」という従来

    の常識に対し,我々は「生地のレオロジー的性質さえ適切に制御できれば,米粉生地でも製パン

    は可能である」という着眼点のもとで成果を挙げてきた.本稿では最初に著者の専門分野であ

    るプラスチック材料のレオロジー的な知見が製パンなど加工性を制御する上で重要なツールにな

    ることを述べたさらに著者らが検討を進めてきたグルテンフリーによる製パン技術を概説し

    た.グルテンフリーによる米粉パンの製パン法として,非晶性米粉を添加する手法米粉の粒度

    分級による手法,米の品種を選択する手法について述べた最後に,米粉 100%による製パンを実現する上で鍵となった非晶性米粉 (アルファ 化米粉)の全く新しい製造技術について触れ,

    加熱 ・せん断下で米粒を粉砕することで従来よりも短時間かつ簡便に非晶性米粉 (アルファ 化米

    粉)が得られることを述べたさらに,本技術が澱粉だけではなくセルロースにも適応できる可

    能性について簡単に触れ,本研究の今後の展開について述べた

    キーワード: 非晶性米粉澱粉,ひずみ硬化臼,グルテンフリー米粉パン***

    1. はじめに

    2000年末に著者らの研究グループに地元の米農家から

    米粉パン製造に関する技術相談があ った.これがきっかけ

    となり,著者らは当時不可能とされていた米粉のみでの製

    パン技術の開発に着手した現在グルテンフリー食品の

    プームとなっているがこの点において我々は比較的早

    い段階から米粉 100%による製パン技術の開発に着手し

    たことになる著者らの専門分野はプラスチ ック材料のレ

    オロジー特性と成形加工性に関するものであるプラス

    チック材料の粘度特性がどの ように加工性に影饗を与える

    のかについて長く 研究を行ってきた我々が行った米粉

    100%による製パン技術の開発には,著者らの専門分野に

    おける研究知見が生かされ,2001年初頭には米粉生地の

    粘度 (レオ ロジー特性)を制御することでグルテンや食品

    添加物等を全く用いない米粉 100%による製パンに成功

    するに至ったその後 10年ほどで,企業や大学等の多く

    の研究者が様々な米粉パンの開発を進めグルテンフ リー食

    品の開発が盛んになったこれまで行われてきた米粉を用

    いた主な製パン技術は,小麦から抽出したグルテンを

    15-20 %配合する手法直増粘作用のあるヒドロキシプロ

    ビルメチルセルロ ース (HPMC)やグルタチオンをグルテ

    ンの代替物とする手法J-l)などが挙げられる これらの技術

    から得られた米粉パンは,厳密には小麦由来のグルテンや

    *本原稿は, 日本応用糖質科学会平成 29年度大会の技術開発賞受賞講演で一部発表された.**連絡先 (Tel.&Fax.0238-26-3207, E-mail: [email protected])

    ••• Key words: amorphous rice flour, starch, strain hardening, mill, gluten free rice bread

  • ◆ 64◆

    増粘剤が添加されているという点では「主成分が米粉」の

    パンと言えるだろうこれに対しグルテンや食品添加物等

    を用いない製パンは非常に困難であるため,様々な研究者

    がグルテンフリーによる製パン技術の開発を進めてきた6-10),

    我々の製パン法の特徴は,小麦由来のグルテンや増粘多

    糖類などの食品添加物に頼らず,米の力のみで生地の粘度

    制御を可能にし,良好な製パン性を付与する点にある

    2000年末に本研究開発を開始した当時は, I)グルテンを

    添加しないこと, 2)増粘多糖類などの食品添加物を使用

    しないことを基本方針としていたこのような方針で研究

    開発を進めた結果,米粉 100%による製パンに関する基

    本技術は 2001年初頭には完成した我々が研究開始から

    短期間で製パン法を完成するに至った大きな要因は,酒蔵

    から入手した酒粉に巡り会ったことにある酒粉とは日本

    酒の原料となる酒米を揚精する際に排出される米粉であ

    る当初,我々は米粉パンの原価を下げる目的で,安価な

    米粉を求め,酒蔵から酒粉を入手したこの酒粉に水を添

    加すると高い吸水性を示し, 高粘度の生地になることを偶

    然発見したその後の研究で酒粉中の米澱粉が揚精の段階

    で非晶化(アルファ化)していることが分かり ,非晶性

    (アルファ化)米粉の新しい製造法の開発に繋がった

    我々は偶然見つけた酒粉の特徴を活かし,これを増粘成分

    として米粉生地の粘度調整に用いることで,研究開始から

    比較的早い段階で米粉 100%の製パンを成功させた.本

    技術をもとに,山形大学初の学内ベンチャー企業である侑

    パウダーテクノコーポレーションを立ち上げた.

