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Japan Sewage Works Agency 下水汚泥固形燃料化事業 にかかる事後調査について 平成30年度 Japan Sewage Works Agency 1事後調査フロー 導入事例、技術開発状況等を把握 技術の概要、特徴、フロー、実績等の調査 PFIDBO等の事業スキームを調査 地方公共団体、メーカー、固形燃料利用企業 に対するアンケート・ヒアリング調査 6.今後の事業への技術的提案 本業務で得られた技術的知見を踏まえた提案 4.アンケート・ヒアリング調査 2.固形燃料化技術の把握 1.固形燃料化事業にかかる国内動向の整理 3.既存事業スキームの把握 実績データとJSで実施した技術評価結果 を対比、評価 5.実施設における性能把握 7.事業スキームの課題の把握 事業スキームの長所短所、課題等を把握 事業スキームを提案(推奨モデルの作成) 8.今後の事業への事業スキームの提案 事業フェーズごとに事業方針をとりまとめ 9.事業方針のとりまとめ H29 H30

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Page 1: 下水汚泥固形燃料化事業 にかかる事後調査について 平成30年度 · Japan Sewage Works Agency 下水汚泥固形燃料化事業 にかかる事後調査について

Japan Sewage Works Agency

下水汚泥固形燃料化事業にかかる事後調査について

平成30年度

Japan Sewage Works Agency-1-

事後調査フロー導入事例、技術開発状況等を把握

技術の概要、特徴、フロー、実績等の調査

PFI・DBO等の事業スキームを調査

地方公共団体、メーカー、固形燃料利用企業に対するアンケート・ヒアリング調査

6.今後の事業への技術的提案 本業務で得られた技術的知見を踏まえた提案

4.アンケート・ヒアリング調査

2.固形燃料化技術の把握

1.固形燃料化事業にかかる国内動向の整理

3.既存事業スキームの把握

実績データとJSで実施した技術評価結果を対比、評価5.実施設における性能把握

7.事業スキームの課題の把握 事業スキームの長所短所、課題等を把握

事業スキームを提案(推奨モデルの作成)8.今後の事業への事業スキームの提案

事業フェーズごとに事業方針をとりまとめ9.事業方針のとりまとめ

H29

H30

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1.固形燃料化事業にかかる国内動向

事業主体 処理場 技術区分 施設規模 供用開始 スキーム調査対象

アンケート調査対象

1 福岡県 御笠川浄化センター 油温減圧乾燥 30t/日×1基 H13.1 - -2 東京都 東部スラッジプラント 中温炭化 100t/日×3基 H19.11 ○ ○3 新潟県胎内市 中条浄化センター 高温炭化 7.2t/日×1基 H20.4(H28.12休止) - ○4 山形県新庄市 脱水汚泥燃料化施設(民間) 造粒乾燥 30t/日×1基 H21.4 - -5 宮城県 県南浄化センター 造粒乾燥 50t/日×1基 H21.4(H26.1再稼働) ○ ○6 新潟県 中越流泥処理センター 直接熱風乾燥 70t/日×1基 H21.4 - ○7 富山県黒部市 黒部浄化センター 蒸気間接乾燥 13.75t/日×1基 H23.5 ○ ○8 愛知県 衣浦東部浄化センター 中温炭化 100t/日×1基 H24.4 ○ ○9 広島市 西部水資源再生センター 低温炭化 50t/日×2基 H24.4 ○ ○10 群馬県前橋市 前橋水質浄化センター 高温炭化 25t/日×2基 H25.1/H29.4 - ○11 熊本市 南部浄化センター 低温炭化 50t/日×1基 H25.4 ○ ○12 東京都 東部スラッジプラント(その2) 中温炭化 100t/日×3基 H25.7 ○ ○13 大阪市 平野下水処理場 低温炭化 150t/日×1基 H26.4 ○ ○14 埼玉県 新河岸川水循環センター 中温炭化 100t/日×2基 H27.3 ○ ○

