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環境に配慮した歩道舗装と その性能評価方法 大阪支店 1

環境に配慮した歩道舗装と その性能評価方法kandoken.jp/huroku/190214shiryou-2.pdf · 用外壁材料のjis a 1435、インターロッキングブロックを評価する際

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環境に配慮した歩道舗装と その性能評価方法

大 林 道 路 株 式 会 社 大阪支店 石 川 義 人

1

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国土交通省近畿地方整備局は、新都市社会技術融合創造研究会の平成25年度新規研究プロジェクトのテーマの1つとして「環境に配慮した歩道舗装に関する研究」を提案し、平成25 年度より3年間、研究活動を行った。

最終年度である平成27年度(2015年)には、環境歩道舗装について『国道等の歩道における試験施工』を実施し、長期供用性の確認を行うこととした(2020年まで)。

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本報告の内容

上記における室内試験および試験施工、ならびにワーキンググループにおける検討結果から、環境に配慮した歩道舗装に関する性能評価方法の策定を行った。

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本プロジェクト発足の背景 歩道は、歩行者にとって重要な空間であるが、従来、アスファルト舗装で画一的に整備されてきている。

路面温度上昇によるヒートアイランド現象の助長

雨水の流出による排水量の増加

環境に配慮した歩道舗装の多様なニーズに対応するため、それらの技術基準に必要な基礎資料の収集を 行う。

環境への負荷が増大

歩道等の舗装に適用可能な種々の工法・材料について、環境に係る性能および強度・耐久性の評価方法を検討し、適用場所の条件に応じた必要性能案を作成する。

本プロジェクトの目的

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(* プロジェクトリーダ-、**プロジェクト幹事、***ワーキンググループ幹事) 産:大林道路株式会社** 奥村組土木興業株式会社 鹿島道路株式会社*** 大成ロテック株式会社 東亜道路工業株式会社*** 株式会社 NIPPO*** 鐵鋼スラグ協会 株式会社 地球環境技術研究所 住友大阪セメント株式会社*** 学:山田優*(大阪市立大学名誉教授) 佐野正典*、東山浩士(近畿大学) 官:近畿地方整備局道路部、近畿技術事務所、滋賀国道事務所 オブザーバー:大阪府、兵庫県、大阪市

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プロジェクト参加メンバー

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項 目 内 容 H25 年度

H26 年度

H27 年度

現状の 調査・分析

・これまで実施あるいは提案されている歩道舗装の調査 ・それらの特徴を検討し、適用条件別に分類

室内試験 ・検討対象とする工法・材料を抽出 ・試験施工に採用した工法・材料の室内試験

試験施工 ・構内における小規模な試験施工 ・国道等の歩道における試験施工

試験結果 の分析

・室内性能評価試験および小規模試験施工の結果の分析 ・適用条件別、必要性能案の検討 ・試験施工ならびに室内試験結果の分析 ・歩道舗装の分類、必要性能(評価指標と基準値)の提案

報告書の作成 ・研究成果の取りまとめ、報告

内容と研究スケジュール

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

本研究プロジェクトの実施内容と流れの概要

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

小規模試験施工(近畿技術事務所内)

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近畿技術事務所構内での小規模試験施工 H25年11月施工分:17種類(黄色の枠内)

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H26年10月施工分:5種類(赤色の枠内)

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小規模試験施工(H25.11.5-14)後の全景 (計17種類x約2~3mx2m=約90m2)

コンクリート系舗装

木質系ブロック舗装

樹脂・アスファルト系舗装(8種類)

土系舗装(6種類)

樹脂系土舗装

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10 小規模試験施工(H26.10)後の全景(計4種類)

土系舗装オーバーレイ(練り左官方式)