    本稿では,最初にプラスチック材料のレオロジー特性と

    成形加工性の相関について概説し,著者らの開発した米粉

    100%パンによる製パン技術を概説するさらに米粉パン

    開発のきっかけとなった酒粉をヒントに考案された加熱 ・

    せん断粉砕による全く新しい非晶性(アルファ化)米粉の

    製造技術に関して述べる

    2. プラスチック材料のレオロジー特性と成形加工性との関係

    プラスチック材料は我々の身の回りの様々な製品に使わ

    れている通常プラスチック製品ができるまでには,融

    点またはガラス転移点以上に加熱し溶融状態となった材料

    を金型内に流し込み固めるという工程を経る したがっ

    て,プラスチックの成形加工は,「流す」 ー 「形にする」 一

    「固める」という 3つの工程で構成される特に「流す」

    工程は,成形加工の最初の工程であるそのため,得られ

    るプラスチック材料の成型品の品質を改善していく上で,

    材料の流動と変形を扱う学問であるレオロジーが主要な

    ツールとなる特に発泡スチロールやスポンジのように成

    型品中に気泡を含む製品を得る手法を発泡成形法と呼び,

    これにより得られた成型品を発泡成型品と呼ぶ.特に発泡

    成形のように自由表面が支配的で大変形を伴う加工法は,

    溶融時の伸長粘度という物性に重要な役割があることが知

    応用糖質科学第 8巻第 1号 (2018)

    られている.伸長粘度とは溶融状態の材料が一軸方向に伸

    長変形された際の粘度のことである"\

    伸長粘度の測定結果は,固 lに示すように一般に縦軸を

    伸長粘度,横軸を伸長時間として整理される一般的なプ

    ラスチック材料の場合,図 ]に示すように大きく分けて 2

    通りの粘度挙動を示す.材料が伸長される過程において,

    ある時間までは粘度が緩やかに上昇する点では同じである

    がその後の挙動が異なることが知られている.具体的に

    は伸長粘度が,ある時間で (I)急激に上昇する場合と (2)

    上昇せずに最終的に一定値に達する場合の 2つに大別され

    る (1)で述べた伸長粘度が急激に上昇する現象をひずみ

    硬化性というひずみ硬化性は,発泡成形において気泡が

    独立して形成された良好な成型品を得る上で非常に重要な

    物性と言われている図 2に示すように発泡成形の過程で

    は,材料中で成長する気泡間の壁は伸長変形を受けてい

    る気泡の成長とともに気泡間の壁は伸長変形を受けなが

    ら次第に薄くなり最終的には壁が破れ気泡は合ーする

    そのため,気泡間の樹脂の伸長粘度特性を制御することが

    良好な発泡成型品を得る上で非常に重要である したがっ

    て発泡成形性に適した材料であるかどうかは,伸長時のひ

    ずみ硬化性の有無によって判断され,ひずみ硬化性を持つ

    材料からは,均ーな気泡を有する発泡成型品を得ることが

    可能である 12,lll_ そのため樹脂メーカーなどはひずみ硬化

    性を持つように化学的に設計された材料の開発を進めてい

    パターン(1)← 三 ひずみ硬化を起こす場合

    伸長変形ひずみ硬化

    伸 I /2激な粘度上昇のこと),I ~ 麟を起こさない場合伸長時間

    図1. 伸長粘度とひずみ硬化性

    材料の伸長粘度特性は大きく分けて二通りのパターンがあるパターン (I)では時間の経過とともに急激に粘度上昇するパターン (2)ではパターン (I)で見られた急激な粘度上昇は示さない

    図2. 発泡成形過程における気泡間の樹脂が受ける変形様式

    材料内で気泡が成長する場合,気泡間の材料は伸長変形を支配的に受ける.従って材料の伸長粘度を制御することが緻密な気泡を有する成型品を得る上で重要である.

