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世界の食肉、乳製品をめぐる動向 2013年5月15日 独立行政法人農畜産業振興機構(alic) 参与 野村 俊夫 構成 1.世界の需給 2.各国の生産の特徴およびコスト 3.わが国の輸入・消費 4.主要国の動向(戦略)

世界の食肉、乳製品をめぐる動向 - CSIDE金を武器に、農業政策や法案に強い影響力 現、日本との間でTPP交渉、EUとの間でのFT A交渉を迎える中で、いずれも米国産牛肉の輸出

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世界の食肉、乳製品をめぐる動向

2013年5月15日 独立行政法人農畜産業振興機構(alic)

参与 野村 俊夫

構成 1.世界の需給 2.各国の生産の特徴およびコスト 3.わが国の輸入・消費 4.主要国の動向(戦略)

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【免責事項】

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Ⅰ 世界の食肉(牛肉)をめぐる動向

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1.世界の需給(牛肉)

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

EU

米国

インド

ロシア

ブラジル

中国

メキシコ

アルゼンチン

豪州

カナダ

主要10ヵ国(地域)計 4697万4千トン

(千トン)

資料:米国農務省「Livestock and Poultry: World Markets and Trade」

主要な牛肉生産国(2012年) (枝肉換算ベース)

3

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【無視できるリスク国】 ブラジル、EU(デンマーク、フィンランド、オーストリア、アイスランド、 ベルギー、スウェーデン、ノルウェー)、インド、アルゼンチン、豪州など 【管理されたリスク国】 米国、EU(オランダ、イタリア、ポーランド、イギリス、フランス、スペ イン、ドイツなど)、メキシコ、カナダ、日本など

BSE

口蹄疫 【ワクチン接種清浄国又は地域】 ブラジル、アルゼンチンなど 【非清浄国】 中国、インド、ロシアなど

日本は、生肉(非加熱製品)の輸入を禁止

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疾病等の状況(2013年5月末時点)

資料:国際獣疫事務局「List of BSE risk status」

資料:国際獣疫事務局「FMD Portal」

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200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

ブラジル

5

主要10カ国(地域)計 742万1千トン インド

豪州

米国

NZ

主要な牛肉輸出国(2012年) (枝肉換算ベース)

ウルグアイ

カナダ

EU

パラグアイ

メキシコ

(千トン)

資料:米国農務省「Livestock and Poultry: World Markets and Trade」

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200

400

600

800

1,000

1,200ロシア

6

主要10ヵ国(地域)計 471万2千トン

韓国

日本

米国

香港

主要な牛肉輸入国(2012年) (枝肉換算ベース)

エジプト

カナダ

EU

ベネズエラ

メキシコ

(千トン)

資料:米国農務省「Livestock and Poultry: World Markets and Trade」

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2.各国の生産の特徴およびコスト (牛肉)

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日本および米国・豪州の肉牛生産の特徴

国(生産量) 日本

(50万1千トン) 米国

(1196万8千トン) 豪州

(212万9千トン)

主な品種 黒毛和牛 交雑種 ホルスタイン種

ヘレフォード種 アンガス種 交雑種

ヘレフォード種 アンガス種 交雑種 ブラーマン種

出荷月齢 25~34か月 (和牛オス)

14~22か月 12~36か月

仕上げ生体重 750kg 500~550kg 330~600kg

枝肉重量 450kg 300~330kg 170~420kg

一般的な飼養形態 穀物肥育主体 フィードロット

及び放牧による肥育 放牧主体、一部フィー

ドロットによる肥育

経営の特徴 (平均飼養頭数)

家族経営主体 (平均41.8頭/戸)

企業・家族経営 (平均100頭/戸)

企業・家族経営 (平均750頭/戸)

8

米国では、約4万4000の肥育業者が穀物主体で肥育。ただし、上位2%の企業により、加工される肉牛全体の85%を肥育。 豪州では、放牧主体のため一戸当たりの飼養頭数が突出。肥育形態は出荷先で異なり、国内向けが80日程度の穀物肥育。

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肉牛の基礎知識(牛の種類)

和牛(黒毛和種) 交雑種

(ホルスタイン×和牛) ホルスタイン種

外国種 (アバディーンアンガス種)

