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名古屋大学 大学院 工学研究科
マイクロ・ナノ機械理工学専攻
助教 村島 基之
形状が自在に変形する表面!しかもシームレス!
~表面が変形すると製品に新しい付加価値が生まれるのか?~
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新しく開発された変形する表面
・摩擦の制御・流体の制御・表面汚れの除去
状況に応じて変形する表面(スマートサーフェス)
➢ 新しい付加価値の創造➢ アイディア次第で様々な応用が可能!!
ある時は凸状態
ある時は凹状態
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例えば,摩擦を環境に応じて変えられると
・どのような環境にもそれなりに対応・常に最高性能ではない
➢ 常に最適な摩擦による省エネ性能➢ 安定性,ロバスト性の新しい付加価値
タイヤ スマートサーフェス
・常に最適な状態・外乱によらない安定性
晴:溝無し雨:深溝 晴
雨市販品:バランスを重視
した形状時間変化
汚:有機物
光触媒
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例えば,汚れを表面自身が落とせるなら
・光触媒反応
➢ 部品交換,メンテナンス費用削減➢ 長寿命化,低コスト表面
汚れない表面
・表面処理(撥水,微細構造)
汚れを落とす表面
・自身の運動による除染・物理的な汚れ落とし
光CO2H2O
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可変表面(スマートサーフェス)応用先
・把持力変化ロボットハンド・落下防止ストッパー・転倒防止床・ドアストッパー・ブレーキレス表面・アクチュエータ・冷蔵庫の除霜装置
・摩擦の制御・流体の制御・マイクロ流路の制御・表面汚れの除去・バキュームチャック・光学制御(光経路)
製品に新しい付加価値を!
➢ 新しい付加価値の創造!!➢ 皆様のアイディアが付加価値を生みます!
製品例 技術例
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生物に学ぶ効率性
常に形状を変化させ環境に最適適応
工業製品は?
工業製品も環境に合わせて最適化すれば...
長距離飛行
高速飛行
生物の効率性
ある条件で最適化 orバランス設計されているが,全ての運転条件,外乱に最適化されていない.
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従来の形状最適化技術
変形による空気抵抗最適化に効果
F-14 tomcat メルセデスベンツ IAA
航空機・自動車での実例
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従来の表面最適化技術
繊維を用いた表面変形
簡便な構造による形状変形,摩擦制御の達成
光学・電子産業での実例(可変形状ミラー)
@京都大学
圧縮
@産総研
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従来の表面最適化技術の欠点
土台寸法が変化してしまう
最大100mm程度の微小変形しかできない(圧電素子,材料破壊特性による)
繊維を用いた表面変形
圧縮
光学・電子産業での実例(可変形状ミラー)
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新しい変形表面の特徴
・表面直下に空洞が存在しているだけの単純構造→コスト削減効果が期待
・あらかじめ曲率を有することで材料の大変形を達成→初期曲率により破壊の発生を抑制
・土台の変形をともなわない→機械要素として汎用的な使用が期待
単純構造による低コスト化!
減圧
加圧
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新しい変形表面の構造
薄膜表面と内部構造を有する
内部構造の気圧の変化による表面の変形
減圧
加圧
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スマートサーフェス特許
・内部空間と,その空間を覆う表面で構成される・変形のためにエネルギー投入が必要・凸形状⇔凹形状の変形が生じる
表面形状可変構造:特許請求項
・現在は空気圧制御を検討しているが→アクチュエータや熱膨張などで駆動検討・樹脂材料,金属,ガラス材料も適応可能
減圧
加圧
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スマートサーフェス応用:摩擦制御
表面変形による摩擦制御
-400
-300
-200
-100
0
100
200
300
400
0 2 4 6 8
Hei
gh
t h,
μm
Position l, mm
Dimple
Lug
0
0.2
0.4
0.6
0.8
0 40 80 120
・表面形状が変わると接触状態が変わる・摩擦の最適制御→全運転状態での省エネ製品開発
凸:0.5
凹:0.3
600mmの大変形!
摩擦距離 l, m
摩擦係数
m
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スマートサーフェス応用:流体制御
方向性や流体膜厚さの制御付加価値
最表面ではない部分の変形:潤滑・摩擦制御
多角形を用いた流体制御:封止弁など
水
摩擦相手
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スマートサーフェス応用:チャッキングなど
物体の把持・固定
シリコンウェハ等のチャッキング
真空
状況に応じて相手を固定・把持できる!
普段は隙間がある 震災の際に固定する
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スマートサーフェス応用:汚れの除去
・強固な付着物の破壊→除去・メンテナンスフリーという新しい付加価値
・超音波振動でも除去できない付着物のリフトアップ
大変形による付着物の物理的除去
・内部流路を独立させることによる制御→様々な形状
氷,霜の破壊
短時間の繰返し変形
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実用化に向けたステップ
今後の開発目標
・600mmの大きな変形を達成・3Dプリンタを用いた製造
現在の達成状況
・金属材料での開発 →汎用部品への適応・ガラス材料での開発 →光学部品での実用・微小変形表面の開発 →小さい機械への応用・円形状以外での変形実現 →新しい流体制御・多段階,線形制御の実現 →精密な制御の達成
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共同研究,技術移転の進め方
10月末頃のJST外国特許出願支援.技術移転可能性が高い案件に対し補助
・企業様の技術を生かした新しい技術,特許の開発・新しいアイディアを基に大学側が実現に向けて開発・大学ノウハウを仲介した技術移転など
特許ライセンス例
共同研究例
JST国際特許サポート
共同研究,特許ライセンスどちらも大歓迎!
・企業様の独自アイディアに対するライセンス仲介
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企業様との二人三脚への期待
・金属,ガラス材料を用いたスマートサーフェス開発・微細 or大変形を達成する表面開発
新アイディア
技術開発
・新しいアイディアを試してみたい企業様・新しい付加価値を自社製品に付け加えたい企業様・汚れ,氷の付着や摩擦,接触の課題を抱える企業様
金型技術,精密加工,プレス加工技術を有する企業様
本技術を用いたアイディアや解決策を一緒に考えます!気軽にご相談ください.
本技術に関する知的財産権
•発明の名称:表面形状可変構造
•出願番号 :特願2017-104600
•出願人 :名古屋大学
•発明者 :村島基之、梅原徳次吉野笙太
産学連携の経歴
• 2012年-2017年ナショナルコンポジットセンターにて
共同研究
• 2015年-2017年日本ガイシ株式会社と共同研究
• 2015年-2017年昭和シェル石油株式会社と共同研究
• 2016年-2017年株式会社デンソーと共同研究
お問い合わせ先
名古屋大学
発明者・研究者: 村島 基之
コーディネーター: 高橋 桂太
TEL:052-789-2788
FAX:052-789-2787
e-mail:[email protected]
ナノテクノロジープラットフォーム利用機関・装置
実施機関:名古屋大学 微細加工プラットフォーム
担当者:村島 基之
利用装置:高精度電子線描画装置一式
(SPG-724,JSM-7000FK)
電界放出型電子顕微鏡を用いることで,表面のマイクロ・ナノメータレベルの構造を観察することが可能となった.これにより3Dプリンタを用いて製作した構造の微細構造観察や欠陥検出を行うことができ,最適設計に向けた検討が可能となった.
利用成果