  • 西岡他: 米澱粉の非晶化技術とグルテ ンフリー食品への応用 ◆ 65◆

    るひずみ硬化性を持つ材料を設計する手段として (1)

    分岐構造を持たせること, (2)分子量分布を広くするこ

    と, (3)超高分子量成分を持たせることなどが報告されて

    いる 11.14ー2ll_ この ようにプラスチック材料においては,材

    料のレオロジー特性と成形加工性との関係がかなり明らか

    になっている

    一方で,我々がプラスチック材料の発泡成形から製パン

    に目を向けたとき,パンの断面には多くの気泡があり広義

    にはパンもスポンジや発泡スチロールと同様に発泡成型品

    であると考える ことができる上述のプラスチック材料に

    おける知見を踏まえると,良好な製パン性を示すとされる

    小麦粉のパン生地はひずみ硬化性を有しているはずであ

    る実際,小麦生地の伸長粘度特性と製パン性に関する研

    究は多く行われている小麦生地は強いひずみ硬化 を有

    し,これが良好な製パン性に大きく寄与していることが報

    告されている 22-2S)_ この場合,小麦生地中に形成されるグ

    ルテンが,上で述べた超高分子量成分としての役割を担う

    ことで強いひずみ硬化性を発現させているとされる小麦

    生地に関する研究についての詳細な説明は割愛するが,小

    麦生地の伸長粘度特性と製パン性に関する知見に興味のあ

    る読者については,詳細な レビューが発行されているので

    参照されたい26)_

    これまでの記述から,プラスチック発泡成形と小麦によ

    る製パンのいずれも同じメカニズムであることが理解でき

    るはずである以上の ことから,製パン性を決定づけてい

    るのは生地のレオロジー特性であると考えている製パン

    時のレオロジー特性を制御できれば,グルテンや食品添加

    物等を全く用いずに米粉 100% による製パンが可能であ

    る次節では我々がこれまで検討してきた米粉を用いたグ

    ルテンフ リーによる製パン技術の例を紹介する.

    3. 米粉を用いたグルテンフリーによる製パン技術

    3.1. 非晶性米粉の添加による製パン法

    1. でも述べたように当初,著者らは米粉 100% によ

    る製パンを実現するため,揚精の段階で排出される酒粉を

    増粘成分として利用 したこの酒粉中の澱粉は揚精時に非

    晶化されている ことがわかったこのことから,我々は米

    粉 100% による製パンにおいて非晶性米粉の添加は有効

    な手段であることと認識し,市販のアルファ化米粉の添加

    が生地のレオロジー特性や製パン性に与える影響を明らか

    にしようと検討を進めた

    著者らのグループは米粉生地の伸長粘度特性と製パン性

    に与えるアルファ化米粉の影響について検討を行った27l_

    図3に伸長粘度測定の結果を示す.図中の Aはアルファ

    化米粉, Bは結晶性米粉を示す結晶性米粉の割合が多い

    生地では伸長時間の経過に伴い伸長粘度が低下する「ひず

    み軟化」が観察される.これに対して非晶性米粉の割合が

    6割を超えた生地は,伸長時間の増加に伴い伸長粘度が急

    .』

    0ー

    j

    108107106105105105105104103

    a

    (s・gd) Lt.

    3USOJSJA 1guong~uom

    AlOO

    B20A80

    B40A60

    B60A40

    B80A20 . -I £(s) ◇ 0.01 00.1 • 0.3 b,._ 1

    101 Time (s)

    図3.米粉生地の伸長粘度特性に及ぼすアルファ化米粉の添加効果27)

    図中の Aはアルファ化米粉, Bは結晶性米粉を示す.結晶性米粉の割合が多い生地では伸長時間の経過に伴い伸長粘度が低下する「ひずみ軟化」が観察される.これに対して非晶性米粉の割合が 6割を超えた生地は,伸長時間の増加に伴い伸長粘度が急激に増加する「ひずみ硬化」が発現した.S. Murakami et al. 21>より弓l用.

    10 10

    2

    10

    激に増加する「ひずみ硬化」が発現した前述のように,

    小麦からなるパン生地ではひずみ硬化性が発現し,これが

    良好な製パン性に寄与することは従来から 知 られてい

    る22-26)_ しかし,グルテンを含まない米粉生地においてひ

    ずみ硬化性の発現が確認された例はない.アルファ化米粉

    を添加することにより,米粉生地にひずみ硬化性を付与で

    きたことは,米粉 100% による製パンメカニズムを理解

    する上で重要な知見であると考えている.