外国種 (ヘレフォード種)

外国種 (ブラーマン種)

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408,400

234,800

91,700 59,700

290,200

283,500

225,100

38,200

74,100

41,800

25,000

39,700

74,200

51,800

40,300

45,000

肉用種 交雑種 乳用種 肉牛

もと牛価格 飼料費

労働費 その他

資料:USDA 2011年資料を元に作成 1USドル=100円で換算

資料:ALIC 平成25年2月の1頭当たりの費用合計

(846,900円)

(611,900円)

(382,100円)

(182,600円)

日本 米国

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肉牛の生産コスト

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3.わが国の輸入・消費(牛肉)

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資料:農林水産省「畜産物流通統計」、「食肉流通統計」 財務省「貿易統計」

(千トン)

(年度)

12

日本の牛肉生産量および輸入国別の推移 (部分肉ベース)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

その他

米国

豪州

国産

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0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

ロイン かた、うで、もも ばら その他

牛肉の輸入動向(チルド部分肉)

資料:財務省「貿易統計」

(トン)

(年度)

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牛肉の輸入動向(フローズン部分肉)

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

ロイン かた、うで、もも ばら その他 (トン)

(年度)

資料:財務省「貿易統計」

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0

10

20

30

40

50

60

15

主要国の一人当たり牛肉消費量(2011年)

資料:米国農務省「Livestock and Poultry: World Markets and Trade」

(Kg/年)

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0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

家計消費 加工仕向 その他(業務用、外食等)

(年度)

資料:農林水産省「食肉消費の構成割合」

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牛肉の消費構成割合の推移

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主な牛肉の部位および用途

1 かた(米ショルダークロッド、豪チャックテンダー) ⇒ やや硬い赤身肉。煮込み料理など 2 かたロース(米チャックロール、豪チャックロール) ⇒ 適度な脂肪、風味良い。しゃぶしゃぶ、すき焼きなど 3 リブロース(米リブアイロール、豪キューブロール) ⇒ 霜降り、きめ細かい。ステーキ、ローストビーフなど 4 サーロイン(米ストリップロイン、豪ストリップロイン) ⇒ きめ細かく、肉質最高。ステーキ、しゃぶしゃぶなど 5 ヒレ(米テンダーロイン、豪テンダーロイン) ⇒ きめ細かく柔らかな部位。脂肪少な目。ステーキなど 6a かたばら(米ブリスケット、豪ポイントエンドブリスケット) ⇒ 赤身と脂肪が層、きめ粗く硬め。煮込み料理など 6b ともばら(米ショートプレート、豪ナーベルエンドブリスケット) ⇒ かたばらと同じだが霜降り傾向。焼き肉、牛丼など 7a もも(うちもも)(米トップラウンド、豪トップサイド) ⇒ 赤身で脂肪が少ない。ステーキ、焼き肉など 7b もも(しんたま)(米ナックル、豪シックフランク) ⇒ 赤身できめ細かく柔らか。ローストビーフ、焼き肉など 8 そともも(米アウトサイドラウンド、豪シルバーサイド) ⇒ 赤身できめはやや粗く硬め。薄切り、細切り用など 9 らんぷ(米サーロインバット、豪ランプ) ⇒ 柔らかい赤身肉。たたき、ステーキなど

資料:財団法人日本食肉消費総合センター「食肉なんでも大図鑑」

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国産品と輸入品との比較 (チルド:部分肉の卸売価格)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

(日本)乳おすサーロイン

(米国)ストリップロイン

(豪州)ストリップロイン

資料:ALIC調べ

(円/kg)

(年度)

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国産品と輸入品との比較 (フローズン:部分肉の卸売価格)

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

(日本)乳おすカタバラ

(米国)ショートプレート

(豪州)チャックアンドブ

レード

(円/kg)

(年度) 資料:ALIC調べ

注:米国と同等の比較ができなかったため、日本、豪州は、価格帯が近いかた系とした。

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4.主要国の動向(牛肉)

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主要輸出国の需給バランス(2012年)

11855 11744

1007 1114

0

5,000

10,000

15,000生産量

消費量

輸入量

輸出量

(千トン) 米国(人口約3.1億人)