路面温度低減舗装

歩行者系透水性弾性舗装

木質加熱アスファルト舗装

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

室内試験の概要

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「すり減り抵抗」評価方法の検討

日本道路協会:舗装性能評価法別冊に記載の交差点のポーラスアスファルト混合物舗装のための評価方法を参考にして検討

ねじり骨材飛散試験機

すり減り飛散質量 飛散率(%)= ×100 試験前の供試体質量

試験後の供試体

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項 目

試験条件

参考とした交差点舗装(ポ ーラスアスファルト混合物)用

本プロジェクトで歩道用に採用した設定

試験輪

型式 ハンドカートタイヤ 産業車両用タイヤ

寸法 直径200 幅65mm

直径175 幅40mm

トレッドパターン リブラグパターン リブパターン

空気圧 200±10kPa 245±10kPa

供試体寸法 300×300×50mm

載荷荷重 (接地圧)

490N (0.43MPa)

343N (0.51MPa)

テーブル回転数 10.5回/分

走行半径 7.5cm

試験温度 50℃±2℃

試験時間 120分 18~72分

01234567

0 50 100 150

試験時間(分)

飛散率

(%

交差点用試験条件

歩道用試験条件

歩道に施工実績が多い「樹脂で固めた土舗装(デュソル)」の試験結果

この結果等から、 歩道用舗装の基準として、飛散率1.0%以下を提案

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「泥濘化抵抗」評価方法の検討

土木研究所編:土系舗装ハンドブック(2009)の参考資料に、プロクターニードル貫入試験を用いた評価方法の記述がある。それを参考に、24時間水浸後のプロクターニードル貫入抵抗値で評価することとし、基準値を検討した。

その結果、30ポンド以上(50ポンド以上が望ましい)を提案、なお試験施工で使用した工法・材料は、すべてこの基準を満足した。

プロクターニードル貫入試験機 プロクターニードル貫入試験状況 14

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「ひび割れ進行抑制を考えた許容輪荷重」の検討

・車両の乗入れがある歩道舗装の場合に許容できる輪荷重を経験または力学解析から推定する。

・力学解析による推定許容輪荷重=限界輪荷重/安全率 =輪荷重P×(引張強度/輪荷重Pによる最大引張応力)/安全率

輪荷重P=4.9kN(軽トラック相当)による 最大引張応力の計算値と引張強度から許容輪荷重の推定例

舗装の種類 土系舗装 透水性アスファ

ルト舗装 路面温度 低減舗装

透水性コンクリート舗装

表層厚と路盤厚(cm) 5、10~15 4、10~15 4、10~15 8、10~15

表層の弾性係数(MPa) 6,000~12,000 5,000 11,400 34,000

路盤、路床の弾性係数(MPa) 100、30

最大引張応力(MPa)注1) 0.6~0.9 0.7~0.8 1.2~1.3 0.7

引張強度(MPa) 0.72 0.83 1.60 1.96

推定許容輪荷重(kN) 2.0 2.5 3.0 6.8

注1)最大引張応力の計算に乾燥収縮、温度変化による応力を考慮していない。 注2)安全率=2としての推定結果 15

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「凍害抵抗性」評価方法の検討

項 目 設定内容 供試体の形状、寸法 円板、直径10cm×各施工厚さ(2.5~5cm)

凍結融解方法 表面乾燥飽水状態→気中凍結→気中融解の繰返し

1サイクルの温度と時間の設定条件

凍結:ー5℃,16時間、融解:7℃,8時間 計1サイクル,24時間

最大サイクル数 55サイクル

供試体測定項目 質量、表面性状(観察)

試験方法としては、主にコンクリートを対象としたJIS A 1148、建築用外壁材料のJIS A 1435、インターロッキングブロックを評価する際のASTM C1465-06 や簡易凍結融解方法がある。

