33
信号処理の基本おさらいと サンプリング定理 1. フーリエ級数 三角関数表示 複素数表示 2. フーリエ変換 3. 離散時間信号 サンプリング定理

信号処理の基本おさらいと サンプリング定理yama/DSP/dsp_05.pdf信号処理の基本おさらいと サンプリング定理 1.フーリエ級数 →三角関数表示

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信号処理の基本おさらいとサンプリング定理

1. フーリエ級数

→三角関数表示

→複素数表示

2. フーリエ変換

3. 離散時間信号

→サンプリング定理

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フーリエ級数とは

周期関数は三角関数の足し合わせで表現できる

各成分の周期は,基本周期の整数倍

cos2

sin2

t

T0

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フーリエ級数とは

t

T0

cos2

sin2

cos Ω

cos 2Ω

sin Ω

sin 2Ω

基本周波数未満,

整数倍以外の周波数成分

は出てこない

Ω

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フーリエ級数 係数の求め方 a0

cos2

sin2

-T0/2 T0/2

cos2

sin2

cos2

sin2

0 0

1

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フーリエ級数 係数の求め方 ak,bk

cos2

sin2

-T0/2 T0/2

例えば,a1を求める場合

cos2

sin2

cos2

三角関数の直交性

sin2

cos2

0

cos2

cos2

2 ,

cos2

cos2

cos2

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フーリエ級数 係数の求め方 ak,bk

cos2

sin2

-T0/2 T0/2

例えば,a1を求める場合

cos2

cos2

cos2

cos2

sin2

cos2

2cos

2

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フーリエ級数 係数の求め方

cos2

sin2

-T0/2 T0/2

最終的に

2cos

2

2sin

2

1

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フーリエ級数の意味

サイン波の鐘を強さak

コサイン波の鐘を強さbk

で打つ

サイン波の鐘を振幅,位相を変化させて打つ

各周波数成分の振幅と位相を明示的に表現

することができる

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フーリエ級数-指数関数表示

オイラーの公式を用いて

三角関数の足し合わせ ⇔ 複素指数関数の足し合わせ

cos2

sin2

2 2

12

12

三角関数

指数関数

12 , 0

12 , 0

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フーリエ級数-指数関数表示

,

12 , 0

12 , 0

Fkは複素数 ⇒ 振幅と位相情報をもつ

Fkを各周波数成分に分解

これを“周波数スペクトル”と呼ぶ

:振幅スペクトル∠ :位相スペクトル

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2.フーリエ変換

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フーリエ変換

フーリエ級数 ⇒ 周期関数にしか適用できない

フーリエ変換 ⇒ 非周期関数にも適用可

t

T0

t

周期関数

非周期関数 無限大

,

1 ⁄

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フーリエ変換

基本周期T0

周期無限大

フーリエ級数展開

t

T0

00

基本周期2T0フーリエ級数展開

t

2T0

00

0/20/2

フーリエ展開

t

無限大

00

0/20/2

離散スペクトル

連続スペクトル

周期が長くなると,スペクトルの線の間隔が狭くなる

1 ⁄

Ω

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フーリエ変換対の例

F() =f(t)=(t)

t

f(t)=rect(t)

デルタ関数 (t)

矩形関数 rect(t)

t

T0

フーリエ変換

フーリエ変換

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正弦波 sin(t)

余弦波 cos(t)

フーリエ変換

フーリエ変換

t

t

0

0

00

フーリエ変換対の例

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インパルス列

フーリエ変換対の例

0 = 2/T0

t

T0

フーリエ変換

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フーリエ変換の性質

線形性

対称性

時間軸の伸縮

時間軸と周波数軸の推移

微分

積分

畳み込み積分

⟺ Ω Ω

⟺ 2 Ω

⟺1 Ω

⟺ Ω

⟺ Ω Ω

⟺ΩΩ

· ⟺ Ω ∗ Ω

時間領域 周波数領域

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フーリエ変換の性質 畳み込み積分

t

t

00

t

の周波数スペクトルは?

掛け算畳み込み積分

フーリエ変換

フーリエ変換

フーリエ変換

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フーリエ変換の性質 畳み込み積分

00

Ω ∗ Ω12 Ω Ω Ω Ω

ΩΩ Ω

1

Ω Ω

2 3 4 5 6 7

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フーリエ変換の性質 畳み込み積分

t

t

00

t

00

の周波数スペクトルは?

フーリエ変換

フーリエ変換

フーリエ変換

掛け算畳み込み積分

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3. 離散時間信号サンプリング定理

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標本化(サンプリング)と量子化

アナログ信号 時間も値も連続的

t

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サンプリング ⇒ 時間の離散化

標本化(サンプリング)と量子化

t

Ts サンプリング周期

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量子化 ⇒ 値の離散化(整数化)

標本化(サンプリング)と量子化

t

2.05

3.1

-2

-3

2nで分割(nビット)

0

2n

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サンプリング間隔について

t

t

サンプリング間隔が短い

サンプリング間隔が長い

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t

t

サンプリング周期が短い

サンプリング周期が長い

Ts

Ts

周波数低い?

サンプリング間隔について

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サンプリング定理

連続信号f(t) に含まれる最大周波数の2倍以上の周波数で

サンプリングすると元信号を復元できる

t

T0=1/f0

fs ≧ 2f0

Ts=1/fs

サンプリング定理を満たすfs ≧ 2f0

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サンプリング定理

連続信号f(t) に含まれる最大周波数の2倍以上の周波数で

サンプリングすると元信号を復元できる

t

T0=1/f0

fs ≧ 2f0

Ts=1/fs

サンプリング定理を満たしていない

fs < 2f0

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サンプリング定理の説明

11

2 2

3 3

4 4

5, 5

66

, 7 7一回転するのに必要な時間が

1周期(T=1/)

00

t左回転

s/2 s/2

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11

22

33

4

4

一回転するのに必要な時間が1周期以上

右回転

00

サンプリング定理の説明

s/2 s/2

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11

22

33

4

4

一回転するのに必要な時間が1周期以上

右回転

00

s/2 s/2

サンプリング定理の説明

折り返し現象

(エイリアシング)

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エイリアシングの例

エイリアシングなし エイリアシングあり

ドップラによる血流観測

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離散化した信号のスペクトル

t

t

00

t

ss

フーリエ変換

フーリエ変換

フーリエ変換

時間領域 周波数領域

掛け算畳み込み積分

Tsss