2152

737

13

1407

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500生産量

消費量

輸入量

輸出量

資料:米国農務省「Livestock and Poultry: World Markets and Trade」

豪州(人口約21百万人) (千トン)

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0

200

400

600

800

1000

1200

1400

02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

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【米国】牛肉輸出量の推移 (枝肉重量ベース)

資料:米国農務省「Monthly U.S. trade」

(千トン)

(年度)

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【米国】主な牛肉輸出先(割合:2002⇒2012)

2012

カナダ 19%

日本 18%

メキシコ 14% 韓国 12%

香港 9%

ロシア 6%

ベトナム 5%

台湾 2%

その他 14%

資料:米国農務省「Meat and livestock U.S. trade」

2002

日本 32%

メキシコ 26%

カナダ 10%

韓国 24%

台湾 2%

その他 5%

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0

50

100

150

200

250

300

350

4002002年 2012年

【米国】主な牛肉輸出先(数量:2002⇒2012)

(千トン)

資料:米国農務省「Meat and livestock U.S. trade」

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9.3

18.3

18.4

19.3

NBP(米)

Cargill(米)

JBS(ブ)

Tyson(米)

○ 食肉関連企業など組織する米国食肉輸出連合会 (USMEF)は、政府や生産者の拠出金を元に、中 国(5ヵ所)、韓国、中南米、EUなどに事務所を設 置し、積極的な販売促進活動を展開 ○ 牛肉の輸出量は、国内生産のわずか10%程度 にとどまるが、国内外を問わずより高価格で販売 できる市場がターゲット ○ 多大な生産と巨大な国内市場を背景に、ニーズ に即した輸出対応が可能。低級部位は輸入も ○ ここ数年、日本向け輸出が停滞する中で、韓国や 台湾の価格交渉力が強まる。また、潜在的な需 要を背景に中国での販促活動を強化 ○ 日本向けは、冷蔵がロインなどの高級部位を中 心とし、冷凍は、牛丼などに用いられるバラ系な どが主流 ○ 生産者団体は、拠出金などを原資とした豊富な資 金を武器に、農業政策や法案に強い影響力 ○ 現在、日本との間でTPP交渉、EUとの間でのFT A交渉を迎える中で、いずれも米国産牛肉の輸出 拡大を期待(高価格で販売できる市場)

資料:USMEF

25

【米国】代表的企業と輸出への対応

牛肉生産に占める大手パッカーのシェア(%)

代表的企業 輸出への対応

○ 大手パッカー(食肉加工業者)4社の牛肉生産量 は、国内生産の約65%を占める ○ 07年には、南米最大手の食肉企業JBS(ブラジ ル)が、当時全米第2位のスイフトを買収 ○ 最大手のタイソンの売上高(12年)は330億ドル (約3兆3千億円)で、鶏肉を中心に牛、豚肉など を取扱う。世界のグループ会社全体で11万5千 名の従業員と、1万を超える生産者を抱える (参考:日本ハムの売上高:1兆179億円(12年度))

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【豪州】牛肉輸出量の推移 (船積み重量ベース)

760

780

800

820

840

860

880

900

920

940

960

980

02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

(千トン)

資料:DAFF「Red Meat Statistics」

(年度)

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日本 32%

米国 23% 韓国 13%

ASEAN 9%

台湾 4%

ロシア 4%

中国 3%

中東 3%

その他 9%

2012

資料:DAFF「Red Meat Statistics」

豪州の主な牛肉輸出先(2002⇒2012)

2002

日本 26%

米国 42%

韓国 9%

ASEAN 4%

台湾 4%

その他 17%

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0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

日本 米国 韓国 ASEAN 台湾 ロシア 中国 中東 EU その他

2002年 2012年

【豪州】主な牛肉輸出先(数量:2002⇒2012)

(千トン)

資料:DAFF「Red Meat Statistics」

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豪州の代表的企業および輸出促進の取組み

5.7

5.7

12

15.8

TGS(ブ)

NMP(日)

Teys Bros(豪)

JBS(ブ)

資料:MLA

代表的企業

牛肉生産に占める大手パッカーのシェア(%)