それらを参考に下表に示す簡易凍結融解方法を設定し、土系舗装供試体について試験した。

しかし、供試体に顕著な変化が見られなかった。

検討に使用した凍結融解試験条件

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

アンケート調査

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15.保水性・透水性木質系ブロック

6.遮熱型常温透水薄層カラー

5.透水性

1.保水性

8.自然石風常温透水薄層カラー

17.土系「オーバーレイ」

16.透水性コンクリート

14.樹脂系土舗装

11.土系「散水・転圧」

12.土系「練り・転圧」

13.土系「土ブロック」

9.土系「砕石・土コラボ」10.土系

「練り・左官方式」

7.常温透水薄層カラー

4.常温混合物透水性

3.常温混合物保水性

2.カラー保水性10

10 6 5

5

13

8

15 5 5

6 6

10

14

20

12

5

利用者(歩行者)へのアンケート結果 <近畿技術事務所主催『ふれあい土木展』の来場者>

「良いと思った舗装」得票数(投票総数:155)

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滑りにくさ8%

その他8%

色合い42%

歩きやすさ42%

滑りにくさ21%

その他7%

色合い29%

歩きやすさ43%

歩きやすさ100%

木質ブロック

透水性コンクリート 樹脂系土舗装 19

上位3種類 『良いと思った理由』

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アンケート依頼 近畿地方整備局(33事務所74維持出張所)のうち11事務所22出張所に調査依頼

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道路管理者へのアンケート結果

大阪国道事務所 北大阪維持出張所 兵庫国道事務所 神戸維持出張所 姫路河川国道事務所 姫路第一維持出張所

大阪国道事務所 南大阪維持出張所 兵庫国道事務所 西宮維持出張所 姫路河川国道事務所 姫路第二維持出張所

大阪国道事務所 西大阪維持出張所 兵庫国道事務所 明石維持出張所 姫路河川国道事務所 山崎維持出張所

大阪国道事務所 高槻維持出張所 兵庫国道事務所 洲本維持出張所 和歌山河川国道事務所 和歌山国道維持出張所

京都国道事務所 京都第一維持出張所 福井河川国道事務所 福井国道維持出張所 和歌山河川国道事務所 海南国道維持出張所

京都国道事務所 京都第二維持出張所 福井河川国道事務所 敦賀国道維持出張所 福井河川国道事務所 嶺北国道維持出張所

奈良国道事務所 奈良維持出張所 福知山河川国道事務所 福知山国道維持出張所 滋賀国道事務所 交通対策課

奈良国道事務所 橿原維持出張所 豊岡河川国道事務所 八鹿国道維持出張所 紀南河川国道事務所

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アンケートの内容 1.環境歩道舗装に求める機能 2.環境歩道舗装の管理に求める条件 3.環境歩道舗装の施工に求める条件

都市部、農村地区、山間地区および気象条件を視点とした一般地域、寒冷地域に分類しアンケート結果を整理した。

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アンケート結果 1.環境歩道舗装に求める機能

すべての地区で「雨水時に滞水しない」機能を求めていた。

都市部においては”歩行のしやすい歩道”を求めているのに対して、地方部においては”景観との調和”も要求項目であることが考えられる。

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「人工物の多い都市部」と「高齢化や環境に重点を置く地方部」とで求める機能に相違があると考えられる。

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2.環境歩道舗装の管理に求める条件

すべての地区で「雨天後に水たまりができない」および「雨で濡れた時にすべりにくい」機能を求めていた。

都市部では、「平たん性,段差が生じにくい」、「目地等の隙間、クラックから雑草が生えにくい」など歩道利用者の安全性、利便性を求めていた.

農村地区では「管理車両が乗ってもある程度の耐久性がある」、「ごみ、土砂がたまりにくい」など,維持管理の頻度が少ない農村部の現状が伺えた。

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アンケート結果

冬場,凍結しやすい山間地域において、「積雪時に表面が凍らない」など安全性の配慮が伺えた。

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3.環境歩道舗装の施工に求める条件

すべての地区において「規制(時間)を短くできる」を求めていた。

都市部においては商業施設や住居棟が連担密集し、かつ歩道利用者が多いため、都市部に特有な条件が多く見受けられた。 「大規模な機械が不要(作業場所をとらない)」、「施工時の騒音,振動が少ない」、

