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新潟県行政経営改革推進ビジョン ~創るのは、「私が住みたい新潟」です!~ 新潟県行政経営改革推進本部

新潟県行政経営改革推進ビジョン · 行政経営改革(イメージ図) 県政の目標 県民の皆さんが将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現

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新潟県行政経営改革推進ビジョン

~創るのは、「私が住みたい新潟」です!~

新潟県行政経営改革推進本部

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目 次

はじめに 1

Ⅰ 行政経営改革の基本方向 3

Ⅱ 改革によって目指す県組織の姿 4

1「政策官庁」への変革 6

2「効率的な政府」の実現 8

Ⅲ 改革の柱 10

1 組織風土改革 10

2 行政経営システム改革 10

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は じ め に

【目指す新潟県の姿】

新潟県は、国内の食糧供給を支える農業、卓越した技術を持つ地場

産業、恵まれた自然や伝統ある文化に支えられた観光、新幹線や空港、

高速道路といった高速交通ネットワーク、更には、拡大が期待される

北東アジアとの経済交流の拠点など、21世紀を切り拓いていくことが

できる潜在能力、資源に溢れています。

新潟県の持つ潜在能力や資源を活かし、より一層その拠点性を高め

ることで、地域経済の自立や安心・安全な社会、真の地方分権の実現

等を通じて、「将来に希望が持てる魅力ある新潟県」を実現し、その持

続的な発展を目指してまいります。

【行政経営改革推進ビジョンの位置づけ】

この「行政経営改革推進ビジョン」は、その実現に向けて、職員の意

識や行動、行政運営や組織・仕組みの改革方向を示すものであり、「行

政経営」とは、人(職員)、もの(施設や社会基盤)、金(財源)を有効に

活用して、変革の時代に的確に対応し、常に県民の皆さんが満足する

サービスを提供していくことです。

【行政経営改革の必要性】

現在、経済のグローバル化や少子高齢化の急速な進行などの社会経

済情勢の変化、三位一体改革や市町村合併、道州制論議などの地方分

権の流れの中で、国や県、市町村のあるべき姿を明確にしつつ、社会

・経済の変化や地方の実情に的確・柔軟に対応できる組織、独自の施

策を展開できる組織が強く求められています。

更に、複雑多様化する県民ニーズや地域ニーズに対し、国・地方を

通じて最も効果的、効率的な行政運営を目指すとともに、県としても、

真に必要とされる施策や将来の新潟県発展に重要な施策を「選択と集

中」の観点から判断し展開していかなければなりません。

そして、このような取組の差が、中長期的には地域の活力や発展に

大きな差を生むとともに、今後の具体的な道州制の動きの中で新潟県

の位置づけにも大きく影響してきます。

また、これからの行政経営は、行政のみの発想や理論、従来の延長

線上からではなく、常に改革意識を持って、広く県民の皆さんや民間

企業、専門家やコミュニティ、NPO、市町村等と連携しながら、多

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様な価値観を受け入れ、その中から新たな価値(独自の施策や行政サ

ービス等)を創造していかなければなりません。

【行政経営改革の視点】

このような状況の中で、行政経営で重要なことは、

・様々な情報が集まる「情報の結節点」として変化を敏感に

キャッチし、

・その変化を組織内部のみならず県民の皆さんと広く共有し、

・変化に対して果敢に挑戦し、多様な知識・知恵の中から

課題の解決策を見つけ出していくことです。

そのため、施策や事業の企画立案、実施、評価といったそれぞれの

段階で、常に県民の皆さんの立場に立ちながら、「現場」、「開放」、「創

造」の3つの視点を重視した行政経営が必要です。

【行政経営改革が目指す県組織】

県行政経営改革では、この3つの視点から「政策官庁への変革」と「効

率的な政府の実現」を目指します。

「政策官庁」は、課題や解決策を現場に求め、県組織内外の様々な

知識を結集して、職員一人ひとりが新たな価値(独自の施策や行政サ

ービス等)を創造していくことができる組織です。

特に、行政活動や日常業務の実施結果を、その受け手の視点から分

析・評価し継続的に改革・改善に取り組むことで、持続的に発展し、

自己変革ができる組織となることが重要です。

また、「効率的な政府」は、民間や市町村等との役割を明確にしなが

ら、県の業務や組織について選択と集中・成果重視の観点から見直し、

政策課題に迅速に対応できるスリム化された組織です。

私は、新潟県組織をこの2つの目指す姿に確実かつ早急に変革して

いくことが、県民の皆さんに感謝される仕事を通じて明日の新潟県を

創っていく基礎であり、今後の県政運営にとって避けて通れない課題

であると認識し、職員の皆さんと一体となって改革に取り組んでいき

たいと思います。

平成17年11月

新潟県行政経営改革推進本部

本部長 新潟県知事 泉田 裕彦

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Ⅰ 行政経営改革の基本方向

私たち県職員は、

この行政経営改革に取り組むことによって、

県民の皆さんが将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現

(県民満足度向上)のために、

現場重視・開放重視・創造重視の視点から、

「政策官庁」への変革と「効率的な政府」の実現を目指します。

行政経営改革 (イメージ図)