○ 大手パッカー(食肉加工業者)4社の牛肉生産量 は、国内生産の約40%を占める。 ○ 豪州の海外資本の積極的な受け入れにより、4社 のうち外国資本は3社(JBS系2社、日本ハム)。 ○ 94年には、豪州最大手(AMH)が米国資本に。07 年には、米国親会社の買収によりJBS(ブラジ ル)傘下に(社名も変更)。 ○ 日系資本は、80年代の10数社から現在残るのは 3社(日本ハム、丸紅、イオン)のみ。

輸出への対応

○ 生産者の拠出金で設立・運営される豪州食肉家 畜生産者事業団(MLA)が、中国、韓国、中東、 ロシアなどに事務所を設置し、積極的な販売促進 活動を展開(政府の関与なし) ○ 輸出市場を念頭においていることから、相手先の ニーズに合わせた生産手法 ○ 米国向けは主に冷凍の低級部位(ハンバーガー 原料)が中心。日本向けは米国産の減少を補う形 で冷蔵品に伸び。また、外食用(ハンバーガー原 料など)としての冷凍の低級部位の輸入も安定 にらんだ販売戦略 ○ 生産に比べ国内市場が小さいため、例えば日本 向けの長期肥育牛は、余剰部位の扱いが難点 ⇒ 米国に比べ、同一部位の大量出荷が困難 ○ 飼料穀物は、小麦や大麦が主体であり、トウモロ コシの生産量がわずか30万トン(ほぼ食用)であ ることから、米国に比べ飼料穀物供給力が弱い ○ このため、近年、牧草牛や短期肥育牛を中心に、 中国、中東、ロシアなどへの販路を積極的に拡大 ○ 一方で、日豪FTAで牛肉の輸出拡大を期待

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(参考)中国の牛肉事情

○ 経済成長を背景とした中国が抱える10億の胃袋は、牛肉輸出国にとって非常に魅力的 な市場 ○ 国内消費の中心は豚肉であり、生産も豚肉が主流。このため、豚に比較して牛肉の国 内生産・供給力は貧弱(12年度生産量は554万トン)。また、生産地域も限定的(17の地 域で国内生産の約8割を産出) ○ 食生活の変化に伴い牛肉需要は年々高くなる一方で、煩雑な輸入手続きや流通など の問題から輸入数量は限定的 ○ 消費は、主にファストフードやレストランなどの外食産業が中心(都市部を中心に高級 品に対するニーズの高まり。食べ放題の焼肉なども家族層を中心に人気) ○ 需要に供給が追い付かないことから、牛肉価格は比較的高い水準にあり、香港やベト ナムなどを経由した輸入も増加している模様 ○ また、国産牛肉と比較して、輸入牛肉は、味覚や品質、安全性の問題などから潜在的 な需要が高く、一方で、流通量が少ないことから、一部ではニセモノが出回る事態も (日本の「和牛」や米国、豪州産牛肉の製品名がブランド化) ○ 今後、輸入手続きの簡略化や流通の改善などが進めば、消費量は大きな伸びを見せ

るものと期待(一人当たり年間消費量は4キログラム:12年) ○ 一人当たりの年間消費量が仮に日本と同等になった場合、単純計算で年間600万トン の新規需要が発生(主要牛肉輸出国10ヵ国(地域)の年間輸出量は742万トン:12年)

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参考資料(牛肉)

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48.1% 46.2% 44.3%

42.3% 40.4%

91年度 92年度 93~94年度 95年度 2000年度以降

① 牛肉・かんきつ交渉 1991(H3)年度から、数量制限を撤廃し、関税化。関税率を段階的に引下げ(1991年度:70%→1993・94年度:50%)。

② UR農業交渉 その実施期間において、合意水準以上の関税率の自主的引下げ(1994年度:50.0%→2000年度以降:38.5%)。

32

日本の牛肉輸入制度について

○税率:25% ○割当数量88年度:27.4万トン 89年度:33.4万トン 90年度:39.4万トン

参考

(1)制度の変遷

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① 緊急措置の仕組み URにおける主要輸出国との協議の 結果、譲許水準を下回って実行税率 を自主的に設定する代償として導入。 「生鮮・冷蔵」と「冷凍」のそれ ぞれについて年度初めから各四半期 毎の累計輸入量が前年同期の117% を超えた場合に、関税率を38.5%か ら50%(譲許税率)まで戻す。 関税暫定措置法第7条の5に基づく 措置。