「使用材料の安定した調達が可能」、「狭隘部の人力施工でも品質管理がしやすい」、「品質確認が容易」

農村地区では「大規模な機械が不要(作業場所をとらない)」、「使用材料の品質管理が容易」、「使用材料の安定した調達が可能」の順に求めていた。

24

アンケート結果

山間地区では、「使用材料の安定した調達が可能」、「使用材料の品質管理が容易」、「品質確認が容易」を求めており、材料の調達が困難な山間地区の特徴が伺えた。このように各々の地域特有の気候や。風土に見合う機能を求めていると考えられる。

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

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実道における試験施工(道の駅「妹子の郷」)

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位置図

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道の駅「妹子の郷」における試験施工

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番号 環境歩道舗装の名称 備 考 1 自然石風常温透水薄層カラー舗装 ポーラスアス混合物上に散布 2 樹脂で固めた土舗装 まさ土と特殊ウレタン樹脂 3 土系舗装 まさ土とセメント系固化材 4 木質加熱アスファルト舗装 木質チップ骨材

5 遮熱型常温透水薄層カラー舗装 ポーラスアス混合物上に散布

6 路面温度低減舗装 ポーラスアス混合物に注入 7 透水性コンクリート舗装 ポーラスコンクリート

試験施工に供した舗装の種類および調査日

回数 経過年数 調査日

第 1回 初期値 平成27 年 7 月 31 日

第 2回 半年後 平成28 年 2 月 2 日

第 3回 1年後 平成28 年 9 月 16 日

第 4回 2年後 平成29 年 9 月 21 日

発注者と協議の上、小規模試験施工21種類の中から7種類を選定

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道の駅「妹子の郷」 試験施工箇所図

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調査項目および試験位置

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試験名 位置 指標 備考

弾力性試験 C GB係数・SB係数

平たん性 C.L σ0.5m L=4m

きめ深さ R CTメータ(MPD)

すべり抵抗性試験 L BPN 湿潤、乾燥

現場透水量試験 C 浸透水量

プロクターニードル貫入試験 PN 貫入抵抗(貫入針φ6.5㎜) ”樹脂で固めた土舗装”のみ

目視観察 全体 表面写真撮影・スケッチ等 調査票の作成

縁石 基準点からの距離

歩道

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施工直後(2015.7.31) 供用2年後(2017.9.21)

1_自然石風常温型透水薄層カラー舗装

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舗装表面写真(施工直後、供用2年後)

若干ではあるが、骨材表面の塗膜の剥がれが見受けられた。

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2_樹脂で固めた土舗装

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舗装表面写真(施工直後、供用2年後)

施工直後(2015.7.31) 供用2年後(2017.9.21)

供用1年後くらいから、舗装表面からの浮き砂が目立つようになった。

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舗装表面写真(施工直後、供用2年後) 施工直後(2015.7.31) 供用2年後(2017.9.21)

3_土系舗装

収縮ひび割れが目立つようになり、ひび割れ率も増加傾向にあるが 全体的に良好な状態を呈している。

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舗装表面写真(施工直後、供用2年後)

施工直後(2015.7.31) 供用2年後(2017.9.21)

4_木質加熱アスファルト舗装

木材のささくれや木片の凹凸も少なくなり、良好な状態を呈している。

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舗装表面写真(施工直後、供用2年後)

施工直後(2015.7.31) 供用2年後(2017.9.21)

5_遮熱型常温薄層カラー舗装 風雨や紫外線の影響により、当初よりも色合いが変化してきた。

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舗装表面写真(施工直後、供用2年後) 施工直後(2015.7.31) 供用2年後(2017.9.21)

6_路面温度低減舗装 骨材表面および骨材間隙の保水材が除去され、骨材の露出が目立ってきた。

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舗装表面写真(施工直後、供用2年後) 施工直後(2015.7.31) 供用2年後(2017.9.21)

