18
CV-52003-2.0 © 2012 Altera Corporation. All rights reserved. ALTERA, ARRIA, CYCLONE, HARDCOPY, MAX, MEGACORE, NIOS, QUARTUS and STRATIX words and logos are trademarks of Altera Corporation and registered in the U.S. Patent and Trademark Office and in other countries. All other words and logos identified as trademarks or service marks are the property of their respective holders as described at www.altera.com/common/legal.html . Altera warrants performance of its semiconductor products to current specifications in accordance with Altera's standard warranty, but reserves the right to make changes to any products and services at any time without notice. Altera assumes no responsibility or liability arising out of the application or use of any information, product, or service described herein except as expressly agreed to in writing by Altera. Altera customers are advised to obtain the latest version of device specifications before relying on any published information and before placing orders for products or services. Cyclone V デバイス・ハンドブック Volume 1:デバイスのインタフェースおよび統合 2012 年 6 月 Feedback Subscribe ISO 9001:2008 Registered 3. Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 祭昨ノ埼朔腰珽磽1 DSP 仔寺式師実斯辞執削採哉崎腰皿三珽哉似紫詞㋐燵燦支治実 詞際傘冴薩削 Cyclone ® V 視飼使旨昨療廸㋐燵視施祉識徳陵幣XθDSPχ字竺紫屍歳鷺 昨皿妻削鏘鎮尤細参傘栽シ軛裁擦際甑 祭昨ノ朔腰通託昨止屍斯辞執埼├耨細参崎哉擦際甑 坤㎏1墾 3–2 時実施昨坤支治実詞細参傘湊転示実詩墾 3–3 時実施昨坤視孜使執昨鶺ヹ宙奡墾 3–4 時実施昨坤字竺紫屍質仔実姿至屍糸而墾 3–10 時実施昨坤湊転示実詩昨シ軛墾 機能 Cyclone V 昨療廸㋐燵 DSP 字竺紫屍朔腰通託昨㎏1燦蛬盗裁擦際甑 珽磽1腰⒅ホ鴈本昨鏘鎮尤腰採皿索晢廟鴫施旨祉尤細参冴知二㌳二 9 似紫詞腰18 似紫詞腰採皿索 27 似紫詞昨宍実詩濮 2 曇昨 18 x 19 じ標豬知二 知二1霙燦1淋際傘似識詞使執盆二腰㏌二腰64 似紫詞㊗二蒔誌紫詞 児伺識祉式執市質仔寺式師実斯辞執昨祉紫寺質視伺鴫使質鹿使執燦痂耨際傘冴薩 19 似紫詞擦冴朔 27 似紫詞昨始旨師実詩 弸使竺施紫屍質支治実詞作裁埼 1 肴昨字竺紫屍栽晒逗昨字竺紫屍匙昨箆本1霙燦 提襁細在傘冴薩昨 64 似紫詞箆本飼旨昨始旨師実詩 檮7児伺識祉埼 19 似紫詞質示実詩採皿索 27 似紫詞質示実詩燦支治実詞際傘雌実 詩質寺式盆二咏 児伺識祉昨曚〉削砺ぁ細参傘不使逃豬鴫施旨祉質飼執屍 便豌細参冴箆本盆二咏沈済昨18 似紫詞採皿索27 似紫詞昨斯旨詞式紫屍鐚沪使執歯 識旨睛七θFIRχ児伺識祉 f Cyclone V 視飼使旨埼昨知二咏昨豬削肴哉崎ゆ裁采朔腰 Cyc lo ne V Dev i ce Ove rv i ew 燦理 軏裁崎采坂細哉甑 June 2012 CV-52003-2.0

Cyclone V デバイスの可変精度DSPブロック、Cyclone V ......第3章:CycloneVデバイスの可変精度DSPブロック 3‒3 デザインの検討事項 2012年6月 Altera