1.1 固形燃料化事業導入箇所平成29年度末現在、固形燃料化事業の国内導入事例は30箇所(稼働予定5箇所、研究事業4箇所を含む)。

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1.固形燃料化事業にかかる国内動向

事業主体 処理場 技術区分 施設規模 供用開始 スキーム調査対象

アンケート調査対象

15 北九州市 日明浄化センター 造粒乾燥 70t/日×1基 H27.10 ○ ○16 滋賀県 湖西浄化センター 中温炭化 80t/日×1基 H28.1 ○ ○17 横浜市 南部汚泥資源化センター 低温炭化 150t/日×1基 H28.4 ○ ○18 静岡市 中島浄化センター 中温炭化 75t/日×1基 H29.1 ○ ○19 広島県 芦田川浄化センター 造粒乾燥 72t/日×1基 H29.1 ○ ○20 京都府 洛西浄化センター 低温炭化 50t/日×1基 H29.4 ○ ○21 愛知県豊橋市 中島処理場 中温炭化 53t/日 H29.10 ○ ○22 名古屋市 空見スラッジリサイクルセンター 造粒乾燥 200t/日 H30.10 ○ ○23 横浜市 北部汚泥資源化センター 低温炭化 200t/日 H31.4予定 ○ ○24 福岡県 御笠川浄化センター 低温炭化 100t/日×1基 H31.4予定 ○ ○25 福岡市 西部水処理センター 造粒乾燥 100t/日 H33.2予定 ○ ○26 京都市 鳥羽水環境保全センター 低温炭化 150t/日 H33.4予定 ○ ○27 愛媛県松山市 西部浄化センター(B-DASH) 表面固化乾燥 - H24実証開始 - -28 長崎県長崎市 東部下水処理場(B-DASH) 蒸気間接乾燥 - H24実証開始 - -29 栃木県鹿沼市 黒川終末処理場(B-DASH) 気流乾燥 - H28実証開始 - -30 神奈川県秦野市 浄水管理センター(B-DASH) 蒸気間接乾燥 - H28実証開始 - -

1.1 固形燃料化事業導入箇所

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2.固形燃料化技術2.1 主な固形燃料化技術の整理①

炭化技術低温炭化 低温炭化 低温炭化

電源開発(株)、月島機械(株)、メタウォーター(株)、ジェイペック(株) 月島機械(株) 大同特殊鋼(株)

概略フロー

実 績• 愛知県100t/日×1基※1• 広島市50t/日×2基• 熊本市50t/日×1基• 大阪市150t/日×1基

• 横浜市150t/日×1基• 京都府50t/日×1基• 横浜市200t/日×1基• 福岡県100t/日×1基

技術評価 日本下水道事業団(C-1システム) 日本下水道事業団(C-1システム)の改良 日本下水道事業団(C-2システム)

※1 愛知県実績における炭化温度は約500℃であり、中温炭化に区分される。※2 炭化物自体に対する建設技術審査証明である。

中温炭化 中温炭化 中温炭化(炭化物は高温炭化相当)三菱重工環境・化学エンジニアリング(株) (株)東芝 メタウォーター(株)

概略フロー

実 績 • 東京都100t/日×3基 • 埼玉県100t/日×2基 • 滋賀県80t/日×1基• 静岡市75t/日×1基

技術評価 - 日本下水道新技術機構(新技術研究成果証明)

日本下水道新技術機構(建設技術審査証明)※2

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2.固形燃料化技術2.1 主な固形燃料化技術の整理②

炭化技術 乾燥技術高温炭化 油温減圧式乾燥 造粒乾燥(直接乾燥方式)

川﨑重工業(株) 三井造船(株) 新日鉄住金エンジニアリング(株)

概略フロー

実 績

• 新潟県胎内市7.2t/日×1基• 群馬県前橋市25t/日×2基

• 福岡県30t/日×1基 • 山形県新庄市30t/日×1基• 北九州市70t/日×1基• 広島県72t/日×1基• 名古屋市100t/日×2基• 福岡市50t/日×2基

技術評価 LOTUS Project 日本下水道新技術機構(実用化研究) 日本下水道事業団(D-1システム)乾燥技術

造粒乾燥(間接乾燥方式) 造粒乾燥(間接乾燥方式) 気流乾燥日立造船(株) (株)大川原製作所、関西電力(株) 月島機械(株)、サンエコサーマル(株)

概略フロー

実 績 • 宮城県50t/日×1基 • 神奈川県秦野市(B-DASH) • 栃木県鹿沼市10t/日×1基(B-DASH)

技術評価LOTUS Project日本下水道新技術機構(建設技術審査証明)

H28年度B-DASH実証研究採択(H31.2.26 ガイドライン(案)発行)

H28年度B-DASH実証研究採択(H31.2.22 ガイドライン(案)発行)

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3.既存事業スキームの把握

3.1 契約方式について

国内導入事例(21事業)から既存の事業スキームを調査し、契約方式、落札者等の選定方法、管理運営期間、契約スキームについて整理した。

個別仕様発注

包括的民間委託

DB(設計・施工一括発注)

DBO(設計・施工・維持管理・運営一括発注)

PFI(従来型)

PFI(コンセッション)

民間収益施設併設

・下水汚泥固形燃料化事業では、DBOが21事業中15事業と最多、次いでPFI(従来型)、DBの順。・民間資金よりも金利が低い地方債で資金を調達する理由からDBOが最多。 注)事業数,割合

PFI(従来型)

DBO

DB1事業(5%)

15事業(71%)

5事業(24%)

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4.アンケート・ヒアリング調査① 管理運営期間 ② 固形燃料の利用先