7_透水性コンクリート舗装

適度に骨材が現れてきて、飛散等もなく良好な状態を呈していた。

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弾力性試験

”土系舗装”は、冬期の凍結融解作用に対する抵抗性を高める目的で、若干、配合を変えているためGB係数は透水性コンクリートと同程度で推移している。

”木質加熱アスファルト舗装”と”樹脂で固めた土舗装”はGB係数が小さく、現場でもソフトな歩き心地を呈していた。

37

性能 目標値

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路面の弾力性模式図

”土系舗装”はアスファルト舗装より硬い結果であった。

”樹脂で固めた土舗装”はクレイ系に属し、”木質加熱アスファルト舗装”はアスファルト弾性混合物の範囲であった。

38

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平たん性σ0.5m

すべての舗装は、供用2年後においても目標値の3.5㎜以下であった。

“樹脂で固めた土舗装“や。”木質加熱アスファルト舗装”のような軟らかい舗装では12ヶ月後までの数値は増加傾向を示していたが、その他は概ね同様な値か、やや低下傾向で推移している。 39

性能目標値

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平たん性 路面高さ

路面高さの線形を重ね合わせた図では、すべての舗装において、概ね形状が一致している。 40

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きめ深さ(MPD)

“木質加熱アスファルト舗装”や“自然石風常温透水薄層カラー舗装”では、6ヶ月以降低下傾向を示しているが、その他は概ね同様な値で推移している。

41

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すべり抵抗性試験 乾燥・湿潤

乾燥状態では、浮き砂が多く発生している“樹脂で固めた土舗装”のほうが、浮き砂のない“土系舗装”よりもBPNは小さい値を示している。しかし、24ヶ月後の湿潤状態におけるBPNでは、舗装表面の磨耗により双方の差が小さくなったものと考えられる。

42

“木質加熱アスファルト舗装”は歩行者の通行等により、表面のささくれが除去されて滑らかになってきたために、BPNが低下傾向を示しているものと考えられる。

性能目標値

性能目標値

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きめ深さ(MPD)とすべり抵抗(湿潤)

43

“木質加熱アスファルト舗装”と“路面温度低減舗装”以外は、きめ深さとの相関が伺える。

“木質加熱アスファルト舗装”および“路面温度低減舗装”は材料の素材の影響を受けている ものと考えられる。 “木質加熱アスファルト舗装”はチップ材の表面が滑らかになってきた。 “路面温度低減舗装”は6号砕石の表面のテクスチャが効いている。

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現場透水量試験

※樹脂で固めた土舗装は非開粒タイプのため参考とする。 44

性能目標値

”透水性コンクリート舗装”について、8月の表面温度測定時に浸透水量の再確認を行った際の値は889mℓ/15sec(6.75秒)、24ヶ月後の調査時は985mℓ/15sec(6.09秒)であった。

⇒12ヶ月後の値は異常値とみなし、データから除外する ”木質加熱アスファルト舗装”、”自然石風常温透水薄層カラー舗装”は1年後からは同程度で推移。

異常値

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プロクターニードル貫入試験、ひび割れ率

“樹脂で固めた土舗装”の貫入抵抗は変動があるものの、74~92(lb)で推移している。

“土系舗装”のひび割れ率は24ヶ月後で34.4%と増加傾向にある。当該箇所のひび割れは、収縮ひび割れと考えられる。 45

3_土系舗装に発生したひび割れ

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舗装表面温度 供用2年後

供用2年後の表面温度は、密粒度舗装に 比べて、-2.4~-9.3℃の温度低減が確認された。

※ 4は14:00から、2と3は15:00から擁壁の日陰となるため、15:00以降はプロットなし。 46 赤外線サーもカメラによる測定状況

4_木質加熱アスファルト舗装(2017.8.2 14:00)日陰あり

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舗装表面温度(竣工、1年後、2年後)