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CV-52003-2.0

© 2012 Altera Corporation. All rights reserved. ALTERA, ARRIare trademarks of Altera Corporation and registered in the U.Strademarks or service marks are the property of their respectivsemiconductor products to current specifications in accordanceservices at any time without notice. Altera assumes no responsdescribed herein except as expressly agreed to in writing by Alon any published information and before placing orders for pr

Cyclone Vデバイス・ハンドブックVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統2012 年 6月

June 2012CV-52003-2.0

3. Cyclone V デバイスの可変精度 DSPブロック

この章では、高性能 DSP アプリケーションにおいて、より高いビット精度をサポー

トするために Cyclone® V デバイスの可変精度デジタル信号処理(DSP)ブロックがど

のように最適化されるか説明します。

この章は、以下のセクションで構成されています。

■ 「機能」

■ 3–2 ページの「サポートされる動作モード」

■ 3–3 ページの「デザインの検討事項」

■ 3–4 ページの「ブロック・アーキテクチャ」

■ 3–10 ページの「動作モードの説明」

機能Cyclone V の可変精度 DSP ブロックは、以下の機能を提供します。

■ 高性能、消費電力の最適化、および完全レジスタ化された乗算演算

■ 9 ビット、18 ビット、および 27 ビットのワード幅

■ 2 個の 18 x 19 複素数乗算

■ 乗算結果を結合するビルトイン加算、減算、64 ビット累算ユニット

■ フィルタリング・アプリケーションのタップ・ディレイ・ラインを形成するため

の 19 ビットまたは 27 ビットのカスケード

■ 外部ロジック・サポートなしで 1 つのブロックから次のブロックへの出力結果を

伝播させるための 64 ビット出力バスのカスケード

■ 対称フィルタで 19 ビット・モードおよび 27 ビット・モードをサポートするハー

ド・プリ加算器

■ フィルタの実装に使用される内部係数レジスタ・バンク

■ 分散された出力加算器付きの18ビットおよび27ビットのシストリック有限インパ

ルス応答(FIR)フィルタ

f 各 Cyclone V デバイスでの乗算器の数について詳しくは、 Cyclone V Device Overview を参

照してください。

A, CYCLONE, HARDCOPY, MAX, MEGACORE, NIOS, QUARTUS and STRATIX words and logos . Patent and Trademark Office and in other countries. All other words and logos identified as e holders as described at www.altera.com/common/legal.html. Altera warrants performance of its with Altera's standard warranty, but reserves the right to make changes to any products and ibility or liability arising out of the application or use of any information, product, or service tera. Altera customers are advised to obtain the latest version of device specifications before relying oducts or services.

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3‒2 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロックサポートされる動作モード

サポートされる動作モード表 3–1 に、Cyclone V の可変精度 DSP ブロックでサポートされている動作モードを示

します。

表3‒1. Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロックの動作モード

可変精度 DSP ブロック・リソース

動作モードサポートされるインスタンス

プリ加算器のサポート

係数のサポート

入力カスケードのサポート (1)

チェインアウトのサポート

1 個の可変精度DSP ブロック

独立 9 x 9 乗算 3 なし なし なし なし

独立 18 x 18 乗算 2 あり あり あり なし

独立 18 x 19 乗算 2 あり あり あり なし

独立 18 x 25 乗算 1 あり あり あり あり

独立 20 x 24 乗算 1 あり あり あり あり

独立 27 x 27 乗算 1 あり あり あり あり

2 個の 18 x 19 multiplier adder モード

1 あり あり あり あり

36 ビット入力に加算する 18 x 18 Multiplier Adder

1 あり なし なし あり

2 個の可変精度DSP ブロック

複素数 18 x 19 乗算 1 なし なし あり なし

表 3–1 の注:

(1) プリ加算器機能をイネーブルすると入力カスケードのサポートは使用不可能です。

Cyclone Vデバイス・ハンドブック 2012年 6月 Altera CorporationVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒3デザインの検討事項