②牛肉に係る関税の緊急措置の発動実績 (年度) (品 名) (発 動 期 間) 平成 7年度 冷凍牛肉 平成 7年8月1日~平成 8年3月31日 平成 8年度 冷凍牛肉 平成 8年8月1日~平成 9年3月31日 平成15年度 生鮮・冷蔵牛肉 平成15年8月1日~平成16年3月31日

33

(2)関税の緊急措置

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Ⅱ 世界の乳製品をめぐる動向

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1.世界の需給(乳製品)

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0

20

40

60

80

100

120

140

160 EU

米国 ※

インド ロ

シア

ブラジル

中国 N

ウクライナ

メキシコ

アルゼンチン

豪州

カナダ

日本

(百万トン)

資料:米国農務省「Dairy: World Markets and Trade」

※ インドの生産量は水牛の乳を除く

主要13カ国(地域)計462百万トン

主要な生乳生産国(2012年速報)

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NZ 64% EU 17%

米国 6%

豪州 8%

その他 4%

EU 50%

NZ 18%

米国 17%

豪州 11%

その他 3%

バター(745千トン)

資料:米国農務省「Dairy: World Markets and Trade」

チーズ(1,501千トン)

NZ 61%

脱脂粉乳(1,647千トン) 全粉乳(2,015千トン)

EU 19%

アルゼンチン 12%

豪州 5%

その他 3%

EU 35%

米国 28%

NZ 23%

豪州 9%

その他 4%

乳製品の国別輸出シェア(2012年速報)

37

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ロシア 40.0%

EU 20%

メキシコ 12%

その他 28% ロシア 31%

日本 20% 米国 10%

メキシコ 8%

その他 30%

バター(328千トン)

資料:米国農務省「Dairy: World Markets and Trade」

チーズ(1,112千トン)

中国 49%

脱脂粉乳(1,030千トン) 全粉乳(750千トン)

アルジェリア 23%

ブラジル 8%

インドネシア 7%

その他 13% メキシコ 22%

インドネシア 20%

中国 19%

フィリピン 10%

その他 19%

アルジェリア 10%

乳製品の国別輸入シェア(2012年速報)

38

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牛乳乳製品の種類と製造工程

生 乳 (原 料 乳)

成分無調整牛乳

成分調整牛乳

加工乳

乳飲料

発酵乳

バター

クリーム類

脱脂粉乳

脱脂濃縮乳

濃縮乳

全粉乳

ナチュラル

チーズ

プロセス

チーズ

ホエイパウダー

クリーム

脱脂乳

チーズ

カード

液状

ホエイ

殺 菌(滅 菌)

乳脂肪均質化

乳成分除去

乳酸菌発酵

乳成分添加

乳成分以外添加

遠心分離

練圧

乾燥

濃縮

熟成

加熱加工

タンパク質

凝固

濃縮

乾燥

乾燥

39

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2.各国の生産の特徴およびコスト (乳製品)