火力発電所が10事業と最多、セメント工場が7事業、製紙工場と製鉄所が2事業。一事業で複数の利用先の場合もある。

20年間が21事業中18事業と全体の8割以上を占めている。

1事業(5%)

1事業(5%)1事業(5%)

18事業(85%)

10事業(36%)

7事業(25%)

2事業(7%)

2事業(7%)

1事業(4%)

1事業(4%)

5事業(18%)

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4.アンケート・ヒアリング調査③ 固形燃料化技術 ④ 総処理能力

7事業(29%)

6事業(25%)3事業(13%)

5事業(21%)

2事業(8%)1事業(4%)

炭化が6割、乾燥が3割弱。採用技術は利用先とのマッチングもあり、技術的な優劣を示すものとはならないことに留意。

5事業(21%)5事業(21%)

50t/日以上が8割程度。単独の処理場では小規模であっても集約化により一定規模以上とすることで事業性を高めている傾向。

6事業(25%)

5事業(21%)

3事業(12%)

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4.アンケート・ヒアリング調査⑤ 汚泥集約の有無 ⑥ 計画年間稼働率

汚泥集約は15事業。うち、脱水ケーキ受け入れは8事業、液状汚泥受け入れは7事業。

9事業(38%)8事業(33%)

7事業(29%)

11事業(46%)

5事業(21%)

5事業(21%)1事業(4%)

90%以上95%未満に設定している事業が11事業と最多、80%以上と設定している事業が全体の8割程度。

2事業(8%)

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0 5 10 15 20 25

未消化-中温炭化

未消化-中温炭化

未消化-中温炭化

未消化-中温炭化

未消化-高温炭化

混合-低温炭化

消化-乾燥

消化-低温炭化

消化-低温炭化

消化-低温炭化

消化-中温炭化

固形燃料発熱量(MJ/kg)

BSF-8 BSF-15

4.アンケート・ヒアリング調査⑦ 固形燃料の品質(発熱量)(JIS規格との対比 Z 7312)

脱水汚泥の性状、固形燃料化技術によって品質は変化するが、いずれもJIS規格以上。

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4.アンケート・ヒアリング調査⑧ 総事業費施設規模が大きくなるほどスケールメリット大。現汚泥処分単価が15~20千円/ton以上であれば、固形燃料化事業の導入により、下水道事業費の縮減が可能と考えられる。

※総事業費=設計・建設費+20年間の維持管理費

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5.稼働実績における性能調査

① 炭化システム

事例Cは、CO2排出量が削減量を上回る。

(2)温室効果ガス排出量

低温炭化 低温炭化 中温炭化低温炭化 低温炭化 低温炭化 低温炭化改良型

注)図中のJS評価は「下水汚泥固形燃料化システムの技術評価に関する報告書(平成20年3月)」の評価結果

事例A(含水率87%) 事例B(含水率80%) 事例C(含水率77%)

事例Aは、補助燃料に消化ガスを利用することでCO2排出量が減少。事例Bは、技術評価時と同等の性能を発揮。(各CO2排出量はトータル値)

JS評価(含水率75%) JS評価(含水率80%)注) JS評価(含水率75%) JS評価(含水率80%)有機分率85%

有機分率55%

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5.稼働実績における性能調査② 乾燥システム

注)図中のJS評価は「下水汚泥固形燃料化システムの技術評価に関する報告書(平成20年3月)」の評価結果

事例D(含水率72%)

技術評価時と比べCO2排出量が少なくなっている。補助燃料に消化ガスを利用することで燃料使用に伴うCO2排出量が減少したことによる。

有機分率85% JS評価(含水率75%) JS評価(含水率80%)注)

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参考 汚泥焼却との比較

エネルギーバランス、温室効果ガス排出量ともに、炭化、乾燥の方が焼却よりも有利。

注)炭化は複数メーカーの性能値の平均値、乾燥はJS共同研究技術の性能値である。焼却は廃熱回収による発電を前提としており、回収エネルギー、CO2削減はこれによる。

【前提条件】・施設規模 約100t/日・含水率 約75%・有機分率 約85%(消化なしの混合生汚泥)

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固形燃料化事業の検討を進めるかどうかを判断

固形燃料化事業の事業性の調査

最適事業方式の検討

発注資料作成~事業者選定まで4.発注準備段階

2.固形燃料化事業導入可能性調査段階

1.事前調査

3.PPP/PFI導入可能性調査段階

事業運営状況のモニタリングや事業者との協議5.事業運営段階

9.事業方針のとりまとめ

(1)事業化までの検討手順

■固形燃料利用企業調査 ■概算事業費算出■集約処理のケース抽出 ■事業範囲の設定■汚泥性状の確認

■基礎調査 ■対象汚泥量設定■脱水汚泥性状設定 ■事業基礎条件設定■メーカヒアリング ■事業性の評価

■基礎調査 ■最適事業手法検討■サウンディング調査

■実施方針の公表(要求水準書) ■入札公告■技術審査・評価 ■総合評価委員会 ■事業契約締結

■モニタリング■事業者との協議・検討

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4.発注準備段階

2.固形燃料化事業導入可能性調査段階

1.事前調査

3.PPP/PFI導入可能性調査段階

5.事業運営段階

9.事業方針のとりまとめ

(2)ヒアリングで得られた課題

検討課題 検討すべき事項

集約処理のケース抽出(スケールメリットの追及)