デザインの検討事項

動作モードQuartus® II ソフトウェアには、乗算器の動作モードを制御するために使用できるメガ

ファンクションが含まれています。MegaWizard™ Plug-In Manager でパラメータ設定を

入力後、Quartus II ソフトウェアは可変精度 DSP ブロックを自動的にコンフィギュ

レーションします。

f 詳しくは、以下のユーザーガイドを参照してください。

■ Introduction to Megafunction User Guide

■ Integer Arithmetic Megafunctions User Guide

■ Floating-Point Megafunctions User Guide

プリ加算器プリ加算器の機能を使用するには、すべての入力データおよび乗算器のクロック設

定が同一になっている必要があります。

プリ加算器の機能がイネーブルされている場合、入力カスケード・サポートは使用

不可能です。

内部係数18 ビット・モードおよび 27 ビット・モードでは、係数機能およびプリ加算器機能を

別々に使用することができます。

アキュムレータアキュムレータは、出力レジスタ・バンクおよびアキュムレータの間に位置してい

る 64 ビットのダブル累算レジスタをイネーブルすることによってダブル累算をサ

ポートします。

ダブル累算レジスタは、プログラミング・ファイルにスタティックに設定されます。

チェインアウト加算器他の DSP ブロックからの結果を加算するために出力チェイン・パスを使用すること

ができます。

2012 年 6月 Altera Corporation Cyclone Vデバイス・ハンドブックVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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3‒4 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロックブロック・アーキテクチャ

ブロック・アーキテクチャCyclone V の可変精度 DSP ブロックは、以下の要素から構成されています。

■ 入力レジスタ・バンク

■ プリ加算器

■ 内部係数

■ 乗算器

■ 加算器

■ アキュムレータおよびチェインアウト加算器

■ シストリック・レジスタ

■ ダブル累算レジスタ

■ 出力レジスタ・バンク

図 3–1 に、Cyclone V の可変精度 DSP ブロックのアーキテクチャ全体を示します。

図3‒1. Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロックのアーキテクチャ(1)

図 3–1 の注:

(1) 可変精度 DSP ブロックがシストリック FIR モードにコンフィギュレーションされていない場合、両方のシストリック・レジスタはバイパスされます。

(2) シストリック・レジスタをイネーブルする場合、3 つのレジスタは出力レジスタ・バンクとして同じクロック・ソースを持ちます。

Inpu

t Reg

iste

r Ban

kIn

put R

egis

ter B

ank

scanin

scanout

LOADCONST

ACCUMULATE

NEGATE

dataa_y0[18..0]

dataa_z0[17..0]

dataa_x0[17..0]

COEFSELA[2..0]

datab_y1[18..0]

datab_z1[17..0]

datab_x1[17..0]

COEFSELB[2..0]

SUB_COMPLEX

+/-

Pre-Adder

+/-

Pre-Adder

+/-

InternalCoefficient

InternalCoefficient

Multiplier

Adder

+/- +/-

Systolic Registers (2)

Systolic Register (2)

Chainout adder oraccumulator

+

Out

put R

egis

ter B

ank

Out

put R

egis

ter B

ank

Constant

Double Accumulation

Register

chainin[63..0]

chainout[63..0]

Result[73..0]

Multiplier

x

x

CLK[2..0]

ENA[2..0]

ACLR[1..0]

Cyclone Vデバイス・ハンドブック 2012年 6月 Altera CorporationVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒5ブロック・アーキテクチャ

入力レジスタ・バンク入力レジスタ・バックは、データ、ダイナミック・コントロール信号、および 2セットの遅延レジスタから構成されています。

DSP ブロック内のすべてのレジスタは、ポジティブ・エッジでトリガされており、

パワーアップ時にクリアされます。各乗算器オペランドは、入力レジスタに供給す

るか、入力レジスタをバイパスして直接乗算器に供給できます。

以下の可変精度 DSP ブロック信号は、可変精度 DSP ブロック内の入力レジスタを制

御します。

■ CLK[2..0]

■ ENA[2..0]