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主要輸出国の酪農生産の特徴

米国 豪州 NZ 日本

北東部 南西部

生乳生産量 90百万トン 10百万トン 20百万トン 7.5百万トン

平均乳量/頭 9,800Kg 7,704Kg 5,366Kg 8,034Kg

経営形態 家族経営 企業経営 家族経営 家族経営 家族経営

飼養頭数/戸 100頭 1,500~2,000頭

240頭 390頭 北海道:68頭 都府県:34頭

飼養形態 畜舎飼い 畜舎飼い 周年放牧 周年放牧 畜舎飼い

飼料 自給主体 購入主体 自給主体 自給主体 購入主体

政府の支持政策

乳製品の買上げ、輸出 補助金

特になし 特になし バター、脱脂粉乳等向けに補給金

41

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平均4産《生後5~6年》で廃用

乳牛のライフサイクル

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国 価格(現地通貨) 価格(円換算) 備考

米国 20.14 米ドル/百ポンド゙ 43円/Kg 11年

豪州 42 豪セント/リットル 44円/Kg 11/12年度

NZ 6.4 NZドル/乳固形分1Kg 46円/Kg 11/12年度

EU25 33.8 EUR/100Kg 43円/Kg 11年

(参考)北海道 79円/Kg 11年度

都府県 100円/Kg 11年度

資料:米国農務省、Dairy Australia、Dairy NZ、AMI、農林水産省

<参考>

NZの10/11年度の生乳生産コストは4.06NZドル/乳固形分1Kg(29円/Kg)

主要生産国の生乳生産者販売価格

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3.わが国の輸入・消費(乳製品)

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

60 65 70 75 80 85 90 95 00 05 10

資料:農水省「食料需給表」

(千トン)

輸入量

生産量

わが国の牛乳乳製品需給の推移 (生乳換算ベース)

45

(年度)

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資料:農水省「牛乳乳製品統計」、財務省「日本貿易統計」

生クリーム 等向け

125 万トン

75円/Kg

飲用牛乳等向け

415万トン

110円/Kg

チ ー ズ

向け

50 万 トン

45 円 /Kg

加工原料乳

(バター・脱脂粉乳向け)

163 万トン

70 円 /Kg

国内生産量 753万トン 輸入乳製品 402万トン

チーズ 279万トン

アイスクリーム等

60 万トン

関税割当て及び国家貿易

63 万トン

総供給量1,155万トン

わが国の牛乳需給の構造(2011年度) (生乳換算ベース)

46

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制度 対象品目 関税等 輸入量

カレントアクセス輸入

指定乳製品等(バター、脱脂粉乳等)

例:バター 35%(+ALIC売買差益) 脱脂粉乳 25%(同上)

生乳換算 137千トン/年 (UR合意による輸入約束)

追加輸入 同上 同上 農水大臣が承認した数量

関税割当 学校給食用 脱脂粉乳等

無税(用途指定) 約7千トン/年

関税のみ

指定乳製品等 例:バター 29.8%+985円/Kg 脱脂粉乳 21.3%+396円/Kg

実績は300~900トン/年(製品ベース)

その他の品目 20~30%

わが国の乳製品輸入制度(UR後)

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0

200

400

600

800

1,000

1,200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11

国産バター(大口需要者価格、消費税抜き)

(円/kg)

国産脱脂粉乳(大口需要者価格、消費税抜き)

輸入バター(CIF価格) 輸入脱脂粉乳(CIF価格)

資料:農水省「主要乳製品の価格動向」、財務省「貿易統計」

注:国内では、EU産バター(白)がオセアニア産バター(黄)より高値で取引される。

乳製品の内外価格差

(年度)

48

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0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500(Kg/人/年)

資料:農林水産省食料需給表、FAO「Food Balance Sheets」

主要国の1人当たり牛乳乳製品消費量(2009年) (生乳換算数量)

49

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計 国産 輸入

消費量 構成比 消費量 構成比 消費量 構成比

トン % トン % トン %

○乳業メーカー(社内消費) 8,850 11.3 5,300 8.2 3,550 26.2

○業務用

乳業・アイスクリームメーカー 6,850 8.8 3,750 5.8 3,100 22.9

加工油脂メーカー 2,250 2.9 2,000 3.1 250 1.8

菓子メーカー 31,100 39.8 27,350 42.3 3,750 27.7

パンメーカー 2,800 3.6 1,650 2.6 1,150 8.5

飲料メーカー 50 0.1 50 0.1

調理食品メーカー 3,350 4.3 2,550 3.9 800 5.9

外食・ホテル業 6,250 8.0 5,350 8.3 900 6.6

その他 750 1.0 700 1.1 50 0.4

(業務用計) 53,400 68.3 43,400 67.2 10,000 73.8

○家庭用

小売業向け家庭用バター 15,900 20.3 15,900 24.6

計 78,150 100.0 64,600 100.0 13,550 100.0

資料:ALIC調べ

バターの業種別消費量(2011年度)