○県政の目標 県民の皆さんが将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現

県組織県組織

○県組織の目指す姿

「政策官庁」への変革「効率的な政府」の実現

○現場重視県民の皆さんとの接点である現場を重視し、現場でのコミュニケーションの中から課題や解決策を見いだしていく姿勢

○開放重視行政情報やプロセスを外に向かって見えるようにするとともに、県民の皆さんや民間企業、専門家、市町村など外部の知識やノウハウ、成功事例を積極的に取り入れていく、つまり開かれた県政としていく姿勢

○創造重視いままでのやり方を漫然とするのではなく、状況に応じて日々の業務改善をすることや独自の施策展開をするなどの新たな取組に失敗を恐れず果敢に挑戦し続けていく姿勢

○改革の視点

○行政経営改革

○組織風土改革(職員の意識や行動の変革)

○行政経営システム改革(仕事の進め方の仕組みや組織の変革)

国・他都道府県・市町村・団体・NPO等国・他都道府県・市町村・団体・NPO等

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Ⅱ 改革によって目指す県組織の姿

県民の皆さんが将来に希望が持てる魅力ある新潟県を実現するため

に、県組織が「政策官庁」へ変革するとともに、「効率的な政府」となるこ

とを目指します。

「政策官庁」への変革

「政策官庁」とは、課題や解決策を現場に求め、県組織内外の

様々な知識を結集して、職員一人ひとりが自ら考え、新たな

価値(独自の施策や行政サービス等)を創造していくことができ

る組織です。

地方自治体の自立・政策立案能力の向上と、地域の実態に即した独

自の行政サービスの提供が必要

地域の実態に即した 地方自治体の自己決 道州制論議の活発化

独自の行政サービス 定・自己責任 と対応

・少子高齢化等の社 ・国から地方への税 ・政策立案能力、企

会情勢の変化や価 源移譲や国庫補助 画能力の差が、長

値観の多様化 金の削減 期的には都道府県

・複雑多様化する住 ・地方交付税の見直 の活力の差

民ニーズ し

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「効率的な政府」の実現

「効率的な政府」とは、民間でできることは民間に、市町村でで

きることは市町村に任せ、県の業務や組織についても選択と集中

・成果重視の観点から見直しを行うことによって実現する、政策

課題に迅速に対応できるスリム化された組織です。

民間、市町村との役割分担の見直しと、行政全体のスリム化が必要

市町村合併の進展も踏まえでき 連携・協働や選択と集中によ

るだけ住民に身近な自治体での る行政全体のスリム化の要請

行政サービス提供 の拡大

・市町村の行財政能力の拡充 ・民間の役割の拡大

・市町村の地理的範囲の広域化 ・NPO活動の活発化

・市町村の役割や責任の拡大 ・国・地方の厳しい財政状況

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1 「政策官庁」への変革

県組織が「政策官庁」となるため、次の組織への変革を目指します。

生きた情報が集まる組織

政策創造のベースは、「生きた情報(現場の情報)」であり、県組織がこれまで

でのような権限と財源に頼った情報収集から、よい知恵を生み出すことによっ

て頼られ、様々な情報が集まる「情報の結節点」にならなければなりません。

また、職員自らが積極的に情報を集めていかなければなりません。

・県民の皆さんのニーズや第一線の現場の声など必要な情報が共

有される組織

・県民の皆さんや民間企業、市町村、専門家などの多様な知識や

ノウハウを収集し、活かす組織

・職員の持つ知識やノウハウが組織の壁を越えて共有される組織

新たな価値を創造する組織

県民ニーズや地域ニーズに対応した新たな価値(独自の施策や行政サービス

等)は、外部と協働しながら、職員一人ひとりが能力を発揮して創造していか

なければなりません。

・問題意識の共有や改善策の検討など積極的な対話ができる風通

しの良い組織

・日常の問題解決のための創意と工夫が実施につながる組織

・現場に近い事業部門や地域機関の企画立案機能が強化された組織

政策を果敢に実行する組織

政策目標は、個々の施策や事業をより効果的、効率的に実践するなかで実

現されますが、社会情勢の変化に的確に対応するには、果敢に挑戦しやり抜

く力が重要です。

・政策の実行に必要な人材や財源等が確保されている組織

・関係者と協働して、確実に成果を上げることができる組織

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的確に評価し常に改善する組織

県組織のみの行政運営でなく、県民の皆さんや外部の評価をより質の高い