■ ACLR[0]

18 x 19 モードでは、レイテンシ要件のバランスさせるために入力カスケードおよび

チェインアウト機能の両方を使用しているときに遅延レジスタを使用することがで

きます。

タップ・ディレイ・ライン機能によって、18 x 19 モードでは dataa_yおよび

datab_y1、27 x 27 モードでは dataa_y0のみの乗算器の上位レグ入力を一般的な配線

またはカスケード・チェインからドライブできます。

図 3–2 に、18 x 19 モードでの入力レジスタを示します。

図3‒2. 18 x 19 モードでの可変精度 DSP ブロックの入力レジスタ(1)

図 3–2 の注:

(1) この図はデータ・レジスタのみを示しており、コントロール信号用のレジスタは示されていません。

dataa_y0[18..0]

dataa_z0[17..0]

dataa_x0[17..0]

datab_y1[18..0]

Delay registers

datab_z1[17..0]

datab_x1[17..0]

Delay registers

scanin[18..0]

scanout[18..0]

CLK[2..0]

ENA[2..0]

ACLR[0]

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3‒6 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロックブロック・アーキテクチャ

図 3–3 に、27 x 27 モードでの入力レジスタを示します。

プリ加算器それぞれの可変精度 DSP ブロックには 19 ビットのプリ加算器があります。これらの

プリ加算器を 2 つの 19 ビット・プリ加算器または 1 つの 27 ビット・プリ加算器と

してコンフィギュレーションすることができます。

プリ加算器は、以下の入力コンフィギュレーションで加算および減算の両方をサ

ポートしています。

■ 18 x 19 モードの 18 ビット(符号あり)加算または減算

■ 18 x 19 モードの 17 ビット(符号なし)加算または減算

■ 27 x 27 モードの 26 ビット加算または減算

内部係数Cyclone V の可変精度 DSP ブロックには、ダイナミック入力または内部係数のいずれ

か一方からの被乗算を選択できる柔軟性があります。

内部係数は、18 ビット・モードおよび 27 ビット・モードでの被乗算として最大 8 個

の定数係数をサポートすることができます。内部係数機能をイネーブルする場合、

係数マルチプレクサの選択を制御するために COEFSELA/COEFSELBが使用されます。

図3‒3. 27 x 27 モードでの可変精度 DSP ブロックの入力レジスタ(1)

図 3–3 の注:

(1) この図はデータ・レジスタのみを示しており、コントロール信号用のレジスタは示されていません。

dataa_y0[26..0]

dataa_z0[25..0]

dataa_x0[26..0]

scanin[26..0]

CLK[2..0]

ENA[2..0]

ACLR[0]

scanout[26..0]