    以上のように,通常の米粉にアルファ 化米粉を添加し生

    地のレオロジー特性が制御できればグルテンフ リーのパン

    の作製が可能となることがわかったが,アルファ化米粉は

    市販されてはいるものの製造コストがかかり,一般の米粉

    と比較し価格が高いという欠点がある. この点に着目し,

    著者らの研究グループは,従来法よりも簡便な手法でアル

    ファ化米粉を得られる新しい手法の開発に至ったこの技

    術については 4. において述べることにする

    3.2. その他の製パン法

    通常の米粉生地に増粘剤として非晶性米粉を添加する方

    法でも,米粉生地の粘度を適切な状態に制御できれば,米

    粉のみからなる生地でも製パンは可能であると考えられる

    著者らは,米粉の粒度を分級することにより米粉の粒

    度が生地の粘弾性と製パン性に与える影響を検討した28)

    この手法を用いることで,アルファ化米粉を添加 しなくて

    も良好な製パン性が付与できることを示した図 4に気流

    粉砕により製造した結晶性米粉を分級し作製したパンの断

    面を示す この結果から米粉の粒度が製パン性に大きく影

    響することがわかった具体的には粒径を 106~75~Lill に

    分級した生地が焼成前後のパンの高さの比から求めた発泡

    倍率が最も高く,製パン性に優れる結果となったこの結

    果は,良好な製パン性を得るためには分級を行うことも有

  • ◆ 66◆ 応用糖質科学第8巻第 1号 (2018)

    亡] 置~mm

    Non-classification 150-106μm 106-75μm

    75-45μm く 45μm図4.結晶性米粉の粒度が製パン性に与える影押(パンの断面観察結果)28)

    気流粉砕 した結晶性米粉を分級し, 米粉の粒度と製パン性の関係を検討 した.粒径を106-75μmに分級した生地が焼成前後のパンの高さの比から求めた発泡倍率が最も高く ,製パン性に優れる結果となった.この結果から米粉 100%による製パン性には米粉の粒度も大きく影響することが示唆された S.Murakami et al.'81より引用し作成

    効な手段であることを示唆している しかし,分級で米粉

    を選り分け選別して使用することは,材料の有効利用とい

    う点で大きなデメリットであり現実的ではないこの意味

    では非晶性米粉を添加する方法がより簡便で優れていると

    言える

    ここまで米粉によるグルテンフリーによる製パン技術と

    して,非晶性米粉を添加する方法と米粉を分級する方法に

    ついて述べてきた次の取り組みとして,著者らのグルー

    プは米澱粉の組成や分子構造の違いが製パン性に与える影

    響についても検討を始めている具体的には, Nipponbare,

    el, #4019という 3種類の系統の米を用いたこれらは互

    いにアミロース含有量やアミロペクチン中の分岐の数や長

    さが異なっている.これら 3系統の米は共同研究先の秋田

    県立大学より提供頂いたこれらの米を気流粉砕すること

    で製造した結晶性米粉についてレオロジー特性と製パン

    性を評価した29).

    図 5に各試料の製パン実験の結果を示す. この実験結果

    から系統の違いが製パン性に明らかに影響し,パンの発泡

    率や気泡サイズに明確な違いが観測された.これは米澱粉

    内のアミロペクチン分子の分岐鎖の長さや数などの構造的

    因子が製パン性に大きく 影響することを示唆する輿味深

    い結果である今後,さらに製パン性等に代表される加工

    性に与える澱粉の構造的因子に関する検討を進めること

    で,加工性に適した品種の開発へ向けた研究がさらに進展

    するのではないかと考えている

    4. 加熱粉砕によるアルファ化(非晶性)澱

    粉の新規製造技術の開発

    結晶性高分子である澱粉を非晶性の状態に保持する「ア

    ルファ化技術」は,澱粉の工業利用の観点でも実用上非常

    に重要な技術と言える 一般に,炊飯行程において澱粉の

    結晶性は消失するこの状態から急激に水を除水すること

    で澱粉の再結晶化が抑制され,非晶性澱粉が得られる .こ

    のように得られた澱粉をアルフ ァ化澱粉と呼んでいる 30)_

    アルファ化澱粉の製造は,結晶性高分子材料の溶融状態か

    ら急冷による非晶質保持の過程と対応している

    アルファ化澱粉は,冷水を加えるだけで炊飯状態を再現

    でき,炊飯なしで食べることができるため,主に非常食用

    途等に用いられている.普通,アルファ化澱粉を製造する

    には,「多量の水」と「熱」が同時に必要であるより簡

    便にアルファ化澱粉を得るため,アルファ化に及ぽす様々

    な因子や手法に関する研究が盛んに行われている 31-39)_ し

    かしながら,どの方法も特殊な環境,非現実的な条件下

    (高圧処理長時間処理など)で行われるため実用的とは

    言えない.