50

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計 国産 輸入

消費量 構成比 消費量 構成比 消費量 構成比

トン % トン % トン %

○乳業メーカー(社内消費) 46,100 31.6 46,000 31.5 100 100.0

○業務用

乳業・アイスクリームメーカー 37,600 25.8 37,600 25.8

はっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー 30,400 20.8 30,400 20.8

加工油脂メーカー 4,550 3.1 4,550 3.1

菓子・パンメーカー 10,550 7.2 10,550 7.2

飲料メーカー 7,600 5.2 7,600 5.2

調理食品メーカー 7,200 4.9 7,200 4.9

その他 850 0.6 850 0.6

(業務用計) 98,750 67.6 98,750 67.6

○家庭用

小売業向け家庭用バター 1,150 0.8 1,150 0.8

計 146,000 100.0 145,900 100.0 100 100.0

脱脂粉乳の業種別消費量(2011年度)

資料:ALIC調べ

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4.主要国の動向(乳製品)

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

バター チーズ 脱脂粉乳 全粉乳

生産量

輸出量

輸入量

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

バター チーズ 脱脂粉乳 全粉乳

生産量

輸出量

輸入量

(千トン) (千トン) EU(人口約5億人) 米国(人口約3.1億人)

0

500

1,000

1,500

バター チーズ 脱脂粉乳 全粉乳

生産量

輸出量

輸入量

0

100

200

300

400

500

バター チーズ 脱脂粉乳 全粉乳

生産量

輸出量

輸入量

資料:米国農務省「Dairy: World Markets and Trade」

豪州(人口約21百万人) NZ(人口約4百万人) (千トン) (千トン)

主要輸出国の需給バランス(2012年速報)

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順位 企業名 国 販売額 備考

1 ネスレ スイス 25.9

2 ダノン フランス 19.5

3 ラクタリス フランス 18.8

4 フォンテラ NZ 15.7 前年は3位

5 フリースランド・ カンピーナ

オランダ 13.4

6 DFA 米国 13.0

7 ディーン・フーズ 米国 11.7

8 アーラ・フーズ デンマーク スウェーデン

10.3

9 クラフト・フーズ 米国 7.7

10 明治 日本 7.4 前年は12位

(単位:10億米ドル)

資料:Rabobank

世界の乳業企業TOP10(2011年)

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企業概要

10,600戸の酪農家(NZ全体の約90%)が所属する巨大な農系企業。従業員数17千人。年間販売額198億NZドル(1兆7千億円)。年間生乳処理量220億リットル。NZ産乳製品を世界100カ国以上に輸出し、世界輸出市場の1/3を占有している。中国等では、現地産の生乳を処理加工して消費ニーズに応じて販売している。

基本戦略

○ NZ・豪州産の乳製品の優位性を保ちつつ、中国を中心としたアジア、南米、中東、北ア フリカの将来性ある市場を獲得する。 ○ 既に50ヵ国で展開しているフードサービス事業を拡大強化する。 ○ カルシウム強化牛乳(アンリーン・ブランド)は、健康食品として既にアジアで高いシェア を獲得しているが、今後は特に中国を対象にシェアを伸ばす。 ○ 育児用粉乳は乳製品の中でも最も成長が望める分野であり、中国を中心にシェアを拡 大する。 ○ 中国内に複数の生産拠点を設立し、高品質の生乳を生産販売する。現地の関係者と 協力して農場や工場を運営するノウハウは、既に豪州や南米で経験を積んでいる。 (○ 日本については、高品質のバター、脱脂粉乳の輸出を拡大する。)

フォンテラ(NZ)の基本戦略

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0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

06 07 08 09 10 11

その他

カゼイン

バターオイル

チーズ

バター

脱脂粉乳

全粉乳

(千トン)

資料:Statistics NZ

NZの乳製品輸出量

(年度)

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中国

合計1,086千トン

ベネズエラ

アルジェリア

スリランカ

UAE

マレーシア

シンガポール

台湾

タイ

その他

資料:Statistics NZ

0

50

100

150

200

250

300

350

400

03 05 07 09 11

千トン

NZの全粉乳輸出

国別割合(2002年) 中国向け輸出量の推移

(千トン)

(年度)

メキシコ

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