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒7ブロック・アーキテクチャ

乗算器乗算器のデータ幅に応じて、シングル可変精度 DSP ブロックは複数の乗算をパラレ

ルに実行できます。

可変精度 DSP ブロックあたりに 2 つの乗算器があります。

これら 2 つの乗算器を以下の動作モードにコンフィギュレーションすることができ

ます。

■ 1 つの 27 x 27 乗算器

■ 2 つの 18(符号あり)/(符号なし)x 19(符号あり)乗算器

■ 3 つの 9 x 9 乗算器

乗算器の動作モードについて詳しくは、3–10 ページの「動作モードの説明」を参照

してください。

加算器動作モードに応じて、さまざまなサイズの加算器を使用することができます。

■ 64 ビット・アキュムレータ付きの 1 つの 64 ビット加算器

■ 2つの18 x 19モード—それぞれの独立8 x 19乗算の37ビットの全結果を生成するた

めに、加算器は 2 つの 37 ビット加算器に分割されます。

■ 3つの 9 x 9モード —3つの 9 x 9乗算結果を別々に生成するために、加算器を 3つの

18 ビット加算器として使用することができます。

アキュムレータおよびチェインアウト加算器Cyclone V の可変精度 DSP ブロックは、64 ビットのアキュムレータおよび 64 ビット

の加算器をサポートしています。

以下の信号を使用してアキュムレータのファンクションをダイナミックに制御する

ことができます。

■ NEGATE

■ LOADCONST

■ ACCUMULATE

アキュムレータは、出力レジスタ・バンクおよびアキュムレータの間に位置する 64ビットのダブル累算レジスタをイネーブルすることによってダブル累算をサポート

します。

ダブル累算レジスタは、プログラミング・ファイルにスタティックに設定されます。

アキュムレータおよびチェインアウト加算器の機能は、2 つの独立 18 x 19 モードお

よび 3 つの 9 x 9 モードではサポートされていません。

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3‒8 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロックブロック・アーキテクチャ

表 3–2 に、ダイナミック信号設定および各ファンクションの説明を示します。

シストリック・レジスタ可変精度 DSP ブロックあたりに 2 つのシストリック・レジスタがあります。可変精

度 DSP ブロックがシストリック FIR にコンフィギュレーションされていない場合、

両方のシストリック・レジスタはバイパスされます。

1 番目のシストリック・レジスタは、上位乗算器の 18 ビットおよび 19 ビット入力を

それぞれレジスタ化するために使用される 18 ビットおよび 19 ビットのレジスタか

ら構成されています。

2 番目のシストリック・レジスタは、次の可変精度 DSP ブロックへのチェインアウ

ト出力を遅らせるために使用されます。

すべてのシストリック・レジスタに、出力レジスタ・バンクと同じクロック・ソー

スでクロックを供給する必要があります。

ダブル累算レジスタダブル累算レジスタは、アキュムレータのフィードバック・パスに余分なレジスタ

です。ダブル累算レジスタをイネーブルすると、余分なクロック・サイクルはア

キュムレータのフィードバック・パスで遅れることになります。

このレジスタには、出力レジスタ・バンクとしていくつかの CLK、ENA、および ACLR設定があります。

このレジスタをイネーブルすることによって、可変精度 DSP ブロックと同じ数を使

用して 2 つのアキュムレータ・チャネルを持つことができます。

出力レジスタ・バンククロック信号のポジティブ・エッジは、64 ビットのバイパス可能な出力レジスタ・

バンクをトリガして、パワーアップ後にクリアされます。

次の可変精度 DSP ブロックの信号は、可変精度 DSP ブロックごとの出力レジスタを

制御します。

■ CLK[2..0]

表3‒2. アキュムレータのファンクションとダイナミック・コントロール信号

ファンクション

説明 NEGATE LOADCONST ACCUMULATE

ゼロイング アキュムレータをディセーブルします。 0 0 0

プリロード

アキュムレータに初期値をロードします。64 ビットのプリロード値の 1 ビットのみは「1」です。この値は、64 ビットの結果の任意の位置に対するDSP 結果の丸め処理として使用されます。

0 1 0

累算 現在の結果を前回の累算結果に追加します。 0 X (1) 1

デシメーション

このファンクションにより、現在の結果が 2 の補数に変換され、前の結果に加算されます。

1 X (1) 1

表 3–2 の注:

(1) X は「don’t care」値であることを示します。

Cyclone Vデバイス・ハンドブック 2012年 6月 Altera CorporationVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒9ブロック・アーキテクチャ

■ ENA[2..0]

■ ACLR[1]

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3‒10 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロック動作モードの説明

動作モードの説明このセクションでは、以下の動作モードを効率的にサポートするために Cyclone V の

可変精度 DSP ブロックをコンフィギュレーションする方法を説明します。

■ 独立乗算器モード

■ 独立複素数乗算器モード

■ Multiplier Adder Sum モード

■ 36 ビット入力に加算する 18 x 18 乗算モード

■ シストリック FIR モード

独立乗算器モード独立した入力および出力乗算器モードでは、可変精度 DSP ブロックは汎用乗算器の

個別乗算演算を実行します。

表 3–3 に、独立した乗算器モードでの Cyclone V の可変精度 DSP ブロックの乗算器コ

ンフィギュレーションを示します。

図 3–4 に、9 x 9 独立乗算器モードでの可変精度 DSP ブロックを示します。

表3‒3. 可変精度 DSP ブロックの独立乗算器モードでのコンフィギュレーション

コンフィギュレーション ブロックあたりの乗算器数 説明

9 x 9 3 図 3–4

18(符号あり)x 18(符号なし)