    著者らは上述の酒粉が非晶化 (アルファ 化) した要因

    は,揚精過程で強いせん断力と摩擦による発熱が生じたた

    めではないかと考えていたこのことをヒントに,澱粉を

    加熱下で粉砕し無加水かつ短時間でアルファ化澱粉が得ら

    れる手法の開発に至った••i _ 本手法による装置概略図を図

    6に示す本装置は,上下 2枚の金属製の臼から構成され

    ている上臼の上部にリングヒーターを設置し,加熱下で

    米粒を粉砕できるようになっている本装置を用いて温度

    制御下で粉砕した米粉の広角 X線回折結果を図 7に示す

    室温付近にて粉砕した米粉は, 15,17, 18, 23゚ に結晶由

    来の回折ピークが観測され結晶性であることがわかる. 一

    方で,粉砕温度を 120℃ とした場合,澱粉の結晶由来の

    回折ピークが徐々に弱まり ,非晶性米粉(アルファ化米

    粉)が得られたこの粉砕処理は数秒程度であり,処理工

  • 西岡他 :米澱粉の非晶化技術とグルテンフリ ー食品への応用 ◆ 67◆

    IO~E$,J I彗``図5 製パン実験の結果と分子鎖形状の模式図'"(a) Nipponbare, (b) el, (c) #4019.

    分子鎖構造の異なる 3種類の系統を用いて製パン実験を行った (a)Nipponbareは一般的な野生型である (b)elは分岐が多く長鎖が少ないこと を特徴とする欠損変異体である. (c) #4019 は分岐が少なく長鎖が少ないことを特徴とする欠損変異体であるアミロペクチンの分岐が多い系統 ((b)el)を用いることで製パン性が向上することを明らかにした.H. Yano et al.'" より引用し作成

    熱電対

    米粒投入口O。

    灼蟷o O,.,.,o

    20

    20 図7.異なる粉砕温度で粉砕した米粉の広角 X線回折の結果40)

    粉砕温度の異なる 2種類の米粉の広角 X線測定を行った 室温付近 (15℃)にて粉砕した米粉は, 15, 17, 18, 23゚ に結晶由来の回折ピークが観測され結晶性であることがわかる.粉砕温度を 120℃ とした場合, i殿粉の結晶由来の回折ピークが徐々に弱まり,粉砕のみで非晶性米粉(アルファ 化米粉)が得られることがわかった K.Katsuno et al. "lより引用し作成

    回転

    温度制御装置

    (·n-~)

    AJ!Sll.llllJ 120°C

    5

    10 15 25 30 35

    図6.著者らが開発した温度制御型臼式粉砕装置の模式図,.,

    米粒を加熱下で粉砕することで,非晶性米粉を製造することが可能である 本手法により短時間かつ簡便にアルファ化米粉が製造可能となった. K. Katsuno et al四より引用し作成

    程も簡便であるため実用性にも優れる .さらに粉砕温度を

    変えることで米澱粉の結晶化度(以下,アルファ化度)を

    自在に制御できる点も従来技術に対する本技術の特徴の I

    つである

    以上述べたように,著者らの方法は, (1)粉砕のみ, (2)