密粒舗装との比較 竣工時 ⇒ -5.8~-16.7℃、木質加熱As舗装は+4.3℃ 1年後 ⇒ -3.7~-13.4℃、木質加熱As舗装は+7.5℃ 2年後 ⇒ -2.4~ -9.3℃、木質加熱As舗装は+6.8℃ ※自然条件下における測定のため、測定日以前の降水量や降雨の有無は一定ではない。ただし、温度測定は晴天時に実施している。

47

保水材で骨材間隙が覆われていたが、経年により、骨材が露出してきたために、施工直後に比べて表面温度が上昇。

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

工法・材料とその分類整理

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バインダーの 主骨材 砕石・砂利

土 (まさ土等)

木質 (チップ等) 種類と使用法

アスファルト系 加熱混合 ○ ○

常温混合 ○

樹脂系 現場締固め ○ ○

既製ブロック ○

セメント系

コンクリート 版 ○

ブロック ○

安定処理 現場締固め ○

既製ブロック ○

石灰・石膏系(現場締固め) ○

環境歩道舗装用工法・材料の分類・整理結果

・すでに多くの工法・材料が開発され、施工事例がある。 ・開発中のものも含め、それらを分類・整理すると、以下のとおり:

検討対象とした環境歩道舗装用 工法・材料の分類・整理

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

要求される機能の検討

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歩道の機能 舗装の性能・特徴(評価指標例)

歩道として必要な機能

歩行の安全性 (歩道として必須)

つまずかない(段差量)、 湿潤時もすべらない(湿潤時BPN)、 降雨後に水たまり無し(浸透水量、路面排水性)

強度・耐久性 (必須となる安全性の持続)

すり減り抵抗(すり減り量)、泥濘化抵抗(水浸後貫入抵抗値)、ひび割れ抵抗(許容輪荷重)、 凍結融解抵抗(凍結融解繰返し後の変化)*

環境の保全・改善に有効な機能

歩行のしやすさ、快適性

平たん性(標準偏差)、貫入しない(貫入抵抗)、衝撃吸収・弾力性(反発係数)、凍結時も滑らない(凍結時BPN)、温度上昇緩和(路面温度)、防塵(遊離微粉量)、美観・景観調和(色彩など)、耐候性(変色、色むら速さ)

その他、沿道・地域環境への影響・効果

地下水涵養・雨水流出抑制(浸透水量)、車両騒音・排気(吸収量)、緑化(緑化率)、解体時廃材(リサイクル容易性)

その他、管理者が必要とする機能

日常管理のしやすさ 清掃(ごみ、土砂の蓄積量)、雑草対策(雑草生育量)、部分補修(補修材料の調達可能性)、埋設物工事(部分掘削の容易性)

施工性 材料調達、地産・リサイクル材活用(市場性、品質安定、価格)、品質管理(基準の存在)、通行規制(規制時間)、使用機械(規模、人力可否)、施工時環境(騒音・振動、臭い)

*寒冷地でのみ、適用

環境歩道舗装の機能と必要な性能・特徴

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歩道の機能 歩道として必要 環境保全改善に有効 管理者として必要 安全性 強度 歩行性・快適性 沿道環境 日常管理 施工性

舗装の 性能・特徴

つまずかない

湿潤時も

すべらない

降雨後も水たまり無し

すり減り抵抗性

泥濘化抵抗性

ひび割れ抵抗性

凍結融解抵抗性

平坦性(

凹凸が少ない)

貫入しない(

硬さ)

衝撃吸収・弾力性

温度上昇緩和

防塵

美観・景観との調和

耐候性

地下水涵養・

流出抑制

車の騒音・

排気の吸収

緑化

解体時の廃材処理

清掃がしやすい

雑草対策がしやすい

部分補修がしやすい

埋設物工事がしやすい

材料調達が容易

品質管理が容易

通行規制(

規制時間等)

使用機械(

調達容易)

施工時環境(

臭い等)