2 図 3–518(符号なし)x 18(符号なし)

18(符号あり)x 19(符号あり)

18(符号なし)x 19(符号あり)

18 x 25 1 図 3–620 x 24 1 図 3–727 x 27 1 図 3–8

図3‒4. 可変精度 DSP ブロックごとの 3つの 9 x 9 独立乗算器モード(1)

図 3–4 の注:

(1) 3 ペアのデータは axポートおよび ay ポートにパックされます。resultには3つの 18 ビット・プロダクトが含まれています。

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Multiplier

x Result[53..0](p2, p1, p0)

ay[y2, y1, y0]

ax[x2, x1, x0]

27

27

54

Variable-Precision DSP Block

Out

put R

egis

ter B

ank

Cyclone Vデバイス・ハンドブック 2012年 6月 Altera CorporationVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒11動作モードの説明

図 3–5 に、18 x 18 または 18 x 19 独立乗算器モードでの可変精度 DSP ブロックを示し

ます。

図 3–6 に、18 x 25 独立乗算器モードでの可変精度 DSP ブロックを示します。

図3‒5. 可変精度 DSP ブロックごとの 2つの 18 x 18 または 18 x 19 独立乗算器モード(1), (2)

図 3–5 の注:

(1) 18 x 19 モードでは n = 19 および m = 37 です。

(2) 18 x 18 モードでは n = 18 および m = 36 です。

図3‒6. 可変精度 DSP ブロックごとの 1つの 18 x 25 独立乗算器モード(1)

図 3–6 の注:

(1) チェインアウト加算器またはアキュムレータを組み込めば最大 52 ビットまでの結果が可能です。

[(m-1)..0]

Multiplier

x

Multiplier

xIn

put R

egis

ter B

ank

data_b1[(n-1)..0]

data_a1[17..0]

n

18

Variable-Precision DSP Block

data_b0[(n-1)..0]

data_a0[17..0]

n

18

m

[(m-1)..0]m

Out

put R

egis

ter B

ank

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Multiplier

Result[42..0]

dataa_b0[17..0]

dataa_a0[24..0]

18

25

43

Variable-Precision DSP Block

Out

put R

egis

ter B

ank

x

2012 年 6月 Altera Corporation Cyclone Vデバイス・ハンドブックVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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3‒12 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロック動作モードの説明

図 3–7 に、20 x 24 独立乗算器モードでの可変精度 DSP ブロックを示します。

図 3–8 に、27 x 27 独立乗算器モードでの可変精度 DSP ブロックを示します。

図3‒7. 可変精度 DSP ブロックごとの 1つの 20 x 24 独立乗算器モード(1)

図 3–7 の注:

(1) チェインアウト加算器またはアキュムレータを組み込めば最大 52 ビットまでの結果が可能です。

図3‒8. 可変精度 DSP ブロックごとの 1つの 27 x 27 独立乗算器モード(1)

図 3–8 の注:

(1) チェインアウト加算器またはアキュムレータを組み込めば最大 64 ビットまでの結果が可能です。

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Multiplier

xResult[43..0]

dataa_b0[19..0]

dataa_a0[23..0]

20

24

44

Variable-Precision DSP Block

Out

put R

egis

ter B

ank

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Multiplier

x Result[53..0]

dataa_b0[26..0]

dataa_a0[26..0]

27

27

54

Variable-Precision DSP Block

Out

put R

egis

ter B

ank

Cyclone Vデバイス・ハンドブック 2012年 6月 Altera CorporationVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒13動作モードの説明