行政運営につなげていくことが必要であり、目標と成果を常に意識し、分析し、

改善していくことが不可欠です。

・行政活動や日常業務の実施結果を、その受け手の視点から分析

評価して、継続的に改革・改善に取り組む組織

職員が能力を発揮できる組織

県組織の力の源泉は、職員一人ひとりがそれぞれの職場や社会で培ってき

た「知識・知恵・ノウハウ」であり、それを活かしきる職員の意識向上と受け

入れる組織環境が必要です。

・職員一人ひとりが問題意識を持ち、課題解決や業務改善に取り

組む組織

・職員一人ひとりの意欲を活かし、職員が誇りややり甲斐を持

って仕事ができる組織

・職員の意欲向上や能力発揮を支援する組織

専門家

民間企業

県民の皆さんNPO

地域機関

企画部門

管理部門

県組織

市町村

 国

政策官庁のイメージ

新たな価値の創造による満足の提供

県組織内外の様々な知識の結集

職員一人ひとり

の能力発揮

事業部門

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2 「効率的な政府」の実現

県組織が「効率的な政府」となるため、次の組織への変革を目指しま

す。

民間と連携する組織

これからの行政運営は、行政のみの視点からでなく、公的サービス提供

主体を民間へ開放する流れを加速し、複雑多様化する県民ニーズや地域ニ

ーズへの柔軟な対応と組織のスリム化を実現しなければなりません。

・民間の知識やノウハウを活用し、民間と連携してより質の高

い公的サービスを提供する組織

市町村へ抜本的に権限を移譲し支援していく組織

行政サービスは、住民に最も身近な市町村で実施することが基本であり、

県と市町村の役割を明らかにし、重複した分野をなくすこと(お互いに任

せきる分野の明確化)が、県・市町村を通じた行政全体の簡素化につながり

ます。

・市町村との役割分担を明確にし、行政全体のスリム化を目指

す組織

・より住民に近い市町村へ抜本的に権限を移譲し、それを支援する

組織

選択と集中ができる組織

複雑多様化する県民ニーズや地域ニーズの中で、県として真に必要とされ

る施策や、地域の将来の発展に重要な施策を見極め、効果・効率を重視し

て展開していかなくてなりません。

・県が実施すべき施策の中でも、選択と集中、成果重視の観点

から、真に必要な施策や事業を効果的、効率的に決定し実施

する組織

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迅速に行動する組織

変化の激しい社会経済情勢においては、政策展開の方向性を示し、迅速

に対応していくだけでなく、常に変化を先取りし、迅速・的確に政策に反

映していく行政運営が求められています。

・県民ニーズや地域ニーズに迅速・的確に対応するスリム化さ

れた組織

・第一線の現場の声を迅速に政策に反映する組織

・職員の能力を最大限に発揮し事務効率を追求する組織

効率的な政府のイメージ

民間

企業

       県民の皆さん

権限移譲

権限移譲 NPO

市町村

選択と集中

    行政サービス

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Ⅲ 改革の柱

組織風土の改革と仕事の進め方や組織の改革は車の両輪であり、改

革を進めるためには、職員一人ひとりが自ら考え変革に挑戦し、目標

に向かって行動するとともに、それを支える県の仕事の進め方を効率

的・効果的なものに改革していく必要があります。

そのため、行政経営改革では

①「組織風土改革」

②「行政経営システム改革」を二つの柱として進めていきます。

1 組織風土改革

組織風土とは、職員一人ひとりの考え方や行動などに影響を与える

組織としての価値観や常識、ルールです。

向上意欲の高い組織風土はあらゆる改革を進める基盤となります。

全職員が改革の推進意識を共有し、一人ひとりが自らが考え、対話

を重視し、前向きに行動できる組織風土をつくることが、県民の皆さ

んの満足度向上を目指す政策官庁への変革につながります。

2 行政経営システム改革

行政経営システムとは、県の仕事の進め方の仕組みです。

常に、県民ニーズを把握し、政策立案機能の強化につながるような

行政マネジメントの仕組みや組織・機構の改革に取り組みます。

また、民間でできるものは民間で対応することを基本に民間連携を

図るとともに、県民の皆さんに最も身近な市町村が、住民ニーズにあ

ったサービスを提供できるよう、権限を移譲した上で支援していきま

す。

相互

組織風土改革 行政経営システム改革

職員の意識や行動の変革 仕事の進め方や組織の変革

(行政システムの目指す機能 (職員の意識や行動を醸成

を発揮していく組織風土) し、活かすシステム)

補完