    無加水, (3)短時間(十数秒)でアルファ化可能な手法で

    ある さらにアルファ化度の制御が可能であるという優れ

    た特徴を有している.これまでに本手法により得られたア

    ルファ化米粉を用いた米粉 100%パン(図 8参照),

    シュークリーム,クッキーなどを産学連携により開発し市

    販化した

    今後粉砕のみという非常に簡便な手法により澱粉だけ

    ではなくセルロ ースの非晶化も可能になれば,バイオマス

    資源の有効活用という観点で有効な技術となる.すでに著

    者らはセルロース材料への適応も行っており上述のアル

    ファ化澱粉の製造技術を応用することでセルロースの非晶

    図8 著者らの手法により製造した米粉 100%パン

    アルファ化米粉を添加することで生地のレオロジー制御を行い,米粉 100% による製パンが可能となった

    化も可能であることがわかってきた">.澱粉との絶対的な

    違いは, 30℃ 以下という低温下での粉砕において特異的

    にセルロースが非晶化することである.本粉砕処理を行っ

    た非晶化セルロ ースはセルラーゼに対する酵素反応性に優

    れることもわかってきたそのためバイオエタノールの生

    産工程におけるセルロースの前処理技術としての利用が期

    待できるさらに最近では非晶化セルロースを プラスチッ

    クに添加した「ウッドプラスチック」の開発も進めてい

    る匂図 9にポリプロピレンに未粉砕の精製セルロースを

    添加した系と本技術により非晶化した精製セルロースを添

  • ◆ 68◆

    (a) (b) 図 9. ポリプロピレン/セルロース複合材料 (50/50wt¾) の引

    張試験4')

    (a)未粉砕の精製セルロースを添加した系, (b)非晶化した精製セルロースを添加した系

    未粉砕のセルロース粉末と温度制御下で粉砕した非晶化セルロース粉末をそれぞれポリプロビレンに 50wt%添加した系の一軸引張試験を実施した.未粉砕のセルロース粉末が添加された材料は脆性的に破断するのに対して,非晶化セルロースが添加された材料では延性的な挙動を示した大屋ら4')より引用し作成

    加した系の引張試験の様子を示す.セルロースの添加醤は

    いずれも SOwt%である未粉砕の精製セルロースを添加し

    たサンプルでは脆性的に破断するのに対して,非晶化した

    精製セルロースを添加した系では延性的な性質が付与され

    ることがわかったこの結果は非晶化したセルロースを用

    いることで, ウッドプラスチックの欠点の 1つである脆さ

    の改善が期待できることを意味しており,非常に興味深い

    5. おわりに

    本稿ではプラスチック材料のレオロジーと成形加工性に

    関する知見を述べ,グルテンフリー食品への応用の可能性

    について述べたプラスチックの成形加工において良好な

    成型品を得るためには,粘度に代表される レオロ ジー特性

    を制御することが重要である これを応用することで可能

    としたグルテンフリーの製パン技術には,一見して異分野

    に見える工学の技術が重要な役割を担っていた米粉生地

    のレオロジー制御を行う手段として,アルファ化米粉を添

    加する方法や米粉を分級する手法を述べたまた米澱粉の

    アミロペクチンの構造が製パン性に与える影響について最

    近の著者らの検討について述べた.一連の検討の結果,著

    者らはレオロジー制御を行う手段としてアルファ化米粉の

    添加が最も有効であると考えている.

    さらに生地のレオロジー制御を行う上で鍵となった澱粉

    のアルファ化技術は,米i殿粉以外にも澱粉が主成分である

    穀物,芋類に応用可能であるまた,この技術が澱粉だけ

    ではなくセルロースの非晶化にも有効であることを述べ

    応用糖質科学第 8巻第 1号 (2018)

    た今後本技術が食品分野だけではなく,バイオマスプ

    ラスチックの原料やバイオエタノール製造の際の前処理技

    術等の工業分野にも活用されることを期待する.

    今後アルファ 化米粉は,小麦の代替え 目的 だけではな

    く,乳を用いないソフトクリームや卵を用いないマヨネー

    ズなど様々なアレルギー対応食品の開発に応用できると考

    えている今後もアルファ化米粉の独自の製造技術と応用

    技術を生かし,社会に貢献する研究を継続できれば幸いで

    あ る

    謝辞

    本技術の開発は,株式会社セイシン企業,有限会社ウエ

    スト ,山形大学の多くの関係者のご協力のもとで成し遂げ

    られものです.また,研究開始当初から福山大学の井ノ内

    直良先生,中浦嘉子先生(現・農研機構)には様々なアド

    バイスと実験協力を頂きましたまた,秋田県立大学の中

    村保典先生,藤田直子先生には澱粉の構造解析など専門的

    な観点から様々なアドバイスを頂きましたここに心より

    謝意を示します.最後に,このような栄誉ある日本応用糖

    質科学会技術開発賞を受賞するにあたりご推薦頂きまし

    た東北支部の藤田直子支部長,弘前大学の加藤陽治先生を

    始めとした諸先生方にこの場をお借りして心より御礼申し

    上げます

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