独立複素数乗算器モードCyclone V デバイスは、Cyclone V の 2 つの可変精度 DSP ブロックを使用して 18 x 19複素数乗算器モードをサポートします。

式 3–1 に、複素数乗算の式のサンプルを示します。

虚部の [(a × d) + (b × c)] は 1 番目の可変精度 DSP ブロックに実装され、そして実部

の [(a × c) - (b × d)] は 2 番目の可変精度 DSP ブロックに実装されます。

図 3–9 に、18 x 19 複素数乗算を示します。

式3‒1. 複素数乗算の式

a jb+( ) c jd+( )× a c×( ) b d×( )–[ ] j a d×( ) b c×( )+[ ]+=

図3‒9. 2 つの可変精度 DSPブロックを使用する 1 つの 18 x 19 複素数乗算器

Variable-Precision DSP Block 1

Variable-Precision DSP Block 2

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Imaginary Part(ad+bc)

Multiplier

c[18..0]

b[17..0]

19

18

Multiplier

d[18..0]

a[17..0]

19

18

37

Adder

+

x

x

Out

put R

egis

ter B

ank

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Real Part(ac-bd)

d[18..0]

b[17..0]

19

18

c[18..0]

a[17..0]

19

18

37

Out

put R

egis

ter B

ank

Multiplier

Multiplier

Adder

x

x

-

2012 年 6月 Altera Corporation Cyclone Vデバイス・ハンドブックVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合

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3‒14 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロック動作モードの説明

Multiplier Adder Sumモード図 3–10 に、2 つの 18 x 19 Multiplier Adder Sum モードで 1 つの和を得る場合の可変精

度 DSP ブロックを示します。

図3‒10. 1 つの可変精度 DSP ブロックを使用する 2 つの 18 x 19 乗算器からの 1 つの和

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Result[36..0]

dataa_y0[18..0]

dataa_x0[17..0]

19

18

Variable-Precision DSP Block

datab_y1[18..0]

datab_x1[17..0]

19

18

37

Multiplier

Multiplier

Adder

+/-

Chainout adder oraccumulator

SUB_COMPLEX

Out

put

Reg

iste

r Ban

k

+

x

x

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒15動作モードの説明

36 ビット入力に加算する 18 x 18 乗算モードCyclone V の可変精度 DSP ブロックは、18 x 18 乗算を 1 つの 36 ビット入力に加算す

ることができます。

下位乗算器がバイパスされている間に、18 x 18 乗算の入力を提供する上位加算器を

使用します。datab_y1[17..0]信号および datab_y1[35..18]信号が連結されて、

36 ビット入力を生成します。

図 3–11 に、可変精度 DSP ブロックでの 36 ビット入力に加算する 18 x 18 乗算モード

を示します。

図3‒11. 36 ビット入力に加算する 18 x 18 乗算モード

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

Result[36..0]

dataa_y0[17..0]

dataa_x0[17..0]

18

18

Variable-Precision DSP Block

datab_y1[35..18]

datab_y1[17..0]

18

18

37

Multiplier

Adder

Chainout adder oraccumulator

SUB_COMPLEX

Out

put R

egis

ter B

ank

x

+/- +

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3‒16 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロック動作モードの説明