求められる機能例

一般歩道 O O O O O O O O O O O O 歩行困難者 O O O O O O O O O O O O O 地球環境対策 O O O O O O O O O O O O O 沿道環境対策 O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O 狭隘部歩道 O O O O O O O O O O O O LCC重視 O O O O O O O O O O O O O O O O O

歩道舗装の性能と求められる機能例ごとの必要性能選択例

すべての歩道に適用 基準値を発注者が指定、または総合評価 (基準値は歩道に求める機能で異なる) 52

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1.現状把握 ・文献調査 ・施工事例調査

4.道路管理者へのアンケート調査

2.各種工法・材料の 試験施工と室内試験 ・近畿技術事務所内 ・道の駅(妹子の郷)

3.利用者(歩行者)へのアンケート調査

5.対象とする工法・材料とその分類・整理

6.環境歩道舗装に要求される機能の検討

7.要求機能をもたらす工法・材料性能の指標と試験方法の検討

8.各性能指標の基準値の検討

9.環境歩道舗装の機能・性能とその評価方法の提案

利用可能な工法・材料、評価方法の現状把握

施工性、コスト等の検討、フィールド試験データの収集

利用者の好み・要求の把握

道路管理者として必要な機能の把握

工法・材料性能の指標と試験方法の検討、基準値の検討

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歩道の機能 舗装の性能、

特徴

評価方法案

評価指標 評価・試験値 /試験方法

基準値 (案または事例)

歩道として必要な機能

歩行の安全性(歩道として必須)

つまづかない 段差量 定規などによる測定値 3mm以下、

視覚障害者用20mm目標

湿潤時も すべらない

湿潤時すべり抵抗値

湿潤時BPN 40以上

(50以上が望ましい) 降雨後に

水たまり無し 浸透水量 or 路面排水性

現場透水量試験 300ml/15s以上 or 路面勾配

各機能・性能の評価方法の検討(1)

試験方法は、いずれも「日本道路協会:舗装調査・試験法便覧」に記載がある。

段差量 すべり抵抗値 現場透水量 54

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各機能・性能の評価方法の検討(2)

歩道の機能 舗装の性能、

特徴

評価方法案

評価指標 評価・試験値 /試験方法

基準値 (案または事例)

歩道として必要な機能

強度・耐久性(必須となる安全性の持続)

すり減り抵抗 ねじり試験によるすり減り飛散率

試験方法を 新たに提案

1.0%以下

泥濘化抵抗 1日水浸後の 貫入抵抗値

プロクターニードル貫入試験

30ポンド以上 (50ポンド以上が望ましい)

ひび割れ進行抑制

乗入れ車両の 許容輪荷重

経験または 解析から推定

設計輪荷重×安全率 以上

凍害抵抗性 (寒冷地のみ)

凍結融解繰返し後の変化

試験方法を 新たに検討

試験後に顕著な変化が見られないこと(要継続検討)

これら強度・耐久性に係る性能については、これまで仕様に示すに十分な基準等がなかった。

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環境の保全・改善に有効な機能

歩行のしやすさ、快適性

平坦性(凹凸が少ない)

標準偏差σ 舗装路面の平坦性

測定方法 3mm(or 3.5mm)以下

貫入しない (硬さ)

貫入抵抗値 プロクターニードル

貫入試験 60ポンド以上

衝撃吸収、 弾力性

反発係数 (衝撃加速度)

GB (G)

GB:70以下 (望ましいG:69~91)

凍結時も すべらない

凍結時 すべり抵抗値

凍結時BPN 未設定

温度上昇緩和 路面温度の 低減度

現地の路面温度 通常舗装より低い

防塵 遊離微粉量 現地、乾燥時 路面微粉量

発注者が指定

保水性 保水量 保水性舗装の 保水量試験

発注者が指定

美観、景観との調和

色彩、テクスチャ、 模様

利用者の要求への対応性

発注者が指定

耐候性 所定期間後の

色合い 紫外線照射試験 発注者が指定

歩道の機能 舗装の性能、

特徴

評価方法案

評価指標 評価・試験値 /試験方法

基準値 (案または事例)