・固形燃料化施設はスケールメリットの効果が大であるため、広域処理等の地域毎に最適化された事業を検討・提案する必要あり

汚泥性状の確認

・塩素分はボイラ腐食への影響が懸念されるため、事業者に塩素濃度を提示し、利用の可能性を調査する必要あり

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4.発注準備段階

2.固形燃料化事業導入可能性調査段階

1.事前調査

3.PPP/PFI導入可能性調査段階

5.事業運営段階

9.事業方針のとりまとめ

(3)ヒアリングで得られた課題検討課題 検討すべき事項

対象汚泥量設定・人口減少等を踏まえた現実性のある汚泥発生量予測を行い、過大な余裕を見込まない最適な規模を検討が必要

事業基礎条件設定

・施設停止期間中の脱水汚泥の搬出先の確保

事業性評価・下水道法改正の趣旨・温室効果ガスの削減の評価・コスト面以外でも事業効果、有益性をトータルで評価

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4.発注準備段階

2.固形燃料化事業導入可能性調査段階

1.事前調査

3.PPP/PFI導入可能性調査段階

5.事業運営段階

9.事業方針のとりまとめ

(4)ヒアリングで得られた課題検討課題 検討すべき事項

最適事業手法検討

・DBO契約方式は、複数契約パターンと事業契約パターンがあったが、事業契約パターンは建設工事一括下請の懸念が認められた。

・複数契約パターンの方が、以下の点でより有効な契約スキームであると考えられる〇設計、建設、維持管理の相互関係が明確〇リスク分担も個別に設定

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4.発注準備段階(1)

2.固形燃料化事業導入可能性調査段階

1.事前調査

3.PPP/PFI導入可能性調査段階

5.事業運営段階

9.事業方針のとりまとめ

(5)ヒアリングで得られた課題検討課題 検討すべき事項

稼働率の設定(初期)

・初期トラブルの事例あり

・供用開始当初とそれ以降で稼働率を段階的に変更することも検討

補助燃料の制約

・消化ガスの減少リスク

消化ガスを使用する場合、他燃料の併用、消化施設の計画的な整備等が必要

汚泥性状変動

・脱水汚泥性状の変動で、脱水汚泥処分単価を見直す事例あり

・地方公共団体、または事業者に不適切な費用負担がある場合は協議が可能な契約が望ましい。

実施方針・要求水準書

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4.発注準備段階(2)

2.固形燃料化事業導入可能性調査段階

1.事前調査

3.PPP/PFI導入可能性調査段階

5.事業運営段階

9.事業方針のとりまとめ

(6)ヒアリングで得られた課題 検討課題 提 案

インセンティブの付与

・計画量を上回る処理については、インセンティブを付与する等の仕組みを検討

競争的対話

・官民リスクの明確化、官民相互理解の齟齬をなくすための競争的対話の実施

・地方公共団体の求める事業内容にマッチングさせるため、改善提案書を提出できる仕組み(複数の民間事業者から要望)

ストックマネジメント制度の活用

・ヒアリングした範囲では、ストックマネジメント制度を活用している例はなかった

・制度を活用することで一部ではあるが、交付金の活用が可能となり、事業費削減の可能性がある。

実施方針・要求水準書

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固形燃料化事業をとりまく状況と今後の展望

技術開発、固形燃料のJIS化、法改正などの施策⇒ 固形燃料化事業の導入事例は堅調に増加

火力発電を取り巻く環境の変化等もあって、火力発電所の新設、更新計画を断念する事業者がある一方、固形燃料の利用に関心をもつ新たな事業者や全国各地に点在するバイオマス発電事業所が存在する⇒ 利用企業の変化を踏まえ、地域の事業者が参画しやすいスキームを検討

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おわりに

導入を継続していくためには、いくつかの技術的な課題や定めておくべきであったリスク分担などが認められた。これらの課題などを解決し、設備が安定的に操業され、官民双方に魅力ある事業でなければならない。

日本下水道事業団は地方公共団体のソリューションパートナーとして、これまで蓄積した知見、ノウハウを活用し、大都市のみならず中小都市向けに最適な事業を提案していく。

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ご清聴、有難うございました。