シストリック FIR モードFIR フィルタの基本構造は、次に示す一連の乗算から構成されています。

式 3–2 に、FIR フィルタ動作を示します。

タップおよび入力サイズの大きさによっては、多くの加算器のチェイン内での遅延

が非常に大きくなることがあります。遅延のパフォーマンスの問題を克服するため

に、タップごとの追加の遅延要素と共にシストリック・フォームが使用されること

で、増大するレイテンシのコストでのパフォーマンスが向上します。

図 3–12 に、シストリック・フォームでの FIR フィルタの同等回路を示します。

Cyclone V の可変精度 DSP ブロックは、18 ビットおよび 27 ビットのシストリック FIRの構造をサポートします。

シストリック FIR モードでは、乗算器に対して 4 つの異なる一連のソースから入力

することができます。

■ 2 つのダイナミック入力

■ 1 つのダイナミック入力および 1 つの係数入力

■ 1 つの係数入力および 1 つのプリ加算器出力

■ 1 つのダイナミック入力および 1 つのプリ加算器出力

18 ビットのシストリック FIR の例 — 加算器はデュアル 44 ビット加算器としてコン

フィギュレーションされており、18 ビット動作を使用するときにオーバーヘッドの

8 ビットを与えます(36 ビットのプロダクト)。これによって合計 256 の乗算器プロ

ダクトが可能となります。

式3‒2. FIR フィルタの基本式

図3‒12. シストリック FIR フィルタの同等回路

y n[ ] c i[ ]x n i– 1–[ ]i 1=

k

=

1−kc][nx

][ny

1c 2c kc

][1 nw ][2 nw ][1 nwk− ][nwk

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第 3 章: Cyclone V デバイスの可変精度 DSP ブロック 3‒17動作モードの説明

図 3–13 に、18 ビットのシストリック FIR モードを示します。

27 ビットのシストリック FIR の例 — チェインアウト加算器またはアキュムレータ

は、64 ビット動作用としてコンフィギュレーションされており、27 ビットのデータ

を使用するときにオーバーヘッドの 10 ビットを提供します(54 ビットのプロダク

ト)。これによって、合計 1024 の乗算プロダクトが可能となります。

27 ビットのシストリック FIR モードによって、DSP ブロックごとに 1 つのステー

ジ・シストリック・フィルタの実装が可能となります。

図 3–14 に、27 ビットのシストリック FIR モードを示します。

図3‒13. 18 ビットのシストリック FIR モード

図 3–13 の注:

(1) シストリック・レジスタには、出力レジスタ・バンクとして同一のクロック・ソースがあります。

Inpu

t Reg

iste

r Ban

kdataa_y0[17..0]

dataa_z0[17..0]

dataa_x0[17..0]

COEFSELA[2..0]

datab_y1[17..0]

datab_z1[17..0]

datab_x1[17..0]

COEFSELB[2..0]

+/-

Pre-Adder

+/-

Pre-Adder

+/-

InternalCoefficient

InternalCoefficient

Multiplier

Multiplier

Adder

+/-

Systolic Registers (1)

Systolic Register (1)

Chainout adder oraccumulator

+

Out

put R

egis

ter B

ank

chainin[43..0]

chainout[43..0]

Result[43..0]

18-bit Systolic FIR

x

x

図3‒14. 27 ビットのシストリック FIR モード

Inpu

t Reg

iste

r Ban

k

dataa_y0[25..0]

dataa_z0[25..0]

dataa_x0[26..0]

COEFSELA[2..0]

Pre-Adder

+/-

InternalCoefficient

Multiplier

Adder

+/-

Chainout adder oraccumulator

+

chainin[63..0]

chainout[63..0]

27-bit Systolic FIR

27 x

Out

put R

egis

ter B

ank

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3‒18 第 3章: Cyclone V デバイスの可変精度DSP ブロック改訂履歴

改訂履歴表 3–4 に、本資料の改訂履歴を示します。

表3‒4. 改訂履歴

日付 バージョン 変更内容

2012 年 6 月 2.0

Quartus II ソフトウェア v12.0 リリースの更新。

■ 章の再構成。

■「デザインの検討事項」、「加算器」、および「ダブル累算レジスタ」のセクションの追加。

■ 図 3–1 および 図 3–13 の更新。

■ 表 3–3 の追加。

■「シストリック・レジスタ」および「シストリック FIR モード」のセクションの更新。

■ 式 3–2 の追加。

■ 図 3–12 の追加。

2011 年 10 月 1.0 初版。

Cyclone Vデバイス・ハンドブック 2012年 6月 Altera CorporationVolume 1:デバイスのインタフェースおよび統合