各機能・性能の評価方法の検討(3)

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環境の保全・改善に有効な機能

その他、沿道・地域環境への影響・効果

地下水涵養、 雨水流出抑制

浸透水量 現場透水量試験 300mL/15秒以上

車両の騒音・ 排気の吸収

吸収量 吸音率等 発注者が指定

緑化 緑化率 緑化面積率 発注者が指定

解体時の 廃材処理

使用材料のリサイクルの容易性

リサイクル技術・施設の整備状況

技術・施設が整備されている

歩道の機能 舗装の性能、

特徴

評価方法案

評価指標 評価・試験値 /試験方法

基準値 (案または事例)

各機能・性能の評価方法の検討(4)

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その他管理者が必要とする機能

日常管理のしやすさ

清掃 ごみ、土砂の

蓄積量 路面の粗さ (きめ深さ)

清掃が特に困難でない

雑草対策 雑草生育量 現地等野外観測 3年間程度、雑草処理

不要

部分補修 補修材料の 調達可能性

部分補修の可能性 同質の材料で部分補修

可能

埋設物工事 部分掘削の容易性 掘削、復旧工事価格 通常工事と大差がない

施工性

材料調達 市場性、品質安定、

価格 普及度、規格の有無、

単価 通常舗装と大差ない

地産・リサイクル材活用

市場性、品質安定、価格

地産・リサイクル材の調査

地産・リサイクル材活用可能

品質管理 品質基準の存在 設計基準、

施工管理基準等 基準類整備済み

通行規制 規制時間 工事及び養生期間 発注者許容範囲内

使用機械 機械の規模、 人力施工可否

現場条件等に応じて計画

通常工事と大差がない

施工時環境 騒音・振動、臭い 現場で測定 通常工事と大差がない

歩道の機能 舗装の性能、

特徴

評価方法案

評価指標 評価・試験値 /試験方法

基準値 (案または事例)

各機能・性能の評価方法の検討(5)

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路面温度低減舗装 木質加熱アスファルト舗装(透水型) 透水性コンクリート舗装

1.8 1.8 1.5

舗装の種類名 透水性ILBブロック 土系舗装(練り転圧方式)

表層工の 概算施工単価 (円/m2)

比率 1.0(標準) 1.8

遮熱型常温透水薄層カラー 自然石風常温透水薄層カラー 土樹脂舗装

1.2 1.3 1.7

60㎜

30㎜敷き砂

透水性ILB舗装 50㎜真砂土混合材

40㎜

3 5

散布量1.0kg/m2

加熱開粒度(13)舗装

カラ トC

40㎜

散布量0.8+1.2=2.0kg/m2

加熱開粒度(13)舗装 30㎜土素材舗装

50㎜

50㎜

路面温度低減舗装

再生粗粒基層

30㎜木質加熱As舗装 80㎜透水性CON舗装

<参考>施工単価のコスト比較(透水性ILBを1.0とした場合)

(注意)上記単価は、施工面積300m2としてH25年12月に調査したものである(直工費)。 施工の面積、時期等の条件により変動する。 59

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本研究において、試験方法と基準が明確でない評価指標について、その試験方法を検討して提案するとともに、試験施工に採用した工法・材料について試験を実施し、方法の適用性、基準値等について考察した。これにより発注者は環境歩道舗装を発注する際の基礎資料として活用できるものと期待できる。

まとめ

長期供用性の試験施工箇所において、舗装によっては、若干、表面状態に変化が認められたものの、供用2年後の経年性能は、目標性能値を下回る箇所もなく全般的に良好な状態を保持していた。

試験施工箇所は、比良山系からの吹きおろしにより気温が氷点下となり、積雪も多い地域である。また、近畿圏では凍結融解作用を自然条件下で受けることのできる貴重なフィールドでもあることから、6年目以降も長期供用性能について継続して確認することができるよう要望していきたいと考えている。

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ご清聴ありがとうございました。

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